JP3867549B2 - Pps樹脂成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、光ファイバ同士を接続させるのに用いる光ファイバ位置決め部品などに適したPPS樹脂成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信に於ける光ファイバの接続には通常、光コネクタが用いられ、光コネクタには、フェルールやスリーブなどの光ファイバ位置決め部品が用いられる。かかる光ファイバ位置決め部品には、相互に突き合わされる光ファイバの軸心同士の位置決めを高精度に行う必要があるため、高度な寸法精度が要求されるとともに、長期にわたって使用するための寸法安定性も要求される。また、同時に、光ファイバ位置決め部品は繰り返し着脱が行われるものであるため、充分な機械強度が要求されるとともに、長期耐久性も要求される。
【0003】
熱可塑性樹脂を用いてこうした要求に答えるために、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)が種々検討されている。
たとえば、特開昭64−63115号公報、特開平3−12453号公報には、PPS樹脂に無機充填剤を配合する系に於いて、エポキシ系、メルカプト系、或いは、ビニル系のシランカップリング剤を添加したり、これらのシランカップリング剤で予め表面処理した無機充填剤を使用することにより、機械的強度、耐衝撃性が向上することが記載されている。
また、特開平3−140368号公報には、アミノ基もしくはアミド基を有するPPS樹脂に、エポキシ系シランカップリング剤で処理した無機充填剤を用いることにより、PPS樹脂と無機フィラーの濡れ性や接着性を向上し、機械的強度を高める方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PPS樹脂に無機充填剤を配合する系にシランカップリング剤を添加したり、シランカップリング剤で予め処理した無機充填剤を用いるのみでは、樹脂と無機フィラー界面の接着性の改良効果は十分ではなく、そのため、前記のフェルールの場合に、PPS樹脂中に多量の真球シリカやウィスカ等の無機充填剤を配合する系に於いても、ガイド穴部に必要とされる機械的強度が得られるほどの改良効果は得られていない。
一方、アミノ基を要するPPS樹脂等の変性PPS樹脂に、特定のシランカップリング剤で処理した無機充填剤を配合する系に於いては、前記の光ファイバーのフェルール等のように高度な寸法精度や低線膨張係数が必要とされ、PPS樹脂中に真球シリカやウィスカ等の無機充填剤を高充填する場合には、溶融流動性が著しく低下して、金型内へのPPSコンパウンドの充填性が不十分となり、精密な成形加工が困難になるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の問題について鋭意検討した結果、(A)分子末端もしくは側鎖に特定の官能基Xを導入したPPS樹脂と、(B)同一分子内に炭素−炭素二重結合とPPS樹脂に導入された官能基Xと溶融混合下で化学結合を形成し得る原子団を有する有機化合物の溶融混合物に、(C)炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤で表面処理された無機充填剤、または、炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤と無機充填剤とを配合してなるPPS樹脂組成物を溶融成形し、該成形品に電離放射線を照射すれば、溶融流動性や成形加工性を損なうことなく、強度と靱性に優れたPPS樹脂成形体が得られることを見出した。
【0006】
更に具体的には、
(A)分子末端もしくは側鎖にアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基よりなる群より選ばれる官能基を有するPPS樹脂、
(B)一般式(1)の有機化合物
R−Y ・・・・・・ 一般式(1)
(ここに、Yは一般はPPS樹脂の官能基Xと溶融混合時に化学結合を形成し得る原子団、Rは炭素−炭素二重結合を有する分子鎖を表す。)
を溶融混合して得られる樹脂組成物に、(C)分子内に炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤で表面処理された無機充填剤、または、分子内に炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤と無機充填剤とを溶融混練してなるPPS樹脂組成物を射出成形やトランスファー成形等により溶融成形し、成形品に電離放射線の照射を施せば、ガラス繊維、真球シリカ、ウィスカ等の無機充填剤を多量に充填する系に於いても溶融流動性の低下がなく、しかも機械的強度や強靱性に優れた成形品が得られ、多芯光コネクターのフェルールに応用した場合も、ガイド穴部に必要な機械的強度が得られ、かつ、接続損失も小さくできることを見出し、かかる知見に基づき本発明に至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に於いて使用される分子末端や側鎖にアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、或いは、酸無水物基の官能基を導入したPPS樹脂は、何れも既知の方法により製造することが可能である。
例えば、側鎖にアミノ基を導入したPPS樹脂は、特開平3−140368号公報、特開平4−220462号公報、特開平4−227636号公報、特開平4−339859、特開平5−170915号公報等に記載されているように、N−メチルピロリドン等の有機溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロベンゼンとを反応させる際に、ジクロロアニリン等のアミノ基含有ジハロベンゼンを共存させて重合することにより製造できる。
【0008】
また、側鎖にカルボン酸基や酸無水物基を導入したPPS樹脂については、特開平5−170915号公報に記載されているように、上記のアミノ基含有PPS樹脂にトリメリット酸2無水物を反応させる方法が例示できる。
更に、側鎖にエポキシ基を導入したPPS樹脂については、特開平5−186594号公報に記載されているように、上記の側鎖にアミノ基を導入したPPS樹脂に、エポキシ樹脂やエピクロルヒドリンを反応させる方法や、特開平6−271759号公報に記載されているように、PPS樹脂とグリシジルメタクリレートを二軸混合機内で溶融混練する方法等を例示できる。
【0009】
一方、分子末端にアミノ基を導入する方法としては、特開平4−220462号公報に記載されているように、アミノチオフェノールで重合末端を封止する方法や、PPS樹脂をビス(4−アミノフェニル)ジスルフィドのようなジスルフィド化合物と反応させる方法を例示できる。
また、分子末端にカルボン酸基を導入する方法としては、特開平6−234887号公報、特開平7−48505号公報に記載されているように、PPS樹脂とチオリンゴ酸のようなカルボキシル基とメルカプト基を有する変性剤、2,2‘−ジチオジプロピオン酸のような両末端にカルボン酸基を有するジチオ化合物を二軸混合機内で溶融混練する方法等を例示でき、既知の方法にて自在に製造できる。
【0010】
上記の特定の官能基を導入した変性PPS樹脂は、溶融流動性、引張強さ、破壊曲げ歪みなどの点から分子構造はリニアタイプが好ましいが、各種の特性を改善する目的で、上記の特性を損なわない範囲で分岐構造を導入することも可能である。
変性PPS樹脂の分子量としては、無機充填剤配合した樹脂組成物の溶融流動性を確保する点から、300℃、500sec-1の剪断速度での溶融粘度で表すと、100〜1000ポイズの範囲のものが好ましく、150〜800ポイズの範囲のものがより好ましい。この範囲の溶融粘度の変性PPS樹脂であれば、溶融流動性が確保され、成形品の寸法精度も良く、機械的強度も優れていて好ましい。
【0011】
一般式(1)の有機化合物としては、PPS樹脂に導入された官能基Xがアミノ基である場合には、Yがエポキシ基、カルボン酸基、酸無水物基を有する有機化合物を選定すれば良く、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸、クロトン酸、ウンデシレン酸、こはく酸モノメタクリレート、フタル酸モノメタクリレート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等を例示できる。
また、PPS樹脂に導入された官能基Xがエポキシ基である場合には、Yがカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基を有する有機化合物を選定すれば良く、メタクリル酸、クロトン酸、ウンデシレン酸、こはく酸モノメタクリレート、フタル酸モノメタクリレート、アリルアミン、ジアリルアミン、4−アミノスチレン、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等を例示できる。
更に、PPS樹脂に導入された官能基Xがカルボキシル基や酸無水物基である場合には、Yがエポキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基である有機化合物を選定すれば良く、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルアミン、ジアリルアミン、アミノスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート等を例示できる。
【0012】
上記の官能基Xを導入したPPS樹脂と一般式(1)の有機化合物の溶融混合は、単軸溶融押出機、二軸混合機、加圧型ニーダー、バンバリーミキサー等の既知の溶融混合機を用いて行うことができ、例えば、二軸混合機ではL/Dが30以上の混合ゾーンを有する装置を用いてバレル温度300〜350℃にて溶融混合し、吐出ストランドを冷却カットする方法にて官能基を導入したPPS樹脂と有機化合物の反応混合物のペレットを得ることができる。
【0013】
PPS樹脂中の官能基Xのモル比率としては、1〜20モル%が好ましく、2〜10モル%がより好ましい。官能基Xのモル比率が1モル%以上であれば、PPS樹脂と無機充填剤の界面で十分な密着が得られ、20モル%以下であれば、PPS樹脂の結晶性が確保され、耐熱性に優れていて好ましい。
前記特定の官能基を導入したPPS樹脂と一般式(1)の有機化合物の混合比率は、PPS樹脂中の官能基Xのモル比率に応じた化学量論比を参考に適宜設定すればよい。
【0014】
ここで、無機充填剤としては真球シリカが好ましく、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等を併用することも可能である。また、特開2001−264581号公報に開示されている如く、テトラポット形状のウイスカを併用することも有効である。
【0015】
一方、無機充填剤の表面処理を行うための、分子内に炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン、N,N−ジアリルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアリル系シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル系シランを例示でき、これらの中でも、アリル系シラン、アクリル系シランはPPS樹脂と無機充填剤の密着性向上に特に有効である。
【0016】
無機充填剤の表面全体を上記のシランカップリング剤で均一に被覆するには、シランカップリング剤を無機充填剤に対して、0.1乃至は5重量%、より好ましくは0.5乃至は3重量%の比率で処理する必要がある。
処理方法としては、▲1▼官能基を導入したPPS樹脂と、一般式(1)の有機化合物の反応混合物のペレットに、無機充填剤を配合し溶融混練する際に添加する方法、▲2▼シランカップリング剤あるいはシランカップリング剤を有機溶剤で希釈した溶液を無機充填剤に室温または高温下でスプレイ塗布する方法、▲3▼シランカップリング剤を0.1M濃度程度の酢酸水溶液中に添加し、この中に無機充填剤を添加してスラリー状とし、室温〜60℃程度の温度で数時間攪拌後、濾過して無機充填剤を捕集し、100〜120℃の恒温槽内で攪拌、乾燥する方法などが例示できる。
中でも▲3▼の方法は、シランカップリング剤を均一かつ確実に無機充填剤の表面に処理できて好ましい。
【0017】
電離放射線としては、γ線、加速電子線、X線などを例示でき、この中でも加速電子線は処理速度の点で特に優れており、成形品の厚みに応じて加速電圧を適宜調整すれば良い。電離放射線の照射線量としては30〜1000kGyが好ましく、50〜500kGyがより好ましい範囲である。30kGy以上照射すれば、PPS樹脂と無機充填剤の界面の十分な密着効果が得られ、1000kGy以下の照射であれば、成形品の機械的強度が確保できて好ましい。
【0018】
【実施例】
実施例1〜5、比較例2〜4の成形品に用いるPPS樹脂の特定の官能基X、Xのモル%を、それぞれ、表1〜3に示した。
実施例1〜5、比較例2、3の成形品に用いる特定の官能基Xを有するPPS樹脂と、表1〜3に示したそれぞれの有機化合物とを、やはり表1〜3に示した重量比で、2軸混合機(45mmΦ、L/D=32)を用いて、バレル温度320℃、スクリュー回転数100rpmにて溶融混合し、吐出したストランドを水槽で冷却し、ストランドカットしてPPS樹脂と有機化合物との反応混合物のペレットを得た。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
次に、実施例1〜5、比較例1〜4の成形品に用いる樹脂に添加する充填剤として、粒子径の分布に於いて、0.5μmと5μmとに2つの極大値を有する溶融シリカを成分とする真球シリカを選んだ。比較例3の場合は表面処理をせず、そのまま使用したが、その他については、表1〜3に示したシランカップリング剤を用いて下記の方法で表面処理を実施して使用した。
【0023】
(フィラーの表面処理方法)
5%酢酸水溶液に、シランカップリング剤の含有量が5%になるまでシランカップリング剤をゆっくり滴下する。
シランカップリング剤水溶液が透明になるまで約1時間攪拌する。
透明になったシランカップリング剤水溶液に、水溶液と同重量の溶融シリカを添加し、よく攪拌する。
最後に、80℃の恒温槽でよく乾燥させる。
【0024】
前記のようにして得られたPPS樹脂と有機化合物とを混合反応させたペレットと、シランカップリング剤で表面処理した真球シリカとを30:70(重量比)の比率で、室温でタンブラーで予備混合した後、2軸混合機(45mmφ、L/D=32)を用いてバレル温度320℃、スクリュー回転数25rpmにて溶融混合し、吐出ストランドを水槽で冷却し、ストランドカットしてPPS樹脂組成物のペレットを得た。
但し、比較例1では特定官能基を有していないPPS樹脂をそのまま使用し、比較例4では、有機化合物を混合反応させていないPPS樹脂を使用した。
【0025】
なお、前記特定の官能基を導入したPPS樹脂の溶融粘度を、300℃、500sec-1の剪断速度での条件で、キャピラリーレオメータを使用して測定したが、いずれも500〜600ポイズの範囲で特に問題はなかった。
また、真球シリカを配合したPPS樹脂組成物のスパイラルフローは日精樹脂工業(株)の型締力40トンの射出成形機を用いて樹脂温320℃、金型温度135℃、射出圧1000kg/cm2での流動長(mm)を測定したが、いずれも60〜110mmの範囲で、特に問題はなかった。
【0026】
上記のPPS樹脂組成物ペレットを用いて、型締め力30tの射出成形機を用いて成形し、4芯接続用のフェルールを作製した後、このフェルールに加速電圧2MeVの電子線を所定量照射して、性能評価用の成形品試料を得た。
但し、比較例1、2は未照射のものを、性能評価用の成形品試料とした。
【0027】
作成した成形品試料について、それぞれ、機械的強度と接続損失とを測定して性能評価をした。
フェルールの機械的強度は、長さ8mmのステンレス製のガイドピンの一端を約1mm、ガイド穴に挿入し、ガイドピンの他端から1mmの位置に荷重をかけ、0.1mm/秒の速度でガイドピンを加圧変形させ、ガイドピン穴が破壊するときの荷重により評価した。
フェルールの接続損失は、初期のものと、着脱1000回繰り返し後のものとについて、それぞれ光コネクタ10個づつ伝送損失を測定し、その平均値を求めた。
そして、初期と着脱1000回繰り返し後との変化が0.3dB以内のものを良好と判断した。
【0028】
成形品に照射をしていない比較例1、2や、充填剤として表面処理をしていない溶融シリカを使用した比較例3、PPS樹脂に有機化合物を混合反応させていない比較例4は、いずれも接続損失が1000回着脱後に大きくなり、長期信頼性に欠けるものであった。
しかし、実施例1〜5のように、PPS樹脂として、分子末端もしくは側鎖にアミノ基、エポキシ基、カルボン酸基、酸無水物基を有するPPS樹脂を用い、それぞれ有機化合物を混合反応させた樹脂混合物に、分子内に炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤で表面処理した真球シリカを配合したものを使用し、成形後照射したものは、機械的強度も優れており、接続損失も、初期と1000回着脱後との変化が0.3dB以内と優れている。特に、充填剤の表面処理のシランカップリング剤として、実施例1〜4のようにアクリル系あるいはアリル系を用いたものは、1000回着脱後の伝送損失も0.2dB以下と極めて小さく、かつ、ガイド穴部の機械的強度も700kg以上と優れている。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、PPS樹脂中に多量の無機充填剤を配合する系においても、樹脂組成物の溶融流動性を損なうことなく、射出成形性に優れ、しかも成形品の強度に優れ、接続損失も小さいという特有の効果を奏し、光コネクターのフェルール等の分野において利用価値は非常に大きいものがある。
Claims (6)
- (A)分子末端もしくは側鎖に特定の官能基Xを導入したPPS樹脂と、(B)同一分子内に炭素−炭素二重結合とPPS樹脂に導入された官能基Xと化学結合を形成し得る原子団を有する有機化合物の溶融混合物に、(C)炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤で表面処理された無機充填剤、または、炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤と無機充填剤を配合してなるPPS樹脂組成物を溶融成形し、電離放射線を照射したことを特徴とするPPS樹脂成形品。
- (A)の前記官能基Xがアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基よりなる群より選ばれる官能基であることを特徴とする請求項1に記載のPPS樹脂成形品。
- (B)の前記有機化合物が、一般式(1)で表される有機化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のPPS樹脂成形品。
R−Y ・・・・・・ 一般式(1)
(ここに、Yはアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基と溶融混合時に化学結合を形成し得る原子団、Rは炭素−炭素二重結合を有する分子鎖を表す) - 前記シランカップリング剤がアリル系シランもしくは/またはアクリル系シランであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のPPS樹脂成形品。
- 無機充填剤が全樹脂に占める割合が64〜80wt%であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のPPS樹脂成形品。
- (A)分子末端もしくは側鎖に特定の官能基Xを導入したPPS樹脂と、(B)同一分子内に炭素−炭素二重結合とPPS樹脂に導入された官能基Xと化学結合を形成し得る原子団Yを有する有機化合物を溶融混合し、PPS樹脂と有機化合物の反応混合物を得る工程と、当該反応混合物に、(C)炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤で表面処理された無機充填剤または、炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤と無機充填剤とを溶融混合法にて混練し、PPS樹脂組成物を得る工程と、当該PPS樹脂組成物を溶融成形する工程と、当該成形品に電離放射線を照射する工程とを含むことを特徴とするPPS樹脂成形品の製造方法。
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