JP3869036B2 - 微細な表面形状を持つ構造物およびその製造方法 - Google Patents

微細な表面形状を持つ構造物およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は微細な表面形状を持つ構造物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ・オプティクスやマイクロ・マシニングの発展に伴い、微細な表面形状を持つ構造物が必要となってきている。例えば、透明な構造物材料の表面に形成された微細な球面はマイクロレンズとして使用できるし、導電性の構造物材料の表面に形成された円錐状の突起は電子放出用の電極として使用できる。
【0003】
構造物の表面に形成される微細な表面形状は、構造物の機能に応じて種々の形状が要請される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述した事情に鑑み、微細な表面形状を持つ構造物において、微細な表面形状として、錐体形状や屋根型形状の簡易な実現を可能ならしめることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は「1以上の微細な錐体形状を表面形状とする構造物を製造する方法」であって、出発形状形成工程と、エッチング工程とを有する。
【0006】
「出発形状形成工程」は、構造物材料の平滑な面上に、1以上の微細な錐体形状に対応する1以上の出発形状を有する形状形成層を形成する工程である。
【0007】
「エッチング工程」は、1以上の出発形状を形成された形状形成層と構造物材料とに対して、異方性のドライエッチングを行なって、出発形状に対応させて1以上の微細な錐体形状を構造物材料に形成する工程である。
【0008】
請求項1記載の発明は「エッチング工程において選択比を連続的および/または段階的に変化させることにより、1以上の出発形状を1以上の所望の錐体形状に変形させつつ構造物材料に彫り写す」ことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は「1以上の微細な屋根型形状を表面形状とする構造物を製造する方法」であって、出発形状形成工程と、エッチング工程とを有する。
【0010】
「出発形状形成工程」は、構造物材料の平滑な面上に、1以上の微細な屋根型形状に対応する1以上の出発形状を有する形状形成層を形成する工程である。
【0011】
「エッチング工程」は、1以上の出発形状を形成された形状形成層と構造物材料とに対して、異方性のドライエッチングを行なって、出発形状に対応させて1以上の微細な屋根型形状を構造物材料に形成する工程である。
【0012】
請求項2記載の発明は「エッチング工程において選択比を連続的および/または段階的に変化させることにより、1以上の出発形状を1以上の所望の屋根型形状に変形させつつ構造物材料に彫り写す」ことを特徴とする。
【0013】
この明細書中において「構造物材料」は、最終的に「微細な表面形状(錐体形状もしくは屋根型形状)を持つ構造物を構成することになる材料であり、異方性のドライエッチングが可能なもののうちから、構造物の用途に応じて構造物に要求される性質(例えば、透明であること、耐熱性があること、機械強度が大きいこと等)を持つものが適宜に選択される。
【0014】
また「選択比」は「(構造物材料のエッチング速度)/(形状形成層のエッチング速度)」により定義される。
【0015】
請求項1記載の発明における「錐体形状」は、円錐形状や角錐形状、さらには変形円錐形状や変形角錐形状を言う。円錐形状や角錐形状では、そのプロフィルの形状が3角形形状で、上記3角形形状の斜辺は直線であるが、変形円錐形状や変形角錐形状では、そのプロフィルにおける頂点から基部に向かう部分(上記3角形の斜辺にあたる部分)が曲線および/または折線であるものを言う。
【0016】
請求項2記載の発明における「屋根型形状」は、基本的に「切妻屋根」のように、2つの平面を稜線部を境に傾斜させて組み合わせた形状であるが、この形状のみに限らず、稜線部を境に組み合わされた各面が曲面や屈曲面で構成されるものも含む。
【0017】
上記出発形状形成工程は「出発形状の凹凸を反転させた表面形状を持つ母型」を用いて行なうこともできるし、「パターニング」を利用して行なうこともできる。
【0018】
母型を用いて行なう出発形状形成工程は、形状形成層を構成すべき材料として「光硬化性の材料」を用い、上記母型の表面形状を「上記光硬化性の材料を光照射しつつ転写する」ことにより、所定の出発形状を表面形状として有する形状形成層として、構造物材料の表面に形成してもよいし(請求項3)、形状形成層を構成すべき材料として「熱硬化性または熱可塑性の材料」を用い、母型の表面形状を「上記熱硬化性または熱可塑性の材料を加熱しつつ転写する」ことにより、所定の出発形状を表面形状として有する形状形成層として、構造物材料の表面に形成してもよい(請求項4)。
【0019】
パターニングを利用する出発形状形成工程は、パターニング工程と熱処理工程とを有する(請求項5)。
【0020】
「パターニング工程」は、構造物材料の平滑な面上に形成されたパターニング材の層に、出発形状に応じた2次元的なパターンをパターニングする工程で、この工程により、構造物材料の平坦な面上に上記2次元的なパターンがパターニング材により「レリーフ状」に形成される。
【0021】
「熱処理工程」は、パターニング工程後のパターニング材を加熱して熱変形させることにより所定の出発形状を有する形状形成層とする工程である。
【0022】
従って、上記パターニング材は、ドライエッチングが可能で、且つ熱処理により熱変形の可能なものでなければならない。このようなパターニング材としては周知のフォトレジストを初めとする各種のレジスト材料を利用できる。
【0023】
パターニング材としてフォトレジストを用いる場合は、マスクを用いて露光を行ない、その後、現像を行なって2次元的なパターンをレリーフ状に得ることができる。
【0024】
パターニング材として感光性の無いレジストを用いる場合には、公知のマスク形成法でレジスト材上にマスクを形成し、このマスクを介して異方性のエッチングをレジスト材に行なって2次元的なパターンをレリーフ状に得、その後マスクをリフトオフすればよい。
【0025】
このように、パターニングを利用して出発形状形成工程を行なう場合、パターニング工程により「1以上の微細な円形」をパターニングして、パターニング材による「円柱状パターン」を得、熱処理工程により円柱状パターンを熱変形し、出発形状として「球面状の凸部」を得、エッチング工程により上記凸部を円錐形状もしくは変形円錐形状に変形して構造物材料に彫り写すことができる(請求項6)。
【0026】
あるいはまた、パターニング工程により「1以上の微細な正方形形状」をパターニングして、パターニング材による「正4角柱状パターン」を得、熱処理工程により正4角柱状パターンを熱変形し、出発形状として「正4角柱状パターンの頂部を曲面化した形状の凸部」を得、エッチング工程により上記凸部を4角錐形状もしくは変形4角錐形状に変形して構造物材料に彫り写すことができる(請求項7)。
【0027】
更にはまた、パターニング工程により1以上の「微細な長方形形状」をパターニングして、パターニング材により「4角柱状パターン」を得、熱処理工程により4角柱状パターンを熱変形し、出発形状として「4角柱状パターンの頂部を曲面化した円柱面形状の凸部」を得、エッチング工程により上記凸部を屋根型形状に変形して構造物材料に彫り写すことができる(請求項8)。
【0028】
上記請求項1〜8に記載された製造方法の何れかにより「微細な表面形状を持つ構造物」が製造される。
【0029】
上記のように、この発明における構造物の製造方法では、エッチング工程において選択比を連続的および/または段階的に変化させることにより、出発形状を所望の錐体形状もしくは屋根型形状に変形しつつ構造物材料に彫り写すので、出発形状と所望の錐体形状・屋根型形状の間の対応関係の自由度が大きく、出発形状が同一形状でも、エッチング工程における選択比の経時変化を異ならせることにより異なる形状を形成できる。
【0030】
換言すれば、同一の母型もしくは同一のマスクを用いて、同じ出発形状を形成しても、その後のエッチング工程における選択比の調整如何により、種々の異なる錐体形状・屋根型形状を形成できるのである。
【0031】
なお、エッチング工程により形成された錐体形状・屋根型形状の表面には必要に応じて、金属薄膜等を形成することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1(a)は、出発形状形成工程により構造物材料10の平滑な表面に形状形成層20を形成した状態となっている。形状形成層20の表面形状は、出発形状である。なお、図1(a)において、出発形状は、その「プロフィル(側面図形状)」が示されている。
【0033】
図1(b)は、図1(a)の状態からエッチング工程を途中まで行なった状態を示し、形状形成層20の相当部分と構造物材料10とが異方性のドライエッチングでエッチングされている。
【0034】
図1(c)はエッチング工程終了後の状態であり、形状形成層が完全にエッチングされ、構造物材料10には「3角形形状のプロフィルを持った形状」が形成されている。
【0035】
周知の如く、異方性のドライエッチングを行なうに際して、例えば図1(a)の状態から選択比:1でエッチングすれば、構造物材料10には、形状形成層20の表面形状が「そのまま合同的」に彫り写される。換言すれば、この場合は、形状形成層20の表面形状がそのまま構造物材料10に転写される。
【0036】
また選択比を1より小さく(大きく)設定し、設定した選択比を一定に保ってエッチングを行なえば、構造物材料10に彫り写される形状は、形状形成層20の表面形状を、図の上下方向へ一定の比率(選択比により定まる)で押し縮めた(引き延ばした)形状となる。
【0037】
即ち、1より小さい(大きい)選択比では、構造物材料10よりも形状形成層20が速く(遅く)エッチングされる。
【0038】
そこで、図1(a)の状態からエッチング工程を開始し、選択比を1より小さい値から初めて1より小さい値で終わるように、単調に大きくしていくことにより、図1(c)に示すようなプロフィルをもった形状を彫り写すことができる。
【0039】
選択比の経時的な変化を調整すれば、例えば、図1(d)に示すようなプロフィルを持った形状も形成できる。この例の場合、符号1−Aで示す部分では選択比が1に近く(このため、この部分1−Aの形状は出発形状に近い形状となっている)、符号1−Bで示す部分では選択比が小さく(形状形成層のエッチング速度が構造物材料のエッチング速度より大きいので、この部分1−Bでは、出発形状が図の上下方向へ押し縮められた形状となる)、符号1−Cで示す部分では選択比が大きく(形状形成層のエッチング速度が構造物材料のエッチング速度より小さいので、この部分1−Cでは、出発形状が図の上下方向へ引き延ばされた形状となる)設定されている。
【0040】
図1(a)における形状形成層20の表面形状が図2(a−1)のような「半球状」のものである場合には、エッチング工程で得られる形状は図2(a−2)に示すように「円錐形状」にできるし、図1(a)における形状形成層20の表面形状が図2(b−1)ような「円柱面形状」のものである場合には、エッチング工程で得られる形状は図2(b−2)に示すように「屋根型形状」にできる。
【0041】
また図1(a)における形状形成層20の表面形状が、図2(c−1)のように「正4角柱の上部を曲面化した形状」の場合には、エッチング工程の結果は図2(c−2)に示すような「4角錐形状」にできる。
【0042】
図2(a−2),(b−2),(c−2)に示す形状が何れも、図1(c)に示すような3角形状のプロフィルを持つことは容易に理解されるであろう。
【0043】
図1(a)に示すようなプロフィルを持つ形状形成層20を形成する「出発形状形成工程」を図3,4を参照して簡単に説明する。
【0044】
図3は、請求項3記載の発明における出発形状形成工程の実施の1形態を説明するための図である。
【0045】
符号10Aで示す構造物材料は透明な材料であり、符号30で示す母型は、出発形状(その具体的形状は、例えば図2(a−1),(b−1),(c−1)に示す如き形状である)の凹凸を反転させた形状を有する。
【0046】
母型30と構造物材料10Aの平滑な表面との間に、形状形成層を構成すべき材料20Aとして例えば紫外線硬化樹脂を充填し、透明な構造物材料10Aの側から紫外光U.Vを照射して材料20Aを硬化させれば、所望の出発形状を持つ形状形成層(硬化した材料20A)を構造物材料10A上に形成できる。
【0047】
また、上記形状形成層を構成すべき材料20Aとして「熱硬化性の材料」を用いる場合には、構造物材料10Aと母型30との間に上記材料を充填し、例えば母型30により加熱して硬化させることにより、所望の出発形状を持つ形状形成層を構造物材料10A上に形成できる(請求項4)。
【0048】
また、上記形状形成層を構成すべき材料20Aとして「熱可塑性の材料」を用いる場合には、構造物材料10A上に上記材料の層を形成しておき、これを母型30により加熱しつつ母型30を押圧して変形せしめることにより、所望の出発形状を持つ形状形成層を構造物材料10A上に形成できる(請求項4)。
【0049】
形状形成層を構成すべき材料として熱硬化性あるいは熱可塑性のものを用いる場合には勿論、構造物材料も母型も透明である必要はない。
【0050】
図4(a)において、符号12は、構造物材料10の平滑な面上に形成された「パターニング材の層」としてのフォトレジスト層を示している。
【0051】
フォトレジスト層12にマスク13を重ねて均一光Lにより露光し、露光された部分のフォトレジスト層を除去すると、図4(b)に示すように、出発形状に応じた「2次元的なパターン」がパターニングされる(パターニング工程)。
【0052】
その後、フォトレジスト層12を加熱して熱変形させると、図4(c)に示すように、フォトレジスト層12を所定の出発形状を有する形状形成層とすることができる(熱処理工程)。
【0053】
図4(c)に示す形状形成層の表面形状は、マスク13におけるパターンの形状に依存し、上記パターンが円形であれば形状形成層の表面形状は「半球状」となるし(図2(a−1))、パターンが長方形形状であれば図2(b−1)に示すような「円筒面形状」となるし、パターンが正方形形状であれば、図2(c−1)に示すような形状となる。
【0054】
そして、このような出発形状からエッチング工程を行なうことにより、所望の錐体形状や屋根型形状を構造物材料の表面形状として得ることができる。
【0055】
勿論、錐体形状は円錐形状や4角錐形状に限らず「多角錐形状」や「楕円推形状」が可能である。
【0056】
また、構造物材料に形成する錐体形状や屋根型形状は1個でも2個以上でもよく、多数個形成する場合にはランダム配列や千鳥格子配列、マトリックス配列や同心円状配列等に形成できる。
【0057】
以下、具体的な実施例を説明する。
【0058】
【実施例】
最初に説明する実施例1,2は、請求項6記載の製造方法の実施の形態の1具体例である。
【0059】
実施例1
図4を参照する。
図4に符号10で示す構造物材料として「厚さ1.1mmの合成石英基板」を用い、その平滑な表面にスピンナ−でプライマ−を塗布し、熱処理した後に、東京応化社製のRESIST材料:OFPR−800(ポジ材料)を22μm塗布し、プリベ−クしてパターニング材の層12とした。
【0060】
マスク13として「直径:90μmの円形の遮光パタ−ン」を有するものを用いて露光し、現像、リンスにより、パターニング材による「円柱状パターン」を形成した(以上、パターニング工程)
次いで「熱処理工程」として200℃でポストベ−キングを30分行った。
【0061】
その結果、パターニング材であるRESIST材料は有機溶剤が蒸発しながら収縮し、上記円柱状パターンは、直径:90μm、高さ:27.378μm、半径:R=161.6μmの半球形状に変形した。この形状が出発形状である(図2(a−1)参照)。
【0062】
次ぎに、出発形状の得られた構造物材料をECRエッチング装置にセットし、CHF3,O2ガスを導入し、マイクロ波電力:630W,RF電力:420W、エッチング時間:260分の条件下で、酸素導入量を段階的に10.0sccmから5.0sccmまで減少させることにより、選択比を0.470から0.985まで9段階に変化させてエッチングを行った(エッチング工程)。
【0063】
具体的な条件は下記の通りである。この時のエッチング室内圧力は、6.7×10~4Torr(初め)〜5.7×10~4Torr(終わり)であった。
【0064】
段階 ▲1▼ ▲2▼ ▲3▼ ▲4▼ ▲5▼ ▲6▼ ▲7▼ ▲8▼ ▲9▼
酸素導入量 9.5 8.3 7.4 6.8 6.3 6.0 5.8 5.7 5.6
選択比 0.470 0.575 0.680 0.763 0.831 0.910 0.955 0.980 0.985
時間(分) 47 41 37 33 30 25 20 16 11 。
【0065】
エッチング工程の結果、構造物材料の表面には、直径:90μmの底面を持ち、高さ:20.46μmの円錐形状が形成された(図2(a−2)参照)。
【0066】
実施例2
Si基板を構造物材料としてその平滑な表面上に、上記実施例1と同様の球形状を上記と同じRESIST材料で形成した。その後、実施例1と同様のエッチングガスを用いて、上記と同様に選択比を変化させてECRエッチングによりエッチング工程を行った。
【0067】
その結果、構造物材料の表面に、直径:90μmの底面を持ち、高さ:20.5μmの円錐形状が得られた。
【0068】
次に説明する実施例3は、請求項7記載の製造方法の実施の形態の1具体例である。
【0069】
実施例3
図4を参照する。
図4において符号10で示す構造物材料として「厚さ1.1mmの合成石英基板」を用い、その平滑な面にスピンナ−でプライマ−を塗布し、熱処理した後に、東京応化社製のRESIST材料:OFPR−800(ポジ材料)を21.8μm塗布し、プリベ−クしてパターニング材の層12とした。
【0070】
マスク13として「1辺が90μmの正方形形状の遮光パターン」を有するものを用いて露光し、現像、リンスにより、正4角柱状パターンを作成した(パターニング工程)。
【0071】
次いで「熱処理工程」として、2段階に分けながら200℃でポストベ−キングを30分行った。
【0072】
熱処理工程によりRESIST材料は有機溶剤が蒸発しながら収縮し、底面部が1辺:90μmの正方形で、頂部が曲面化した形状(図2(c−1)参照)で高さ:27.10μmの凸部が得られた。
【0073】
この形状を出発形状とし、ECRエッチング装置にCHF3,O2ガスを導入して、マイクロ波電力:630W、RF電力:420W、エッチング時間:260分の条件下で、段階的に酸素導入量を10.0sccmから5.0sccmまで減少させ、選択比を0.450から1.050まで9段階に変化させてエッチングを行った。具体的な条件は、下記の通りである。この時のエッチング室内圧力は6.7×10~4Torr(初め)〜5.7×10~4Torr(終わり)であった。
【0074】
段階 ▲1▼ ▲2▼ ▲3▼ ▲4▼ ▲5▼ ▲6▼ ▲7▼ ▲8▼ ▲9▼
酸素導入量 9.7 8.3 7.5 6.9 6.3 5.9 5.8 5.6 5.4
選択比 0.450 0.575 0.660 0.825 0.831 0.920 0.955 0.985 1.050
時間(分) 45 43 37 33 31 27 20 15 9 。
【0075】
エッチング工程後の形状は、底辺が1辺の長さ:90μmで、高さ:21.46μmの四角錐形状となった(図2(c−2)参照)。
【0076】
実施例4
図4〜図6を参照する。
実施例4は、請求項8記載の製造方法の実施の形態の1具体例である。この実施例は、横方向長さ:64.270mm、縦方向長さ:35.964mmの範囲に約26万個のマイクロプリズムのアレイを形成する例である。
【0077】
図4において符号10で示す構造物材料として「厚さ0.90mmの合成石英基板」を用い、その平滑な表面に前記実施例1に置けると同じ条件で、スピンナ−によりプライマ−を塗布し熱処理した後に、東京応化社製のRESIST材料:OFPR−800(ポジ材料)を22μm塗布し、実施例1と同じ条件でプリベ−クしてパターニング材の層12とした。
【0078】
マスク13として、図5(a)に示すように、横方向長さ:79.2μm、縦方向長さ:72.0μmの「長方形形状の遮光パターン(符号Sで示すハッチを施した部分)」を、横方向ピッチ:118.8μm、縦方向ピッチ:74.0μmで千鳥格子状に約26万個(横方向:542個×縦方向:488個=264,496個)配列したマスクを用いて露光した。
【0079】
その後、現像、リンスし、直方体形状(4角柱形状パターン)の千鳥状配列を2次元的なパターンとして形成した後に、図5(b)に示すようなI字状のマスク(ハッチを施したI字状部分Tが遮光部で、横方向ピッチ:118.8μm、縦方向ピッチ:74.0μm)を用いて「2度目の露光」を実施した(パターニング工程)。2度目の露光の際、最初の露光の際に露光されなかった部分の、横方向両側の部分が再度露光される。
【0080】
続いて「熱処理工程」として200℃でポストベ−キングを行った。
【0081】
熱処理工程により、RESIST材料は有機溶剤が蒸発しながら収縮し、千鳥格子状に配列したこの直方体形状は、底面形状を保ったまま上側の面が円柱面形状に変形した。その一つ一つは、図2(b−1)に示すような形状である。円柱面形状の高さは25.965μmであった。
【0082】
前記2度目の露光の効果で縦方向の形状は「横方向の熱変形量より少なく」形状制御できた。
【0083】
このようにして得られた形状を出発形状として、ECRエッチング装置にCHF3,O2ガスを導入して、マイクロ波電力:630W,RF電力:420W、エッチング時間:260分の条件下で段階的に酸素導入量を10.0sccmから5.0sccmまで減少させて選択比を0.450から1.050まで9段階に変化させてエッチングを行った(エッチング工程)。
【0084】
具体的な条件は下記の通りである。この時のエッチング室内圧力は、6.7×10~4Torr(初め)〜5.7×10~4Torr(終わり)であった。
【0085】
段階 ▲1▼ ▲2▼ ▲3▼ ▲4▼ ▲5▼ ▲6▼ ▲7▼ ▲8▼ ▲9▼
酸素導入量 9.7 8.7 7.8 7.0 6.5 5.9 5.6 5.5 5.4
選択比 0.450 0.535 0.660 0.734 0.810 0.920 0.985 1.040 1.050
時間(分) 45 43 39 35 32 26 17 14 9 。
【0086】
エッチング工程により、個々の円柱面形状は「屋根型形状(図2(b−2)参照)」に変形した。
【0087】
即ち、図5に示すように、千鳥格子状に配列した屋根型形状は、高さ:19.8μm、屋根幅(稜線の片側にある傾斜平面(プリズム面)の横方向の幅):39.6μm、稜線長さ:72.0μm、横方向長さ:79.2μm(39.6μm×2)、屋根面の傾き角:26.57°であった。
【0088】
各屋根型形状の底面部分は平面で繋がっているが、縦方向の形状は、熱変形後の形状が端面で少しダレが生じたため、縦方向(稜線方向)におけるマイクロプリズムとしての有効範囲は68.0μmであった。
【0089】
実施例5
実施例4の方法と同様にしてパターニングしたレジストを「熱変形工程」としてポストベークしたのち、図7に示すように、レジスト12上にストライプ状のメタルマスク(幅:68.0μmの帯状メタル領域を、縦方向ピッチ:74.0μmで配列したもの)MMを密着させ、ECRエッチング装置に酸素ガス35sccmを導入し、酸素プラズマ中でレジスト層のドライエッチングを行なった。
【0090】
その結果、メタルマスクMMで覆われた部分のみのレジスト12が残り、縦方向のエッチングされた端面が基板に垂直に立った。このようにして、横方向長さ:79.2μm、縦方向長さ:68μmで、表面が円柱面形状(所謂かまぼこ面形状)を有するレジストが得られた。
【0091】
このようにして得られた出発形状に対し、実施例4と同様の条件でエッチング工程を行なった結果、高さ:19.8μm、屋根幅:39.6μm、稜線長さ:68.0μm、横方向長さ:79.2μm、屋根面の傾き角:26.57度で、マイクロプリズムとしての有広範囲:67.5μmの屋根型形状の千鳥配列が得られた。
【0092】
なお実施例1〜5とも、選択比の段階的変化における、各段階の変り目の部分では「選択比を連続的に変化」せしめ、エッチング形状が滑らかな面形状となるようにした。
【0093】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、微細な表面形状を持つ構造物において、微細な錐体形状や屋根型形状の簡易な実現が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を説明するための図である。
【図2】図1(a)に示す形状形成層の出発形状のプロフィルに応じた実際の出発形状の例と、図1(c)に示すエッチング工程後の形状のプロフィルに応じた実際の形状の例とを3例ずつ示す図である。
【図3】請求項3記載の発明の実施の形態を説明するための図である。
【図4】請求項5記載の発明の実施の形態を説明するための図である。
【図5】実施例4において用いられる最初の露光に用いられるマスク(図の(a))と2度目の露光に用いられるI字状のマスク(図の(b))を説明するための図である。
【図6】実施例4により製造されたマイクロプリズムアレイのプリズム形状とその配列状態を説明するための図である。
【図7】実施例5で使用されたメタルマスクを説明するための図である。
【符号の説明】
10 構造物材料
20 形状形成層

Claims (8)

  1. 1以上の微細な錐体形状を表面形状とする構造物を製造する方法であって、
    構造物材料の平滑な面上に、上記1以上の微細な錐体形状に対応する1以上の出発形状を有する形状形成層を形成する出発形状形成工程と、
    上記1以上の出発形状を形成された形状形成層と上記構造物材料とに対して、異方性のドライエッチングを行なって、上記出発形状に対応させて、上記1以上の微細な錐体形状を構造物材料に形成するエッチング工程とを有し、
    上記エッチング工程において、(構造物材料のエッチング速度)/(形状形成層のエッチング速度)で定義される選択比を連続的および/または段階的に変化させることにより、上記1以上の出発形状を、1以上の所望の錐体形状に変形させつつ上記構造物材料に彫り写すことを特徴とする、微細な表面形状を持つ構造物の製造方法。
  2. 1以上の微細な屋根型形状を表面形状とする構造物を製造する方法であって、
    構造物材料の平滑な面上に、上記1以上の微細な屋根型形状に対応する1以上の出発形状を有する形状形成層を形成する出発形状形成工程と、
    上記1以上の出発形状を形成された形状形成層と上記構造物材料とに対して、異方性のドライエッチングを行なって、上記出発形状に対応させて、上記1以上の微細な屋根型形状を構造物材料に形成するエッチング工程とを有し、
    上記エッチング工程において、(構造物材料のエッチング速度)/(形状形成層のエッチング速度)で定義される選択比を連続的および/または段階的に変化させることにより、上記1以上の出発形状を、1以上の所望の屋根型形状に変形させつつ上記構造物材料に彫り写すことを特徴とする、微細な表面形状を持つ構造物の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の製造方法において、
    形状形成層は、光硬化性の材料を光照射することによって形成されるものであり、
    出発形状形成工程は、上記光硬化性の材料を光照射しつつ、出発形状の凹凸を反転させた表面形状を持つ母型の上記表面形状を、上記光硬化性の材料に転写することにより、所定の出発形状を表面形状として有する形状形成層として構造物材料の表面に形成する工程であることを特徴とする、微細な表面形状を持つ構造物の製造方法。
  4. 請求項1または2記載の製造方法において、
    形状形成層は、光硬化性の材料を光照射することによって形成されるものであり、
    出発形状形成工程は、上記光硬化性の材料を光照射しつつ、出発形状の凹凸を反転させた表面形状を持つ母型の上記表面形状を、上記光硬化性の材料に転写することにより、所定の出発形状を表面形状として有する形状形成層として構造物材料の表面に形成する工程であることを特徴とする、微細な表面形状を持つ構造物の製造方法。
  5. 請求項1または2記載の製造方法において、
    出発形状形成工程が、
    構造物材料の平滑な面上に形成されたパターニング材の層に、出発形状に応じた2次元的なパターンをパターニングするパターニング工程と、
    パターニング工程後のパターニング材を加熱して熱変形させることにより所定の出発形状を有する形状形成層とする熱処理工程とを有することを特徴とする、微細な表面形状を持つ構造物の製造方法。
  6. 請求項5記載の製造方法において、
    パターニング工程により1以上の微細な円形をパターニングして、パターニング材による円柱状パターンを得、
    熱処理工程により、出発形状として球面状の凸部を得、
    エッチング工程により、上記凸部を円錐形状もしくは変形円錐形状に変形して構造物材料に彫り写すことを特徴とする、微細な表面形状を持つ構造物の製造方法。
  7. 請求項5記載の製造方法において、
    パターニング工程により1以上の微細な正方形形状をパターニングして、パターニング材による正4角柱状パターンを得、
    熱処理工程により、出発形状として、上記正4角柱状パターンの頂部を曲面化した形状の凸部を得、
    エッチング工程により、上記凸部を4角錐形状もしくは変形4角錐形状に変形して構造物材料に彫り写すことを特徴とする、微細な表面形状を持つ構造物の製造方法。
  8. 請求項5記載の製造方法において、
    パターニング工程により1以上の微細な長方形形状をパターニングして、パターニング材による4角柱状パターンを得、
    熱処理工程により、出発形状として、上記4角柱状パターンの頂部を曲面化した円柱面形状の凸部を得、
    エッチング工程により、上記凸部を屋根型形状に変形して構造物材料に彫り写すことを特徴とする、微細な表面形状を持つ構造物の製造方法。
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