JP3873677B2 - ウエザーストリップ、その製造方法及びその取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のドア開口周縁に設けられるウエザーストリップ、その製造方法及びその取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両のドア開口周縁にはウエザーストリップが設けられる。ウエザーストリップは、ドア開口周縁のフランジに対し嵌め込まれることによって保持される断面略U字形のトリム部と、前記トリム部から突出するよう設けられた中空状のシール部とを備えている。トリム部の内部には金属製のインサートが埋設されている。また、トリム部の側壁の内面には、内側に向かって延びる保持リップ部が一体形成されている。ウエザーストリップの取付に際しては、トリム部がフランジに嵌め込まれ、基本的には前記保持リップ部による弾性力に基づいて取付状態が維持されるようになっている。そして、ドア閉時には、ドアの縁部が前記シール部と当接し、前記シール部が潰れ変形することによって、ドアとボディとの間がシールされる。かかるウエザーストリップのうち、長手方向の多くの部分、或いは、全部が、所謂押出成形法によって成形される。
【0003】
ところで、取付けられる側のフランジの厚みは、部位によって相違することがある。この場合、前記保持リップ部の大きさ(長さ)が常に一定だとすると、フランジの厚みが大きい部位においては、嵌め込み時の応力(挿入荷重)が大きくなり、取付に際しての作業性の悪化を招いてしまうという不具合が生じうる。
【0004】
このような不具合を抑制するべく、押出成形に際し、フランジの厚みの変化に追従させて、保持リップ部の長さを連続的に可変とすることが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、保持リップ部の長さを、フランジの厚みに応じて連続的に可変とした場合、次のような不具合が生じるおそれがある。すなわち、押出成形により得られたウエザーストリップを環状に構成しようとした場合、押出成形によって得られた1本分のウエザーストリップの両端面同士を接合すること、或いは、両端部同士を金型にセットして型接続することが考えられる。ところが、両端面の形状が相違していると(この場合、保持リップ部の長さが相違していると)、接合をうまく行うことができなかったり、金型の構造が複雑なものとなってしまい、型接続を行うのに支障が生じたりするおそれがある。
【0006】
また、連続して複数本分のウエザーストリップを押出成形により得ようとした場合、1本分のウエザーストリップの始端部と終端部とで保持リップ部の長さが相違していると、終端部の保持リップ部の長さから次の始端部の保持リップ部の長さまで合わせるまでの押出部分が無駄になってしまう。その結果、歩留まりが低下し生産効率の悪化を招くおそれがある。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、端部同士を接合したり、接続したりする際の不具合を防止でき、複数本分を連続して製造しようとした場合に生産効率が悪化してしまうのを防止することのできるウエザーストリップ、その製造方法及びその取付構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0013】
手段1.車両のドア開口周縁のフランジに嵌め込まれ、車内側側壁部、車外側側壁部及び両側壁部を連結する連結部を有する断面略U字形のトリム部と、
前記トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁が押付けられる中空状のシール部と、
前記車内側側壁部及び車外側側壁部の内面から前記フランジ側に向かって延出形成された保持リップ部とを備え、
前記トリム部の長手方向に沿ってインサートが埋設されたウエザーストリップであって、
前記車外側側壁部の内面から延出形成された保持リップ部は一定の長さを有し、
ウエザーストリップの長手方向に沿って変動している前記ドア開口周縁のフランジの厚みが、前記長手方向に対応させて、所定範囲を有する複数の所定段階に区分された上で、
前記車内側側壁部の内面から延出形成された保持リップ部は、前記フランジの厚みが大きい部位に対応する前記保持リップ部の長さが短くなるよう、その長さが前記区分に応じて複数の所定段階に切換えられており、
かつ、長手方向始端部分及び終端部分に関しては、対応するフランジの厚みのうち大きい方の厚みに合わせて、前記車内側側壁部の内面から延出形成された保持リップ部の長さが、共に同一又はほぼ同一となっていることを特徴とするウエザーストリップ。
【0014】
手段1によれば、車外側側壁部の内面から延出形成された保持リップ部の長さが一定であり、車内側側壁部の内面から延出形成された保持リップ部の長さがフランジの厚みに応じて複数の所定段階に切換えられている。このため、フランジの厚みが大きい部位においては、保持リップ部が短くされることで、挿入荷重の増大が起こりにくくなる。逆にフランジの厚みが小さい部位においては、保持リップ部が長くされることで、十分な弾性力が確保され、抜けが起こりにくくなる。しかも、操作荷重に関し、車内側側壁部の内面から延出形成された保持リップ部(一方の保持リップ部)の長さを考慮すればよいため、双方の保持リップ部の長さを異ならせる場合に比べ、前記挿入荷重等の調整を行いやすい。但し、長手方向始端及び終端の保持リップ部の長さが共に同一又はほぼ同一となっているため、ウエザーストリップを環状に構成しようとした場合、始端面及び終端面同士の接合を容易かつ正確に行うことができるし、或いは、両端同士を金型にセットして型接続しようとした場合、金型の構造が複雑なものとなってしまうことがなく、型接続に支障が生じにくい。また、連続して複数本分のウエザーストリップを押出成形により得ようとした場合、無駄なく連続した製造を行うことができ、歩留まり及び生産効率の悪化を防止することができる。しかも、保持リップ部の長さが、始端及び終端のうち、対応するフランジの厚みの大きい方に合わせられているため、保持リップ部の長さを共に同一又はほぼ同一とすることによって挿入荷重が大きくなってしまうといった事態を回避できる。
併せて、保持リップ部の長さが段階的に切換えられるため、製造に際し、制御が複雑となってしまうことがなく、制御の複雑化に伴うコストの増大を抑制することができる。また、フランジの厚みの変化が多い場合であっても、長さの変更が間に合わず、所望とするリップ長さを得られないという事態も起こりにくい。さらに、押出速度の増大を図ることができ、もって生産性の向上を図ることができる。
【0017】
手段2.車両のドア開口周縁のフランジに保持される断面略U字形のトリム部と、
前記トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁が押付けられる中空状のシール部と、
前記トリム部の内面から前記フランジ側に向かって延出形成された保持リップ部とを備え、
前記トリム部の長手方向に沿ってインサートが埋設されたウエザーストリップの製造方法であって、
ウエザーストリップの長手方向に沿って変動している前記ドア開口周縁のフランジの厚みが、前記長手方向に対応させて、所定範囲を有する複数の所定段階に区分された上で、
押出成形に際し、前記フランジの厚みが大きい部位に対応する前記保持リップ部の長さが短くなるよう、前記保持リップ部の長さを前記区分に応じて複数の所定段階に切換えるようにするとともに、
少なくとも長手方向始端部分及び終端部分に関しては、保持リップ部の長さが、対応するフランジの厚みのうち大きい方の厚みに合わせて、共に同じ又はほぼ同じ長さとなるようにしたことを特徴とするウエザーストリップの製造方法。
【0018】
手段2によれば、フランジの厚みに応じて保持リップ部の長さが複数の所定段階に切換えられるため、フランジの厚みが大きい部位においては、保持リップ部が短くされることで挿入荷重の増大を防止でき、フランジの厚みが小さい部位においては、保持リップ部が長くされることで抜けが起こりにくくなる。但し、長手方向始端及び終端の保持リップ部の長さは共に同じ又はほぼ同じ長さとされる。このため、ウエザーストリップを環状に構成しようとした場合、始端面及び終端面同士の接合を容易かつ正確に行うことができるし、或いは、両端同士を金型にセットして型接続しようとした場合、金型の構造が複雑なものとなってしまうことがなく、型接続に支障が生じにくい。また、連続して複数本分のウエザーストリップを押出成形により得ようとした場合、無駄なく連続した製造を行うことができ、歩留まり及び生産効率の悪化を防止することができる。しかも、保持リップ部の長さが、始端及び終端のうち、対応するフランジの厚みの大きい方に合わせられているため、保持リップ部の長さを共に同じ又はほぼ同じとすることによって挿入荷重が大きくなってしまうといった事態を回避できる。
併せて、保持リップ部の長さが段階的に切換えられるため、製造に際し、制御が複雑となってしまうことがなく、制御の複雑化に伴うコストの増大を抑制することができる。また、フランジの厚みの変化が多い場合であっても、長さの変更が間に合わず、所望とするリップ長さを得られないという事態も起こりにくい。さらに、押出速度の増大を図ることができ、もって生産性の向上を図ることができる。
【0021】
手段3.車両のドア開口周縁のフランジに嵌め込まれ、車内側側壁部、車外側側壁部及び両側壁部を連結する連結部を有し、長手方向に沿ってインサートが埋設された断面略U字形のトリム部と、
前記トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁が押付けられる中空状のシール部と、
前記トリム部の内面から前記フランジ側に向かって延出形成された保持リップ部とを備え、
前記トリム部を前記車両のドア開口周縁のフランジの所定区間を除く区間に嵌め込むことで取付けてなるウエザーストリップの取付構造であって、
ウエザーストリップの長手方向に沿って変動している前記ドア開口周縁のフランジの厚みが、前記長手方向に対応させて、所定範囲を有する複数の所定段階に区分された上で、
前記ウエザーストリップは、前記フランジの厚みが大きい部位に対応する前記保持リップ部の長さが短くなるよう、前記保持リップ部の長さが前記区分に応じて複数の所定段階に切換えられており、
かつ、長手方向始端部分及び終端部分に関しては、保持リップ部の長さが、対応するフランジの厚みのうち大きい方の厚みに合わせて共に同一又はほぼ同一となっており、
さらに、前記フランジの所定区間並びに始端部分及び終端部分を覆うようにして被覆部材を取付けるようにしたことを特徴とするウエザーストリップの取付構造。
【0022】
手段7によれば、ウエザーストリップは、断面略U字形のトリム部が車両のドア開口周縁のフランジの所定区間を除く区間に嵌め込まれることで取付けられる。特に、保持リップ部の長さが、始端及び終端のうち、対応するフランジの厚みの大きい方に合わせられているため、保持リップ部の長さを共に同一又はほぼ同一としたことによる挿入荷重の増大を回避できる。さらに、フランジの所定区間並びに始端部分及び終端部分を覆うようにして被覆部材が取付けられている。このため、フランジの厚みの大きい方に長さが合わせられた保持リップ部に関しては、保持力が小さくなってしまうことが懸念されるが、該部分が被覆部材で覆われることで、トリムが抜けてしまうといった事態を防止できる。
併せて、保持リップ部の長さが段階的に切換えられるため、製造に際し、制御が複雑となってしまうことがなく、制御の複雑化に伴うコストの増大を抑制することができる。また、フランジの厚みの変化が多い場合であっても、長さの変更が間に合わず、所望とするリップ長さを得られないという事態も起こりにくい。さらに、押出速度の増大を図ることができ、もって生産性の向上を図ることができる。
【0023】
手段4.前記所定区間は前記ドア開口の下端部に設けられ、前記被覆部材は、前記フランジに嵌着されるスカッフプレートであることを特徴とする手段3に記載のウエザーストリップの取付構造。
【0024】
手段4によれば、ドア開口の下端部の所定区間にスカッフプレートが取付けられることで、ウエザーストリップが視認されにくくなり、外観品質の向上が図られる。
【0025】
手段5.前記スカッフプレートは、前記フランジに対し自身に取付けられた係止具を介して嵌着されるものであり、該係止具は、少なくとも前記始端近傍及び終端近傍に対応してそれぞれ取付けられるものであることを特徴とする手段4に記載のウエザーストリップの取付構造。
【0026】
手段5によれば、係止具が少なくとも始端近傍及び終端近傍に対応してそれぞれ取付けられるため、より確実に抜けが防止される。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下に、第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図2に示すように、自動車1の側方のドア2に対応するボディ側のドア開口3周縁には、ウエザーストリップ4が設けられる。本実施の形態のウエザーストリップ4は、ドア開口3の全周縁にわたって取付けられ、全て押出成形法によって成形されている。また、ウエザーストリップ4は、押出成形に際し複数本分製造されたうちの1本であって、図3に示すように、始端面α及び終端面βが互いに接合されている。両端面α,βの接合箇所は、ドア開口3の下部前方側(図3の下部左側)に位置している。
【0029】
図1,4に示すように、ウエザーストリップ4は、トリム部5及びシール部6を備えている。トリム部5は、車内側側壁11、車外側側壁12及び両側壁11,12を連結する断面湾曲形状をなす連結部13を備えており、全体として略U字形をなしている。トリム部5は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合)ソリッドゴムによって構成されており、その内部には、金属製のインサート14が埋設されている。
【0030】
車外側側壁12の内面には、トリム部5の内側(車両幅方向車内側)に向かって延びる複数の保持リップ部15が一体形成されている。当該保持リップ部15は、いずれの部位においても一定の大きさ(長さ)を有している。また、車内側側壁11の内面には、トリム部5の内側(車両幅方向車外側)に向かって延びる可変保持リップ部16が一体形成されている。なお、前記連結部13には図示しないガーニッシュ等の内装品の端部を覆うためのカバーリップ17が一体形成されている。
【0031】
さらに、シール部6は前記車外側側壁12に対し車外側に突出して設けられており、中空状をなしている。該シール部6は、EPDMスポンジゴムによって構成されている。そして、ドア2閉時には、シール部6が潰れ変形することで、ドア2と自動車1のボディとの間がシールされるようになっている。
【0032】
さて、上記ウエザーストリップ4は、トリム部5がボディ側のドア開口3周縁に嵌め込まれることによって取付けられている。より詳しく説明すると、ボディは、インナパネル21及びアウタパネル22を備えており、基本的にはこれら両パネル21,22の周縁部分が接合されることにより、フランジ23が形成されている。但し、本実施の形態では、各部位によってフランジ23の厚みが相違するようになっている。例えば、図4(a)に示すように、インナパネル21及びアウタパネル22のみが相互に接合されることによってフランジ23が構成されている部位もあれば、図4(b),(c)に示すように、強度を高めるべく板状のリーンフォース24,25が両パネル21,22間に設けられることによってフランジ23が構成されている部位もある。また、1枚のリーンフォース24又は25のみが設置されている部位もあれば、2枚のリーンフォース24,25が重ね合わされて設置されている部位(厚肉部)もある。
【0033】
これに対し、本実施の形態では、基本的には、フランジ23の厚みに応じて、前記可変保持リップ部16の長さがウエザーストリップ4の長手方向に相違するようになっている。但し、フランジの厚みに応じて連続的にリップ長さが徐変させられている訳ではなく、本実施の形態における可変保持リップ部16の長さは3段階に切り換えられている。
【0034】
図5は、上述したウエザーストリップ4の押出成形に際し用いられるダイス31等を模式的に示す図である。ダイス31は、前記ウエザーストリップ4を成形するための成形孔32を有しており、この成形孔32から未加硫のゴム材料が押し出されるようになっている。また、前記トリム部5に対応する部位は、当初開いた状態で押し出されるよう略扁平状をなしており(後に湾曲させられる)、当該部位には、未加硫ゴムとともにインサート14が連続的に供給されるようになっている。
【0035】
また、可変保持リップ部16の長さを切り換えるための機構として、シャッタ33及びアクチュエータ34が設けられている。シャッタ33の両側にはガイドレール35が設けられ、シャッタ33は、ガイドレール35に沿ってスライド可能となっている。このスライドにより、前記成形孔32のうち、可変保持リップ部16に対応する部位の開口長が切り換えられるようになっている。但し、シャッタ33は、可変保持リップ部16の先端がいずれも一定の形状を有するような構造を有し、かつ、そのようにスライドさせられる。また、アクチュエータ34は、シャッタ33をスライドさせるためのものであって、シリンダ、カム機構、或いはモータといった公知のものを適宜採用することができる。さらに、アクチュエータ34は、制御装置41によって駆動制御される。
【0036】
次に、上記のように構成されてなるウエザーストリップ4の製造方法のうち、主要な押出成形工程について説明する。
【0037】
なお、制御装置41には、ウエザーストリップ4の長手方向に沿って変動するフランジ23の厚みに関するデータ、つまり、図3におけるウエザーストリップ4の一方の始端面αから他方の終端面βに至るまでの間における対応するフランジ23の厚みに関する情報が予め入力されており、制御装置41は、かかるデータに基づいてアクチュエータ34を制御する。
【0038】
より詳しくは、フランジ23の厚みが比較的大きい範囲内にあるときには、「厚み大」に属するものとして区分され、可変保持リップ部16の目標長さが短いものとされ、シャッタ33が図5の上方に位置するようアクチュエータ34が制御される。これにより、少なくともフランジ23の厚みが比較的大きい区間においては、実際の可変保持リップ部16の長さが短いものとなる。
【0039】
また、フランジ23の厚みが中程度の範囲内にあるときには、「厚み中」に属するものとして区分され、目標長さが中程度とされ、シャッタ33が図5の中間に位置するようアクチュエータ34が制御される。これにより、フランジ23の厚みが中程度の区間においては、実際の可変保持リップ部16の長さが中程度のものとなる。さらに、フランジ23の厚みが比較的小さい範囲内にあるときには、「厚み小」に属するものとして区分され、目標長さが長いものとされ、シャッタ33が図5の下方に位置するようアクチュエータ34が制御される。これにより、フランジ23の厚みが比較的小さい区間においては、実際の可変保持リップ部16の長さが長いものとなる。
【0040】
ここで、始端面αを含む始端部分に対応するフランジ23は、ヒンジ部に近いことから補強が必要とされ、その厚みは大きいものとなっている。これに対し、終端面βを含む終端部分に対応するフランジ23の厚みは、中程度となっている。上記趣旨からすると、かかるフランジ23の厚みの相違に応じて、可変保持リップ部16の長さもそれぞれ相違してしかるべきであるが、本実施の形態では、始端面αを含む始端部分及び終端面βを含む終端部分は、共に同一の断面形状をなしている。すなわち、始端部分及び終端部分共に、可変保持リップ部16の長さは同一となっている。
【0041】
特に、本実施の形態では、対応するフランジの厚みのうち大きい方の厚みに合わせて、可変保持リップ部16の長さが設定されている。つまり、始端部分に関しては、対応するフランジ23の厚みは大きいため、可変保持リップ部16の長さは短いものとなっている(例えば図1(c)参照)。これに対し、終端部分に関しては、対応するフランジ23の厚みはさほど大きくない(中程度である)ものの、始端部分と同様、可変保持リップ部16の長さは短いものとなっている(同じく図1(c)参照)。
【0042】
このように構成されてなる本実施の形態によれば、フランジ23の厚みが大きい範囲内にあるとき、「厚み大」に属するものとして区分され、基本的には可変保持リップ部16の長さが短いものとされる。このため、挿入荷重が増大してしまうといった事態が起こりにくくなり、取付作業性の悪化を防止することができる。また、逆に、フランジ23の厚みが小さい範囲内にあるときには、「厚み小」に属するものとして区分され、可変保持リップ部16が長いものとされる。このため、十分な弾性力を確保することができ、抜けが起こりにくくなり、取付状態の安定化を図ることができる。
【0043】
また、ウエザーストリップ4の長手方向の始端部分及び終端部分の可変保持リップ部16の長さは共に同一長さとなっている。このため、本実施の形態のようにウエザーストリップ4を環状に構成した上で取付けようとした場合、始端面α及び終端面β同士が同一端面形状となっているため、両者の接合を容易かつ正確に行うことができる。なお、本実施の形態では、両者を接合することでウエザーストリップ4を構成しているが、両端同士を金型にセットして型接続するようにしてもよい。この場合には、両端面α,β同士が同一の断面形状をなしているため、金型の構造が複雑なものとなってしまうことがなく、型接続に支障が生じるのを抑制できる。
【0044】
さらに、連続して複数本分のウエザーストリップ4を押出成形により得ようとした場合、始端面α及び終端面βが同一端面形状となっているため、1本分を押し出して次の始端面αのために長さを戻すことを行わなくて済む。そのため、無駄なく連続した製造を行うことができ、歩留まり及び生産効率の悪化を防止することができる。
【0045】
しかも、始端部分及び終端部分の可変保持リップ部16の長さが、対応するフランジ23の厚みが大きい方の始端部分(短い方)に合わせられているため、上記のように可変保持リップ部16の長さを共に同一とすることによって挿入荷重が大きくなってしまうといった事態を回避できる。その結果、取付作業性の悪化を招くこともない。なお、ウエザーストリップ4の終端部分の可変保持リップ部16の長さがフランジ23の厚みに比して短くなっているものの、当該部分は長手方向にさほど長くなく、しかもその両側、つまりウエザーストリップ4の始端部分と、終端部分手前側の可変保持リップ部16の長い部分とによって十分に保持されていることから、脱落等のおそれはない。
【0046】
併せて、可変保持リップ部16の長さが段階的に切換えられるため、製造に際し、制御が複雑となってしまうことがなく、制御の複雑化に伴うコストの増大を抑制することができる。また、フランジ23の厚みの変化が多い場合であっても、長さの変更が間に合わず、所望とするリップ長さを得られないという事態も起こりにくい。さらに、押出速度の増大を図ることができ、もって生産性の向上を図ることができる。
【0047】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。但し、上述した第1の実施の形態と共通する部分については、詳細な説明を省略するとともに、以下には、相違点を中心として説明することとする。
【0048】
図6,7に示すように、本実施の形態のウエザーストリップ51は、ドア開口3のうち、下部の所定区間を除く周縁にわたって取付けられ、全て押出成形法によって成形されている。本実施の形態のウエザーストリップ51もまた、押出成形に際し複数本分製造されたうちの1本であって、始端面α及び終端面βを有している。
【0049】
図8に示すように、本実施の形態におけるウエザーストリップ51も、車内側側壁11、車外側側壁12及び連結部13よりなる断面略U字形のトリム部5と、中空状のシール部6とを備えており、トリム部5の車外側側壁12の内面には一定長さを有する保持リップ部15が形成され、車内側側壁11の内面には可変保持リップ部16が一体形成されている。また、ウエザーストリップ51の始端部分及び終端部分の可変保持リップ部16の長さは共に同一長さとなっている。このため、基本的には、上記第1の実施の形態と同等の作用効果が奏される。つまり、連続して複数本分のウエザーストリップ51を押出成形により得ようとした場合、始端面α及び終端面βが同一端面形状となっているため、1本分を押し出して次の始端面αのために長さを戻すことを行わなくて済む。そのため、無駄なく連続した製造を行うことができ、歩留まり及び生産効率の悪化を防止することができる。しかも、始端部分及び終端部分の可変保持リップ部16の長さが、対応するフランジ23の厚みが大きい方の始端部分(短い方)に合わせられているため、上記のように可変保持リップ部16の長さを共に同一とすることによって挿入荷重が大きくなってしまうといった事態を回避できる。その結果、取付作業性の悪化を招くこともない。
【0050】
但し、本実施の形態では、ウエザーストリップ51は、そのトリム部5がフランジ23の前記所定区間を除く区間に嵌め込まれることで取付けられている。つまり、前記ドア開口3下部の所定区間には、ウエザーストリップ51が存在していない。その代わりに、前記フランジ23の所定区間並びにウエザーストリップ51の始端部分及び終端部分を覆うようにして被覆部材としてのスカッフプレート52が取付けられている。
【0051】
図8,9に示すように、スカッフプレート52は、搭乗者が昇降時に足を乗せるための本体部53と、本体部53に一体形成された係止部54とを備えている。係止部54は、少なくとも前記始端近傍及び終端近傍に対応してそれぞれ設けられており、該係止部54には係止具55が取付けられている。係止具55は、嵌着部56を有しており、該嵌着部56が前記フランジ23に嵌め込まれることで、スカッフプレート52が取付けられている。
【0052】
このように、本実施の形態によれば、フランジ23の厚みの大きい方に長さが合わせられた側の可変保持リップ部16、つまり、終端近傍のトリム部5に関しては、フランジ23の厚みに比して可変保持リップ部16の長さが小さくなっており、保持力が小さくなってしまうことが懸念されるが、該部分がスカッフプレート52で覆われることで、トリム部5が抜けてしまうといった事態を防止できる。しかも、該スカッフプレート52の存在によって、ウエザーストリップ51、特に両端部分が視認されにくくなり、外観品質の向上を図ることができる。
【0053】
さらに、スカッフプレート52は、フランジ23に対し、自身に取付けられた係止具55を介して嵌着されるものであり、該係止具55は、少なくとも始端近傍及び終端近傍に対応してそれぞれ取付けられるものであるため、より確実に抜けを防止することができる。
【0054】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0055】
(a)一方の側壁部(例えば車内側側壁部11)から複数の可変保持リップ部が延びるような構成であってもよい。
【0056】
(b)上記実施の形態では、(サイドフロント)ドア2に対応するボディ側のドア開口3周縁に設けられるウエザーストリップ4の製造方法について具体化しているが、リヤドア、バックドア、ラッゲージドア(ラッゲージリッド)、ルーフドア(スライディングルーフパネル)等の他のドアの開口周縁に設けられるウエザーストリップについて適用することも可能である。
【0057】
(c)上記実施の形態では、可変保持リップ部16の長さを3段階に切換えることとしているが、2段階であってもよいし、4段階以上に切換えることとしてもよい。但し、制御の簡素化を図ること等を考慮すると、5段階以下であることが望ましく、4段階以下であることがより望ましい。また、上記のような段階的な切換なくして、可変保持リップ部16の長さが連続的に徐変される区間があっても差し支えない。
【0058】
(d)上記実施の形態では、トリム部5をソリッドゴムにより構成し、シール部6をスポンジゴムにより構成することとしているが、両者を同一材料により構成することとしてもよい。また、ウエザーストリップ4を構成する素材としてEPDMを例示しているが、IR(イソプレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)等の他のゴム材料を用いてもよい。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、或いは軟質のポリ塩化ビニル等のゴム状弾性を有する他の弾性材料により構成してもよい。
【0060】
(f)上記第2の実施の形態では、ドア開口3下部の所定区間においてウエザーストリップ51が取付けられない構成となっていたが、当該所定区間にもウエザーストリップ51が存在していてもよい。つまり、本実施の形態のようにスカッフプレート52が設けられる場合であってもドア開口3全周にウエザーストリップ51が取付けられていてもよい。
【0061】
(g)第2の実施の形態における係止具55を省略し、スカッフプレート52をフランジ23に対し直接嵌め込むような構成としてもよい。
【0062】
(h)スカッフプレートでウエザーストリップ51の全てを覆うのではなく、例えばシール部6が露出するようにしてトリム部だけをスカッフプレートで覆うようにして設ける構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)は、第1の実施の形態におけるウエザーストリップを示す断面図である。
【図2】自動車を示す斜視図である。
【図3】ウエザーストリップを示す側面模式図である。
【図4】(a),(b),(c)は、部位において相違するウエザーストリップの取付構造を示す断面図である。
【図5】ウエザーストリップの押出成形に際し用いられるダイス等を模式的に示す図である。
【図6】第2の実施の形態における自動車を示す斜視図である。
【図7】ウエザーストリップを示す側面模式図である。
【図8】スカッフプレート等を示す部分斜視図である。
【図9】ウエザーストリップの取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…車両としての自動車、2…ドア、3…ドア開口、4,51…ウエザーストリップ、5…トリム部、6…シール部、11…車内側側壁、12…車外側側壁、13…連結部、15…保持リップ部、16…可変保持リップ部、23…フランジ、31…ダイス、33…シャッタ、34…アクチュエータ、41…制御装置、52…被覆部材としてのスカッフプレート、55…係止具。
Claims (5)
- 車両のドア開口周縁のフランジに嵌め込まれ、車内側側壁部、車外側側壁部及び両側壁部を連結する連結部を有する断面略U字形のトリム部と、
前記トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁が押付けられる中空状のシール部と、
前記車内側側壁部及び車外側側壁部の内面から前記フランジ側に向かって延出形成された保持リップ部とを備え、
前記トリム部の長手方向に沿ってインサートが埋設されたウエザーストリップであって、
前記車外側側壁部の内面から延出形成された保持リップ部は一定の長さを有し、
ウエザーストリップの長手方向に沿って変動している前記ドア開口周縁のフランジの厚みが、前記長手方向に対応させて、所定範囲を有する複数の所定段階に区分された上で、
前記車内側側壁部の内面から延出形成された保持リップ部は、前記フランジの厚みが大きい部位に対応する前記保持リップ部の長さが短くなるよう、その長さが前記区分に応じて複数の所定段階に切換えられており、
かつ、長手方向始端部分及び終端部分に関しては、対応するフランジの厚みのうち大きい方の厚みに合わせて、前記車内側側壁部の内面から延出形成された保持リップ部の長さが、共に同一又はほぼ同一となっていることを特徴とするウエザーストリップ。 - 車両のドア開口周縁のフランジに保持される断面略U字形のトリム部と、
前記トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁が押付けられる中空状のシール部と、
前記トリム部の内面から前記フランジ側に向かって延出形成された保持リップ部とを備え、
前記トリム部の長手方向に沿ってインサートが埋設されたウエザーストリップの製造方法であって、
ウエザーストリップの長手方向に沿って変動している前記ドア開口周縁のフランジの厚みが、前記長手方向に対応させて、所定範囲を有する複数の所定段階に区分された上で、
押出成形に際し、前記フランジの厚みが大きい部位に対応する前記保持リップ部の長さが短くなるよう、前記保持リップ部の長さを前記区分に応じて複数の所定段階に切換えるようにするとともに、
少なくとも長手方向始端部分及び終端部分に関しては、保持リップ部の長さが、対応するフランジの厚みのうち大きい方の厚みに合わせて、共に同じ又はほぼ同じ長さとなるようにしたことを特徴とするウエザーストリップの製造方法。 - 車両のドア開口周縁のフランジに嵌め込まれ、車内側側壁部、車外側側壁部及び両側壁部を連結する連結部を有し、長手方向に沿ってインサートが埋設された断面略U字形のトリム部と、
前記トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁が押付けられる中空状のシール部と、
前記トリム部の内面から前記フランジ側に向かって延出形成された保持リップ部とを備え、
前記トリム部を前記車両のドア開口周縁のフランジの所定区間を除く区間に嵌め込むことで取付けてなるウエザーストリップの取付構造であって、
ウエザーストリップの長手方向に沿って変動している前記ドア開口周縁のフランジの厚みが、前記長手方向に対応させて、所定範囲を有する複数の所定段階に区分された上で、
前記ウエザーストリップは、前記フランジの厚みが大きい部位に対応する前記保持リップ部の長さが短くなるよう、前記保持リップ部の長さが前記区分に応じて複数の所定段階に切換えられており、
かつ、長手方向始端部分及び終端部分に関しては、保持リップ部の長さが、対応するフランジの厚みのうち大きい方の厚みに合わせて共に同一又はほぼ同一となっており、
さらに、前記フランジの所定区間並びに始端部分及び終端部分を覆うようにして被覆部材を取付けるようにしたことを特徴とするウエザーストリップの取付構造。 - 前記所定区間は前記ドア開口の下端部に設けられ、前記被覆部材は、前記フランジに嵌着されるスカッフプレートであることを特徴とする請求項3に記載のウエザーストリップの取付構造。
- 前記スカッフプレートは、前記フランジに対し自身に取付けられた係止具を介して嵌着されるものであり、該係止具は、少なくとも前記始端近傍及び終端近傍に対応してそれぞれ取付けられるものであることを特徴とする請求項4に記載のウエザーストリップの取付構造。
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