JPH11106524A - 樹脂フィルム、該樹脂フィルムを用いてなる複合シート及びこれらを用いてなる吸収性物品 - Google Patents

樹脂フィルム、該樹脂フィルムを用いてなる複合シート及びこれらを用いてなる吸収性物品

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JPH11106524A
JPH11106524A JP9273006A JP27300697A JPH11106524A JP H11106524 A JPH11106524 A JP H11106524A JP 9273006 A JP9273006 A JP 9273006A JP 27300697 A JP27300697 A JP 27300697A JP H11106524 A JPH11106524 A JP H11106524A
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美佐夫 椋井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔らかさ、弾性回復力に優れ、成形性、ハン
ドリング性が良好で、低刺激で、生産性に優れ、二次加
工時の接着性にも優れた樹脂フィルム、該樹脂フィルム
を用いた複合シート及び該樹脂フィルム又は該複合シー
トを用いた吸収性物品を提供すること。 【解決手段】 密度が0.850〜0.900g/cm3
あるエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に
対して、融点が60〜80℃の有機脂肪酸アミド0.0
1〜0.5重量部、及びアンチブロッキング剤0.1〜
5重量部を含有する樹脂組成物からなる樹脂フィルム、
該樹脂フィルム2を、繊維集合体3上に積層・一体化し
てなる複合シート1、及び表面シート、裏面シート及び
これら吸収体を具備し、フィット性を向上させる弾性部
材を有し、該弾性部材は、該樹脂フィルムを用いて形成
されている吸収性物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用テープ材、
食品ラップフィルムや使い捨ておむつ等の吸収性物品の
弾性部材等として有用な樹脂フィルム、該樹脂フィルム
を用いてなる複合シート、及び該樹脂フィルム又は複合
シートを用いてなる、使い捨ておむつ等の吸収性物品に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】使い捨
ておむつなどの吸収性物品においては、そのフィット性
を向上させるために、弾性部材が用いられている。この
ような弾性部材としては、ウレタンやスチレン系エラス
トマー等の材料をフィルム状に成形してなるフィルムな
どが用いられている。しかしながら、これらの材料は、
成形性がよくなかったり、通常フィルムの巻物とし
て適宜該巻物からフィルムを引き出して使用するが、こ
の際該巻物がブロッキングしたり、ホットメルト接着
剤での接着性が悪かったりして使用しにくい、等の問題
があった。
【0003】また、ウレタンからなるフィルムは、モ
ジュラスが高いために、おむつのギャザー用として用い
た場合、広い面積でソフトにフィットさせるためにはフ
ィルムの厚さを薄くする必要がある。しかし、薄いフィ
ルムは製造するのが難しく、また、ブロッキング等の問
題を有している。更に、ウレタン系材料は耐光性が低
く、光劣化のために黄変するという問題も有している。
一方、スチレン系エラストマーは特有の臭気を有するた
め、おむつ等の衛生用品への使用には実用的ではなく、
また、臭気を有さない安定したものは高価であり、実用
的でない。更に、この種のエラストマーは、一般的にベ
タつきが高く、ハンドリング性が悪く、扱いにくいとい
う問題を有する。特におむつのウエストギャザー用とし
ては、柔軟であることが必要とされ、且つ使用する際の
幅も狭いものが現状である。このため、スチレン系エラ
ストマーからなる柔軟な幅狭の材料を巻きくずれること
なしに巻き上げると、柔軟性がゆえにブロッキングが激
しく、細幅であるために巻出する際に操出しにくくなる
という問題がある。
【0004】一方、種々の加工機で成形性の良好な樹脂
としてエチレン−α−オレフィン共重合体(直鎖状低密
度ポリエチレン:LLDPE)が知られている。しかし
ながら、このような成形性の良好なエチレン−α−オレ
フィン共重合体では、柔らかさや弾性回復力が不足して
いる。そこで、弾性回復性に優れた密度0.850〜
0.900g/cm3 のエチレン−α−オレフィン共重合体
を用いることも提案されているが、このような密度を有
するエチレン−α−オレフィン共重合体(この共重合体
を「特定密度共重合体」という)は、弾性回復性(特に
長鎖分岐含有共重合体)には優れるものの、滑性、対ブ
ロッキング性に劣り、実用性に乏しいものであった。こ
のため、一般的には、上記特定密度共重合体を、フィル
ム成形性、ハンドリング性の立場から、密度0.900
g/cm3 以上の直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)と
の混合組成物として用いる方法が提案されている。しか
し、上記混合組成物は、上記特定密度共重合体における
フィルム成形性、ハンドリング性は改善するものの、柔
らかさや弾性回復力は要求されているレベルより低下
し、上記特定密度共重合体本来の物性を生かすことがで
きない。
【0005】また、密度0.900g/cm3 以下のエチレ
ン−α−オレフィン共重合体を用いてなるフィルムも提
案されているが、該フィルムは、上述の如く実用性の低
いものであったため、高密度のポリオレフィンを用いて
なるフィルムと積層されて多層フィルムとして用いられ
ている。しかし、上記多層フィルムでは、フィルム密度
が高く十分な伸縮物性を有さず、又成形性、ハンドリン
グ性も不十分で生産性にも劣るという問題があった。こ
のため、該エチレン−α−オレフィン共重合体には、融
点が84℃のエルカ酸アミドとシリカとを添加剤として
組み合わせて用いることが知られている。しかし、特に
フィルムの厚さが厚い(フィルムの領域が100μm程
度の)レベルにあったり、フィルムを巻き物にする際の
フィルムの幅がある程度広がったりする場合には、エル
カ酸アミドとシリカ等のフィラーの組み合わせが効果を
有することはあるものの、厚さ100μm以下のフィル
ムで、しかも巻き物にした際のフィルム幅が、例えば5
5mmと極端に狭いものの場合には、エルカ酸アミドで
は十分な効果が得られていない。また、このような組み
合わせのフィルム単層では、フィルムとしての成形性、
ハンドリング性が十分でないため、生産性に劣るという
問題があり、さらに、二次加工時の接着性も低下すると
いう別の問題がある。また、成形性を向上させるために
他の添加剤を添加すると、2次加工時の接着性がさらに
低下するという問題があった。
【0006】従って、本発明の目的は、柔らかさ、弾性
回復力に優れ、成形性、ハンドリング性が良好で且つ低
刺激で、生産性に優れ、二次加工時の接着性にも優れた
樹脂フィルム、該樹脂フィルムを用いてなる複合シート
及び該樹脂フィルム又は複合シートを用いてなる吸収性
物品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の樹脂組成物から
なる樹脂フィルムが上記目的を達成しうることを知見し
た。
【0008】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、(A)密度が0.850〜0.900g/cm3 であ
るエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対
して、(B)融点が60〜80℃の有機脂肪酸アミド
0.01〜0.5重量部、及び(C)アンチブロッキン
グ剤0.1〜5重量部を含有する樹脂組成物からなるこ
とを特徴とする樹脂フィルムを提供するものである。
【0009】また、本発明は、上記樹脂フィルムを、繊
維集合体上に積層させて一体化させてなることを特徴と
する複合シートを提供するものである。
【0010】また、本発明は、液透過性の表面シート、
液不透過性の裏面シート及びこれら両シート間に介在さ
れた液保持性の吸収体を具備し、フィット性を向上させ
る弾性部材を有する吸収性物品において、上記弾性部材
は、上記樹脂フィルムを用いて形成されていることを特
徴とする吸収性物品を提供するものである。。
【0011】
【発明実施の形態】以下、まず、本発明の樹脂フィルム
について説明する。本発明の樹脂フィルムは、特定の密
度を有するエチレン−α−オレフィン共重合体と、特定
の融点を有する有機脂肪酸アミドと、アンチブロッキン
グ剤とを、特定の配合割合で配合してなる樹脂組成物か
らなることを特徴とする。
【0012】本発明において用いられる上記エチレン−
α−オレフィン共重合体が有する上記の特定の密度は、
0.850〜0.900g/cm3 であり、好ましくは0.
860〜0.880g/cm3 である。上記密度が0.85
0g/cm3 未満であると引張強度が低下し、また、0.9
00g/cm3 を超えると吸収性物品に組み込んだ際に
該吸収性物品の風合いが低下する。ここで、上記密度
は、通常公知のポリマーの密度測定と同様にして測定さ
れるものである。
【0013】上記エチレン−α−オレフィン共重合体
は、その永久歪みが50%以下であるのが好ましく、0
〜30%であるのが更に好ましい。また、ヒステリシス
比が5.0以下であるのが好ましく、1.0〜3.5で
あるのが更に好ましい。上記永久歪みが50%以下であ
ることにより、上記弾性部材の固定可能領域を広くする
ことができ、上記ヒステリシス比が5.0以下であるこ
とにより、応答性が良くなるので、それぞれ、上記範囲
内であるのが好ましい。一方、上記永久歪みが50%を
超えると又は上記ヒステリシス比が5.0を超えると、
吸収性物品の弾性部材として用いた際に形成されるギャ
ザー部の体に対するフィット性が低下するので、好まし
くない。
【0014】上記永久歪み及び上記ヒステリシス比は、
それぞれ、下記の如くして測定されるものである。 永久歪みの測定法;下記のヒステリシス比の測定法と同
様にして、試料を100%延伸した後、初期のチャック
間距離とした際の試料の長さを測定し、100%延伸し
た場合の初期長さ(初期のチャック間距離)に対する弛
緩できない長さ(初期長さよりも伸びて長くなった部分
の長さ)の割合(%)を求め、これを永久歪みとした。 ヒステリシス比の測定法;各試料の伸縮性を調べる為、
積算装置付伸長試験機を使って、ヒステリシス比を測定
した。即ち、上記試料フィルムより幅25mm(厚み5
0μm)の試片を作成し、該試片を上記試験機にチャッ
ク間距離が100mmとなるように固定し、次いで、各
試料を300mm/minの速度で100%延伸して延
伸曲線を作成し、引き続き同じ速度で緩めてチャック間
が初めの長さの100mmになった所で緩めるのを止め
て弛緩曲線を作成し、各々延伸曲線下及び弛緩曲線下の
面積を測定し、これらを次式に代入して、ヒステリシス
比を算出した。 ヒステリシス比=延伸曲線下の面積/弛緩曲線下の面積 ここで、真のエラストマーのヒステリシス比は、1.0
であるため、試料のヒステリシス比を測定した場合にヒ
ステリシス比が5未満のシート、フィルム、フィラメン
トが生理用ナプキン等の衛生品用の弾性材料として適し
ている。
【0015】上記エチレン−α−オレフィン共重合体と
しては、上記密度を満足するものであれば特に制限され
ないが、炭素数が3〜30のα−オレフィン、具体的に
は例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル
ペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメ
チルペンテン−1、オクタデセン等のα−オレフィン
と、エチレンとを共重合させてなる共重合体が好ましく
挙げられる。また、α−オレフィンは、2種以上用いる
こともできる。さらに上記密度を満足するものであれ
ば、二種以上の共重合体を混合して用いることもでき、
本発明の効果を阻害しない範囲で他の重合体(共重合
体)を含有させることもできる。
【0016】上記エチレン−α−オレフィン共重合体の
製造方法としては、メタロセン系触媒を使用することに
よってエチレンとα−オレフィンを共重合させる重合方
法が好ましい。該重合方法としては、具体的には、回分
式、半回分式、連続式あるいはこれらの組み合わせから
なる共重合反応によって製造でき、この際用いられる重
合方式としては、気相重合法、溶液重合法、バルク重合
法、スラリー重合法などが採用できる。重合圧力は常圧
〜100kg/cm2 、重合温度は常温〜200℃程度で
ある。
【0017】共重合体の製造に用いられる上記メタロセ
ン系触媒(シングルサイト触媒)としては、従来公知の
触媒が用いられる。例えばチタン、ジルコニウム、ハフ
ニウムなどの遷移金属を有するメタロセン化合物と有機
アルミニウムオキシ化合物またはアルキルなどの置換ホ
ウ素化合物、必要により有機アルミニウム化合物からな
る触媒がある。触媒は必要に応じ担体に担持させて用い
られる。また、メタロセン触媒としては、例えば、幾何
拘束型と呼ばれる特殊な構造を有する配位子を持ったも
のも好適に用いられる。
【0018】上記エチレン−α−オレフィン共重合体に
おけるエチレンとα−オレフィンとの共重合比は、密度
が上記範囲内にあれば特に制限されないが、通常α−オ
レフィンの含有量が2〜40モル%となる程度の共重合
比である。また該共重合体は実質的に線状であってもよ
く、炭素1000個当たり約0.01〜5個程度の長鎖
分岐を有するものも好ましく用いられる。
【0019】また、上記エチレン−α−オレフィン共重
合体の分子量分布は、GPC法で測定した、重量平均分
子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が、好ましく
は5以下、更に好ましくは3以下である。またMFR
(JIS K−7210;190℃、2.16kg荷重
で測定)は、好ましくは0.1〜300g/10分、更
に好ましくは0.2〜150g/10分、特に好ましく
は0.3〜100g/10分である。
【0020】また、本発明において用いられる上記有機
脂肪酸アミドが有する上記の特定の融点(JIS K
0064)は、60〜80℃であり、好ましくは65〜
80℃である。上記融点が、60℃未満であると、エチ
レン−α−オレフィン共重合体との混練が困難となり、
80℃を超えると、ホットメルト接着性に大きく影響を
与えるため、組成物中への添加量のコントロールが困難
となり、適正な使用量のコントロールができる樹脂フィ
ルムに所望の物性を付与することができなくなる。
【0021】上記有機脂肪酸アミドとしては、上記の融
点の範囲を満足するものであれば特に制限されないが、
例えば、下記する化合物などが挙げられる。オレイン酸
アミド(76℃)、N−オレイルパルミチン酸アミド
(69℃)、N−ステアリルエルカ酸アミド(74
℃)、N−ステアリルオレイン酸アミド(67℃)等。
【0022】更に本発明において用いられる上記アンチ
ブロッキング剤としては、下記するものなどが挙げられ
る。 「機能性フィラーの最新技術」(株式会社シーエムシ
ー、1990年1月26日発行)に記載されているもの
等。具体的には、酸化物(シリカ、アルミナ、酸化鉄、
酸化チタン、マグネシアなど)、金属粉(銅、銀、ニッ
ケル、ステンレス、鉄、アルミニウムなど)、炭酸塩
(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛な
ど)、水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウムなど)、ケイ酸塩(ガラス、カオリン、タルク、マ
イカ、ワラストナイトなど)、硫酸塩(硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウムなど)、炭素(カーボンブラック、グ
ラファイトなど)、チタン酸塩(チタン酸カリ、チタン
酸バリウムなど)、窒化物(窒化アルミニウム、窒化ケ
イ素など)、炭化物(炭化ケイ素、炭化チタンなど)、
硫化物(硫化モリブテン、硫化亜鉛など)、リン酸塩
(リン酸カルシウム、リン酸鉄など)、フェライト(バ
リウムフェライト、カルシウムフェライトなど)、木
粉、デンプン、各種有機顔料、ポリスチレン系フィラ
ー、ナイロン系フィラー、アクリル系フィラー等。これ
らのなかでも、非晶質アルミノシリケート、珪藻土、合
成シリカ、アクリル系フィラーなどが好ましく用いられ
る。
【0023】また、上記アンチブロッキング剤として
は、親油性が高くなく、有機脂肪酸アミドの吸着力が高
くないものが好ましい。このため、上記アンチブロッキ
ング剤としては、表面処理シリカのような上述したもの
に表面処理を施したものが好ましく用いられる。この際
行われる表面処理としては、シリコーンオイル、シラン
カップリング剤などによる処理等が挙げられる。
【0024】本発明における上記エチレン−α−オレフ
ィン共重合体、上記有機脂肪酸アミド及び上記アンチブ
ロッキング剤の上記の特定の配合量は、上記エチレン−
α−オレフィン共重合体100重量部に対して、上記有
機脂肪酸アミド0.01〜0.5重量部、好ましくは
0.025〜0.25重量部、上記アンチブロッキング
剤0.1〜5重量部、好ましくは0.9〜1.8重量部
である。
【0025】上記有機脂肪酸アミドの配合量が0.01
重量部未満であると、フィルムを巻物にした際にブロッ
キングしやすくなり、0.5重量部を超えると、接着性
が低下する。上記アンチブロッキング剤の配合量が、
0.1重量部未満であると、フィルムを巻物にした際に
ブロッキングしやすくなり、5重量部を超えると、弾性
物性が低下する。
【0026】また、上記樹脂組成物には、通常樹脂フィ
ルムに用いられる種々の添加剤を、本発明の効果を損な
わない程度添加してもよい。上記添加剤としては、例え
ば、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、核剤、熱安
定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、着色
剤等が挙げられる。更に具体的には、上記酸化防止剤と
しては、フェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止剤等が
挙げられ、これらを併用することもできる。上記フェノ
ール系酸化防止剤としては、好ましくは分子構造にアル
キル基を持ち、融点が40℃以上のフェノール系酸化防
止剤が挙げられ、上記燐系酸化防止剤としては、ホスフ
ァイト、ホスフォナイト及びホスホン酸誘導体よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の燐化合物が挙げられ
る。上記中和剤としては、ステアリン酸金属塩、ハイド
ロタルサイトなどが挙げられ、上記紫外線吸収剤及び上
記耐光剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェ
ノン系又はヒンダードアミン系の耐光剤などが挙げられ
る。
【0027】上記樹脂フィルムは、通常の、Tダイ法、
インフレーション法等の溶融成形を用いて、常法に従っ
て、成形することができる。
【0028】また、本発明の樹脂フィルムの厚みは、1
0〜100μmであるのが好ましく、坪量は、10〜1
00g/m2 であるのが好ましい。
【0029】本発明の樹脂フィルムは、弾性伸縮性、巻
物にした際のブロッキング防止性、ホットメルト等の接
着性の点において優れたものであるので、使い捨ておむ
つなどの吸収性物品のフィット性向上のための弾性部材
として、また医療用テープ基材、衣料、食品ラップ材等
の用途に有用である。
【0030】次いで、本発明の複合シートについて説明
する。本発明の複合シートは、上記樹脂フィルム(本発
明の樹脂フィルム)を繊維集合体上に積層させてなるこ
とを特徴とする。本発明の複合シートにおいて用いられ
る上記樹脂フィルムは、上述した本発明の樹脂フィルム
である。尚、上記樹脂フィルムの厚みは、10〜100
μmであるのが好ましい。
【0031】また、本発明において上記樹脂フィルムを
積層する上記繊維集合体としては、下記する構成繊維か
らなる不織布などが挙げられる。ポリエチレン(PE)
繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン
繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリア
ミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維;芯鞘
型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維、例えば鞘
成分がポリエチレン又は低融点ポリプロピレンである芯
鞘構造の繊維が好ましく挙げられ、該芯/鞘構造の繊維
の代表例としては、PET(芯)/PE(鞘)、PP
(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/低融点PP(鞘)等
の芯鞘構造の繊維。また、これらの繊維は、単独で用い
て不織布を構成してもよいが、2種以上を組み合わせて
用いることもできる。
【0032】そして、本発明において用いられる上記繊
維集合体は、好ましくは、ヒートロール法、サクション
ヒートボンド法、スパンレース法、スパンボンド法、メ
ルトブローン法等の公知の製造方法により製造してなる
ものが挙げられる。従って、本発明において用いられる
繊維集合体としては、上記構成繊維からなる、ヒートロ
ール不織布、サクションヒートボンド不織布、スパンレ
ース不織布及びスパンボンド不織布等が挙げられる。ま
た、本発明の複合シートを使い捨ておむつのサイドパネ
ル材、ファスニング基材等に用いる目的であれば、伸長
可能な不織布を好適に用いることができる。特に横方向
(CD方向)に伸長可能な不織布であれば、本発明の樹
脂フィルムと複合した際に搬送しやすく(テンションコ
ントロールが容易)、ロール状に巻き取っても安定して
いるため、伸縮性を有する複合シートに用いられる不織
布として好適である。
【0033】また、上記構成繊維の繊維径は、0.1〜
10デニールであるのが好ましく、1〜3デニールであ
るのが更に好ましい。また、上記構成繊維の繊維長は、
ステープルファイバーを用いた場合には10〜100m
mであるのが好ましく、20〜60mmであるのが更に
好ましい。
【0034】また、上記繊維集合体の坪量は、10〜1
00g/m2 であり、好ましくは、20〜40g/m2
である。上記繊維集合体の厚みは、0.5g/cm2
重下における厚みが0.1〜1mmであるのが好まし
く、0.2〜0.8mmであるのが更に好ましい。
【0035】そして、本発明の複合シートは、上記樹脂
フィルムと上記繊維集合体とを積層して一体化してな
る。本発明の複合シートの構造としては、樹脂フィルム
/繊維集合体の2層構造、樹脂フィルム/繊維集合体/
樹脂フィルム及び繊維集合体/樹脂フィルム/繊維集合
体の3層構造等種々の構造を採りうる。具体的に、本発
明の複合シートの1形態について図を参照して説明する
と、本発明の一形態としての複合シート1は、図1に示
すように、樹脂フィルム3と繊維集合体2とが積層され
て一体化された、2層構造の複合シートである。
【0036】ここで、上記複合シート1において、上記
樹脂フィルム及び上記繊維集合体は、それぞれ、接着剤
を介して貼り合わせられて一体化されている。この際用
いられる上記接着剤としては、通常、複合シートの接着
に用いられるもの等が、特に制限なく用いられる。尚、
上記一体化は、接着剤による一体化に限定されず、ヒー
トシールによる一体化など種々の手法による一体化を採
用し得る。
【0037】また、上記複合シートは、接着剤により貼
り合わされた上に、更に、熱エンボス加工されているの
が好ましく、そのエンボス面積率が複合シート全体に対
して40%以下であるのが好ましく、5〜40%である
のが更に好ましい。ここで、上記「エンボス面積率」と
は、熱エンボス加工により樹脂フィルムと繊維集合体と
が融着されてなる部分(融着部)の面積の複合シート全
体の面積に対する比である。上記エンボス面積率が、4
0%を超えると、複合シートが硬くなり風合いが低下す
るので好ましくない。従って、更に、上記熱エンボス加
工されてなる本発明の複合シートは、ピン、点ドット、
亀甲、格子、縦縞、横縞、編み目、絵柄等の形状の多数
の融着部が、所定のパターンで形成されてなるものであ
る。尚、該所定のパターンは、特に限定されるものでは
ない。尚、上記凸部の大きさや間隔は、上記エンボス面
積率を満足すれば任意である。従って、上記複合シート
に形成される融着部間の間隔も所望の融着部の形状に応
じて任意であるが、図1に示すように、融着部1aが複
合シート1の全面に亘って形成されるようにするのが好
ましい。
【0038】本発明の複合シートは、上記樹脂フィルム
を有しているので、柔軟性、伸縮弾性、低刺激性の点で
優れている。従って、表面シートと裏面シートと両シー
ト間に介在する吸収体とを具備する使い捨ておむつ等の
吸収性物品の弾性部材、介護用の使い捨てシーツ等の衛
生材料や衣料用素材又は雨具や簡易ジャンパ等として有
用である。
【0039】本発明の複合シートは、上記樹脂フィルム
上又は上記繊維集合体上に、上記接着剤を塗工し、この
塗工した面に上記繊維集合体又は上記樹脂フィルムを貼
り合わせ、更に、熱エンボス加工を施す等して、両者を
積層させて一体化させる等して製造できる。上記熱エン
ボス加工は、上記接着剤塗工工程と同時にインラインで
行ってもよく、また、後加工してアウトラインで行って
もよい。上記熱エンボス加工は、エンボス加工ロールを
用いて行うことができる。上記エンボス加工ロールとし
ては、一般に彫刻ロールと平滑ロールとからなる一対の
ロールを用いることができる。この際、該彫刻ロールに
より押圧される面は、上記ヒートロール繊維集合体の面
と上記液体不透過性シートの面との何れの面としてもよ
い。上記彫刻ロールとしては、例えば種々のパターンが
その表面に彫刻された鉄ロールを用いることができ、一
方、上記平滑ロールとしては、ペーパーロール、ゴムロ
ール、シリコンゴムロール、ウレタンゴムロール、金属
ロール等を用いることができる。
【0040】上記熱エンボス加工に際しては、熱エンボ
ス加工される前の上記積層シートを加熱ロールで予備加
熱してもよい。また上記エンボス加工ロール自体を加熱
可能な加熱ロールとして、熱エンボス加工を施してもよ
い。上記熱エンボス加工の温度は、加熱ロールと直接接
触する上記ヒートロール繊維集合体の構成繊維または上
記液体不透過性シートの融点よりも10℃低い温度以下
の温度とすることが好ましい。融点よりも10℃低い温
度を超える温度で加熱すると、複合シートがロールに融
着したり熱による縮みやシワが発生するので、好ましく
ない。
【0041】また、彫刻ロールと平滑ロールとの間に温
度差をつけて熱エンボス加工することもでき、この場合
には得られる複合シートにおいて柔らかい風合いが得ら
れるため好ましい。上記彫刻ロールのパターンとして
は、ピン、点ドット、亀甲、格子、縦縞、横縞、編み
目、絵柄等が挙げられ、特にそのパターンは限定されな
い。また、熱エンボス加工する際の線圧は、20〜12
0kg/cmであるのが好ましい。該線圧が20kg/
cm以下であると、熱エンボス加工による効果が低下す
る場合があり、120kg/cmを超えると、上記複合
シートに穴開きが生じ易くなるので、好ましくない。
尚、上記熱エンボス加工の条件は、加工速度による影響
が大きいため、これらの範囲に限られるものではない。
【0042】また、上記接着剤の塗工は、通常の方法に
より行うことができる。また、接着剤の塗工量は、本発
明の所望の効果を損なわない範囲で任意であるが、好ま
しくは1〜20g/m2 である。
【0043】次に、図面を参照して本発明の吸収性物品
について説明する。ここで、図2は、本発明の吸収性物
品としてのパンツ型の使い捨ておむつの一形態を示す一
部破断斜視図である。
【0044】図2に示す本形態の使い捨ておむつ21
は、液透過性の表面シート22、液不透過性の裏面シー
ト23及びこれら両シート22,23間に介在された液
保持性の吸収体を具備し、フィット性を向上させる弾性
部材10を有する。
【0045】このような構成は、従来のパンツ型の使い
捨ておむつと同様であり、各部材も公知の材料を特に制
限なく用いて、通常の形状に形成することができる。
【0046】而して、本形態の使い捨ておむつ21にお
いては、上記弾性部材10は、上記樹脂フィルムを用い
て形成されている。更に詳述すると、上記使い捨ておむ
つ21は、腹側部Aの左右両側部と背側部Bの左右両側
部とをそれぞれ左右一対のサイドパネル30を介して連
結してなるパンツ型の使い捨ておむつであり、上記サイ
ドパネル30は、上記弾性部材10を用いて形成されて
いる。そして、更に、上記弾性部材10は、上記複合シ
ートからなる。即ち、本形態の使い捨ておむつ21は、
サイドパネル30を有するパンツ型の使い捨ておむつで
あって、上記複合シートからなる弾性部材10により形
成された左右一対の該サイドパネル30が設けられてい
るものである。ここで、上記複合シートとしては、3層
構造のもの、即ち、繊維集合体/樹脂フィルム/繊維集
合体の構造を有するものを用いている。
【0047】尚、上記使い捨ておむつ21においては、
上記弾性部材10は上記サイドパネル30を形成してい
る弾性部材を意味するものであるが、通常の使い捨てお
むつと同様に、ウエスト開口部にウエスト部弾性伸縮部
材を、また、レッグ開口部にレッグ部弾性部材を、設け
ることもできる。そして、この際、ウエスト部弾性伸縮
部材及びレッグ部弾性部材の形成材料として、上記の本
発明の樹脂フィルムを用いることもできる。本形態のパ
ンツ型の使い捨ておむつ21は、サイドパネル30が上
記積層シートにより形成されているので、フィット性に
優れたものである。
【0048】また、図3〜5を参照して、本発明の吸収
性物品の他の形態について説明する。ここで、図3は、
本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつの好ましい
一実施形態を示す正面図であり、図4は、図3に示す実
施形態の使い捨ておむつの展開図である。図5は、図4
に示す実施形態の使い捨ておむつの使用形態を示す図で
あり、図5(a)は、フラップ止着部を止着する際の状
態を示す正面図であり、図5(b)は、おむつ止着部を
止着する際の状態を示す正面図である。
【0049】図3及び図4に示す実施形態の使い捨てお
むつ101は、液透過性の表面シート102、液不透過
性の裏面シート103、及びこれら両シート間に介在す
る液保持性の吸収体104を具備し、フィット性を向上
させる弾性部材を有する。
【0050】図3及び4に示す実施形態の使い捨ておむ
つ101について詳細に説明すると、上記吸収体104
はその股下領域が縊れた砂時計状に湾曲形成されてい
る。また、上記表面シート102及び上記裏面シート1
03も上記吸収体104の形状に即してその股下領域が
上述の如く湾曲形成されている。そして、上記吸収体1
04は、上記表面シート102及び上記裏面シート10
3により挟持・固定されている。また、上記吸収体10
4の周縁部におけるウエスト部105とレッグ部106
とには、おむつを着用した際に、着用者にウエスト部1
05とレッグ部106とをフィットさせるためのウエス
ト部弾性伸縮部材107a及びレッグ弾性伸縮部材10
7bが、それぞれ上記表面シート102と上記裏面シー
ト103とにより固定されて設けられている。
【0051】上記使い捨ておむつ101の長手方向左右
両側には、それぞれ不織布が配されて立体ガード108
が形成されている。該立体ガード108の自由端109
には立体ガード弾性伸縮部材107cが配されて、ギャ
ザーを形成している。
【0052】また、本形態の使い捨ておむつ101は、
使用時に着用者の腹側に位置する腹側部A及び背中側に
位置する背側部Bが形成されている展開型の使い捨てお
むつであり、上記背側部A又は腹側部Bの左右両側縁に
は、それぞれ、伸縮部113を介してフラップ110が
連設されている。上記フラップについて更に詳述する
と、左右の該フラップ110a,110bのうちフラッ
プ110aにおける先端部111における表面シート側
には、フラップ止着部114が設けられており、上記フ
ラップ110bの裏面シート側に該フラップ先端部11
1を当接させることにより、左右の該フラップ110
a,110bを着用者の腹側において止着することがで
きるようになされている。また、上記腹側部Aには、そ
の左右両側におむつ止着部120,120・・・が設け
られており、該おむつ止着部120,120・・・を、
上記フラップ110a,110bに当接させて、おむつ
の止着ができるようになされている。
【0053】また、図3及び図4に示すように、上記フ
ラップ110a,110bは、対称的に形成されてお
り、それぞれ、基端部112から先端部111にかけて
幅が細くなるようになされている。また、上記おむつ止
着部120,120・・・は、それぞれ上記腹側部Aの
左右両側の上下に設けられており、片側2個ずつ合計4
個設けられている。
【0054】また、上記伸縮部113は、各フラップの
基端部112側に伸縮部113を有している。上記伸縮
部113について更に詳述すると、該伸縮部113は、
上記フラップ110a,110bのフラップ本体115
と上記背側部Bの左右両側縁B1,B2とをそれぞれ連
結するように設けられている。上記フラップ110a,
110bは、非応力下における該フラップ110a,1
10bの長さに対して1.2〜2倍の長さに伸長可能で
あることが好ましい。即ち、上記伸縮部113は、その
伸縮により、フラップ全体がフラップ全体の長さに対し
て1.2〜2倍の長さとなるような伸縮性能を有するこ
とが好ましい。該伸長可能な長さが1.2倍未満である
と、上記使い捨ておむつ101がその装着時に身体の動
きに追従することができずフィット性向上の効果が低下
し、2倍を超えると、装着する時の操作性が悪くなるの
で、好ましくない。ここで、「非応力下」とは、外力が
何もかかっていない状態を意味する。
【0055】上記フラップ本体115の長さL1と上記
伸縮部113の長さL2との比は(図4参照)、L1:
L2=90〜0:10〜100であることが好ましい。
従って、L1とL2との比の大小によって、上記フラッ
プ本体115が上記フラップ止着部114及び上記おむ
つ止着部120の被止着部となる場合と、上記伸縮部1
13が上記フラップ止着部114及び上記おむつ止着部
120の被止着部となる場合とがある。
【0056】次に、上記フラップ止着部114、上記お
むつ止着部120及び上記フラップ110a,110b
の形成材料について説明する。
【0057】上記フラップ止着部114及び上記おむつ
止着部120は、それぞれ、機械的ファスナーの凸部材
により形成されている。該機械的ファスナーの凸部材と
しては、基材シート上に錨型のオス型係合部材が多数配
されたものや、基材シート上に釣型のオス型係合部材が
多数配されたもの等を挙げることができる。また、「マ
ジックテープ」(登録商標、クラレ社製)、「クイック
ロン」(登録商標、YKK社製)、「マジクロス」(登
録商標、カネボウベルタッチ社製)等の市販品を用いる
こともできる。
【0058】また、上記フラップ110a,110bに
おける上記フラップ本体115は、不織布で形成されて
おり、上記フラップ止着部114及び上記おむつ止着部
120における上記機械的ファスナーの凸部材に対して
係合可能になされている。
【0059】上記不織布としては、通常使い捨ておむつ
に用いられるものであれば特に制限無く用いることがで
きる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リアミド等熱可塑性樹脂の単独樹脂から成形されるフィ
ラメント;鞘芯型や並列型複合フィラメントを用い、通
常の溶融紡糸により、フィラメントを必要に応じて延伸
し、クリンピング処理し、切断した短繊維を熱、接着剤
等で点接着するか、又は水流、針等で交絡させてなる不
織布、即ち、湿式法、乾式法、スパーンレース法又はス
パンボンド法等により形成されてなる不織布などが用い
られる。また、多層フィラメントを成形した後、該多層
フィラメントを外力によって分割した分割フィラメント
からなる不織布を用いることもできる。更に、メルトブ
ローン或いはスパンボンド成形法により直接成形される
不織布を用いることもできる。中でも、高弾性樹脂を芯
にし、低弾性及び/又は低融点樹脂を鞘に用いた鞘芯型
複合フィラメントを用いてなる不織布は、風合い及び弾
力性が良好であり、また生産性、安全性及びコストの点
から好ましい。この際用いられる上記複合フィラメント
としては、芯/鞘が、PET/PE、PP/PE、PE
T/PPである、ポリオレフィン系鞘芯型複合フィラメ
ントが挙げられる。一般に、上記機械的ファスナーの凸
部材に対して良好な係合性を得ようとするならば、嵩の
高い、上記短繊維のサーマルボンド若しくはニードルパ
ンチ不織布、又は繊維自由度が比較的大きいスパンレー
ス不織布を用いることが好ましい。
【0060】また、上記不織布に用いられる上記フィラ
メントは、得られる不織布の柔軟性及び風合いから、そ
の太さが細い程好ましく、特に好ましい太さは3デニー
ル以下であり、下限は特に制限されないが0.1デニー
ル位までである。これ未満であると製造が困難である。
また、上記不織布の坪量は、5〜200g/m2 が好ま
しく、10〜50g/m2 が特に好ましい。また、0.
5g/cm2 加重下の厚さは、15〜700μmが好ま
しく、特に好ましくは30〜400μmである。
【0061】上記フラップ止着部114及び上記おむつ
止着部120は、上記の形成材料(機械的ファスナーの
凸部材)を、それぞれ、フラップ110又は腹側部Aの
表面シート側に接着固定するなどして容易に形成するこ
とができ、また、上記フラップ110a,110bは、
超音波シール(熱融着)、接着剤固定等して形成するこ
とができる。
【0062】上記ウエスト部弾性伸縮部材107a、上
記レッグ部弾性伸縮部材107b及び上記立体ガード弾
性伸縮部材107cとしては、それぞれ、糸ゴム、平ゴ
ム、フィルムタイプのゴム、或いはポリウレタン又はメ
タロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフ
ィン共重合体の弾性フィルム、糸ゴム、平ゴム、発泡体
等が好ましく挙げられ、特に50%伸長時の応力が40
〜150グラムのものが好ましい。なお、上記ウエスト
部弾性伸縮部材107aが配されて形成された腹側部A
におけるウエストギャザーの伸縮度は1.1〜2.0倍
であることが好ましい。また、これらの形成材料とし
て、上記の本発明の樹脂フィルムを用いることもでき
る。
【0063】また、上記立体ガード108を形成する上
記不織布としては、通常おむつに用いられるものを特に
制限なく用いることができる。
【0064】而して、図3及び図4に示すように、本形
態の使い捨ておむつ101は、上記弾性部材10が、上
記の本発明の樹脂フィルムを用いて形成されている。更
に詳述すると、上記弾性部材10は、上記複合シートに
より形成されている。即ち、本形態の使い捨ておむつ1
01は、上記複合シートからなる上記弾性部材10によ
り形成された上記伸縮部113が設けられている。ここ
で、上記複合シートとしては、3層構造のもの、即ち、
繊維集合体/樹脂フィルム/繊維集合体の構造を有する
ものを用いている。
【0065】次に、図3に示す実施形態の使い捨ておむ
つ101の装着方法について図5を参照して説明する。
本実施形態の使い捨ておむつ101を着用するには、先
ず、図5(a)に示すように、着用者130の背側の腰
部に上記背側部を当接させた後、上記フラップ110
a,110bを着用者130の腰部に沿って腹側にもっ
てくる。次いで、図5(a)中の矢印で示すように、上
記フラップ110b上に上記フラップ110aが重なる
ようにし、上記フラップ110aの先端部における上記
フラップ止着部114を上記フラップ110bの裏面シ
ート側に係合させて止着する。次いで、上記腹側部を着
用者130の股間に沿って腹側に引き上げ、図5(b)
に示すように、上記おむつ止着部120を、上記フラッ
プ110a,110bの裏面シート側に係合させて止着
する。
【0066】本実施形態の使い捨ておむつ101は、上
述のような構成を有しているので、装着時における操作
性に優れ、また、フィット性にも優れる。特に上記伸縮
部113を有しているので、着用者の動きに上記フラッ
プ110が追従し、特にフィット性が良好である。とり
わけ、上記伸縮部113を特定の成分の組み合わせから
なる2成分系伸縮弾性複合繊維を構成繊維として用いた
伸縮弾性繊維集合体を含むシートから形成しているの
で、上記使い捨ておむつ101の装着感が一層快適なも
のとなる。更に、上記フラップ止着部114の上記フラ
ップ110に対する結合力が、上記伸縮部113の伸縮
性により向上する。
【0067】以上、本発明の吸収性物品を、図2〜5を
参照して、その好ましい実施形態に基づき説明したが、
本発明の使い捨ておむつは上記実施形態に制限されるも
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変
更形態が可能である。例えば、図3〜5に示す形態にお
いて、上記フラップ10は、全体が上記複合シートによ
り形成されていてもよい。また、上述の形態において
は、いずれも、使い捨ておむつを例示して説明したが、
本発明の吸収性物品は、他の生理用ナプキンや失禁パッ
ドにも適用可能である。更に、本発明の吸収性物品とし
ては、通常のウエスト部及びレッグ部に、上記の本発明
の樹脂フィルムからなる弾性部材を有してなる使い捨て
おむつなどの形態とすることもできる。
【0068】次に、本発明の吸収性物品の他の形態とし
ての使い捨ておむつを、図6〜図9を参照して説明す
る。ここで、図6は、本発明の吸収性物品としての使い
捨ておむつを裏面シート側からみた一部破断平面図であ
り、図7は、図6に示す使い捨ておむつにおけるファス
ニングテープを示す拡大斜視図であり、図8は、図6に
示すファスニングテープの別の形態を示す拡大斜視図で
あり、図9は、図6に示すファスニングテープの他の形
態を示す拡大斜視図である。尚、図6〜図9に示す使い
捨ておむつにおいて特に詳述しない点は従来の使い捨て
おむつと同様になされている。また、図6〜図9におい
て同じ部材には同じ符号を付してある。
【0069】図6に示す展開型使い捨ておむつ200
は、液透過性の表面シート211、液不透過性の裏面シ
ート212及び両シート間に介在する液保持性の吸収体
226を備えている。また、該使い捨ておむつ200
は、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部C及び背側
に位置する背側部Aを有している。また、上記表面シー
ト211上には、防漏シート232aをおむつの外方側
に固定して形成された、おむつの内方側に自由端232
bを有する立体ガード232が配されている。
【0070】また、おむつの着用時において着用者のウ
エストに位置する腹側ウエスト部213及び背側ウエス
ト部214並びに脚周りに位置するレッグ部には、それ
ぞれ、ウエスト部弾性部材223,223’及びレッグ
部弾性部材222,222’が配されている。また、上
記立体ガード232においても、その上記自由端232
bには、立体ガード弾性部材234,234’が配され
ている。該立体ガード弾性部材234,234’は、該
立体ガード232におけるおむつの内方側の自由端23
2bにおいて、上記防漏シート232aの端縁側を管状
に折り返すことより、該防漏シート232aにより被覆
されて配されている。
【0071】上記表面シート211及び上記裏面シート
212としては、従来使い捨ておむつにおいて用いられ
ている材料と同様のものを特に制限無く用いることがで
きるが、特に、上記裏面シート212として、不織布と
フィルムとを積層してなる複合シートを用い、該複合シ
ートの不織布側がおむつの外方を向くように配設するこ
とが、使い捨ておむつに布様の風合いを付与し得る点か
ら好ましい。また、この場合には、上記不織布が機械的
ファスナの凸部材と係合することを利用して、後述する
ファスニングテープ215に上記凸部材を設けることに
よって、上記ランディングテープを省略できるという利
点もある。上記複合シートは、透湿性を有していること
が着用中のムレの防止の点から好ましい。該複合シート
に透湿性を付与するためには、例えば上記フィルムとし
て透湿性を有するものを用いればよい。上記複合シート
の透湿度(JIS Z 0208)は0.5g/(cm
2 ・h)以上であることが好ましく、1.0g/(cm
2 ・h)以上であることが更に好ましい。尚、該複合シ
ートの透湿度の上限に特に制限はないが、耐水性等を考
慮すると5.0g/(cm2 ・h)程度までである。ま
た、耐水圧(JIS L1092)は、50cm以上が
好ましく、さらに好ましくは100cm、特に好ましく
は200cm以上とするのが好ましい。
【0072】而して、上記背側部Aの左右両側縁部
A’,A”には、止着部材としてのファスニングテープ
215がそれぞれ設けられており、上記ファスニングテ
ープ215は、上記弾性部材を用いて形成されている。
このようにファスニングテープ215が設けられている
ことにより、おむつの着用時に上記背側部Aと上記腹側
部Cとが保持・固定されるようになされている。 ま
た、腹側部Cの略中央部には、上記ファスニングテープ
止着用のランディングテープ254が設けられている。
【0073】更に詳述すると、上記ファスニングテープ
215は、図6に示すように、上記表面シート211と
上記裏面シート212との間に挟持され接合・固着され
た基端部262と、該基端部262に連設されており且
つ上記弾性部材(図7参照)により形成されている伸縮
部265と、該伸縮部265に連結されており且つ機械
的ファスナの凸部材又は凹部材を有する係止部263
と、該係止部263に連設されている摘み部264とか
らなる。そして、本形態において、上記弾性部材として
は、本発明の複合シートからなるものが用いられてい
る。ここで、上記複合シートは、少なくとも上記不織布
がおむつの表面シート側に向くように配されている。
【0074】上記背側部Aにおける上記ファスニングテ
ープ215間の位置には、上記裏面シート212と上記
吸収体26との間に胴回り弾性部材280が伸長状態で
配設されている。図6においては、上記胴回り弾性部材
280は上記ファスニングテープ215間全域に亘って
3本配設されている。また、各胴回り弾性部材280は
それぞれ、上記ファスニングテープ215の基端部26
2における幅よりも内側に位置するように配設されてい
る。上記胴回り弾性部材280を伸長状態で配設するこ
とにより、上記ファスニングテープ215間は、伸縮性
を有する部位となり、該部位は該胴回り弾性部材280
により襞付け(ギャザリング)される。これによって、
上記ファスニングテープ215の止着時に剪断力が発生
するようになり、後述するように、該ファスニングテー
プ215に機械的ファスナの凸部材又は凹部材を設ける
ことによって、該ファスニングテープ215の係合力が
一層増加する。
【0075】上記ファスニングテープ215の構造につ
いて、図7を参照して更に詳述すると、上記基端部26
2と上記伸縮部265とは、同じ材料、即ち上記複合シ
ートにより一体に形成されており、上記伸縮部265と
上記係止部263とは、接合部268を介して連結され
ている。
【0076】上記係止部263は、フィルムシート及び
該フィルムシート上に設けられた機械的ファスナのオス
部材又はメス部材により形成されている。また、上記摘
み部264は、上記系部263から延出した上記フィル
ムシートから形成されている。尚、上記係止部263が
機械的ファスナのオス部材を備えている場合には、上記
ランディングテープ254としては、機械的ファスナー
のメス部材から形成されたものが用いられ、逆に上記係
止部263が機械的ファスナのメス部材を備えている場
合には、上記ランディングテープとしては、機械的ファ
スナのオス部材から形成されたものが用いられる。該機
械的ファスナのオス部材としては、基材シート上に錨型
のオス型係合部材が多数配されたものや、基材シート上
に釣型のオス型係合部材が多数配されたもの等を挙げる
ことができる。また、該機械的ファスナのメス部材とし
ては、各種不織布やトリコット編物等の編物を挙げるこ
とができる。
【0077】上記接合部268は、通常の接合方法を特
に制限なく用いて上記伸縮部265と上記係止部263
とを接合することにより形成されるが、図4において
は、上記伸縮部265の一端と上記係止部263の一端
とを部分的に加熱融着させる等して部分的に接着するこ
とにより接合している。また、上記基端部262は、部
分的に加熱融着させる等して部分的に接着することによ
り上記表面シート211及び上記裏面シート212に接
合しても良く、また、ヒートエンボスや超音波シールな
どにより接合してもよい。
【0078】図6に示す使い捨ておむつ200は、上述
の如く構成されているので、上記ファスニングテープ2
15の伸縮部265を引き伸ばして係止部263をラン
ディングテープ254に止着をすることができ、フィッ
ト性に優れ、漏れ防止性に優れると共に、装着中に上記
ファスニングテープが装着者に当たっても皮膚刺激性の
少ないものである。また、引き伸ばされた上記伸縮部2
65の収縮により生ずる剪断力によって上記凸部材と上
記凹部材との係合力が一層増加し、着用中における上記
ファスニングテープの剥がれが効果的に防止される。
【0079】次に、図8を参照して、上記の形態の使い
捨ておむつに用いられるファスニングテープの他の形態
について詳述する。図8に示す形態のファスニングテー
プ215Aは、基端部262Aが幅広となされており、
また、伸縮部265Aが基端部262A側に向かうに従
って幅広となるように形成されており、これによってフ
ィット性が更に向上するようになされている。この場
合、上記ファスニングテープ215Aの固定端における
幅W1(即ち、図5中、A”が横切る部分の幅)と先端
部(即ち、摘み部264Aの先端)における幅W2との
比(W1:W2)は、1:1(即ち、図4に示す場合)
〜5:1であることがフィット性の点から好ましく、
2:1〜3:1であることが更に好ましい。尚、これ以
外の点は、全て上述した図6及び図7に示す形態のファ
スニングテープと同じであり、上述した説明が適宜適用
される。
【0080】次に、図9を参照して、上記の形態の使い
捨ておむつに用いられるファスニングテープの他の形態
について詳述する。図9に示す形態のファスニングテー
プ215Bは、全体が上記複合シートにより一体に形成
されている。そして、先端部からやや内側の位置に機械
的ファスナの凸部材又は凹部材がホットメルト等の接着
剤により接合されており、係止部263Bを形成してい
る。該係止部263Bの左端から上記ファスニングテー
プの固定端(即ち、図5中、A”が横切る部分)までの
領域は伸縮部265Bとして機能し、また、該係止部2
63Bの右端から先端部までの領域は摘み部264Bと
して機能する。本形態のファスニングテープにおいて
は、上記伸縮部265Bが実質的に伸縮可能な部位であ
り、その長さ(図6中符号Dで示す)は、5〜50m
m、特に10〜30mmであることがフィット性向上の
点から好適である。また、図9に示す形態のファスニン
グテープ215Bは、図7に示す形態のファスニングテ
ープと同様に、基端部262Bが幅広となされており、
また、伸縮部265Bが基端部262B側に向かうに従
って幅広となるように形成されており、これによっても
フィット性が向上するようになされている。
【0081】尚、図6〜図9に示す使い捨ておむつにお
けるファスニングテープの係止部としては、上述の機械
的ファスナの凸部材又は凹部材に代えて、粘着剤を用い
てもよい。この場合には、非使用時に該粘着剤が塗布さ
れた面を保護するためのリリーステープを該面に貼設し
て使用する。
【0082】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0083】〔実施例1〜12〕〔表1〕に示す、エチ
レン−α−オレフィン共重合体、有機脂肪酸アミド及び
アンチブロッキング剤を、〔表1〕に示す配合量で配合
して、下記の製造方法に準してフィルム化して、〔表
1〕に示す坪量を有する本発明の樹脂フィルムを得た。 (製造方法)Tダイを有する単軸押出機(φ50)を用
い、温度200℃(ダイ温度)、成形速度10m/mi
nで成形して、製造した。
【0084】得られた樹脂フィルムについて下記の如く
ブロッキング強度、ホットメルト剥離力(HM剥離
力)、100%伸張時の強度及び永久歪みを測定した。
その結果を〔表1〕に示す。
【0085】<ブロッキング強度>得られた樹脂フィル
ムを50×55mmのサイズの長方形状に切断し短冊状
サンプルを得た。得られた短冊状サンプルを一方の表面
と他方の裏面とが接するように2枚重ねて、その上に1
0kgの荷重を乗せ、40℃/80%の環境条件で24
時間保存した。保存終了後、下記の条件で180°剥離
試験を行い、この値をブロッキング強度とした。 〔180°剥離試験の条件〕貼り合わされたサンプルに
おける互いに対向する両端縁を通常の180°剥離試験
と同様に180°方向に引っ張り速度300mm/mi
nで引っ張り、完全に剥離するまでに要した力を測定し
た。
【0086】<HM剥離力>得られた樹脂フィルムを3
0×100mmの長方形状に切断し、短冊状サンプルを
得た。別に、30×100mmの長方形状のポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの一端部に、30×30mm
の正方形状のHM接着剤塗工シートを貼り合わせて、被
着体を形成した。そして、得られた短冊状サンプルを、
該被着体に、両者の端縁が相互に沿うように貼り合わせ
た後、5kg/cm2 の圧力で5秒間加圧して、測定用
サンプルを得た。得られた測定用サンプルについて、ブ
ロッキング強度と同様の180°剥離試験を行い、これ
をHM剥離力とした。
【0087】<100%伸張時の強度>巾25mmで帯
状に裁断して得た試料を、チャック間距離を100mm
として、測定機械(オリエンテック社製)により、引っ
張り速度を300mm/min、戻りの強度を300m
m/minとして、下記の如くして100%伸長させた
応力を測定して、これを100%伸張時の強度とした。 <永久歪み>100%伸長時の強度と同じ測定機械を用
い、同じ測定条件で100%伸長させ、再び戻した際に
初期長さに戻らない部分の割合(長さの割合)を求め、
下記数式(1)で得られる%を永久歪みとした。 〔(100%伸長後に戻した時の長さ−初期長さ)/初期長さ〕×100%・・ ・・・(1)
【0088】
【表1】
【0089】尚、表中、「M−1 0.5」及び「M−
2」とあるのは、M−1なる有機脂肪酸アミドのマスタ
ーバッチを所定重量%配合したこと及びM−2なるアン
チブロッキング剤のマスターバッチを所定重量%配合し
たことを表す。これは、たとえば有機脂肪酸アミド含量
が5重量%のマスターバッチを0.5重量%配合したも
のであるから実際の有機脂肪酸アミドの配合量は0.5
×5重量%で0.025重量%であり、また、アンチブ
ロッキング剤含量が15%重量%のマスターバッチを8
重量%配合したものであるので実際のアンチブロッキン
グ剤の配合量は8×15重量%で1.2重量%であるこ
とを意味する。即ち、有機脂肪酸アミド及びアンチブロ
ッキング剤について表中に示した配合量は見かけ上の配
合量であり、実際の配合量は、表に示した重量%にマス
ターバッチ中に含まれる有機脂肪酸アミド又はアンチブ
ロッキング剤の含量をかけ合わせた量である。これにつ
いては、後述の〔表2〕及び〔表3〕についても同じで
ある。
【0090】〔実施例13〜17〕〔表2〕に示す、エ
チレン−α−オレフィン共重合体、有機脂肪酸アミド
(M−3)及びアンチブロッキング剤を、〔表2〕に示
す配合量で配合して、実施例1と同様にフィルム化し
て、〔表2〕に示す坪量を有する本発明の樹脂フィルム
を得た。得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同
様にブロッキング強度、ホットメルト剥離力(HM剥離
力)、100%伸張時の強度及び永久歪みを測定した。
その結果を〔表2〕に示す。
【0091】
【表2】
【0092】〔実施例18〜20〕〔表3〕に示す、エ
チレン−α−オレフィン共重合体、有機脂肪酸アミド
(M−1、M−4)、アンチブロッキング剤を、〔表
3〕に示す配合量で配合して、実施例1と同様にフィル
ム化して、〔表3〕に示す坪量を有する本発明の樹脂フ
ィルムを得た。得られた樹脂フィルムについて、実施例
1と同様にブロッキング強度、ホットメルト剥離力(H
M剥離力)、100%伸張時の強度及び永久歪みを測定
した。その結果を〔表3〕に示す。
【0093】
【表3】
【0094】〔実施例21〕ポリプロピレン(繊度2
d)の繊維を用いてスパンレース法に準じて不織布を製
造した。得られた不織布の0.5g/cm2 加重下での
厚みは0.6mmであり、、坪量は25g/m2 であ
り、常法による破断伸度は150%であった。次いで、
得られた不織布と実施例12で得られた樹脂フィルムと
を用いて3層構造の複合シートを製造した。各層の貼り
合わせは面積が0.8mm2 である円形パターンがラン
ダムドットの配列をなし、各円形パターンが3.0mm
の間隔で配置されたロールを用いてホットメルト〔SB
S(スチレン/ブタジエン/スチレン)ゴム系ホットメ
ルト〕を転写することにより行った。また、その際のホ
ットメルトの目付は5g/cm2 とした。
【0095】〔比較例1〕実施例20において、オレイ
ン酸アミドの代わりにエルカ酸アミドを用いた(このマ
スターバッチを「M−5」という)。その結果を〔表
3〕に示す。
【0096】
【発明の効果】本発明の樹脂フィルムは、柔らかさ、弾
性回復性に優れ、成形性、ハンドリング性が良好で生産
性に優れたものである。また、本発明の複合シートは、
上記樹脂フィルムを用いてなるので、柔軟性、伸縮弾
性、低刺激性の点で優れている。更に、本発明の吸収性
物品は、フィット性を向上させるために、本発明の樹脂
フィルム又は複合シートからなる弾性部材を有している
ので、フィット性に優れると共に、特に風合いが良好な
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の複合シートにおける接着剤の
塗工形態の1形態を示す拡大平面図である。
【図2】図2は、本発明の吸収性物品としてのパンツ型
の使い捨ておむつの一形態を示す一部破断斜視図であ
る。
【図3】図3は、本発明の吸収性物品としての使い捨て
おむつの好ましい一実施形態を示す正面図である。
【図4】図4は、図3に示す実施形態の使い捨ておむつ
の展開図である。
【図5】図5は、図5に示す実施形態の使い捨ておむつ
の使用形態を示す図であり、図5(a)は、フラップ止
着部を止着する際の状態を示す正面図であり、図5
(b)は、おむつ止着部を止着する際の状態を示す正面
図である。
【図6】図6は、本発明の吸収性物品としての使い捨て
おむつを裏面シート側からみた一部破断断面図である。
【図7】図7は、図6に示す使い捨ておむつにおけるフ
ァスニングテープを示す拡大斜視図である。
【図8】図8は、図6に示すファスニングテープの別の
形態を示す拡大斜視図である。
【図9】図9は、図6に示すファスニングテープの他の
形態を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 複合シート 2 樹脂フィルム 3 繊維集合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/20 C08L 23/08 C08L 23/08 A41B 13/02 H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)密度が0.850〜0.900g/
    cm3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体100重
    量部に対して、(B)融点が60〜80℃の有機脂肪酸
    アミド0.01〜0.5重量部、及び(C)アンチブロ
    ッキング剤0.1〜5重量部を含有する樹脂組成物から
    なることを特徴とする樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂フィルムを、繊維集
    合体上に積層させて一体化させてなることを特徴とする
    複合シート。
  3. 【請求項3】 液透過性の表面シート、液不透過性の裏
    面シート及びこれら両シート間に介在された液保持性の
    吸収体を具備し、フィット性を向上させる弾性部材を有
    する吸収性物品において、 上記弾性部材は、請求項1記載の樹脂フィルムを用いて
    形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  4. 【請求項4】 上記吸収性物品は、腹側部の左右両側部
    と背側部の左右両側部とをそれぞれ左右一対のサイドパ
    ネルを介して連結してなるパンツ型の使い捨ておむつで
    あり、 上記サイドパネルは、上記弾性部材を用いて形成されて
    いることを特徴とする請求項3記載の吸収性物品。
  5. 【請求項5】 上記弾性部材は、請求項2記載の複合シ
    ートからなることを特徴とする請求項4記載の吸収性物
    品。
  6. 【請求項6】 上記吸収性物品は、使用時に着用者の腹
    側に位置する腹側部及び背中側に位置する背側部が形成
    されている展開型の使い捨ておむつであり、 上記背側部又は上記腹側部の左右両側縁には、それぞ
    れ、伸縮部を介してフラップが連設されており、 上記伸縮部は、上記弾性部材を用いて形成されているこ
    とを特徴とする請求項3記載の吸収性物品。
  7. 【請求項7】 上記吸収性物品は、使用時に着用者の腹
    側に位置する腹側部及び背中側に位置する背側部が形成
    されており、 上記背側部には、おむつをその使用時に止着するファス
    ニングテープが設けられており、該ファスニングテープ
    は、上記弾性部材を用いて形成されていることを特徴と
    する請求項3記載の吸収性物品。
  8. 【請求項8】 上記弾性部材が、請求項2記載の複合シ
    ートを用いて形成されていることを特徴とする請求項7
    記載の吸収性物品。
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