JP3867548B2 - 撥水性膜及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撥水性膜に関し、詳しくは、基材との密着性に優れ、硬度の高い撥水性膜、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂を基材の表面にコーティングすることにより、基材に対して撥水性を付与することが行われている。例えば、平滑なガラス板にそれらのコーティングを施した場合、対水接触角100°〜110°程度の撥水性が得られている。
また、フラクタル的な凹凸構造を有する物体の表面は、それが撥水性物質(対水接触角90°以上)によって形成されている場合には超撥水性を示すことが知られている。(例えば、「高分子」、vol.45、p.566(1996)参照)
例えば特開2000−1787号公報には、金属アルコキシドの重縮合物、金属酸化物微粒子とフルオロアルキル基またはアルキル基を有するシラン化合物の混合液を基材に塗布し、乾燥させ、加熱してフルオロアルキル基またはアルキル基が露出した微細な凹凸構造を表面に有する多孔質の金属酸化物層をガラスの表面に形成させることを特徴とするガラスの表面改質方法が記載されいる。
【0003】
また特開2000−26844号公報には、フッ素樹脂粉末または表面に疎水処理を施した無機微粉末とシリコーン樹脂バインダと、シリコーンまたはフルオロシリコーンオイルのうち一種類のオイルもしくは複数種類のの混合オイルを含むことを特徴とする撥水性コーティング用塗料が記載されている。
【0004】
また、特開平10−120941号公報には、ポリフルオロアルキル基含有ビニル単量体と1分子中にケイ素原子に結合する少なくとも1個の加水分解可能な基を含有するシリコーン系ビニル単量体との共重合体 100重量部に平均粒径が 0.1〜50μmの粉末50〜400重量部を混合してなる撥水性塗料組成物が記載されている。
これらの方法及び塗料を用いることにより、対水接触角140°以上の撥水性膜が得られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特開2000−1787号公報の方法では、撥水性を発現させるフルオロアルキル基またはアルキル基を有するシラン化合物と凹凸構造を形成させるための金属酸化物微粒子とが結合していないため、塗布後200℃以下の焼成では十分な撥水性が得られなかったり、膜強度が低いという問題があった。また、金属アルコキシドの重縮合物を結合材としているために、プラスチック基材との密着性が悪いばかりか、ガラス基板などの無機基板と密着させるためにも200℃以上の高温度の焼成が必要であるため、この方法では低温成膜や耐熱性のないプラスチック基材などへの適用が困難であるという問題もあった。
【0006】
また特開2000−26844号公報の塗料では、フッ素樹脂粉末または表面に疎水処理を施した無機微粉末とシリコーン樹脂バインダとの間に強い結合がなく、更にオイルを含有した塗膜であるために、基板との密着が不十分であるばかりか、膜の耐摩耗性や硬度など膜強度が低いという問題点があった。また、フッ素系材料は高価であり、製品コストが高くなる問題があった。
また、特開平10−120941号公報記載の塗料においても、膜の耐摩耗性や硬度等の膜強度が低いという同様の問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決し、低温成膜が可能であり、安価かつ簡便に実施可能であり、さらに膜の耐摩耗性や硬度に優れる撥水性コーティング用塗料及びその塗膜を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、表面に疎水処理を施した無機微粒子と、シリコーン変性樹脂バインダ及び/またはシラン化合物の加水分解縮合物、及び有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシド及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物を適宜組み合わせた組成にすることで、低温でも硬化し、対水接触角130℃以上かつ滑落角5°以下の撥水性を示し、耐摩耗性、膜硬度に優れる膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
(1)(a)表面に疎水処理を施した無機微粒子、(b)シリコーン変性樹脂及び/またはシラン化合物の加水分解縮合物、及び(c)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシド及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物を含有することを特徴とする撥水性膜に関し、
(2)水滴の接触角130度以上かつ滑落角5度以下の塗膜であることを特徴とする(1)に記載の撥水性膜、
(3)前記無機微粒子がケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種以上を含有する酸化物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の撥水性膜、
(4)表面に疎水処理を施した無機微粒子が、トリアルキルシリル化合物、ジアルキルシリル化合物、及びパーフルオロアルキルシリル化合物からなる群から選ばれる一種のシリル化合物で処理された無機微粒子であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の撥水性膜、
(5)前記無機微粒子を酸化物換算で40〜70重量%含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の撥水性膜
(6)前記シリコーン変性樹脂が、末端または側鎖に加水分解性基及び/又は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合体1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系樹脂及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の撥水性膜、
(7)前記シリコーン変性樹脂が、フッ素置換アルキル基を含有するシリル基含有ビニル系樹脂であることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の撥水性膜、
(8)シラン化合物が、式(I)
【化5】
R1 nSiXn1(R2)4-n-n1 …(I)
(式中、Xはハロゲン原子を表し、R1は、C1〜C20アルキル基またはC6〜C13アリール基を表し、R2は、OR3、SR3、またはNR3R4を表し、R3、R4は、それそれ独立に、水素原子、C1〜C20アルキル基、C6〜C13アリール基、アシル基を表し、nは、0、1、または2を表し、n1は0、または1〜4のいずれかの整数を表し、n+n1≦4を表す。)で表されるシラン化合物であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の撥水性膜、
(9)金属アルコキシド中の金属が、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムから選ばれる少なくとも1種の金属であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の撥水性膜、
(10)有機基が、式(II)
【化6】
R4COCH2COR5 …(II)
(式中、R4、R5は、それぞれ独立に、C1〜C6アルキル基、C1〜C16アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されているC1〜C6アルキル基を表し、R4、R5は同時にアルコキシ基になることはない。)で表されるβ−ジケトンまたはβ−ケトステル、及び式(III)
【化7】
R6CO2H …(III)
(式中、R6は、C1〜C6アルキル基、またはハロゲン原子で置換されているC1〜C6アルキル基を表す。)で表されるカルボン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の撥水性膜。
(11)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシドが、式(IV)
【化8】
M(OR7)m(R4COCHCOR5)k-m …(IV)
(式中、Mは、アルミニウム、ジルコニウム、またはチタニウムを表し、R7はC1〜C6アルキル基を表し、R4、R5は、前記と同じ意味を表し、kは、Mの原子価を表し、mは、0、または1〜kのいずれかの整数を表す。)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の撥水性膜。
(12)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシド及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物が、塗膜組成中、0.5〜40重量%を占めることを特徴とする、(1)〜(11)のいずれかに記載の撥水性膜に関する。
【0010】
また、
(13)(a)表面に疎水処理を施した無機微粒子、(b)シリコーン変性樹脂及び/またはシラン化合物及び/またはそのの加水分解縮合物、及び(c)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシド及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物を含有する塗布液に関し、
(14)(a)表面に疎水処理を施した無機微粒子、(b)シリコーン変性樹脂及び/またはシラン化合物及び/またはそのの加水分解縮合物、及び(c)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシド及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物を含有する塗布液を、基板上に塗布乾燥後することを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の撥水性膜の製造方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる表面に疎水処理を施した無機微粒子として、具体的には、特公昭61−50882号公報、特公昭57−2641号公報、特開平2−287459号公報、特開平9−59533号公報、特開昭51−14900号公報、特開平11−124464号公報、特開平11−322329号公報等に記載されている疎水性金属酸化物微粒子を例示することができる。
【0012】
無機表面を処理する疎水化剤としては、ヘキサメチルジシラザンのようなアルキルシラザン系化合物、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシランのようなアルキルアルコキシシラン系化合物、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランのようなクロロシラン系化合物、あるいは反応性官能基含有シリコーンワニス、非反応性シリコーンワニス、または反応性官能基含有シリコーンオイル、非反応性シリコーンオイル等を例示擦ることができ、特に、トリアルキルシリル化合物、ジアルキルシリル化合物、及びパーフルオロアルキルシリル化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシリル化合物を用いるのがなど一般的なものであれば何れを用いても差し支えない。なお、高い疎水性を得好ましい。
【0013】
疎水化剤の添加量はシリカ微粉末の比表面積およびアミノ基含有シランカップリング剤の添加量に応じて調整されるが、概ね5〜50重量部が望ましい。この添加量が5重量部未満であると高い疎水性を得ることが出来ず、一方、50重量部を超えても疎水性は大差なく、むしろ凝集物が多くなるので好ましくない。
【0014】
シリカ微粉末をこれらの表面処理剤によって処理するには一般の方法によることができる。具体的には、ヘンシェルミキサーなどに代表される撹袢装置を備えた容器にシリカ微粉末を入れて窒素雰囲気下で撹袢し、上記疎水化剤を添加して均一に混合し、あるいはこれらの疎水化剤をシリカ粉末にスプレーをして均一に混合する。これらの表面疎水化剤とシリカ粉末を均一に混合した後に300℃未満の温度で30分以上加熱する。
【0015】
用いる無機微粒子として具体的には、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を好ましく例示することができる。これらの金属酸化物は、上記例示された群から選ばれる金属単独の酸化物を2種以上組み合わせて用いることもでき、さらには、上記例示された群から選ばれる金属2種以上の複合酸化物、または、上記例示された群以外の金属との複合酸化物をも用いることができる。金属酸化物粒子は、微粉末であるのが、膜の密着性、硬度の面で好ましく、具体的には、比表面積が5〜500m2/gの範囲がこのましく、さらに20〜400m2/gの範囲が好ましい。比表面積が5m2/g未満では、膜の撥水性、密着性、硬度が低下し、500m2/gを超えると微粒子の凝集力が強くなりコーティング液にした場合に十分に分散しなくなる。
【0016】
上記した表面に疎水処理を施されてた無機粒子は、撥水膜中、酸化物換算で40〜70重量%含有されているのが好ましい。40重量%未満では、撥水性、滑水性が低下し、70重量%を超えると、基材との密着性が低下する。
【0017】
本発明に用いられるシリコーン変性樹脂として、具体的にはシリル基含有ビニル系樹脂を好適に例示することができる。シリル基含有ビニル系樹脂とは、主鎖がビニル系重合体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上含有するものであり、該シリル基の多くは、下記式
【0018】
【化9】
【0019】
(式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基などの加水分解性基および/または水酸基を表し、R8 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアラルキル基を表し、nは1〜3のいずれかの整数を表す。)で表される。
【0020】
上記式で表される反応性シリル基の共重合体中の数の上限としては、5個が耐久性に優れ、塗膜に割れなどの不具合が生じないという点から好ましい。また、反応性シリル基1個当りの分子量としては300〜10,000であるのが耐久性に優れ塗膜に割れなどの不具合が生じないという点から好ましく、500〜5,000がさらに好ましい。
また、上記反応性シリル基は、共重合体の主鎖の末端に結合していてもよく、側鎖に結合していてもよく、主鎖の末端および側鎖に結合していてもよい。
【0021】
シリル基含有ビニル系樹脂は、(イ)ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有するビニル系樹脂と反応させることにより製造してもよく、また(ロ)下記式
【0022】
【化10】
【0023】
(式中、X、R8 、nは前記と同じ意味を表し、R9 は重合性二重結合を有する有機基を表す。)で表されるシラン化合物と、各種ビニル系化合物とを重合することにより製造してもよく、その製造方法は限定されるものではない。
【0024】
ここで、前記(イ)で示される製造方法で使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチルジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロルシランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどのアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどのアシロキシシラン類;メチルジアミノシシラン、トリアミノシラン、ジメチルアミノシラン、トリアミノシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
【0025】
一方、(ロ)で示される製造方法で使用されるシラン化合物としては、例えば下記式で表される化合物を例示することができる。
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
(図中、pは0〜22の整数を表す。)
また、(ロ)で示される製造方法で使用されるビニル系化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれるビニル系化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、N−メチロールアクリルアミドなどの水酸基を含むビニル系化合物を例示することができる。
【0029】
以上のようなシリル基含有ビニル系樹脂の具体的な例としては、例えば下記式
【0030】
【化13】
【0031】
(式中、R20 は水素原子またはメチル基、R21はメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基、R22はR20 と同様であり、R23はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などの炭素数1〜4のアルキレン基、R24はR21 と同様であり、m/(l+m)=0.01〜0.4、好ましくは0.02〜0.2である)で表されるトリアルコキシシリル基含有アクリル重合体を挙げることができる。このシリル基含有ビニル系樹脂の数平均分子量は、好ましくは2,000〜100,000、さらに好ましくは4,000〜50,000である。
【0032】
以上のような本発明に使用されるシリル基含有ビニル系樹脂の具体例としては、鐘淵化学工業(株)製、カネカゼムラックなどが挙げられる。
【0033】
さらに、本発明で用いられるシリコーン変性樹脂として、フッ素置換アルキル基を分子内に有するシリル基含有ビニル系樹脂であるのが好ましい。この場合、フッ素置換アルキル基と、はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基などのアルキル基の炭素原子に結合した水素原子の1部または全部をフッ素原子で置換した基であり、上記した、シリル基含有ビニル単量体と共重合可能なビニル単量体中にフッ素置換アルキル基を有するするものを共重合させることにより得られる。このポリフルオロアルキル基含有ビニル単量体は2種以上の混合物であってもよい。またフッ素含有量が多いほど、撥水効果が高くなるためフッ素置換アルキル基はフッ素置換ブチル基以上であることが好ましい。特にC4F9、C6F13、C8F17などが好適である。
【0034】
ポリフルオロアルキル基含有ビニル単量体として、具体的には、CH2=CHCO2CH2CF3、CH2=CHCO2CH2CF2CF2H、CH2=C(CH3)CO2CH2CF3、CH2=C(CH3)CO2CH(CF3)2、CH2=CHCO2CH(CH3)C3F7、CH2=CHCO2CH2(CF2)4H、CH2=CHCO2CH2C4F9、CH2=C(CH3)CO2CH2C6F13、CH2=C(CH3)CO2(CH2)2C8F17、CH2=CHCO2(CH2)2C8F17で示される化合物、また次式CH2=CHOCH2CH2C8F17、CH2=CHCO2CH2CH2OCH2CF3、CH2=CHCO2CH2CH2O−CO−CO−CF(CF3)−[OCF2CF(CF3)]nOC3F7、CH2=CHCO2CH2CF(CF3)−[OCF2CF(CF3)]nOC3F7、CH2=C(CH3)CO2CH2CH2OCF2CF2H、CH2=CHCO2CH2CH2OCH2C4F9で示されるような誘導体を例示することができる。
【0035】
(ロ)で示さされる共重合体の製造方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合いずれもにも制限されないが、中でも、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル重合開始剤を用いたラジカル溶液重合法によって製造するのが好ましい。
【0036】
前記溶液重合法に用いられる溶剤は、非反応性のものであればよく、とくに制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;セロソルブアセテートなどのエーテルエステル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン類;メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、オクタノールなどのアルコールなどがあげられる。
【0037】
また、前記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH3)3、(CH3O)3Si−S8−Si(OCH3)3などの連鎖移動剤を単独または2種以上併用することにより、得られる共重合体の分子量を調整してもよい。とくに、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いたばあいには、共重合体の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜10%、特に0.1〜8%であるのが好ましい。
【0038】
本発明に使用されるシラン化合物は、特に限定されないが、好ましくは式(I)で表されるシラン化合物を例示することができる。
【0039】
式(I)中、Xはハロゲン原子を表し、具体的には、クロル原子、ブロモ原子、ヨウ素原子を例示することができる。R1は、C1〜C20アルキル基、C6〜C13アリール基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ドデシル基、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、アントラセニル基等を例示することができる。R2は、OR3、SR3、またはNR3R4を表し、R3、R4は、それそれ独立に、水素原子、C1〜C20アルキル基、C6〜C13アリール基、アシル基を表し、R2として具体的には、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基、アセトキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ベンジルチオ基、フェニルチオ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、フェニルアミノ基、アセチルアミノ基、トリフルオロアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等を例示することができる。nは0、1、または2を表し、n1は0、または1〜4のいずれかの整数を表し、R2を2以上有する場合、R1はそれぞれ、同一または相異なっていてもよい。また、n+n1は4以下の0または整数である。
【0040】
中でも、R2としてOR3が好ましく、この場合R3は、特に、水素原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、アリール基、好ましくはフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基およびアラルキル基、好ましくはベンジル基などの炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。
【0041】
式(I)で表される化合物の好ましい具体例としては、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケート、テトラt−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート、トリメチルクロロシリケート、トリエチルクロロシリケート、トリn−プロピルクロロシリケート、トリi−プロピルクロロシリケート、トリn−ブチルクロロシリケート、トリi−ブチルクロロシリケート、トリt−ブチルクロロシリケート等のトリアルコキシハロシリケート、ジメチルジクロロシリケート、ジエチルジクロロシリケート、ジn−プロピルジクロロシリケート、ジi−プロピルジクロロシリケート、ジn−ブチルジクロロシリケート、ジi−ブチルジクロロシリケート、ジt−ブチルジクロロシリケート等のジアルコキシジハロシリケート、トリメチルメチルシリケート、トリエチルメチルシリケート、トリn−プロピルメチルシリケート、トリi−プロピルメチルシリケート、トリn−ブチルメチルシリケート、トリi−ブチルメチルシリケート、トリt−ブチルメチルシリケート、トリメチルフェニルシリケート、トリエチルフェニルシリケート、ジメチルクロロメチルシリケート、ジエチルクロロメチルシリケート、ジn−プロピルクロロメチルシリケート、ジi−プロピルクロロメチルシリケート、ジn−ブチルクロロメチルシリケート、ジi−ブチルクロロメチルシリケート、ジt−ブチルクロロメチルシリケート、ジメチルクロロフェニルシリケート、ジエチルクロロフェニルシリケート、ジメチルジメチルシリケート、ジエチルジメチルシリケート、ジメチルジフェニルシリケート、ジエチルジフェニルシリケート等を例示することができる。
【0042】
本発明に用いられるシラン化合物は、上記に示した単量体のみならず、これらの部分加水分解縮合物を塗布液の成分として使用するのが好ましい。前記オルガノシリケート化合物の部分加水分解縮合物としては、たとえば通常の方法でテトラアルキルシリケートやトリアルコキシシラン、トリアリールオキシシランなどのオルガノシリケート化合物を原料として、所定量の水を加えて酸触媒の存在下に、副生するアルコールを留去しながら通常、室温程度〜100℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、さらに縮合反応によりヒドロキシル基を2以上有する液状のシリケートオリゴマー(通常平均重合度2〜8程度、好ましくは3〜6)が加水分解物として得られる。
【0043】
加水分解の程度は、使用する水の量により適宜調節することができるが、通常40〜90%程度、好適には60〜80%程度から選ばれるのが好ましい。このようにして得られた加水分解物は、通常十数%のモノマーを含有しており、このまま用いても差支えないが、得られた加水分解からモノマーを除去し、好ましくは1%以下、更に好ましくは0.1%以下とすることによって、液状物の貯蔵安定性を高めることができる。モノマーの除去方法としては、蒸留等の常法のいずれもが使用できる。
【0044】
前記部分加水分解縮合物の重量平均分子量は、500〜50000であり、600〜40000であるのが好ましい。前記分子量が500未満では、耐汚染性が小さくなり、50000をこえると、仕上がり性、貯蔵安定性に劣る。
【0045】
部分加水分解縮合物の好ましい具体例としては、MS51、MS56、MS56S(三菱化学(株)製)、MSI51,ESI40(コルコート(株)製)などのテトラアルキルシリケートの部分加水分解縮合物があげられる。なかでも前記テトラアルキルシリケートの部分加水分解縮合物をさらに部分加水分解縮合させて、重量平均分子量750〜50,000程度にしたものが好ましい。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0046】
本発明に用いられる金属アルコキシドは、配位又は置換可能な金属アルコキシドであれば特に制限されないが、そのような金属としてはアルミニウム、ジルコニウム、チタニウムから選ばれる少なくとも1種の金属を好ましく用いることができる。
【0047】
配位又は置換が可能な有機基として、具体的には、式(II)で表されるβ−ジケトンまたはβ−ケトエステル、及び式(III)で表されるカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を好ましく例示することができる。
【0048】
式(II)で表される化合物中、R4、R5は、それぞれ独立に、C1〜C6アルキル基、C1〜C16アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されているC1〜C6アルキル基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等のC1〜C6アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリル基、ステアリル基等のC1〜C16アルコキシ基、トリフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、ジフオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基等のハロゲン原子で置換されているC1〜C6アルキル基を例示することができる。但し、R4、R5は同時にアルコキシ基になることはない。
【0049】
式(II)で表される化合物として具体的には、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。
【0050】
式(III)で表される化合物中、R6は、C1〜C6アルキル基、またはハロゲン原子で置換されているC1〜C6アルキル基を表し、具体的には、R4、R5で例示されたアルコキシ基以外の基を同様に例示することができ、中でも、トリフルオロ酢酸を好適に例示することができる。これらのカルボン酸は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また、式(II)で表されるβ−ケトエステルまたはβ−ジケトンと併用して用いることもできる。
【0051】
式(II)で表されるβ−ジケトンおよび/またはβ−ケトエステル、式(III)で表されるカルボン酸は、金属アルコキシ1モルに対し、その金属が配位または置換可能なモル数以上添加することが可能であるが、1〜2モル添加するのが好ましい。
【0052】
また、本発明に用いられる有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシドとして、具体的には、式(IV)で表される化合物等を好適に例示することができる。式(IV)で表される化合物中、Mは、アルミニウム、ジルコニウム、またはチタニウムを表し、R7はC1〜C6アルキル基を表し、R4、R5は、前記と同じ意味を表し、kは、Mの原子価を表し、mは、0、または1〜kのいずれかの整数を表す。R7として具体的には、R4、R5で例示したアルキル基と同様の置換基を例示することができる。
【0053】
式(IV)で表される化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などを例示することができる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。塗布液の成分としてこれらの化合物の部分加水分解物または部分加水分解縮合物を使用することもできる。
【0054】
有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシドは、塗膜中、単独でそのままの状態、自己加水分解縮合した状態、また他の成分と加水分解縮合した状態で存在しており、いずれの状態においても、塗膜租成中、0.5〜40重量%の範囲であるのが好ましい。0.5重量未満では、硬化速度が遅くなり、膜硬度が低下し、40重量%を超える場合は、撥水性、滑水性が低下する。
【0055】
本発明の撥水性膜を製造するために使用されるコーティング液は、(a)表面に疎水処理を施した無機微粒子、(b)シリコーン変性樹脂及び/またはシラン化合物の加水分解縮合物、及び(c)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシドを適用な溶媒で希釈して製造される。希釈等に用いられる有機溶媒としては、主として成分を均一に混合させ、本発明の組成物の固形分を調整すると同時に、種々の塗装方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性および保存安定性を向上させるものである。有機溶媒としては、成分を均一に混合させるものであれば特に限定されないが、例えばアルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好適である。
【0056】
このうち、アルコール類としては、例えば1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることができ、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。
【0057】
また、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種単独であるいは2種以上を混合して使用することもできる。有機溶媒の組成物中の割合は特に限定されるものではなく、全固形分濃度を使用目的に応じて調節する量が用いられる。
【0058】
また、組成物には、得られる塗膜の硬度向上を目的としてコロイド状シリカを添加することも可能である。このコロイド状シリルとしては、水分散コロイド状シリカ、メタノールもしくはイソプロピルアルコールなどの有機溶媒分散コロイド状シリカを挙げることができる。
【0059】
また、本発明の組成物には、得られる塗膜の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、別途、充填材を添加・分散させることも可能である。この充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
【0060】
これらの充填材の平均粒径または平均長さは、通常、50〜50,000nm、好ましくは100〜5,000nmである。充填材の組成物中の割合は、その他の全固形分100重量部に対し、10〜300重量部程度である。また、本発明の組成物をより速く硬化させるにあたっては、硬化条件により硬化促進剤を使用してもよく、比較的低い温度で硬化させるためには、硬化促進剤を併用する方が効果的である。
【0061】
かかる硬化促進剤としては、ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミン、エタノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系化合物、(C4H9)2Sn(OCOC11H23)2 、(C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2 、(C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)2Sn(OCOC11H23)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2 、(C8 H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC8H17)2、Sn(OCOOC8H17)2 などのカルボン酸型有機スズ化合物;(C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2 、(C8H17)2Sn(SCH2CH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC12H25)2、
【0062】
【化14】
【0063】
などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【0064】
【化15】
【0065】
などのスルフィド型有機スズ化合物;(C4H9)2SnO、(C8H17)2SnO、または(C4H9)2SnO、(C8H17)2SnOなどの有機スズオキサイドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物などの有機スズ化合物などが使用される。これらの硬化促進剤の組成物中における割合は、本発明の組成物の固形分100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部用いられる。
【0066】
なお、本発明の組成物には、そのほかオルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシランなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、前記以外のシランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加することもできる。
【0067】
本発明の撥水性膜を形成させるコーティング液としては、(a)表面に疎水処理を施した無機微粒子、(b)シリコーン変性樹脂及び/またはシラン化合物の加水分解縮合物、及び(c)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシド及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物を含有する塗布液を例示することができる。上記、その全固形分濃度は、好ましくは50重量%以下であり、使用目的に応じてその全固形分濃度を適宜調整して用いられる。薄膜形成基材への含浸を目的とするときには、通常、全固形分濃度は5〜30重量%である。また、厚膜形成や、前述の充填材を分散させる目的で使用するときには、通常、全固形分濃度は20〜50重量%、好ましくは25〜40重量%であり、50重量%を超えると、組成物の保存安定性が悪化して好ましくない。
【0068】
また、(c)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシドの代わりに、(d)金属アルコキシド、並びに(e)式(II)で表されるβ−ジケトンまたはβ−ケトエステル及び式(III)で表されるカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。この場合、(d)金属アルコキシドに対して(e)式(II)または(III)で表される化合物の置換または配位が促進されるように、水を添加するのが好ましい。水の添加量は、(d)金属アルコキシド1モルに対して1モル以上であれば特に制限されないが、用いられる(e)式(II)または式(III)で表される化合物のモル数以下が好ましい。
【0069】
本発明に用いられるコーティング液を調製する方法は、特に制限されないが、特に(1)(c)成分に(a)成分を添加し、さらに(b)成分を添加する方法、(2)(a)成分に(b)成分を添加し、さらに(c)成分を添加する方法、(3)(c)成分に(b)成分を添加して、さらに(b)成分を添加する方法を好ましく例示することができる。
【0070】
本発明の撥水性膜は、対象物である基材の表面に刷毛、スプレー、ディッピングなどの塗装手段により、1回塗りで厚さ0.5〜40μm程度、2〜3回の塗装で厚さ2〜80μm程度の塗膜を形成することができ、常温での乾燥、あるいは30〜200℃程度の温度で10〜60分間程度加熱し、乾燥することにより塗膜を形成することが可能である。本発明の組成物がコーティングされる基材としては、例えばステンレス、アルミニウム、セラミックス、セメント、紙、ガラス、プラスチック、無機窯業系基板、布帛などが挙げられる。
【0071】
この基材にコーティングするに際し、基材との密着性向上、あるいは多孔質基材の目止め、平滑化、膜様付けなどを目的として、従来公知のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂系などのプライマーをあらかじめ形成した基材を用いることも可能である。また、充填材を含有する本発明の組成物を用いて形成した塗膜の耐摩耗性、光沢を高めることを目的に、米国特許第3,986,997号明細書、米国特許第4,027,073号明細書に記載のコロイダルシリカとシロキサン樹脂の安定な分散液などのようなシロキサン樹脂を必須成分とするクリア層を形成することも可能である。
【0072】
以上のようにして得られた本発明の塗膜は撥水性に優れ、特に水との接触角が、130°以上、滑落角が5°以下の性能を有する塗膜となる。さらに密着性、硬度に優れていることから耐候性に優れていることから広範囲の用途を有する。これらを列挙すると、熱交換器、熱交換器用フィン、皮革、繊維、紙、板紙、冷凍食品用ダンボール、発泡スチロール、建築材料、屋根、窓ガラス、風防ガラス、各種ミラー、プラスチックレンズ、レンズ、タイヤ、ゴム、磁気記録媒体、半導体材料表面などへの処理;ドライクリーニング用処理剤、冷凍倉庫壁面等の処理剤、冷蔵庫、冷凍機内の送風機の処理剤などの各種処理剤または処理剤への添加剤;降雪地帯のアンテナ、鉄塔、電気通信施設、道路交通標識、信号機などへの処理;船舶と水との摩擦抵抗の低減化、車両・航空機のボデイの汚れ付着防止、各種金属材料表面や電池材料などの電極の腐食防止、魚網表面への処理、シーラント、耐火防水シール剤、カーワックスなどへの添加など広範囲の極めて有効な用途がある。また微細な金網への処理により、気体は通すが水は弾く機能を与えるのでこの面でも広い用途が見込める。
【0073】
以下本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
【0074】
製造例1(フッ素置換アルキル基含有アクリルシリコーン樹脂の製造)
2,2,2−トリフルオロエチル メタクリレート51.2g(0.3モル)、3−トリメトキシシリルプロピル メタクリレート5.28g(0.02モル)、2,2‘−アゾイソブチロニトリル0.5g(3.0ミリモル)のキシレン96g(固形分濃度37重量%)の溶液を60〜90℃で4時間攪拌反応させ、4−メトキシフェノール0.37g(3.0ミリモル)を添加して反応を停止させ、樹脂溶液Aを得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィを測定したところ、数平均分子量は、19000であり、TG−DTA(差動型示差熱天秤)を測定ししたところ、ガラス転移点(Tg)は56℃であった。また、高周波プラズマ発光分析装置の測定を行ったところ、珪素含有量は、二酸化珪素換算で、4.67重量%であった。
【0075】
製造例2((c)成分の調整)
テトライソプロポキシチタンイソプロパノール溶液(日本曹達(株)社製、酸化物換算固形分量28.2重量%)、アセト酢酸エチル(和光純薬社製、試薬特級)、イオン交換水をモル比1:2:1になるように混合し、エタノールで希釈して酸化物換算固形分10重量%のチタン溶液Cを調整した。
【0076】
実施例1
(a)疎水性シリカ粒子(RX300、日本エアロジル社製、固形分5重量%トルエン分散液)
(b−1)アクリルシリコーン樹脂(YC5920、鐘淵化学社製、二酸化珪素換算珪素含有量12.3重量%、固形分10重量%エタノール/s−ブタノール/酢酸エチル混合溶液)
(b−2)樹脂溶液A
(b−3)ポリ(メチルシリケート)(MS−51、コルコート社製、二酸化珪素換算固形分濃度10重量%エタノール溶液)
(C)チタン溶液C
上記3成分を固形分の比率が表1に示す割合(重量%)で混合し、最終的に溶液中の全固形分濃度が5重量%になるようにトルエンで希釈してコーティング液(S1〜S10)を調整した。
得られたコーティング液をバーコータ(バーNo12)を用いてガラス板に塗布し、150℃で1時間乾燥させ成膜した。
以上のようにして得られた試料(P1〜P10)について次に示す試験方法により評価した。その結果をまとめて第2表に示す。
【0077】
撥水性(水滴接触角)
各試料の表面層にマイクロシリンジから水滴5μlを滴下した後、80秒後に、接触角測定器(エルマ(株)社製、360S型)を用いて試料表面の接触角を測定した。
硬度(表面鉛筆硬度)
JIS K 5400−1900 8.4 鉛筆引っかき値 8.4.1 試験機法に記載された方法に準拠して、重り荷重1kgで測定し、(5)(b)塗膜の擦り傷で評価する場合に準じて鉛筆硬度を評価した。
密着性(テープ剥離試験)
各試料にセロハンテープを貼り付け複数回指の腹で擦りつけその後、テープを引き剥がした際、基板上の膜が剥離しているかを目視により観察した。
評価 ○:剥離しない
評価 ×:剥離する
滑水性
水滴接触角の測定と同じ方法により水滴を基板上の膜表面に落とした後、ゆっくりと基板を傾斜させていき、水滴が滑り落ちる時の傾斜角を測定し、滑落角とした。
評価 ○:滑落角5°以下
評価 ×:滑落角5°を越える
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
第2表においてP−8〜P−10は本発明の範囲に含まれるが、性能が比較的劣る塗膜の例である。
【0081】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の塗膜は、撥水性、密着性、硬度に優れており、各種材料の表面処理することができ、防汚、着雪防止等の広範囲の用途を有することから、産業上の利用価値は大きいといえる。
Claims (14)
- (a)表面に疎水処理を施した無機微粒子、(b)シリコーン変性樹脂及び/またはシラン化合物の加水分解縮合物、及び(c)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシド及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物を含有することを特徴とする撥水性膜。
- 水滴の接触角130度以上かつ滑落角5度以下の塗膜であることを特徴とする請求項1に記載の撥水性膜。
- 前記無機微粒子がケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種以上を含有する酸化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の撥水性膜。
- 表面に疎水処理を施した無機微粒子が、トリアルキルシリル化合物、ジアルキルシリル化合物、及びパーフルオロアルキルシリル化合物からなる群から選ばれる一種のシリル化合物で処理された無機微粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の撥水性膜。
- 前記無機微粒子を酸化物換算で40〜70重量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の撥水性膜。
- 前記シリコーン変性樹脂が、末端または側鎖に加水分解性基及び/又は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合体1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系樹脂及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の撥水性膜。
- 前記シリコーン変性樹脂が、フッ素置換アルキル基を含有するシリル基含有ビニル系樹脂であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の撥水性膜。
- 金属アルコキシド中の金属が、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムから選ばれる少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の撥水性膜。
- 有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシド及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物が、塗膜組成中、0.5〜40重量%を占めることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の撥水性膜。
- (a)表面に疎水処理を施した無機微粒子、(b)シリコーン変性樹脂及び/またはシラン化合物及び/またはそのの加水分解縮合物、及び(c)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシド及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物を含有する塗布液。
- (a)表面に疎水処理を施した無機微粒子、(b)シリコーン変性樹脂及び/またはシラン化合物及び/またはそのの加水分解縮合物、及び(c)有機基で置換及び/又は配位された金属アルコキシド及び/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物を含有する塗布液を、基板上に塗布乾燥後することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の撥水性膜の製造方法。
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