JP3871306B2 - ポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジット、その製造方法および前記コンポジットを用いた非水電解質電池 - Google Patents

ポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジット、その製造方法および前記コンポジットを用いた非水電解質電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素とイオウを主な構成元素とするポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジット、その製造方法および前記コンポジットを用いた非水電解質電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
市場における携帯式電子デバイスの急速な拡大に伴い、その電源として使用される電池の高性能化への要求はますます強くなり、しかも、その一方で、より環境に優しい電池の開発が要求されている。そのような状況の中で、非水電解質電池(一次電池または二次電池)の正極活物質として、低コストで環境負荷が小さく、しかも高容量であるイオウ(硫黄)やその誘導体に対する期待が高まっている。
【0003】
このイオウの二電子反応を電池に利用できるならば、理論的には元素イオウは1675mAh/gという大きなエネルギー密度を有する活物質となる。しかし、イオウは絶縁性の高い物質であり、また可逆性に乏しいため、アルカリ金属−イオウ電池では、実際には低い利用率しか得られないのが現状である。しかも、高温でしか利用できないため、イオウやその誘導体の高い活性により電池ケースなどが侵食されるという問題があり、民生用の小型電池への応用は困難であると言われている。
【0004】
一方、アルカリ金属の硫化物など、有機溶媒に可溶な無機イオウ化合物も電池の正極活物質として利用されている(特開昭57−145272号公報など)。この無機イオウ化合物を用いた電池では、正極に多孔質のカーボン電極が用いられており、従来のイオウ電池より大電流で放電できるものの、電極を構成するカーボンが放電中に劣化しやすいため、主に一次電池として用いられてきた。
【0005】
そのため、炭素とイオウなどを主な構成元素とする有機イオウ化合物の検討も進められており、特表昭60−502213号公報(WO85/01293号)においては、一般式(Ra CSb c (ただし、Rは水素、アルカリ金属または遷移元素)の形で表される有機イオウ化合物が提案されている。それらの化合物は、ポリテトラフルオロエチレンやポリトリフルオロクロロエチレンのようなハロゲン化ポリエチレンやポリアセチレンなどのポリマーにイオウを付加する方法で合成している。
【0006】
また、上記とは別の炭素とイオウなどを主な構成元素とする有機イオウ化合物として、(CSw p (wは1.2〜約50、pは2以上)などの一般式で表される有機イオウ化合物が、1000〜1600mAh/gという高いエネルギー密度を有することから注目されている。スコットハイム(Skotheim)らは、この有機化合物を非水電解質電池の正極活物質として用い、室温下でも高い容量を示す二次電池を提案している〔特開平7−29599号公報(US5441831号)、特表平11−506799号公報(WO96/41388号)、特表平11−514128号公報(WO96/41387号)など〕。この有機イオウ化合物は、金属ナトリウムのアンモニア溶液中でアセチレンとイオウとを反応させる方法、金属ナトリウムを触媒として二硫化炭素とジメチルスルホンとを反応させる方法などにより製造することができる。そして、この有機イオウ化合物の分子構造は、主として炭素で形成された共役構造を有する骨格と、その骨格に結合した−Sm −(m≧3)で表される構造(以下、これを「ポリスルフィドセグメント」という)を有することを特徴としている。
【0007】
一方、本発明者らは、既にほぼ炭素とイオウの二元素のみからなり、従来の有機イオウ化合物よりも分子構造の単一性の高いポリ硫化カーボンを合成し、それを活物質として用いることにより、高容量でかつ充放電サイクル特性が優れた信頼性の高い非水電解質電池を実現し、特許出願をしてきた(特願2000−031305)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したポリ硫化カーボンは電子伝導度があまり高くないため、電極製造工程での作業中に静電気が発生しやすい。また、上記のポリ硫化カーボンを電池の活物質とする場合、その利用率を高めたり、電池のレート特性を向上させるためには、アセチレンブラックなどの比表面積の大きい導電性粒子を多量に電極に添加してその電子伝導度を向上させることを必要としている。さらに、そのような電極をアルミニウム箔などの集電体に電極合剤含有ぺーストを塗布・乾燥する工程を経由する塗布法で製造する場合、均一な電極合剤含有ぺーストを調製するには、系の粘度が高いため、手間がかかり、かつ多量の分散溶媒と多量のバインダーが必要である。その結果、コストも高くなり、しかも、電極に付与される電子伝導度が必ずしも充分ではない。
【0009】
本発明は、上記のようなポリ硫化カーボン系電極の製造時における問題点を解決し、作業性が良好で、かつ簡単に有効な電子伝導性を電極に付与することができるポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットとその製造方法を提供し、さらにそのコンポジット中のポリ硫化カーボンを活物質として用いることにより、高容量でかつ充放電サイクル特性が優れた非水電解質電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、前記特願2000−031305の明細書に記載したポリ硫化カーボンの製造方法を利用し、炭素とイオウを主な構成元素としポリスルフィドセグメントを有する有機イオウ化合物とカーボンとを均一に混合し、得られた混合物を加熱処理することによりイオウの一部を除去して主としてジスルフィド結合に変化させる工程を経てポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを製造する方法を見出し、それに基づいて本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の一つは、炭素とイオウを主な構成元素とし、イオウの比率が75質量%以上でかつ炭素とイオウの質量比率の合計が95質量%以上であるポリ硫化カーボンをカーボンと複合したコンポジットであって、前記ポリ硫化カーボンは実質的にポリスルフィドセグメントを有しないことを特徴とするポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットである。
【0012】
そして、本発明においては、上記コンポジット中のイオウの比率が50質量%以上である。
【0013】
また、本発明においては、CS2 で溶出したイオウの割合が20質量%以下であることが好ましい。
【0014】
上記コンポジットは、例えば、炭素とイオウを主な構成元素とし、−Sm −(m≧3)で表されるポリスルフィドセグメントを有する有機イオウ化合物とカーボンとの混合物を180℃以上に加熱処理することにより、上記ポリスルフィドセグメントを構成するイオウの一部を除去して、主として、ジスルフィド結合に変化させることによって製造することができ、これも本発明の一つである。
【0015】
本発明のさらに他の一つは、上記コンポジットを用いた正極を有する非水電解質電池である。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットとその製造方法についての詳細と、そのコンポジット中のポリ硫化カーボンを活物質として用いた非水電解質電池について具体的に説明する。
【0017】
上記ポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットは、例えば、次の方法によって製造することができる。まず、硫化ナトリウムなどのアルカリ金属硫化物と元素イオウをアルコール、アセトン、水などの溶媒中で、おおよそ0℃〜50℃の温度範囲で10分〜10時間程度反応させた後、真空中で溶媒を蒸発させて反応物を取り出す。次いで、これをN−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒中で、おおよそ0℃〜50℃の温度範囲で10分〜3時間程度ヘキサクロロブタジエンなどのハロゲン化不飽和炭化水素と反応させる。その後、反応生成物を純水および有機溶媒で数回洗浄し、おおよそ10℃〜80℃で真空乾燥させることにより中間生成物として茶色の固体化合物を得る。この茶色の固体化合物は、その分子中に多数のポリスルフィドセグメントを有してある。また、合成反応の過程で生じるポリスルフィド化合物が多く混在していることも確認されている。この中間生成物を得る方法としては、上記方法以外にも、従来公知の種々の有機イオウ化合物の合成方法を採用することができる。
【0018】
つぎに、上記中間生成物をカーボン(例えば、活性炭、黒鉛、アセチレンブラック、カーボン繊維などの炭素材料)と適量に均一混合してから、アルミナ(酸化アルミニウム)などで作られた耐熱容器に入れ、150℃〜300℃の範囲内で真空加熱することにより(常圧の場合は250℃〜450℃の範囲内で)、中間生成物に含まれているポリスルフィド化合物などの不純物を蒸発させ、また、有機イオウ化合物分子中のポリスルフィドセグメントを切断して、余分なイオウを蒸発させて除去し、ほぼ炭素とイオウとの二元素のみからなり、分子中のほとんどあるいはすべての炭素原子がイオウ原子との結合を形成し、しかもイオウ原子のほとんどあるいはすべてが酸化および還元に対する高い可逆性を有するジスルフィド結合を形成した構造にすることによって目的とするポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットが得られる。このようなコンポジット中でのイオウの含有比率は、出発原料である中間生成物とカーボンの比率にもよるが、質量比率で50〜80%が好ましい。コンポジット中のイオウの含有比率が低い場合は、電池の活物質としては容量が低くなり、反対にコンポジット中のイオウの含有比率が多すぎる場合は、多量の−Sm −(m≧3)で表されるポリスルフィドセグメントが残留し、かつ充分な電子伝導度が得られず、電極の可逆性が低下することになる。
【0019】
このコンポジットを具体的に説明すると、ポリ硫化カーボンの部分は次の式(1)で表される繰り返し単位を有する構造が推定され、さらに炭素鎖間の結合は、例えば、式(2)、式(3)で表されるようなジスルフィド結合によりなされているものと推定される。
【0020】
【化1】
Figure 0003871306
【化2】
Figure 0003871306
【化3】
Figure 0003871306
【0021】
カーボンについてはどのような構造になっているか明確ではないが、コンポジット中でポリ硫化カーボンと均一に混合するようになる。これは、出発原料の中間生成物が120℃前後で液体になって均一にカーボンと混合できるようになったためであると考えられる。また、コンポジットの形成にあたって用いるカーボンの種類と形態などについては、特に限定されることはないが、粒状または繊維状でもよいが、高伝導度を有するもの、高比表面積を有するものが好ましい。特に活性炭のような表面に官能基を有するカーボンは、その官能基とイオウとの反応によってポリ硫化カーボンをカーボンの表面に固定化して系の電子伝導度を向上させるので好ましい。
【0022】
上記の加熱処理においては、加熱中の化合物の酸化を防ぐため、真空中または不活性ガスで置換した雰囲気中などで加熱処理を行うのが好ましい。また、ポリ硫化カーボンの構造は、その加熱温度に依存するため、上記加熱温度としては、真空中の場合は、おおよそ150℃〜300℃が好ましく、180〜220℃がより好ましいが、真空度が高いほど、均一に熱が伝わるほど、または出発の原材料が少ないほど、より低温でも行うことができる。一方、常圧の場合は、おおよそ250℃〜450℃が好ましく、300℃〜400℃がより好ましい。
【0023】
また、加熱時間は加熱処理の温度や雰囲気により調整すればよいが、おおよそ30分〜5時間が適している。中間生成物の組成、加熱温度や加熱時間などの相違により、得られるコンポジットの組成が多少異なるが、その中でのイオウを質量比率で50〜80%含有させることにより高容量化が容易になり、化学的安定性の点からは炭素およびイオウ以外の元素の含有量が少ないこと、すなわちイオウと炭素の質量比率が95%以上であることが好ましい。
【0024】
さらに、上記のコンポジット中におけるポリ硫化カーボンを一般式(CSx n で表したときに、xが0.9〜2の範囲にある化合物は、分子構造の単一性が高く、充放電における可逆性が優れ、高容量の活物質となることから特に好ましい。これは、xの値が0.9より小さくなると、これまでのものと同様に作業性などが悪くなる傾向があり、また、xの値が2より大きい化合物では、分子内に不可逆性のポリスルフィドセグメントが多く導入されてしまう傾向があるからである。そして、nは4以上が好ましく、加工性を考えると100以上がより好ましく、いくら大きくなってもよいが、通常、10万程度のものまでが好適に用いられる。
【0025】
本発明のコンポジット中のポリ硫化カーボンを非水電解質電池の正極活物質として用いた場合、その理論容量は600mAh/g以上であり、正極活物質として最も一般的に用いられているLiCoO2 (137mAh/g)の4倍以上の高容量化を実現できる。また、本発明のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットは、上記のような非水電解質電池の正極活物質材料としての用途以外に、負極活物質材料としての利用、あるいは、キャパシタなどの他の電気化学素子や、その化学的安定性、半導体性、光吸収性などの特性を生かして、情報記憶素子、表示素子、電子材料などにも利用可能である。
【0026】
つぎに、本発明のコンポジットを正極に用いた非水電解質電池(二次電池)の製造について述べる。
【0027】
正極は、上記のコンポジットと、必要に応じて用いる導電助剤、バインダー、添加剤などとで構成される。それらの中で、導電助剤は、必ずしも必要でないが、コンポジット中のカーボンの含量によって、少量の黒鉛、カーボンブラックなどの炭素材料を導電助剤として用いてもよい。
【0028】
上記バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、無定形ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアセトアミド、溶媒に溶解性を有するポリアニリン、ポリピロールまたはそれら化合物のコポリマーまたは架橋により形成される化合物などが挙げられ、それらは正極活物質に対して化学的に安定でかつ強い接着力を有する高分子化合物であることが好ましい。
【0029】
正極は、例えば、前記コンポジットに、必要に応じて、前記の導電助剤やバインダーなどを加え、混合して正極合剤を調製し、それを溶剤に分散させてペーストにし(バインダーはあらかじめ溶剤に溶解または分散させてから前記コンポジットなどと混合してもよい)、その正極合剤含有ペーストを金属箔などからなる正極集電体に塗布し、乾燥して、正極集電体の少なくとも一部に正極合剤層を形成する工程を経由することによって製造される。ただし、正極の製造方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
【0030】
負極の活物質としては、例えば、リチウム金属、リチウムのアルミニウムなどとの合金、リチウム含有複合化合物、黒鉛などの炭素材料、スズまたはケイ素などのリチウムと合金化可能な元素かまたはそれらを含む酸化物、リチウム含有窒素化合物などが挙げられる。
【0031】
負極の製造方法は、用いる負極活物質の種類によって大別して2つに分けられる。その一つは、負極活物質として金属や合金を用いる場合、金網、エキスパンドメタル、パンチングメタルなどの金属多孔体からなる負極集電体に負極活物質の金属や合金を圧着して負極を製造する方法が採用される。そして、負極活物質として炭素材料などを用いる場合は、上記炭素材料などからなる負極活物質に、必要に応じて、正極の場合と同様の導電助剤やバインダーなどを加え、混合して負極合剤を調製し、それを溶剤に分散させてペーストにし(バインダーはあらかじめ溶剤に溶解または分散させておいてから負極活物質などと混合してもよい)、その負極合剤含有ペーストを銅箔などからなる負極集電体に塗布し、乾燥して、負極集電体の少なくとも一部に負極合剤層を形成する工程を経由することによって製造される。ただし、負極の製造方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
【0032】
非水電解質としては、液状電解質(以下、「電解液」という)、ゲル電解質、ポリマー電解質、固体電解質のいずれも用いることができる。
【0033】
上記電解質として、まず、電解液から説明すると、電解液は非水性溶媒に電解質塩を溶解させることによって調製される。
【0034】
上記非水性溶媒としては、リチウムの硫化物に対する良好な溶解性を有する主溶媒と、必要に応じて用いられる副溶媒とで構成される。前記主溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、ベンゼンなどの芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、テトラメチルエチレンジアミン、ジオキソラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、テトラグリムなどで代表される分子量10000以下のポリエチレンオキサイドなどのように分子内に酸素または窒素を含有する脂肪族系または脂環族系の低分子量溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホランなどのイオウを含有する溶媒などが挙げられ、それらの溶媒はそれぞれ単独でまたは2種以上の混合溶媒として用いることができる。また、それらの溶媒の中でも、特に1,2−ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラヒドロフラン、テトラグリム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)などのようなドナー性(電子供与性)の強い溶媒が好ましく、とりわけ、これらのドナー性の強い溶媒をテトラヒドロフラン、ジオキソランなどの低粘度エーテルと組み合わせて用いることが好ましい。もちろん、この主溶媒だけで非水性溶媒を構成することもできる。
【0035】
上記副溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどのエステルが用いられ、またエチレングリコールサルファイトなどのイオウ系エステルなども用いることができる。さらに、それら以外にも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル、リン酸トリメチルなどの鎖状リン酸トリエステルやジエチルエーテルなども用いることができる。これらの副溶媒の添加により電解液のイオン伝導度は高まるが、活物質の反応性を低下させる傾向があるので、副溶媒の添加量としては、主溶媒の性質にもよるが、全構成溶媒中の20質量%以下が好ましい。
【0036】
上記非水性溶媒に溶解させる電解質塩としては、リチウムのハロゲン塩または過塩素酸塩、有機ホウ素リチウム塩、トリフロロメタンスルホン酸塩で代表される含フッ素化合物の塩、イミド塩などが好適に用いられる。このような電解質塩の具体例としては、例えば、LiF、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiB(OC6 4 COO)2 、LiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2 2 4 (SO3 2 、LiN(CF3 SO2 )、LiN(RfSO2 )(Rf′SO2 )、LiN(RfOSO2 )(Rf′OSO2 )、LiC(RfSO2 3 、LiCn 2n+1SO3 (n≧2)、LiN(RfOSO2 2 〔ここでRfとRf′はフルオロアルキル基〕などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上混合して用いることができる。そして、この電解質塩としては、特に炭素数2以上の含フッ素有機リチウム塩またはイミド塩が好適に用いられる。これは、上記含フッ素有機リチウム塩はアニオン性が大きく、かつイオン分離しやすいので上記溶媒成分に溶解しやすいからであり、またイミド塩は安定性が優れているからである。電解液中における電解質塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.5mol/l以上が好ましく、また1.7mol/l以下が好ましい。
【0037】
ゲル電解質は、上記電解液をゲル化したものに相当する。そのゲル化にあたっては、例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルニトリルなどの直鎖状ポリマーまたはそれらのコポリマー、多官能モノマー(例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以上のアクリレートなど)より得られるポリマー化合物やアミン化合物とウレタンとの反応より得られるポリマー化合物などが用いられる。特にポリエチレンオキシドのセグメントを有するゲル電解質が好ましい。また、ポリマー電解質としては前記電解質塩をポリマー中に溶解したものが挙げられ、固体電解質としては、無機系のものと有機のものとがあり、無機系固体電解質としては、例えば、ナトリウムβアルミナ、60LiI−40Al2 3 、Li3 N、5LiI−4Li2 S−2P2 5 、Li3 N−LiIなどが挙げられ、また、有機系固体電解質としては、例えば、無定形、低相転移温度(Tg)のポリエーテル、無定形フッ化ビニリデンコポリマー、異種ポリマーのブレンドした物などが挙げられる。
【0038】
【実施例】
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例などにおいて、溶液または分散液の濃度を示す%や組成、収率などを示す%は、特にその単位を付記しないかぎり質量%を表している。
【0039】
実施例1
硫化ナトリウムの九水和物(Na2 S・9H2 O)100gを、体積比1:1で混合したエタノールと水との混合溶媒300mlに溶解させ、これに53.4gのイオウを添加して室温下で1時間反応させた。次いで、溶媒を真空中で除去した後、残留物をN−メチル−2−ピロリドン700mlに溶解させ、ヘキサクロロブタジエンを17.2g添加して、室温下で1時間反応させた。その後、純水、アセトン、エタノールを用いて充分に洗浄を行い、真空中で40℃に保ちながら15時間乾燥し、中間生成物として茶色の固体化合物を得た。
【0040】
得られた化合物について元素分析を行い、その平均組成を求めた。その結果、C:7.0%、S:92.3%、N:0.2%以下、H:0.3%以下であることが判明した。これに対応する一般式は(CS6.2 n であった(ただし、合成によって得られた化合物の平均組成は必ずしも一定ではない)。上記C、N、Hの分析結果は、全自動元素分析装置〔シーベルヘグナ社製、vario EL(商品名)〕により、試料分解炉温度:950℃、還元炉温度:500℃、ヘリウム流量:200ml/分、酸素流量:20〜25ml/分の条件下で分析を行った結果によるものであり、また、前記Sの分析結果は、フラスコ燃焼法−酢酸バリウム測定で、指示薬としてトリンメチレンブルーを用いて分析を行った結果によるものである。
【0041】
つぎに、上記中間生成物40gとアセチレンブラック(比表面積65m2 /gで、平均粒径40nm)1.6gをよく混合して船形のアルミナ(酸化アルミニウム)容器に入れ、その混合物を入れたアルミナ容器を真空乾燥器中に置き、真空度が1.33×102 Pa(1torr)以下になるまで真空にし、純度99.9%のアルゴンガスで一回置換した後、再度、真空にして、以下に示す条件で温度を変化させて最終的に205℃で加熱処理を行った。すなわち、室温から60℃まで0.5時間で昇温し、60℃で1時間保持し、次いで205℃まで2時間で昇温し、205℃で5時間保持して加熱処理を行うことにより、中間生成物中のイオウの一部を除去することによって、中間生成物をポリ硫化カーボン〔このポリ硫化カーボンを一般式で表すとおおよそ(CS1.58n に相当する〕に変化させて黒色のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを合成した。
【0042】
処理後に室温まで冷却してから反応生成物を取り出し、外観が黒鉛に似た金属光沢を有する黒色のコンポジット約12.6gを得た。元素分析の結果、このコンポジットの組成はC:29.4%、S:70.5%であった。その粉末(平均粒径約20μm)をCS2 に分散させて室温下で一晩攪拌して溶出したイオウの量はイオウの全量中の約4%であった。
【0043】
実施例2
実施例1の加熱処理において、処理温度を205℃から190℃に変えた以外は、実施例1と同様にしてコンポジット約13.2gを得た。元素分析の結果、このコンポジットの組成は、C:28.0%、S:72.0%であった。その粉末(平均粒径約20μm)をCS2 に分散させて室温下で一晩攪拌して溶出したイオウの量はイオウの全量中の約6%であった。
【0044】
実施例3
実施例1でカーボンとして用いたアセチレンブラックに代えて、活性炭(比表面積1500m2 /gで、平均粒径15μm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてコンポジット約12.8gを得た。元素分析の結果、このコンポジットの組成は、C:28.7%、S:71.2%であった。その粉末(平均粒径約20μm)をCS2 に分散させて室温下で一晩攪拌して溶出したイオウの量はイオウの全量中の約3%であった。
【0045】
実施例4
実施例1の加熱処理条件において、真空を常圧に変え、温度を205℃から380℃に変え、雰囲気を真空からアルゴンガスフロー(300ml/分)に変えた以外は、実施例1と同様にしてコンポジット約9.5gを得た。元素分析の結果、このコンポジットの組成は、C:38.5%、S:61.5%であった。その粉末(平均粒径約20μm)をCS2 に分散させて室温下で一晩攪拌して溶出したイオウの量はイオウの全量中の約2%であった。
【0046】
比較例1
カーボンを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして一般式(CS1.5 n で表されるポリ硫化カーボンを得た。
【0047】
比較例2
カーボンを添加しなかった以外は、実施例4と同様にして一般式(CS1.0 n で表されるポリ硫化カーボンを得た。
【0048】
上記実施例1〜4のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットおよび比較例1〜2のポリ硫化カーボンの特性評価にあたっては、それらをそれぞれ正極に用いて以下に示す実施例5〜8および比較例3〜4の非水電解質二次電池を製造し、それらの電池におけるポリ硫化カーボン1g当たりの初期放電容量を調べることによって、実施例1〜4のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットおよび比較例1〜2のポリ硫化カーボンの特性評価を行った。なお、コンポジット中のポリ硫化カーボンの算出に当たっては、加熱処理工程中でカーボンの重さが変化せず合成時の重さの減少はすべてがイオウの蒸発によるものという仮定に基づいて計算する。
【0049】
実施例5〜8および比較例3〜4
まず、正極を以下に示すようにして製造した。実施例1〜4のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットおよび比較例1〜2のポリ硫化カーボンについて、そのポリ硫化カーボン75質量部(コンポジットの場合はコンポジット中のカーボンの重さを除外)と、アセチレンブラック15質量部(コンポジットの場合はコンポジット中のカーボンの重さを含む)とを混合用容器に入れ、乾式で10分間混合した後、N−メチル−2−ピロリドン500質量部(コンポジットの場合は200質量部)を添加して30分間混合した。次いで、ポリフッ化ビニリデンを12%含有するN−メチル−2−ピロリドン溶液83質量部を加え、さらに1時間混合して正極合剤含有ぺーストを調製した。
【0050】
得られた正極合剤含有ぺーストを厚さ20μmのアルミニウム箔(サイズ:250mm×220mm)に塗布し、50℃のホットプレート上で10分間乾燥した後、さらに真空中で70℃で10時間乾燥してN−メチル−2−ピロリドンを除去して正極合剤層を形成した。乾燥後の電極体を加圧し、正極合剤層の厚みが40μmの正極を得た。
【0051】
負極は、アルゴンガス雰囲気中で厚さが120μmのリチウム箔を60μmのステンレス鋼製網(サイズ:250mm×220mm)上に載せ、ローラーで加圧してリチウム箔をステンレス鋼製網に圧着することによって作製した。
【0052】
電解液としては、テトラグリムと1,3−ジオキソランとの混合溶媒(質量比4:1)にLiCF3 SO3 を1mol/l溶解させた溶液を用いた。
【0053】
そして、上記正極と負極をそれぞれ70mm×42mmに裁断して、厚さ80μmの多孔質ポリエチレン不織布からなるセパレータを介してアルゴンガス雰囲気中で積層し、その積層体をナイロンフィルム−アルミニウム箔−変性ポリオレフィン樹脂フィルムの三層ラミネートフィルムからなる包装体に入れ、電解液を注入した後、密閉して非水電解質二次電池を作製した。これらの電池を正極活物質のポリ硫化カーボン1g当たり60mAに相当する電流値で1.5Vになるまで放電させて放電容量を測定し、正極活物質のポリ硫化カーボン1g当たりの放電容量を調べた。その結果を表1に初期放電容量として示す。なお、実施例5〜8および比較例3〜4の電池と実施例1〜4のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットおよび比較例1〜2のポリ硫化カーボンとの関係について示すと、実施例5の電池の正極には実施例1のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを用い、実施例6の電池の正極には実施例2のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを用い、実施例7の電池の正極には実施例3のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを用い、実施例8の電池の正極には実施例4のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを用い、比較例3の電池の正極には比較例1の一般式(CS1.5 n で表されるポリ硫化カーボンを用い、比較例4の電池の正極には比較例2の一般式(CS1.0 n で表されるポリ硫化カーボンを用いている。
【0054】
【表1】
Figure 0003871306
【0055】
表1に示す結果から明らかなように、本発明のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを正極に用いた実施例5〜8の電池は、従来のポリ硫化カーボンを正極に用いた比較例3〜4の電池と同様に大きな初期放電容量を有していた。言い換えれば、本発明の実施例1〜4のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットは、従来の非水電解質二次電池において正極活物質として用いられていたポリ硫化カーボンに相当する比較例1〜2のポリ硫化カーボンと同等の初期放電容量を持つ非水電解質二次電池を実現でき、また、比較例1〜2のポリ硫化カーボンに比べて分散溶媒の使用量が少なくて済み、塗布しやすく、かつ塗布ムラが少なく、電極製造時の作業性が優れていた。
【0056】
実施例9
Huntsman社製のアミン化合物(Jeffamine XTJ−502)100gをテトラグリムと1,3−ジオキソランとの質量比4:1の混合溶媒130gに溶解し、これに坂本薬品社製のエポキシ樹脂(SR−8EG)25.2gを添加して、室温下で攪拌しながら7日間反応させた。この反応により得られたアミン化合物の溶液に、LiCF3 SO3 を濃度が1.0mol/lになるように加え、均一に溶解するまで攪拌した。一方、三井化学社製のウレタン(AX−1043)をテトラグリムと1,3−ジオキソランとの質量比4:1の混合溶媒に溶解し、さらにLiCF3 SO3 を濃度が1.0mol/lになるように加えた溶液を調製した。上記アミン化合物を含む溶液とウレタンを含む溶液とを、アミンの活性水素とウレタンのイソシアネート基のモル比が1.1:1になるように混合し、その混合溶液に平均厚さが80μmのポリブチレンテレフタレート不織布を浸漬し、引き上げ後に2時間放置してポリブチレンテレフタレート不織布を支持体とするゲル電解質を作製した。以上の操作はすべて露点温度が−60℃以下のドライ雰囲気中で行った。
【0057】
次に、電解液としてテトラグリムと1,3−ジオキソランとの質量比4:1の混合溶媒にLiCF3 SO3 を濃度が1.0mol/lになるように加えた溶液を調製し、さらに実施例5の正極と負極を用いて電池を組み立てた。上記正極および負極の表面を電解液で湿らせ、さらに、それらの正極と負極とを上記ポリブチレンテレフタレート不織布を支持体とするゲル電解質を介して積層し、その積層体を実施例5と同様の包装体に入れ、電解液を注入した後、密閉して非水電解質二次電池を作製した。この実施例9の電池の正極には、実施例5の電池と同様に、実施例1のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを用いている。
【0058】
実施例10
電解液の溶媒として、テトラグリムと1,3−ジオキソランとエチレンカーボネートとの質量比75:20:5の混合溶媒を用いた以外は、実施例5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。この実施例10の電池の正極には、実施例5の電池と同様に、実施例1のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを用いている。
【0059】
実施例11
バインダーを5質量部にした以外は、実施例5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。この実施例11の電池の正極には、実施例5の電池と同様に、実施例1のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを用いている。
【0060】
実施例12
補助導電助剤としてのアセチレンブラックを添加しなかった以外は、実施例5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。この実施例12の電池の正極活物質は、実施例5の電池と同様に、実施例1のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを用いている。
【0061】
比較例5
比較例1のポリ硫化カーボン〔(CS1.50n 〕を正極に用い、バインダーを5質量部にした以外(補助導電助剤としてのアセチレンブラックは実施例5と同様に添加した)は、実施例5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
【0062】
比較例6
比較例1のポリ硫化カーボン〔(CS1.50n 〕を正極に用い、導電助剤としてのアセチレンブラックを5質量部にした以外は、実施例5と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
【0063】
上記のように、正極にいずれも実施例1のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを用いた実施例9〜12の電池と、正極に一般式(CS1.50n で表されるポリ硫化カーボンを用いた比較例5〜6の電池について、正極活物質のポリ硫化カーボン1g当たり60mAに相当する電流値で充放電を行い(定電流定電圧充電の制限電圧:2.8V;定電流放電の終止電圧:1.5V)、これを10サイクル繰り返し、サイクル初期の放電容量と10サイクル目の放電容量を測定した。その結果を正極活物質のポリ硫化カーボン1gあたりの放電容量として表2に示す。
【0064】
【表2】
Figure 0003871306
【0065】
表2に示す結果から明らかなように、実施例9〜12の電池は、電解液の組成を変化しても、正極内のバインダー量や導電助剤量を少なくしても、実施例5の電池と初期放電容量がほとんど変わらず、かつ10サイクル目の放電容量が高く、サイクル特性が優れていた。これに対して、一般式(CS1.50n で表されるポリ硫化カーボンを正極に用いた比較例5〜6の電池は、正極内のバインダー量や導電助剤量を少なくしたために、10サイクル目の放電容量が小さく、サイクル特性が大幅に低下し、また、比較例6の電池は初期放電容量も大幅に低下した。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、特に非水電解質電池の活物質材料として有用性の高いポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットを提供することができた。すなわち、本発明のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジット中のポリ硫化カーボンを活物質として用いることにより、高容量でかつ充放電サイクル特性が優れた非水電解質二次電池を提供することができる。

Claims (6)

  1. 炭素とイオウを主な構成元素とし、イオウの比率が75質量%以上でかつ炭素とイオウとの質量比率の合計が95質量%以上であるポリ硫化カーボンをカーボンと複合化したコンポジットであって、
    前記ポリ硫化カーボンは実質的にポリスルフィドセグメントを有さず、当該コンポジット中のイオウの比率が50質量%以上であることを特徴とするポリ硫化カーボンとカーボンのコンポジット。
  2. ポリ硫化カーボンが、一般式(CS (xは0.9〜2で、nは4以上の数である)で表されることを特徴とする請求項1記載のコンポジット。
  3. カーボンが、活性炭、黒鉛、アセチレンブラックおよびカーボン繊維よりなる群から選択される1種以上の炭素材料であることを特徴とする請求項1記載のコンポジット。
  4. 炭素とイオウを主な構成元素とし、かつ−S−(m≧3)で表されるポリスルフィドセグメントを有する有機イオウ化合物とカーボンとの混合物を180℃以上で加熱処理して、前記ポリスルフィドセグメントを構成するイオウの一部を除去して主としてジスルフィド結合に変化させることを特徴とする請求項1記載のポリ硫化カーボンとカーボンとのコンポジットの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のコンポジット用いた正極、負極、多孔質セパレータおよび非水電解質を有することを特徴とする非水電解質電池。
  6. 非水電解質の溶媒として、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、テトラグリムジメチルスルホキシドおよびスルホランよりなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を含むことを特徴とする請求項5記載の非水電解質電池。
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