JP3867759B2 - ロール紙の判別装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタやファクシミリ等の画像形成装置におけるロール状に巻回した被記録媒体や、ラベルシート等の裁断装置におけるロール状に巻回したウエッブであるロール紙の種類を検出して判別するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録装置におけるロール紙の種類を自動的に検出(判別)するための従来の技術として、例えば、特開平9−86743号公報では、ファクシミリ等の画像形成装置における被記録媒体として使用する用紙ロールの両端にそれぞれフランジが形成されたホルダを装着し、これらのホルダを介して用紙ロール保持機構に保持されている用紙ロールからロール紙を解き出し、該解き出された部位のロール紙に記録を行なう記録装置において、前記用紙ロール保持機構に保持されている用紙ロールの前記一方のホルダのフランジの外周縁に圧接し得る移動自在なフランジ当接部材と、前記用紙ロールの種類に対応するフランジの外径寸法に応じて位置決めされる前記フランジ当接部材の位置により前記ロール紙の種類を検出する用紙種類検出手段とを有する構成が開示されている。
【0003】
しかし、このものでは、用紙ロールの種類毎に、外径寸法の異なるフランジを準備しなければならず、さらにこれに応じて、用紙種類検出手段としてのセンサの数も複数個必要であるから、検出装置の製造コストが高くなるという問題があった。
【0004】
他方、ロール紙の幅サイズや、巻き長さ、紙質等の種類別を判別するとき、ロール紙の巻き芯である中心筒体の内径部やロール紙の左右両側のフランジ部に印刷等したマーク部のデータを、当該ロール紙を回転させながらセンサにて判別するという技術があった。そこで、前記の問題を解決するため、本出願人は、特願平10−135316号において、タック紙用等のロール紙の巻回部の中心管体に、その軸線方向に沿って適宜間隔にてロール紙の幅寸法や紙質等の種類に応じた1乃至複数の被検出部を設ける一方、前記中心管体に嵌挿して当該中心管体を回転可能に支持するロール紙支持体には、前記被検出部に対応する位置に接触式もしくは非接触式のセンサを設けたものを提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術では、ロール紙の交換に際してロール紙支持体に対して中心管体をその軸線方向に移動させて着脱作業を実行しなければならず、ロール紙支持体と中心管体との嵌合精度も必要であるため、着脱作業が面倒であるという問題があった。
【0006】
さらに、前記被検出部に対するセンサを光反射式等の非接触式のものを使用する場合、ロール紙をセット部にセットしたとき、被検出部の判別マークからセンサまでの距離をなるべく近づけると共に、その接近(距離)の誤差も少なくする必要があった。
【0007】
本発明は、前記技術的問題を解決するためになされたものであって、比較的簡単な構成にて、ロール紙の種類の判別をセット部において可能とする、ロール紙の判別装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明のロール紙の判別装置は、長尺のロール紙を中心筒体に巻回したロール部の両端にロールホルダを着脱自在に装着し、該一対のロールホルダをセット部に装着して回転自在に支持するように構成し、該セット部には、前記一方のロールホルダの接近移動に応じて当該ロールホルダにおける被検出部にセンサ部が接近するようにセンサ保持体を起伏可能に設けたものである。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロール紙の判別装置において、前記センサ保持体には、前記一方のロールホルダがセット方向に移動するとき当接して、前記センサ部側が前記被検出部に接近すべく当該センサ保持体を回動させる作動部を備え、前記ロール部をセット部から離間させるとき前記センサ部側が前記被検出部から離間するための復帰手段を備えたものである。
【0010】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のロール紙の判別装置において、前記作動部は弾性体により構成したものである。
【0011】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のロール紙の判別装置において、前記一方のロールホルダはほぼ筒体であり、該筒体の内径部に被検出部を設けたものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のロール紙の判別装置において、前記センサ保持体には、前記センサ部と被検出部との接近したときの間隔を一定に保持し、且つロールホルダに摺接するスペーサ体を設けたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態について説明する。
【0014】
図1はタック紙の印刷・裁断装置の側面図、図2は平面図、図3はカッタホルダ等の側面図、図5はロール部を解いてロール紙を前進させる状態のギヤ伝動機構の側面図、図6はロール部の分解斜視図、図8はセット部の一部切欠き正面図である。
【0015】
本発明に適用するロール紙2は、表面に印刷可能な帯状の記録紙の裏面に感圧接着剤等の粘着剤を塗布し、この粘着剤層を帯状の離型紙の表面に付着させたものであり、このロール紙2を紙管等の中心筒体61に巻回した部分をロール部2aという。図6及び図7(b)に示すように、前記中心筒体61の一側には、被検出部としての円周方向に沿って長手の検知孔62が1乃至複数個(本実施形態では3個を例示)穿設されている。そして、前記ロール紙2の基端を中心筒体61に巻き付けるつなぎ片3の巻回内面には、前記各検知孔62と対峙する箇所にロール紙2の幅寸法や紙質、ロール巻き長さ等のロール紙2の種類を判別するための白黒帯び状等の光反射率の異なる部分を有する判別マーク63が印刷もしくはラベル貼着等により付されている。
【0016】
なお、印刷できる記録紙は普通紙の他、光沢紙や合成樹脂フィルムを使用しても良く、また、ロール紙2は離型紙を貼着していない記録紙単独のものであっても良い。
【0017】
本発明を適用する印刷・裁断装置には、装置本体1の一対の下側フレーム4,4の図1における左端部に、ロール紙2のロール部2aを後述する一対のロールホルダ57、64と共に回転可能に支持させるセット部5が設けられている。即ち、図7(a)に示すように、他方のロールホルダ57は、前記中心筒体61の内径に嵌合する筒部57aとその外周の中途に突出するフランジ部57bとを有し、筒部57aとフランジ部57bとの付け根部には、前記中心筒体61の端部に切欠いた係合溝65a(図7(b)参照)に係止して相対的な回転を阻止するための爪66aが突設されている。また、フランジ部57bの中心から外向きに突出した軸部67はセット部5の一方の上向き開放状の受け部68に回転自在に軸支されるものである。さらに、前記フランジ部57bの外面には後述するよにロール部2aを回転させるためのロール歯車58が一体的形成されている。
【0018】
一方のロールホルダ64は、図7(c)に示すように、外向きに開放された筒部64aとその外周の中途に突出するフランジ部64bとからなり、筒部64aとフランジ部64bとの付け根部には、前記中心筒体61の他方の端部に切欠いた係合溝65b(図7(b)参照)に係止して相対的な回転を阻止するための爪66bが突設されている。そして、前記筒部64aは図8、図10及び図12に示すようにセット部5における他方の上向き略U字状の大径の受け部69に回転可能に軸支されるものである。
【0019】
図8に示すごとく、セット部5にロール紙2をセットするに際して、ロール紙2の両側端を保持する一対のロールホルダ57、64の両筒部57a,64aを前記中心筒体61の内側に嵌め入れて、他方のロールホルダ57の係合孔70に一方のロールホルダ64の係合爪71を弾性的に係合させる。さらに、前記一方のロールホルダ64の筒部64aには、被検出部としての前記検知孔62と対応する位置に透かし孔72が穿設されている(図7(c)及び図8参照)。
【0020】
なお、前記他方の上向き略U字状の受け部69は、一方のロールホルダ64の筒部64aがセットされたとき、その下端面より筒部64aの半径よりやや高い位置にて弾性的に筒部64aの外周面に摺接して、当該筒部64aが不用意に上向きに抜け出さないよう規制する突起74が一体的に形成されている(図10及び図12参照)。
【0021】
そして、図8及び図9に示すように、前記一方の受け部69には、ロールホルダ64を当該受け部69に上方からセットするように落とし込んだとき、筒部64aの内径方向に伏せて入り込むようにするセンサ保持体75が支軸77を中心に上下回動可能に支持する支持部78を形成する。センサ保持体75の片面には、前述のように伏せたとき前記透かし孔72の箇所に対峙するセンサ部76が設けられている。このセンサ部76は光反射式の非接触式センサを使用する。
【0022】
センサ保持体75の基部には、図8及び図9に示すような作動部79を設ける一方、前記センサ保持体75の基部にて一体的に形成された一対の支軸77のうち片方の支軸77の基端ボス部に遊嵌された復帰手段としての捩じりバネ80により、常にはセンサ保持体75のセンサ部76が取付けられた側が、前記一方の受け部69より外側(ロールホルダ64が上下移動する範囲から外れた側)に位置するように起立付勢されている。そして、前記作動部79は、前記一方のロールホルダ64をセット部5にセットすべく筒部64aが受け部69内にはまるように下向きに押し込むとき、当該筒部64aの下面が前記作動部79の上面に当接し、筒部64aの下向き移動につれて前記捩じりバネ80の付勢力に抗してセンサ保持体75の自由端側がロールホルダ64の筒部64a内に入り込むように伏せ回動し、前記センサ部76が被検出部としての前記透かし孔72の箇所に接近する。
【0023】
この場合、センサ保持体75の伏せ姿勢(傾き角度)は、前記ロールホルダ64の筒部64aが受け部69にセットされた位置に応じた前記作動部79の回動角度により決定されるので、前記セット部5に対するセンサ保持体75の取付け位置が設定されると、筒部64aが受け部69に正確にセットするかぎり、センサ部76とロール部2aにおける中心筒体61の外面の判別マーク63までの距離の誤差を少なくすることができる。
【0024】
従って、後述するように、前記セット部5にセットされたロール部2aが回転するとき、光反射式のセンサ部76では、前記透かし孔72及び検知孔62を介して前記判別マーク63を正確に(誤りなく)読取ることができ、図示しない電子式のコントローラにてロール紙2の前記種類を判別記憶し、印字の条件や裁断の幅等の作動を制御するために役立てることができるのである。
【0025】
他方、ロール紙2のロール部2aを前記セット部5から外すと、ロールホルダ64が受け部69から上向きに移動するので、捩じりバネ80の付勢力により前記センサ部76が被検出部としての透かし孔72から離間するようにセンサ保持体75が起立し、このセンサ保持体75は、ロールホルダ64で下向きに押さえられていない状態では、受け部69より外側(ロールホルダ64が上下移動する範囲から外れた位置)に姿勢保持されるのである。
【0026】
なお、図1において、装置本体1の長手方向中途部にはローラ状のプラテン6が配置されており、前記セット部5にてロール部2aから巻き解かれたロール紙2がプラテン6の上面を通過して図1の右端方向の裁断部10へ搬送されるように構成されている。そして、前記上側フレーム16,16に上下回動可能に装着されたアーム7,7の先端間をつなぐフレーム8の下面に設けたサーマルヘッド9が前記プラテン6上のロール紙2に押圧当接して印字等の画像形成する印字部を構成する。
【0027】
裁断部10では、図1及び図2に示すように、X軸方向に長くY軸方向(搬送方向)に短いテーブル11を挟んでロール紙2を搬送するための前後一対の駆動ローラ12a,12bが配置されており、正逆回転可能なY軸モータ13から後に詳述する第1ギヤ伝動機構14を介して、両駆動ローラ12a,12bが同方向に回転駆動される。
【0028】
前記一対の下側フレーム4,4の左端の枢軸15を介して上下回動する上側フレーム16,16の間には前記各駆動ローラ12a,12bに上側から対峙するピンチローラ17a,17bが配置されており、上側フレーム16,16を下側フレーム4,4に対して下向き回動して閉じた状態では、ピンチローラ17a,17bが前記駆動ローラ12a,12bに各々押圧してその間でロール紙2を挟んで搬送できる構成である。
【0029】
本実施形態では、前記印字部はロール紙2の幅全体にわたる横長のサーマルヘッド9を使用したが、他の実施形態として、インクジェット式の印字ヘッドや、インクリボンを介してドットピンもしくはサーマルヘッドにより印字する形式の印字ヘッドを使用しても良い。
【0030】
ロール紙2の幅方向(X軸方向)に移動可能な作業部としてのキャリッジ23は、前記一対の上側フレーム16,16間に装架した軸状等の主ガイド軸18aと補助ガイド板18bとに摺動自在に装架されている。そして、前記一対の上側フレーム16,16の各内面に配置された駆動プーリ19と従動プーリ20とに巻掛けたタイミングベルト21の一箇所を前記キャリッジ23に固定し、正逆回転可能なステップモータ等のX軸モータ22からX軸歯車伝動機構24を介してタイミングベルト21をX方向に回動駆動してキャリッジ23をX軸方向に選択的に移動させる。
【0031】
前記キャリッジ23には、そのサイドブロック23aとの間で昇降ブロック25が上下動自在に装着され、この昇降ブロック25にはほぼ筒状のカッタホルダ26が固定されている。そして、前記一対の上側フレーム16,16間に装着された横長の回動アーム28の上下回動する自由端側が前記昇降ブロック25の横向きの嵌合溝25aに嵌合され、正逆回転可能なステップモータ等のZ軸モータ27により、詳述しないホルダ高さ調節機構29を介して前記回動アーム28の自由端側を上下動させ、前記カッタホルダ26を前記テーブル11の上面に対して昇降調節できるよう構成されている。
【0032】
カッタホルダ26には、下端に切断刃30を備えた丸軸状のカッタ軸31が縦軸回りに回動自在に軸支され、且つ昇降可能に軸支されており、詳述しないが刃先突出量調整機構33により、前記切断刃30がカッタホルダ26の下面から突出する量がロール紙2における記録紙のみを切断し、離型紙を切断しないハーフカット位置と、記録紙及び離型紙の両者を突き刺してロール紙2を完全に切断する全カット位置と、前記記録紙の表面に前記切断刃30の切先が触れない刃先突出量調整位置等に切断刃30を高さ位置調節するものである。
【0033】
前記一方の下側フレーム4の外側には、正逆回転可能なステップモータ等のY軸モータ13の作動により、両駆動ローラ12a,12bを同方向に回転駆動するための第1ギヤ伝動機構14と、ロール紙2の巻き戻しを実行するための第2ギヤ伝動機構34とが配置されている。図1、図4及び図5に示すように、第1ギヤ伝動機構14は、Y軸モータ13の出力軸に固定したピニオン35から第1歯車36と一体的に回転する小歯車36aとを介して、プラテン6と一体的に回転するプラテン歯車37に動力伝達する一方、前記ピニオン35から第2歯車38及び第3歯車39を介して太陽歯車40を回転させるように構成されている。そして、この太陽歯車40の支軸に回動可能に枢支された遊星アーム41には、2つの遊星歯車42a,42bが装着されており、この2つの遊星歯車42a,42bは太陽歯車40に噛み合っている。
【0034】
Y軸モータ13が正回転するとき(ピニオン35が図5に示すように時計回りに回転する時)、太陽歯車40が反時計回りに回転し、これに噛み合う2つの遊星歯車42a,42bが時計回りに自転しつつ遊星アーム41を介して反時計回りに公転し、一方の遊星歯車42aが第4歯車43と噛み合った位置で公転が停止される。そして、第4歯車43と同軸上で一体的に回転する小歯車44を介して前記一対の駆動ローラ12a,12bに対する2つの第5歯車45,45を同方向に回転させるように構成されている。
【0035】
さらに、この第1ギヤ伝動機構14には、前記遊星歯車42a,42bと遊星アーム41とを利用した第1伝達切替手段46を設ける。即ち、図5等に示すように、前記遊星アーム41に突出した係合ピン47は、前記一方の下側フレーム4の軸48を介して回動可能に軸支された作動レバー49の遊嵌孔50に嵌め入れてある。従って、前述のように、Y軸モータ13が正回転するときには、作動レバー49の先端(上端)は時計方向に回動する。
【0036】
第2ギヤ伝動機構34は、前記Y軸モータ13が逆回転する(ピニオン35が反時計回りに回転する)ときにのみ作動するものであって、ピニオン35が反時計回りに回転すると、前述の第1歯車36が時計回りに回転し、プラテン6が反時計回りに回転する。そして、第2伝達切替手段としての前記第1歯車36の支軸回りに回動可能な第3アーム51に回転可能に支持された遊星歯車52は、前記第1歯車36と一体的に回転する小歯車36aに噛み合っているので、遊星歯車52は反時計回りに自転しつつ、第3アーム51が時計回りに回動し、この遊星歯車52が第6歯車53に噛み合う箇所で公転が阻止される。この第6歯車53に対して同軸の第7歯車54には所定以上のトルクが作用するときスリップする滑りクラッチ55が介挿されている。前記第7歯車54から中間歯車56を介してロール部2aの一側に取付くロールホルダ57の外周のロール歯車58に噛み合って動力伝達し、ロール部2aは図5において時計回りに回転して、ロール紙2を巻き戻す(巻き取る)のである。
【0037】
この場合、前述の第1ギヤ伝動機構14では、太陽歯車40は時計回りに回転するから、これに噛み合って自転しながら時計回りに公転する2つの遊星歯車42a,42bのうち、他方の遊星歯車42bが第4歯車43と噛み合った位置で公転が停止される。そして、第4歯車43と同軸上で一体的に回転する小歯車44を介して前記一対の駆動ローラ12a,12bに対する2つの第5歯車45,45を同方向(反時計回り)に回転させる。
【0038】
従って、裁断部10の箇所では、駆動ローラ12a,12bとピンチローラ17a,17bとで挟持されているロール紙2も図6で左方向に逆搬送される。また、ロール部2aの巻き取り直径が大きくなると、ロール 1回転あたりの巻き取られる量は次第に増大するが、前記滑りクラッチ55の作用により、所定のテンションを掛けつつロール部2aの回転数が次第に減少できるのである。
【0039】
前述のように、ピニオン35が時計回りに回転するとき(ロール紙2を図5のように右方向に搬送するとき)には、第1歯車36と一体的に回転する小歯車36aが反時計方向に回転するので、第3アーム51が反時計回りに回動し、この遊星歯車52と第6歯車53との噛み合いが解除されて、ロール部2aの箇所はフリー状態となる。
【0040】
そして、ロール部2aを巻き戻して、途中のロール紙2の弛みをとる場合には、図4の実線で示すように、予め、作業部としての前記キャリッジ23におけるサイドブロック23aを前記一方の下側フレーム4に近接させると、該サイドブロック23aから横向きに突出する作動突起60が、反時計回りに回動しようとする前記作動レバー49の上端の左側面に当接し、当該作動レバー49を中立姿勢に規制する。これにより、作動レバー49に係合した遊星アーム41の動きを規制し、該遊星アーム41の両端に装着された一対の遊星歯車42a,42bのいずれもが第4歯車43と噛み合うことがない中立位置に保持される。
【0041】
従って、前記前後一対の駆動ローラ12a,12bへの回転力の伝達は阻止され、両駆動ローラ12a,12bの回転が停止するので、両駆動ローラ12a,12bとピンチローラ17a,17bとの間で挟持されたロール紙2の箇所は前後方向のいずれにも搬送されず拘束されるから、ロール部2aの巻き戻し(巻き取り)動作に応じて、ロール紙2の弛みを除去することができるのである。
【0042】
次に、ロール紙2の種類判別のための準備作動について説明すると、ロール部2aを前記セット部5にセットする場合、前記一対の上側フレーム16,16を上向きに回動してセット部5を開放状態とし、前記セット部5にセットしたロール部2aから繰出した(引き出した)ロール紙2の先端を、作業部としての前記裁断部10における前後対の駆動ローラ12a,12bよりも右方に位置させて、上側フレーム16を閉める。そうすると、前記駆動ローラ12a,12b右方向(搬送下流側)に配置した先端検出センサ73にてロール紙2の先端を検出することができる。
【0043】
この作業中に、前記セット部5とロール紙2の先端との間に弛みがあると、前記駆動ローラ12a,12bとピンチローラ17a,17bとで挟持したロール紙2を図5のように繰出し方向(前進方向)に回転駆動させても、前記弛みの部分が緊張状態になるまではロール紙2は回転せず、従って、ロール紙2に付した前記判別マーク63を前記セット部5に設けたセンサ部76にて判別できない。このような状態の場合、まず、Y軸モータ13を少し正回転させて、作動レバー49を時計方向に回動させ、キャリッジ23の移動に伴って下側フレーム4に穿設されている孔から突出してきた作動突起60と当接しないように、作動レバー49を繰出し方向に確実に傾けておく。次に、図4に示すように、キャリッジ23をX軸方向に沿って移動させて、一方の下側フレーム4に接近もしくは当接させ、そのサイドブロック23aに突出する作動突起60を、下側フレーム4に穿設した孔から前記作動レバー49の一側に臨ませ、当該作動レバー49が後退作動方向に傾き回動するのを規制する。
【0044】
この状態でY軸モータ13を一旦適宜時間だけ逆回転させると、前記セット部5におけるロール部2aは逆回転(巻き取り動作)する一方、ロール紙2の先端をピンチローラ17a,17bとで挟持している駆動ローラ12a,12b箇所は回転停止しているから、前述のようにロール紙2の弛みが除去される。そして、ロール紙2にテンションが作用すれば、前記滑りクラッチ55の機能により、第3ギヤ伝動機構34は回転してもロール部2aは回転しない。このように、ロール紙2の弛みが取れてロール部2aが回転しなくなったことは、センサ部76の読取り信号が変化しなくなったことから検知できる。この状態でY軸モータ13を停止し、次いで、キャリッジ23を下側フレーム4から離れる方向に移動させて、作動レバー49に対する規制を解除し、その後、Y軸モータ13を正回転させることによりロール紙2の先端側を図5の右方向に移動させるべく前進操作を開始しつつ前記センサ部76にて判別マーク63を読み取れば良いのである。
【0045】
前記実施形態では、合成樹脂製のセンサ保持体75に作動部79を一体的に形成したが、作動部79を弾性を有するように形成することもできる。その場合、作動部を合成樹脂製もしくは金属製のバネ板にて形成しても良い。このように、弾性を有する作動部79に構成すれば、セット部5における受け部69に前記ロールホルダ64を押し込み、その外周面にて作動部79を下向きに押圧し、ロールホルダ64が受け部69に正しくセットされた状態のとき、センサ保持体75に設けた図示しない規制部(ストッパー部)を、受け部69乃至は支持部78に当接させて、当該センサ保持体75の水平姿勢等の所定の検出姿勢が保持されるように構成しても良い。もしくは、図9の二点鎖線に示すように、センサ保持体75の片面(センサ部76が配置されている側)に摺接可能なスペーサ体としての回転自在なコロ82を設け、センサ保持体75をロールホルダ64の筒部64aの内径部にて伏せ姿勢を採るとき、前記コロ82が筒部64aの内周面に摺接するように構成しても良い。
【0046】
これらのように、センサ保持体75の伏せ姿勢が一定に保持されセンサ部76からロール部2aの内径の判別マーク63までの距離を一定にできるようにすれば、前記センサ部76によるロール紙2の判別の検出誤差や検出不能状態を大幅に少なくすることができる。
【0047】
前記復帰手段としての捩じりバネ80に代えて、板ばねや引張コイルバネを使用しても良いし、離間させるときロールホルダ64の筒部64aの内周面にてセンサ保持体75をある程度立て起こした後、セット部5側に設けた誘い込み手段にてセンサ保持体75を略垂直状等に姿勢復帰させる構成であって良い。
【0048】
さらに、前記コロ82に代えて、摩擦係数の小さい非回転の摺動突起等の摺接可能なスペーサ体を設けても良い。
【0049】
図13及び図14は第2実施形態としてのセンサ保持体83を示し、ロール部2aの一方ロールホルダ64の筒部64aより内径側の端板64cの外面(円板面)に円周方向に沿って長い判別マーク84を付す(図14参照)。
【0050】
そして、セット部5における受け部69に前記ロールホルダ64を押し込み、その外周面にて作動部79を下向きに押圧し、ロールホルダ64が受け部69に正しくセットされた状態のとき、センサ保持体75に設けたセンサ部76が前記判別マーク84に近接するように起立させるのである。この実施形態でも、ロールホルダ64のセット時に、センサ部76と被検出部としての判別マーク84との距離をできる限り近づけることができる。そして、捩じりバネ80等の付勢手段を設けて、ロール紙2のロール部2aを前記セット部5から外すと、ロールホルダ64が受け部69から上向きに移動するので、捩じりバネ80の付勢力により前記センサ部76が被検出部としての判別マーク84の表面から離間するようにセンサ保持体75が回動し、このセンサ保持体75は、ロールホルダ64で下向きに押さえられていない状態では、受け部69より外側で、ロールホルダ64が上下移動するのに邪魔にならない位置に姿勢保持されるのである。
【0051】
本発明におけるロール紙2の幅寸法や紙質等が変更されても、各ロール部2aの中心筒体61の直径と、判別マーク63のための検知孔62の位置が一定のものであれば、前記中心筒体61の両端に装着する一対のロールホルダ57,64は共通のものとして使用できるから、このロールホルダ57,64はロール紙2の消耗の都度に使い捨てする部品とならないのである。
【0052】
また、前記一方のロールホルダ64の外側面に被検出部としての判別マーク63を付したものでは、このロールホルダ64が使い捨てとなり、前記一方のロールホルダ57は繰り返し使用できる。
【0053】
なお、セット部の一対の受け部68,69の開放側を上向きでなく、ロール紙2の搬送方向と反対側の後側に開放するようにして、ロール部2aの両端のロールホルダ57,64を横方向に押し込んで一対の受け部68,69にセットするような構成にも適用できる。
【0054】
本発明は、プリンタやファクシミリ等の印刷装置、画像形成装置等にも適用できることはいうまでもない。
【0055】
【発明の効果】
以上に詳述したように、請求項1に記載の発明のロール紙の判別装置は、長尺のロール紙を中心筒体に巻回したロール部の両端にロールホルダを着脱自在に装着し、該一対のロールホルダをセット部に装着して回転自在に支持するように構成し、該セット部には、前記一方のロールホルダの接近移動に応じて当該ロールホルダにおける被検出部にセンサ部が接近するようにセンサ保持体を起伏可能に設けたものである。
【0056】
このように、センサ部を設けたセンサ保持体はセット部に設けられているため、ロール部を保持した一対のロールホルダをセット部に接近移動させる動作に応じて、前記センサ部がロールホルダにおける被検出部に接近するので、従来のものに比べてロール紙のセット作業が至極簡単となると共に、ロール部のセットによりセンサ部の被検出部との距離の設定を一定にできて距離の誤差を少なくできるという効果を奏する。
【0057】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロール紙の判別装置において、前記センサ保持体には、前記一方のロールホルダがセット方向に移動するとき当接して、前記センサ部側が前記被検出部に接近すべく当該センサ保持体を回動させる作動部を備え、前記ロール部をセット部から離間させるとき前記センサ部側が前記被検出部から離間するための復帰手段を備えたものである。
【0058】
この構成によれば、センサ保持体には作動部を設け、センサ保持体はセット部にて回動する構成であるため、前記一方のロールホルダと作動部との位置関係だけで、センサ保持体の回動程度を設定でき、ロール部のセットによりセンサ部の被検出部との距離の設定を一定にできて距離の誤差を少なくできるという効果を奏する。また、前記ロールホルダをセット部から離間させると復帰手段によりセンサ保持体が回動してそのセンサ部が被検出部から離間でき、ロール部の着脱作業も一層簡単にできるという効果を奏する。
【0059】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のロール紙の判別装置において、前記作動部は弾性体により構成したものである。
【0060】
作動部が弾性体であれば、ロールホルダにより作動部を多い目に作動させても、センサ保持体のセンサ部からロールホルダにおける被検出部までの距離を一定にできるようにすれば、前記センサ部によるロール紙の判別の検出誤差や検出不能状態を大幅に少なくすることができるという効果を奏する。
【0061】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のロール紙の判別装置において、前記一方のロールホルダはほぼ筒体であり、該筒体の内径部に被検出部を設けたものである。
【0062】
この構成によれば、ロール紙の幅寸法や紙質等が変更されても、各ロール部の中心筒体の直径と、被検出部の位置が一定のものであれば、前記中心筒体の両端に装着する一対のロールホルダを共通のものとして使用できるから、このロールホルダはロール紙の消耗の都度に使い捨てする部品とならず、ランニングコストを少なくできるという効果を奏する。
【0063】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のロール紙の判別装置において、前記センサ保持体には、前記センサ部と被検出部との接近したときの間隔を一定に保持し、且つロールホルダに摺接するスペーサ体を設けたものである。
【0064】
この構成によれば、回転するロール部に対してセンサ保持体を摺接させても回転抵抗が少なく且つセンサ部をロールホルダにおける被検出部に非接触状態で最接近した状態を保持でき、センサ部からロールホルダにおける被検出部までの距離を一定にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラベルの印刷・裁断装置の全体側面図である。
【図2】ラベルの印刷・裁断装置の全体平面図である。
【図3】裁断部の側面図である。
【図4】キャリッジの平面図である。
【図5】ロール紙の前進方向移動時の第1ギヤ伝動機構及び第2ギヤ伝動機構の作動状態を示す側面図である。
【図6】ロール部の分解斜視図である。
【図7】(a)は他方のロールホルダの一部切欠き正面図、(b)はロール部の一部切欠き正面図、(c)は一方のロールホルダの一部切欠き正面図である。
【図8】ロール部をセット部にセットした時の一部切欠き正面図である。
【図9】センサ保持体の斜視図である。
【図10】図8のX−X線矢視図である。
【図11】ロール部をセット部から離間させた時の一部切欠き正面図である。
【図12】図11のXII −XII 線矢視図である。
【図13】他の実施形態の一部切欠き正面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線矢視図である。
【符号の説明】
1 装置本体
2 ロール紙
2a ロール部
5 セット部
57,64 ロールホルダ
61 中心筒体
62 検知孔
63 判別マーク
57a,64a 筒部
58b,64b フランジ部
70 係合孔
71 係合爪
68,69 受け部
72 透かし孔
75 センサ保持体
76 センサ部
77,77 支軸
78 捩じりバネ
79 作動部
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタやファクシミリ等の画像形成装置におけるロール状に巻回した被記録媒体や、ラベルシート等の裁断装置におけるロール状に巻回したウエッブであるロール紙の種類を検出して判別するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録装置におけるロール紙の種類を自動的に検出(判別)するための従来の技術として、例えば、特開平9−86743号公報では、ファクシミリ等の画像形成装置における被記録媒体として使用する用紙ロールの両端にそれぞれフランジが形成されたホルダを装着し、これらのホルダを介して用紙ロール保持機構に保持されている用紙ロールからロール紙を解き出し、該解き出された部位のロール紙に記録を行なう記録装置において、前記用紙ロール保持機構に保持されている用紙ロールの前記一方のホルダのフランジの外周縁に圧接し得る移動自在なフランジ当接部材と、前記用紙ロールの種類に対応するフランジの外径寸法に応じて位置決めされる前記フランジ当接部材の位置により前記ロール紙の種類を検出する用紙種類検出手段とを有する構成が開示されている。
【0003】
しかし、このものでは、用紙ロールの種類毎に、外径寸法の異なるフランジを準備しなければならず、さらにこれに応じて、用紙種類検出手段としてのセンサの数も複数個必要であるから、検出装置の製造コストが高くなるという問題があった。
【0004】
他方、ロール紙の幅サイズや、巻き長さ、紙質等の種類別を判別するとき、ロール紙の巻き芯である中心筒体の内径部やロール紙の左右両側のフランジ部に印刷等したマーク部のデータを、当該ロール紙を回転させながらセンサにて判別するという技術があった。そこで、前記の問題を解決するため、本出願人は、特願平10−135316号において、タック紙用等のロール紙の巻回部の中心管体に、その軸線方向に沿って適宜間隔にてロール紙の幅寸法や紙質等の種類に応じた1乃至複数の被検出部を設ける一方、前記中心管体に嵌挿して当該中心管体を回転可能に支持するロール紙支持体には、前記被検出部に対応する位置に接触式もしくは非接触式のセンサを設けたものを提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術では、ロール紙の交換に際してロール紙支持体に対して中心管体をその軸線方向に移動させて着脱作業を実行しなければならず、ロール紙支持体と中心管体との嵌合精度も必要であるため、着脱作業が面倒であるという問題があった。
【0006】
さらに、前記被検出部に対するセンサを光反射式等の非接触式のものを使用する場合、ロール紙をセット部にセットしたとき、被検出部の判別マークからセンサまでの距離をなるべく近づけると共に、その接近(距離)の誤差も少なくする必要があった。
【0007】
本発明は、前記技術的問題を解決するためになされたものであって、比較的簡単な構成にて、ロール紙の種類の判別をセット部において可能とする、ロール紙の判別装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明のロール紙の判別装置は、長尺のロール紙を中心筒体に巻回したロール部の両端にロールホルダを着脱自在に装着し、該一対のロールホルダをセット部に装着して回転自在に支持するように構成し、該セット部には、前記一方のロールホルダの接近移動に応じて当該ロールホルダにおける被検出部にセンサ部が接近するようにセンサ保持体を起伏可能に設けたものである。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロール紙の判別装置において、前記センサ保持体には、前記一方のロールホルダがセット方向に移動するとき当接して、前記センサ部側が前記被検出部に接近すべく当該センサ保持体を回動させる作動部を備え、前記ロール部をセット部から離間させるとき前記センサ部側が前記被検出部から離間するための復帰手段を備えたものである。
【0010】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のロール紙の判別装置において、前記作動部は弾性体により構成したものである。
【0011】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のロール紙の判別装置において、前記一方のロールホルダはほぼ筒体であり、該筒体の内径部に被検出部を設けたものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のロール紙の判別装置において、前記センサ保持体には、前記センサ部と被検出部との接近したときの間隔を一定に保持し、且つロールホルダに摺接するスペーサ体を設けたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態について説明する。
【0014】
図1はタック紙の印刷・裁断装置の側面図、図2は平面図、図3はカッタホルダ等の側面図、図5はロール部を解いてロール紙を前進させる状態のギヤ伝動機構の側面図、図6はロール部の分解斜視図、図8はセット部の一部切欠き正面図である。
【0015】
本発明に適用するロール紙2は、表面に印刷可能な帯状の記録紙の裏面に感圧接着剤等の粘着剤を塗布し、この粘着剤層を帯状の離型紙の表面に付着させたものであり、このロール紙2を紙管等の中心筒体61に巻回した部分をロール部2aという。図6及び図7(b)に示すように、前記中心筒体61の一側には、被検出部としての円周方向に沿って長手の検知孔62が1乃至複数個(本実施形態では3個を例示)穿設されている。そして、前記ロール紙2の基端を中心筒体61に巻き付けるつなぎ片3の巻回内面には、前記各検知孔62と対峙する箇所にロール紙2の幅寸法や紙質、ロール巻き長さ等のロール紙2の種類を判別するための白黒帯び状等の光反射率の異なる部分を有する判別マーク63が印刷もしくはラベル貼着等により付されている。
【0016】
なお、印刷できる記録紙は普通紙の他、光沢紙や合成樹脂フィルムを使用しても良く、また、ロール紙2は離型紙を貼着していない記録紙単独のものであっても良い。
【0017】
本発明を適用する印刷・裁断装置には、装置本体1の一対の下側フレーム4,4の図1における左端部に、ロール紙2のロール部2aを後述する一対のロールホルダ57、64と共に回転可能に支持させるセット部5が設けられている。即ち、図7(a)に示すように、他方のロールホルダ57は、前記中心筒体61の内径に嵌合する筒部57aとその外周の中途に突出するフランジ部57bとを有し、筒部57aとフランジ部57bとの付け根部には、前記中心筒体61の端部に切欠いた係合溝65a(図7(b)参照)に係止して相対的な回転を阻止するための爪66aが突設されている。また、フランジ部57bの中心から外向きに突出した軸部67はセット部5の一方の上向き開放状の受け部68に回転自在に軸支されるものである。さらに、前記フランジ部57bの外面には後述するよにロール部2aを回転させるためのロール歯車58が一体的形成されている。
【0018】
一方のロールホルダ64は、図7(c)に示すように、外向きに開放された筒部64aとその外周の中途に突出するフランジ部64bとからなり、筒部64aとフランジ部64bとの付け根部には、前記中心筒体61の他方の端部に切欠いた係合溝65b(図7(b)参照)に係止して相対的な回転を阻止するための爪66bが突設されている。そして、前記筒部64aは図8、図10及び図12に示すようにセット部5における他方の上向き略U字状の大径の受け部69に回転可能に軸支されるものである。
【0019】
図8に示すごとく、セット部5にロール紙2をセットするに際して、ロール紙2の両側端を保持する一対のロールホルダ57、64の両筒部57a,64aを前記中心筒体61の内側に嵌め入れて、他方のロールホルダ57の係合孔70に一方のロールホルダ64の係合爪71を弾性的に係合させる。さらに、前記一方のロールホルダ64の筒部64aには、被検出部としての前記検知孔62と対応する位置に透かし孔72が穿設されている(図7(c)及び図8参照)。
【0020】
なお、前記他方の上向き略U字状の受け部69は、一方のロールホルダ64の筒部64aがセットされたとき、その下端面より筒部64aの半径よりやや高い位置にて弾性的に筒部64aの外周面に摺接して、当該筒部64aが不用意に上向きに抜け出さないよう規制する突起74が一体的に形成されている(図10及び図12参照)。
【0021】
そして、図8及び図9に示すように、前記一方の受け部69には、ロールホルダ64を当該受け部69に上方からセットするように落とし込んだとき、筒部64aの内径方向に伏せて入り込むようにするセンサ保持体75が支軸77を中心に上下回動可能に支持する支持部78を形成する。センサ保持体75の片面には、前述のように伏せたとき前記透かし孔72の箇所に対峙するセンサ部76が設けられている。このセンサ部76は光反射式の非接触式センサを使用する。
【0022】
センサ保持体75の基部には、図8及び図9に示すような作動部79を設ける一方、前記センサ保持体75の基部にて一体的に形成された一対の支軸77のうち片方の支軸77の基端ボス部に遊嵌された復帰手段としての捩じりバネ80により、常にはセンサ保持体75のセンサ部76が取付けられた側が、前記一方の受け部69より外側(ロールホルダ64が上下移動する範囲から外れた側)に位置するように起立付勢されている。そして、前記作動部79は、前記一方のロールホルダ64をセット部5にセットすべく筒部64aが受け部69内にはまるように下向きに押し込むとき、当該筒部64aの下面が前記作動部79の上面に当接し、筒部64aの下向き移動につれて前記捩じりバネ80の付勢力に抗してセンサ保持体75の自由端側がロールホルダ64の筒部64a内に入り込むように伏せ回動し、前記センサ部76が被検出部としての前記透かし孔72の箇所に接近する。
【0023】
この場合、センサ保持体75の伏せ姿勢(傾き角度)は、前記ロールホルダ64の筒部64aが受け部69にセットされた位置に応じた前記作動部79の回動角度により決定されるので、前記セット部5に対するセンサ保持体75の取付け位置が設定されると、筒部64aが受け部69に正確にセットするかぎり、センサ部76とロール部2aにおける中心筒体61の外面の判別マーク63までの距離の誤差を少なくすることができる。
【0024】
従って、後述するように、前記セット部5にセットされたロール部2aが回転するとき、光反射式のセンサ部76では、前記透かし孔72及び検知孔62を介して前記判別マーク63を正確に(誤りなく)読取ることができ、図示しない電子式のコントローラにてロール紙2の前記種類を判別記憶し、印字の条件や裁断の幅等の作動を制御するために役立てることができるのである。
【0025】
他方、ロール紙2のロール部2aを前記セット部5から外すと、ロールホルダ64が受け部69から上向きに移動するので、捩じりバネ80の付勢力により前記センサ部76が被検出部としての透かし孔72から離間するようにセンサ保持体75が起立し、このセンサ保持体75は、ロールホルダ64で下向きに押さえられていない状態では、受け部69より外側(ロールホルダ64が上下移動する範囲から外れた位置)に姿勢保持されるのである。
【0026】
なお、図1において、装置本体1の長手方向中途部にはローラ状のプラテン6が配置されており、前記セット部5にてロール部2aから巻き解かれたロール紙2がプラテン6の上面を通過して図1の右端方向の裁断部10へ搬送されるように構成されている。そして、前記上側フレーム16,16に上下回動可能に装着されたアーム7,7の先端間をつなぐフレーム8の下面に設けたサーマルヘッド9が前記プラテン6上のロール紙2に押圧当接して印字等の画像形成する印字部を構成する。
【0027】
裁断部10では、図1及び図2に示すように、X軸方向に長くY軸方向(搬送方向)に短いテーブル11を挟んでロール紙2を搬送するための前後一対の駆動ローラ12a,12bが配置されており、正逆回転可能なY軸モータ13から後に詳述する第1ギヤ伝動機構14を介して、両駆動ローラ12a,12bが同方向に回転駆動される。
【0028】
前記一対の下側フレーム4,4の左端の枢軸15を介して上下回動する上側フレーム16,16の間には前記各駆動ローラ12a,12bに上側から対峙するピンチローラ17a,17bが配置されており、上側フレーム16,16を下側フレーム4,4に対して下向き回動して閉じた状態では、ピンチローラ17a,17bが前記駆動ローラ12a,12bに各々押圧してその間でロール紙2を挟んで搬送できる構成である。
【0029】
本実施形態では、前記印字部はロール紙2の幅全体にわたる横長のサーマルヘッド9を使用したが、他の実施形態として、インクジェット式の印字ヘッドや、インクリボンを介してドットピンもしくはサーマルヘッドにより印字する形式の印字ヘッドを使用しても良い。
【0030】
ロール紙2の幅方向(X軸方向)に移動可能な作業部としてのキャリッジ23は、前記一対の上側フレーム16,16間に装架した軸状等の主ガイド軸18aと補助ガイド板18bとに摺動自在に装架されている。そして、前記一対の上側フレーム16,16の各内面に配置された駆動プーリ19と従動プーリ20とに巻掛けたタイミングベルト21の一箇所を前記キャリッジ23に固定し、正逆回転可能なステップモータ等のX軸モータ22からX軸歯車伝動機構24を介してタイミングベルト21をX方向に回動駆動してキャリッジ23をX軸方向に選択的に移動させる。
【0031】
前記キャリッジ23には、そのサイドブロック23aとの間で昇降ブロック25が上下動自在に装着され、この昇降ブロック25にはほぼ筒状のカッタホルダ26が固定されている。そして、前記一対の上側フレーム16,16間に装着された横長の回動アーム28の上下回動する自由端側が前記昇降ブロック25の横向きの嵌合溝25aに嵌合され、正逆回転可能なステップモータ等のZ軸モータ27により、詳述しないホルダ高さ調節機構29を介して前記回動アーム28の自由端側を上下動させ、前記カッタホルダ26を前記テーブル11の上面に対して昇降調節できるよう構成されている。
【0032】
カッタホルダ26には、下端に切断刃30を備えた丸軸状のカッタ軸31が縦軸回りに回動自在に軸支され、且つ昇降可能に軸支されており、詳述しないが刃先突出量調整機構33により、前記切断刃30がカッタホルダ26の下面から突出する量がロール紙2における記録紙のみを切断し、離型紙を切断しないハーフカット位置と、記録紙及び離型紙の両者を突き刺してロール紙2を完全に切断する全カット位置と、前記記録紙の表面に前記切断刃30の切先が触れない刃先突出量調整位置等に切断刃30を高さ位置調節するものである。
【0033】
前記一方の下側フレーム4の外側には、正逆回転可能なステップモータ等のY軸モータ13の作動により、両駆動ローラ12a,12bを同方向に回転駆動するための第1ギヤ伝動機構14と、ロール紙2の巻き戻しを実行するための第2ギヤ伝動機構34とが配置されている。図1、図4及び図5に示すように、第1ギヤ伝動機構14は、Y軸モータ13の出力軸に固定したピニオン35から第1歯車36と一体的に回転する小歯車36aとを介して、プラテン6と一体的に回転するプラテン歯車37に動力伝達する一方、前記ピニオン35から第2歯車38及び第3歯車39を介して太陽歯車40を回転させるように構成されている。そして、この太陽歯車40の支軸に回動可能に枢支された遊星アーム41には、2つの遊星歯車42a,42bが装着されており、この2つの遊星歯車42a,42bは太陽歯車40に噛み合っている。
【0034】
Y軸モータ13が正回転するとき(ピニオン35が図5に示すように時計回りに回転する時)、太陽歯車40が反時計回りに回転し、これに噛み合う2つの遊星歯車42a,42bが時計回りに自転しつつ遊星アーム41を介して反時計回りに公転し、一方の遊星歯車42aが第4歯車43と噛み合った位置で公転が停止される。そして、第4歯車43と同軸上で一体的に回転する小歯車44を介して前記一対の駆動ローラ12a,12bに対する2つの第5歯車45,45を同方向に回転させるように構成されている。
【0035】
さらに、この第1ギヤ伝動機構14には、前記遊星歯車42a,42bと遊星アーム41とを利用した第1伝達切替手段46を設ける。即ち、図5等に示すように、前記遊星アーム41に突出した係合ピン47は、前記一方の下側フレーム4の軸48を介して回動可能に軸支された作動レバー49の遊嵌孔50に嵌め入れてある。従って、前述のように、Y軸モータ13が正回転するときには、作動レバー49の先端(上端)は時計方向に回動する。
【0036】
第2ギヤ伝動機構34は、前記Y軸モータ13が逆回転する(ピニオン35が反時計回りに回転する)ときにのみ作動するものであって、ピニオン35が反時計回りに回転すると、前述の第1歯車36が時計回りに回転し、プラテン6が反時計回りに回転する。そして、第2伝達切替手段としての前記第1歯車36の支軸回りに回動可能な第3アーム51に回転可能に支持された遊星歯車52は、前記第1歯車36と一体的に回転する小歯車36aに噛み合っているので、遊星歯車52は反時計回りに自転しつつ、第3アーム51が時計回りに回動し、この遊星歯車52が第6歯車53に噛み合う箇所で公転が阻止される。この第6歯車53に対して同軸の第7歯車54には所定以上のトルクが作用するときスリップする滑りクラッチ55が介挿されている。前記第7歯車54から中間歯車56を介してロール部2aの一側に取付くロールホルダ57の外周のロール歯車58に噛み合って動力伝達し、ロール部2aは図5において時計回りに回転して、ロール紙2を巻き戻す(巻き取る)のである。
【0037】
この場合、前述の第1ギヤ伝動機構14では、太陽歯車40は時計回りに回転するから、これに噛み合って自転しながら時計回りに公転する2つの遊星歯車42a,42bのうち、他方の遊星歯車42bが第4歯車43と噛み合った位置で公転が停止される。そして、第4歯車43と同軸上で一体的に回転する小歯車44を介して前記一対の駆動ローラ12a,12bに対する2つの第5歯車45,45を同方向(反時計回り)に回転させる。
【0038】
従って、裁断部10の箇所では、駆動ローラ12a,12bとピンチローラ17a,17bとで挟持されているロール紙2も図6で左方向に逆搬送される。また、ロール部2aの巻き取り直径が大きくなると、ロール 1回転あたりの巻き取られる量は次第に増大するが、前記滑りクラッチ55の作用により、所定のテンションを掛けつつロール部2aの回転数が次第に減少できるのである。
【0039】
前述のように、ピニオン35が時計回りに回転するとき(ロール紙2を図5のように右方向に搬送するとき)には、第1歯車36と一体的に回転する小歯車36aが反時計方向に回転するので、第3アーム51が反時計回りに回動し、この遊星歯車52と第6歯車53との噛み合いが解除されて、ロール部2aの箇所はフリー状態となる。
【0040】
そして、ロール部2aを巻き戻して、途中のロール紙2の弛みをとる場合には、図4の実線で示すように、予め、作業部としての前記キャリッジ23におけるサイドブロック23aを前記一方の下側フレーム4に近接させると、該サイドブロック23aから横向きに突出する作動突起60が、反時計回りに回動しようとする前記作動レバー49の上端の左側面に当接し、当該作動レバー49を中立姿勢に規制する。これにより、作動レバー49に係合した遊星アーム41の動きを規制し、該遊星アーム41の両端に装着された一対の遊星歯車42a,42bのいずれもが第4歯車43と噛み合うことがない中立位置に保持される。
【0041】
従って、前記前後一対の駆動ローラ12a,12bへの回転力の伝達は阻止され、両駆動ローラ12a,12bの回転が停止するので、両駆動ローラ12a,12bとピンチローラ17a,17bとの間で挟持されたロール紙2の箇所は前後方向のいずれにも搬送されず拘束されるから、ロール部2aの巻き戻し(巻き取り)動作に応じて、ロール紙2の弛みを除去することができるのである。
【0042】
次に、ロール紙2の種類判別のための準備作動について説明すると、ロール部2aを前記セット部5にセットする場合、前記一対の上側フレーム16,16を上向きに回動してセット部5を開放状態とし、前記セット部5にセットしたロール部2aから繰出した(引き出した)ロール紙2の先端を、作業部としての前記裁断部10における前後対の駆動ローラ12a,12bよりも右方に位置させて、上側フレーム16を閉める。そうすると、前記駆動ローラ12a,12b右方向(搬送下流側)に配置した先端検出センサ73にてロール紙2の先端を検出することができる。
【0043】
この作業中に、前記セット部5とロール紙2の先端との間に弛みがあると、前記駆動ローラ12a,12bとピンチローラ17a,17bとで挟持したロール紙2を図5のように繰出し方向(前進方向)に回転駆動させても、前記弛みの部分が緊張状態になるまではロール紙2は回転せず、従って、ロール紙2に付した前記判別マーク63を前記セット部5に設けたセンサ部76にて判別できない。このような状態の場合、まず、Y軸モータ13を少し正回転させて、作動レバー49を時計方向に回動させ、キャリッジ23の移動に伴って下側フレーム4に穿設されている孔から突出してきた作動突起60と当接しないように、作動レバー49を繰出し方向に確実に傾けておく。次に、図4に示すように、キャリッジ23をX軸方向に沿って移動させて、一方の下側フレーム4に接近もしくは当接させ、そのサイドブロック23aに突出する作動突起60を、下側フレーム4に穿設した孔から前記作動レバー49の一側に臨ませ、当該作動レバー49が後退作動方向に傾き回動するのを規制する。
【0044】
この状態でY軸モータ13を一旦適宜時間だけ逆回転させると、前記セット部5におけるロール部2aは逆回転(巻き取り動作)する一方、ロール紙2の先端をピンチローラ17a,17bとで挟持している駆動ローラ12a,12b箇所は回転停止しているから、前述のようにロール紙2の弛みが除去される。そして、ロール紙2にテンションが作用すれば、前記滑りクラッチ55の機能により、第3ギヤ伝動機構34は回転してもロール部2aは回転しない。このように、ロール紙2の弛みが取れてロール部2aが回転しなくなったことは、センサ部76の読取り信号が変化しなくなったことから検知できる。この状態でY軸モータ13を停止し、次いで、キャリッジ23を下側フレーム4から離れる方向に移動させて、作動レバー49に対する規制を解除し、その後、Y軸モータ13を正回転させることによりロール紙2の先端側を図5の右方向に移動させるべく前進操作を開始しつつ前記センサ部76にて判別マーク63を読み取れば良いのである。
【0045】
前記実施形態では、合成樹脂製のセンサ保持体75に作動部79を一体的に形成したが、作動部79を弾性を有するように形成することもできる。その場合、作動部を合成樹脂製もしくは金属製のバネ板にて形成しても良い。このように、弾性を有する作動部79に構成すれば、セット部5における受け部69に前記ロールホルダ64を押し込み、その外周面にて作動部79を下向きに押圧し、ロールホルダ64が受け部69に正しくセットされた状態のとき、センサ保持体75に設けた図示しない規制部(ストッパー部)を、受け部69乃至は支持部78に当接させて、当該センサ保持体75の水平姿勢等の所定の検出姿勢が保持されるように構成しても良い。もしくは、図9の二点鎖線に示すように、センサ保持体75の片面(センサ部76が配置されている側)に摺接可能なスペーサ体としての回転自在なコロ82を設け、センサ保持体75をロールホルダ64の筒部64aの内径部にて伏せ姿勢を採るとき、前記コロ82が筒部64aの内周面に摺接するように構成しても良い。
【0046】
これらのように、センサ保持体75の伏せ姿勢が一定に保持されセンサ部76からロール部2aの内径の判別マーク63までの距離を一定にできるようにすれば、前記センサ部76によるロール紙2の判別の検出誤差や検出不能状態を大幅に少なくすることができる。
【0047】
前記復帰手段としての捩じりバネ80に代えて、板ばねや引張コイルバネを使用しても良いし、離間させるときロールホルダ64の筒部64aの内周面にてセンサ保持体75をある程度立て起こした後、セット部5側に設けた誘い込み手段にてセンサ保持体75を略垂直状等に姿勢復帰させる構成であって良い。
【0048】
さらに、前記コロ82に代えて、摩擦係数の小さい非回転の摺動突起等の摺接可能なスペーサ体を設けても良い。
【0049】
図13及び図14は第2実施形態としてのセンサ保持体83を示し、ロール部2aの一方ロールホルダ64の筒部64aより内径側の端板64cの外面(円板面)に円周方向に沿って長い判別マーク84を付す(図14参照)。
【0050】
そして、セット部5における受け部69に前記ロールホルダ64を押し込み、その外周面にて作動部79を下向きに押圧し、ロールホルダ64が受け部69に正しくセットされた状態のとき、センサ保持体75に設けたセンサ部76が前記判別マーク84に近接するように起立させるのである。この実施形態でも、ロールホルダ64のセット時に、センサ部76と被検出部としての判別マーク84との距離をできる限り近づけることができる。そして、捩じりバネ80等の付勢手段を設けて、ロール紙2のロール部2aを前記セット部5から外すと、ロールホルダ64が受け部69から上向きに移動するので、捩じりバネ80の付勢力により前記センサ部76が被検出部としての判別マーク84の表面から離間するようにセンサ保持体75が回動し、このセンサ保持体75は、ロールホルダ64で下向きに押さえられていない状態では、受け部69より外側で、ロールホルダ64が上下移動するのに邪魔にならない位置に姿勢保持されるのである。
【0051】
本発明におけるロール紙2の幅寸法や紙質等が変更されても、各ロール部2aの中心筒体61の直径と、判別マーク63のための検知孔62の位置が一定のものであれば、前記中心筒体61の両端に装着する一対のロールホルダ57,64は共通のものとして使用できるから、このロールホルダ57,64はロール紙2の消耗の都度に使い捨てする部品とならないのである。
【0052】
また、前記一方のロールホルダ64の外側面に被検出部としての判別マーク63を付したものでは、このロールホルダ64が使い捨てとなり、前記一方のロールホルダ57は繰り返し使用できる。
【0053】
なお、セット部の一対の受け部68,69の開放側を上向きでなく、ロール紙2の搬送方向と反対側の後側に開放するようにして、ロール部2aの両端のロールホルダ57,64を横方向に押し込んで一対の受け部68,69にセットするような構成にも適用できる。
【0054】
本発明は、プリンタやファクシミリ等の印刷装置、画像形成装置等にも適用できることはいうまでもない。
【0055】
【発明の効果】
以上に詳述したように、請求項1に記載の発明のロール紙の判別装置は、長尺のロール紙を中心筒体に巻回したロール部の両端にロールホルダを着脱自在に装着し、該一対のロールホルダをセット部に装着して回転自在に支持するように構成し、該セット部には、前記一方のロールホルダの接近移動に応じて当該ロールホルダにおける被検出部にセンサ部が接近するようにセンサ保持体を起伏可能に設けたものである。
【0056】
このように、センサ部を設けたセンサ保持体はセット部に設けられているため、ロール部を保持した一対のロールホルダをセット部に接近移動させる動作に応じて、前記センサ部がロールホルダにおける被検出部に接近するので、従来のものに比べてロール紙のセット作業が至極簡単となると共に、ロール部のセットによりセンサ部の被検出部との距離の設定を一定にできて距離の誤差を少なくできるという効果を奏する。
【0057】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロール紙の判別装置において、前記センサ保持体には、前記一方のロールホルダがセット方向に移動するとき当接して、前記センサ部側が前記被検出部に接近すべく当該センサ保持体を回動させる作動部を備え、前記ロール部をセット部から離間させるとき前記センサ部側が前記被検出部から離間するための復帰手段を備えたものである。
【0058】
この構成によれば、センサ保持体には作動部を設け、センサ保持体はセット部にて回動する構成であるため、前記一方のロールホルダと作動部との位置関係だけで、センサ保持体の回動程度を設定でき、ロール部のセットによりセンサ部の被検出部との距離の設定を一定にできて距離の誤差を少なくできるという効果を奏する。また、前記ロールホルダをセット部から離間させると復帰手段によりセンサ保持体が回動してそのセンサ部が被検出部から離間でき、ロール部の着脱作業も一層簡単にできるという効果を奏する。
【0059】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のロール紙の判別装置において、前記作動部は弾性体により構成したものである。
【0060】
作動部が弾性体であれば、ロールホルダにより作動部を多い目に作動させても、センサ保持体のセンサ部からロールホルダにおける被検出部までの距離を一定にできるようにすれば、前記センサ部によるロール紙の判別の検出誤差や検出不能状態を大幅に少なくすることができるという効果を奏する。
【0061】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のロール紙の判別装置において、前記一方のロールホルダはほぼ筒体であり、該筒体の内径部に被検出部を設けたものである。
【0062】
この構成によれば、ロール紙の幅寸法や紙質等が変更されても、各ロール部の中心筒体の直径と、被検出部の位置が一定のものであれば、前記中心筒体の両端に装着する一対のロールホルダを共通のものとして使用できるから、このロールホルダはロール紙の消耗の都度に使い捨てする部品とならず、ランニングコストを少なくできるという効果を奏する。
【0063】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のロール紙の判別装置において、前記センサ保持体には、前記センサ部と被検出部との接近したときの間隔を一定に保持し、且つロールホルダに摺接するスペーサ体を設けたものである。
【0064】
この構成によれば、回転するロール部に対してセンサ保持体を摺接させても回転抵抗が少なく且つセンサ部をロールホルダにおける被検出部に非接触状態で最接近した状態を保持でき、センサ部からロールホルダにおける被検出部までの距離を一定にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラベルの印刷・裁断装置の全体側面図である。
【図2】ラベルの印刷・裁断装置の全体平面図である。
【図3】裁断部の側面図である。
【図4】キャリッジの平面図である。
【図5】ロール紙の前進方向移動時の第1ギヤ伝動機構及び第2ギヤ伝動機構の作動状態を示す側面図である。
【図6】ロール部の分解斜視図である。
【図7】(a)は他方のロールホルダの一部切欠き正面図、(b)はロール部の一部切欠き正面図、(c)は一方のロールホルダの一部切欠き正面図である。
【図8】ロール部をセット部にセットした時の一部切欠き正面図である。
【図9】センサ保持体の斜視図である。
【図10】図8のX−X線矢視図である。
【図11】ロール部をセット部から離間させた時の一部切欠き正面図である。
【図12】図11のXII −XII 線矢視図である。
【図13】他の実施形態の一部切欠き正面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線矢視図である。
【符号の説明】
1 装置本体
2 ロール紙
2a ロール部
5 セット部
57,64 ロールホルダ
61 中心筒体
62 検知孔
63 判別マーク
57a,64a 筒部
58b,64b フランジ部
70 係合孔
71 係合爪
68,69 受け部
72 透かし孔
75 センサ保持体
76 センサ部
77,77 支軸
78 捩じりバネ
79 作動部
Claims (5)
- 長尺のロール紙を中心筒体に巻回したロール部の両端にロールホルダを着脱自在に装着し、該一対のロールホルダをセット部に装着して回転自在に支持するように構成し、該セット部には、前記一方のロールホルダの接近移動に応じて当該ロールホルダにおける被検出部にセンサ部が接近するようにセンサ保持体を起伏可能に設けたことを特徴とするロール紙の判別装置。
- 前記センサ保持体には、前記一方のロールホルダがセット方向に移動するとき当接して、前記センサ部側が前記被検出部に接近すべく当該センサ保持体を回動させる作動部を備え、前記ロール部をセット部から離間させるとき前記センサ部側が前記被検出部から離間するための復帰手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のロール紙の判別装置。
- 前記作動部は弾性体により構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロール紙の判別装置。
- 前記一方のロールホルダはほぼ筒体であり、該筒体の内径部に被検出部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のロール紙の判別装置。
- 前記センサ保持体には、前記センサ部と被検出部との接近したときの間隔を一定に保持し、且つロールホルダに摺接するスペーサ体を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のロール紙の判別装置。
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