JP3868597B2 - 複合シート及びこれを用いてなる吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用テープ材、使い捨ておむつ等の吸収性物品の弾性部材等として有用な複合シート、及び該複合シートを用いてなる、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
使い捨ておむつなどの吸収性物品においては、そのフィット性を向上させるために、弾性部材が用いられている。
このような弾性部材としては、ウレタンやスチレン系エラストマー等の材料をフィルム状に成形してなるフィルムなどが用いられている。
しかしながら、これらの材料は、▲1▼成形性がよくなかったり、▲2▼通常フィルムの巻物として適宜該巻物からフィルムを引き出して使用するが、この際該巻物がブロッキングしたり、▲3▼ホットメルト接着剤での接着性が悪かったりして使用しにくい、等の問題があった。
【0003】
また、▲4▼ウレタンからなるフィルムは、モジュラスが高いために、おむつのギャザー用として用いた場合、広い面積でソフトにフィットさせるためにはフィルムの厚さを薄くする必要がある。しかし、薄いフィルムは製造するのが難しく、また、ブロッキング等の問題を有している。更に、ウレタン系材料は耐光性が低く、光劣化のために黄変するという問題も有している。
一方、スチレン系エラストマーは特有の臭気を有するため、おむつ等の衛生用品への使用には実用的ではなく、また、臭気を有さない安定したものは高価であり、実用的でない。更に、この種のエラストマーは、一般的にベタつきが高く、ハンドリング性が悪く、扱いにくいという問題を有する。特におむつのウエストギャザー用としては、柔軟であることが必要とされ、且つ使用する際の幅も狭いものが現状である。このため、スチレン系エラストマーからなる柔軟な幅狭の材料を巻きくずれることなしに巻き上げると、柔軟性がゆえにブロッキングが激しく、細幅であるために巻出する際に操出しにくくなるという問題がある。
【0004】
一方、種々の加工機で成形性の良好な樹脂としてエチレン−α−オレフィン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン:LLDPE)が知られている。
しかしながら、このような成形性の良好なエチレン−α−オレフィン共重合体では、柔らかさや弾性回復力が不足している。そこで、弾性回復性に優れた密度0.850〜0.900g/cm3 のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることも提案されているが、このような密度を有するエチレン−α−オレフィン共重合体(この共重合体を「特定密度共重合体」という)は、弾性回復性(特に長鎖分岐含有共重合体)には優れるものの、滑性、対ブロッキング性に劣り、実用性に乏しいものであった。このため、一般的には、上記特定密度共重合体を、フィルム成形性、ハンドリング性の立場から、密度0.900g/cm3 以上の直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)との混合組成物として用いる方法が提案されている。しかし、上記混合組成物は、上記特定密度共重合体におけるフィルム成形性、ハンドリング性は改善するものの、柔らかさや弾性回復力は要求されているレベルより低下し、上記特定密度共重合体本来の物性を生かすことができない。
【0005】
また、密度0.900g/cm3 以下のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いてなるフィルムも提案されているが、該フィルムは、上述の如く実用性の低いものであったため、高密度のポリオレフィンを用いてなるフィルムと積層されて多層フィルムとして用いられている。
しかし、上記多層フィルムでは、フィルム密度が高く十分な伸縮物性を有さず、又成形性、ハンドリング性も不十分で生産性にも劣るという問題があった。このため、該エチレン−α−オレフィン共重合体には、融点が84℃のエルカ酸アミドとシリカとを添加剤として組み合わせて用いることが知られている。しかし、特にフィルムの厚さが厚い(フィルムの領域が100μm程度の)レベルにあったり、フィルムを巻き物にする際のフィルムの幅がある程度広がったりする場合には、エルカ酸アミドとシリカ等のフィラーの組み合わせが効果を有することはあるものの、厚さ100μm以下のフィルムで、しかも巻き物にした際のフィルム幅が、例えば55mmと極端に狭いものの場合には、エルカ酸アミドでは十分な効果が得られていない。また、このような組み合わせのフィルム単層では、フィルムとしての成形性、ハンドリング性が十分でないため、生産性に劣るという問題があり、さらに、二次加工時の接着性も低下するという別の問題がある。また、成形性を向上させるために他の添加剤を添加すると、2次加工時の接着性がさらに低下するという問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、柔らかさ、弾性回復力に優れ、成形性、ハンドリング性が良好で且つ低刺激で、生産性に優れ、二次加工時の接着性にも優れた樹脂フィルムを用いてなり、柔軟性、伸縮弾性、低刺激性の点で優れた複合シート及び該複合シートを用いてなる吸収性物品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の樹脂組成物からなる特定の物性を有する樹脂フィルムを用いることで上記目的を達成しうることを知見した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、樹脂フィルムを、繊維集合体上に積層させて一体化させてなる複合シートであって、前記樹脂フィルムは、(A)密度が0.850〜0.900g/cm3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対して、(B)融点が60〜80℃の有機脂肪酸アミド(エルカ酸アミドを含まず)0.01〜0.5重量部、及び(C)アンチブロッキング剤0.1〜5重量部を含有する樹脂組成物からなり、上記エチレン−α−オレフィン共重合体がエチレン−1−オクテン共重合体であり、永久歪みが0〜50%であることを特徴とする複合シートを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備し、フィット性を向上させる弾性部材を有する吸収性物品において、上記弾性部材は、上記複合シートを用いて形成されていることを特徴とする吸収性物品を提供するものである
【0011】
【発明実施の形態】
以下、まず、本発明において用いられる樹脂フィルムについて説明する。
本発明において用いられる樹脂フィルムは、特定の密度を有するエチレン−α−オレフィン共重合体と、特定の融点を有する有機脂肪酸アミドと、アンチブロッキング剤とを、特定の配合割合で配合してなる樹脂組成物からなる。
【0012】
本発明において用いられる上記エチレン−α−オレフィン共重合体が有する上記の特定の密度は、0.850〜0.900g/cm3 であり、好ましくは0.860〜0.880g/cm3 である。上記密度が0.850g/cm3 未満であると引張強度が低下し、また、0.900g/cm3 を超えると吸収性物品に組み込んだ際に該吸収性物品の風合いが低下する。
ここで、上記密度は、通常公知のポリマーの密度測定と同様にして測定されるものである。
【0013】
上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、その永久歪みが50%以下であり、好ましくは0〜30%である。また、ヒステリシス比が5.0以下であるのが好ましく、1.0〜3.5であるのが更に好ましい。
上記永久歪みが50%以下であることにより、上記弾性部材の固定可能領域を広くすることができ、上記ヒステリシス比が5.0以下であることにより、応答性が良くなるので、それぞれ、上記範囲内であるのが好ましい。
一方、上記永久歪みが50%を超えると又は上記ヒステリシス比が5.0を超えると、吸収性物品の弾性部材として用いた際に形成されるギャザー部の体に対するフィット性が低下するので、好ましくない。
【0014】
上記永久歪み及び上記ヒステリシス比は、それぞれ、下記の如くして測定されるものである。
永久歪みの測定法;下記のヒステリシス比の測定法と同様にして、試料を100%延伸した後、初期のチャック間距離とした際の試料の長さを測定し、100%延伸した場合の初期長さ(初期のチャック間距離)に対する弛緩できない長さ(初期長さよりも伸びて長くなった部分の長さ)の割合(%)を求め、これを永久歪みとした。
ヒステリシス比の測定法;各試料の伸縮性を調べる為、積算装置付伸長試験機を使って、ヒステリシス比を測定した。即ち、上記試料フィルムより幅25mm(厚み50μm)の試片を作成し、該試片を上記試験機にチャック間距離が100mmとなるように固定し、次いで、各試料を300mm/minの速度で100%延伸して延伸曲線を作成し、引き続き同じ速度で緩めてチャック間が初めの長さの100mmになった所で緩めるのを止めて弛緩曲線を作成し、各々延伸曲線下及び弛緩曲線下の面積を測定し、これらを次式に代入して、ヒステリシス比を算出した。
ヒステリシス比=延伸曲線下の面積/弛緩曲線下の面積
ここで、真のエラストマーのヒステリシス比は、1.0であるため、試料のヒステリシス比を測定した場合にヒステリシス比が5未満のシート、フィルム、フィラメントが生理用ナプキン等の衛生品用の弾性材料として適している。
【0015】
上記エチレン−α−オレフィン共重合体としては1−オクテンα−オレフィンと、エチレンとを共重合させてなる共重合体が用いられる。本発明の効果を阻害しない範囲で他の重合体(共重合体)を含有させることもできる。
【0016】
上記エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、メタロセン系触媒を使用することによってエチレンとα−オレフィンを共重合させる重合方法が好ましい。該重合方法としては、具体的には、回分式、半回分式、連続式あるいはこれらの組み合わせからなる共重合反応によって製造でき、この際用いられる重合方式としては、気相重合法、溶液重合法、バルク重合法、スラリー重合法などが採用できる。重合圧力は常圧〜100kg/cm2 、重合温度は常温〜200℃程度である。
【0017】
共重合体の製造に用いられる上記メタロセン系触媒(シングルサイト触媒)としては、従来公知の触媒が用いられる。例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの遷移金属を有するメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物またはアルキルなどの置換ホウ素化合物、必要により有機アルミニウム化合物からなる触媒がある。触媒は必要に応じ担体に担持させて用いられる。また、メタロセン触媒としては、例えば、幾何拘束型と呼ばれる特殊な構造を有する配位子を持ったものも好適に用いられる。
【0018】
上記エチレン−α−オレフィン共重合体におけるエチレンとα−オレフィンとの共重合比は、密度が上記範囲内にあれば特に制限されないが、通常α−オレフィンの含有量が2〜40モル%となる程度の共重合比である。また該共重合体は実質的に線状であってもよく、炭素1000個当たり約0.01〜5個程度の長鎖分岐を有するものも好ましく用いられる。
【0019】
また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布は、GPC法で測定した、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が、好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。またMFR(JIS K−7210;190℃、2.16kg荷重で測定)は、好ましくは0.1〜300g/10分、更に好ましくは0.2〜150g/10分、特に好ましくは0.3〜100g/10分である。
【0020】
また、本発明において用いられる上記有機脂肪酸アミドが有する上記の特定の融点(JIS K 0064)は、60〜80℃であり、好ましくは65〜80℃である。
上記融点が、60℃未満であると、エチレン−α−オレフィン共重合体との混練が困難となり、80℃を超えると、ホットメルト接着性に大きく影響を与えるため、組成物中への添加量のコントロールが困難となり、適正な使用量のコントロールができる樹脂フィルムに所望の物性を付与することができなくなる。
【0021】
上記有機脂肪酸アミドとしては、上記の融点の範囲を満足するものであれば特に制限されないが、例えば、下記する化合物などが挙げられる。
オレイン酸アミド(76℃)、N−オレイルパルミチン酸アミド(69℃)、N−ステアリルエルカ酸アミド(74℃)、N−ステアリルオレイン酸アミド(67℃)等。
【0022】
更に本発明において用いられる上記アンチブロッキング剤としては、下記するものなどが挙げられる。
「機能性フィラーの最新技術」(株式会社シーエムシー、1990年1月26日発行)に記載されているもの等。具体的には、酸化物(シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン、マグネシアなど)、金属粉(銅、銀、ニッケル、ステンレス、鉄、アルミニウムなど)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛など)、水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなど)、ケイ酸塩(ガラス、カオリン、タルク、マイカ、ワラストナイトなど)、硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、炭素(カーボンブラック、グラファイトなど)、チタン酸塩(チタン酸カリ、チタン酸バリウムなど)、窒化物(窒化アルミニウム、窒化ケイ素など)、炭化物(炭化ケイ素、炭化チタンなど)、硫化物(硫化モリブテン、硫化亜鉛など)、リン酸塩(リン酸カルシウム、リン酸鉄など)、フェライト(バリウムフェライト、カルシウムフェライトなど)、木粉、デンプン、各種有機顔料、ポリスチレン系フィラー、ナイロン系フィラー、アクリル系フィラー等。これらのなかでも、非晶質アルミノシリケート、珪藻土、合成シリカ、アクリル系フィラーなどが好ましく用いられる。
【0023】
また、上記アンチブロッキング剤としては、親油性が高くなく、有機脂肪酸アミドの吸着力が高くないものが好ましい。このため、上記アンチブロッキング剤としては、表面処理シリカのような上述したものに表面処理を施したものが好ましく用いられる。この際行われる表面処理としては、シリコーンオイル、シランカップリング剤などによる処理等が挙げられる。
【0024】
本発明における上記エチレン−α−オレフィン共重合体、上記有機脂肪酸アミド及び上記アンチブロッキング剤の上記の特定の配合量は、上記エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対して、上記有機脂肪酸アミド0.01〜0.5重量部、好ましくは0.025〜0.25重量部、上記アンチブロッキング剤0.1〜5重量部、好ましくは0.9〜1.8重量部である。
【0025】
上記有機脂肪酸アミドの配合量が0.01重量部未満であると、フィルムを巻物にした際にブロッキングしやすくなり、0.5重量部を超えると、接着性が低下する。
上記アンチブロッキング剤の配合量が、0.1重量部未満であると、フィルムを巻物にした際にブロッキングしやすくなり、5重量部を超えると、弾性物性が低下する。
【0026】
また、上記樹脂組成物には、通常樹脂フィルムに用いられる種々の添加剤を、本発明の効果を損なわない程度添加してもよい。
上記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、核剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、着色剤等が挙げられる。更に具体的には、上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止剤等が挙げられ、これらを併用することもできる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、好ましくは分子構造にアルキル基を持ち、融点が40℃以上のフェノール系酸化防止剤が挙げられ、上記燐系酸化防止剤としては、ホスファイト、ホスフォナイト及びホスホン酸誘導体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の燐化合物が挙げられる。
上記中和剤としては、ステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイトなどが挙げられ、上記紫外線吸収剤及び上記耐光剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系又はヒンダードアミン系の耐光剤などが挙げられる。
【0027】
上記樹脂フィルムは、通常の、Tダイ法、インフレーション法等の溶融成形を用いて、常法に従って、成形することができる。
【0028】
また、本発明において用いられる樹脂フィルムの厚みは、10〜100μmであるのが好ましく、坪量は、10〜100g/m2 であるのが好ましい。
【0029】
本発明において用いられる樹脂フィルムは、弾性伸縮性、巻物にした際のブロッキング防止性、ホットメルト等の接着性の点において優れたものであるので、使い捨ておむつなどの吸収性物品のフィット性向上のための弾性部材として、また医療用テープ基材、衣料、食品ラップ材等の用途に有用である。
【0030】
次いで、本発明の複合シートについて説明する。
本発明の複合シートは、上記樹脂フィルムを繊維集合体上に積層させてなることを特徴とする。
本発明の複合シートにおいて用いられる上記樹脂フィルムは、上述した樹脂フィルムである。尚、上記樹脂フィルムの厚みは、10〜100μmであるのが好ましい。
【0031】
また、本発明において上記樹脂フィルムを積層する上記繊維集合体としては、下記する構成繊維からなる不織布などが挙げられる。
ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維;芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維、例えば鞘成分がポリエチレン又は低融点ポリプロピレンである芯鞘構造の繊維が好ましく挙げられ、該芯/鞘構造の繊維の代表例としては、PET(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/低融点PP(鞘)等の芯鞘構造の繊維。
また、これらの繊維は、単独で用いて不織布を構成してもよいが、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0032】
そして、本発明において用いられる上記繊維集合体は、好ましくは、ヒートロール法、サクションヒートボンド法、スパンレース法、スパンボンド法、メルトブローン法等の公知の製造方法により製造してなるものが挙げられる。
従って、本発明において用いられる繊維集合体としては、上記構成繊維からなる、ヒートロール不織布、サクションヒートボンド不織布、スパンレース不織布及びスパンボンド不織布等が挙げられる。
また、本発明の複合シートを使い捨ておむつのサイドパネル材、ファスニング基材等に用いる目的であれば、伸長可能な不織布を好適に用いることができる。特に横方向(CD方向)に伸長可能な不織布であれば、本発明の樹脂フィルムと複合した際に搬送しやすく(テンションコントロールが容易)、ロール状に巻き取っても安定しているため、伸縮性を有する複合シートに用いられる不織布として好適である。
【0033】
また、上記構成繊維の繊維径は、0.1〜10デニールであるのが好ましく、1〜3デニールであるのが更に好ましい。
また、上記構成繊維の繊維長は、ステープルファイバーを用いた場合には10〜100mmであるのが好ましく、20〜60mmであるのが更に好ましい。
【0034】
また、上記繊維集合体の坪量は、10〜100g/m2 であり、好ましくは、20〜40g/m2 である。
上記繊維集合体の厚みは、0.5g/cm2 加重下における厚みが0.1〜1mmであるのが好ましく、0.2〜0.8mmであるのが更に好ましい。
【0035】
そして、本発明の複合シートは、上記樹脂フィルムと上記繊維集合体とを積層して一体化してなる。
本発明の複合シートの構造としては、樹脂フィルム/繊維集合体の2層構造、樹脂フィルム/繊維集合体/樹脂フィルム及び繊維集合体/樹脂フィルム/繊維集合体の3層構造等種々の構造を採りうる。
具体的に、本発明の複合シートの1形態について図を参照して説明すると、本発明の一形態としての複合シート1は、図1に示すように、樹脂フィルム3と繊維集合体2とが積層されて一体化された、2層構造の複合シートである。
【0036】
ここで、上記複合シート1において、上記樹脂フィルム及び上記繊維集合体は、それぞれ、接着剤を介して貼り合わせられて一体化されている。この際用いられる上記接着剤としては、通常、複合シートの接着に用いられるもの等が、特に制限なく用いられる。
尚、上記一体化は、接着剤による一体化に限定されず、ヒートシールによる一体化など種々の手法による一体化を採用し得る。
【0037】
また、上記複合シートは、接着剤により貼り合わされた上に、更に、熱エンボス加工されているのが好ましく、そのエンボス面積率が複合シート全体に対して40%以下であるのが好ましく、5〜40%であるのが更に好ましい。ここで、上記「エンボス面積率」とは、熱エンボス加工により樹脂フィルムと繊維集合体とが融着されてなる部分(融着部)の面積の複合シート全体の面積に対する比である。
上記エンボス面積率が、40%を超えると、複合シートが硬くなり風合いが低下するので好ましくない。
従って、更に、上記熱エンボス加工されてなる本発明の複合シートは、ピン、点ドット、亀甲、格子、縦縞、横縞、編み目、絵柄等の形状の多数の融着部が、所定のパターンで形成されてなるものである。尚、該所定のパターンは、特に限定されるものではない。
尚、上記凸部の大きさや間隔は、上記エンボス面積率を満足すれば任意である。従って、上記複合シートに形成される融着部間の間隔も所望の融着部の形状に応じて任意であるが、図1に示すように、融着部1aが複合シート1の全面に亘って形成されるようにするのが好ましい。
【0038】
本発明の複合シートは、上記樹脂フィルムを有しているので、柔軟性、伸縮弾性、低刺激性の点で優れている。
従って、表面シートと裏面シートと両シート間に介在する吸収体とを具備する使い捨ておむつ等の吸収性物品の弾性部材、介護用の使い捨てシーツ等の衛生材料や衣料用素材又は雨具や簡易ジャンパ等として有用である。
【0039】
本発明の複合シートは、上記樹脂フィルム上又は上記繊維集合体上に、上記接着剤を塗工し、この塗工した面に上記繊維集合体又は上記樹脂フィルムを貼り合わせ、更に、熱エンボス加工を施す等して、両者を積層させて一体化させる等して製造できる。
上記熱エンボス加工は、上記接着剤塗工工程と同時にインラインで行ってもよく、また、後加工してアウトラインで行ってもよい。
上記熱エンボス加工は、エンボス加工ロールを用いて行うことができる。上記エンボス加工ロールとしては、一般に彫刻ロールと平滑ロールとからなる一対のロールを用いることができる。この際、該彫刻ロールにより押圧される面は、上記ヒートロール繊維集合体の面と上記液体不透過性シートの面との何れの面としてもよい。
上記彫刻ロールとしては、例えば種々のパターンがその表面に彫刻された鉄ロールを用いることができ、一方、上記平滑ロールとしては、ペーパーロール、ゴムロール、シリコンゴムロール、ウレタンゴムロール、金属ロール等を用いることができる。
【0040】
上記熱エンボス加工に際しては、熱エンボス加工される前の上記積層シートを加熱ロールで予備加熱してもよい。また上記エンボス加工ロール自体を加熱可能な加熱ロールとして、熱エンボス加工を施してもよい。
上記熱エンボス加工の温度は、加熱ロールと直接接触する上記ヒートロール繊維集合体の構成繊維または上記液体不透過性シートの融点よりも10℃低い温度以下の温度とすることが好ましい。融点よりも10℃低い温度を超える温度で加熱すると、複合シートがロールに融着したり熱による縮みやシワが発生するので、好ましくない。
【0041】
また、彫刻ロールと平滑ロールとの間に温度差をつけて熱エンボス加工することもでき、この場合には得られる複合シートにおいて柔らかい風合いが得られるため好ましい。
上記彫刻ロールのパターンとしては、ピン、点ドット、亀甲、格子、縦縞、横縞、編み目、絵柄等が挙げられ、特にそのパターンは限定されない。
また、熱エンボス加工する際の線圧は、20〜120kg/cmであるのが好ましい。該線圧が20kg/cm以下であると、熱エンボス加工による効果が低下する場合があり、120kg/cmを超えると、上記複合シートに穴開きが生じ易くなるので、好ましくない。
尚、上記熱エンボス加工の条件は、加工速度による影響が大きいため、これらの範囲に限られるものではない。
【0042】
また、上記接着剤の塗工は、通常の方法により行うことができる。また、接着剤の塗工量は、本発明の所望の効果を損なわない範囲で任意であるが、好ましくは1〜20g/m2 である。
【0043】
次に、図面を参照して本発明の吸収性物品について説明する。
ここで、図2は、本発明の吸収性物品としてのパンツ型の使い捨ておむつの一形態を示す一部破断斜視図である。
【0044】
図2に示す本形態の使い捨ておむつ21は、液透過性の表面シート22、液不透過性の裏面シート23及びこれら両シート22,23間に介在された液保持性の吸収体を具備し、フィット性を向上させる弾性部材10を有する。
【0045】
このような構成は、従来のパンツ型の使い捨ておむつと同様であり、各部材も公知の材料を特に制限なく用いて、通常の形状に形成することができる。
【0046】
而して、本形態の使い捨ておむつ21においては、上記弾性部材10は、上記樹脂フィルムを用いて形成されている。
更に詳述すると、上記使い捨ておむつ21は、腹側部Aの左右両側部と背側部Bの左右両側部とをそれぞれ左右一対のサイドパネル30を介して連結してなるパンツ型の使い捨ておむつであり、上記サイドパネル30は、上記弾性部材10を用いて形成されている。そして、更に、上記弾性部材10は、上記複合シートからなる。
即ち、本形態の使い捨ておむつ21は、サイドパネル30を有するパンツ型の使い捨ておむつであって、上記複合シートからなる弾性部材10により形成された左右一対の該サイドパネル30が設けられているものである。
ここで、上記複合シートとしては、3層構造のもの、即ち、繊維集合体/樹脂フィルム/繊維集合体の構造を有するものを用いている。
【0047】
尚、上記使い捨ておむつ21においては、上記弾性部材10は上記サイドパネル30を形成している弾性部材を意味するものであるが、通常の使い捨ておむつと同様に、ウエスト開口部にウエスト部弾性伸縮部材を、また、レッグ開口部にレッグ部弾性部材を、設けることもできる。そして、この際、ウエスト部弾性伸縮部材及びレッグ部弾性部材の形成材料として、上記の樹脂フィルムを用いることもできる。
本形態のパンツ型の使い捨ておむつ21は、サイドパネル30が上記積層シートにより形成されているので、フィット性に優れたものである。
【0048】
また、図3〜5を参照して、本発明の吸収性物品の他の形態について説明する。
ここで、図3は、本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつの好ましい一実施形態を示す正面図であり、図4は、図3に示す実施形態の使い捨ておむつの展開図である。図5は、図4に示す実施形態の使い捨ておむつの使用形態を示す図であり、図5(a)は、フラップ止着部を止着する際の状態を示す正面図であり、図5(b)は、おむつ止着部を止着する際の状態を示す正面図である。
【0049】
図3及び図4に示す実施形態の使い捨ておむつ101は、液透過性の表面シート102、液不透過性の裏面シート103、及びこれら両シート間に介在する液保持性の吸収体104を具備し、フィット性を向上させる弾性部材を有する。
【0050】
図3及び4に示す実施形態の使い捨ておむつ101について詳細に説明すると、上記吸収体104はその股下領域が縊れた砂時計状に湾曲形成されている。また、上記表面シート102及び上記裏面シート103も上記吸収体104の形状に即してその股下領域が上述の如く湾曲形成されている。そして、上記吸収体104は、上記表面シート102及び上記裏面シート103により挟持・固定されている。また、上記吸収体104の周縁部におけるウエスト部105とレッグ部106とには、おむつを着用した際に、着用者にウエスト部105とレッグ部106とをフィットさせるためのウエスト部弾性伸縮部材107a及びレッグ弾性伸縮部材107bが、それぞれ上記表面シート102と上記裏面シート103とにより固定されて設けられている。
【0051】
上記使い捨ておむつ101の長手方向左右両側には、それぞれ不織布が配されて立体ガード108が形成されている。該立体ガード108の自由端109には立体ガード弾性伸縮部材107cが配されて、ギャザーを形成している。
【0052】
また、本形態の使い捨ておむつ101は、使用時に着用者の腹側に位置する腹側部A及び背中側に位置する背側部Bが形成されている展開型の使い捨ておむつであり、上記背側部A又は腹側部Bの左右両側縁には、それぞれ、伸縮部113を介してフラップ110が連設されている。
上記フラップについて更に詳述すると、左右の該フラップ110a,110bのうちフラップ110aにおける先端部111における表面シート側には、
フラップ止着部114が設けられており、上記フラップ110bの裏面シート側に該フラップ先端部111を当接させることにより、左右の該フラップ110a,110bを着用者の腹側において止着することができるようになされている。また、上記腹側部Aには、その左右両側におむつ止着部120,120・・・が設けられており、該おむつ止着部120,120・・・を、上記フラップ110a,110bに当接させて、おむつの止着ができるようになされている。
【0053】
また、図3及び図4に示すように、上記フラップ110a,110bは、対称的に形成されており、それぞれ、基端部112から先端部111にかけて幅が細くなるようになされている。
また、上記おむつ止着部120,120・・・は、それぞれ上記腹側部Aの左右両側の上下に設けられており、片側2個ずつ合計4個設けられている。
【0054】
また、上記伸縮部113は、各フラップの基端部112側に伸縮部113を有している。
上記伸縮部113について更に詳述すると、該伸縮部113は、上記フラップ110a,110bのフラップ本体115と上記背側部Bの左右両側縁B1,B2とをそれぞれ連結するように設けられている。
上記フラップ110a,110bは、非応力下における該フラップ110a,110bの長さに対して1.2〜2倍の長さに伸長可能であることが好ましい。即ち、上記伸縮部113は、その伸縮により、フラップ全体がフラップ全体の長さに対して1.2〜2倍の長さとなるような伸縮性能を有することが好ましい。該伸長可能な長さが1.2倍未満であると、上記使い捨ておむつ101がその装着時に身体の動きに追従することができずフィット性向上の効果が低下し、2倍を超えると、装着する時の操作性が悪くなるので、好ましくない。ここで、「非応力下」とは、外力が何もかかっていない状態を意味する。
【0055】
上記フラップ本体115の長さL1と上記伸縮部113の長さL2との比は(図4参照)、L1:L2=90〜0:10〜100であることが好ましい。従って、L1とL2との比の大小によって、上記フラップ本体115が上記フラップ止着部114及び上記おむつ止着部120の被止着部となる場合と、上記伸縮部113が上記フラップ止着部114及び上記おむつ止着部120の被止着部となる場合とがある。
【0056】
次に、上記フラップ止着部114、上記おむつ止着部120及び上記フラップ110a,110bの形成材料について説明する。
【0057】
上記フラップ止着部114及び上記おむつ止着部120は、それぞれ、機械的ファスナーの凸部材により形成されている。該機械的ファスナーの凸部材としては、基材シート上に錨型のオス型係合部材が多数配されたものや、基材シート上に釣型のオス型係合部材が多数配されたもの等を挙げることができる。また、「マジックテープ」(登録商標、クラレ社製)、「クイックロン」(登録商標、YKK社製)、「マジクロス」(登録商標、カネボウベルタッチ社製)等の市販品を用いることもできる。
【0058】
また、上記フラップ110a,110bにおける上記フラップ本体115は、不織布で形成されており、上記フラップ止着部114及び上記おむつ止着部120における上記機械的ファスナーの凸部材に対して係合可能になされている。
【0059】
上記不織布としては、通常使い捨ておむつに用いられるものであれば特に制限無く用いることができる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等熱可塑性樹脂の単独樹脂から成形されるフィラメント;鞘芯型や並列型複合フィラメントを用い、通常の溶融紡糸により、フィラメントを必要に応じて延伸し、クリンピング処理し、切断した短繊維を熱、接着剤等で点接着するか、又は水流、針等で交絡させてなる不織布、即ち、湿式法、乾式法、スパーンレース法又はスパンボンド法等により形成されてなる不織布などが用いられる。また、多層フィラメントを成形した後、該多層フィラメントを外力によって分割した分割フィラメントからなる不織布を用いることもできる。更に、メルトブローン或いはスパンボンド成形法により直接成形される不織布を用いることもできる。
中でも、高弾性樹脂を芯にし、低弾性及び/又は低融点樹脂を鞘に用いた鞘芯型複合フィラメントを用いてなる不織布は、風合い及び弾力性が良好であり、また生産性、安全性及びコストの点から好ましい。この際用いられる上記複合フィラメントとしては、芯/鞘が、PET/PE、PP/PE、PET/PPである、ポリオレフィン系鞘芯型複合フィラメントが挙げられる。
一般に、上記機械的ファスナーの凸部材に対して良好な係合性を得ようとするならば、嵩の高い、上記短繊維のサーマルボンド若しくはニードルパンチ不織布、又は繊維自由度が比較的大きいスパンレース不織布を用いることが好ましい。
【0060】
また、上記不織布に用いられる上記フィラメントは、得られる不織布の柔軟性及び風合いから、その太さが細い程好ましく、特に好ましい太さは3デニール以下であり、下限は特に制限されないが0.1デニール位までである。これ未満であると製造が困難である。また、上記不織布の坪量は、5〜200g/m2 が好ましく、10〜50g/m2 が特に好ましい。また、0.5g/cm2 加重下の厚さは、15〜700μmが好ましく、特に好ましくは30〜400μmである。
【0061】
上記フラップ止着部114及び上記おむつ止着部120は、上記の形成材料(機械的ファスナーの凸部材)を、それぞれ、フラップ110又は腹側部Aの表面シート側に接着固定するなどして容易に形成することができ、また、上記フラップ110a,110bは、超音波シール(熱融着)、接着剤固定等して形成することができる。
【0062】
上記ウエスト部弾性伸縮部材107a、上記レッグ部弾性伸縮部材107b及び上記立体ガード弾性伸縮部材107cとしては、それぞれ、糸ゴム、平ゴム、フィルムタイプのゴム、或いはポリウレタン又はメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体の弾性フィルム、糸ゴム、平ゴム、発泡体等が好ましく挙げられ、特に50%伸長時の応力が40〜150グラムのものが好ましい。なお、上記ウエスト部弾性伸縮部材107aが配されて形成された腹側部Aにおけるウエストギャザーの伸縮度は1.1〜2.0倍であることが好ましい。また、これらの形成材料として、上記の本発明の樹脂フィルムを用いることもできる。
【0063】
また、上記立体ガード108を形成する上記不織布としては、通常おむつに用いられるものを特に制限なく用いることができる。
【0064】
而して、図3及び図4に示すように、本形態の使い捨ておむつ101は、上記弾性部材10が、上記の本発明の樹脂フィルムを用いて形成されている。
更に詳述すると、上記弾性部材10は、上記複合シートにより形成されている。
即ち、本形態の使い捨ておむつ101は、上記複合シートからなる上記弾性部材10により形成された上記伸縮部113が設けられている。
ここで、上記複合シートとしては、3層構造のもの、即ち、繊維集合体/樹脂フィルム/繊維集合体の構造を有するものを用いている。
【0065】
次に、図3に示す実施形態の使い捨ておむつ101の装着方法について図5を参照して説明する。
本実施形態の使い捨ておむつ101を着用するには、先ず、図5(a)に示すように、着用者130の背側の腰部に上記背側部を当接させた後、上記フラップ110a,110bを着用者130の腰部に沿って腹側にもってくる。次いで、図5(a)中の矢印で示すように、上記フラップ110b上に上記フラップ110aが重なるようにし、上記フラップ110aの先端部における上記フラップ止着部114を上記フラップ110bの裏面シート側に係合させて止着する。
次いで、上記腹側部を着用者130の股間に沿って腹側に引き上げ、図5(b)に示すように、上記おむつ止着部120を、上記フラップ110a,110bの裏面シート側に係合させて止着する。
【0066】
本実施形態の使い捨ておむつ101は、上述のような構成を有しているので、装着時における操作性に優れ、また、フィット性にも優れる。特に上記伸縮部113を有しているので、着用者の動きに上記フラップ110が追従し、特にフィット性が良好である。とりわけ、上記伸縮部113を特定の成分の組み合わせからなる2成分系伸縮弾性複合繊維を構成繊維として用いた伸縮弾性繊維集合体を含むシートから形成しているので、上記使い捨ておむつ101の装着感が一層快適なものとなる。
更に、上記フラップ止着部114の上記フラップ110に対する結合力が、上記伸縮部113の伸縮性により向上する。
【0067】
以上、本発明の吸収性物品を、図2〜5を参照して、その好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明の使い捨ておむつは上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更形態が可能である。
例えば、図3〜5に示す形態において、上記フラップ10は、全体が上記複合シートにより形成されていてもよい。
また、上述の形態においては、いずれも、使い捨ておむつを例示して説明したが、本発明の吸収性物品は、他の生理用ナプキンや失禁パッドにも適用可能である。
更に、本発明の吸収性物品としては、通常のウエスト部及びレッグ部に、上記の本発明の樹脂フィルムからなる弾性部材を有してなる使い捨ておむつなどの形態とすることもできる。
【0068】
次に、本発明の吸収性物品の他の形態としての使い捨ておむつを、図6〜図9を参照して説明する。
ここで、図6は、本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつを裏面シート側からみた一部破断平面図であり、図7は、図6に示す使い捨ておむつにおけるファスニングテープを示す拡大斜視図であり、図8は、図6に示すファスニングテープの別の形態を示す拡大斜視図であり、図9は、図6に示すファスニングテープの他の形態を示す拡大斜視図である。
尚、図6〜図9に示す使い捨ておむつにおいて特に詳述しない点は従来の使い捨ておむつと同様になされている。また、図6〜図9において同じ部材には同じ符号を付してある。
【0069】
図6に示す展開型使い捨ておむつ200は、液透過性の表面シート211、液不透過性の裏面シート212及び両シート間に介在する液保持性の吸収体226を備えている。また、該使い捨ておむつ200は、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部C及び背側に位置する背側部Aを有している。
また、上記表面シート211上には、防漏シート232aをおむつの外方側に固定して形成された、おむつの内方側に自由端232bを有する立体ガード232が配されている。
【0070】
また、おむつの着用時において着用者のウエストに位置する腹側ウエスト部213及び背側ウエスト部214並びに脚周りに位置するレッグ部には、それぞれ、ウエスト部弾性部材223,223’及びレッグ部弾性部材222,222’が配されている。また、上記立体ガード232においても、その上記自由端232bには、立体ガード弾性部材234,234’が配されている。該立体ガード弾性部材234,234’は、該立体ガード232におけるおむつの内方側の自由端232bにおいて、上記防漏シート232aの端縁側を管状に折り返すことより、該防漏シート232aにより被覆されて配されている。
【0071】
上記表面シート211及び上記裏面シート212としては、従来使い捨ておむつにおいて用いられている材料と同様のものを特に制限無く用いることができるが、特に、上記裏面シート212として、不織布とフィルムとを積層してなる複合シートを用い、該複合シートの不織布側がおむつの外方を向くように配設することが、使い捨ておむつに布様の風合いを付与し得る点から好ましい。また、この場合には、上記不織布が機械的ファスナの凸部材と係合することを利用して、後述するファスニングテープ215に上記凸部材を設けることによって、上記ランディングテープを省略できるという利点もある。
上記複合シートは、透湿性を有していることが着用中のムレの防止の点から好ましい。該複合シートに透湿性を付与するためには、例えば上記フィルムとして透湿性を有するものを用いればよい。上記複合シートの透湿度(JIS Z 0208)は0.5g/(cm2 ・h)以上であることが好ましく、1.0g/(cm2 ・h)以上であることが更に好ましい。尚、該複合シートの透湿度の上限に特に制限はないが、耐水性等を考慮すると5.0g/(cm2 ・h)程度までである。また、耐水圧(JIS L1092)は、50cm以上が好ましく、さらに好ましくは100cm、特に好ましくは200cm以上とするのが好ましい。
【0072】
而して、上記背側部Aの左右両側縁部A’,A”には、止着部材としてのファスニングテープ215がそれぞれ設けられており、上記ファスニングテープ215は、上記弾性部材を用いて形成されている。
このようにファスニングテープ215が設けられていることにより、おむつの着用時に上記背側部Aと上記腹側部Cとが保持・固定されるようになされている。 また、腹側部Cの略中央部には、上記ファスニングテープ止着用のランディングテープ254が設けられている。
【0073】
更に詳述すると、上記ファスニングテープ215は、図6に示すように、上記表面シート211と上記裏面シート212との間に挟持され接合・固着された基端部262と、該基端部262に連設されており且つ上記弾性部材(図7参照)により形成されている伸縮部265と、該伸縮部265に連結されており且つ機械的ファスナの凸部材又は凹部材を有する係止部263と、該係止部263に連設されている摘み部264とからなる。そして、本形態において、上記弾性部材としては、本発明の複合シートからなるものが用いられている。ここで、上記複合シートは、少なくとも上記不織布がおむつの表面シート側に向くように配されている。
【0074】
上記背側部Aにおける上記ファスニングテープ215間の位置には、上記裏面シート212と上記吸収体26との間に胴回り弾性部材280が伸長状態で配設されている。図6においては、上記胴回り弾性部材280は上記ファスニングテープ215間全域に亘って3本配設されている。また、各胴回り弾性部材280はそれぞれ、上記ファスニングテープ215の基端部262における幅よりも内側に位置するように配設されている。上記胴回り弾性部材280を伸長状態で配設することにより、上記ファスニングテープ215間は、伸縮性を有する部位となり、該部位は該胴回り弾性部材280により襞付け(ギャザリング)される。これによって、上記ファスニングテープ215の止着時に剪断力が発生するようになり、後述するように、該ファスニングテープ215に機械的ファスナの凸部材又は凹部材を設けることによって、該ファスニングテープ215の係合力が一層増加する。
【0075】
上記ファスニングテープ215の構造について、図7を参照して更に詳述すると、上記基端部262と上記伸縮部265とは、同じ材料、即ち上記複合シートにより一体に形成されており、上記伸縮部265と上記係止部263とは、接合部268を介して連結されている。
【0076】
上記係止部263は、フィルムシート及び該フィルムシート上に設けられた機械的ファスナのオス部材又はメス部材により形成されている。また、上記摘み部264は、上記系部263から延出した上記フィルムシートから形成されている。尚、上記係止部263が機械的ファスナのオス部材を備えている場合には、上記ランディングテープ254としては、機械的ファスナーのメス部材から形成されたものが用いられ、逆に上記係止部263が機械的ファスナのメス部材を備えている場合には、上記ランディングテープとしては、機械的ファスナのオス部材から形成されたものが用いられる。
該機械的ファスナのオス部材としては、基材シート上に錨型のオス型係合部材が多数配されたものや、基材シート上に釣型のオス型係合部材が多数配されたもの等を挙げることができる。また、該機械的ファスナのメス部材としては、各種不織布やトリコット編物等の編物を挙げることができる。
【0077】
上記接合部268は、通常の接合方法を特に制限なく用いて上記伸縮部265と上記係止部263とを接合することにより形成されるが、図4においては、上記伸縮部265の一端と上記係止部263の一端とを部分的に加熱融着させる等して部分的に接着することにより接合している。
また、上記基端部262は、部分的に加熱融着させる等して部分的に接着することにより上記表面シート211及び上記裏面シート212に接合しても良く、また、ヒートエンボスや超音波シールなどにより接合してもよい。
【0078】
図6に示す使い捨ておむつ200は、上述の如く構成されているので、上記ファスニングテープ215の伸縮部265を引き伸ばして係止部263をランディングテープ254に止着をすることができ、フィット性に優れ、漏れ防止性に優れると共に、装着中に上記ファスニングテープが装着者に当たっても皮膚刺激性の少ないものである。また、引き伸ばされた上記伸縮部265の収縮により生ずる剪断力によって上記凸部材と上記凹部材との係合力が一層増加し、着用中における上記ファスニングテープの剥がれが効果的に防止される。
【0079】
次に、図8を参照して、上記の形態の使い捨ておむつに用いられるファスニングテープの他の形態について詳述する。
図8に示す形態のファスニングテープ215Aは、基端部262Aが幅広となされており、また、伸縮部265Aが基端部262A側に向かうに従って幅広となるように形成されており、これによってフィット性が更に向上するようになされている。この場合、上記ファスニングテープ215Aの固定端における幅W1(即ち、図5中、A”が横切る部分の幅)と先端部(即ち、摘み部264Aの先端)における幅W2との比(W1:W2)は、1:1(即ち、図4に示す場合)〜5:1であることがフィット性の点から好ましく、2:1〜3:1であることが更に好ましい。尚、これ以外の点は、全て上述した図6及び図7に示す形態のファスニングテープと同じであり、上述した説明が適宜適用される。
【0080】
次に、図9を参照して、上記の形態の使い捨ておむつに用いられるファスニングテープの他の形態について詳述する。
図9に示す形態のファスニングテープ215Bは、全体が上記複合シートにより一体に形成されている。そして、先端部からやや内側の位置に機械的ファスナの凸部材又は凹部材がホットメルト等の接着剤により接合されており、係止部263Bを形成している。該係止部263Bの左端から上記ファスニングテープの固定端(即ち、図5中、A”が横切る部分)までの領域は伸縮部265Bとして機能し、また、該係止部263Bの右端から先端部までの領域は摘み部264Bとして機能する。本形態のファスニングテープにおいては、上記伸縮部265Bが実質的に伸縮可能な部位であり、その長さ(図6中符号Dで示す)は、5〜50mm、特に10〜30mmであることがフィット性向上の点から好適である。また、図9に示す形態のファスニングテープ215Bは、図7に示す形態のファスニングテープと同様に、基端部262Bが幅広となされており、また、伸縮部265Bが基端部262B側に向かうに従って幅広となるように形成されており、これによってもフィット性が向上するようになされている。
【0081】
尚、図6〜図9に示す使い捨ておむつにおけるファスニングテープの係止部としては、上述の機械的ファスナの凸部材又は凹部材に代えて、粘着剤を用いてもよい。この場合には、非使用時に該粘着剤が塗布された面を保護するためのリリーステープを該面に貼設して使用する。
【0082】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0083】
〔実施例1〜12〕
〔表1〕に示す、エチレン−α−オレフィン共重合体、有機脂肪酸アミド及びアンチブロッキング剤を、〔表1〕に示す配合量で配合して、下記の製造方法に準してフィルム化して、〔表1〕に示す坪量を有する樹脂フィルムを得た。
(製造方法)
Tダイを有する単軸押出機(φ50)を用い、温度200℃(ダイ温度)、成形速度10m/minで成形して、製造した。
【0084】
得られた樹脂フィルムについて下記の如くブロッキング強度、ホットメルト剥離力(HM剥離力)、100%伸張時の強度及び永久歪みを測定した。その結果を〔表1〕に示す。
【0085】
<ブロッキング強度>
得られた樹脂フィルムを50×55mmのサイズの長方形状に切断し短冊状サンプルを得た。得られた短冊状サンプルを一方の表面と他方の裏面とが接するように2枚重ねて、その上に10kgの荷重を乗せ、40℃/80%の環境条件で24時間保存した。
保存終了後、下記の条件で180°剥離試験を行い、この値をブロッキング強度とした。
〔180°剥離試験の条件〕
貼り合わされたサンプルにおける互いに対向する両端縁を通常の180°剥離試験と同様に180°方向に引っ張り速度300mm/minで引っ張り、完全に剥離するまでに要した力を測定した。
【0086】
<HM剥離力>
得られた樹脂フィルムを30×100mmの長方形状に切断し、短冊状サンプルを得た。別に、30×100mmの長方形状のポリエチレンテレフタレートフィルムの一端部に、30×30mmの正方形状のHM接着剤塗工シートを貼り合わせて、被着体を形成した。そして、得られた短冊状サンプルを、該被着体に、両者の端縁が相互に沿うように貼り合わせた後、5kg/cm2 の圧力で5秒間加圧して、測定用サンプルを得た。
得られた測定用サンプルについて、ブロッキング強度と同様の180°剥離試験を行い、これをHM剥離力とした。
【0087】
<100%伸張時の強度>
巾25mmで帯状に裁断して得た試料を、チャック間距離を100mmとして、測定機械(オリエンテック社製)により、引っ張り速度を300mm/min、戻りの強度を300mm/minとして、下記の如くして100%伸長させた応力を測定して、これを100%伸張時の強度とした。
<永久歪み>
100%伸長時の強度と同じ測定機械を用い、同じ測定条件で100%伸長させ、再び戻した際に初期長さに戻らない部分の割合(長さの割合)を求め、下記数式(1)で得られる%を永久歪みとした。
〔(100%伸長後に戻した時の長さ−初期長さ)/初期長さ〕×100%・・・・・(1)
【0088】
【表1】
Figure 0003868597
【0089】
尚、表中、「M−1 0.5」及び「M−2」とあるのは、M−1なる有機脂肪酸アミドのマスターバッチを所定重量%配合したこと及びM−2なるアンチブロッキング剤のマスターバッチを所定重量%配合したことを表す。これは、たとえば有機脂肪酸アミド含量が5重量%のマスターバッチを0.5重量%配合したものであるから実際の有機脂肪酸アミドの配合量は0.5×5重量%で0.025重量%であり、また、アンチブロッキング剤含量が15%重量%のマスターバッチを8重量%配合したものであるので実際のアンチブロッキング剤の配合量は8×15重量%で1.2重量%であることを意味する。
即ち、有機脂肪酸アミド及びアンチブロッキング剤について表中に示した配合量は見かけ上の配合量であり、実際の配合量は、表に示した重量%にマスターバッチ中に含まれる有機脂肪酸アミド又はアンチブロッキング剤の含量をかけ合わせた量である。これについては、後述の〔表2〕及び〔表3〕についても同じである。
【0090】
〔実施例13〜17〕
〔表2〕に示す、エチレン−α−オレフィン共重合体、有機脂肪酸アミド(M−3)及びアンチブロッキング剤を、〔表2〕に示す配合量で配合して、実施例1と同様にフィルム化して、〔表2〕に示す坪量を有する本発明の樹脂フィルムを得た。
得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同様にブロッキング強度、ホットメルト剥離力(HM剥離力)、100%伸張時の強度及び永久歪みを測定した。その結果を〔表2〕に示す。
【0091】
【表2】
Figure 0003868597
【0092】
〔実施例18〜20〕
〔表3〕に示す、エチレン−α−オレフィン共重合体、有機脂肪酸アミド(M−1、M−4)、アンチブロッキング剤を、〔表3〕に示す配合量で配合して、実施例1と同様にフィルム化して、〔表3〕に示す坪量を有する本発明の樹脂フィルムを得た。
得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同様にブロッキング強度、ホットメルト剥離力(HM剥離力)、100%伸張時の強度及び永久歪みを測定した。その結果を〔表3〕に示す。
【0093】
【表3】
Figure 0003868597
【0094】
〔実施例21〕
ポリプロピレン(繊度2d)の繊維を用いてスパンレース法に準じて不織布を製造した。得られた不織布の0.5g/cm2 加重下での厚みは0.6mmであり、、坪量は25g/m2 であり、常法による破断伸度は150%であった。
次いで、得られた不織布と実施例12で得られた樹脂フィルムとを用いて3層構造の複合シートを製造した。
各層の貼り合わせは面積が0.8mm2 である円形パターンがランダムドットの配列をなし、各円形パターンが3.0mmの間隔で配置されたロールを用いてホットメルト〔SBS(スチレン/ブタジエン/スチレン)ゴム系ホットメルト〕を転写することにより行った。また、その際のホットメルトの目付は5g/cm2 とした。
【0095】
〔比較例1〕
実施例20において、オレイン酸アミドの代わりにエルカ酸アミドを用いた(このマスターバッチを「M−5」という)。その結果を〔表3〕に示す。
【0096】
【発明の効果】
本発明に用いられる樹脂フィルムは、柔らかさ、弾性回復性に優れ、成形性、ハンドリング性が良好で生産性に優れたものである。
本発明の複合シートは、上記樹脂フィルムを用いてなるので、柔軟性、伸縮弾性、低刺激性の点で優れている。
更に、本発明の吸収性物品は、フィット性を向上させるために、本発明の複合シートからなる弾性部材を有しているので、フィット性に優れると共に、特に風合いが良好なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の複合シートにおける接着剤の塗工形態の1形態を示す拡大平面図である。
【図2】図2は、本発明の吸収性物品としてのパンツ型の使い捨ておむつの一形態を示す一部破断斜視図である。
【図3】図3は、本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつの好ましい一実施形態を示す正面図である。
【図4】図4は、図3に示す実施形態の使い捨ておむつの展開図である。
【図5】図5は、図5に示す実施形態の使い捨ておむつの使用形態を示す図であり、図5(a)は、フラップ止着部を止着する際の状態を示す正面図であり、図5(b)は、おむつ止着部を止着する際の状態を示す正面図である。
【図6】図6は、本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつを裏面シート側からみた一部破断断面図である。
【図7】図7は、図6に示す使い捨ておむつにおけるファスニングテープを示す拡大斜視図である。
【図8】図8は、図6に示すファスニングテープの別の形態を示す拡大斜視図である。
【図9】図9は、図6に示すファスニングテープの他の形態を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 複合シート
2 樹脂フィルム
3 繊維集合体

Claims (5)

  1. 樹脂フィルムを、繊維集合体上に積層させて一体化させてなる複合シートであって、
    前記樹脂フィルムは、(A)密度が0.850〜0.900g/cm3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対して、(B)融点が60〜80℃の有機脂肪酸アミド(エルカ酸アミドを含まず)0.01〜0.5重量部、及び(C)アンチブロッキング剤0.1〜5重量部を含有する樹脂組成物からなり、上記エチレン−α−オレフィン共重合体がエチレン−1−オクテン共重合体であり、永久歪みが0〜50%であることを特徴とする複合シート
  2. 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備し、フィット性を向上させる弾性部材を有する吸収性物品において、
    上記弾性部材は、請求項1記載の複合シートを用いて形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  3. 上記吸収性物品は、腹側部の左右両側部と背側部の左右両側部とをそれぞれ左右一対のサイドパネルを介して連結してなるパンツ型の使い捨ておむつであり、
    上記サイドパネルは、上記弾性部材を用いて形成されていることを特徴とする請求項記載の吸収性物品。
  4. 上記吸収性物品は、使用時に着用者の腹側に位置する腹側部及び背中側に位置する背側部が形成されている展開型の使い捨ておむつであり、
    上記背側部又は上記腹側部の左右両側縁には、それぞれ、伸縮部を介してフラップが連設されており、
    上記伸縮部は、上記弾性部材を用いて形成されていることを特徴とする請求項記載の吸収性物品。
  5. 上記吸収性物品は、使用時に着用者の腹側に位置する腹側部及び背中側に位置する背側部が形成されており、
    上記背側部には、おむつをその使用時に止着するファスニングテープが設けられており、該ファスニングテープは、上記弾性部材を用いて形成されていることを特徴とする請求項記載の吸収性物品。
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