JP3759147B2 - 複合容器 - Google Patents

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Description

本発明は、内層容器と外層容器とを嵌合させて複合化した複合容器に関する。
内層容器と外層容器とを嵌合させた複合容器に関する従来技術として、例えば、下記特許文献1〜3の容器が知られている。
特許文献1及び2に記載の容器は、容器本体の外側に外装材や断熱部材を配してこれらを開口部や胴部の上部で嵌合させるとともに、これら容器本体と外装材又は断熱部材との間に隙間を設けて断熱性を賦与したものである。また、特許文献3の容器は、内側容器の外側を外側シェルで覆ったパルプモールド容器において、内側容器のパルプの密度よりも外側シェルのパルプ密度を低くし、断熱性を賦与したものである。
ところで、特許文献1及び2に記載の容器は、胴部に隙間を有しているため、容器の強度が低くならざるを得なかった。また、強度向上のため、真空成形によって容器本体内面にフィルムを貼ると容器が割れてしまったり、容器外面への印刷時の印圧で容器がつぶれたりするおそれがあった。また、容器本体と外装材や断熱部材とに同様の材料を用いるため、これらの嵌合性を高めるためにはこれらを高い寸法精度で成形する必要があった。また、無理に嵌合させると容器に変形や破損が生じるおそれがあった。また、特許文献1及び2に記載の技術は、容器本体と外装材や断熱部材とを開口部や胴部の上部で嵌合させているため、これらの間に高い固着力を得るためには接着剤を併用するか又は口部を丸めたりする必要があった。一方、特許文献3に記載の技術は、断熱性を備えているものの、外側シェルが低密度であるため、外表面の表面性が悪く、高い寸法精度が得られない。このため、印刷適性に劣るものであった。また、内側容器と外側シェルを潤状態で合体させるため、合体時に容器に破損が生じやすい問題があった。
登録実用新案第3065471号公報 特開平11−301753号公報 特開2002−128075号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、断熱性と強度に優れ、外表面性が良好で、製造時の容器の破損や変形等も生じにくく、生産性に優れるとともに、接着剤を使用しなくても、容器としての一体性、強度に優れる複合容器を提供することにより上記課題を解決する。
本発明は、抄造された内層容器と抄造された外層容器とを嵌合させて複合化した複合容器であって、前記内層容器の弾性率が100MPa〜2000MPaであり、且つ前記外層容器の弾性率が200MPa〜10000MPaであり、前記内層容器は、前記外層容器よりも弾性率が低く、前記両容器を合体させたときに少なくとも該内層容器のつぶれにより該両容器の間に摩擦力が発生しており、且つ前記両容器は、嵌合前の該両容器を重ね合わせたときにそれらの胴部が重なり合う嵌合代を有しているとともに、前記内層容器における前記嵌合代の部分の弾性率が、前記外層容器における前記嵌合代の部分の弾性率の1/2〜1/20である複合容器を提供するものである。
本発明によれば、断熱性と強度に優れ、良好な外表面性を備え、製造時の容器の破損、変形等も生じにくく、生産性に優れるとともに、接着剤を使用しなくても、容器としての一体性、強度に優れる複合容器が提供される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の複合容器を、インスタントカップ麺等の食品容器に適用した一実施形態を示したものである。図1中、符号1は複合容器を示している。
複合容器1は、内層容器2と、外層容器3とが嵌合されて一体化されたものである。ここで、嵌合とは、内層容器2と外層容器3とを合体させたときに、両容器の壁部に圧力が加わり、少なくとも内層容器の壁部のつぶれにより両容器の壁部の間に圧縮、引っ張りといった応力が発生し、両容器の間に摩擦力が発生した状態をいう。
複合容器1は、口部10の周縁部にフランジ部11を有している。図1(b)に示すように、フランジ部11の上面部(平坦な部分)110の幅W11は、1.0〜5mm、特に1.5〜4mmとすることが好ましい。幅W11を斯かる範囲とすることで、フランジ部11の強度低下を抑えることができるほか、蓋を貼り付ける場合に、良好な接着強度や密閉性が得られる接着面積を確保することができる。
フランジ部11の厚み(全層厚み)T11は、容器を手で持ったときの口部変形防止(把持強度の確保)、蓋を貼り付けてそれを剥がすときのフランジの変形防止、薄肉・軽量性、さらに使用時の口当たりの良好性等を考慮すると、0.8〜5mm、特に1.0〜3.5mmとすることが好ましい。
複合容器1は、全層厚みが上下方向において異なる部位を胴部12に有している。
胴部12の口部近傍部における厚みT121は、容器を手で持った時の口部変形防止(把持強度)、縦荷重による胴部12の口部近傍の座屈防止、薄肉・軽量性等を考慮すると、0.8〜3.5mm、特に0.9〜2.6mmとすることが好ましい。
胴部12の中央部における厚みT122は、断熱性と薄肉・軽量性等を考慮すると、0.7〜3mm、特に0.8〜2.2mmとすることが好ましい。
胴部12の下方部における厚みT123はスタック段差に必要な厚みの確保とスタック部の強度、断熱性、薄肉・軽量性等を考慮すると、0.7〜4mm、特に0.8〜3.1mmとすることが好ましい。なお、本明細書において、胴部12の口部近傍部とは、複合容器1の高さHに対してフランジ部11の上面部110から0〜20%の部分をいう。胴部12の下方部とは、スタック用の段差13より底面までの部分をいう。胴部12の中央部とは、前記口部近傍部と前記下方部との間の部分をいう。
複合容器1は、胴部12にスタック用の段差13が形成されている。このため、成形後の複合容器1の積載、分離が容易に行える。スタック用の段差13より下方では、胴部の厚みは薄くなっている。このため、複合容器1の内面に被覆層を真空成形で形成する場合、内層容器2がよじれてそれが破断するのを防止することができる。
複合容器1の胴部12のテーパー角θ1は、容器としての使いやすさ、内容積、成形性、成形後の前述した積載、分離の容易性等を考慮すると、3〜10度、特に5〜8度とすることが好ましい。スタック用段差13より下方における胴部の内面のテーパー角θ2は、容器としての薄肉、軽量性や被覆層を真空成形で形成する場合に内層容器2がよじれて破断するのを防止することを考慮すると、2〜9度、特に4〜7度とすることが好ましい。また、θ1>θ2とするのが好ましい。
複合容器1は、底部14の中央部が所定の高さに底上げされた上げ底部141を有し、その外側に平坦な接地部142を有している。底部14の厚みT14は、容器としての断熱性、縦方向の圧縮強度、薄肉・軽量性等を考慮すると、0.4〜2.8mm、特に0.5〜2mmとすることが好ましい。複合容器1の大きさは、本実施形態のようなインスタントカップの場合は、胴部の内径は60〜200mm、好ましくは50〜150mmである。高さHは、60〜200mm、好ましくは70〜150mmである。
内層容器2は、フランジ部21を有するパルプモールド製であり、複合容器1に断熱性を付与するとともに、フランジ部11にクッション性を付与する。内層容器2の胴部22の内面には、スタック用段差13及び前記お湯の入れ目線15となる段差(図示せず)が形成されている。
フランジ部11を構成する内層容器2のフランジ部21の厚みT21は、容器を手で持った時の口部変形防止、蓋を貼り付けてそれを剥がすときのフランジ強度、フランジ部のクッション性、薄肉・軽量、口当たり良好性等を考慮すると、0.4〜3mm、特に0.5〜2mmとすることが好ましい。前記胴部12の口部10近傍部を構成する内層容器2の胴部22の厚みT221は、断熱性、容器を手で持った時の口部変形防止(把持強度の確保)、縦方向の圧縮荷重を負荷したときの胴部12の口部近傍の座屈防止、薄肉・軽量性等を考慮すると、0.55〜2mm、特に0.6〜1.7mmとすることが好ましい。前記胴部12の中央部を構成する内層容器2の胴部22の厚みT222は、断熱性、薄肉・軽量性等を考慮すると、0.5〜1.8mm、特に0.55〜1.5mmとすることが好ましい。前記胴部12の下方部を構成する内層容器2の胴部22の厚みT223は、断熱性、スタック用の段差に必要な厚みの確保、後述するように真空成形で被覆層を形成する場合に内層容器2がよじれて破断するのを防止すること、薄肉・軽量性等を考慮すると、0.55〜3mm、特に0.65〜2.5mmとすることが好ましい。底部14を構成する内層容器2の底部24の厚みT24は、断熱性、縦方向の圧縮強度、薄肉・軽量性等を考慮すると、0.3〜1.8mm、特に0.4〜1.5mmとすることが好ましい。特に胴部の厚みを斯かる範囲にすることで、内層容器と外層容器の嵌合において、所望の接触力を得やすい。
複合容器1は、熱湯を入れても手で持つことができ、かつ薄肉・軽量で所望の強度を有することを考慮すると、断熱性が45〜75℃、特に50〜70℃であることが好ましい。ここで、断熱性は、複合容器の外表面に温度センサー(安立503K−TC−WT)測定部をテープで貼り付け、該複合容器に98〜100℃の熱湯を注ぎ入れ、1分後における容器外面の温度で求められる。
複合容器1は、真空成形や圧空成形で被覆層がムラなく樹脂フィルム等で被覆されること、該樹脂フィルム等へのピンホールの発生を防止すること等を考慮すると、透気度は30〜120秒、特に40〜60秒とすることが好ましい。透気度は、JIS P81170−1980に準拠し、例えば、測定装置(東京テスター、Gurley’s Desometer)を用いて測定することができる。
複合容器1は、廃棄容易性、コスト低下、強度の確保、断熱性の確保等のバランスを考慮すると、総重量は10〜30g、好ましくは10〜25gとすることが好ましい。
外層容器3との嵌合部分を含む内層容器2の胴部22の弾性率は、外層容器3よりも低く設けられている。胴部22の弾性率は、内層容器と外層容器を合体したときに、主に内層容器がつぶれ、外層容器が湾曲しないこと、真空成形での真空圧で内層が破断しないことを考慮すると、100MPa〜2000MPaであり、好ましくは200MPa〜1500MPa、さらに好ましくは300MPa〜1000MPaである。また、嵌合代の部分の内層容器と外層容器の弾性率の比は、内層容器は外層容器の1/2〜1/20である
ここで、内層容器2の胴部22の弾性率は、Rheometrics社製のRheometrics、型式 SOLIDS NALYZER RSAIIを用いて、測定条件は周波数1.6HZ/0.05%strain、JISP8111に規定する標準条件採用、プリテンションはダイナミックフォースの2倍、試料幅6mm、試料長さ35mm、試料厚み0.86mmとし、試料は容器の胴部を高さ方向に切り出したものを使用する、により測定される。なお、内層容器の弾性率は、材料組成や成形時の加圧力の調整などにより、適宜設定できる。
内層容器2の密度は0.05〜0.8g/cm3、特に0.1〜0.8g/cm3であることが好ましい。密度を斯かる範囲とすることで、複合容器1に良好な断熱性を賦与できるとともに、容器重量も軽くできる。また、複合容器1の把持強度や圧縮強度も良好なものとすることができる。ここで、本明細書において、密度とは嵩密度をいう。
前記胴部12の口部10近傍部を構成する内層容器2の胴部22の密度は、断熱性、容器を手で持ったときの口部の変形防止、縦方向の圧縮荷重による口部の座屈防止等を考慮すると、0.2〜0.8g/cm3、特に0.3〜0.7g/cm3とすることが好ましい。
前記胴部12の中央部を構成する内層容器2の胴部22の密度は、断熱性、容器を手で持ったときの胴部のへこみ防止、印刷時の印圧での変形防止を考慮すると、0.05〜0.5g/cm3、特に0.1〜0.4g/cm3とすることが好ましい。
前記胴部12の下方部を構成する内層容器2の胴部22の密度は、断熱性、容器を手で持ったときの胴部のへこみ防止、印刷時の印圧での変形防止等を考慮すると、0.05〜0.5g/cm3、特に0.1〜0.4g/cm3とすることが好ましい。
内層容器2のフランジ部21の密度は、複合容器1を手で持った時の口部変形防止、蓋を貼り付けてそれを剥がすときのフランジ強度、フランジ部のクッション性等を考慮すると、0.2〜1.5g/cm3、特に0.2〜0.8g/cm3とすることが好ましい。
内層容器2は、胴部の外面よりも内面が平滑に設けられていることが好ましい。内層容器2の胴部の内面の表面粗さは、被覆層で被覆するときの樹脂フィルム等へのピンホール発生防止、被覆層と内層容器2との接着性や外観良好性等を考慮すると、3〜15μm、特に3〜12μmとすることが好ましい。内層容器2の胴部の外面の表面粗さは、外層容器3との摩擦力を大きくして、接着剤を使用しなくても内層容器と外層容器が容易には分離しない程度に一体化することを考慮すると、4〜20μm、特に5〜15μmとすることが好ましい。前記表面粗さRaは、例えば、JIS B0601−2001に準拠し、サーフコム〔(株)東京精密社製〕を用い、ガウシアン補正で傾斜補正を直線とした測定条件で測定される。
また、内層容器2の内面には、乾燥型の雄型に設けられた乾燥時の蒸気逃がし用のスリットの跡や吸引孔の跡となる凸部を有していないことが好ましい。乾燥効率等を優先して乾燥型の雄型にスリットや吸引孔を設ける場合には、乾燥型の雄型に高さ方向にスリットや吸引孔を設けることにより、内層容器2の内面にそれらの跡となる凸部を有していても、該凸部への箸やスプーンの引っ掛かりが少なく、該凸部への内容物の引っかかりも少なく、飲食しやすい容器を得ることができる。複合容器1の内面に真空成形で樹脂フィルムを貼り付けて被覆層を形成する場合には、該樹脂フィルムは内層容器2の口部から底部に向けて被覆されていくが、このような高さ方向のスリットや吸引孔の跡となる凸部を有していると、フィルムが被覆されていく方向と該凸部の方向が一致するので、樹脂フィルムを支障なく被覆でき、樹脂フィルムへのピンホールも発生しにくくなるので好ましい。
内層容器2は、真空成形や圧空成形によって樹脂フィルム等の被覆層を形成するときに該樹脂フィルム等を容易に吸引変形できる程度の透気度を有することが好ましい。透気度は、JIS P81170−1980に準拠し、例えば、測定装置(東京テスター、Gurley’s Desometer)を用いて求められる。
内層容器2は、パルプ成分に嵩高処理パルプを含んでいる。内層容器2に含まれる嵩高処理パルプの量は、内層容器2を構成するパルプ成分中10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましく、30〜70重量%が更に好ましい。該パルプ成分中の嵩高処理パルプの配合量が斯かる範囲であると、嵩高の効果が発揮され、フランジ部11のクッション性や容器の断熱性も良好となる。また、フランジ部を含む容器全体の強度を確保する上での、バインダーの使用量も適量に抑えられる。ここで、内層容器2に用いられる嵩高処理パルプとは、架橋処理、マーセル化処理等の嵩高処理によってパルプ繊維をカールさせたり、疎水化させたり、繊維自体の剛性を向上させたものをいう。架橋処理パルプとしては、市販のカールドファイバー(例えば米国ウェアハウザー社製「HBA」)、マーセル化処理パルプとしては、市販のマーセル化処理パルプ(例えばレヨンニア社製「POROSAUIE」、同「ULTRANIER、同「SULFATATE」)が挙げられる。
前記架橋処理パルプ、前記マーセル化処理パルプ又は前記嵩高処理パルプは、単独で又は二種以上のものを混合して用いることができる。
前記マーセル化処理パルプは、適宜の割合で前記架橋処理パルプに混合して用いることができる。マーセル化処理パルプは架橋処理パルプよりも嵩高性は劣るが、架橋処理パルプに対するマーセル化処理パルプの混合割合を調整することで、内層容器の強度や内層容器の内面の成形性(転写性)が良好となる。また、パルプ繊維のフロックも抑えられ、抄造ムラの発生を防ぐことができる。
前記嵩高処理パルプのうち前記架橋処理パルプを用いる場合には、その湿潤カールドファクタは0.1〜1.0、特に0.1〜0.6が好ましい。湿潤カールドファクタを斯かる範囲とすることで、容易に所望の嵩高性が得られる。また、原料スラリー中の分散性も良好となり、抄造ムラが抑えられて成形体に偏肉が生じるのを防ぐことができ、成形体の強度や表面性が良好となる。ここで、湿潤カールドファクタとは、パルプ繊維を室温で純水に浸漬した後FQA(Fiber Quality Analyzer)を用い、測定本数1000本以上、測定範囲0.5〜10mmにおいて、((LA/LB)−1)の算術平均により求められる値であり、繊維の曲線化の度合いを示す数値である。ここで、LAは実際のパルプ繊維の長さ、LBは曲がった状態のパルプ繊維を囲む長方形の最大寸法である。
内層容器2は、前記パルプ成分として前記嵩高処理パルプの他に、嵩高処理を行っていないパルプ繊維を含ませることができる。該パルプ繊維は、パルプ成分中に10〜90重量%、特に20〜80重量%含んでいることが好ましい。該パルプ繊維が斯かる範囲で含まれていると、フランジ部や容器の強度低下や紙粉の発生も抑えられ、強度を得るためや紙粉防止のためのバインダーの添加量を抑えることができる。また、嵩高性も得られてフランジ部のクッション性や容器の断熱性が良好となる。該パルプ繊維としては、針葉樹若しくは広葉樹の未晒又は晒クラフトパルプ、サルファイトパルプ、アルカリパルプ、グランドパルプ、又はサーモメカニカルパルプが挙げられる。これらのパルプ繊維は、単独で又は二種以上を適宜の割合で混合して用いることができる。特に二種以上を混合することで、様々な繊維長分布を有するパルプ繊維を調製することができる。
前記内層容器用のパルプ繊維は、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が500〜800ml、特に600〜750mlであることが好ましい。CSFかかる範囲であると、濾水性も良好で、抄造時間や乾燥時間を短縮することができる。また、抄造ムラが抑えられ、得られる成形体に偏肉が生じたり、成形体の表面性が低下することを防ぐことができる。さらに、所望の断熱性も得られ易い。
嵩高処理を行っていない前記パルプ繊維の平均繊維長は、0.4〜5mm、特に、0.5〜3mmであることが好ましい。該パルプ繊維の平均繊維長が斯かる範囲であると、前記嵩高処理パルプとの適度のからみが得られ、得られる成形体の強度低下や紙粉の発生を防ぐことができる。また、フロック(パルプ繊維の凝集)が大きくならず、抄造ムラが生じ難いため、得られる成形体に偏肉が生じたり、表面性が低下することを防ぐことができる。
内層容器2のパルプ成分として用いられる前記嵩高処理パルプ、前記パルプ繊維には、木材パルプ、非木材パルプの何れのパルプ繊維をも用いることができる。また、バージンパルプ、古紙パルプの何れのパルプ繊維をも用いることができる。これらのパルプ繊維は、単独で又は二種以上を適宜の割合で混合して用いることができる。
内層容器2は、嵩高剤を0.2〜10重量%含んでいてもよい。これらの範囲内で嵩高剤を含ませることで、嵩高性がより安定的に得られる。
前記嵩高剤としては、花王(株)製「KB115」、同「KB85」等が挙げられ、これらの中でも、サイズ効果の低下を抑えて嵩高性を得ることができる点から同「KB115」が好ましい。
内層容器2には、必要に応じ、分散剤、顔料、防かび剤、サイズ剤、紙力増強剤、耐水化剤、接着剤等の添加剤を適宜の割合で含めることができる。
前記外層容器3は、主として複合容器1に強度を付与する容器である。外層容器3は、フランジ部11を構成するフランジ部31を有している。
外層容器3のフランジ部31の厚みT31は、容器を手で持ったときの口部変形防止、蓋を貼り付けてそれを剥がすときのフランジ強度、薄肉、軽量性等を考慮すると、0.4〜2mm、特に0.5〜1.5mmとすることが好ましい。前記胴部12の口部10近傍部を構成する前記外層容器3の胴部32の厚みT321は、容器を手で持ったときの口部の変形防止、縦方向の圧縮荷重による口部での座屈防止、薄肉、軽量性等を考慮すると、0.25〜1.5mm、特に0.3〜0.9mmとすることが好ましい。前記胴部12の中央部を構成する前記外層容器3の胴部32の厚みT322は、容器を手で持ったときの胴部の変形防止、印刷時の印圧による変形防止、薄肉、軽量性等を考慮すると、0.2〜1.2mm、特に0.25〜0.7mmとすることが好ましい。前記胴部12の下方部を構成する前記外層容器3の胴部32の厚みT323は、縦方向の圧縮荷重による底部での座屈防止、薄肉、軽量性等を考慮すると、0.15〜1.0mm、特に0.15〜0.6mmとすることが好ましい。底部14を構成する外層容器3の底部34の厚みT34は、縦方向の圧縮荷重による底部での座屈防止、薄肉、軽量性等を考慮すると、0.1〜1mm、特に0.1〜0.5mmとすることが好ましい。特に、胴部の厚みを斯かる範囲にすることで、内層容器と外層容器の嵌合時に、外層容器の変形を防止して所望の接触力を得やすい。
内層容器2の胴部22との嵌合部分を含む外層容器3の胴部32の弾性率は、内層容器2の胴部22の弾性率よりも高く設けられている。胴部32の弾性率は、内層容器と外層容器を嵌合させたときに、主に内層容器壁がつぶれ、外層容器が湾曲しないこと、容器としての縦方向と横方向の圧縮強度の確保、印刷時の印圧での変形防止を考慮すると、200MPa〜10000MPaであり、好ましくは400MPa〜6000MPaさらに好ましくは600MPa〜4000MPaである。ここで、外層容器3の胴部32の該弾性率は、内層容器2の胴部22の弾性率と同様にして測定される(試料厚みは0.37mm)。外層容器の弾性力は材料組成、成形時の加圧力の調整などにより、適宜設定できる。
外層容器3のフランジ部31の密度は、容器を手で持ったときの容器の変形防止(把持強度の確保)、蓋を貼り付けてそれを取り剥がすときのフランジ部の変形防止、薄肉、軽量性等を考慮すると、0.5〜2g/cm3、特に0.7〜1.5g/cm3とすることが好ましい。
前記胴部12の口部近傍部を構成する外層容器3の胴部32の密度は、表面平滑性、紙粉発生防止、容器を手で持ったときの容器の変形防止(把持強度の確保)、縦方向の圧縮荷重による口部での座屈防止、薄肉、軽量性等を考慮すると、0.5〜2g/cm3、特に0.7〜1.5g/cm3とすることが好ましい。
前記胴部12の中央部を構成する外層容器3の胴部32の密度は、表面平滑性、紙粉発生防止、搬送時におけるへこみ防止、お湯を入れて容器を手で持ったときの胴部の変形防止、印刷時の印圧での変形防止、薄肉、軽量性を考慮すると、0.5〜2g/cm3、特に0.7〜1.5g/cm3とすることが好ましい。
前記胴部12の下方部を構成する外層容器3の胴部32の密度は、表面平滑性、搬送時でのへこみ防止、印刷時の印圧での変形防止、薄肉、軽量性等を考慮すると、0.5〜2g/cm3、特に0.7〜1.5g/cm3とすることが好ましい。
前記底部14を構成する外層容器3の底部34の密度は、積み上げ時や搬送時における底部の潰れ防止、薄肉、軽量性等を考慮すると、0.5〜2g/cm3、特に0.7〜1.5g/cm3とすることが好ましい。
外層容器3は、内面よりも外面が平滑に設けられていることが好ましい。外層容器3の外面の表面粗さは、印刷性、紙粉発生防止、外観良好性等を考慮すると、0.5〜3μm、特に1〜2μmとすることが好ましい。外層容器3の内面は、低密度の内層容器3のパルプ繊維を絡ませて摩擦抵抗を高くし、内層容器と外層容器との一体性を高める上で、粗面に設けられていることが好ましい。特に胴部32の内面には、後述する乾燥型700の雄型710のネットによって網目状に押圧された跡によって粗面に設けられていることが好ましい。外層容器3の胴部32の内面の表面粗さは、10〜50μm、特に12〜30μmとすることが好ましい。また、印刷、ラベリング、紙粉発生防止などを考慮すると外層容器3の外面、特に胴部の外表面には吸引孔の跡がないことが好ましい。
外層容器3の密度は0.5〜2g/cm3、特に0.7〜1.5g/cm3とすることがより好ましい。密度が斯かる範囲であると、乾燥成形時において、パルプ繊維の変色やパルプ繊維自体の強度低下を防ぐことができるほか、外層容器に要する強度や表面性が確保される。ここで、外層容器3の密度は、切り取った外層容器の厚みと面積と重量から求められる。特に、密度を斯かる範囲にすることで、内層容器と外層容器の嵌合時に、外層容器の変形が防止され、内層容器と外層容器の接触力が向上し、両容器の分離がし難くなる。
外層容器3用のパルプ繊維には、針葉樹若しくは広葉樹の未晒又は晒クラフトパルプ、サルファイトパルプ、アルカリパルプ、グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等が挙げられる。これらの中でも、成形性、白色性、成形体の表面性、強度の点から、特に針葉樹や広葉樹の晒クラフトパルプが好ましい。これらの繊維は、単独で又は二種以上を適宜の割合で混合して用いることができる。
前記外層容器用のパルプ繊維は、CSFが200〜600ml、特に300〜600mlであることが好ましい。CSFかかる範囲であると、濾水性も良好で、抄造時間や乾燥時間を短縮することができる。また、抄造ムラが抑えられ、得られる成形体に偏肉が生じたり、成形体の表面性が低下することを防ぐことができる。
外層容器3には、必要に応じ、分散剤、顔料、定着剤、防かび剤、サイズ剤、接着剤、紙力強化剤等の添加剤を適宜の割合で含めることができる。
外層容器3の透気度は、表面平滑性を考慮すると、30〜120秒、特に65〜120秒とすることが好ましい。外層容器3の透気度は、平滑面側を装置上側に設定して、後述する方法で測定される。
また、外層容器3の透気度は、内層容器2よりも大きいことが好ましい。外層容器3の透気度を、内層容器2よりも大きくすることによって、後述するように真空成形によって被覆層を密着させる場合に、外層容器3が通気抵抗となって、真空成形用の型に設けられた吸引溝での局部的な吸引力の集中を防ぐことができ、樹脂フィルムへのピンホールの発生を防ぐことができると共に、密着むらのない被覆が可能となる。
外層容器3の胴部の内側の寸法(内径)は、内層容器3の胴部の外側の寸法(外径)よりも小さく設けられており、両者を嵌合させた状態では、低密度の内層容器の外面がつぶれ、該内層容器よりも剛性が高い外層容器の外寸法はほとんど変形しない。このため、コンベア上のライン搬送などにおいて、コンベア上に容器が停滞せずに容器がスムーズに流れる。また、外層容器が変形しないので、印刷性にも優れる。また、後述するように樹脂フィルム等の被覆層を真空成形によって密着させる場合にも、内層と外層が強固に一体化しているので真空圧による内層割れの発生が防止される。内層容器を外層容器と同じ高い弾性率のもので構成した場合、複合容器としての断熱性が劣ると共に、嵌合により両容器が強固に一体化するにはこれらを高い寸法精度で成形する必要があるが、内層容器の弾性率を外層容器より低く設定すれば、内層容器と外層容器の嵌合代幅を大きめに設定するとこができるので、断熱性に優れ強固に一体化された容器をより容易に得ることができる。
上述の構成の複合容器1は、良好な断熱性を有し強度及び外層の表面性に優れ、薄肉・軽量であるにもかかわらず、その製造時の破損等も生じにくく生産性に優れるものである。特に内層容器2及び外層容器3は、上述のように、内層容器2の胴部22の外面が低密度の凹凸を有する形態に設けられ、外層容器3の胴部32の内面が内層容器2の胴22の外面よりも高い剛性を有し且つ粗く好ましくは網目状の跡を有するため、両容器を嵌合した状態では、内層容器2の外面がつぶれ、該外面が外層容器3の内面に食い込んだ状態となる。このため、両容器間の摩擦力が高くなり、内層容器2と外層容器3とが分離しにくい一体化状態となっており、接着剤を使用しなくても強固に一体化した容器を得ることができる。よって、生産コストが低減されると共に、製造設備が簡素化できる。また、内層容器と外層容器が強固に一体化されているため、容器の口部の変形強度が向上したり、印刷時の印圧による容器の変形や破損の防止、真空成形時の真空圧による内層の破損防止効果等が達成される。また、内層容器と外層容器が強固に一体化されているので、横方向の圧縮強度が高く、容器の中にお湯などを入れて手で持っても変形しにくく、持ちやすい容器となる。
次に、本発明の複合容器をその製造方法に言及しつつ図面を参照しながら説明する。
複合容器1は、図2(a)〜(g)に示すように、内層容器2及び外層容器3の中間体である内層用抄造体2’及び外層用抄造体3’を、抄造型200、300を用いた湿式抄造法によって個別に抄造し、それらを乾燥型600、700で乾燥させて内層容器2及び外層容器3を得た後、これら内層容器2と外層容器3を嵌合させて一体化することによって製造される。
図2(a)に示すように、抄造型200の抄造部210は、フランジ部211を有し且つ所定のテーパー角度を有して先端部に進むにつれて先細る形態を有している。
抄造部210は、多孔のプレートを曲げて溶接した薄肉型と、その上に被せた金属製の網を曲げて溶接した抄造ネット(図示せず)とを備えている。抄造部310も、多孔のプレートを曲げて溶接した薄肉型と、その上に被せた金属製の網を曲げて溶接した抄造ネットとを備えている。
抄造体2’を乾燥成形する乾燥型600は、図2(b)に示すように、雄型610及び雌型620から構成される。雄型610及び雌型620は、剛性を有するアルミニウム合金等の金属製の型である。
雄型610は、前記内層容器2の内面形状に対応する凸状の成形部611を有している。成形部611の先端部には、内層容器2のスタック用段差23に対応して縮径する細成形部612が設けられている。
成形部611の内部には、気液流通路613、気液流通路613から分かれて外周面において高さ方向に設けられたスリット状に開口する複数の気液流通路614及び底面に周方向に設けられた円弧状に開口する複数のスリット状気流流通路(図示せず)が設けられており、これらの気液流通路を通して抄造体2’を乾燥させるときの脱水・排気が行われる。また、成形部611の内部には、カートリッジヒーター(図示せず)が配されており、成形部611の外表面を加熱ができるようになっている。
雌型620は、内層容器2の外形に対応した凹状の成形部621を有している。雌型620の内部にはカートリッジヒーター622が配されている。また、雌型620は、雄型610と組み合わせたときに成形部611の凸状部分と成形部621の間に所定のクリアランスが形成されるように設けられている。図には示していないが、雌型620には、乾燥時間の短縮、抄造体2’の吸引保持用に、胴部に周方向のスリット、底部に円弧上のスリットが設けられている。
雄型710は、耐久性向上の観点から天然ゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム等の弾性体と、該弾性体の外側を被覆する流体透過性の伸縮性の抄造ネットとを備えている。該抄造ネットは、得られる外層容器3の胴部32の内面を前述のような粗面、特に網目状の粗面とする観点から、その目開きが20〜100メシュ、特に40〜60メッシュのナイロンなどのポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、アラミド、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド製の織物、編物を用いることが好ましい。
成形部711の内部には、気液流通路713から分かれて外周面につながる複数の気液流通路714及び先端面や角部において開口する複数の気液流通路715が設けられており、これらの気液流通路を通して抄造体3’を乾燥させるときの脱水・排気が行われる。
雌型720は、外層容器3の外形に対応した凹状の成形部721を有している。雌型720の内部にはカートリッジヒーター722が配されている。雌型720は、内層容器3の外表面に排気孔跡を残さないように、成形部721の内面で開口する排気孔を有していないものを用いることが好ましいが、乾燥時間の短縮、抄造体3’の吸引保持用に、胴部に周方向のスリット、底部に円弧上のスリットを設けることができる。
次に、前記両容器を仮想的に重ね合わせたときの胴部の嵌合代、嵌合代の厚みαついて説明する。
図3(a)は、雌型620にフランジ部21を有する胴部の壁厚Tの内層容器2を収容したときの部分断面図である。図3(b)は、雌型720にフランジ部31を有する外層容器3を収容したときの部分断面図である。なお、内層容器2の密度は外層容器3の密度よりも低く設定されている。内層容器2のフランジ21部の下面と外層容器3のフランジ部31の上面を仮想的に重ね合わせるために、内層容器2が収容された雌型620を矢印方向に移動させると、両容器は図3(c)の状態となる。このとき、外層容器3の胴部と内層容器2の胴部が重なるが、この重なり代(図3(c)の斜線部分)が前記嵌合代であり、その厚みが該嵌合代の厚みαである。
そして、両容器を嵌合させたときに、外層容器3をほとんど変形させずに両容器を強固に一体化するためには、外層容器3の壁部の厚みTと、該厚みTからの厚みαの差分σ(=T−α)との比(σ/T)の値に好ましい範囲が存在することがわかった。すなわち、両容器が、それらを上述のように仮想的に重ね合わせたときに、0<(σ/T)≦0.9、特に0.1≦(σ/T)≦0.4となり、且つ(σ/T)の最大値が0.35以上の部位を有する場合に、複合容器1が、外層容器3がほとんど変形せずに両容器が強固に一体化されたものとなることがわかった。
前記比(σ/T)の好ましい範囲及びそれに関する上述の説明は、内層容器2と外層容器3が共にフランジ部を有する場合のほか、何れか一方の容器のみフランジ部を有する場合や両容器共にフランジ部を有しない場合にも適用される。前記(σ/T)は、胴部12における口部近傍部より中央部において小さくするか、または、胴部12における口部近傍部より胴部12における底部近傍において小さくすることが好ましい。口部は底部と比較して、強度が弱いので、両容器の嵌合時の内層容器のつぶれ量が大きいと口部に変形を生じやすくなることから、(σ/T)をこのように設定することによって、口部に変形を生じることなく、強固に一体化した複合容器を得ることができる。尚、胴部における口部近傍とは、複合容器1の高さHに対してフランジ部11の上面部110から0〜5%の部分をいう。
また、前記厚みTは容器の圧縮強度、把握強度、印刷強度、薄肉・軽量性、成形性を考慮すると、0.1〜1.5mmとすることが好ましく、0.1〜1.0mmとすることがより好ましい。
抄造体2’及び抄造体3’を抄造する場合には、図2(a)及び(d)に示すように、抄造部210、310に設けられた前記気液流通路に、気液流通管220、320を接続しておく。そして、抄造型200、300の抄造部210、310を囲むように原料スラリーの注入管230、330を配した後、注入管230、330に付設されたスラリー供給管231、331のバルブを開き、それぞれ所定のスラリーを抄造部210、310に供給した後、気液流通管220、320のバルブを開いて気液流通管220、320及び前記気液流通路を通して原料スラリー中の液体分を吸引し、前記ネット上に原料スラリー中の固形分を堆積させる。液体成分の吸引による排出が完了し、前記抄造ネットの表面に抄造体2’、3’がそれぞれ形成されたら、注入管230、330は退避させる。また注入管230、330を配した後、所定量の水を供給し、その後、スラリーを投入することもできる。これにより、スラリー内のパルプ繊維が前記抄造ネットにからまることを防ぎ、抄造体の抄造ネットからの離型を容易にすることができる。また、注入管内でスラリー濃度を薄くすることにより、スラリーのタンクなどの設備を大きくすることなく、抄造ムラの少ない抄造体を得ることができるとともに、水の注入量を変えることにより、また、気液流通管220、320のバルブを開くタイミングをかえることにより、抄造体の高さ方向のパルプ量を変えることができる。
抄造体2’の抄造に用いられる原料スラリーには、前記パルプ繊維の濃度が0.1〜2.0wt%のスラリーを用いることが好ましい。分散媒に特に制限はないが、取り扱い性、生産コストの点から水や白水を分散媒とすることが好ましい。また、原料スラリーには、必要に応じ、前記添加剤を適宜の割合で含ませることができる。
抄造体2’の抄造に用いられる原料スラリーには、分散剤を前記パルプ成分に対し0.01〜0.5wt%を含んでいることが好ましい。分散剤が0.01wt%以上であれば分散効果が十分得られ、0.5wt%以下であると長時間を要せずに抄造を行えるほか、前記抄造ネットや型自体の汚れも抑えられる。
前記分散剤としては、各種界面活性剤、ポリエチレンオキシド又はその誘導体等が挙げられ、これらの中でも、泡立ちが少なく、スラリーが取り扱い易い点からポリエチレンオキシドが好ましい。
抄造体3’の抄造に用いられる原料スラリーには、前記パルプ繊維の濃度が0.1〜2.0wt%のスラリーを用いることが好ましい。分散媒に特に制限はないが、取り扱い性、生産コストの点から水や白水を分散媒とすることが好ましい。また、該スラリーには、必要に応じ、前記添加剤を適宜の割合で含ませることができる。
次に、抄造体2’、3’を乾燥型600、700で乾燥成形する。
図2(b)、(e)に示すように、抄造体2’、3’を、前記ヒーターで加熱された乾燥型600、700内に配して乾燥しながらプレス成形する。このときの抄造体2’、3’の含水率は、乾燥時間の短縮、表面の平滑性、焦げや変色防止の観点から55〜80%、特に60〜75%であることが好ましい。
抄造体2’、3’の乾燥時には、雄型610、710の前記気液通路を通して抄造体2’、3’の液体分(蒸気)を吸引し、外部に排出する。
抄造体2’、3’の乾燥時における金型温度は、乾燥による焦げ防止、乾燥効率、表面の平滑性等を考慮すると、110〜250℃、特に120〜230℃であることが好ましい。
抄造体2’、3’の乾燥後、乾燥型600、700から雄型610、710を退避させて雄型から抄造体2’、3’を取り出し(図2(c)、(f)参照)、内層容器2及び外層容器3としてこれらを嵌合して一体化する。なお、抄造体3’の乾燥後の含水率は、容器の強度低下の防止、嵌合時の抄造体3’の変形防止、嵌合した容器の分離防止の観点から、0〜10%が好ましく、0〜8がより好ましい。また、抄造容器2’の含水率は、同様の観点から、0〜15%が好ましく、0〜10%がより好ましい。
次に、図2(g)に示すように、嵌合型800内に外層容器3を収容し、フランジ部31を下方から支持しておく。そして、その上から内層容器2を外層容器3内に挿入し、内層容器2のフランジ部21を押圧プレート(押圧手段)810で下方に押圧して所定時間保持し、これらを嵌合させて一体化する。必要に応じてフランジ部分の余分な部分のトリミングを行って複合容器の製造を完了する。押圧プレートによる押圧力は、内層容器と外層容器の嵌合が完了する程度の圧力に設定される。また押圧プレートの移動速度は、大きすぎると容器に座屈が発生したり、また小さすぎると合体時間が長くなり生産性が低下する。該押圧力は、押圧方向への容器投影面積基準の応力で1〜10MPa、押圧プレートの速度は、10mm/s〜200mm/sとすることが好ましい。
内層容器2及び外層容器3の接合には、必要に応じて接着強度を高める上で、接着剤を用いることもできる。該接着剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロース等の天然接着剤、ポリビニルアルコール等の合成水溶性接着剤を用いることが好ましい。
このようにして得られる本実施形態の複合容器1は、断熱性、構造強度、表面性、成形性、廃棄性、内容物の保存性等の種々の性能を満たす薄型で軽量な優れた容器である。
複合容器1には、例えば、その内面及びフランジ部を覆うように被覆層を設けることができる。被覆層の厚みは、水蒸気などのバリアー性、ピンホール防止、材料コスト、スプーンや箸等での引っ掻きによる破れ防止性等を考慮すると、0.02〜0.15mm、特に0.03〜0.01mmとすることが好ましい。
前記被覆層には、樹脂フィルムを用いることが好ましい。該樹脂フィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル等のポリビニル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂フィルム、変性ポリエチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル等の生分解性樹脂フィルム等が挙げられる。そしてこれらの中でも、製造コスト、成形性等の点においては、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、環境の点からは、生分解性樹脂フィルムやバイオマス由来の樹脂フィルムが好ましい。被覆層には、これらの樹脂フィルムを、単独で又は二種以上を積層させて用いることもできる。
前記被覆層を、樹脂フィルムを用いて設ける場合には、真空成形、圧空成形等の常法により形成することができる。真空成形による場合には、例えば、図4に示すように、真空吸引路910を及びバンドヒーター920を備えた真空成形型900と、ヒーターを備えたプラグ930を用いる。真空成形型900には、複合容器1のフランジ11の下面に対向する部位911と、フランジ部11との間に所定のクリアランスを設けるとともに、該部位911にも真空吸引路910の吸引口を設けておく。
そして、真空成形型900内に複合容器1をセットし、更に複合容器1の開口部10を塞ぐように樹脂フィルム40をセットする。さらに、樹脂フィルム40にその上方から加熱したプラグ930を当接させ、樹脂フィルム40を真空成形型900内に押し込み、複合容器1の通気性を利用し、真空吸引路910を通して複合容器1内を真空引きし、複合容器1の内面に樹脂フィルム40を密着させる。
このとき、予め加熱して軟化させた樹脂フィルム40を複合容器1のフランジ部11の下面に至るまで巻き込んで密着させる。そして、樹脂フィルム40の不要部分をトリミングして被覆層4の形成を完了する。
本発明は、前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
被覆層は、前記実施形態のように、複合容器を樹脂フィルム被覆して設けることが好ましいが、被覆層は前記樹脂フィルムの樹脂成分を含む塗料を塗工して設けることもできる。
前記実施形態の複合容器の形状は断面が円形であったが、円形に限らず、楕円状、角形状、等、特に形状には限定されない。また、前記実施形態では、抄紙と乾燥の工程からなるが、抄造体2’,3’を抄造した後脱水型で脱水し、その後乾燥型で乾燥しても良い。また、製造工程において用いられる前記抄造型、前記脱水型、前記乾燥型の向きは、適宜変更することもできる。ハンドリング性、型の加工性、組み立て性、メンテナンス性等を考慮の上、型を割型、分割型にしても良い。また、内層容器2と外層容器3の一体化方法も上記に限らず、容器の形態たとえば、フランジの有無により適宜変更できる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
下記実施例1〜4により、図1における寸法形状を表1に示したように有する複合容器を、前記比(σ/T)が表2に示す値となるようにして、下記のように作製した。そして、内層容器及び外層容器の重量及び得られた複合容器の断熱性、外層容器の表面粗さ、厚み、密度、外層容器と内層容器との分離力を測定した。それらの結果を表1、2に示す。
〔実施例1〕
<内層容器・外層容器の抄造>
多孔プレートを曲げ、雄型形状に溶接加工した型の表面に金属網を同様に溶接、加工した抄造型を用い、図2(a)及び(e)のようにして、まず、水を注入して後、下記原料スラリーを供給し、湿潤状態の抄造体を形成した。
内層用原料スラリー;
配合:(パルプ繊維(HBA(ウエアハウザー社製)/外層用パルプ=重量比5/5、CSF=720ml)、パルプスラリー中のパルプ繊維濃度は0.5重量%、水投入後の濃度は0.25重量%)
サイズ剤:対パルプ重量比2%
外層用原料スラリー;
配合:(パルプ繊維(商品名ヒントン/商品名セニブラ=重量比で5/5、CSF=450ml)、パルプスラリー中のパルプ繊維濃度は0.5重量%、水投入後の濃度は0.25重量%)
サイズ剤(対パルプ重量比2%)
得られた抄造体を図2(b)のように乾燥型内に配置し、下記条件で乾燥成形した。
金型(620)の温度:200℃、金型(610)の温度200℃、乾燥時間は25秒。
得られた抄造体を図2(e)のように乾燥型内に配置し、下記条件で乾燥成形した。
金型(720)の温度:170℃
押圧力:9800N(押圧は50秒間継続)
得られた外層容器を嵌合型内に収容し、下記条件において、図2(g)のようにして内層容器を常温の押圧プレート押圧してこれらの容器を嵌合させた。
押圧力:1470N(押圧方向への容器投影面積基準の応力:2.1MPa)
押圧保持時間:4秒
〔実施例2、3〕
実施例1に準じて内層容器を成形した。外層容器の重量を変化させることにより外層容器の嵌合部分の厚みTを変化させ、比(σ/T)を表1に示す値とした以外は、実施例1と同様にして複合容器を作製した。
〔実施例4〕
実施例1に準じて外層容器を成形した。実施例1で用いた内層容器用乾燥型よりも小さい型(雄、雌共に小さい)を用い、比(σ/T)が表1に示す値とした以外は、実施例1と同様にして複合容器を作製した。
〔比較例1〕
内層容器と外層容器の重量を変更して嵌合代がないようにした以外は、実施例4と同様にして複合容器を作製した。
〔厚みの測定〕
厚み測定計(日本パラメトリクス株式社製、マグナマイク、モデル8000)により、ターゲットボール直径1/8インチを使用して外層厚みを測定した。フランジ厚みはノギスを用いて測定した。
〔分離力の測定〕
得られた複合容器の外層容器のフランジ部をカットし、複合容器の開口部を下方に向けて内層容器のフランジ部を接地固定し、得られた複合容器の口部を下向きにして外層容器の外表面を吸引型で吸着した状態で引っ張り試験器(オリエンテック社製、テンシロンRTA500)でロードセル速度5mm/分で引き上げたときのロードセルの荷重を測定し、内層容器と外層容器が分離したときの荷重を分離力とした。
Figure 0003759147
Figure 0003759147
このようにして作製された複合容器は、表2に示すように、0<(σ/T)≦0.9、且つ、その最大値が0.35以上の部位を有している場合には、実施例1〜4に示すように、接着剤を用いることなく、かつ外層に変形を生じることなく、内層容器と外層容器を強固に一体化でき、製造時の破損や変形等も生じにくく生産性に優れるものであった。特に、0.1≦(σ/T)≦0.4にすることにより、内層容器を軽量化しても強固に一体化することができるものであった。0.9<(σ/T)の場合、すなわち嵌合代の厚みが不十分な場合には、比較例1に示すように小さな力で内層容器と外層容器が分離してしまうため、フランジのカットなどの処理、真空成形などの後工程でのハンドリングで両容器が分離したり、実使用時に分離してしまうため、内層容器と外層容器を接着剤などにより接合する工程が必要となるものであった。尚、比較例において内層容器と外層容器に嵌合代がなくても分離力が40Nとなっているのは、外層容器を保持するための吸引力の影響であり、実質的な分離力はゼロと思われる。
本発明の複合容器は、その用途に特に制限はなく、また収容される内容物にも特に制限はない。用途としては、例えば、前記実施形態のインスタントカップ麺の他、麺類以外のインスタント食品、アイスクリーム、菓子等の各種食品・飲食品の他、調味料、薬品、化粧品、洗剤等の収納容器であって、容器本体に収容する内容物とは別に物品を添付する形態の容器が挙げられる。
本発明の複合容器を食品容器に適用した第1実施形態を模式的に示す図であり、(a)は半断面図、(b)は(a)のAの部分の拡大図、(c)は(a)のBの部分の拡大図、(d)は(a)のCの部分の拡大図である。 同実施形態の複合容器の製造工程を模式的に示す図であり、(a)は内層容器用の抄造体の抄造工程を示す図、(b)は内層容器用の抄造体の乾燥成形工程を示す図、(c)は内層容器を示す図、(d)は外層容器用の抄造体の抄造工程を示す図、(e)は外層容器用の抄造体の乾燥成形工程を示す図、(f)は外層容器用の抄造体を示す図、(g)は内層容器と外層容器を嵌合させている状態を示す図である。 (a)〜(c)は、同実施形態における乾燥型に収容された内層容器と外層容器を仮想的に重ねあわせた状態を説明するための部分断面図である。 同実施形態の複合容器の製造工程における、被覆層の形成工程を模式的に示す図である。
符号の説明
1 複合容器
10 口部
11 フランジ部
12 胴部
13 段差
14 底部
2 内層容器
3 外層容器
620、720 雌型(乾燥型)
800 嵌合型
810 押圧部材
900 真空成形型
930 プラグ

Claims (5)

  1. 抄造された内層容器と抄造された外層容器とを嵌合させて複合化した複合容器であって、
    前記内層容器の弾性率が100MPa〜2000MPaであり、且つ前記外層容器の弾性率が200MPa〜10000MPaであり、前記内層容器は、前記外層容器よりも弾性率が低く、前記両容器を合体させたときに少なくとも該内層容器のつぶれにより該両容器の間に摩擦力が発生しており、且つ前記両容器は、嵌合前の該両容器を重ね合わせたときにそれらの胴部が重なり合う嵌合代を有しているとともに、前記内層容器における前記嵌合代の部分の弾性率が、前記外層容器における前記嵌合代の部分の弾性率の1/2〜1/20である複合容器。
  2. 前記両容器は、嵌合前のそれらを重ね合わせたときに、前記外層容器の胴部の厚みTと、該厚みTからの前記嵌合代の厚みαの差分σとの比(σ/T)が、0<(σ/T)≦0.9で且つ前記比(σ/T)の最大値が0.35以上である部位を有している請求項1記載の複合容器。
  3. 前記両容器は、嵌合前のそれらを重ね合わせたときに、前記比(σ/T)が、前記胴部の口部近傍よりも該胴部の中央部において小さくなるか、または前記口部近傍よりも前記胴部の底部近傍において小さくなるように設けられている請求項1又は2記載の複合容器。
  4. 前記内層容器が嵩高処理パルプを含んでいる請求項1〜の何れかに記載の複合容器。
  5. 前記外層容器の前記嵌合代部分の内面が網目状に押圧された粗面に設けられている請求項1〜の何れかに記載の複合容器。
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