JP2003114543A - オイルレストナー - Google Patents
オイルレストナーInfo
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Abstract
ないために転写率を向上させたトナーを得ること、さら
にまた現像剤の高耐久化を図ることである。 【解決手段】 有機配位子とパラジウムとの反応により
得られるカプセル状またはチューブ状の分子構造を有す
る化合物の該カプセルまたはチューブ内部にワックスま
たはシラン化合物を導入した化合物をトナーに混合す
る。
Description
録法、静電印刷法において形成される静電潜像を現像す
るためのトナーに関し、さらに詳しくは高転写率で、か
つ高耐久性のトナーに関する。
れてくるのにともない、オフィスではパソコン(PC)
の使用が一般化され、一人一台の時代になってきてい
る。PCで作成された文書は、電子データとして配付、
閲覧されたり、または紙情報として印刷またはコピーさ
れることにより多くの人々の共有情報となる。そうした
オフィスで紙情報として出力し、配布、回覧するために
一般的に使用されているプリンターや複写機としては、
すべてのPCから出力できるようにネットワーク型のも
のが使用されている。
データ出力装置の多くは、電子写真方式のものである
が、電子写真プロセスではその特性上、廃トナーが生成
する。一方、多くの電子写真方式で用いられている2成
分現像方式では、現像に使用されるトナーに帯電性を付
与するためのキャリアに寿命が有り、回収、再生または
廃棄の必要がある。そして再生されれば、環境に対して
は好ましいものとなるが、廃棄されるとなると地球環境
を汚染するものとして大きな問題となってくることが予
想される。
まざまな取り組みが行われている。それらは、例えば、
資源のリサイクル、無公害、廃棄ゼロ、省エネルギー、
地球温暖化対策、クリーンエネルギー等である。
しい電子データ出力装置が望まれている。キャリアを用
いない方法としては1成分現像方式があるが、転写後に
多くの廃トナーが残り(2成分現像も同じ)、環境に対
しては好ましくない。また高速印字には適さないという
問題もある。
IT産業の重要な部分となる電子データの高速の出力装
置が廃トナーを出さないためには、画像を形成する装置
としては1つに紙等への転写率を上げることである。ま
た、高速で印字するためには、定着時のオイル塗布機構
を省いたオイルレストナーを用いた定着方式が望まれ
る。さらに現像剤の廃棄問題をクリアするために、これ
まで以上の高耐久性の現像剤を開発する必要がある。
で、その目的とするところは、廃トナーを出さないため
に転写率を向上させたトナーを得ることである。また他
の目的としては現像剤の高耐久化を図ることである。
ることなくトナーの融着を防ぐために、トナーにワック
スを添加する方法が一般的に用いられているが、トナー
の経時的な安定性が大きな問題となってきた。すなわ
ち、ワックスが感光体やキャリア表面に付着して、画像
濃度低下等の問題を引き起こしている。本発明者らは、
そのようなワックスにおける問題を回避するためにワッ
クスを通常使用時はカゴ(カプセル状またはチューブ状
の分子構造を有する化合物)の中に閉じこめて、必要な
ときにのみ抽出させる方法を見いだした。また同時にワ
ックスを閉じこめるカゴに帯電制御機能を付与すること
にも成功した。
1では、有機配位子とパラジウムとの反応により得られ
るカプセル状またはチューブ状の分子構造を有する化合
物の該カプセルまたはチューブの内部にワックスまたは
シラン化合物を導入した化合物を含有することを特徴と
するオイルレストナーが提供される。
のオイルレストナーにおいて、有機配位子が窒素原子を
含む六員環を少なくとも3以上有することを特徴とする
オイルレストナーが提供される。
のオイルレストナーにおいて、有機配位子が下記式
(1)で表わされる5座配位子であることを特徴とする
オイルレストナーが提供される。
のオイルレストナーにおいて、有機配位子が下記式
(2)で表わされる4座配位子であることを特徴とする
オイルレストナーが提供される。
のオイルレストナーにおいて、上記カプセルまたはチュ
ーブの内部にシラン化合物を導入した化合物が、上記式
(1)の5座配位子とパラジウムを反応させ、得られた
カプセル状またはチューブ状の分子構造を有する化合物
の内部でアルコキシシランの縮合反応を行って得た化合
物であることを特徴とするオイルレストナーが提供され
る。
のオイルレストナーにおいて、上記カプセルまたはチュ
ーブの内部にワックスを導入した化合物が、上記式
(1)の5座配位子とパラジウムを反応させ、得られた
カプセル状またはチューブ状の分子構造を有する化合物
の内部で脂肪酸エステル化合物の縮合反応を行って得た
化合物であることを特徴とするオイルレストナーが提供
される。
本発明では、適度な結合力と明確な方向性を持ったパラ
ジウム金属を用いた配位結合に誘起された精密分子構造
体が一義的に自己組織化する系により、ワックス分子を
精密分子構造体に閉じこめて、必要なときにだけワック
スの機能を発現できるようにした。これにより従来の合
成化学では到達できない新しい分子物質の構築により、
高耐久オイルレストナーの開発を行うことができた。
格の内部に、外界から完全に孤立した特異な空間を有し
ている。その内部空間に閉じこめられた分子は、通常の
状態と比べて劇的に変化することが知られている。この
ようなカプセル分子は、様々な用途に応用が期待できる
が、合成が極めて難しいといった問題点があった。これ
に対して、本発明では多面体の構成成分である正三角形
に注目した。有機配位子を正三角形の分子パネルに、遷
移金属をパネル同士をつなぎ留める金具に見立てること
で、様々なカプセル分子が自発的に組み上がることを期
待した。実際、正三角形の分子パネルの接続する方向と
数を制御することで、様々なナノスケールのカプセル分
子の構築に成功した。
化合物は、その特異的な形状の内部空間を利用して、イ
オンや分子の選択的輸送や、触媒などの機能が期待され
ている。このようなナノチューブはこれまでにもいくつ
か報告されているが、それらはいずれもはじめに環状構
造をつくり、その環状化合物を積み重ねることにより構
築されている。こうして得られるチューブには長さに分
布があり、一般にはチューブの長さを制御するのは困難
である。
かじめ一定の数だけ積み重ねたパネル状分子をつくり、
これを環状につなぐことにより、長さの制御されたナノ
チューブを構築する方法を検討した。この手法に基づい
て平面的な配座をとるオリゴ3,5−ピリジン配位子と
パラジウム錯体から、ナノチューブの合成を試みた。実
際、ワックス分子のような棒状のゲスト分子を導入する
ことで、長さを制御したナノチューブの自己集合に成功
した。
図を示すものである。1のパネル状分子を複数枚使用し
て2のような円筒状の筒分子を作る。パネル間のジョイ
ントにはパラジウムのような配位結合性の遷移金属を用
い配位結合により結合させる。これを縦に並べることで
3のような形状のナノチューブを作製する。あるいは1
のパネル状分子を使ってまず長いパネル状分子4を作製
し、上記と同様にパネル間を配位結合させることで円筒
状のカゴ(ナノチューブ)5を形成する。上記により得
られたチューブ錯体(ピリジン環3枚および4枚)の、
X線結晶構造の解析に成功した。チューブ内にはゲスト
が垂直におさまっており、ゲストとピリジン配位子が疎
水性相互作用に基づいて、安定な骨格を形成している様
子が観測された。
り具体的に説明するが、これらは本発明の一態様にすぎ
ず、これらに限定されない。
ンアクリル樹脂50重量部、そしてカーボンブラック5
重量部と帯電制御剤E−84を1重量部を通常の混練方
法により混練し、つづいて圧延冷却後粗粉砕したトナー
をジェットミルにて粉砕し、最後に気流式分級機におい
て体積平均粒径7.2μm、個数平均粒径6.8μmの
トナーを得た。次に、水中で式(1)の化合物をパラジ
ウムにより配位させたものにアルコキシシランを混ぜ
て、シラン化合物が式(1)の化合物の配位によりカゴ
内部に閉じこめられた材料を合成した。次いで合成され
た材料をトナー表面に5重量部、乾式で混合処理を行っ
た。最後にシリカを2重量部混合してトナーを得た。本
トナーは上記パラジウムが特定の配位状態で存在するた
め帯電制御機能が付与されている。上記により得られた
トナーを用いてオイル塗布機構を外したリコー製カラー
プリンターIpsio8000で画像形成を行った。キ
ャリアにはリコーカラー現像剤タイプFからトナーを6
00メッシュでバキューム吸引して残りのキャリアを使
用し、トナー濃度5%で行なった。細線およびベタ画像
が良好な画像が形成できた。転写率を測定したところ9
8%であった。また、現像剤の寿命は250K枚まで交
換は必要なかった。帯電の立ち上がりも良好で、高速印
字条件下におけるトナー補給でも地汚れは発生しなかっ
た。
に変えた以外は同じ方法でトナーを作製した。転写率9
7%、現像剤寿命300Kであった。
エステルを用いた以外は実施例1と同様の方法でトナー
を作製した。転写率98%、現像剤寿命280Kであっ
た。
重量部同時に混練し、最終工程でシラン化合物を内包し
たカゴ化合物を混合しない以外は実施例1と同様の方法
でトナーを作製した。転写率は60%、現像剤寿命は3
0K枚であった。
レストナーによれば、ワックスまたはシラン化合物を通
常使用時はカゴの中に閉じこめて、必要なときにのみ抽
出させる方法を用いてトナーを作製し、また同時にワッ
クスまたはシラン化合物を閉じこめるカゴに帯電制御機
能を与えることにより、高耐久でかつ廃棄トナーの少な
い現像剤を得ることができる。
図。
ゴ) 10 カゴ分子 20 ワックス分子
Claims (6)
- 【請求項1】 有機配位子とパラジウムとの反応により
得られるカプセル状またはチューブ状の分子構造を有す
る化合物の該カプセルまたはチューブの内部にワックス
またはシラン化合物を導入した化合物を含有することを
特徴とするオイルレストナー。 - 【請求項2】 請求項1記載のオイルレストナーにおい
て、有機配位子が窒素原子を含む六員環を少なくとも3
以上有することを特徴とするオイルレストナー。 - 【請求項3】 請求項2記載のオイルレストナーにおい
て、有機配位子が下記式(1)で表わされる5座配位子
であることを特徴とするオイルレストナー。 【化1】 - 【請求項4】 請求項2記載のオイルレストナーにおい
て、有機配位子が下記式(2)で表わされる4座配位子
であることを特徴とするオイルレストナー。 【化2】 - 【請求項5】 請求項1記載のオイルレストナーにおい
て、前記カプセルまたはチューブの内部にシラン化合物
を導入した化合物が、上記式(1)の5座配位子とパラ
ジウムを反応させ、得られたカプセル状またはチューブ
状の分子構造を有する化合物の内部でアルコキシシラン
の縮合反応を行って得た化合物であることを特徴とする
オイルレストナー。 - 【請求項6】 請求項1記載のオイルレストナーにおい
て、前記カプセルまたはチューブの内部にワックスを導
入した化合物が、上記式(1)の5座配位子とパラジウ
ムを反応させ、得られたカプセル状またはチューブ状の
分子構造を有する化合物の内部で脂肪酸エステル化合物
の縮合反応を行って得た化合物であることを特徴とする
オイルレストナー。
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2001
- 2001-10-03 JP JP2001307748A patent/JP3873699B2/ja not_active Expired - Fee Related
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