JP3871200B2 - 磁気ディスク記憶装置 - Google Patents

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  • Control Of Linear Motors (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク記憶装置の制御技術、さらには、回転駆動される磁気記憶ディスク上の記憶トラックに対して情報のリード/ライトを行なう磁気ヘッドを移動させるボイスコイルモータの制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク記憶装置は、高速で回転駆動される磁気記憶ディスク上の記憶トラックに対して情報のリード/ライトを行なう磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを上記ディスク上にてシークおよびトラッキング移動させるボイスコイルモータと、上記磁気ヘッドのリード状態を監視しながら上記ボイスコイルモータの駆動電流を制御することにより上記磁気ヘッドの位置決めを行なうボイスコイルモータ駆動制御回路を有する。
【0003】
磁気ディスク記憶装置の情報記憶密度は年々高められているが、これに伴って磁気ヘッドの位置決め制御も非常に高精度が要求されるようになってきた。そこで、上記ボイスコイルモータの駆動電流を当該駆動電流の検出値に基づいてフィードバック制御することにより上記磁気ヘッドの位置決めを行なう方式が採用されている。そして、その磁気ヘッドを移動させるボイスコイルモータの駆動には、一般に、ボイスコイルモータの駆動電流量を連続的に変化させるリニア駆動方式が採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した技術には、次のような問題のあることが本発明者らによってあきらかとされた。
すなわち、磁気ディスク記憶装置では記憶の高密度化とともにアクセスの高速化も要求されている。高速アクセスを実現するためには磁気ヘッドを所定の記憶トラックまで移動させる時間いわゆるシーク時間を短縮させなければならないが、そのためにはボイスコイルモータの駆動電流を増大させる必要がある。しかし、ボイスコイルモータ駆動電流を増大させると、その駆動電流をリニアに制御するための電力損失が増大し、これに伴って発熱量が増大する。このシーク時の発熱は磁気ヘッドや磁気記憶ディスクの動作や特性等に悪影響を及ぼし、これにより、たとえばリード/ライトエラーが生じやすくなるなどの弊害が生じる。
【0005】
上記発熱を減少させるために、本発明者は、上記ボイスコイルモータ駆動電流をパルス幅変調制御(以下、PWM制御)することを検討した。すなわち、ボイスコイルモータ駆動電流の量を連続的に変化させるのではなく、その駆動電流の通電/非通電時間比(いわゆるデューティ)を変化させることによってボイスコイルモータの駆動制御を行なうパルス駆動方式を検討した。この場合、ボイスコイルモータ駆動電流の量を最大値付近に固定し、その通電/非通電時間比を変化させることによってボイスコイルモータの駆動制御を行なう。この駆動方式は一種のスイッチング制御であって、電力損失の低減には非常に有効であるとされている。
【0006】
しかし、パルス駆動方式は電力損失の低減による発熱量抑制には有効であるが、上述したリニア駆動方式に比べて制御精度、とくに磁気ヘッドの移動量が小さいトラッキング時での磁気ヘッド位置決め精度を十分に確保することが困難になる。
そこで、本発明者は、磁気ヘッドを高速でシーク移動させるために大きな駆動電流が必要なときにはPWM制御による駆動(パルス駆動モード)を行い、トラッキングのために小振幅だが高精度の駆動制御が必要なときにはリニア制御による駆動(リニア駆動モード)を行うことを検討した。この場合、パルス駆動とリニア駆動を別々の出力アンプで行わせようとすると、構成が大規模かつ複雑になってしまう。とくに、ボイスコイルモータと出力アンプ間の切り替えが非常に複雑かつ面倒になる。構成を複雑あるいは大規模にしないためには、パルス駆動とリニア駆動を共に同じ出力回路で行わせるのが合理的である。
【0007】
つまり、ボイスコイルモータに駆動電流を供給する出力アンプをパルス駆動時とリニア駆動時とで共用させる。このためには、その出力アンプの入力を制御量の大きさに応じてパルス駆動またはリニア駆動するように構成する。パルス駆動時には、PWM制御されたパルス信号を上記出力アンプに入力させる。この場合、そのパルス信号は、出力アンプをそのダイナミックレンジ一杯に動作させることができるように十分な振幅を持たせる。これにより、出力アンプは出力が飽和するフルレンジで動作しながら、ボイスコイルモータにパルス駆動電流を通電する。
【0008】
リニア駆動時には、制御量の変化に応じてレベルがリニアに変化する入力信号を上記出力アンプに入力させることにより、ボイスコイルモータをリニア駆動する。この場合、その入力信号は、出力アンプのダイナミックレンジ内に十分に収まる小振幅の信号であり、とくに、ヘッド位置を細かく精密制御するトラッキング時では、出力アンプはゼロレベル出力に近い状態でボイスコイルモータに駆動電流を通電する。
【0009】
上述のように、出力アンプはパルス駆動時とリニア駆動時とで共通化することができる。これにより、構成を複雑化および大規模化することなく、ボイスコイルモータをシーク時とトラッキング時とでそれぞれに適した方式(パルス/リニア)で駆動することが可能となる。
【0010】
しかしながら、上述したパルス/リニアのハイブリッド駆動方式では次のような問題を生じることが判明した。
すなわち、PWM駆動を効率良く行わせるためには、大振幅かつ高スルーレートで動作できる出力アンプが必要となる。パルス駆動方式では、駆動電流を高速でスイッチング制御することにより電力損失を低減させることができるが、スルーレートが低いと、スイッチング時の電力損失(スイッチングロス)が大きくなってパルス駆動方式の利点が薄れる。過剰な高スルーレートはEMIノイズを増加させる懸念があるが、パルス駆動方式の本来の利点を活かすためには、ある程度以上のスルーレートは必要である。
【0011】
ボイスコイルモータの駆動には、電流を押し出すソース出力と電流を引き込むシンク出力の両動作が可能なアンプを使用しなければならない。このような出力動作を行うアンプは、電流の押し出し量(ソースあるいはプッシュ電流)を制御する出力素子と電流の引き込み量(シンクあるいはプル電流)を制御する出力素子とを直列接続(縦積み)した、いわゆるプッシュプル方式の出力回路を使用する。プッシュプル方式の出力回路は、電源の正側と負側の間でプッシュ(ソース)駆動用の出力トランジスタとプル(シンク)駆動用の出力トランジスタを直列接続するとともに、その中間接続点(ノード)から出力を取り出す形となっている。
【0012】
上述したプッシュプル方式の出力アンプでは、プッシュ側トランジスタからプル側トランジスタに抜ける貫通電流が問題となる。この貫通電流が多くなると、出力に寄与しない無効な消費電力が増大する。また、貫通電流が流れすぎると、それによって出力トランジスタが破損することもある。このため、貫通電流はなるべく小さくすることが望ましい。B級動作の出力アンプでは、プッシュ側トランジスタとプル側トランジスタのいずれか一方が必ずオフ状態となるような動作条件を設定することにより、貫通電流を遮断するようにしている。
【0013】
しかし、良好なリニア特性を得るためには、ある程度の貫通電流を許容する必要がある。B級アンプでは出力ゼロ付近いわゆるゼロクロス付近にて、プッシュ側とプル側の両トランジスタの一方がオン状態からオフ状態、他方がオフ状態からオン状態にそれぞれ切り替わるときに、いわゆるスイッチングノイズが生じる。ボイスコイルモータをリニア駆動する場合、出力ゼロ付近で生じるスイッチングノイズは、その出力ゼロ付近で行われるトラッキング制御の精度と安定性を損なう。
【0014】
他方、ボイスコイルモータをパルス駆動する場合は、前述したように、高振幅高スルーレートの出力アンプが必要となる。ところが、高スルーレートのアンプは貫通電流が非常に流れやすく、とくに、フルレンジでスイッチング動作させられている出力アンプにおいて、プッシュ側とプル側の両トランジスタが非常に短時間でも同時オン状態になると、その同時オンの瞬間に非常に大きな貫通電流が流れて、最悪の場合、トランジスタや電源の破壊に至ることがある。そこまで行かなくても、EMIの原因となる大きな過渡ノイズが生じる。その貫通電流は、ボイスコイルモータをリニア駆動する場合でも、消費電力が増大させるという問題をもたらすので、過大になるのは避けた方がよい。
【0015】
上述のように、パルス駆動では、大振幅高スルーレートでボイスコイルモータを駆動することが望ましいが、スルーレートが高すぎるとEMIノイズが大きくなるという背反が生じる。一方、スルーレートが低いと、今度は、スイッチングロスによる消費電力増加という問題が生じる。また、パルス駆動の場合、制御信号の僅かなずれでも出力トランジスタに貫通電流が流れてしまうため、貫通電流による消費電力の増加にも留意しなければならない。
【0016】
そのほか、出力トランジスタには大きな電流が流されるため、内部素子に比べてサイズの大きな素子が使用される。また、出力トランジスタとして外付け素子が用いられることもある。このように出力トランジスタと内部素子とのサイズ比が大きいと、製造ばらつきによる素子の特性の差が大きくなる。特に、外付け素子を用いた場合には、外付け素子は製造プロセスが異なるためこれを駆動する内部素子の特性との差がさらに大きくなる。
【0017】
このため、リニア駆動の際に出力電流のリニア特性を良くするために上記アイドリング電流を流すようにした場合、素子の特性の差によってそのアイドリング電流のばらつきが大きくなってしまい、消費電力が予想以上に多くなって発熱が増えたり、消費電力は少なくないがスイッチングノイズが大きくなってしまったりなど、ボイスコイルモータを精密にリニア駆動する上で最適な動作が得られなくなるという問題が生じる。
【0018】
上述したように、磁気ディスク記憶装置において、磁気ヘッドをシークまたはトラッキング移動させるボイスコイルモータを、その駆動量の大きさに応じて、パルス駆動またはリニア駆動を切り替えて行うハイブリッド駆動方式は、消費電力や制御精度などの面で大きな利点が期待される一方、パルスとリニアの両駆動を共に同じ出力アンプを用いて行おうとすると、上述したように種々の背反する問題を生じることが判明した。
【0019】
本発明の目的は、磁気ヘッドをシークまたはトラッキング移動させるボイスコイルモータを、その駆動量の大きさに応じて、パルス駆動またはリニア駆動を切り替えて行わせることができるとともに、そのパルスとリニアの両駆動を共に同じ出力アンプにてそれぞれ最適に行わせることができる技術を提供することにある。
さらには、パルス駆動時には大振幅高スルーレートでボイスコイルモータを駆動することにより、シーク時間の短縮によるアクセスの高速化を可能にする一方、リニア駆動時には、EMIノイズの発生およびリード/ライトエラーを誘発するおそれがある発熱を共に最小限に抑えながら、トラッキング時における磁気ヘッド位置決め制御を高精度化することができる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、回転駆動される磁気記憶ディスク上の記憶トラックに対して情報のリードおよび/またはライトを行なう磁気ヘッドを、ボイスコイルモータで駆動する磁気ディスク記憶装置にあって、その磁気ヘッドのリード状態を監視しながらボイスコイルモータの駆動電流をフィードバック制御することにより磁気ヘッドの位置決め制御を行なう磁気ヘッド駆動制御手段に、ボイスコイルモータをリニア制御で駆動するリニア駆動モードと、ボイスコイルモータをパルス幅制御で駆動するパルス駆動モードとを備える。ボイスコイルモータの駆動電流が少ないときにはリニア駆動モードを実行させ、多いときにはパルス駆動モードを実行させる。リニア駆動モードとパルス駆動モードは共通の出力アンプを用いて行う。出力アンプは、プッシュ駆動用出力トランジスタとプル駆動用出力トランジスタによるプッシュプル方式の出力回路とし、リニア駆動モード時にはAB級動作が設定され、パルス駆動モード時にはB級動作が設定されるようにする。
【0021】
上記手段によれば、磁気ヘッドをシークまたはトラッキング移動させるボイスコイルモータを、その駆動量の大きさに応じて、パルス駆動またはリニア駆動を切り替えて行わせることができるとともに、そのパルスとリニアの両駆動を共に同じ出力アンプにてそれぞれ最適に行わせることができる。したがって、ボイスコイルモータをシーク時とトラッキング時とでそれぞれに適した方式(パルス/リニア)で駆動することができる。
【0022】
また、上記磁気ディスク記憶装置において、リニア駆動時に低スルーレートまたはパルス駆動時に高スルーレートで、ボイスコイルモータを駆動することによっても、磁気ヘッドをシークまたはトラッキング移動させるボイスコイルモータを、その駆動量の大きさに応じて、パルス駆動またはリニア駆動を切り替えて行わせることができるとともに、そのパルスとリニアの両駆動を共に同じ出力アンプにてそれぞれ良好に行わせることができる。
【0023】
したがって、構成を複雑化および大規模化することなく、シーク時間の短縮によるアクセスの高速化を可能にする一方、リニア駆動時には、EMIノイズの発生およびリード/ライトエラーを誘発するおそれがある発熱を共に最小限に抑えながら、トラッキング時における磁気ヘッド位置決め制御を高精度化することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施態様を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の技術が適用された磁気ディスク記憶装置の概要を示す。
同図に示す磁気ディスク記憶装置は、磁気記憶ディスク100、該磁気記憶ディスク100を回転駆動させるスピンドルモータ102、上記磁気記憶ディスク100上の記憶トラックに対して情報のリード/ライトを行なう磁気ヘッド106、この磁気ヘッド106を上記ディスク100上にて径方向へ移動させるボイスコイルモータ108、このボイスコイルモータ108を駆動するモータ駆動回路110、上記磁気ヘッド106の読出信号から位置情報を読み取る信号処理回路(信号処理IC)230、この信号処理回路230が読み出した位置情報に基づいて上記モータ駆動回路110に駆動電流指令値CRNTを送るコントローラ260などを有する。
【0025】
ここで、コントローラ260は、磁気ディスク記憶装置全体の動作を司るマイクロコンピュータ(CPU)261と、このマイクロコンピュータ261からの位置指令(目標トラック位置情報)と上記信号処理回路230からのヘッド位置情報とに基づいて駆動電流指令値を生成する補償回路262を有する。この補償回路262が生成する駆動電流指令値は、上述したように、上記モータ駆動回路110へ送られる。
【0026】
また、この実施例においては、リニア駆動とPWM駆動を切り替えるモード指令信号MODEと、PWM駆動におけるスルーレートを指示するスルーレート設定信号SRとがコントローラ260において生成されてモータ駆動回路110に供給されるように構成されている。
【0027】
モータ駆動回路110は、図2に示されているように、コントローラ260との間でシリアルにデータの送受信を行なうシリアルポート111と、コントローラ260からディジタルデータとして送られてくる駆動電流指令値CRNTをアナログ形式の駆動電流指令値に変換するD/A変換器112と、そのアナログ形式の駆動電流指令値に基づいてボイスコイルモータ108に駆動電流を通電するVCMドライバ114と、ボイスコイルモータ108のコイルに誘起される逆起電圧(逆起電力)を検出する逆起電圧検出回路115と、該逆起電圧検出回路115および上記VCMドライバ114が必要とする基準電圧Vrefを発生する基準電圧発生回路116と、上記逆起電圧検出回路115により検出された逆起電圧をAD変換するAD変換回路117とを内蔵する。
【0028】
コントローラ260で生成された上記駆動電流指令値CRNTはシリアルポート111を介してD/A変換器112に、またモード指令信号MODEとスルーレート設定信号SRはシリアルポート111を介してVCMドライバ114に供給される。一方、変換回路117でディジタルデータに変換された逆起電圧は、シリアルポート111を介してコントローラ260へ送られ、コントローラ260は受信した逆起電圧からヘッドの移動速度を認識する。
【0029】
コントローラ260は、移動速度に応じて動作モードを決定し、モード指令信号MODEをモータ駆動回路110に送って指令を与え、上記VCMドライバ114は、指定された動作モードに従ってボイスコイルモータ108の駆動する。具体的には、上記磁気ヘッド106の移動駆動量が小さいリード時またはライト時にはボイスコイルモータ108の駆動電流をリニア制御する「リニア駆動モード」が指定されてVCMドライバ114により実行される。また、上記磁気ヘッド106の移動駆動量が大きいシーク時には、ボイスコイルモータ108のコイルの駆動電流をPWM制御する「パルス駆動モード」が指定され、VCMドライバ114が指定されたモードに応じてモータの駆動電流を制御するように構成されている。上記各モードの内容については後に詳しく説明する。
【0030】
さらに、コントローラ260は、補償回路262が生成する駆動電流指令値が指示する駆動電流値の大きさを所定のしきい値でレベル弁別し、このレベル弁別の結果に基づいてモード指令信号MODEを生成し上記モータ駆動回路110へ送って動作モードを指定する。このモード指令信号MODEは、補償回路262が生成する駆動電流指令値が所定のしきい値未満の場合は「リニア駆動モード」を指示し、その駆動電流指令値がしきい値以上の場合は「パルス駆動モード」を指示する。上記VCMドライバ114は、上記モード指令信号MODEに応じて「リニア駆動モード」または「パルス駆動モード」のいずれかに切り替えて実行するように構成されている。
【0031】
上述のような磁気ヘッド駆動システムを備えたことにより、磁気ヘッド106の移動駆動量が小さいトラッキング時には、ボイスコイルモータ駆動電流がリニア制御されることにより高い位置決め精度を得ることができる。一方、磁気ヘッド106の移動駆動量が大きいシーク時には、「パルス駆動モード」が選択されてボイスコイルモータのパルス駆動されることにより、電力損失を抑えつつ高速で磁気ヘッド106を移動させることができる。これにより、リード/ライトエラーを誘発する発熱やEMIを効果的に低減させながら、トラッキング時における磁気ヘッド位置決め制御の高精度化とシーク時間の短縮によるアクセスの高速化を共に達成することが可能となる。
【0032】
図3は、図2に示したモータ駆動回路110のシーク時の電流指令値とトラッキング時の電流指令値の関係をタイミングチャートで示す。
図3に示されているように、シーク時(図3のT1の期間)には磁気ヘッド106の必要移動量が大きいため、これに応じて、コントローラ260からはフルレンジすなわち最大スケール(Vmax+/Vmax−)の駆動電流指令値CRNTが発せられる。この指令値はD/A変換器112でアナログ指令値(Vmax+/Vmax−)に変換されてVCMドライバ114に与えられる。そして、VCMドライバ114は、ボイスコイルモータ108の平均駆動電流がその指令値と一致するように、ボイスコイルモータ108への駆動電流をPWM制御するパルス駆動モードを実行する。駆動電流指令値がVmax+とされることにより磁気ヘッド106が高速でシーク駆動され、その後駆動電流指令値がVmax-とされることによりヘッドの移動にブレーキがかけられる。
【0033】
そして、磁気ヘッド106がシーク駆動されて目標の記憶トラックに近づくと、磁気ヘッド106の必要移動量が小さくなるため、これに応じて、コントローラ260から発せられる駆動電流指令値CRNTが小さくされ、DA変換器112から出力されるアナログ駆動電流指令値もVmax+より小さくされる。この駆動電流指令値の大きさ(絶対値)が所定のしきい値(Vth)未満になると、駆動モードがパルス駆動モードからリニア駆動モードに変化される。これにより、VCMドライバ114は、ボイスコイルモータ108の駆動電流がリニア制御によって上記指令値となるようなリニア駆動モードを実行して、磁気ヘッド106を高精度に位置決め制御するいわゆるトラッキング動作を行なう(図3のT2の期間)。
【0034】
図4は、上記VCMドライバ114の実施例を示す。また、図5は、図4のVCMドライバにおける要部の動作タイミングチャートを示す。
図4に示されているように、VCMドライバ114は、制御アンプ1、PWMコンパレータ2、出力アンプ3,4、電流センスアンプ5、サンプル・ホールド回路6、タイミング制御回路7、ラッチ回路8、振幅制御回路9、三角波発生回路10などによって構成される。各アンプ1,3〜5はそれぞれ差動入力を有する演算増幅回路によって構成され、アンプ内の抵抗R1〜R14やトランジスタなどの素子の定数を最適に決定することによって、利得などの回路動作特性がそれぞれ所望の特性となるように設定されている。
【0035】
また、図4において、DAoutはコントローラ260から与えられD/A変換器112においてアナログ値に変換された駆動電流指令値であり、Vpsは電源電圧、VrefおよびVcmrefはそれぞれ回路の動作基準電圧である。制御アンプ1に接続されている抵抗Rxと容量Cxは位相補償用の素子、Rsはコイルに流れる電流を電圧Vsに変換する電流検出用の抵抗である。ボイスコイルモータ108は、コイルのインダクタンスLmと、内部抵抗Rmと、逆起電圧源Vbfとにより等価回路として表わされている。
【0036】
制御アンプ1は、D/A変換器112にてアナログ信号に変換されて抵抗R1を介して入力される駆動電流指令値DAoutとサンプル・ホールド回路6でサンプリングされて抵抗R2を介して入力される出力電流Soutとの差分を増幅して、制御電圧(制御目標電圧)Vctlとして出力する。
【0037】
PWMコンパレータ2は、三角波発生回路10から出力される三角波信号Voscと上記制御電圧Vctlとをレベル比較することにより、その制御電圧Vctlに応じて幅が変化するパルス電流Ipwm+,Ipwm-を生成する。つまり、制御電圧VctlによってPWM変調されたパルス電流Ipwm+,Ipwm-を生成する。
【0038】
出力アンプ3,4は抵抗R7〜R14によって所定の電圧利得が設定された電流ドライバであり、制御電圧Vctlまたはパルス電流Ipwm+,Ipwm-によってそれぞれ駆動される。そして、出力アンプ3,4の出力端子間にボイスコイルモータ108のコイルLmとセンス用の抵抗Rsとが直列に接続されており、出力アンプ3,4によりモータのコイルに駆動電流Ivcmを流す。このようにモータコイルの駆動は一対の出力アンプ3,4により双方向から行われるようになっている。図5において、Vcmpは一方の出力アンプ3の出力電圧、Vcmnは他方の出力アンプ4の出力電圧をそれぞれ示す。
【0039】
また、この実施例では、上記ボイスコイルモータ駆動電流Ivcmは電流検出用抵抗Rsにより電圧に変換されてセンスアンプ5により検出される。この変換電圧Vs(=Rs×Ivcm)は、電流センスアンプ5にて抵抗R3〜R6で設定される電圧利得で増幅されて、サンプル・ホールド回路6に入力される。サンプル・ホールド回路6は、タイミング制御回路7が生成するサンンプリングパルスPsに同期して上記電流検出電圧Vsをサンプリングする。タイミング制御回路7は、上記三角波信号Voscのピーク(上側ピークと下側ピーク)を検出し、このピーク検出点ごとに上記サンプリングパルス信号Psを生成する。
【0040】
ラッチ回路8は、モード指令信号MODEを上記サンプリングパルスPsに同期してラッチし、モード切替え制御信号PWM/LINを出力する。図4のモータ駆動回路は、モード指令信号MODEにより動作モードとして「リニア駆動モード」が指定されている状態になると、その後の最初のサンプリングパルスPsに同期してタイミング制御回路7の出力がハイレベルに固定される。これにより、上記サンプル・ホールド回路6は入力信号(電流検出電圧Vs)をそのまま通過させる常時サンプリング状態に設定され、サンプリングされた出力電流値が制御アンプ1に供給される。
【0041】
一方、モード指令信号MODEにより動作モードとして「PWM駆動モード」が指定されている状態になると、電流センスアンプ5により増幅されたコイルに流れる駆動電流の検出電圧Vsは、サンプリングパルスPsにより、ボイスコイルモータ駆動電流Ivcmのオンとオフの中間タイミングでサンプリングされる。この中間タイミングではボイスコイルモータ駆動電流Ivcmの瞬時値が平均値となるので、この平均出力電流値がサンプリングされて制御アンプ1に供給される。
【0042】
また、モード指令信号MODEにより「パルス駆動モード」が指定されている場合、出力アンプ3と4はコンパレータ2から出力されるパルス電流Ipwm+,Ipwm-に基づいて動作し、モータコイルのPWMパルス駆動が行なわれる。
【0043】
なお、振幅制御回路9は、上記三角波信号Voscの振幅Aoscが電源電圧Vpsに比例するように振幅制御を行なう。出力アンプ3,4からボイスコイルモータ108に供給される駆動電流Ivcmは電源電圧Vpsによって変化する。このため、出力ンプ3,4をパルスで駆動する場合、電源電圧Vps変化すると、そのパルス幅に対する電流駆動利得が変化する。この変化を補償するために、振幅制御回路9は三角波信号Voscの振幅Aoscを次式のように制御する。
【0044】
Vps/Aosc=R8/R7=R11/R12=一定
前述したように、コイルをPWM制御する場合、電流センスアンプ5により増幅されたコイル電流検出電圧Vsは、上記三角波信号Voscのピークで生成されるサンプリングパルスPsにより、ボイスコイルモータ駆動電流Ivcmのオンとオフの中間タイミングでサンプリングされる。この中間タイミングではボイスコイルモータ駆動電流Ivcmの瞬時値が平均値となる。また、その中間タイミングでは、駆動電流Ivcmのオン/オフによるキックバックノイズの発生もない。これにより、PWM制御を上記ボイスコイルモータ駆動電流Ivcmの平均値に基づいて正確かつ安定に行なうことができる。
【0045】
コイルをリニア駆動する場合、サンプル・ホールド回路6を介してボイスコイルモータ駆動電流Ivcmが制御アンプ1の入力側に連続的にフィードバックされることにより制御が実行される。また、「パルス駆動モード」から「リニア駆動モード」への切替えは、上記サンプリングパルスPsに同期して行われる。これにより、その切替えは、ボイスコイルモータ駆動電流Ivcmの瞬時値がPWM1周期の平均値となるタイミングで円滑に行われる。図5は「パルス駆動モード」によるシーク動作から「リニア駆動モード」によるトラッキング動作に切り替えられた場合のタイミングを示す。
【0046】
パルス駆動モードは、駆動電流の平均値サンプリングパルスPsから次の平均値サンプリングパルスPsまでを1周期としてPWM駆動されるサンプリングシステムであるので、制御アンプ1の出力からボイスコイルモータの駆動端までの電圧利得が、両駆動モード間で一致するように設計されている場合、即ち系のループ利得が一致する場合、サンプリングパルス発生点において、制御アンプ1の出力電圧及び駆動電流Ivcmは両駆動モード間で完全に一致する。従って、電流サンプリングパルスPsに同期して駆動モードの切り替えを行なうことによってモード切替え時の出力変動を原理的にはゼロにできる。
【0047】
ところで、磁気ディスク記憶装置ではシークエラーにより磁気ヘッドが暴走状態になることがある。この暴走状態は、ボイスコイルモータ108の駆動端子に現れる逆起電圧Vbfを監視することによって検出することができる。通常のリニア駆動では、ボイスコイルモータ108の駆動電圧とボイスコイルモータ108に流れる駆動電流から上記逆起電圧Vbfを監視することが可能であるが、PWM駆動の場合は、ボイスコイルモータの駆動端子に、そのボイスコイルモータ108のコイルインダクタンスLmによるキックバックノイズ(Ldi/dtによるEMIノイズ)が出るため、そのボイスコイルモータ108の駆動端子から上記逆起電圧Vbfだけを直接検出することができない。
【0048】
かかる問題については、前述したように、そのキックバックノイズが生じない中間タイミングにてサンプリングパルスPsを生成し、このサンプリングパルスPsに同期して、平均駆動電流を検出すること、およびボイスコイルモータの駆動電圧のPWM1周期における平均値出力の指示値である制御アンプ1の出力電圧Vctlでモータの駆動電流を代表させることにより解決することができる。図4に示されている実施例の回路の場合、上記逆起電圧Vbfが反映される電圧(Vsout)がサンプル・ホールド回路6の出力Soutから、またモータの駆動電圧に相当する電圧が制御アンプ1の出力Vctlから取り出され、逆起電圧検出回路115に供給されて監視が行なわれる。
【0049】
図6は、図4に示されている回路のうち出力アンプ3と4の具体的な回路構成例を示す。
図6において、2は前記制御アンプ2から出力される制御電圧Vctlと三角波発生回路10から出力される三角波信号Voscとを比較するPWMコンパレータで、このコンパレータ2はスルーレート制御信号SRによって出力電流IPWMが段階的に変化可能に構成されている。この出力電流IPWMが段階的に変化されることにより、PWM駆動の際に出力電圧波形の傾きが変化され、スルーレートをEMIノイズを低減させられるところまで下げることができる。したがって、EMIノイズの低減に有効であるとともに、スイッチングロスによる電力損失の増大を回避できるように最適化されたスルーレートを設定することができる。
【0050】
また、M1,M2はボイスコイルモータのコイルの端子をそれぞれ駆動する出力トランジスタで、それぞれNチャネル型MOSFETにより構成されている。この2つの出力トランジスタM1,M2は電源の正側と負側の間で直列接続されて、その中間接続点(ノード)から出力(OUT)を取り出すプッシュプル方式の出力回路(最終段)を構成する。この場合、一方の出力トランジスタM1はプッシュ(ソース)駆動用、他方の出力トランジスタM2はプル駆動用としてそれぞれ動作させられる。
【0051】
31は出力アンプ3(4)の初段アンプで、この初段アンプ31の入力端子Vin(+),Vin(-)に、図4の抵抗R7とR8との接続ノードn1の電位および抵抗R9とR10との接続ノードn2の電位が入力され、それらの電位差に応じた電流ILINを出力する。そして、この初段アンプ31の出力側と上記PWMコンパレータ2の出力側に、モード切替え信号PWM/LINによってオン、オフ制御されるスイッチSW1,SW2がそれぞれ設けられている。
【0052】
このスイッチSW1,SW2は、互いに相補的にオン、オフ制御され、初段アンプ31の出力またはPWMコンパレータ2の出力のいずれか一方が、出力アンプ3(4)の実質的な入力信号としてノードn0に供給される。ここで、SW1がオン設定(SW2はオフ設定)されて初段アンプ31の出力が入力されるようになると、出力アンプ3(4)はリニア制御される。また、SW2がオン設定(SW1はオフ設定)されてPWMコンパレータ2の出力が入力されると、出力アンプ3(4)はPWM制御されることとなる。
【0053】
上記ノードn0には、エミッタ接地型増幅回路を形成するバイポーラトランジスタQ1のベースが接続されている。このバイポーラトランジスタQ1は、エミッタが抵抗R3を介して接地されるとともに、コレクタが定電流源I1に接続されて、いわゆるエミッタ接地型増幅回路を形成する。また、ベース・コレクタ間には容量C1が接続されている。この容量C1は位相補償を行う積分容量として作用する。
【0054】
スイッチSW1がオン(SW2はオフ)されると、初段アンプ31の比較的小さな出力電流ILINがノードn0に導入されて、トランジスタQ1のベースに入力される。このベース入力電流ILINはトランジスタQ1のコレクタ電流を制御する。Q1のコレクタは定電流源I1に接続されているので、そのコレクタ電圧V1は、図7に示すように、入力電流ILINの変化に応じてリニアに変化する。つまり、トランジスタQ1は、初段アンプ31の比較的小信号の出力電流ILINをリニア増幅して電圧信号で出力する。図7において、(A)は前記制御アンプ2から出力される制御電圧Vctl、(B)は上記初段アンプ31の出力電流(シンク電流)ILINすなわちトランジスタQ1のベース入力電流ILIN、(C)はそのトランジスタQ1のコレクタ出力電圧V1をそれぞれ示す。
【0055】
一方、スイッチSW2がオン(SW1はオフ)されると、ノードn0にはPWMコンパレータ2から比較的大きな電流IPWMが入力される。この電流IPWMは、上記初段アンプ31の出力電流ILINに比べると過渡変化が格段に大きいので、トランジスタQ1のコレクタ・ベース間の容量C1によってその過渡変化が制御される。つまり、その電流ILINの大部分は容量C1を充電するのに費やされるようになり、トランジスタQ1のベース電圧は容量C1の充電に伴って徐々に上昇されるようになる。このため、トランジスタQ1のコレクタに現れる電圧V1は、図8に示すように、電源電圧Vccに達するまでほぼ一定の傾きで上昇する。そして、このQ1のコレクタ電圧V1は、差動アンプ32の非反転入力端子(+)に入力される。
【0056】
差動アンプ32は差動電圧入力端子(非反転と反転)と2相電流出力端子(正相と負相)を有するアンプである。この差動アンプ32は、Q1のコレクタ電圧V1の変化に応じてほぼ直線的に出力が変化するように特性が設定されている。つまり、リニア動作するように構成されている。この差動アンプ32の反転入力端子(−)には、回路の出力端子の電圧Voutすなわちコイルの駆動電圧Vcmp(またはVcmn)が抵抗R5を介してフィードバックされている。この差動アンプ32とその後段に接続されたアンプ33,34および出力トランジスタM1,M2を含めた回路全体は、入力電圧であるコレクタ電圧V1を高利得で増幅し、V1の変化に応じて変化する駆動電圧Vcmpを出力するように、回路を構成する素子の定数が設定されている。
【0057】
これにより、スイッチSW2がオンされてノードn0にコンパレータ2からの電流Ipwmが入力されるパルス駆動モードにおいて、コンパレータ2の出力電流Ipwmがスルーレート制御信号SRによってその電流値がある値に設定されていると、出力電圧Voutもそのスルーレートに応じた傾きで変化されるようになる。
【0058】
次に、図6において上記差動アンプ32と出力トランジスタM1,M2との間に設けられているバッファ・アンプ33,34を含む回路部分について説明する。
図6に示されているように、差動アンプ32の正相出力(+)はバッファ・アンプ33の非反転入力端子に入力される。このバッファ・アンプ33の出力電圧は出力トランジスタM1のゲートに印加される。バッファ・アンプ33はその出力電圧が自分の反転入力端子にフィードバックされることにより、ボルテージフォロワとして動作する。このようなバッファ・アンプを設けているのは、出力トランジスタM1はそのサイズが大きいのでゲート容量も大きく、所望の特性を保持したまま差動アンプ32の出力で直接駆動するには駆動力が足りなくなるためである。
【0059】
また、この実施例においては、差動アンプ32の正相側出力端子とボイスコイルモータのコイルが接続される出力端子OUTとの間、つまりバッファ・アンプ33の入力と出力端子OUTとの間に、抵抗R1とMOSトランジスタM5が直列に接続されている。この場合、MOSトランジスタM5のソース側が出力端子OUTに接続され、ドレイン側は抵抗R1を直列に介してバッファ・アンプ33の入力に接続され、ゲートはバッファ・アンプ33の入力に接続されている。
【0060】
バッファ・アンプ33はボルテージフォロワとして動作するので、MOSトランジスタM5のゲートと出力トランジスタM1のゲートに印加される電圧は同一となる。これにより、M1とM5はカレントミラー回路を構成する。従って、MOSトランジスタM1とM5のサイズ比をNとすると、出力トランジスタM1はM5のドレイン電流のN倍の電流を流すように駆動される。
【0061】
同様にして、差動アンプ32の負相出力(−)がバッファ・アンプ34の非反転入力端子に入力され、このアンプ34の出力電圧が出力トランジスタM2のゲートに印加されるようになっている。バッファ・アンプ34はその出力電圧が自分の反転入力端子にフィードバックされることにより、ボルテージフォロワとして動作する。このバッファ・アンプ34の入力と出力端子OUTとの間にも、抵抗R2とMOSトランジスタM6が直列に接続されている。この場合も、MOSトランジスタM6のソース側は出力端子OUTに接続され、ドレイン側は抵抗R2を直列に介してバッファ・アンプ34の入力に接続され、ゲートはバッファ・アンプ34の入力に接続されている。
【0062】
ここで、MOSトランジスタM6のゲートと出力トランジスタM2のゲートに印加される電圧は同一であり、上記の場合と同様、M2とM6はカレントミラー回路を構成している。従って、出力トランジスタM2は、M6のドレイン電流のMOSトランジスタM2とM6のサイズ比をNとすると、N倍の電流を流すように駆動される。
【0063】
トランジスタM5,M6と直列に設けられている抵抗R1とR2は、アンプ31からの比較的小さな電流ILINが入力されるリニア駆動モードではあまり意味を持たない素子である。パルス駆動モードでコンパレータ2から大きな電流Ipwmが入力されてトランジスタM5,M6に大きな電流が流されるようになると、入力電流がある値を超えたあたりからトランジスタM5,M6のゲート・ソース間電圧が急に増大されるようになる。
【0064】
これにより、図8の(C),(D)に示すように、出力トランジスタM1,M2のゲート・ソース間電圧Vgs1,Vgs2が、アンプ32の入力電圧V1(図8(B)参照)の変化よりも急峻に変化するように制御される。
【0065】
また、図6の回路においては、例えばアンプ32の正相側出力の振幅レベルと負相側出力の振幅レベルを適当に設定するなどの方法により、図8(C),(D)に示すように、出力トランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2の立下がりの方が、出力トランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgs1の立上がりよりも早く開始するように設計されている。
【0066】
これによって、出力トランジスタM1,M2が同時にオンされて貫通電流が流れないようにされ、消費電力の増加が抑制される。同様に、出力トランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgs2の立上がりに関しても、出力トランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgs1の立下がりより早くVgs2の立上がりが開始するように設計してもよい。
上記により、出力アンプ3(4)は、大振幅動作するパルス駆動モード時には比較的高スルーレートで動作する一方、小振幅動作する出力リニア駆動モード時は比較的低スルーレートで動作する。
【0067】
さらに、図6の実施例の回路においては、上記抵抗R1およびトランジスタM5と直列にスイッチSW3と定電流源I2が、また抵抗R2およびトランジスタM6と直列にスイッチSW4と定電流源I3が設けられている。そして、上記スイッチSW3,SW4は、例えばモード切替え信号PWM/LINによってオン、オフされ、リニア駆動モードでヘッドを停止状態に保持するアイドリングの時に電流源I2,I3の電流を抵抗R3,R4へ向かって流すように制御される。この電流源I2,I3の電流値は比較的小さな値で良い。
【0068】
アンプ3(4)の入力電圧V1に対する出力電流Ioutの特性は完全にはリニアでなく、「0」の近傍において変化が小さい。図9に、アイドリング電流を流さないときのアンプ3(4)の入力電圧−出力電流特性Aと、アイドリング電流を流したときの入力電圧−出力電流特性Bを示す。図9において、アイドリング電流を流さないときの特性Aが設定されると、アンプ3(4)はB級で動作する。また、アイドリング電流を流したときの特性Bが設定されると、アンプ3(4)はAB級で動作する。
【0069】
この実施例では、「0」の近傍におけるアンプ3(4)のリニア特性を良くするため、アイドリング時に電流源I2,I3の電流を抵抗R3,R4へ流しておくことにより、ヘッドを移動させたくなったときにボイスコイルモータがすばやく反応できるようにしている。つまり、リニア駆動モード時のアンプ3(4)は、上記特性BによるAB級で動作させられる。これにより、出力回路のスイッチングノイズを回避して、ボイスコイルモータの駆動電流を高精度かつ高安定に制御することができる。したがって、ヘッド位置を細かく精密制御するトラッキング移動も高精度かつ高安定に行わせることができる。
【0070】
パルス駆動モードでは、入力電圧V1はリニア駆動モードのときよりもずっと大きく、「0」の近傍で動作されることがないので、スイッチSW3,SW4をオフして、電流源I2,I3の電流が抵抗R3,R4へ向かって流されないように制御される。つまり、パルス駆動モード時のアンプ3(4)は、上記特性AによるB級で動作させられる。これにより、大振幅高スルーレートでの貫通電流を回避することができる。
【0071】
さらに、図6の実施例の回路においては、上記電流源I2,I3の電流値が調整可能にされている。これとともに、出力電圧Voutのレベルを検出するコンパレータ35と、このコンパレータ35の判定結果を保持するレジスタ36が設けられている。上記電流源I2,I3の電流値はレジスタ36によって可変設定(プログラム)される。そのレジスタ36の内容はコンパレータ35の判定結果に基づいて可変設定されるようになっている。これにより、コンパレータ35の出力に基づいて上記電流源I2,I3の電流値が調整されるように構成されている。コンパレータ35はシステムの電源投入時等にのみ動作され、ヘッドがシーク動作やトラッキング動作をする通常動作時にはコンパレータ35は動作しないか、あるいは出力が無効にされる。
【0072】
ここで、上記コンパレータ35を設けている理由およびコンパレータ35の動作について説明する。ボイスコイルモータのコイルを駆動する出力トランジスタM1,M2には比較的大きな電流が流されるため、M1,M2にはM5やM6に比べてサイズの大きな素子が用いられる。そのため、M1,M2とM5,M6の素子サイズの比には、製造ばらつきが大きい。また、出力トランジスタM1,M2には外付け素子が使用されることがあるが、外付け素子を用いた場合にはその外付け素子とこれを駆動する内部素子(M5,M6等)の特性の差がさらに大きくなる。
【0073】
このため、リニア駆動の際に出力電流のリニア特性を良くすべくコイルにアイドリング電流を流すようにした場合、素子の特性の差によってそのアイドリング電流のばらつきが大きくなってしまい、消費電力が予想以上に多くなることがある。あるいはその逆にアイドリング電流が過少になってB級動作となり、出力「0」の近傍すなわち出力電流Ioutの極性(ソースとシンク)が切り替わるゼロクロス付近にて、いわゆるスイッチングノイズが生じるようになってしまう。そこで、この実施例においては、次のようにして上記アイドリング電流の最適化設定を行うように構成してある。
【0074】
すなわち、アイドリング電流の最適化設定は、出力トランジスタM1,M2のオン抵抗を予め検出し、M1,M2のオン抵抗に応じてアイドリング電流を調整することにより行うことができる。つまり、アイドリング電流は回路パラメータの可変設定によって行うことができる。具体的には、電源投入時あるいはシステムの製造工程の最終段階で、アンプ3の出力トランジスタM1,M2およびアンプ4の出力トランジスタM1',M2'のいずれか一つをオン状態、残りをオフ状態にする。この状態にて、前記アイドリング電流用の定電流源I2,I3の電流を流してオンしている出力トランジスタの抵抗を、コンパレータ35または35'で検出する(図10)。 たとえば、M1をオンさせ、M2,M1',M2'をオフさせてM1のオン抵抗を検出する場合を考えると、定電流源I2からのアイドリング電流IIDLEおよび出力トランジスタM1のドレイン電流Idは、抵抗R5,R4を通して基準電源Vr4に流れる。これにより、IIDLE+Idおよび抵抗R4,R5の比に応じた電圧がコンパレータ35の非反転入力端子に入力される。また、定電流源I2から流れるアイドリング電流は予め分かっているので、抵抗R4,R5の比およびコンパレータ35の反転入力端子に印加する電圧Vr3を適当な値に設定しておけば、出力トランジスタM1のドレイン電流Idが所望の値よりも大きいか小さいかを知ることができる。
【0075】
従って、このときのコンパレータ35の出力をレジスタ36に保持しておいて、通常動作時にはレジスタ36の値に応じて定電流源I2からのアイドリング電流を調整することにより、アイドリング時における出力トランジスタM1に流れる電流を所望の値にさせることができる。なお、比較電圧(Vr3)の異なるコンパレータを複数個設けるかあるいはコンパレータ35の代わりにAD変換回路を用いて、出力トランジスタM1のドレイン電流Idを何段階かのレベルで判定することにより、定電流源I2から流れるアイドリング電流の大きさも複数段階で調整できるようにすることができる。
【0076】
出力トランジスタM1の電流の調整が終了したならば、次は出力トランジスタM2をオン、M1,M1',M2'をオフさせた状態で定電流源I3からのアイドリング電流をM6に流してオンしている出力トランジスタの抵抗をコンパレータ35で検出する。このとき、M2のドレイン電流は基準電源Vr4から与えられ、M2のドレイン電流Idと抵抗R4,R5の比に応じた電圧がコンパレータ35の非反転入力端子に入力される。また、定電流源I3から流れるアイドリング電流は予め分かっているので、抵抗R4,R5の比およびコンパレータ35の反転入力端子に印加する電圧Vr3を適当な値に設定しておくことにより、出力トランジスタM2のドレイン電流Idが所望の値よりも大きいか小さいかを知ることができる。そして、この検出結果に基づいて定電流源I3の電流値を調整する。
【0077】
さらに、出力トランジスタM1,M2に流れるアイドリング電流の調整が終了したら、M1,M2をオフさせた状態で出力アンプ4側の出力トランジスタM1'またはM2'をオンさせて、アイドリング用の定電流源源(I2,I3に相当)から電流を流してM1'またはM2'のオン抵抗をコンパレータ35'で検出し、アイドリング用定電流源の電流値の調整を行なうようにすればよい。
【0078】
なお、実施例では、アイドリング電流調整用のレジスタ36を設け、電源投入時に、出力トランジスタのオン抵抗の検出を行なってコンパレータ35の判定結果を直接レジスタ36に保持するようにしているが、コンパレータ35の判定結果をコントローラ260へ送って、このコントローラ260がアイドリング電流調整情報を生成してレジスタ36に設定するように構成することも可能である。
【0079】
上述したように、本発明に係る磁気ディスク記憶装置では、磁気ヘッドをシークまたはトラッキング移動させるボイスコイルモータを、その駆動量の大きさに応じて、パルス駆動またはリニア駆動を切り替えて行わせることができるとともに、そのパルスとリニアの両駆動を共に同じ出力アンプにて行わせるものであるが、パルス駆動時には大振幅高スルーレートでボイスコイルモータを駆動することにより、シーク時間の短縮によるアクセスの高速化が可能になっている。また、リニア駆動時には、EMIノイズの発生およびリード/ライトエラーを誘発するおそれがある発熱を共に最小限に抑えながら、トラッキング時における磁気ヘッド位置決め制御を高精度化することができる。このようにして、本発明では、パルス駆動とリニア駆動を同じ出力アンプを共用しながら、両方式の駆動をそれぞれに最適な条件で行わせることを可能にしている。
【0080】
以上、本発明者によってなされた発明を実施態様にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記実施例においては、出力トランジスタのオン抵抗の検出を行なうコンパレータ35とその判定結果を保持するレジスタ36を設けているが、コンパレータ35とレジスタ36の代わりにヒューズ素子のようなプログラム可能な素子を設けて、定電流源I2,I3の電流値の調整を行なうようにすることも可能である。この場合、出力トランジスタのオン抵抗の検出および電流調整は、電源投入時でなく製造工程の最終段階で行なうようにすることができる。
【0081】
また、コンパレータ35もしくはAD変換回路を設けないで、予め出力トランジスタのオン抵抗を検出して電流調整量を決定しておいて、電源投入時等にアイドリング電流の大きさを指示するアイドリング設定情報をコントローラ260からモータ駆動回路110へ送って上記レジスタ36に設定するようにしても良い。さらに、このように設定値をコントローラ260から送るような構成においては、アイドリング電流調整情報を設定するレジスタをシリアルポート111内に設けておくようにすることも可能である。そして、このレジスタには、アイドリング電流の調整情報の他に、モードを指定する情報や出力波形のスルーレートを指示するスルーレート指定情報を設定するようにしても良い。
【0082】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるハードディスクを記憶媒体とする磁気ディスク記憶装置に適用した場合について説明したが、本発明にそれに限定されるものでなく、フレキシブルディスクを記憶媒体とする磁気ディスク記憶装置にも利用することができる。
【0083】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
すなわち、磁気ディスク記憶装置において、磁気ヘッドをシークまたはトラッキング移動させるボイスコイルモータを、その駆動量の大きさに応じて、パルス駆動またはリニア駆動を切り替えて行わせるのに際し、上記ボイスコイルモータを、その駆動量の大きさに応じて、パルス駆動またはリニア駆動を切り替えて行わせることができるとともに、そのパルスとリニアの両駆動を共に同じ出力アンプにてそれぞれ最適に行わせることができる。
【0084】
また、構成を複雑化および大規模化することなく、シーク時間の短縮によるアクセスの高速化を可能にする一方、リニア駆動時には、EMIノイズの発生およびリード/ライトエラーを誘発するおそれがある発熱を共に最小限に抑えながら、トラッキング時における磁気ヘッド位置決め制御を高精度化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される磁気ディスク記憶装置の概要を示すブロック図である。
【図2】本発明が適用される磁気ディスク記憶装置を構成するボイスモータ駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2に示したボイスモータ駆動回路のシーク時の電流指令値とトラッキング時の電流指令値の関係を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明で使用するVCMドライバの一実施例を示す回路構成図である。
【図5】図4に示したVCMドライバの「パルス駆動モード」から「リニア駆動モード」に切り替わる際の要部における動作例を示すタイミングチャートである。
【図6】図4に示したVCMドライバを構成する出力アンプの具体的な回路例を示す回路図である。
【図7】図4に示した出力アンプのリニア駆動モードにおける各信号の変化を示すタイミングチャートである。
【図8】図4に示した出力アンプのパルス駆動モードにおける各信号の変化を示すタイミングチャートである。
【図9】出力トランジスタにアイドリング電流を流さないときのアンプ32の入力電圧−出力電流特性Aと、アイドリング電流を流したときの入力電圧−出力電流特性Bを示すアンプ入出力特性である。
【図10】実施例のボイスコイルモータ駆動回路における出力トランジスタのオン抵抗を検出するコンパレータの動作を説明する回路図である。
【符号の説明】
1 制御アンプ
2 PWMコンパレータ
3,4 プッシュプル方式の出力アンプ
5 電流センスアンプ
6 サンプル・ホールド(サンプル・ホールド)回路
7 タイミング制御回路
8 ラッチ回路
9 振幅制御回路
10 三角波発生回路
11 ボイスコイルモータ
31 出力アンプの初段アンプ
32 差動アンプ(差動入力2相出力)
33,34 差動アンプ(ボルテージフォロワ)
35 コンパレータ(A/D変換器)
36 アイドリング電流調整用レジスタ
M1 プッシュ駆動側出力トランジスタ
M2 プル駆動側出力トランジスタ
M5 M1とカレントミラーをなすMOSトランジスタ
M6 M2とカレントミラーをなすMOSトランジスタ
I2,I3 アイドリング電流用定電流源
R4,R5 アイドリング電流調整用の抵抗
C1 容量(位相補償)
Rs 出力電流検出用抵抗
PWM/LIN 駆動モード切替え信号
SW1〜SW4 スイッチ

Claims (11)

  1. 回転駆動される磁気記憶ディスク上の記憶トラックに対して情報のリードを行なう磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを前記ディスク上にて移動させるボイスコイルモータと、前記磁気ヘッドのリード状態を監視しながら前記ボイスコイルモータの駆動電流をフィードバック制御することにより前記磁気ヘッドの位置決め制御を行なう磁気ヘッド駆動制御手段とを有する磁気ディスク記憶装置であって、
    前記磁気ヘッド駆動制御手段は、
    前記ボイスコイルモータをリニア制御で駆動するリニア駆動モードと、前記ボイスコイルモータをパルス幅制御で駆動するパルス駆動モードとを有し、
    前記リニア駆動モードと前記パルス駆動モードを共通の出力アンプを用いて行わせ、
    前記出力アンプは、プッシュ駆動用出力トランジスタとプル駆動用出力トランジスタとを備えた出力回路を有し、
    前記出力回路はリニア駆動モード時にはAB級動作が設定され、パルス駆動モード時にはB級動作が設定されることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
  2. 請求項1において、前記出力アンプは、前記出力トランジスタのアイドリング電流を設定する回路パラメータが、リニア駆動モード時とパルス駆動モード時とで異なるように可変設定されることにより、AB級とB級の動作が切替設定されることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
  3. 請求項1または2において、前記出力トランジスタにアイドリング電流を流す電流源を備えるとともに、このアイドリング用電流源の電流値が調整可能に構成されていることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
  4. 請求項3において、前記アイドリング用電流源の電流値の調整情報を設定する設定手段を備えることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
  5. 請求項4において、前記出力回路の出力に現れる電圧を検出可能な出力電圧検出手段を備え、この出力電圧検出手段は、前記プッシュ駆動用出力トランジスタまたは前記プル駆動用出力トランジスタのいずれか一方をオフさせ、その他方にアイドリング電流を流した状態にて、前記出力の電圧を検出可能に構成され、その検出結果に基づいて前記設定手段への調整情報の設定が行なわれることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
  6. 請求項5において、前記出力電圧検出回路の検出出力は、磁気ヘッド駆動制御手段に対して駆動電流指令値を与える制御手段に送られ、その制御手段により決定された前記アイドリング用電流源の調整情報が前記設定手段へ送られて設定されるように構成されていることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
  7. 請求項1から6のいずれかにおいて、前記出力アンプはリニア駆動モード時に高スルーレートに設定されることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
  8. 請求項1から7のいずれかにおいて、前記出力アンプはパルス駆動モード時に高スルーレートに設定されることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
  9. 回転駆動される磁気記憶ディスク上の記憶トラックに対して情報のリードを行なう磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを前記ディスク上にて移動させるボイスコイルモータと、前記磁気ヘッドのリード状態を監視しながら前記ボイスコイルモータの駆動電流をフィードバック制御することにより前記磁気ヘッドの位置決め制御を行なう磁気ヘッド駆動制御手段とを有する磁気ディスク記憶装置であって、
    前記磁気ヘッド駆動制御手段は、
    前記ボイスコイルモータをリニア制御で駆動するリニア駆動モードと、前記ボイスコイルモータをパルス幅制御で駆動するパルス駆動モードとを有し、
    前記ボイスコイルモータの駆動電流が第1の値のときに前記リニア駆動モードを実行させ、上記第1の値より駆動電流が高いときに前記パルス駆動モードを実行させ、
    前記リニア駆動モードと前記パルス駆動モードを共通の出力アンプを用いて行わせ、
    前記出力アンプは、プッシュ駆動用出力トランジスタとプル駆動用出力トランジスタとを備えた出力回路を有し、
    前記出力アンプはリニア駆動モード時に低スルーレートに設定されることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
  10. 請求項9において、前記出力アンプはパルス駆動モード時に高スルーレートに設定されることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
  11. 請求項9または10において、前記出力回路はリニア駆動モード時にはAB級動作が設定され、パルス駆動モード時にはB級動作が設定されることを特徴とする磁気ディスク記憶装置。
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