JP3869238B2 - メッシュシート用難燃塗装剤と、これにより形成した難燃塗装膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は長期間屋外で使用される建設工事現場、土木工事現場で使用される建築工事用メッシュシートを難燃性化するメッシュシート用難燃塗装剤と難燃塗装膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在使用されている建築工事用メッシュシートはポリエステル、ポリプロピレン等のマルチフィラメント繊維を製織加工した原織物を塩化ビニル系ペースト樹脂組成物で被覆後加熱処理し、所望形状に加工し製品化したものが多く使用されている。
塩化ビニル樹脂を用いて被覆加工した製品は難燃性は優れているが、全て塩素及び可塑剤を含有するため、焼却のため燃焼するとハロゲンガスやダイオキシン類を発生し、また使用中に環境ホルモンがブリードし、流出して環境を汚染する恐れがある。そのため最近は塩化ビニル樹脂を用いないで、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を用い、難燃剤もハロゲン元素を含有しない、窒素、燐系のものを用いてマルチフィラメント繊維を製織加工した原織物を被覆し、加熱処理したノンハロゲン建築工事用メッシュシートも製造され、建築現場で使用されている。
建築工事用メッシュシートは建築現場で展張し、3〜10ヶ月間使用するが、使用中に自動車の排気ガス等による汚れ、建材に塗装する塗料の付着による汚れ、工事中にその他の汚れが付着する。これらの汚れは約40〜50℃の洗濯水に浸漬後洗濯して建築工事用メッシュシートから除去し、シートは再使用する。しかし汚れが酷く洗濯しても汚れを除去できないものがある。工事現場に汚れたメッシュシートを展張すると、地域の美観を損ねると非難される。これらの汚れの取れないメッシュシートはやむをえず、メッシュシートと同色の塗料を塗装して新品と同等の色、美観を有する建築工事用メッシュシートとして再使用してきた。 ところが通常の塗料に難燃剤を有効量配合すると塗装面が凹凸になる、洗濯時に塗料が剥離する、塗料を噴霧するノズルに塗料が詰まる等の問題が生じ実用に耐えない。
したがって、従来は汚れの取れないメッシュシートの再使用に当たっては難燃剤を配合しない塗料を塗布しているのでシートの難燃性は著しく低下している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
建築工事現場に展張するメッシュシートは、ポリエステル等の含有樹脂のマルチフィラメント繊維を製織した原織物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体やポリウレタン等の合成樹脂と赤燐、ポリ燐酸アンモニウム、有機リン酸エステル等の難燃剤を加えた難燃化処理剤で処理して製品としていたが、これ等の処理剤で処理したシートは耐洗濯性が劣るので展張使用後洗濯して汚れを除去して再使用すると難燃が劣化する。使用と洗濯を繰り返すと難燃性は著しく低下する。
本発明の難燃化塗装剤は、このような通常の難燃化処理したメッシュシートの難燃層の上に予め塗装して、耐洗濯性を向上させるとともに、良好な艶のある被膜を形成し、従来の難燃化処理剤により形成した被膜が艶がなく、外観がよくない欠点があったのも改善するものである。
また、本発明の難燃化塗装剤は、工事現場に展張した使用済みのメッシュシートを回収して洗濯し、汚れを除いた後、メッシュシートに塗装して劣化した難燃性を改善し、併せて艶を与えるためにも使用される。
このように本発明は難燃処理したメッシュシートに塗装したり、使用後、洗濯して難燃性が劣化したメッシュシートに塗布して、難燃性と耐洗濯性を付与するメッシュシート用難燃塗装剤と、この塗装剤により形成したメッシュシートの難燃塗装膜を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
「1. A.数平均分子量5000〜40000のアクリルポリオール樹脂100重量部に対し、ポリイソシアネート10〜100重量部を配合してなる非ハロゲン系ポリウレタン樹脂系塗装剤組成物の樹脂固形分100重量部に対し、B.凝固点−20℃以上の非ハロゲン有機リン酸エステル10〜100重量部と、C.a.平均粒径30μm以下のメラミン系化合物20〜120重量部、b.平均粒径30μm以下のヒドラゾジカルボンアミド20〜120重量部、c.平均粒径30μm以下のポリリン酸アンモニウム化合物20〜120重量部のa〜cから選んだ1または2以上からなる難燃剤20〜180重量部を配合してなる、メッシュシート用難燃塗装剤。
2. メラミン系化合物がシアヌル酸メラミン、リン酸メラミン、硫酸メラミンから選んだ1または2以上である、1項に記載されたメッシュシート用難燃塗装剤。
3. ポリリン酸アンモニウム化合物がカプセルで内包された、1項または2項に記載されたメッシュシート用難燃塗装剤。
4. 1項ないし3項のいずれか1項に記載されたメッシュシート用難燃塗装剤をメッシュシートに塗装して形成した、膜厚7μm〜50μmで酸素指数が26以上である、難燃塗装膜。」
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で言うメッシュシート用難燃塗装剤とは塗料を構成する樹脂、硬化剤、顔料、溶剤及び難燃剤、有機リン酸エステル等からなり、塩素、臭素等のハロゲン元素を含有せず、さらにカドミウム、鉛等の有害元素を含有しない塗装剤である。
本発明で使用するポリウレタン系塗装剤としては、例えばアクリルポリオール樹脂の基体樹脂と、ポリイソシアネート硬化剤を含有する硬化性塗料があげられる。
アクリルポリオール樹脂としては、水酸基含有アクリル単量体及びその他の重合性単量体を共重合せしめて得られる、10〜200mgKOH/g 、好ましくは25〜90mgKOH/g の範囲内の水酸基価を有するものが使用できる。
水酸基含有アクリル単量体は1分子中に水酸基と重合性不飽和結合を有する化合物であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜8個のヒドロキシアルキルエステル等があげられる。
【0006】
その他の重合性単量体は、水酸基含有アクリル単量体と共重合可能な、1分子中に重合性不飽和結合を有する化合物であり、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜24個のアルキルまたはシクロアルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等の官能性(メタ)アクリルアミド;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリルアミド、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル含有ビニル単量体;スチレン、ビニルトルエン、プロピオン酸ビニル、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、ベオバモノマー(シェル化学製品)等のビニル単量体等があげられる。
上記アクリルポリオール樹脂は一般に5000〜40000範囲内の数平均分子量を有することができる。
【0007】
ポリイソシアネート硬化剤としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンジイソシアネート、(以下ポリメリックMDI)等の芳香族ジイソシアネート;及びこれらのイソシアネート体やビュウレット体等の類似の化合物があげられ、これらは1種または2種以上混合して使用できる。
本発明で使用するポリウレタン樹脂系塗装剤組成物において、上記したアクリルポリオール樹脂とポリイソシアネート硬化剤との配合割合(固形分換算)は、アクリルポリオール樹脂100重量部に対してポリイソシアネート硬化剤を10〜100重量部、特に20〜80重量部の範囲が好ましい。
【0008】
該塗装剤組成物は、上記したアクリルポリオール樹脂及びポリイソシアネート硬化剤を有機溶剤に溶解もしくは分散することにより得られる有機溶剤系塗装剤組成物として使用することができる。
該有機溶剤としては、例えば、ヘプタン、トルエン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、メチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン液溶媒、n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系の溶媒等を使用できる。
【0009】
本発明で使用するポリウレタン系塗装剤組成物において、上記した以外に必要に応じて着色顔料、塗面調整剤、体質顔料等の従来から公知の添加剤を配合することができる。
本発明で使用する難燃剤としては非ハロゲン有機リン酸エステルと、a.メラミン系化合物、b.ヒドラゾジカルボンアミド、c.ポリ燐酸アンモニウム化合物のa〜cから選んだ1または2以上を用いるが、これらの難燃剤は相乗効果があるので併用することが好ましい。
【0010】
本発明で使用する非ハロゲン有機リン酸エステルは、非ハロゲン有機リン酸エステル、非ハロゲン有機縮合リン酸エステル誘導体、及び非ハロゲン有機ホスホン酸エステル系化合物である。
これらは単独で用いてもよく、また3者を混合して用いてもよい。非ハロゲン有機リン酸エステルは塗料の溶剤に溶解し、塗料と一体化した溶液となるのでノズルを用いて噴霧塗装する場合、ノズル詰まりがなくスムーズな噴霧塗装ができるので好ましい。
【0011】
非ハロゲン有機リン酸エステルは燐含有量5〜15重量%、凝固点−20℃以上のものである。凝固点−20℃以下のものは塗装した場合タックがでるので好ましくない。これらを配合すると難燃性は窒素系難燃剤と相乗効果がある。非ハロゲン有機リン酸エステルとしては大八化学工業株式会社製 TPP、TXP等が挙げられる。
非ハロゲン有機縮合リン酸エステルは塗料の樹脂固形分100重量部に対して10〜100重量部である。10重量部以下では効果が少なく、100重量部以上では難燃効果の向上が小さくなり製品にタックが生ずるので好ましくない。
非ハロゲン有機縮合リン酸エステル誘導体はリン含有量5〜15重量%、凝固点−20℃以上のものである。凝固点−20℃以下のものは塗装した場合タックがでるので好ましくない。
非ハロゲン有機縮合リン酸エステル誘導体としては大八化学工業株式会社製 CR−733S、CR−741、CR−747、大和化学工業株式会社製 フランPPN−2等が挙げられる。
非ハロゲン有機縮合リン酸エステル誘導体は塗料の樹脂固形分100重量部に対して10〜100重量部である。10重量部以下では難燃効果が小さく、100重量部以上では難燃効果の向上が小さくなり製品にタックが生ずるので好ましくない。
非ハロゲン有機ホスホン酸エステル系化合物は凝固点−20℃以上である。−20℃以下のものは塗装した場合タックがでるので好ましくない。
非ハロゲン有機ホスホン酸エステル系化合物としては明成化学工業株式会社製
ホスコン FR903N、ホスコン FR960N等が挙げられる。
これらの非ハロゲン有機ホスホン酸エステルの配合量は、塗装剤の樹脂固形分100重量部に対して10〜100重量部である。10重量部以下では難燃性の効果が小さく、100重量部以上では難燃性の向上が小さくなり、製品にタックが生ずるので好ましくない。
【0012】
また本発明は、メラミン系化合物と、ヒドラゾジカルボンアミドと、ポリ燐酸アンモニウムから選んだ1または2以上を使用する。
本発明で使用するメラミン系化合物は燃焼時に熱分解し、窒素ガスを発生する、この窒素ガスが酸素を遮断する。またメラミン系化合物は含窒素ガスを発生しながら脱水炭化触媒としてウレタン系樹脂塗料の炭化を促進し、難燃効果を向上する。
本発明で使用するメラミン系化合物の平均粒径は30μm以下である。好ましくは20μm以下である。さらに好ましくは10μm以下である。30μm以上では塗装剤をノズルを通して噴霧塗装する場合、ノズル詰まりを生じやすい。その結果噴霧ムラを生じやすい。さらに塗装面に凹凸が生じ平滑塗装面の塗装ができなくなる。また光沢がなくなる。
【0013】
本発明で使用されるメラミン系化合物としては、シアヌル酸メラミン、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、硫酸メラミンがある。本発明で使用されるシアヌル酸メラミンは平均粒径30μm以下のものである。特に10μm以下のものは塗装面が平滑になるので好ましい。例として、日産化学工業株式会社製MC−610平均粒径3μm、MC−640平均粒径3μmのものが挙げられる。
シアヌル酸メラミンの化学構造式は下記の通りである。
【0014】
【化1】
【0015】
本発明で使用されるリン酸メラミンまたはポリリン酸メラミンは平均粒径30μm以下のものである。特に平均粒径10μm以下のものは塗装面が平滑になるので好ましい。例として株式会社三和ケミカル製MPP−A平均粒径3μmが挙げられる。
リン酸メラミンの化学構造式は下記の通りである。
【0016】
【化2】
【0017】
本発明で使用される硫酸メラミンは平均粒径30μm以下のものである。平均粒径20μm以下のものは塗装面が平滑になるので好ましい。例としてアピノン800−1平均粒径15μm株式会社三和ケミカル製が挙げられる。
硫酸メラミンの化学構造式は次の通りである。
【0018】
【化3】
【0019】
本発明で使用されるヒドラゾジカルボンアミドは燃焼時に熱分解し多量の窒素ガスを発生する。この窒素ガスが酸素を遮断する。ヒドラゾジカルボンアミドは燃焼性においてメラミン系化合物と相乗効果があるのが特徴である。これにより塗料の塗装面の燃焼を抑制し難燃化する。
本発明で使用されるヒドラゾジカルボンアミドの平均粒径は30μm以下である。好ましくは20μm以下である。さらに好ましくは10μm以下である。30μm以上では難燃塗装剤がノズルを通して噴霧塗装する場合ノズル詰まりを生じやすい。さらに塗装面に凹凸が生じ平滑な塗装面の塗装ができない。また光沢が出なくなる。ヒドラゾジカルボンアミドの例として大塚化学株式会社製のKBH−30平均粒径5μmが挙げられる。
ヒドラゾジカルボンアミドの化学構造式は次の通りである。
【0020】
【化4】
【0021】
本発明で使用されるポリリン酸アンモニウム化合物としてはカプセルで内包したポリリン酸アンモニウムが好ましく使用される。ポリリン酸アンモニウムの平均粒径は30μm以下である。好ましくは20μm以下である。さらに好ましくは10μm以下である。30μm以上では難燃塗装剤をノズルを通して噴霧塗装する場合、ノズル詰まりを生じやすい。さらに塗装面に凹凸が生じ平滑な塗装面の塗装ができなくなる。また光沢が出なくなる。ポリリン酸アンモニウムの例としてチッソ株式会社製のTERRAJUC−60平均粒径8μmが挙げられる。
リン酸アンモニウムの化学構造式は次の通りである。
(NH4 )3 PO4
ポリリン酸アンモニウムの化学構造式は次の通りである。
(NH4 ・PO3 )n
メラミン系化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、ポリリン酸アルミニウムから選んだ1または2以上の化合物は塗料固形分15〜60重量%の非ハロゲン塗料の樹脂固形分100重量部に対して20〜100重量部存在することが必要である。20重量部以下では難燃効果が奏されず、100重量部以上では難燃効果の向上が小さくなる。さらに難燃塗装剤と建築工事用メッシュシートとの密着性が悪くなる。その結果建築工事用メッシュシートを洗濯するとメッシュシートの表面から難燃塗装剤が部分的に剥離する。
【0022】
本発明でシンナーを使用する場合は、シンナーは塩素等のハロゲン元素が含有しない有機溶剤で構成されたシンナーを用いる。
有機溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、メチルセロソルプアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、n−ブチルエーテル、ジオキサン、が使用される。特にこれらの有機溶剤は一般には2〜4種併用して使用されることが多い。
本発明で使用する難燃塗装剤を用いてメッシュシートを塗装して形成する塗装膜の膜厚は、7〜50μmである。塗装膜厚が7μm以下では難燃効果が奏されず、50μm以上では乾燥が遅くなり、折り畳んで包装するとブロッキングが生ずるので好ましくない。
本発明で使用する難燃塗装剤の酸素指数は26以上である。形成される塗装膜の酸素指数も26以上である。酸素指数26以下では建築工事用メッシュシート洗濯品の難燃性の向上をはかる効果は小さいので好ましくない。
【0023】
【実施例】
次に実施例を示して本発明を具体的に説明する。
はじめに、実施例と比較例で使用する、従来使用されている難燃メッシュシートについて説明し、次に、このメッシュシートの洗濯処理について説明する。このメッシュシートに本発明の難燃性塗装剤が塗装される。
洗濯処理して難燃性が低下したメッシュシートに本発明の塗装剤を塗布して、低下した難燃性を向上させ、耐洗濯性を付与するのである。
実施例1〜9は洗濯処理したメッシュシートに本発明の塗装剤を塗布した例であり、難燃性が向上し、耐洗濯性が良好となったことを示す。
(A) 従来のメッシュシートを難燃処理する難燃樹脂液 エチレン−酢酸ビニル共重合体S−752(住友化学工業株式会社製、固形分
50重量%)140重量部、ポリウレタンアデカボンタイターHUX−380(旭電化工業株式会社製、固形分38重量%)79重量部と難燃剤として赤燐 ノーバエクセル140(燐化学株式会社製)6重量部、ポリリン酸アンモニウム TERRAJUC−60(チッソ株式会社製)60重量部、と非ハロゲン有機リン酸エステルTCP(大八化学工業株式会社製)8重量部と水酸化アルミニウムハイジライト H−42M(昭和電工株式会社製)80重量部、及び酸化チタン JR401(ライカ株式会社製)10重量部、カーボンブラック ISAF(旭カーボン株式会社製)0.3重量部、紫外線吸水剤 チヌピン 327(チバガイギ社製)0.8重量部からなる混合物液をプラネタリヤミキサーで撹拌混合し、粘度4,840cp(BM型粘度計 ローターV−6、12rpm 、25℃)の難燃樹脂溶液を得た。(B) 従来用いられている織布 繊度750デニールのポリエステルマルチフィラメント繊維を3本曳き揃えて
、ドビ付織機で経糸45本/10cm、緯糸45/10cmのもしや織の織布重量220 g/m2 を織った。(C) 従来の建築工事用メッシュシート
難燃樹脂液(A)の入った槽中へ、織布(B)をガイドロールを通しピンチロールでピンチし難燃樹脂液を通過、含浸させマングルロールで絞った後エアブローし、110℃、140℃、180℃の加熱炉を通過させて乾燥ゲル化させて、重量379 g/m2 の建築工事用メッシュシートを得た。
(D) 従来の建築工事用メッシュシートの洗濯処理と処理したメッシュシート
(C)で得た建築工事用メッシュシート重量379 g/m2 を
からなる洗剤を水で薄めて濃度0.2%した水温40℃の洗濯水に6時間浸漬後、メッシュシートの表面、裏面共に水圧100kg/cm2 でノズルから水を噴射して洗濯を行った。上記洗濯を5回繰り返し行った。洗濯後の建築工事用メッシュシート洗濯品の重量は362 g/m2 であった。
該建築工事用メッシュシート洗濯品の防炎性は燃焼試験法 JIS L 1091によるA−1法及びD法による性能は下記の通りであった。
評価区分
A−1法 2 D法 1 この建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例の難燃塗装剤を塗装するメッシュシートとして使用した。
【0024】
実施例1
アクリルポリオール樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/2 ヒドロキシエチルメタクリレート)のラジカル共重合体(重量平均分子量 20,000、水酸基価70mgKOH/g、樹脂固形分 30重量%)30重量%、顔料 酸化チタン TR401 15重量%、カーボンブラック TSAF 0.5重量%からなる、トルエン溶液の塗料樹脂固形分 30重量%の塗料333重量部に難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640(日産化学株式会社製、平均粒径3μm)90重量部、非ハロゲン有機リン酸エステル TPP(大八化学工業株式会社製、凝固点48℃)40重量部を混合機に添加し、撹拌混合を30分間行って樹脂液を得た。 前記樹脂液の樹脂固形分100重量部に対し、硬化剤ヘキサメチレンジイソシアネート(関西ペイント株式会社製)10重量部、シンナA(トルエン 50重量%、キシレン 20重量%、メチルイソブチルケトン 30重量%)150重量部添加後、撹拌混合して塗装用のメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。まずこの難燃塗装剤の酸素指数を測定する。該難燃塗装剤をガラス板上に流延し、デシプロケーターで厚さを調整後80℃で10分間乾燥、硬化して厚さ30μmの難燃塗装剤膜シートを作成した。該難燃塗装剤膜シートの酸素指数を測定した。測定結果は表1に示す。該難燃塗装剤溶液の粘度8秒であった。 該難燃塗装剤溶液を塗装機を用いてラインスピード2m/min、ノズル噴霧圧力3.5kg/cm2 で建築工事用メッシュシート洗濯品に塗装し、温度80℃の加熱炉を通して乾燥硬化して、難燃塗装剤を塗装したメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗装剤膜厚は予め該メッシュシートに厚み測定のため取り付けたステンレス板に塗装された塗膜厚さで測定した。塗膜厚さは20μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表1に示す。
【0025】
実施例2
実施例1において、難燃剤をシアヌル酸メラミン MC−640(日産化学株式会社製、平均粒径3μm)110重量部、非ハロゲン有機リン酸エステル TPP(大八化学工業株式会社製、凝固点48℃)15重量部を使用した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は8秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表1に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは22μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表1に示す。
【0026】
実施例3
実施例1において難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640(日産化学株式会社製、平均粒径3μm)30重量部、非ハロゲン有機リン酸エステル TPP(大八化学工業株式会社製、凝固点48℃)90重量部を使用した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は8秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表1に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは25μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表1に示す。
【0027】
実施例4
実施例1において難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640の代わりに、ヒドラゾジカルボンアミド KBH−30(大塚化学株式会社製、平均粒径5μm)90重量部使用した。非ハロゲン有機リン酸エステル TPPの代わりに、非ハロゲン有機リン酸エステル TXP(大八化学工業株式会社製、凝固点−15℃)40重量部を使用した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は8秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表1に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは24μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表1に示す。
【0028】
実施例5 実施例1において難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640の代わりに、リン酸メラミン MPP−A(株式会社三和ケミカル製、平均粒径3μm)90重量部を使用した。非ハロゲン有機リン酸エステル TPPの代わりに、非ハロゲン有機縮合リン酸エステル誘導体 CR−741(大八化学工業株式会社製、凝固点4℃)40重量部を使用した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は8秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表2に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、塗装ラインスピード2.5m/minにした。その他は実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは14μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表2に示す。
【0029】
実施例6
実施例1において難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640の代わりに、ポリリン酸アンモニウム TERRAJUC−60(チッソ株式会社製、平均粒径8μm)80重量部を使用した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤80重量部に実施例1と同様のシンナA 300重量部、実施例1と同様の硬化剤ヘキサメチレンジイソシアネート10重量部添加し、実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は8秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表2に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは9μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表2に示す。
【0030】
実施例7
実施例1において難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640の代わりに、硫酸メラミン アピノン800−1(株式会社三和ケミカル製、平均粒径15μm)80重量部を使用した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤100重量部に実施例1と同様のシンナA100重量部、実施例1と同様の硬化剤10重量部添加し、実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は8秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表2に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、ノズル噴霧圧力4.0kg/cm2 とした。その他は実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは32μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表2に示す。
【0031】
実施例8 実施例1において難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640 50重量部、ヒドラゾジカルボンアミド KBH−30(大塚化学株式会社製、平均粒径5μm)50重量部を使用した。非ハロゲン有機リン酸エステル TPPの代わりに、非ハロゲン有機縮合リン酸エステル誘導体 CR−741(大八化学工業株式会社製、凝固点4℃)50重量部使用した。その他は実施例1と同様にして難燃塗装剤を得た。該難燃塗装剤100重量部に実施例1と同様のシンナA 100重量部、実施例1と同様の硬化剤10重量部添加し、実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は9秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表2に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、ノズル噴霧圧力4.0kg/cm2 とした。その他は実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは36μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表2に示す。
【0032】
実施例9
実施例1において非ハロゲン有機リン酸エステル TPPの代わりに、非ハロゲンホスホン酸エステル ホスコン FR903N(明成化学工業株式会社製、凝固点0℃)40重量部使用した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤を得た。該難燃塗装剤100重量部に実施例1で使用したシンナAの代わりに、シンナB(トルエン30重量%、キシレン30重量%、酢酸イソブチル20重量%、メチルイソブチルケトン20重量%)200重量部と実施例1と同様の硬化剤10重量部添加し、実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は8秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表2に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは12μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表2に示す。
【0033】
比較例1
実施例1において塗料に難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640を添加しなかった。非ハロゲン有機リン酸エステル TPPも添加しなかった。該塗料100重量部に実施例1と同様の硬化剤10重量部添加し、実施例1と同様のシンナA 150重量部添加し、実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は7秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表3に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは16μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表3に示す。
【0034】
比較例2
実施例1において塗料に難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640 10重量部使用したもので、シアヌル酸メラミン MC−640の配合量が少なすぎるものである。非ハロゲン有機リン酸エステル TPP 5重量部添加した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は7秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表3に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは17μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表3に示す。
【0035】
比較例3
実施例1において塗料に難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640 40重量部使用した。非ハロゲン有機リン酸エステル TPP を過剰の120重量部添加した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は9秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表3に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは24μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表3に示す。
【0036】
比較例4
実施例1において難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640の代わりに、シアヌル酸メラミン MC−410(日産化学株式会社製の粒径が大きすぎる平均粒径50μm)90重量部を使用した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート用難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は8秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表3に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは42μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表3に示す。
【0037】
比較例5
実施例1において難燃剤として非ハロゲン有機リン酸エステル TPPの代わりに非ハロゲン有機リン酸エステル TCP(大八化学工業株式会社製、凝固点−35℃)40重量部使用した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は8秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表3に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。
該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは20μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表3に示す。
【0038】
比較例6
実施例1において難燃剤としてシアヌル酸メラミン MC−640を過剰の200重量部使用した。非ハロゲン有機リン酸エステル TPP 30重量部添加した。その他は実施例1と同様にしてメッシュシート難燃塗装剤溶液を得た。該難燃塗装剤溶液の粘度は9秒であった。該難燃塗装剤溶液の酸素指数を実施例1と同様にして測定した。測定結果は表3に示す。該難燃塗装剤溶液を用いて実施例1で使用したものと同様の建築工事用メッシュシート洗濯品を実施例1と同様の塗装機を用い、実施例1と同様の塗装条件で塗装し、乾燥硬化してメッシュシート難燃塗装品を得た。 該メッシュシート難燃塗装品の塗膜厚さは22μmであった。該メッシュシート難燃塗装品の性能を測定した結果は表3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
(註)
1. 平均粒径の単位はμmである。
2. 凝固点はリン酸エステルTPP、48℃、リン酸エステルTXP、−15℃、リン酸エステルTCP、−35℃、縮合リン酸エステルCR=74.4℃、ホスホン酸エステル ホスコンFR903N、0℃である。
【0043】
諸性能の測定法
5. ブロッキング
▲1▼ メッシュシート塗装品巾180cm、長さ510cmを巾を3つ折りし、次に長さを10つ折りし、たたみ、この上へ重量30kgの荷重を掛け、16時間放置した。
▲2▼ 放置後2Fからメッシュシート塗装品の一片を持ち、下へ吊り落とし、その時のたたみの自然な加除を見て評価した。
おりたたみ10折り全部解除する ◎
おりたたみ7〜8折りが解除する ○
おりたたみ4〜5折りが解除する △
おりたたみ1〜3折りが解除する ×
6. 耐洗濯性
メッシュシート塗装品を1週間放置後、洗剤濃度0.2%、水温40℃の洗濯水に6時間浸漬した後、メッシュシート塗装品を水圧100kg/cm2 でノズルから水を噴射して洗濯して、塗装膜の剥離を評価した。
剥離全くなし ◎
剥離僅かにあり ○
剥離部部分的にあり △
剥離全面にあり ×
シンナ A組成
トルエン : 50重量%
キシレン : 20重量%
メチルイソブチルケトン : 30重量%
シンナ B組成
トルエン : 30重量%
キシレン : 30重量%
酢酸イソブチル : 20重量%
メチルイソブチルケトン : 20重量%
【0044】
【発明の効果】
本発明は、使用後洗濯して汚れを除去して再使用するメッシュシートに塗布して劣化した難燃性を改善し、艶を与える効果を奏する。
Claims (4)
- A.数平均分子量5000〜40000のアクリルポリオール樹脂100重量部に対し、ポリイソシアネート10〜100重量部を配合してなる非ハロゲン系ポリウレタン樹脂系塗装剤組成物の樹脂固形分100重量部に対し、B.凝固点−20℃以上の非ハロゲン有機リン酸エステル10〜100重量部と、C.a.平均粒径30μm以下のメラミン系化合物20〜120重量部、b.平均粒径30μm以下のヒドラゾジカルボンアミド20〜120重量部、c.平均粒径30μm以下のポリリン酸アンモニウム化合物20〜120重量部のa〜cから選んだ1または2以上からなる難燃剤20〜180重量部を配合してなる、メッシュシート用難燃塗装剤。
- メラミン系化合物がシアヌル酸メラミン、リン酸メラミン、硫酸メラミンから選んだ1または2以上である、請求項1に記載されたメッシュシート用難燃塗装剤。
- ポリリン酸アンモニウム化合物がカプセルで内包された、請求項1または2に記載されたメッシュシート用難燃塗装剤。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載されたメッシュシート用難燃塗装剤をメッシュシートに塗装して形成した、膜厚7μm〜50μmで酸素指数が26以上である、難燃塗装膜。
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