JP3873591B2 - 紙カップの成形方法および紙カップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、口縁部の巻き込み量を増やして口縁部や胴部の横押し強度を向上させた紙カップの成形方法および紙カップに関する。
【0002】
【従来の技術】
紙カップは、一般的には、図3に示すように、扇形状の胴紙の一方の端縁をもう一方の端縁に重ね合わせて接合させ、下方に向かって先細る円筒形状の胴部材とし、別に底部材用ロールからほぼ円形状に打ち抜かれた底紙を外周縁部を下向きに起立させて底部材とし、前記胴部材の下部内面に底部材の外周縁部の内面を接合させ、さらに外周縁部を覆うように前記胴部材の下端縁部が内方に折り曲げられ、前記底部材の外周縁部の外面に接合して底部12を構成させ、最後に胴部材の上部周縁を外方に向けて巻き込み、口縁部13を形成させたものである。
【0003】
紙カップの口縁部の形成工程を詳細に述べるならば、図4に示すように、紙カップの胴部を、通常はプレカール金型1やフィニッシュカール金型2を回転させながら縦方向から押さえて形成させている。
【0004】
そして口縁部の巻き込み程度は、通常の紙カップ成形機を用いて製造した場合、一般的には、巻き込まれる胴紙の先端14が、一回転して紙カップの頂部に来た段階を巻き上げ位置:0°(図6(a)参照)とした場合、巻き上げ位置:90°(図6(b)参照)が限界である。
【0005】
一方、平成7年に公布された「包装容器に係わる分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」などの関係で紙カップに使用するカップ原紙の坪量を下げようとする動きがある。
坪量を下げると、胴部や口縁部の横押し強度が弱くなるという問題が発生する。
【0006】
胴部や口縁部の横押し強度が弱いと、例えば、内容物の入ったカップを手で持った際に、カップが変形して喫食し難くなり、また、中身がこぼれ易くなるといった問題が生じることがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の紙カップの成形方法では、紙の坪量を下げると横押し強度が低下するという点に着目してなされたもので、紙の坪量を下げても横押し強度は低下しない紙カップの成形方法と該成形方法で成形した紙カップを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の発明は、胴部と底部とからなり、開口部周縁が外側に巻き込まれた口縁部を有する紙カップの成形方法であって、口縁部を先ず、フィニッシュカール金型で巻き込み、口縁部の先端が口縁部の頂部まで達している紙カップ、あるいは、口縁部の先端が口縁部の外側方向まで達している紙カップを作製の後、再度、この口縁部を有する紙カップを、前記 フィニッシュカール金型よりも大きい溝のトップカール金型を有するトップカールユニット機構を通すことにより、口縁部の下側部分では二重巻き、口縁部の上側部分では三重巻きとなるように、口縁部を巻き込み成形することを特徴とする紙カップの成形方法である。
【0009】
このように本発明の紙カップは、口縁部の下側部分では二重巻き、口縁部の上側部分では三重巻きとなるような巻き込み部分を有しているので横押し強度が強い。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の紙カップの成形方法により成形されたことを特徴とする紙カップである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の紙カップの一例を示す説明図であり、図2は、図1の紙カップの口縁部を拡大して示した断面説明図である。
【0013】
本発明の紙カップは、図1、図2に示すように、胴部11と底部12とからなり、開口部周縁が外側に巻き込まれた口縁部13を有する紙カップ10であって、前記口縁部13は、口縁部の下側部分13aでは少なくとも一重巻き以上、また、口縁部の上側部分13bでは少なくとも二重巻き以上の巻き込み部分を有することを特徴とする紙カップである。
【0014】
紙カップに使用する材料は、胴部11を形成する胴部材、底部12を形成する底部材とも、坪量150〜300g/m2 、密度0.7〜1.0g/cm3 程度の紙カップ原紙の両面または片面に低密度ポリエチレン樹脂を10〜50μm程度塗布したポリエチレン加工紙を用いることが一般的である。ポリエチレン加工紙を用いず、カップ原紙のみの場合もある。
【0015】
カップの作製は、先ず、一般的な紙カップ成形機により、口縁部の巻き込みが図6(a)に示すように、口縁部の先端14が口縁部の頂部まで達している紙カップ、あるいは、図6(b)に示すように、口縁部の先端14が口縁部の外側方向まで達している紙カップを作製することができる。
通常の紙カップ成形機では、口縁部の巻き込みは口縁部の先端14の位置が図6(b)程度までが限度である。
【0016】
つぎに、この口縁部を有する紙カップを、先のフィニッシュカール金型よりも一回り程度溝の大きいトップカール金型を有するトップカールユニット機構を通すことにより、図2(h)に示すような、最大で口縁部の先端14が2回り半した、口縁部の下側部分13aでは二重巻き、口縁部の上側部分13bでは三重巻きとなる口縁部を有する紙カップが作製できる。
【0017】
口縁部の多重巻き込みは、カップ成形機にトップカール用のターレットを別途増設してカップ成形と同時に行うこともできる。
また、フィニッシュカールを割型などにして最終巻き込み部まで案内させることもできる。この時、ダイリング(フィニッシュカール受け型)は最終形状用のものを使用する。
【0018】
【実施例】
以下に本発明の実施例をさらに具体的に説明する。
〈実施例1〉
先ず、胴部を形成する胴部材として坪量260g/m2 のカップ原紙の外面側にに厚さ70μm、内面側に厚さ30μmの低密度ポリエチレン樹脂を塗布したポリエチレン加工紙を、また、底部を形成する底部材として坪量190g/m2 のカップ原紙の片面に厚さ25μmの低密度ポリエチレン樹脂を塗布したポリエチレン加工紙をそれぞれ準備し、一般的な紙カップ成形機を使用して、ポリエチレンを内側にした、高さ;115.0mm、口径;94.2mm、底径;64.5mm、口縁部幅;2.1mmの、口縁部断面が図6(b)に示すような口縁部の下側半分では一重巻き、口縁部の上側半分では二重巻きとなる紙カップを作製した。
【0019】
この紙カップを別に用意したトップカールユニット機構を通すことにより、高さ;107.0mm、口径;95.0mm、底径;64.5 mm、口縁部幅;3.7mmの、口縁部断面が図2(e)に示すような口縁部の下側半分では二重巻き、口縁部の上側半分では一部三重巻きとなる実施例1の紙カップを作製した。
【0020】
〈比較例1〉
実施例1の前半で作製した口縁部断面が図6(b)に示すような口縁部の下側半分では一重巻き、口縁部の上側半分では二重巻きとなる紙カップを比較例1の紙カップとした。
【0021】
このようにして作製した実施例1種類、比較例1種類、合計2種類の紙カップの横押し強度を下記する方法により測定、評価した。その結果を表1に示す。
横押し強度 ‥ 治具に圧力センサーを一方にのみ取り付け、紙カップを治具で両側から挟み込むように直径方向に10mm押し込んだ時の反発力を圧力センサーから読み取り横押し強度とした。数字が大きいほど反発力があることになる。評価は、何も入れない空容器の場合と95°Cの熱湯を8分目まで入れて3分経過後の2通りで行った。また、紙カップを挟み込む位置は、口縁部直下と、口縁部直下から35mm下の胴部の2条件で行った。
【0022】
【表1】
【0023】
表1の結果から、口縁部を多重巻きにした実施例1の紙カップは、横押し強度が同じ坪量のカップ原紙を用いた場合、従来の紙カップの1.5〜2倍になることが判る。
【0024】
【発明の効果】
上記のように本発明の紙カップは、従来の紙カップに比較して手で持った時の強度が強い。口縁部に厚みがあり、強度もしっかりしていて口当たりも良い。
さらに一度成形完了した紙カップの口縁部を再度別金型で成形することにより、口縁部分の紙の絶対量が増し、口縁部と胴部の横押し強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙カップの一実施例を示す、一部断面説明図である。
【図2】(a)〜(h)は、図1の口縁部の巻き込み状態を模式的に示した断面説明図である。
【図3】紙カップの一般的な製造工程の一例を示す模式説明図である。
【図4】紙カップの口縁部の一般的な製造工程の一例を示す模式説明図である。
【図5】横押し強度の測定を示す概略説明図である。
【図6】(a)、(b)従来の紙カップの口縁部を拡大して示した断面説明図である。
【符号の説明】
1‥‥プレカール金型
2‥‥フィニッシュカール金型
10‥‥紙カップ
11‥‥胴部
12‥‥底部
13‥‥口縁部
13a‥口縁部の下側部分
13b‥口縁部の上側部分
14‥‥口縁部の先端
20‥‥治具
21‥‥圧力センサー
Claims (2)
- 胴部と底部とからなり、開口部周縁が外側に巻き込まれた口縁部を有する紙カップの成形方法であって、
口縁部を先ず、フィニッシュカール金型で巻き込み、口縁部の先端が口縁部の頂部まで達している紙カップ、あるいは、口縁部の先端が口縁部の外側方向まで達している紙カップを作製の後、再度、この口縁部を有する紙カップを、前記 フィニッシュカール金型よりも大きい溝のトップカール金型を有するトップカールユニット機構を通すことにより、口縁部の下側部分では二重巻き、口縁部の上側部分では三重巻きとなるように、口縁部を巻き込み成形することを特徴とする紙カップの成形方法。 - 請求項1に記載の紙カップの成形方法により成形されたことを特徴とする紙カップ。
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