JP3871429B2 - 排気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体製造装置に用いる排気装置に関し、特に、反応性ガス中での成膜処理と反応性ガス中での食刻処理とイオン性ガス中でのイオン注入処理との少なくとも1の処理を、半導体と金属との少なくとも一方で形成された被処理部材に施す処理装置から、直接又は真空ポンプとガス除害装置との少なくとも一方を介して排気される排気ガス中の粉体、ミストあるいは凝縮性ガスを捕捉する排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体製造におけるウェーハ処理工程には、次のような処理工程が含まれる。
1)2酸化シリコン(Si O2 )を成膜する方法のひとつとして、TEOS(テトラ・エチル・オキサイド・シリコン)と酸素を用いる工程がある。この成膜処理を行う成膜処理装置の排気ガス中には、2酸化シリコンの微粉末が含まれる。この微粉末は、TEOSが酸化したときに発生する水蒸気が液体に凝縮するとそれが結合原因物質となり、2酸化シリコンはより大きな粉体粒の粉末に成長しする。その結果、このような排気ガスが冷えることにより、ガス中に含まれる2酸化シリコンは粒径の大きな粉体として排気配管の中に停留しやすくなる。また、ときとしてTEOS(液体)自身がミストとして排気ガスに含まれることがある。このミストは冷却されると、排気配管の管壁に付着し最終的には2酸化シリコンとして固着する。
【0003】
2)窒化シリコンを成膜する方法のひとつとして、ジクロールシランとアンモニアガスを用いる工程がある。このような成膜処理を行う成膜処理装置の排気ガス中には塩化アンモニウムが含まれる。塩化アンモニウムは約140℃程度になると、急速に凝縮して気体から固体になる。このため、塩化アンモニウムが排気配管の管壁に固体の層として固着する。
【0004】
3)アルミニウムを食刻する方法のひとつとして、塩化水素ガスを用いる処理工程がある。この反応性ガス中で食刻処理する食刻処理装置の排気ガス中には塩化アルミニウムが含まれる。塩化アルミニウムは約100℃程度になると、凝縮して気体から粉末状の固体になる。このため、塩化アルミニウムは排気配管の中に停留しやすくなる。
【0005】
4)高濃度のホスフィンや固体のリンをイオン源として利用するイオン注入工程がある。このイオン注入装置の排気ガス中にはイオン化したリンが含まれる。このイオン性のガスは、冷却すると凝縮されリンが微粉末となって析出する。このリンの微粉末は真空ポンプ等の可動機構の隙間に付着し、可動機構の摩擦を増大し、最終的には真空ポンプを停止させてしまう。
【0006】
5)金属タングステンを成膜する方法として六フッカタングステンと水素ガスとを用いる方法がある。この場合、これらのガスを120℃以上にすることにより、金属タングステンが析出し、成膜が行われる。しかし、ポンプ内で金属タングステンが析出すると、タングステンの硬度はポンプの主材料である鋳鉄よりも高いため、ポンプはすぐに摩耗破損する。
【0007】
このような各種の処理工程中で生成された粉末は、そのまま放置すると、排気配管を閉塞させ、固着した固体層は次第に成長し最終的には排気配管を閉塞させる原因となる。更に、イオン性ガスは、真空ポンプを停止させてしまい、タングステン成膜ガスは真空ポンプを摩耗破損させてしまう。このような、排気系統における固形物の付着を防止するため、排気装置として冷却媒体や加熱媒体を用いたトラップを用いることが広く行われている。
【0008】
図11は、このような排気装置として用いられる従来技術のトラップを示す。このようなトラップは冷却媒体と加熱媒体とのいずれをも用いることが可能なものであるが、以下の説明では、主に冷却媒体として水を用いた水冷トラップとして説明する。
【0009】
この水冷トラップは、一端を底壁で閉じられた円筒状ケーシング2内に冷却管4を配置し、この円筒状ケーシング2の他端を密閉板6で閉じた密閉構造を有する。排気ガスは円筒状ケーシング2に設けられた吸気口2aから流入し、密閉板6に設けられた排気口2bから排出される。また、冷却管4内には、給水口4aから冷却水が供給され、この内部通路を流通した後、排水口4bから排出される。この冷却管4の外周部には、フィン8が螺旋状に取付けられている。
【0010】
円筒状ケーシング2内を流通する排気ガスは、冷却管4およびフィン8の表面に接触して効率的に冷却され、この冷却管4およびフィン8の表面上に排気ガス中の粉末を付着させ、あるいは、固着原因物質を凝縮付着させることにより、排気ガス中から粉体、凝縮性ガスあるいはミスト等を除去することができる。
【0011】
したがって、このような水冷トラップを用いることにより、そのトラップ内において排気ガス中の粉末を強制的に除去し、あるいは、ガス中の凝縮性ガスを強制的にトラップ内に固着させてガス中の固着原因物質を除去することができる。このような粉末あるいは固着原因物質を排気ガス中から除去する効果は、スクラビング効果(Scrubbing Effect)と称されている。このスクラビング効果により、粉末、あるいは凝縮性ガスを強制的に除去された排気ガスは、排気配管や真空ポンプ内部に固形物を付着あるいは生成させることがほとんどなく、したがって、配管閉塞による排気停止あるいは真空ポンプ停止を伴なう排気停止トラブルを未然に防ぐことができる。このような排気停止トラブルは、長期間にわたって防止できることが望ましい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、冷却管およびフィンの表面に粉末ないし固着物がある程度付着すると、この冷却管およびフィンの冷却能力が低下することにより、排気装置を形成する水冷トラップにおけるスクラビング効果も低下し、最終的には粉末あるいは凝縮性ガスを除去できなくなってしまう。このような状態になると、排気系統は前述の問題を生じ、排気停止を起こすこととなる。言い換えると、このように粉末あるいは凝縮性ガスを除去できなくなったときに、水冷トラップのトラップ効果が喪失し、水冷トラップの使用寿命となる。
もちろん、トラップ効果は長期にわたって持続することが望ましいことであるが、しかし、従来の水冷トラップの使用寿命を延長させるためにはトラップ内表面積を大きくする必要があり、そのためケーシングおよび冷却管を軸方向に延長させていた。この場合には、水冷トラップが極めて大型化すると言う問題をかかえていた。
本発明は上述に鑑みてなされたもので、長期間にわたってトラップ効果を維持することのできるコンパクトな構造の排気装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の排気装置は、反応性ガス中での成膜処理と反応性ガス中での食刻処理とイオン性ガス中でのイオン注入処理との少なくともひとつの処理を、半導体と金属との少なくとも一方で形成された被処理部材に施す処理装置から、直接又は真空ポンプとガス除害装置との少なくとも一方を介してガスを排気する排気装置であって、前記ガスが流入する流入口を有するトラップシェルと、このトラップシェル内に開口する開口部を一端に形成されかつこの開口部から内部流路を通してガスをトラップシェルの外部に流出させる流出口を他端に形成された内部壁と、この内部壁との間に密閉構造の環状スペースを形成する外部壁とを備える二重管部材と、この二重管部材の外部壁からトラップシェル側に突出し、ガスに接触する少なくともひとつのフィンと、前記環状スペース内に、冷却用又は加熱用の媒体を循環させる媒体供給口および媒体排出口と、を具備し、トラップシェル内に流入するガスと環状スペース内を循環する媒体との温度差により、ガス中に含有される粉体とミストと凝縮性ガスとの少なくともひとつをトラップシェル内に捕捉するものである。
【0014】
この排気装置では、流入口からトラップシェル内に流入したガスは、二重管部材の外部壁の外側をこの外部壁およびフィンと接触しつつ流れ、更に、二重管部材の一端に形成された開口部から内部流路に流入し、内部壁と接触しつつこの内部流路に沿って流れ、内部壁の他端に形成された流出口からトラップシェルの外側に流出する。二重管部材の内部壁と外部壁との間の環状スペース内には、媒体供給口および媒体排出口を介して冷却用又は加熱用の媒体が循環しており、したがってこの二重管部材は、ガスに対する極めて大きな冷却用又は加熱用の接触面を形成する。
【0015】
上記フィンは、一対の長縁部の一方を二重管部材の外部壁に例えば溶接により固定させて螺旋状に巻回される細長いフィンプレートを備え、このフィンプレートの一方の長縁部は、二重管部材の軸方向一端側と他端側とに交互に突出する複数の小湾曲部からなる波状形状を有する。
【0016】
更に、上記フィンは、一対の長縁部の一方を二重管部材の外部壁に例えば溶接により固定させて螺旋状に巻回される上述の細長いフィンプレートに代え、内周部を二重管部材の外部壁に固着され、外部壁から直立する状態で配置される複数のフィンプレートを備え、これらのフィンプレートの互いに隣接する側縁部間にスリットを形成してもよい。これにより粉体がトラップシェル内の底部に停留しても、フィンプレートの互いに隣接する側縁部間のスリットで排気ガスの流路が形成され、さらに使用寿命を延ばす効果がある。これらの複数のフィンプレートが、二重管部材の軸方向に沿って螺旋状に配置されることが好ましい。
【0017】
一方、上記トラップシェルの外周面上にジャケット部を配置し、上記媒体をこのジャケット部の内部に循環させることもできる。これにより冷却効果あるいは加熱効果をさらに高めることができる。
【0018】
上記トラップシェルは、円筒状側部壁と、この側部壁から突出して前記ガス流入口を形成するガス流入管部と、このガス流入部と軸方向に近接する部位で側部壁から突出するガス流出管部とを有し、二重管部材の内部壁は、流出口を形成される他端をこのガス流出管部に連通させることもできる。これにより、排気配管が設置されている既存の場所に、本発明にかかる排気装置を後から取付けることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の好ましい実施の形態による排気装置を示す。
この排気装置は、半導体製造装置に好適に用いられ、例えば上述のようなTEOSと酸素とを用いた2酸化シリコン成膜処理装置、ジクロールシランとアンモニアガスとを用いた窒化シリコンの成膜処理装置、塩化水素ガスを用いたアルミニウムの食刻処理装置、あるいは、高濃度のホスフィンや固体のリンをイオン源として利用するイオン注入処理装置等の処理装置から、直接、又は真空ポンプあるいはガス除害装置を介して排気される排気ガス中の粉体、ミストあるいは凝縮性ガスを捕捉するものである。
【0020】
この排気装置10は、円筒状のトラップシェル12を備える。このトラップシェル12は、一端を底壁14で閉じられ、開口した他端にはフランジ16が設けられている。この開口した他端では、密閉板18が、Oリングを介してこのフランジ16に取付けられ、例えばボルト等で固定されている。また、このフランジ16に近接した部位では、トラップシェル12の側壁部からガス流入口であるガス流入管部20が突出しており、上述のような成膜処理装置、食刻処理装置あるいはイオン注入処理装置等の処理装置から排気された反応性ガスあるいはイオン性ガス等が、このガス流入管部20からトラップシェル12内に流入する。
【0021】
更に、この排気装置10は、トラップシェル12内に配置される二重管部材22を備える。この二重管部材22は、円筒状の内部壁24と外部壁26とを有し、これらの内部壁24と外部壁26との間に環状スペース28が密閉構造に形成される。内部壁24は、トラップシェル12の底壁14に近接する一端がこのトラップシェル12内に開口し、他端は、密閉板18を貫通してトラップシェル12の外側に突出する。トラップシェル12から突出したこの内部壁24の他端は、排気装置10からの流出口であるガス流出管部30を形成し、このガス流出管部30は、内部壁24内に形成された内部流路および開口した一端を介して、トラップシェル12の内部に連通する。
【0022】
二重管部材22の外周部には、流入管部20に臨む部位から開口した一端に隣接する部位まで、フィン36が螺旋状に配置されている。本実施の形態におけるフィン36は、後述する図7の(B)に示すような中心部をくり貫いた環状板形状の複数のフィンプレート38から形成してある。これらのフィンプレート38は、外部壁26に対して直立した状態で、二重管部材22の軸方向に沿って連続した螺旋状に配置され、その内周縁と二重管部材22の外部壁との間を溶接により一体的に形成し、更に、隣接するフィンプレート38の対向した側縁間も溶接により一体的に溶着して連続した帯状に形成してある。
【0023】
また、二重管部材22の内部壁24と外部壁26との間で密閉構造に形成された環状スペース28には、例えば冷却水等の冷却媒体を環状スペース28内に循環させる媒体供給管32および媒体排出管34が接続されている。本実施の形態における媒体供給管32は、密閉板18を貫通して環状スペース28内を軸方向に延設され、二重管部材22の開口した一端の近部でこの環状スペース28内に開口している。これに対し、媒体排出管34は、密閉板18を貫通して環状スペース28内に突出し、この密閉板18の近部でこの環状スペース28内に開口する。したがって、冷却水等の媒体は、開口した一端側から他端側に向けて、この環状スペース28内を流れる。
【0024】
この環状スペース28内には、排気ガスを冷却する場合には冷却媒体として水等を循環することができ、更に、0℃以下に二重管部材22を冷却させる場合には水に代えてグリセリン等の冷却媒体を循環させるのが好ましい。一方、例えぱ、フッ化タングステン(WF6)を用いてタングステン膜を形成する成膜処理装置に用いる場合には、フッ化タングステンが大気圧下では120℃以上で分解してタングステンを析出させるため、冷却水等の冷却媒体に代え、加熱された液体等の加熱媒体を循環させる。なお、このように加熱する場合には、環状スペース28内にヒータを配置することも可能である。
【0025】
この実施の形態による排気装置10の作用は以下の通りである。
上述のような各種の処理装置から排出された排気ガスは、ガス流入管部20からトラップシェル12内に流入し、フィン36で形成された螺旋状の流路に沿ってこのフィン36および外部壁26に接触しつつ底壁14の方向に流れる。更に、二重管部材22の開口した一端から、内部壁24内の内部流路を、この内部壁24に接触しつつ流れ、ガス流出管部30から排出される。二重管部材22の環状スペース28内に水等の冷却媒体が循環されている場合には、ガス流入管部20からトラップシェル12内に流入した排気ガスは二重管部材22の外部壁26およびフィン36の表面で冷却され、更に、内部壁24の内部流路を流れる間に、この二重管部材の内部壁によっても冷却され、したがって、排気ガス中の微粉末は大きな粉体に成長し、凝縮性ガスは固体となってフィン36と外部壁26と内部壁24との表面に付着する。また、排気ガス中のミストもこれらの外部壁26とフィン36と内部壁24とに付着する。
【0026】
したがって、本実施の形態における排気装置10では、トラップシェル12内に流入する排気ガスと二重管部材26内の環状スペース28内を循環する媒体との温度差により、排気ガス中に含有される粉体、ミスト、あるいは凝縮性ガスが、このトラップシェル12内に捕捉され、除去された後に、排気ガスがガス流出管部30から送出される。
【0027】
図2は、本実施の形態における排気装置10のスクラビング効果を、図11に示すような従来の水冷トラップと比較して説明するものである。図2の(A)は、従来の水冷トラップの冷却管4あるいは本実施の形態における排気装置10の二重管部材22の外面からの距離と温度との関係を概略的に示し、図2の(B)は、本実施の形態における排気装置10の二重管部材の内面からの距離と温度との関係を概略的に示す。
【0028】
ここで、図2の(A)および(B)に示すグラフの縦軸は冷却管4および二重管部材22の伝熱面すなわち表面の温度と排気ガスの固有の温度との差ΔT(絶対値)を、ガスの固有温度と表面の温度との温度差として相対値で表している。したがってΔTが小さいことは排気ガスが冷却管等により十分冷やされていることを意味し、ΔTが大きいことは排気ガスが冷却管等により冷やされていないことを意味する。また、横軸は、冷却管4および二重管部材22の表面からの距離dを表している。rは冷却管4および二重管部材22の伝熱面すなわち表面の半径である。ガスの比熱は、冷却管4あるいは二重管部材22の比熱より十分に小さく、排気ガスは滑らかに流れ、熱の伝播は温度勾配に基づく拡散によるものとして、このような理想状態で理論計算し、評価している。排気ガスの流速は、冷却管4あるいは二重管部材22の外側(図2の(A)))の場合も、内側部(図2の(B))の場合も同じとした。この理想条件の結果は実際の効果とよく一致するものである。
【0029】
図2の(A)から明らかなように、従来の水冷トラップにおいて、最も温度の低い個所は冷却管4の外周面すなわち表面である。このような冷却管4の構造から冷却効果を計算すると、冷却管4の外側の方向における排気ガスの温度は、冷却管4からの距離が大きくなるに従って急激に冷却管4の表面温度との差が大きくなり、ガス固有の温度に戻り、したがって、表面から外側に離隔するほど排気ガスが冷やされなくなる。すなわち冷却効果が低下する。一方、図2の(B)に示すように、二重管部材22の内部では、排気ガスの温度は、図2の(A)に示す外側の方向とは異なり、表面すなわち内周面から最も離隔した中心部の位置でも、表面温度との差ΔTがあまり大きくならず、したがって二重管部材22の表面の温度をかなり保っている。すなわち排気ガスは冷却媒体によりかなり冷やされ、冷却効果の低下は少なく、十分なスクラビング効果が得られる。
【0030】
図2の(A)から明らかなように、図11に示す従来の水冷トラップ4を用いた場合には、冷却フィン8に粉末や固着物が付着するものの、最も付着量の多いところは冷却管4の表面すなわち外周面である。そして、冷却管4の表面に粉末ないし固着物がある程度付着すると、冷却管4の表面熱伝導度が低下し、そのためこの冷却管4の冷却能力が低下することにより、排気装置を形成する水冷トラップにおけるスクラビング効果も低下し、最終的には粉末あるいは凝縮性ガスを除去できなくなってしまう。したがって、従来の水冷トラップにおけるトラップ効果の寿命を延長するためには、トラップ内表面積を大きくする必要がありそのため冷却管4の軸方向長さを長くする必要があり、この場合には、水冷トラップ自体が大型化する。
【0031】
これに対し、本実施の形態における排気装置10は、図3に示すような二重管部材22を採用し、この二重管部材22の内部スペース28内に冷却用等の媒体を循環させ、外周面に加えて内周面をも伝熱面として作用させることができるものである。二重管部材22の内部壁24で形成される内部流路内では、最も内周面から離隔した中心部の部位でも、表面すなわち内周面との温度差ΔTが大きくならず、排気ガスはかなり冷やされ、この内部流路の全体を通してスクラビング効果を得ることができる。
【0032】
更に、冷却のための媒体は、気体の比熱が冷媒のそれより遥かに小さいため、二重管部材22の内部スペース28内を循環する間では、冷却媒体はほとんど温度が上昇しない。言い換えると、僅かの容量の冷却媒体でスクラビング効果を得ることができるため、二重管部材22の環状スペース28の容積を大きくすることを要せず、したがって、この二重管部材22の外径を大きく形成する必要もない。
【0033】
なお、排気ガスを冷却する場合の他、上述のように、例えばフッ化タングステン(WF6)を用いてタングステン膜を形成する成膜処理装置に用いる際に、冷却水等の冷却媒体に代え、加熱された液体等の加熱媒体を循環させる場合でも、冷却媒体を循環させる場合と同様に、排気ガスと、二重管部材22の外周側および内周側の表面との温度差を有効に利用し、僅かの量の加熱媒体でスクラビング効果を得ることができことは明らかである。この場合も、タングステンはフィン36と外部壁26と内部壁24との表面に付着する。
【0034】
したがって、本実施の形態における排気装置10は、軸線方向および径方向において極めてコンパクトな構造でありながらも、長期間にわたってトラップ効果を維持することができる。
【0035】
実際に、図1に示す本実施の形態による排気装置10と図11に示す従来の水冷トラップとを、上記の処理装置の排気側に接続してトラップ寿命を比較した。この場合のトラップ寿命としては、トラップおよびトラップより下流の排気配管を含めた排気系統の詰まりにより、真空ポンブの排気圧が高くなり排気圧異常としてポンプが停止するまでの期間を採用した。その結果は、以下の通りである。ただし、タングステン成膜装置からの排気ガスについては、図11に示す従来技術によるトラップと、後述する図10に示す排気装置とを比較したものであるが、本発明の排気装置の効果を明瞭にするために、図1の排気装置10の比較結果と共にここで説明する。
【0036】
Si O2 の成膜処理装置からの排気ガスについて、スクラビングの対象を2酸化シリコンとしたトラップ寿命の比較では、図11に示す従来の水冷トラップがは4ヶ月であったのに対し、図1に示す本実施の形態による排気装置10は、7ヶ月であった。
Si 34 の成膜処理装置からの排気ガスについて、スクラビングの対象を塩化アンモニウムとしたトラップ寿命の比較では、図11に示す従来の水冷トラップが3ヶ月であったのに対し、図1に示す本実施の形態による排気装置10は、6ヶ月であった。
Al のエッチング処理装置からの排気ガスについて、スクラビングの対象を塩化アルミニウムとしたトラップ寿命の比較では、図11に示す従来の水冷トラップでは6ヶ月であったのに対し、図1に示す本実施の形態による排気装置10は、1.5年であった。
リンのイオン注入処理装置からの排気ガスについて、スクラビングの対象をリンとしたトラップ寿命の比較では、図11に示す従来の水冷トラップが1 年であったのに対し、図1に示す本実施の形態による排気装置は、2 年であった。
【0037】
タングステン成膜装置からの排気ガスについて、スクラビングの対象を金属タングステンとし、冷却媒体に代ってヒータ加熱を行ったときのトラップ寿命を、その下流部に位置する真空ポンプの摩耗寿命としたときに、図11に示す従来のトラップ(ただし加熱媒体を用いる)では、トラップ寿命は4ヶ月であったのに対し、後述する図10に示す実施の形態による排気装置10では11ヶ月であった。
【0038】
これより、本実施の形態による排気装置10のトラップ寿命が極めて長いことが確認された。また、内部に留まっている粉末あるいは固形物の量を比較したところ、本実施の形態における排気装置10では、図11に示す従来の水冷トラップの約2倍の量となっていた。この点からも、本実施の形態による排気装置10のトラップ寿命は、従来の水冷トラップの約2倍であることが確認された。
【0039】
図3から図10は、本発明の他の実施の形態による排気装置10を示す。なお、以下の実施の形態は、基本的には図1に示す実施の形態と同じであり、したがって、上記の図1に示す実施の形態と同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0040】
図3に示す排気装置10は、フィン36に、複数のスリット40を形成し、ガス流入管部20から二重管部材22の一端の開口までの間に、螺旋状の流路をバイパスする流路を形成したものである。本実施の形態におけるスリット40は、ガス流入管部20に近接する二重管部材22の一側で、隣接したフィンプレート38の対向する側縁部間に形成してある。
【0041】
この実施の形態による排気装置10は、粉末が多く含まれている排気ガスに特に適している。すなわち、排気装置10をその軸線を略水平方向に配置した場合、排気ガス中の粉末が二重管部材22の下側に停留し易く、この下側に停留した粉末により、トラップシェル12内の排気ガスの流路が塞がれる可能性がある。このように排気ガスの流路が塞がれると、排気装置10自身が処理装置の排気系統を閉塞させる原因となる。
【0042】
図3に示す実施の形態の排気装置10では、トラップシェル12と二重管部材22の下側との間すなわちガス流入管部20の反対側にかなりの量の粉末が停留しても、ガス流入管部20に近接する二重管部材22の一側でフィン36に形成された複数のスリット40が、ガス流入管部20から二重管部材22の一端の開口までの間に、バイパス流路を形成することにより、排気ガスの流路を確保できる。この場合にも、二重管部材22により、スクラビング効果が得られることは明らかである。
【0043】
図4は、本発明の更に他の実施の形態による排気装置10を示す。この排気装置10は、排気ガス中の粉末は、静止に近い状態になると、気体である排気ガスから重力により分離され、トラップシェル12の下側に溜まる性質を利用することにより、トラップシェル12内に粉末を停留させ易くしたものである。
【0044】
本実施の形態による排気装置10は、上述の実施の形態と同様、軸線を略水平方向に配置するもので、二重管部材22の下側では、フィンプレート38の間隔が上側よりも粗く配置してある。これにより、二重管部材22の外側の螺旋状の流路に沿って流れる排気ガスは、二重管部材22の下側で流速が低下する。この排気ガスの流速の低下により、二重管部材22の下側では、粉末は排気ガスから分離され易くなり、排気装置10よりも下流側の排気系統に粉末が流れ込むのが防止される。すなわち、本実施の形態の排気装置10では、粉末のトラップ効果がより高くなる。
【0045】
図5は、凝縮性ガスに対するスクラビング効果をより高めた実施の形態を示す。
本実施の形態による排気装置10は、図示のように、トラップシェル12の外周面上に配置されたジヤケット42を備える。このジャケット42の環状スペース44は、媒体連絡管46により、二重管部材22の環状スペース28と連通されている。
【0046】
本実施の形態による排気装置10では、冷却媒体等の媒体は、媒体供給管32によりガス流入管部20の近部で二重管部材22の環状スペース28内に供給され、二重管部材22の開口する一端側に向けて流れ、この後、媒体連絡管46により、ジャケット42の環状スペース44内に送られる。このジャケット42の環状スペース44内では、ガス流入管部20に近接する部位から底壁14の方向に流れ、媒体排出管34から外部に排出される。
【0047】
したがって、図5の実施の形態による排気装置10は、トラップシェル12の外部からも排気ガスを例えば冷却等し、スクラビング効果をより高めることができる。勿論、凝縮性ガスとしてWF6を含む排気ガスの場合は、このジャケット42と二重管部材22との双方の環状スペース44,28に、加熱媒体を供給することにより排気ガスのスクラビングを行なう。
【0048】
図6は、凝縮性ガスの含有量が多い排気ガスに対してスクラビング効果を高め、トラップ寿命すなわち排気系統の寿命を延ばす工夫を施した実施の形態を示す。
【0049】
すなわち、図6に示す実施の形態による排気装置10は、ガス流入管部20に対向する直下部にフィンプレート48を追加し、この部分にも、スクラビング効果が得られるようにしてある。この追加するフインプレート48は、二重管部材22の下側すなわちガス流入管部20の反対側に設けてあり、排気ガスの流路中には位置しない。そのため、この追加したフインプレート48に固着物が多く付着しても、排気ガスの流れを阻害しない。したがって、スクラビング効果が高まっても、トラップ寿命が短くなることはない。
【0050】
図7から図9は、フィン36の面積を拡大することにより、より効率よく粉末等を捕捉可能とした実施の形態を示す。
図7の(A)はそのような実施の形態のひとつを示し、フィン36の二重管部材22に近接する内周側を、波状形状に形成してある。図7の(B)は、図7の(A)の実施の形態以外の上述の各実施の形態におけるフィン36を形成するフィンプレート38を示し、図7の(C)は、図7の(A)に示す実施の形態によるフィン36を形成するためのフィンプレート50を示す。符号rは、二重管部材22の外部壁26の半径であり、符号Rは、フィン36の外縁部の半径である。
【0051】
図7の(B)に示す中心部をくり貫いた円盤形状のフィンプレート38は、対向する側縁部を二重管部材22の軸方向に引延ばすことにより、そのフィンプレート38の面が外部壁26から直立した状態で、二重管部材22の軸方向に沿って螺旋状に配置される。そして、内周側の縁部を外部壁26に溶接固定し、同様なフィンプレート38の対向する側延部を互いに溶接固定することにより図1に示すフィン36を形成することができる。
【0052】
これに対し、図7の(A)に示すフィン36は、図7の(C)に示すような細長い帯状のフィンプレート50から形成される。このフィンプレート50は、一対の長縁部52,54を有し、内周側すなわち二重管部材22の外部壁26に溶接固定される長縁部52に沿って複数の小湾曲部56が形成される。これらの小湾曲部56は、二重管部材22上の仮想螺旋状線58を中心としてこの二重管部材22の軸方向一端側と他端側とに交互に突出するするように、折り曲げられ、したがって、内周側の長縁部52では、波状形状を形成する。これらの小湾曲部56は他方の長縁部54に向けて次第に小さくなり、外周側に配置される長縁部54は仮想螺旋状線58に沿う滑らかな螺旋状形状を形成する。
【0053】
こうすることにより、図7の(A)に示すフィン36の面積は、図1に示すフィン36よりも大きくなる。二重管部材22の外部壁の半径をrとし、二重管部材22の軸中心から見たフィン36の半径をRとすると、図7の(B)に示す円盤状フィンプレート38の外周の長さは2πRであり、フィンプレート38の面積(A1とする)は、1ピッチ当たりπ(R2 −r2 )となる。一方、図7の(C)に示す細長い帯状のフィンプレート50を曲げて形成する図7の(A)に示すフィン36では、同じく外周の長さ2πRで形成できる面積(A2とする)は、1ピッチ当たり2πR(R−r)となる。これらの比をとると、
A2/A1={2・(1−r/R)}/{1−(r/R)2
となる。これを図示すると、図7の(D)のようになる。すなわち、図7の(A)に示すフィン36は、円盤状フィンプレート38に比べて、数10パーセント程度面積を大きくすることができる。これは、排気装置10のトラップ寿命を長くすることに貢献する。
【0054】
この実施の形態におけるフィン36は、フィンプレート60が内周側縁部62から外周側縁部64まで折り曲げられた多数の小湾曲部あるいは折り曲げ部66を有する。このフィンプレート60は、内周側縁部62が二重管部材22の外周面上を螺旋状に延設されている。本実施の形態では、曲げ角を二重管部材22の外周面上で約38度にとってあり、図1実施の形態におけるフィン36に比較し、面積は約18%増加している。
【0055】
図9は、排気ガスの流量は多くないが十分に冷却する必要のある場合に適する排気装置10を示す。二重管部材22の外部壁70は、図示のように、溶接ベロー配管を備えており、このベロー部がフィン36を形成する。環状スペース28は、このベロー部と内部壁24との間に形成される。これにより、外部壁70の表面積は2倍以上も大きく形成される。
【0056】
本実施の形態における排気装置10は、特に、イオン性ガスのスクラビングに好適に用いることができる。イオン性ガスを含む排気ガスでは、付着物の量は多くはないが、しかし、排気系統中のポンプ機構の間隙に微粉末が付着し、ポンプが停止し易い。本実施の形態による排気装置10を図示しないポンプの上流部に取り付けることにより、効果的に微粉末を除去することができる。
【0057】
図10の(A)および(B)は、トラップシェル12の円筒状側部壁からガス流出管部30を突出させた実施の形態を示す。この実施の形態におけるガス流出管部30はガス流入管部20と径方向反対側の対向する部位で、トラップシェル12の円筒状側部壁から突出させてあるが、これに限らず、トラップシェル12の円筒状側部壁におけるガス流入管部20と軸方向に近接する適宜の位置から突出させることも可能である。これは、二重管部材22が内部流路を形成することにより可能となるものである。これにより、処理装置の排気系統に対する取付の際の自由度を増大させることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の排気装置は、ガスが流入する流入口を有するトラップシェルと、このトラップシェル内に開口する開口部を一端に形成されかつこの開口部から内部流路を通してガスをトラップシェルの外部に流出させる流出口を他端に形成された内部壁と、この内部壁との間に密閉構造の環状スペースを形成する外部壁とを備える二重管部材と、この二重管部材の外部壁からトラップシェル側に突出し、ガスに接触する少なくともひとつのフィンと、前記環状スペース内に、冷却用又は加熱用の媒体を循環させる媒体供給口および媒体排出口と、を具備し、トラップシェル内に流入するガスと二重管部材内を循環する媒体との温度差により、ガス中に含有される粉体とミストと凝縮性ガスとの少なくともひとつをトラップシェル内に捕捉することにより、コンパクトな構造でありながらも、長期間にわたってトラップ効果を維持することができる。
【0059】
フィンが、一対の長縁部の一方を二重管部材の外部壁に固着させて螺旋状に巻回される細長いフィンプレートを備え、このフィンプレートの一方の長縁部が、二重管部材の軸方向一端側と他端側とに交互に突出する複数の小湾曲部からなる波状形状を有することにより、フィンの面積が増大し、トラップ寿命を長くすることができる。
【0060】
また、フィンが、一対の長縁部の一方を二重管部材の外部壁に固着させて螺旋状に巻回される上述の細長いフィンプレートに代え、内周部を二重管部材の外部壁に固着され、外部壁から直立する状態で配置される複数のフィンプレートを備え、これらのフィンプレートの互いに隣接する側縁部間にスリットを形成する排気装置は、排気ガス中の粉末が二重管部材の下側に停留した場合でも、これらのスリットが二重管部材の外側にバイパス流路を形成し、長期間にわたってスクラビング効果を持続させることができる。
【0061】
トラップシェルの外周面上にジャケット部を配置し、媒体をこのジャケット部の内部にも循環させる場合には、トラップシェルも二重管部材と同様にスクラビング効果を生じさせ、したがって、トラップ効果が増大する。
【0062】
トラップシェルが、円筒状側部壁と、この側部壁から突出して前記ガス流入口を形成するガス流入管部と、このガス流入部と軸方向に近接する部位で側部壁から突出するガス流出管部とを有し、二重管部材の内部壁は、流出口を形成される他端がこのガス流出管部に連通させる場合には、処理装置の排気系統に対する取付の際の自由度を増大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態による排気装置の内部構造を概略的に示す説明図。
【図2】本発明による排気装置のスクラビング効果を従来の水冷トラップと比較して説明する図。
【図3】他の実施の形態による排気装置の内部構造を概略的に示す説明図。
【図4】更に他の実施の形態による排気装置の内部構造を概略的に示す説明図。
【図5】トラップシェルの外側にジャケットを配置した更に他の実施の形態による排気装置の概略的な説明図。
【図6】更に他の実施の形態による排気装置の内部構造を概略的に示す説明図。
【図7】他のフィン構造を説明する図であり、(A)は、そのフィンを二重管部材に取付けた状態の説明図、(B)は、図ひとつの排気装置に用いるフィンを形成するためのフィンプレートの図、(C)は、(A)のフィンを形成するフィンプレートの説明図、(D)は、(B)および(C)のフィンプレートの面積を比較するグラフ図。
【図8】図7の(A)の変形構造のフィンを示す図であり、(A)は、二重管部材に取付けた状態の概略的な斜視図、(B)は、概略的な側面図。
【図9】更に他の変形構造のフィンを有する排気装置の説明図。
【図10】トラップシェルの変形構造を説明する図であり、(A)は内部構造を概略的に説明する図、(B)は概略的な斜視図。
【図11】従来の水冷トラップを示す図。
【符号の説明】
10…排気装置、12…トラップシェル、14…底壁、16…フランジ、18…密閉板、20…ガス流入管部、22…二重管部材、24…内部壁、26,70…外部壁、28,44…環状スペース、30…ガス流出管部、32…媒体供給管、34…媒体排出管、36…フィン、38,50,60…フィンプレート、40…スリット、42…ジャケット、46…連結管、52,54,62,64…長縁部、56,66…小湾曲部、58…仮想螺旋状線。

Claims (5)

  1. 反応性ガス中での成膜処理と反応性ガス中での食刻処理とイオン性ガス中でのイオン注入処理との少なくともひとつの処理を、半導体と金属との少なくとも一方で形成された被処理部材に施す処理装置から、直接又は真空ポンプとガス除害装置との少なくとも一方を介してガスを排気する排気装置であって、
    前記ガスが流入する流入口を有するトラップシェルと、
    このトラップシェル内に開口する開口部を一端に形成されかつこの開口部から内部流路を通してガスをトラップシェルの外部に流出させる流出口を他端に形成された内部壁と、この内部壁との間に密閉構造の環状スペースを形成する外部壁とを備える二重管部材と、
    この二重管部材の外部壁からトラップシェル側に突出し、ガスに接触する少なくともひとつのフィンと、を具備し、
    このフィンは、一対の長縁部の一方を二重管部材の外部壁に固着させて螺旋状に巻回される細長いフィンプレートを備え、このフィンプレートの一方の長縁部は、二重管部材の軸方向一端側と他端側とに交互に突出する複数の小湾曲部からなる波状形状を有し、更に、
    前記環状スペース内に、冷却用又は加熱用の媒体を循環させる媒体供給口および媒体排出口具備し、
    トラップシェル内に流入するガスと環状スペース内を循環する媒体との温度差により、ガス中に含有される粉体とミストと凝縮性ガスとの少なくともひとつをトラップシェル内に捕捉する排気装置。
  2. 反応性ガス中での成膜処理と反応性ガス中での食刻処理とイオン性ガス中でのイオン注入処理との少なくともひとつの処理を、半導体と金属との少なくとも一方で形成された被処理部材に施す処理装置から、直接又は真空ポンプとガス除害装置との少なくとも一方を介してガスを排気する排気装置であって、
    前記ガスが流入する流入口を有するトラップシェルと、
    このトラップシェル内に開口する開口部を一端に形成されかつこの開口部から内部流路を通してガスをトラップシェルの外部に流出させる流出口を他端に形成された内部壁と、この内部壁との間に密閉構造の環状スペースを形成する外部壁とを備える二重管部材と、
    この二重管部材の外部壁からトラップシェル側に突出し、ガスに接触する少なくともひとつのフィンと、を具備し、
    このフィンは、内周部を二重管部材の外部壁に固着され、外部壁から直立する状態で配置される複数のフィンプレートを備え、これらのフィンプレートの互いに隣接する側縁部間にスリットが形成され、更に、
    前記環状スペース内に、冷却用又は加熱用の媒体を循環させる媒体供給口および媒体排出口を具備し、
    トラップシェル内に流入するガスと環状スペース内を循環する媒体との温度差により、ガス中に含有される粉体とミストと凝縮性ガスとの少なくともひとつをトラップシェル内に捕捉する排気装置。
  3. 前記複数のフィンプレートは、二重管部材の軸方向に沿って螺旋状に配置される請求項2に記載の排気装置。
  4. 前記トラップシェルの外周面上に配置され、前記媒体がその内部を循環されるジャケット部を更に備える請求項1から3のいずれか1に記載の排気装置。
  5. 前記トラップシェルは、円筒状側部壁と、この側部壁から突出して前記ガス流入口を形成するガス流入管部と、このガス流入部と軸方向に近接する部位で側部壁から突出するガス流出管部とを有し、前記二重管部材の内部壁は、前記他端がこのガス流出管部に連通する請求項1から4のいずれか1に記載の排気装置。
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