JP3867350B2 - ブレ検出装置及びブレ補正カメラ - Google Patents

ブレ検出装置及びブレ補正カメラ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影装置などにおける手ブレなどによる振動を検出するブレ検出装置及びブレ補正カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のブレ検出装置の利用例として、スチルカメラなどの撮影装置や双眼鏡などの光学装置に内蔵する例が提案されている。このような撮影装置などは、カメラのブレをブレ検出装置が検出し、撮影レンズの一部のレンズ(以下、ブレ補正レンズという)を光軸と直交又は略直交する方向に、その検出信号に基づいて移動している。そして、カメラが撮影時に振動することにより生ずるブレを、ブレ補正レンズが補正している。
【0003】
従来のブレ補正を行う光学系の構造については、特開平4−76525号公報の第3図に開示されている。特開平4−76525号公報の防振手段を有するカメラは、光軸と直角方向の平面内で平行移動可能なブレ補正レンズと、このブレ補正レンズを保持する枠部材と、この枠部材を保持する板部材と、この板部材に取り付けられた4本のワイヤと、このワイヤを支持する本体と、巻線コイル,ヨーク及び永久磁石からなり、ブレ補正レンズを上下及び左右方向に駆動するアクチュエータと、発光素子と受光素子からなり、ブレ補正レンズの位置を検出する位置検出装置などを備えている。
【0004】
以下に、図14を参照して、従来のブレ補正装置の動作について説明する。
図14は、従来のブレ補正装置のブロック線図である。
角速度センサ10は、例えば、コリオリ力を検出するための圧電振動式角速度センサであり、カメラの振動をモニタするためのセンサである。角速度センサ10の出力信号は、積分部40に入力し、積分部40は、この出力信号を時間積分する。積分部40は、角速度センサ10の出力信号をカメラのブレ角度に変換した後に、ブレ補正レンズの目標駆動位置情報に変換し出力する。サーボ回路100は、この目標駆動位置情報に応じてブレ補正レンズを駆動するために、目標駆動位置情報とブレ補正レンズの位置情報との差を演算し、アクチュエータ110に信号を出力する。アクチュエータ110は、光軸と直交又は略直交する面内において、この信号に基づいてブレ補正レンズを駆動する。位置検出装置120は、ブレ補正レンズの動きをモニタしサーボ回路100にフィードバックする。
【0005】
従来のブレ補正装置では、角速度センサ10の出力信号を積分部40が一度積分し、角変位情報に変換してから処理している。このために、角速度センサ10の出力信号を積分部が時間積分するときに、制御の基準値となる積分定数(以下、基準値という)を決定する必要がある。例えば、特開平4−211230号公報の第17図及び第18図には、この基準値の演算方法が開示されている。
【0006】
特開平4−211230号公報に開示されている手振れ補正装置のブレセンサは、コリオリ力を検出する角速度センサと、中央演算処理装置(CPU)とメモリとからなり、現時点から所定の時間前までの間にサンプリングした角速度センサの出力信号の平均値を移動平均法により算出するドリフト成分検出部と、角速度センサの出力信号から平均値を減算することによりドリフト成分を除去し、その減算値を出力する減算器とを備えている。
【0007】
ドリフト成分検出部には、角速度センサの出力信号が10ms毎に入力され、0.5秒(10ms×50)毎に50個分の出力信号が入力される。そして、ドリフト成分検出部のメモリには、算出された50個分の平均値(以下、平均1とする)が格納され、10秒(0.5秒×20)経過後には、さらに20個分の平均1が入力される。したがって、スタートから10秒経過後には、1000個分(50×20)の角速度センサの出力信号の平均値を算出することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のブレ補正装置は、一般的に、カメラが静止した状態の角速度センサ10の出力信号(以下、オメガゼロという)を、この出力信号を積分するときの積分定数として用いている。
しかし、カメラなどの撮影装置を手持ちで撮影するときには、カメラは、撮影者の手ブレにより通常振動している。このような状況下では、振動センサの静止時の出力を直接測ることができないために、手ブレによる振動がのった角速度センサの出力信号から、オメガゼロを演算により求める必要がある。
【0009】
以下に、図15及び図16を参照して、オメガゼロの演算に成功した場合と失敗した場合とについて説明する。
図15は、従来のブレ補正装置によるオメガゼロの演算に成功した例を示す図である。図16は、従来のブレ補正装置によるオメガゼロの演算に失敗した例を示す図である。図15(A)及び図16(A)は、角速度センサが出力した出力信号を示したものであり、図15(B)及び図16(B)は、角速度センサの出力信号から求めた角変位信号を示したものである。なお、説明を簡単とするために手ブレ波形として正弦波が入力されたものとし、オメガゼロはゼロとした。
【0010】
図15(A)に示すように、角速度信号の振幅の中心は、ゼロであり、オメガゼロがゼロの値に正確に求められたとする。このオメガゼロを積分定数として角速度信号の積分演算を行うと、図15(B)に示すような角変位信号を求めることができる。このように、正確に求めらたオメガゼロを積分定数として角速度信号を積分すると、角変位信号を正確に算出することができる。したがって、正確に算出された角変位信号を用いてブレ補正レンズを制御すると、ブレ補正を高精度に行うことができる。
【0011】
一方、図16(A)においては、角速度信号の振幅の中心はゼロではなく、演算したオメガゼロがゼロの値に正確に求められておらず、オフセット値がのっている。このような間違ったオメガゼロ値を積分定数として積分演算すると、図16(B)に示すように、1次の傾き成分がのった角変位信号が算出され、角変位信号を正確に算出することができない。このような角変位信号を用いてブレ補正レンズを制御すると、ブレ補正レンズは、振動しながらドリフトし、ブレ補正を高精度に行うことができないだけではなく、かえってブレを悪化させてしまう可能性がある。したがって、オメガゼロの演算を精度良く行うことが、ブレ補正においては重要な因子となる。
【0012】
図17は、静止安定時において演算区間を長くとったときの移動平均法による演算結果及び演算誤差を示す図であり、図17(A)は、角速度センサの出力信号及び移動平均法による演算結果を示し、図17(B)は、移動平均法による演算結果と真のオメガゼロ値との演算誤差を絶対値として示す図である。なお、説明を簡単とするために、手ブレ波形として正弦波が入力されたものと仮定し、真のオメガゼロ値は、ゼロである。
【0013】
図17(A)に示すオメガゼロ値は、以下の数1により表される移動平均法により演算したものである。
【0014】
【数1】
Figure 0003867350
【0015】
ここで、K1は、移動平均法による演算データ数である。
【0016】
図18は、静止安定時において演算区間を短くとったときの移動平均法による演算結果及び演算誤差を示す図であり、図18(A)は、角速度センサの出力信号及び移動平均法による演算結果を示し、図18(B)は、移動平均法による演算結果と真のオメガゼロ値との演算誤差を絶対値として示す図である。なお、図17と同様に、手ブレ波形として正弦波が入力されたものと仮定し、真のオメガゼロ値は、ゼロである。
【0017】
図18(A)に示すオメガゼロ値は、以下の数2により表される移動平均法により演算したものである。
【0018】
【数2】
Figure 0003867350
【0019】
ここで、K2は、移動平均法による演算データ数である。数1と数2の相違は、数1による演算データ数K1が数2による演算データ数K2よりも大きい点である。図17(B)と図18(B)とを比較すると、図17(B)のほうがオメガゼロ値の演算誤差が小さい。その結果、カメラは、ほぼ静止状態であるが、撮影者の手ブレがのっているために、角速度センサ10が若干振動しているとき(以下、静止安定時という)には、移動平均法による演算区間は、長くとったほうがよいことが分かる。
【0020】
図19は、動体追従時における角速度センサの出力信号、演算区間を長くとったときの移動平均法による演算結果及びブレ補正レンズの駆動量の一例を示す図である。図20は、動体追従時における角速度センサの出力信号、演算区間を短くとったときの移動平均法による演算結果及びブレ補正レンズの駆動量の一例を示す図である。なお、図19(A)及び図20(A)は、角速度センサの出力信号及び移動平均法による演算結果を示し、図19(B)及び図20(B)は、ブレ補正レンズの駆動量を示す図である。
【0021】
図19(A)及び図20(A)において、演算結果を表す実線は、それぞれ数1及び数2に示す移動平均法により演算され、角速度センサの出力値を積分するための基準となる基準値(オメガゼロ値)である。また、図19(A)及び図20(A)に示すように、構図の変更、流し撮り又はアトランダムに動く物体(被写体)を追っているようなとき(以下、画角変更時という)には、角速度センサ10に大きな動きが生じている。このような画角変更時において、オメガゼロ値(角速度センサ10の出力値=0)を基準としてブレ補正レンズの駆動量を演算すると、ブレ補正レンズは、その駆動限界に達してしまう可能性がある。
【0022】
図19(A)と図20(A)とを比較すると、移動平均法による演算区間を長くとったときには、図19(A)に示すように、遅れが大きいことが分かる。図19(A)及び図20(A)に示す演算結果(基準値)を積分定数として、角速度センサ10の出力信号を積分すると、図19(B)及び図20(B)に示すように、この出力信号は、ブレ補正レンズの駆動量にそれぞれ変換される。図20(B)では、ブレ補正レンズは、その駆動限界に達していないが、図19(B)では、ブレ補正レンズは、その駆動限界に達してしまっている。その結果、図19(B)に示すような状態では、ブレ補正レンズによるブレ補正が困難であるだけではなく、カメラのファインダ内の像の動きが不自然なものとなり、撮影者に不快感を与えてしまうという問題があった。
【0023】
このように、画角変更時には、演算区間は短いほうが適しているが、演算区間が短いときの基準値に基づいてブレ補正を行うと、静止安定時におけるブレ補正の精度を上げることができないという問題があった。一方、静止安定時には、演算区間は長いほうが適しているが、演算区間が長いときの基準値に基づいてブレ補正を行うと、画角変更時におけるブレ補正の精度を上げることができないという問題があった。
【0024】
本発明の課題は、静止安定時だけではなく画角変更時にもブレ補正を高精度に行うことができるブレ検出装置及びブレ補正カメラを提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、対象物のブレを検出し、ブレ検出信号を出力するブレ検出部と、前記ブレ検出信号の取得時間の長さが異なる前記ブレ検出信号の基準値を2つ以上演算する基準値演算部と、前記ブレ検出信号に基づいて前記対象物が静止状態であるか否かを判定(S900)する判定部(30)と、前記判定部による判定結果に基づいて前記2つ以上の基準値(ω0(t),ω0’(t))から1つの前記基準値を選択
(S1000,S1100,S1000’,S1100’)する基準値選択部(55)と、を含むことを特徴としているブレ検出装置である。請求項2の発明は、請求項1に記載のブレ検出装置において、前記判定部により静止状態であると判定されたときに前記基準値選択部が選択する前記基準値は、静止状態でないと判定されたときよりも長い取得時間に得られた前記ブレ検出信号に基づいて演算されている、ことを特徴とするブレ検出装置である。請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のブレ検出装置において、前記判定部は、前記ブレ検出信号に基づいて前記対象物の画角変更の有無を検出し、当該画角変更の有無に基づいて静止状態であるか否かを判定する、ことを特徴とするブレ検出装置である。
【0028】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記基準値選択部は、この基準値選択部の選択動作以前のブレ検出信号の基準値をBとし、前記基準値選択部の選択動作以後のブレ検出信号の基準値をAとしたときに、基準値=(1−P(t))*A+P(t)*B〔ただし、P(t)は、0≦P(t)≦1の減少関数である〕により選択動作を行う(S1020,S1120)ことを特徴とするブレ検出装置である。
【0029】
請求項5の発明は、請求項4に記載のブレ検出装置において、前記減少関数P(t)は、P(t)=1(t<0)、P(t)=1−t/τ(0≦t<τ)、P(t)=0(τ≦t)であることを特徴とするブレ検出装置である。
【0032】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記基準値演算部は、前記ブレ検出信号に基づいて、第1の基準値を演算するとともに、前記第1の基準値に基づいて、前記ブレ検出信号に対する前記第1の基準値の遅れを補正(S752)することによって、前記第2の基準値を演算すること、を特徴とするブレ検出装置である。
【0033】
請求項7の発明は、請求項6に記載のブレ検出装置において、前記基準値演算部は、時刻tにおける前記基準値又は前記第1の基準値をω0(t)とし、所定時間内における前記基準値又は前記第1の基準値の変化分をδω0(t)とするときに、前記補正基準値又は前記第2の基準値ω0’(t)をω0’(t)=ω0(t)+f(δω0(t))*δ
ω0(t)〔ただし、fは、δω0(t)の関数である〕により演算(S752)することを特徴とするブレ検出装置である。
【0034】
請求項8の発明は、請求項7に記載のブレ検出装置において、前記基準値演算部は、f(δω0(t))=0(|δω0(t)|<Th)、f(δω0(t))=a*δω0(t)(|δω0(t)|≧Th)〔ただし、Thは、定数である〕により前記補正基準値又は前記第2の基準値ω0’(t)を演算(S752)することを特徴とするブレ検出装置である。
【0035】
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記基準値演算部は、前記ブレ検出部が所定時間内に出力した出力値の少なくとも一部と所定時間経過後に出力した出力値とに基づいて、前記基準値又は前記第1の基準値を演算することを特徴とするブレ検出装置である。
【0036】
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記基準値演算部は、少なくとも、前記ブレ検出部が移動状態にあるときと静止状態にあるときのブレ検出信号の基準値(ω0(t),ω0’(t))を演算(S600、S700)することを特徴としているブレ検出装置である。
【0037】
請求項11の発明は、請求項10に記載のブレ検出装置において、前記ブレ検出部が所定時間内(t0 〜t10 )に出力したブレ検出信号を演算データ(ω1 〜ω10 )として記憶する記憶部(35a)を備え、前記基準値演算部は、前記演算データの少なくとも一部(ω5〜ω10 ,ω7 〜ω10 )に基づいて、前記基準値又は前記第1の基準値(ω0 (t) ,ω0 ’(t) )を演算(S600、S700)し、前記ブレ検出部が移動状態にあるときの演算データ数(T2)は、このブレ検出部が静止状態にあるときの演算データ数(T1)に比べて少ないことを特徴とするブレ検出装置である。
【0038】
請求項12の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記基準値演算部は、前記基準値又は前記第1の基準値を移動平均により演算することを特徴とするブレ検出装置である。
【0039】
請求項13の発明は、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記基準値演算部は、遮断周波数を変えた複数の低域通過フィルタ及び/又は演算方法の異なる複数の低域通過フィルタにより、前記基準値又は前記第1の基準値を演算することを特徴とするブレ検出装置である。
【0040】
請求項14の発明は、請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記基準値演算部は、前記ブレ検出信号から低域周波数成分を抽出する低域通過フィルタ部を備えることを特徴とするブレ検出装置である。
【0041】
請求項15の発明は、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記ブレ検出部は、加速度を検出する加速度検出器、又は速度又は角速度を検出する速度検出器、又は角速度を検出する角速度検出器であること、を特徴とするブレ検出装置である。
【0043】
請求項16の発明は、請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記ブレ検出信号を増幅する増幅部(20)を備え、前記基準値演算部は、前記増幅部により増幅されたブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準値を演算(S600,S700)することを特徴とするブレ検出装置である。
【0044】
請求項17の発明は、請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載のブレ検出装置と、ブレを補正するブレ補正光学系(60)と、前記ブレ補正光学系を駆動する駆動部(50)と、前記ブレ検出装置からの前記ブレ検出信号の基準値に基づいて、前記駆動部を駆動制御する制御部(50)とを含むことを特徴とするブレ補正カメラである。
【0045】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について、さらに詳しく説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラについて説明し、このブレ検出装置の概要を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が搭載された一眼レフカメラを概略的に示す断面図である。
【0046】
角速度センサ10は、カメラの振動を検出し、このカメラに作用するコリオリ力に比例する電圧値を出力するセンサである。角速度センサ10は、2軸方向の角速度を検出するために、X軸まわりの角速度を検出するピッチ角速度センサと、Y軸まわりの角速度を検出するヨー角速度センサとからなる2つのセンサを通常搭載している。図1において、1軸分の角速度センサについては図示することを省略している。角速度センサ10は、後述する半押しタイマ90がON動作を維持している間は、角速度の検出が可能であり、検出したブレ検出信号は、後述する増幅部20に入力する。
【0047】
増幅部20は、角速度センサ10の出力値を増幅するものである。増幅部20は、角速度センサ10からの出力電圧を増幅し、増幅した出力信号は、後述する判定部30と、基準値演算部35と、駆動信号演算部45とに入力する。
【0048】
判定部30は、増幅部20により増幅したブレ検出信号の基準値に基づいて、角速度センサ10を搭載したカメラが画角変更による移動状態にあるか否かを判定するものである。判定部30は、例えば、角速度センサ10の出力信号の大きさや、角速度センサ10の出力信号に基づいて分散値を演算するなどの方法によって、カメラの移動状態を判定する。判定部30は、画角変更による移動があったか否かに関する判定信号を後述する基準値選択部55に出力する。
【0049】
基準値演算部35は、増幅部20により増幅したブレ検出信号に基づいて、角速度センサ10の出力値であるブレ補正制御の基準値(オメガゼロ値)を演算するものである。本発明の第1実施形態では、基準値演算部35は、角速度センサ10の画角変更時(移動状態時)における基準値と、静止安定時(静止状態時)における基準値の2種類の基準値を演算する。基準値演算部35は、2種類の基準値を同時又は略同時に演算する機能を有する。基準値演算部35は、演算した2種類の基準値を基準値選択部55に出力する。
【0050】
図2は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置における基準値演算部のメモリ部を示す図である。
基準値演算部35は、図2に示すように、所定時間である時刻t0 から時刻tn までの間に角速度センサ10が出力した出力値ω1 から出力値ωn までを演算データとして記憶するメモリ部35aを備えている。
【0051】
基準値選択部55は、判定部30から出力された判定信号に基づいて、基準値演算部35から出力された2種類の基準値のうち、いずれか一方の基準値を選択するものである。基準値選択部55は、選択した基準値を駆動信号演算部45に出力する。
【0052】
駆動信号演算部45は、増幅部20により増幅したブレ検出信号から基準値演算部35により演算された基準値を減算し、積分演算するものである。駆動信号演算部45は、積分演算により、角速度信号を角変位信号に変換し、さらに、この角変位信号に応じた駆動信号に変換する。駆動信号演算部45は、この駆動信号を駆動部50に出力する。
【0053】
駆動部50は、駆動信号演算部45からの角変位信号に基づいて、後述するブレ補正レンズ60を駆動するための駆動信号を出力し、この駆動信号に基づいてブレ補正レンズ60を駆動制御するものである。駆動部50は、制御用のサーボ回路と、ブレ補正レンズ60を駆動するアクチュエータと、ブレ補正レンズ60の駆動位置を検出するための位置検出装置などを備えている。
【0054】
ブレ補正レンズ60は、光軸I方向に対して直交又は略直交する方向(図中矢印方向)に駆動し、ブレを補正するレンズである。ブレ補正レンズ60は、撮影装置の結像光学系に内蔵されている。ブレ補正レンズ60は、駆動部50からの駆動信号に基づいて、光軸Iと交差する方向に駆動し、撮影装置の結像光学系の光軸を偏心してブレを補正する。
【0055】
レンズ鏡筒80は、ブレ補正レンズ60を含む撮影光学系を収納する。レンズ鏡筒80は、カメラボディ70に着脱自在に取り付けられており、交換可能である。
【0056】
電源供給部130は、角速度センサ10に電源を供給するための供給部である。電源供給部130は、後述する半押しスイッチSW1のON動作と同時に角速度センサ10に電源を供給する。電源供給部130は、半押しタイマ90がON状態にある間は、角速度センサ10に電源を供給し続け、半押しタイマ90のOFF動作により、角速度センサ10への電源の供給を停止する。
【0057】
半押しタイマ90は、半押しスイッチSW1のON動作と同時にON動作するタイマである。半押しタイマ90は、半押しスイッチSW1が押されている間はON状態を維持し、半押しスイッチSW1がOFF動作となってからも一定時間はON状態を維持する。
【0058】
半押しスイッチSW1は、一連の撮影準備動作を開始するためのスイッチである。半押しスイッチSW1は、図示しないレリーズボタンの半押し動作に連動してON動作する。
【0059】
全押しスイッチSW2は、カメラの露光動作などの撮影動作を開始させるためのスイッチである。全押しスイッチSW2は、レリーズボタンの全押し動作に連動してON動作する。
【0060】
つぎに、基準値演算部の動作を中心にして、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置の動作を説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャートである。
図示しないカメラボディの電源スイッチがON動作されることにより、本フローがスタートする。
【0061】
ステップ(以下、Sとする)100において、半押しスイッチSW1がON動作しているか否かが判断される。半押しスイッチSW1がON動作しているときには、S200に進み、半押しスイッチSW1がON動作していないときには、半押しスイッチSW1がON動作されるまで繰り返し判断が続けられる。
【0062】
S200において、半押しタイマ90がタイマリセット(t=0)する。半押しスイッチSW1のON動作と同時に、半押しタイマ90は、タイマの時間tをゼロにリセットする。
【0063】
S300において、半押しタイマ90がON動作する。半押しスイッチSW1がON動作し、半押しタイマ90がタイマリセットするのと同時に、半押しタイマ90がON動作する。
【0064】
S400において、角速度センサ10がON動作する。電源供給部130は、半押しタイマ90のON動作に同期して、角速度センサ10に電源を供給し、角速度センサ10は、ON動作する。角速度センサ10は、カメラボディ70及びレンズ鏡筒80に生じる振動を検出し、ブレ検出信号を出力する。基準値演算部35は、増幅部20により増幅されたブレ検出信号(出力値)をメモリ部35aに記憶する。
【0065】
S500において、半押しタイマ90が計時をスタートする。半押しタイマ90は、半押しスイッチSW1のON動作と同時に、計時を開始する。
【0066】
S600において、基準値演算部35は、数3により基準値の演算を開始する。基準値演算部35は、図2に示すメモリ部35aに記憶された時刻t0 から時刻t10までの角速度センサ10の出力値ω1 から出力値ω10のうち、例えば、演算区間T1内における出力値ω5 から出力値ω10までを読み出す。基準値演算部35は、移動平均法の一例として示す以下の数3により、静止安定時における基準値を演算し、基準値選択部55にこの基準値を出力する。
【0067】
【数3】
Figure 0003867350
【0068】
S700において、基準値演算部35は、数4により基準値の演算を開始する。基準値演算部35は、メモリ部35aに記憶された時刻t0 から時刻t10までの角速度センサ10の出力値ω1 から出力値ω10のうち、例えば、演算区間T2内における出力値ω7 から出力値ω10までを読み出す。基準値演算部35は、移動平均法の一例として示す以下の数4により、静止安定時における基準値の演算と同時又は略同時に画角変更時における基準値を演算し、基準値選択部55にこの基準値を出力する。
【0069】
【数4】
Figure 0003867350
【0070】
数4に示す移動平均法による演算区間T2は、数3に示す移動平均法による演算区間T1とその長さが異なる。
【0071】
S800において、半押しタイマ90がON動作しているか否かが判断される。半押しタイマ90がON動作しているときには、S900に進み、半押しタイマ90がON動作していないときには、S1500に進む。
【0072】
S900において、判定部30は、画角変更中であるか否かを判定する。判定部30は、カメラが静止安定状態であるか、画角変更状態であるかを判定し、その判定結果に応じた判定信号を基準値選択部55に出力する。カメラが完全に静止した状態にはなく、撮影者がカメラを静止させようとしているが、撮影者の意図しない手ブレによりカメラが振動している静止安定状態であるときには、S1000に進む。カメラが大きな動きをしている画角変更状態であるときには、S1100に進む。
【0073】
S1000において、駆動信号演算部45は、数3の演算結果に基づいて、駆動信号を演算する。基準値選択部55は、判定部30の判定信号に基づいて、基準値演算部35が数3により演算した静止安定時における基準値を選択する。駆動信号演算部45は、この基準値に基づいて積分演算し、ブレ補正レンズ60の駆動量に応じた駆動信号を演算する。
【0074】
S1100において、駆動信号演算部45は、数4の演算結果に基づいて、駆動信号を演算する。基準値選択部55は、判定部30の判定信号に基づいて、基準値演算部35が数4により演算した画角変更時における基準値を選択する。駆動信号演算部45は、この基準値に基づいて、ブレ補正レンズ60の駆動量に応じた駆動信号を演算する。
【0075】
S1200において、ブレ補正レンズ60が駆動を開始する。駆動部50は、S1000又はS1100において駆動信号演算部45が出力した駆動信号に基づいて、ブレ補正レンズ60を駆動制御する。なお、S1200に進む時点において、ブレ補正レンズ60が駆動されていないときには、駆動部50は、S1200においてブレ補正レンズ60の駆動を開始する。
【0076】
S1300において、全押しスイッチSW2がON動作しているか否かが判断される。全押しスイッチSW2がON動作しているときには、S1400に進み、全押しスイッチSW2がON動作していないときには、S100に戻り、半押しスイッチSW1がON動作しているか否かが判断される。
【0077】
S1400において、撮影動作が行われる。図示しないシャッタ機構によりシャッタの開閉、フィルム巻き上げ機構によるフィルムの巻き上げなどの一連の撮影動作が行われ、一連の動作が終了される。
【0078】
S1500において、ブレ補正レンズ60が駆動を停止する。S1500に進む時点において、ブレ補正レンズ60が駆動しているときには、駆動部50は、S1500においてブレ補正レンズ60の駆動を停止する。S1500に進む時点において、ブレ補正レンズ60が駆動していないときには、S1500を飛ばし、S1600に進む。
【0079】
S1600において、基準値演算部35は、数3及び数4による基準値の演算を停止する。
【0080】
S1700において、角速度センサ10がOFF動作する。S1700において、半押しタイマ90がON動作していないと判断されたときには、電源供給部130は、半押しタイマ90のOFF動作に同期して、角速度センサ10への電源の供給を停止する。
【0081】
S1800において、半押しタイマ90が計時をストップする。半押しタイマ90は、半押しスイッチSW1のOFF動作と同時に計時を停止し、一連の動作を終了する。
【0082】
図4は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置における角速度センサの出力信号、移動平均法による演算結果及びブレ補正レンズの駆動量を一例として示す図であり、図4(A)は、角速度センサの出力信号及び移動平均法による演算結果を示し、図4(B)は、ブレ補正レンズの駆動量を示す図である。なお、説明を簡単にするために、手ブレ波形として正弦波が入力され、オメガゼロは、ゼロとした。
【0083】
図4(A)において、カメラは、静止安定状態から大きく動く状態(画角変更状態)を経て、再び、静止安定状態となっている。図4(A)において、変動する角速度センサ10の出力信号を示す実線に対して、演算結果を示す実線は、本発明の第1実施形態における数3又は数4により演算された基準値(オメガゼロ値)の変動を表したものである。図4(A)に示すように、最初の静止安定状態では、演算区間の長い数3による演算結果が選択され、基準値の精度が上げられている。次に、画角変更状態では、演算区間の短い数4による演算結果が選択され、応答性が上げられている。再び静止安定状態に戻ったときには、演算区間の長い数3による演算結果が選択され、基準値の精度を向上させている。その結果、図4(B)に示すように、この演算結果(基準値)に基づいて、ブレ補正レンズ60の駆動量が演算されると、ブレ補正レンズ60は、その駆動限界に達することなく駆動される。
【0084】
本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置は、カメラが静止安定時にある場合には、演算区間の長い数3の移動平均法により演算した基準値を選択し、静止安定時における基準値の演算精度を上げている。一方、何か動いている被写体を追っているような画角変更時には、基準値演算の応答が速くなることが要求されるために、演算区間の短い数4の移動平均法により演算した基準値を選択している。このように、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置は、2つの基準値を同時又は略同時に演算し、状況に応じて最適な基準値を選択している。このために、移動平均法による演算区間を長くし、静止安定時におけるブレ補正の精度を上げたときに、応答性が悪くなってしまうという従来のブレ検出装置の問題点を解決することができる。また、移動平均法による演算区間を短くし、画角変更などの大きな動きがあったときの応答性を高めた場合に、静止安定時における基準値の演算精度が犠牲になるという問題点も解決することができる。その結果、静止安定時におけるブレ補正の精度を向上することができる。また、撮影者が画角変更したときに、ブレ補正レンズ60が駆動限界に達してしまうという使い勝手の悪さや撮影者に与える不快感を解消することができる。
【0085】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャートである。
なお、以下の説明において、図3に示したフローチャートにおけるステップと同一のステップは、同一の番号を付して説明し、特に必要のない限り説明を省略する。
【0086】
S1900において、ブレ補正レンズ60が駆動を開始する。基準値選択部55は、S600において基準値演算部35が数3により演算した基準値又はS700において基準値演算部35が数4により演算した基準値のいずれか一方を選択する。そして、駆動信号演算部45は、選択された基準値に基づいて、駆動信号を演算し、駆動部50は、この駆動信号に基づいて、ブレ補正レンズ60を駆動制御する。
【0087】
S1000’において、駆動信号演算部45は、数3の演算結果に基づいて、駆動信号を演算する。基準値選択部55は、S900における判定部30の判定信号に基づいて、S600において基準値演算部35が演算した基準値を選択し、駆動信号演算部45は、この基準値に基づいて駆動信号を演算する。なお、S1900において、数3により演算した基準値に基づいて、駆動信号演算部45が駆動信号を演算しているときには、このS1000’は飛ばし、S1200に進んでもよい。
【0088】
S1100’において、駆動信号演算部45は、数4の演算結果に基づいて、駆動信号を演算する。基準値選択部55は、S900における判定部30の判定信号に基づいて、S700において基準値演算部35が演算した基準値を選択し、駆動信号演算部45は、この基準値に基づいて駆動信号を演算する。なお、S1900において、数4により演算した基準値に基づいて、駆動信号演算部45が駆動信号を演算しているときには、このS1100’は飛ばし、S1200に進んでもよい。
【0089】
本発明の第2実施形態に係るブレ検出装置は、半押しスイッチSW1がON動作しており、全押しスイッチSW2がON動作していないとき(図示しないレリーズボタンが半押し動作中)には、数3又は数4のいずれか一方の演算式に基づいて、ブレ補正レンズ60の駆動信号を演算している。また、全押しスイッチSW2がON動作しているとき(レリーズボタンが全押し動作中)には、数3又は数4のいずれか一方により演算された基準値が選択されている。このために、撮影準備動作中(半押し動作中)であっても、静止安定時又は画角変更時における基準値に基づいて、ブレ補正レンズ60を駆動することができる。また、本発明の第2実施形態に係るブレ検出装置は、数3及び数4による演算の開始及び終了が同じタイミング(同時)であり、演算中は、演算結果が常に出力され続けている。その結果、数3又は数4のいずれか一方により演算された基準値(解)を選択するときに、演算結果を瞬時に得ることができるために、カメラボディ70及びレンズ鏡筒80の急激な姿勢変更に素早く対応することができる。
【0090】
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係るブレ検出装置における基準値選択部の動作を説明するフローチャートである。図7は、本発明の第3実施形態に係るブレ検出装置における基準値選択部が基準値を選択及び切り換えたときの演算結果を示す図であり、図7(A)は、基準値を選択及び切り換えたときに生ずる不連続点を示す図であり、図7(B)は、この不連続点を解消したときの演算結果を示す図である。なお、図6は、図3におけるS1000,S1100及び図5におけるS1000’,S1100’を詳細に説明したものであり、基準値選択部55は、以下の手順により演算を行う。
【0091】
S1010において、選択動作前後の基準値による不連続点があるか否かを判断する。基準値選択部55は、S900における判定部30の判定信号に基づいて、S600において基準値演算部35が演算した基準値(以下、選択動作後の基準値という)Aを選択する。基準値選択部55は、選択動作後の基準値Aと選択動作前の基準値Bとに差A−Bがあるか否かを判断し、差A−Bがあるときには、S1020に進み、差A−Bがないときには、S1030に進む。
【0092】
S1020において、基準値選択部55は、不連続点を解消する。図7において、時間tS は、基準値選択部55により基準値の選択動作(切換動作)が行われた時刻である。図7(A)に示すように、時間tS において基準値の不連続点が生じている。本発明の第3実施形態に係るブレ検出装置における基準値選択部55は、切換動作時における不連続点を以下の数5により解消している。
【0093】
【数5】
Figure 0003867350
【0094】
ここで、数5における関数P(t)は、以下の数6により表される減少関数である。
【0095】
【数6】
Figure 0003867350
【0096】
ここで、時間tは、基準値選択部55が選択動作を開始した時間tS からの経過時刻であり、変数τは、選択動作後の基準値の切換時間を設定するための数である。
【0097】
S1030において、駆動信号演算部45は、数5及び数6の演算結果に基づいて、駆動信号を演算する。駆動信号演算部45は、S1020において基準値選択部55が演算した基準値に基づいて駆動信号を演算する。なお、S1110からS1130までの手順は、S1010からS1030までの手順と同じであるために説明を省略する。
【0098】
本発明の第3実施形態に係るブレ検出装置は、基準値選択部55は、切換動作時における基準値を数5及び数6により演算している。このために、図7(B)に示すように、切換動作時における基準値の不連続点を解消することができる。その結果、ブレ補正レンズ60が不連続点によりステップ状に駆動するような不審な動作を解消することができる。
【0099】
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置が搭載された一眼レフカメラを概略的に示す断面図である。
なお、以下の説明において、図1に示した部分と同一の部分は、同一の番号を付して説明し、その部分の詳細な説明については省略する。
【0100】
増幅部20は、角速度センサ10からの出力値(出力電圧)を増幅し、後述する第1基準値演算部36と、駆動信号演算部45とに出力する。
【0101】
第1基準値演算部36は、増幅部20により増幅したブレ検出信号に基づいて、角速度センサ10の出力値であるブレ補正制御の基準値(オメガゼロ値)を第1の基準値として演算するものである。第1基準値演算部36は、後述する第2基準値演算部37に演算した第1の基準値を出力する。
【0102】
第2基準値演算部37は、第1基準値演算部36が出力した第1の基準値に基づいて、第2の基準値を演算するものである。第2基準値演算部37は、演算した第2の基準値を駆動信号演算部45に出力する。
【0103】
駆動信号演算部45は、増幅部20により増幅したブレ検出信号から第2基準値演算部37により演算した第2の基準値を減算し、積分演算するものである。駆動信号演算部45は、角速度信号を角変位信号に変換し、さらに、この角変位信号に応じた駆動信号に変換する。駆動信号演算部45は、この駆動信号を駆動部50に出力する。
【0104】
つぎに、第1及び第2基準値演算部の動作を中心にして、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置の動作を説明する。
図9は、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャートである。
なお、以下の説明において、図3に示したフローチャートにおけるステップと同一のステップは、同一の番号を付して説明し、特に必要のない限り説明を省略する。
【0105】
S650において、第1基準値演算部36は、時刻tにおける第1の基準値ω0 (t) の演算を数7により開始する。第1基準値演算部36は、移動平均法の一例として示す以下の数7により第1の基準値ω0 (t) を演算し、第2基準値演算部37にこの第1の基準値ω0 (t) を出力する。
【0106】
【数7】
Figure 0003867350
【0107】
ここで、K0は、静止安定時において、十分な精度が得られるような大きさに設定された移動平均法による演算データ数である。なお、S650が2回目以降のステップであるときには、第1の基準値ω0 (t) の演算を継続する。
【0108】
S750において、第2基準値演算部37は、時刻tにおける第2の基準値ω0 '(t)の演算を数8により開始する。第2基準値演算部37は、一例として示す以下の数8により第2の基準値ω0 '(t)を演算し、駆動信号演算部45にこの第2の基準値ω0 '(t)を出力する。
【0109】
【数8】
Figure 0003867350
【0110】
ここで、δω0 (t) は、時刻t−1から時刻tまでの所定時間内における第1の基準値ω0 (t) の変化分である。第2基準値演算部37は、この変化分δω0 (t) を以下の数9により演算する。
【0111】
【数9】
Figure 0003867350
【0112】
ここで、時刻t−1は、時刻tの一つ前においてサンプリングをした時刻である。なお、S750が2回目以降のステップであるときには、第2の基準値の演算を継続する。
【0113】
図10は、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置における第2基準値演算部の演算処理を説明するフローチャートである。図11は、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置における第2基準値演算部の演算処理を模式的に示す図である。なお、図11において、破線は、数7により演算した第1の基準値であり、実線は、数8により演算した第2の基準値である。
【0114】
S751において、第2基準値演算部37は、時刻t−1から時刻tまでの所定時間内における第1の基準値ω0 (t) の変化分δω0 (t) を数9により演算する。数7は、移動平均法による演算式であり、演算区間を長くする(演算データ数K0を多くする)ほうが静止安定時には精度のよい基準値を得ることができる。一方、例えば、動く被写体を追っている場合であって、演算区間を長くしたときには、図19(A)に示すように、基準値の演算結果が遅れ、図19(B)に示すように、ブレ補正レンズ60が駆動限界に達してしまう。そこで、第2基準値演算部37は、図11に示すように、時刻tにおける第1の基準値ω0 (t) の変化分δω0 (t) をまず最初に演算する。
【0115】
S752において、第2基準値演算部37は、時刻tにおける第2の基準値ω0 '(t)を数8により演算する。第2基準値演算部37は、時刻tにおける第1の基準値ω0 (t) の変化分δω0 (t) に関数f(δω0 (t))を掛けたものを、第1の基準値ω0 (t) に加算し、第2の基準値ω0 '(t)を求める。その結果、図11に示すように、第1の基準値ω0 (t) の応答の悪いところが持ち上げられて(場合によっては引き下げられて)、角速度センサ10の出力信号に対する第1の基準値ω0 (t) の応答の遅れが補正される。
【0116】
S800において、半押しタイマ90がON動作しているか否かが判断される。半押しタイマ90がON動作しているときには、S1200に進み、半押しタイマ90がON動作していないときには、S1500に進む。
【0117】
S1200において、ブレ補正レンズ60が駆動を開始する。駆動信号演算部45は、S752において演算した第2の基準値ω0 '(t)を基準として積分演算して、ブレ補正レンズ60の駆動量に応じた駆動信号を求める。駆動部50は、この駆動信号に基づいてブレ補正レンズ60を駆動制御する。
【0118】
S1600において、第1基準値演算部36及び第2基準値演算部37は、それぞれ第1の基準値ω0 (t) 及び第2の基準値ω0 '(t)の演算を中止する。第1基準値演算部36及び第2基準値演算部37は、このステップに進む時点において、第1の基準値ω0 (t) 及び第2の基準値ω0 '(t)の演算を行っていたときには、これらの基準値の演算を中止する。
【0119】
図12は、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置における角速度センサの出力信号、第1及び第2基準値演算部による演算結果並びにブレ補正レンズの駆動量を一例として示す図であり、図12(A)は、角速度センサの出力信号並びに第1及び第2基準値演算部による演算結果を示し、図12(B)は、ブレ補正レンズの駆動量を示す図である。なお、説明を簡単にするために、手ブレ波形として正弦波が入力し、オメガゼロは、ゼロとした。
【0120】
図12(A)に示すように、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置は、静止安定時における基準値の精度を維持しつつ、画角変更時などの大きな動きがあったときにも、角速度センサ10の出力信号に追従して基準値が素早く応答する。また、図12(B)に示すように、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置は、画角変更時などの大きな動きがあったときでも、駆動限界に到達することなくブレ補正レンズ60を駆動し、ブレ補正が可能な状態にすることができる。このように、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置は、静止安定時における基準値の精度の向上を図るとともに、画角変更時における基準値の遅れを解決することができる。その結果、高精度なブレ補正が可能であり、かつ、画角変更時などにおけるブレ補正にも対処可能であるために、使い心地が非常によいブレ補正装置を提供することができる。本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置は、数7、数8及び数9による演算の開始及び終了のタイミングが略同時(若干異なる)である。しかし、同時処理のできない第1基準値演算部36及び第2基準値演算部37であっても、これらの処理能力及び演算速度がある程度のものであれば、静止安定時における基準値の精度の向上と、画角変更時における基準値の遅れの解消とを十分に図ることができる。
【0121】
(第5実施形態)
図13は、本発明の第5実施形態に係るブレ検出装置における第2基準値演算部が演算する関数f(δω0 (t))の形状を一例として示す図である。
第2基準値演算部37は、以下の数10及び数11に示す関数f(δω0 (t))により、第2の基準値ω0 '(t)を演算することができる。
【0122】
【数10】
Figure 0003867350
【0123】
【数11】
Figure 0003867350
【0124】
ここで、Thは、定数である。関数f(δω0 (t))は、数10に示すように、変化分δω0 (t) の絶対値が定数Thよりも小さいときには、ゼロである。また、関数f(δω0 (t))は、数11に示すように、変化分δω0 (t) の絶対値が定数Th以上であるときには、変化分δω0 (t) に比例する。一般に、変化分δω0 (t) の値は、静止安定時の場合には小さくなり、画角変更時のように角速度センサ10の出力信号が大きくなるような場合には大きくなる。静止安定時のように変化分δω0 (t) が小さいときには、変化分δω0 (t) は数10に従ってゼロとなり、第2の基準値ω0 '(t)は、第1の基準値ω0 (t) に等しくなる。一方、画角変更時のように変化分δω0 (t) が大きいときには、基準値の応答の遅れを補正し改善するために、第2基準値演算部37は、第2の基準値ω0 '(t)を数11に従って演算する。
【0125】
本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置は、関数f(δω0 (t))の形状を数11に示す形状に限定することもできる。この場合に、関数f(δω0 (t))の形状が全ての変化分δω0 (t)の値に比例するようになると、静止安定時において、第2の基準値δω0 '(t)は、第1の基準値ω0 (t)に比べて揺らぎが大きくなってしまう。その結果、図18に示すように、静止安定時における基準値の演算精度が低下して好ましくない。本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置は、数10を採用することによって、静止安定時の揺らぎを大きくすることなく、かつ、画角変更時のように素早い応答が必要なときには、基準値の素早い応答が可能となる。
【0126】
なお、定数Thは、静止安定時には第1の基準値ω0 (t) に影響を及ぼさず、かつ、画角変更時には角速度センサ10の出力信号に素早く応答できるような値にすることが好ましい。定数Thは、実験により決定してもよいし理論的に決定してもよく、例えば、静止安定時と画角変更時の傾き量を、波形を解析することによって決定してもよい。
【0127】
(第6実施形態)
第1基準値演算部36は、以下の数12によって第1の基準値ω0 (t) を演算することができる。
【0128】
【数12】
Figure 0003867350
【0129】
数12は、第1の基準値ω0 (t) を算出する際に、前回のサンプリング時に演算した基準値を用いる形式となっている。例えば、第1基準値演算部36は、角速度センサ10のON時(t=0)からt=1sまでの間における角速度センサ10の出力信号の平均値を演算する。第1基準値演算部36は、演算した平均値から最も古いデータ(この例では、t=0における出力値)を引き、それにt=1.001sでのデータを加えることによって、次のサンプリング時t=1.001sにおける出力信号の平均値を演算する。
【0130】
本発明の第6実施形態に係るブレ検出装置は、角速度センサ10が所定時間内に出力した出力値の一部と所定時間経過後に出力した出力値とに基づいて、第1の基準値ω0 (t) を算出している。このために、演算区間内における全データを演算処理する形式に比べて、演算量を極端に少なくすることができ、演算処理の高速化を実現することができる。
【0131】
(他の実施形態)
以上説明した実施形態に限定されることはなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置では、基準値演算部35は、静止安定時及び画角変更時における基準値を同時又は略同時に演算しているが、カメラが静止安定状態にあるときには、画角変更時における基準値を演算しなくてもよい。また、基準値演算部35は、図2に示した演算区間T1と演算区間T2とに共通する出力値から画角変更時における基準値を演算し、その後に、時刻t4 から時刻t6 までの出力値から演算区間T1内の静止安定時における基準値を演算することもできる。この場合には、数3及び数4を独立して演算するのに比べて、演算速度を速くすることができる。さらに、本発明の第1実施形態では、演算区間T1,T2は、時刻t0 から時刻t10までの出力値の一部に基づいて基準値を演算しているが、出力値の全部に基づいて基準値を演算することもできる。基準値演算部35は、演算した静止安定時及び画角変更時における基準値をメモリ部35aに予め記憶し、基準値選択部55は、いずれか一方の基準値を判定信号に基づいて選択することもできる。
【0132】
本発明の第1実施形態では、2種類の演算方式により演算した2つの基準値から1つの基準値を選択しているが、基準値演算部35が演算する基準値は、静止安定時と画角変更時における基準値の2種類に限定するものではない。また、演算方式の異なる2種類以上の演算式によって基準値を演算したり、演算方式や演算式を選択し、基準値を演算することもできる。CPUに余裕があるときには、3種類以上の演算方式により演算した基準値から1つの基準値を選択することもできる。例えば、基準値の種類は、演算区間が長い静止安定時用の基準値及び演算区間が短い画角変更時用の基準値に加えて、演算区間の長さが中間である撮影準備動作(半押し動作)中における基準値の3種類であってもよい。また、撮影準備動作中は、半押し動作用の基準値に基づいてブレ補正レンズ60を駆動し、撮影動作(全押し動作)中は、全押し動作用のアルゴリズムに切り換えて、2種類の基準値から1つの基準値を選択してもよい。この場合には、全押し動作用のアルゴリズムは、半押し動作中におけるブレ補正レンズ60の駆動に関与せず、基準値の演算のみを行う。
【0133】
本発明の第1実施形態では、基準値演算部35は、演算区間の長さを変えた2つの移動平均法によって基準値を演算しているが、例えば、遮断周波数を変えた複数のディジタルフィルタによって基準値を演算することもできる。また、ディジタルフィルタと移動平均法などの異なる演算方式のものを複数用意して、基準値を演算することもできる。さらに、遮断周波数及び/又は演算方法の異なる複数の低域通過フィルタにより基準値を演算したり、これらの低域通過フィルタは、移動平均法により基準値を演算することもできる。基準値演算部35は、基準値の演算をCPUによってディジタル処理してもよいし、アナログ回路によってアナログ処理してもよい。
【0134】
基準値選択部55は、画角変更があったか否かを基準として、基準値を選択しているが、これに限定するものではない。基準値選択部55は、例えば、半押しタイマ90の時間を選択基準としてもよく、半押しタイマ90の時間と画角変更があったか否かの両方を選択基準としてもよい。また、本発明の第1実施形態における関数P(t)は、減少関数であればよく、その形状はこれに限定するものではない。さらに、変数τは、定数であってもよく、例えば、選択動作後の基準値Aと選択動作前の基準値Bとの差A−Bに比例する変数であってもよい。
【0135】
本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置では、第1基準値演算部36の演算方法は、数7及び数12に示す移動平均法に限るものではない。例えば、角速度センサ10から低域周波数成分を抽出する低周波透過型のディジタルフィルタや最小自乗法などを使用することができるが、一般的には、低周波透過型の演算式を使用する。また、関数f(δω0 (t))の形状は、数10及び数11に示す形状に限定するものではなく、実験により又は理論的に求めた任意の形状であってもよく、例えば、2次式や3次式であってもよい。さらに、第2基準値演算部37は、以下の数13に示す数値演算方法によって、変化分δω0 (t)を求めることができる。
【0136】
【数13】
Figure 0003867350
【0137】
なお、数13に示す関数f(δω0 (t))の形状は、数10及び数11に示す形状であってもよく、その他の実験により又は理論的に求めた任意の形状であってもよい。
【0138】
本発明の第4実施形態では、第1の基準値ω0 (t)から第2の基準値ω0 '(t)を求める形式であれば、数9及び数13に示す形式に限定されず、その他の全ての形式が本発明に含まれる。また、本発明の第4実施形態では、基準値の演算は、第2の基準値ω0 '(t)までであるがこれに限定するものではなく、CPUの計算能力が許すならば、さらに第3、第4の基準値のように多段に演算してもよい。さらに、本発明の第4実施形態では、第1基準値演算部36及び第1基準値演算部37は、CPUによりディジタル処理で基準値を演算してもよいし、実装状態によってはアナログ回路で処理してもよい。第1基準値演算部36は、図2に示すようなメモリ部35aによって演算データを記憶し、この演算データの少なくとも一部に基づいて、第1の基準値ω0 (t)を演算することもできる。
【0139】
本発明の実施形態に係るブレ検出装置では、ブレ検出部は、角速度センサ10などの角速度検出器に限らず、速度検出器や、加速度センサなどの加速度検出器やその他のセンサであっても本発明を適用することができる。また、判定部30、基準値演算部35、基準値選択部55及び駆動信号演算部45は、一体型のワンチップマイクロコンピュータ内に搭載することもできる。同様に、第1基準値演算部36及び第2基準値演算部37は、一つの基準値演算部であってもよく、第1基準値演算部36、第2基準値演算部37及び駆動信号演算部45は、一体型のワンチップマイクロコンピュータ内に搭載することもできる。本発明の実施形態では、一眼レフのスチルカメラにブレ検出装置を搭載した例を挙げて説明したが、これに限らず、ディジタルスチルカメラ、ビデオカメラなどの撮影装置や、双眼鏡、望遠鏡などの光学装置に対しても本発明を適用することができる。また、レンズ鏡筒の交換が不可能なコンパクトカメラについても本発明を適用することができる。
【0140】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば以下のような種々の効果がある。
(1)基準値演算部は、ブレ検出部が出力するブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準値を2つ以上演算するので、状況に応じて複数の基準値を準備することができる。
【0141】
(2)基準値演算部は、ブレ検出信号の基準値を同時に又は略同時に2つ以上演算するので、複数の基準値を演算して、演算結果を瞬時に得ることができる。
【0142】
(3)移動状態判定部は、ブレ検出部の移動状態を判定し、基準値選択部は、移動状態判定部の判定結果に基づいて、基準値演算部が演算した複数のブレ検出信号の基準値から1つのブレ検出信号の基準値を選択するので、移動状態に応じて最適な基準値を選択することができる。
【0143】
(4)基準値選択部は、その選択動作以前のブレ検出信号の基準値B、選択動作以後のブレ検出信号の基準値Aとしたときに、基準値=(1−P(t))*A+P(t)*B〔ただし、P(t)は、0≦P(t)≦1の減少関数〕により選択動作を行うので、基準値選択部の選択動作時における基準値の不連続点を確実に解消することができる。
【0144】
(5)減少関数P(t)は、P(t)=1(t<0)、P(t)=1−t/τ(0≦t<τ)、P(t)=0(τ≦t)であるので、基準値選択部の選択動作時における基準値の不連続点を切り換え時間に応じて解消することができる。
【0145】
(6)基準値演算部は、ブレ検出信号に対する基準値の遅れを補正することによって、補正基準値を演算するので、この補正基準値に基づいて高精度にブレを補正することができる。
【0146】
(7)基準値演算部は、角速度センサが出力するブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の第1の基準値を演算するとともに、この第1の基準値に基づいて、ブレ検出信号の第2の基準値を演算するので、この第2の基準値に基づいて高精度にブレを補正することができる。
【0147】
(8)基準値演算部は、ブレ検出信号に対する第1の基準値の遅れを補正することによって、第2の基準値を演算するので、画角変更時における基準値の遅れを解決し高精度にブレを補正することができる。
【0148】
(9)基準値演算部は、時刻tにおけるブレ検出信号の基準値又は第1の基準値をω0 (t)とし、所定時間内におけるこの基準値又は第1の基準値の変化分をδω0 (t)とするときに、補正基準値又は第2の基準値ω0 '(t)をω0 '(t)=ω0 (t)+f(δω0 (t))*δω0 (t)〔ただし、fは、δω0 (t)の関数である〕により演算するので、ブレ検出信号に対して応答性の悪い第1の基準値を補正して、このブレ検出信号に対する第1の基準値の応答の遅れを解決することができる。
【0149】
(10)基準値演算部は、f(δω0 (t))=0(|δω0 (t)|<Th)、f(δω0 (t))=a*δω0 (t)(|δω0(t)|≧Th)〔ただし、Thは、定数である〕により補正基準値又は第2の基準値ω0 '(t)を演算するので、静止安定時においては、補正基準値又は第2の基準値の揺らぎを防止するとともに、画角変更時においては、補正基準値又は第2の基準値の素早い応答を可能とすることができる。
【0150】
(11)基準値演算部は、ブレ検出部が所定時間内に出力した出力値の少なくとも一部と所定時間経過後に出力した出力値とに基づいて、ブレ検出信号の基準値又は第1の基準値を演算するので、演算量を低減することができるとともに、演算処理の高速化を図ることができる。
【0151】
(12)基準値演算部は、少なくとも、ブレ検出部が移動状態にあるときと静止状態にあるときのブレ検出信号の基準値を演算するので、ブレ検出部の状態に応じて複数の基準値を演算することができる。
【0152】
(13)記憶部は、ブレ検出部が所定時間内に出力したブレ検出信号を演算データとして記憶し、基準値演算部は、この演算データの少なくとも一部に基づいて、ブレ検出信号の基準値又は第1の基準値を演算し、ブレ検出部が移動状態にあるときの演算データ数は、このブレ検出部が静止状態にあるときの演算データ数に比べて少ないので、移動状態にあるときと静止状態にあるときときのそれぞれについて、誤差の少ない基準値を演算することができる。
【0153】
(14)基準値演算部は、ブレ検出信号の基準値又は第1の基準値を移動平均により演算するので、誤差の少ない基準値を演算することができる。
【0154】
(15)基準値演算部は、遮断周波数を変えた複数の低域通過フィルタ及び/又は演算方法の異なる複数の低域通過フィルタにより、ブレ検出信号の基準値又は第1の基準値を演算するので、基準値を精度よく演算することができる。
【0155】
(16)基準値演算部は、ブレ検出信号から低域周波数成分を抽出する低域通過フィルタ部を備えるので、基準値の演算に必要な周波数成分のみを取り出すことができる。
【0156】
(17)ブレ検出部は、加速度を検出する加速度検出器であるので、加速度検出器の出力信号に基づいて、基準値を演算することができる。
【0157】
(18)ブレ検出部は、速度又は角速度を検出する速度検出器であるので、速度検出器又は角速度検出器の出力信号に基づいて、基準値を演算することができる。
【0158】
(19)基準値演算部は、増幅部により増幅されたブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準値を演算するので、この基準値を精度よく演算することができる。
【0159】
(20)制御部は、ブレ検出装置からのブレ検出信号の基準値に基づいて、ブレ補正光学系を駆動する駆動部を駆動制御するので、ブレ補正の精度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が搭載された一眼レフカメラを概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置における基準値演算部のメモリ部を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置における角速度センサの出力信号、移動平均法による演算結果及びブレ補正レンズの駆動量を一例として示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施形態に係るブレ検出装置における基準値選択部の動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態に係るブレ検出装置における基準値選択部が基準値を選択及び切り換えたときの演算結果を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置が搭載された一眼レフカメラを概略的に示す断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置における第2基準値演算部の演算処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置における第2基準値演算部の演算処理を模式的に示す図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置における角速度センサの出力信号、第1及び第2基準値演算部による演算結果並びにブレ補正レンズの駆動量を一例として示す図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係るブレ検出装置における第2基準値演算部が演算する関数f(δω0 (t))の形状を一例として示す図である。
【図14】従来のブレ補正装置のブロック線図である。
【図15】従来のブレ補正装置によるオメガゼロの演算に成功した例を示す図である。
【図16】従来のブレ補正装置によるオメガゼロの演算に失敗した例を示す図である。
【図17】静止安定時において演算区間を長くとったときの移動平均法による演算結果及び演算誤差を示す図である。
【図18】静止安定時において演算区間を短くとったときの移動平均法による演算結果及び演算誤差を示す図である。
【図19】動体追従時における角速度センサの出力信号、演算区間を長くとったときの移動平均法による演算結果及びブレ補正レンズの駆動量の一例を示す図である。
【図20】動体追従時における角速度センサの出力信号、演算区間を短くとったときの移動平均法による演算結果及びブレ補正レンズの駆動量の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 角速度センサ
20 増幅部
30 移動状態判定部
35 基準値演算部
35a メモリ部
36 第1基準値演算部
37 第2基準値演算部
45 駆動信号演算部
50 駆動部
55 基準値選択部
60 ブレ補正レンズ
70 カメラボディ
80 レンズ鏡筒
90 半押しタイマ
130 電源供給部
SW1 半押しスイッチ
SW2 全押しスイッチ
I 光軸

Claims (17)

  1. 対象物のブレを検出し、ブレ検出信号を出力するブレ検出部と、
    前記ブレ検出信号の取得時間の長さが異なる前記ブレ検出信号の基準値を2つ以上演算する基準値演算部と、
    前記ブレ検出信号に基づいて前記対象物が静止状態であるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部による判定結果に基づいて前記2つ以上の基準値から1つの前記基準値を選択する基準値選択部と、
    を含むことを特徴とするブレ検出装置。
  2. 請求項1に記載のブレ検出装置において、
    前記判定部により静止状態であると判定されたときに前記基準値選択部が選択する前記基準値は、静止状態でないと判定されたときよりも長い取得時間に得られた前記ブレ検出信号に基づいて演算されている、ことを特徴とするブレ検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のブレ検出装置において、
    前記判定部は、前記ブレ検出信号に基づいて前記対象物の画角変更の有無を検出し、当該画角変更の有無に基づいて静止状態であるか否かを判定する、ことを特徴とするブレ検出装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記基準値選択部は、この基準値選択部の選択動作以前のブレ検出信号の基準値をBとし、前記基準値選択部の選択動作以後のブレ検出信号の基準値をAとしたときに、
    基準値=(1−P(t))*A+P(t)*B
    〔ただし、P(t)は、0≦P(t)≦1の減少関数である〕
    により選択動作を行うこと、を特徴とするブレ検出装置。
  5. 請求項4に記載のブレ検出装置において、
    前記減少関数P(t)は、
    P(t)=1(t<0)、
    P(t)=1−t/τ(0≦t<τ)、
    P(t)=0(τ≦t)
    であること、を特徴とするブレ検出装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記基準値演算部は、前記ブレ検出信号に基づいて、第1の基準値を演算するとともに、前記第1の基準値に基づいて、前記ブレ検出信号に対する前記第1の基準値の遅れを補正することによって、前記第2の基準値を演算すること、を特徴とするブレ検出装置。
  7. 請求項6に記載のブレ検出装置において、
    前記基準値演算部は、時刻tにおける前記基準値又は前記第1の基準値をω0 (t)とし、所定時間内における前記基準値又は前記第1の基準値の変化分をδω0 (t)とするときに、前記補正基準値又は前記第2の基準値ω0’(t)を
    ω0’(t)=ω0 (t)+f(δω0 (t))*δω0 (t)
    〔ただし、fは、δω0 (t)の関数である〕
    により演算すること、を特徴とするブレ検出装置。
  8. 請求項7に記載のブレ検出装置において、
    前記基準値演算部は、
    f(δω0 (t))=0(|δω0 (t)|<Th)、
    f(δω0(t))=a*δω0 (t)(|δω0 (t)|≧Th)
    〔ただし、Thは、定数である〕
    により前記補正基準値又は前記第2の基準値ω0’(t)を演算すること、を特徴とする
    ブレ検出装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記基準値演算部は、前記ブレ検出部が所定時間内に出力した出力値の少なくとも一部と所定時間経過後に出力した出力値とに基づいて、前記基準値又は前記第1の基準値を演算すること、を特徴とするブレ検出装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記基準値演算部は、少なくとも、前記ブレ検出部が移動状態にあるときと静止状態にあるときのブレ検出信号の基準値を演算すること、を特徴とするブレ検出装置。
  11. 請求項10に記載のブレ検出装置において、
    前記ブレ検出部が所定時間内に出力したブレ検出信号を演算データとして記憶する記憶部を備え、前記基準値演算部は、前記演算データの少なくとも一部に基づいて、前記基準値又は前記第1の基準値を演算し、
    前記ブレ検出部が移動状態にあるときの演算データ数は、このブレ検出部が静止状態にあるときの演算データ数に比べて少ないこと、を特徴とするブレ検出装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記基準値演算部は、前記基準値又は前記第1の基準値を移動平均により演算すること、を特徴とするブレ検出装置。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記基準値演算部は、遮断周波数を変えた複数の低域通過フィルタ及び/又は演算方法の異なる複数の低域通過フィルタにより、前記基準値又は前記第1の基準値を演算すること、を特徴とするブレ検出装置。
  14. 請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記基準値演算部は、前記ブレ検出信号から低域周波数成分を抽出する低域通過フィルタ部を備えること、を特徴とするブレ検出装置。
  15. 請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記ブレ検出部は、加速度を検出する加速度検出器、又は速度又は角速度を検出する速度検出器、又は角速度を検出する角速度検出器であること、を特徴とするブレ検出装置。
  16. 請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記ブレ検出信号を増幅する増幅部を備え、
    前記基準値演算部は、前記増幅部により増幅されたブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準値を演算すること、を特徴とするブレ検出装置。
  17. 請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載のブレ検出装置と、
    ブレを補正するブレ補正光学系と、
    前記ブレ補正光学系を駆動する駆動部と、
    前記ブレ検出装置からの前記ブレ検出信号の基準値に基づいて、前記駆動部を駆動制御する制御部と、を含むことを特徴とするブレ補正カメラ。
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