JP3867056B2 - カルバート内型枠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路、鉄道、堤防等の下に埋設される用水や排水等の水路,地下道,坑道等のカルバートを施工するカルバート内型枠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、道路、鉄道、堤防等の下に埋設される用水や排水等の水路,地下道,坑道等のカルバートは、施工現場に設置された外型枠と移動可能に形成された内型枠との間にコンクリートを打設してカルバートの一部であるコンクリート躯体を構築し、コンクリートが硬化した後に内型枠を縮小させて脱型するとともにコンクリート躯体内を長手方向に移動させて新たな内型枠として設置し、順次コンクリートを打設してコンクリート躯体を延設してカルバートを構築していく型枠工法によって施工されてきた。カルバートの施工に用いられる移動式の内型枠として、種々のものが開発されている。
【0003】
従来の技術としては、例えば、(特許文献1)に「打設されたコンクリートの自重により湾曲可能に形成されたスラブ型枠と、スラブ型枠の端部に傾動自在に設けられた側壁型枠と、伸縮自在に形成されスラブ型枠を支持する支柱と、を備えた内型枠装置」が開示されている。
【0004】
(特許文献2)には、「略門形に形成された上部枠材及び側部枠材と、略門形の内部に移動自在にかつジャッキを配して伸縮自在に形成された支持台車と、を備え、上部枠材の中央部に折曲自在に形成されジャッキに連繋された連結ヒンジ部と、を備えたカルバート内型枠。」が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特公昭62−18694号公報
【特許文献2】
特公平6−63365号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、スラブ型枠が打設されたコンクリートの自重により下方に湾曲可能に形成されているので、スラブ型枠に疲労が生じ曲ったり崩壊したりするおそれがあるという課題を有していた。
(2)また、スラブ型枠と側壁型枠とがピンにより枢着されているだけでスラブ型枠と側壁型枠との角度等を元通りに修復して型枠の形状を復元する位置決め手段等が設けられていないので、脱型時には側壁型枠を内向に傾動することにより内型枠装置を縮径させて打設されたコンクリート躯体内を移動させることはできる。しかし、新たな内型枠として設置するときにスラブ型枠と側壁型枠との角度等を元通りに修復して型枠の形状を復元させ難いので作業性に著しく欠けるとともに、カルバートの長手方向の全長に渡って躯体寸法や躯体形状を同一にすることができず施工性に著しく欠けるという課題を有していた。
(3)(特許文献2)に開示の技術は、上部枠材の中央部に連結ヒンジ部が形成されているので、構成が複雑化するとともに支保工が重量を有し、コンクリート躯体内の移動時には牽引装置等の大型機械等を用いて牽引して移動させなければならないという課題を有していた。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、脱型を容易に行うことができるとともに、型枠の形状を容易に復元させることができ復元性に優れるとともに作業性に優れ、さらにカルバートの長手方向の全長に渡って躯体寸法や躯体形状を同一にすることができ施工性に著しく優れるカルバート内型枠を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために本発明のカルバート内型枠は、以下の構成を有している。
【0009】
本発明の請求項1に記載のカルバート内型枠は、足場で伸縮自在に形成された支柱と、前記支柱の上部で支持された上部梁と、前記支柱の所定部に固定され伸縮自在に形成された伸縮梁と、前記伸縮梁の両端で支持された側部枠と、を有する支保工と、前記支保工の下部に配設された移動手段と、前記上部梁の上側に固定された上部堰板と、前記側部枠の外側に固定された側部堰板と、を備えたカルバート内型枠であって、前記上部梁と前記側部枠との間に配設されたハンチ梁と、前記ハンチ梁の上側に固定され上部の端面が前記上部堰板の端面と当接され、下部の端面が前記側部堰板の上部の端面と当接されたハンチ堰板と、前記上部堰板又は前記上部梁の端部の内側と前記ハンチ堰板又は前記ハンチ梁の上部の内側との間に挟装された弾性を有する第1形状保持部材と、前記ハンチ堰板又は前記ハンチ梁の下部の内側と前記側部枠又は前記側部堰板の上部の内側との間に挟装された弾性を有する第2形状保持部材と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)上部堰板又は上部梁の端部とハンチ堰板又はハンチ梁の上部との間に挟装された弾性を有する第1形状保持部材を備えているので、脱型時に伸縮梁を収縮するとともに側部堰板の下部を内側に引張り、第1形状保持部材を略中心とするてこの作用により上部堰板とハンチ梁とのなす角を小さくして第1形状保持部材の弾性に応じて第1形状保持部材を圧縮させて、ハンチ堰板及び側部堰板とコンクリート躯体との間に隙間を形成し脱型させることができる。さらに、支柱を収縮することで上部堰板とコンクリート躯体との間にも隙間を形成することができ脱型を容易に行うことができる。
(2)支保工の下部に配設された移動手段を用いてコンクリート躯体内を移動させ新たな内型枠として設置するときには、支柱と伸縮梁を伸長するとともに側部堰板の下部に内向きに加えた力を除去するか外向きに力を加えることで、第1形状保持部材の弾性によりハンチ堰板とハンチ堰板とのなす角を元通りに修復して型枠の形状を容易に復元させることができ復元性に優れるとともに作業性に優れる。これにより、カルバートの長手方向の全長に渡って躯体寸法や躯体形状を同一にすることができ施工性に著しく優れる。
(3)ハンチ堰板又はハンチ梁の下部と側部堰板又は側部枠の上部との間に挟装された弾性を有する第2形状保持部材を備えているので、脱型時に側部堰板の下部を内側に引張り、第2形状保持部材を略中心とするてこの作用によりハンチ梁と側部堰板のなす角を小さくして第2形状保持部材の弾性に応じて第2形状保持部材を圧縮させて、側部堰板とコンクリート躯体との間により大きな隙間を形成し脱型を容易にすることができる。
(4)側部堰板とコンクリート躯体との間により大きな隙間を形成することができるので、脱型時に側部堰板の下部に内向きに加え側部堰板等を傾倒させる力を軽減することができ作業性に優れる。
(5)パイプサポート等の軽量部材で支柱を形成することにより、軽量化を図ることができクレーンや牽引車両等の大型機械等を用いずに人力等の軽微な力でもカルバート内型枠を移動させることができ施工性に優れる。特に、軽量にできるので、勾配3〜13%程度の傾斜のある施工現場でも用いることができる。
【0010】
ここで、第1形状保持部材としては、弾性を有する木製,合成樹脂製,硬質ゴム製等で形成されたものが用いられる。なかでも、第1形状保持部材の脱型時の弾性変形角が、0.01〜0.10°になるように形成されたものが好適に用いられる。弾性変形角が0.01°より小さくなるにつれ脱型時に生じるコンクリート躯体とハンチ堰板等との隙間が小さく脱型が困難になるとともに、隙間が小さいので脱型後コンクリート躯体の長手方向を移動させるときにコンクリート躯体の内壁と型枠とが擦れ合い易くコンクリート躯体や堰板を傷め易くなる傾向がみられ、0.10°より大きくなるにつれ軽微な力で容易に変形し易いので復元性が乏しくなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
第2形状保持部材としては、第1形状保持部材と同様のものを用いることができるので、説明を省略する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカルバート内型枠であって、前記支柱の下部にジャッキベースが配設された構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支柱を伸縮自在に形成することができ、施工するカルバートの躯体寸法に応じた長さにジャッキベースの長さを調整して支柱を立設させることができる。
(2)支柱の下部のジャッキベースを収縮させて支柱を収縮させ、上部堰板とコンクリート躯体との脱型を行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のカルバート内型枠であって、前記側部堰板の下部に配設固定され前記側部堰板又は前記側部枠の下部が摺接された側部堰板補助部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)側部堰板等の下部が摺接された側部堰板補助部を備えているので、脱型時に側部堰板の下部を軽微な力で内側に引張るだけで側部堰板等が摺動されて第1形状保持部材や第2形状保持部材を略中心としてハンチ梁と上部堰板等とのなす角を小さくすることができ、脱型が容易になり作業性に優れる。
(2)側部堰板等が側部堰板補助部を摺動して側部堰板補助部の上面から側部堰板等の下部が外れると、コンクリート躯体を形成するために立設された側部堰板と側部堰板補助部を加えた高さが側部堰板補助部の高さの分だけ低くなるので、支柱を収縮することで上部堰板とコンクリート躯体との間にも隙間を形成することができ脱型を容易に行うことができる。
【0014】
ここで、側部堰板補助部としては、上面が水平面又は内側に傾斜した傾斜面を有し側部枠等の下部が摺接された支持部と、支持部の外面側に配設固定された補助堰板と、を備えたものが好適に用いられる。支持部としては、木製,金属製,合成樹脂製等で形成されたものを用いることができる。なかでも、支持部の上面に金属製や合成樹脂製等の薄板等で形成された平滑部材を配設固定したものが好適に用いられる。側部堰板や側部枠の下部との摩擦係数を小さくして側部堰板補助部の上を摺動し易くするためである。
【0015】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載のカルバート内型枠であって、前記側部枠又は前記側部堰板の下部と前記支保工の下部との間に下部引締部が配設された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)側部枠又は側部堰板の下部と支保工の下部との間に下部引締部が配設されているので、脱型時に下部引締部の長さを収縮させることで側部堰板の下部を内側に引張り第1形状保持部材や第2形状保持部材を略中心としてハンチ梁と上部堰板等とのなす角を小さくすることができ、コンクリート躯体と側部堰板等との間に隙間を形成し容易に脱型することができ作業性に優れる。
(2)脱型時に下部引締部の長さを収縮させて側部堰板の下部を引張り、側部堰板を傾倒したままに維持することができるので、移動時にも側部堰板が拡がらずコンクリート躯体と擦れ合い難くコンクリート躯体や側部堰板を傷め難く施工性に優れる。
【0016】
ここで、下部引締部としては、チェーンやワイヤ,金属棒等とターンバックルやウインチ等とを組み合わせたもの等の伸縮自在に形成されたものが用いられる。
【0017】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載のカルバート内型枠であって、対向する前記側部堰板又は前記側部枠の対角方向に1乃至複数本の対角引締部が配設された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)対向する側部堰板又は側部枠の対角方向に1乃至複数本の対角引締部が配設されているので、側部堰板,上部堰板等の位置関係や形状等を調整することができ、さらに打設されたコンクリートの荷重に耐えるように伸縮梁や支柱とともに側部堰板や上部堰板等を固定することができ施工性に優れる。
【0018】
ここで、対角引締部としては、チェーンやワイヤ,金属棒等とターンバックルやウインチ等とを組み合わせたもの等を用いることができる。
【0019】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1に記載のカルバート内型枠であって、前記支柱の上部又は前記上部梁と前記側部堰板又は前記側部枠の所定部との間に下がり止め部が配設された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支柱の上部等と側部堰板等の所定部との間に下がり止め部が配設されているので、脱型時に傾動した側部堰板の自重によって第1形状保持部材やハンチ堰板等に加わる負荷を分散して軽減させることができ、第1形状保持部材やハンチ堰板等が破損するのを防止し耐久性に優れる。
【0020】
ここで、下がり止め部としては、ワイヤ,チェーン,金属棒,それらとターンバックル等を組み合わせたもの等を用いることができる。
【0021】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内いずれか1に記載のカルバート内型枠であって、前記支保工が、前記側部堰板の側面から少なくとも一部が張り出すガイド手段が移動時に配設固定されるガイド手段固定部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支保工が側部堰板の側面から少なくとも一部が張り出すガイド手段が移動時に配設固定されるガイド手段固定部を備えているので、移動時にはガイド手段を配設することでコンクリート躯体とガイド手段とは接触するが、コンクリート躯体と側部堰板とが擦れ合ってコンクリート躯体や側部堰板が損傷するのを防止することができ施工性に優れる。
【0022】
ここで、ガイド手段としては、車輪,ローラ等を用いることができ、ガイド手段が側部堰板の側面から一部が張り出してコンクリート躯体と接触するように配設固定される。
ガイド手段固定部としては、移動時にカルバート内型枠の最後尾となる支保工の上部の所定部に形成されるのが好ましい。さらに、ガイド手段は、ガイド手段固定部に配設固定するのに加え、打設されたコンクリート躯体の出口側端面の上部で、移動するカルバート内型枠の側部堰板と接触するような位置に配設固定するのが好ましい。最少数量のガイド手段でカルバート内型枠の側部堰板とコンクリート躯体とが接触するのを防止できるからである。
【0023】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の内いずれか1に記載のカルバート内型枠であって、前記上部堰板又は前記上部梁の幅方向の中心から下垂した下げ振りを備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至7の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)上部堰板又は上部梁の幅方向の中心から下垂した下げ振りを備えているので、コンクリート躯体の幅方向の中心の床部に長手方向に渡って基準線を設けておけば、カルバート内型枠を移動させて新たな内型枠として設置する際に、下げ振りと基準線とを合致させるようにカルバート内型枠の形状や位置を調整することで、カルバートの長手方向の全長に渡って躯体寸法や躯体形状を容易に同一にすることができ施工性に著しく優れる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるカルバート内型枠のコンクリート打設時の状態を示す正面図であり、図2は図1のA部の要部拡大図であり、図3は図1のB部の要部拡大図であり、図4は図1のC部の要部拡大図であり、図5は図1のD部の要部拡大図であり、図6は実施の形態1におけるカルバート内型枠の移動時の状態を示す正面図であり、図7は実施の形態1におけるカルバート内型枠の移動時の状態を示す要部平面図であり、図8は実施の形態1におけるカルバート内型枠の移動時の状態を示す要部側面図である。
図1において、1は実施の形態1におけるカルバート内型枠、2は鳥居形足場の主枠等を高さ方向に複数接合して形成された支柱、3,3´は支柱2の下部又は上部に配設され支柱2を伸縮自在に形成する支柱2の一部をなすジャッキベース、4は長さ方向に複数接合されたパイプサポート等で伸縮自在に形成され支柱2の所定部に支柱2と略直交して複数固定された伸縮梁、4aはH形鋼等で形成され支柱2の下部に支柱2と略直交して配設固定された下部補強部、5は支柱2に対角線状に複数配設固定された筋かい、6は支柱2の上部のジャッキベース3´で支持された梁うけ、7は梁うけ6の上側に固定された上部梁、8は上部梁7の上側に固定された上部堰板、9は支柱2と上部梁7とを緊締して固定する線条体等の緊締材、10は伸縮梁4の両端で支持された側部枠の横ばた、11は横ばた10に固定された側部枠の縦ばた、11´は縦ばた11の内側に配設固定された横ばた、11aは横ばた10,11´,縦ばた11を備えた側部枠、11bは支柱2,伸縮梁4,下部補強部4a,筋かい5,梁うけ6,上部梁7,側部枠11aを備え組立てられた支保工である。
【0025】
12は側部枠11aの外側に固定された側部堰板、13は弾性を有する木製,合成樹脂製,硬質ゴム製等で長尺状,塊状等に形成され上部梁7の端部の上部と上部堰板8の端部の下部との間の全長に渡って又は断続的に配設固定された第1形状保持部材、14は第1形状保持部材13に上端部が固定され上部堰板8の端部との間で第1形状保持部材13を挟装するハンチ堰板、15はハンチ堰板14の下側に配設固定されたハンチ梁、16は弾性を有する木製,合成樹脂製,硬質ゴム製等で長尺状,塊状等に形成されハンチ堰板14の下端部と側部堰板12の上端部との間の全長に渡って又は断続的に挟装された第2形状保持部材、17は長さ方向に複数接合されたパイプサポート等で伸縮自在に形成され上部でハンチ梁15を支持する控えである。本実施の形態においては、第1形状保持部材13,第2形状保持部材16の脱型時の弾性変形角が、0.01〜0.10°になるように形成されている。
【0026】
18,18は支保工11bの下部の下部補強部4aの下側に所定間隔をあけて複数配設された車輪,ローラ等の移動手段、19はコンクリートで打設されたカルバートの床部、20は床部19に車輪18,18の間隔で平行に配設されたL形鋼等で形成されたレール、21,21はカルバート内型枠1の長手方向の長さと同一かそれより長い長尺状に形成され床部19にカルバートの躯体寸法の幅の間隔で平行して側部堰板12及び側部枠11aの縦ばた11の下部に各々配設固定され側部堰板12及び側部枠11aの縦ばた11の下部が摺接された側部堰板補助部、22は伸縮梁4と略平行して側部枠11aの横ばた10,10間に水平に複数配設されたターンバックルとチェーン等の組合せ等からなる水平引締部、23,23は側部枠11aの下部の横ばた11´と支保工11bの支柱2の下部との間に配設されたターンバックルとチェーン等の組合せ等からなる下部引締部、24,24は対向する側部枠11a,11aの横ばた10,11´間の対角方向に配設されたターンバックルとチェーン等の組合せ等からなる対角引締部、25,25は支柱2,2の上部と側部枠11a,11aとの間に配設されたターンバックルとチェーン等の組合せ等からなる下がり止め部、26は上部梁7の幅方向の中心から下垂された下げ振りである。
【0027】
図2において、30は上部堰板8,ハンチ堰板14を貫通して第1形状保持部材13が固定される釘や木ねじ等の補強部材、θ1は上部堰板8とハンチ堰板14とのなす角と同一の角度に形成された第1形状保持部材13の保持角である。実施の形態1においては、第1形状保持部材13の保持角θ1における脱型時の弾性変形角が、0.01〜0.10°になるように形成されている。
図3、図4において、31はハンチ堰板14,側部堰板12を貫通して第2形状保持部材16が固定される釘や木ねじ等の補強部材、32は横ばた11´に当接する座金、33は座金32,横ばた11´,縦ばた11,側部堰板12を貫設し側部堰板12と図示しない外型枠とを所定間隔を空けて固定するフォームタイ等の型枠締め付け具、θ2は側部堰板12とハンチ堰板14とのなす角と同一の角度に形成された第2形状保持部材16の保持角である。実施の形態1においては、第2形状保持部材16の保持角θ2における脱型時の弾性変形角が、0.01〜0.10°になるように形成されている。
図5において、34は複数の桟木を組合せて略直方体状に形成された側部堰板補助部21の支持部、35は側部堰板12と同様の材質等で形成され支持部34の下面と床部19との間に配設された高さ調整部材、36はブリキ等の金属製等の薄板等で形成され支持部34の上面に配設固定された平滑部材、37は支持部34の外面側に側部堰板12と同一面状に配設固定された補助堰板、38は座金32,支持部34,補助堰板37を貫設し補助堰板37とコンクリート躯体の外壁を形成する図示しない外型枠とを所定間隔を空けて固定するフォームタイ等の型枠締め付け具である。
【0028】
図6において、40は側部堰板12,12、ハンチ堰板14,14、上部堰板8、側部堰板補助部21と矩形状に形成された図示しない外型枠との間にコンクリートが打設され硬化して形成されたコンクリート躯体、41,41はカルバート内型枠1の支保工11bの背面の上部両側の所定部に形成された後述するガイド手段固定部43に一部が側部堰板12,12から側方に張り出して配設固定された車輪やローラ等のガイド手段、42,42は下部補強部4aの両端と横ばた11´,11´の内側とに挟装され移動時の振動等で下部補強部4aの両端と横ばた11´,11´とがぶつかり合うのを防止する間隔保持具である。
図7、図8において、21´はカルバート内型枠1の移動先に側部堰板補助部21と上面の高さを合わせて配設された側部堰板補助部、43は移動時に最後尾となるカルバート内型枠1の支保工11bの背面の所定部に形成されガイド手段41が配設固定されたガイド手段固定部、44はコンクリート躯体40の前端面の側部上側に配設固定されカルバート内型枠1の側部堰板12と少なくとも一部が接触する車輪やローラ等のガイド手段、45は一端がカルバート内型枠1の支保工11bの所定部に固定され他端側に図示しないウインチ等の牽引装置が配設されコンクリート躯体40内をカルバート内型枠1を牽引して移動させるワイヤやチェーン等の牽引具、46は端部が支保工11bの所定部に固定され他端側に図示しないチェーンブロック等の揚重装置が配設され牽引具45が切れた場合等にカルバート内型枠1がコンクリート躯体40内を逆走するのを防止するワイヤやチェーン等の逆走防止具である。
【0029】
以上のように構成された実施の形態1におけるカルバート内型枠について、以下その使用方法を説明する。
初めに、カルバート内型枠組立て工程において、カルバートを施工する整地された地盤や掘削溝の底部等にコンクリートを打設してカルバートの床部19を形成する。次いで、形成された床部19の幅方向の中心に長手方向に渡って基準線を形成する。次いで、施工するカルバートの躯体寸法に応じた長さにジャッキベース3,3´の長さを調整して床部19の幅方向及び長手方向に複数本の支柱2を立設し、支柱2に伸縮梁4,移動手段18が配設された下部補強部4a,筋かい5,梁うけ6,上部梁7を固定し箱状に支保工11bを組立てていく。なお、床部19を勾配のある傾斜地に形成した場合には、勾配の下方側に支保工11bを組立てる。また、支柱2,伸縮梁4,下部補強部4a,筋かい5等の数量は、カルバートとなるコンクリート躯体の長手方向の長さや幅、高さ、躯体の厚さ等に応じて適宜選択することができる。次いで、床部19の幅方向の両側に側部堰板補助部21を載置するとともに、側部枠11aの下部が側部堰板補助部21の上面に当接するように側部枠11aを伸縮梁4に固定する。上部梁7の端部に第1形状保持部材13を固定し側部枠11aの上部に第2形状保持部材16を固定した後、上部梁7や側部枠11a等の支保工11bの外側に上部堰板8,側部堰板12を配設するとともに、第1形状保持部材13と第2形状保持部材16にハンチ梁15が配設されたハンチ堰板14を配設固定する。なお、側部堰板補助部21の高さが低い場合には、支持部34と床部19との間に高さ調整部材35を差し込んで、側部堰板補助部21の補助堰板37と側部堰板12とを密接させる。次いで、控え17を床部19に立設してハンチ梁15を支持するとともに、水平引締部22,対角引締部24を配設して引き締めてカルバート内型枠1の形状と寸法を調整する。次いで、下部引締部23,下がり止め部25,緊締材9,下げ振り26を配設し、実施の形態1におけるカルバート内型枠1を組立てる。
組立てたカルバート内型枠1の外側に図示しない外型枠を配設した後、外型枠とカルバート内型枠1の横ばた11´等の支保工11bや側部堰板補助部21との間に型枠締め付け具33,38を配設して、カルバート内型枠1の上部堰板8,側部堰板12,ハンチ堰板14と外型枠とを所定間隔に保持するとともに、カルバート内型枠1を外型枠内に固定する。
次いで、固定されたカルバート内型枠1と外型枠との間にコンクリートを打設して硬化させ、コンクリート躯体40を形成する。
【0030】
コンクリート躯体40が形成された後、カルバート内型枠脱型工程において、初めに、カルバート内型枠1の移動先に側部堰板補助部21と上面の高さを合わせて側部堰板補助部21´を配設する。次いで、牽引具45,逆走防止具46の一端を下部補強部4a等の支保工11bに固定する。次いで、伸縮梁4を伸縮自在にして伸縮梁4の両側が横ばた10を押圧しないようにするとともに控え17を収縮する。さらに型枠締め付け具33を外した後、下部引締部23を収縮させて側部堰板12の下部を内側に引張り、側部堰板12及び側部枠11aの下端部を側部堰板補助部21の支持部34の上面に配設された平滑部材36の上を内側に摺動させる。ハンチ梁15が控え17で支持されておらず側部枠11aが伸縮梁4で外向きに押圧されていないので、第1形状保持部材13と第2形状保持部材16を略中心とするてこの作用により第1形状保持部材13と第2形状保持部材16の弾性に応じて第1形状保持部材13と第2形状保持部材16が圧縮変形し、ハンチ堰板14と側部堰板12や上部堰板8とのなす角を小さくすることができ側部堰板12及びハンチ堰板14とコンクリート躯体40との間に隙間が形成される。さらに、側部堰板12及び側部枠11aの下端部を、側部堰板補助部21の支持部34の幅より大きく摺動させて側部堰板補助部21の支持から側部堰板12及び側部枠11aを外すと、側部堰板12等の下部が宙に浮いた状態になりハンチ堰板14,ハンチ梁15,側部堰板12,側部枠11a等の自重により、さらに第1形状保持部材13や第2形状保持部材16を圧縮変形させてハンチ堰板14と側部堰板12や上部堰板8とのなす角を小さくすることができ、脱型を容易にすることができる。端部が支柱2の上部に固定された下がり止め部25は、側部堰板12や側部枠11a等の自重を支柱2の上部で吊り下げて、第1形状保持部材13や第2形状保持部材16等にかかる負担を軽減させる。
次いで、下部補強部4aとカルバートの床部19との間に図示しない油圧等のジャッキを複数配設し加圧して下部補強部4aを上方へ押圧した後、支柱2の下部のジャッキベース3を収縮させて支柱2を収縮させ、カルバート内型枠1の全体をジャッキで保持する。次いで、レール20を移動手段18の下方及びカルバート内型枠1の移動先に連設した後、ジャッキの油圧等を抜いて移動手段18をレール20の上に着地させる。これにより、上部堰板8とコンクリート躯体40との間の脱型が行われる。
【0031】
カルバート内型枠移動工程において、カルバート内型枠1の支保工11bの背面に形成されたガイド手段固定部43にガイド手段41を配設固定し、ガイド手段41の少なくとも一部がコンクリート躯体40の内壁と接触するようにする。さらに、コンクリート躯体40の出口側端面の側部上側にガイド手段44を配設固定し、ガイド手段44の少なくとも一部がカルバート内型枠1の側部堰板12と接触するようにする。
次いで、横ばた11´と下部補強部4aの端部との間に間隔保持具42を挟装した後、逆走防止具46を効かせながら牽引具45を牽引して、所定の位置に来るまでカルバート内型枠1を移動させる。
【0032】
所定の位置に移動させたカルバート内型枠1の形状や寸法を復元させるときには、カルバート内型枠復元工程において、下部補強部4aとカルバートの床部19との間に図示しない油圧等のジャッキを複数配設し加圧して下部補強部4aを上方へ押圧した後、側部堰板12の下部を内向きに拘束していた下部引締部23を伸長した後に側部堰板12の下部を外側に押し広げて、側部枠11a及び側部堰板12の下部を側部堰板補助部21の上に載置する。次いで、支柱2の一部をなすジャッキベース3を伸長して支柱2を伸長させ脚部を着地させるとともに、控え17も伸長して脚部を着地させた後、ジャッキの油圧等を抜いてカルバート内型枠1を床部19に立設させる。次いで、伸縮梁4を伸長させて側部枠11aを押圧し、さらに水平引締部22,対角引締部24を引き締めて、下げ振り26と床部19に形成した基準線が合致するようにカルバート内型枠1の形状と寸法を調整する。さらに、ガイド手段固定部43に配設固定されたガイド手段41及びコンクリート躯体40の端面に配設固定されたガイド手段44を除去する。
【0033】
以上のように、実施の形態1におけるカルバート内型枠は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)上部堰板の端部とハンチ堰板の上部との間に挟装された弾性を有する第1形状保持部材を備えているので、脱型時に伸縮梁を収縮するとともに側部堰板の下部を内側に引張り、第1形状保持部材を略中心とするてこの作用により上部堰板とハンチ梁とのなす角を小さくして第1形状保持部材の弾性に応じて第1形状保持部材を圧縮させて、ハンチ堰板及び側部堰板とコンクリート躯体との間に隙間を形成し脱型させることができる。さらに、支柱を収縮することで上部堰板とコンクリート躯体との間にも隙間を形成することができ脱型を容易に行うことができる。
(2)支保工の下部に配設された移動手段を用いてコンクリート躯体内を移動させた後に形状を復元させるときには、支柱と伸縮梁を伸長するとともに側部堰板の下部に下部引締部で内向きに加えた力を除去することで、第1形状保持部材の弾性によりハンチ堰板とハンチ堰板とのなす角を元通りに修復して型枠の形状を容易に復元させることができ復元性に優れるとともに作業性に優れる。これにより、カルバートの長手方向の全長に渡って躯体寸法や躯体形状を同一にすることができ施工性に著しく優れる。
(3)ハンチ堰板の下部と側部堰板の上部との間に挟装された弾性を有する第2形状保持部材を備えているので、脱型時に側部堰板の下部を内側に引張り、第2形状保持部材を略中心とするてこの作用によりハンチ梁と側部堰板のなす角を小さくして第2形状保持部材の弾性に応じて第2形状保持部材を圧縮させて、側部堰板とコンクリート躯体との間により大きな隙間を形成し脱型を容易にすることができる。
(4)側部堰板とコンクリート躯体との間により大きな隙間を形成することができるので、脱型時に側部堰板の下部に内向きに加え側部堰板等を傾倒させる力を軽減することができ作業性に優れる。
(5)第1形状保持部材及び第2形状保持部材の脱型時の弾性変形角が、0.01〜0.10°になるように形成されているので、脱型時に生じるコンクリート躯体とハンチ堰板等との間に所定量の隙間を形成することができ脱型が容易にできるとともに、コンクリート躯体の長手方向を移動させるときにコンクリート躯体の内壁と型枠とが擦れ合うことなくコンクリート躯体や堰板を傷め難く、元の形状に容易に復元し復元性に優れる。
(6)側部堰板等の下部が摺接された側部堰板補助部を備えているので、脱型時に側部堰板の下部を軽微な力で内側に引張るだけで側部堰板等が摺動されて第1形状保持部材や第2形状保持部材を略中心としてハンチ梁と上部堰板等とのなす角を小さくすることができ、脱型が容易になり作業性に優れる。
(7)側部堰板等が側部堰板補助部を摺動して側部堰板補助部の上面から側部堰板等の下部が外れると、コンクリート躯体を形成するために立設された側部堰板と側部堰板補助部を加えた高さが側部堰板補助部の高さの分だけ低くなるので、支柱を収縮することで上部堰板とコンクリート躯体との間にも隙間を形成することができ脱型を容易に行うことができる。
(8)支持部の上面に平滑部材が配設固定されているので、側部堰板や側部枠の下部との摩擦係数を小さくして側部堰板補助部の上を摺動し易くすることができ、軽微な力で脱型とカルバート内型枠の変形を行うことができ作業性に優れる。
(9)側部枠等の下部と支保工の下部との間に下部引締部が配設されているので、脱型時に下部引締部の長さを収縮させることで側部堰板の下部を内側に引張り第1形状保持部材や第2形状保持部材を略中心としてハンチ梁と上部堰板等とのなす角を小さくすることができ、コンクリート躯体と側部堰板等との間に隙間を形成し容易に脱型することができ作業性に優れる。
(10)脱型時に下部引締部の長さを収縮させて側部堰板の下部を引張り、側部堰板を傾倒したままに維持することができるので、移動時にも側部堰板が拡がらずコンクリート躯体と擦れ合い難くコンクリート躯体や側部堰板を傷め難く施工性に優れる。
(11)対向する側部堰板又は側部枠の対角方向に1乃至複数本の対角引締部が配設されているので、側部堰板,上部堰板等の位置関係や形状等を調整することができ、さらに打設されたコンクリートの荷重に耐えるように伸縮梁や支柱とともに側部堰板や上部堰板等を固定することができ施工性に優れる。
(12)支柱の上部等と側部堰板等の所定部との間に下がり止め部が配設されているので、脱型時に控えや側部堰板補助部によって支持されなくなったハンチ堰板や側部堰板等の自重によって第1形状保持部材やハンチ堰板等に加わる負荷を分散して軽減させることができ、第1形状保持部材やハンチ堰板等が破損するのを防止し耐久性に優れる。
(13)側部堰板補助部の支持部の外面側に補助堰板が配設固定されているので、支持部で側部堰板等を支持するとともにコンクリートの打設面を美麗にし、さらに脱型を容易に行うことができる。
(14)支保工がガイド手段固定部を備え側部堰板の側面から少なくとも一部が張り出すガイド手段が移動時に配設固定されるので、コンクリート躯体と側部堰板とが擦れ合ってコンクリート躯体や側部堰板が損傷するのを防止することができ施工性に優れる。
(15)上部梁等の幅方向の中心から下垂した下げ振りを備えているので、コンクリート躯体の幅方向の中心の床部に長手方向に渡って基準線を設けておけば、カルバート内型枠を移動させて新たな内型枠として設置する際に、下げ振りと基準線とを合致させるようにカルバート内型枠の形状や位置を調整することで、カルバートの長手方向の全長に渡って躯体寸法や躯体形状を容易に同一にすることができ施工性に著しく優れる。
(16)緊締材で支柱と上部堰板が固定された上部梁とを固定し一体化しているので、脱型時に大きな力のかかる上部堰板や上部梁が破損するのを防止し耐久性に優れる。
(17)締結具で牽引するのに加え逆走防止具を備えているので、勾配のある傾斜地で施工する場合に牽引具が切断等した場合でも、カルバート内型枠がコンクリート躯体内を逆走するのを防止することができ安全性に優れる。
(18)パイプサポート等の軽量部材で支柱や伸縮梁等を形成することにより、軽量化を図ることができクレーンや牽引車両等の大型機械等を用いずに人力等の軽微な力でもカルバート内型枠を移動させることができ施工性に優れる。特に、軽量にできるので、勾配3〜13%程度の傾斜のある施工現場でも用いることができる。
(19)型枠の支保工として従来より用いられている汎用品だけで作成することができるので、熟練度や特殊作業を要さず一般作業で施工することができ施工性に著しく優れる。
【0034】
なお、実施の形態1においては、第1形状保持部材13が上部堰板8とハンチ堰板14とに挟装された場合について説明したが、カルバートの形状や大きさ等によっては、上部梁7やハンチ梁15等に挟装される場合もある。この場合も同様の作用が得られる。
また、第2形状保持部材16がハンチ堰板14と側部堰板12とに挟装された場合について説明したが、カルバートの形状や大きさ等によっては、ハンチ梁15や側部枠11a等に挟装される場合もある。この場合も同様の作用が得られる。
また、側部堰板補助部21の支持部34に金属製等の薄板等で形成された平滑部材36が配設された場合について説明したが、支持部34の全体を金属製等で形成し、側部堰板12等と摺動し易くする場合もある。この場合も同様の作用が得られる。
また、勾配のある傾斜地ではなく床部が平坦地に形成された場合には、締結具で牽引する際、逆走防止具は用いなくてもよい。牽引具が切断等した場合でもカルバート内型枠がコンクリート躯体内を逆走するおそれがないからである。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明のカルバート内型枠によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)上部堰板又は上部梁の端部とハンチ堰板又はハンチ梁の上部との間に挟装された弾性を有する第1形状保持部材を備えているので、脱型時に伸縮梁を収縮するとともに側部堰板の下部を内側に引張り、第1形状保持部材を略中心とするてこの作用により上部堰板とハンチ梁とのなす角を小さくして第1形状保持部材の弾性に応じて第1形状保持部材を圧縮させて、ハンチ堰板及び側部堰板とコンクリート躯体との間に隙間を形成し脱型させ、さらに支柱を収縮することで上部堰板とコンクリート躯体との間にも隙間を形成することができ脱型を容易に行うことができる施工性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。
(2)支保工の下部に配設された移動手段を用いてコンクリート躯体内を移動させ新たな内型枠として設置するときには、支柱と伸縮梁を伸長するとともに側部堰板の下部に内向きに加えた力を除去するか外向に力を加えることで、第1形状保持部材の弾性によりハンチ堰板とハンチ堰板とのなす角を元通りに修復して型枠の形状を容易に復元させることができ復元性に優れるとともに作業性に優れる。これにより、カルバートの長手方向の全長に渡って躯体寸法や躯体形状を同一にすることができ施工性に著しく優れたカルバート内型枠を提供することができる。
(3)ハンチ堰板又はハンチ梁の下部と側部堰板又は側部枠の上部との間に挟装された弾性を有する第2形状保持部材を備えているので、脱型時に側部堰板の下部を内側に引張り、第2形状保持部材を略中心とするてこの作用によりハンチ梁と側部堰板のなす角を小さくして第2形状保持部材の弾性に応じて第2形状保持部材を圧縮させて、側部堰板とコンクリート躯体との間により大きな隙間を形成し脱型を容易にすることができる施工性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。
(4)側部堰板とコンクリート躯体との間により大きな隙間を形成することができるので、脱型時に側部堰板の下部に内向きに加え側部堰板等を傾倒させる力を軽減することができ作業性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。
(5)パイプサポート等の軽量部材で支柱を形成することにより、軽量化を図ることができクレーンや牽引車両等の大型機械等を用いずに人力等の軽微な力でもカルバート内型枠を移動させることができ施工性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。特に、軽量にできるので、勾配3〜13%程度の傾斜のある施工現場でも用いることができる。
【0036】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)支柱を伸縮自在に形成することができ、施工するカルバートの躯体寸法に応じた長さにジャッキベースの長さを調整して支柱を立設させることができるカルバート内型枠を提供することができる。
(2)支柱の下部のジャッキベースを収縮させて支柱を収縮させ、上部堰板とコンクリート躯体との脱型を行うことができるカルバート内型枠を提供することができる。
【0037】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)側部堰板等の下部が摺接された側部堰板補助部を備えているので、脱型時に側部堰板の下部を軽微な力で内側に引張るだけで側部堰板等が摺動されて第1形状保持部材や第2形状保持部材を略中心としてハンチ梁と上部堰板等とのなす角を小さくすることができ、脱型が容易になり作業性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。
(2)側部堰板等が側部堰板補助部を摺動して側部堰板補助部の上面から側部堰板等の下部が外れると、コンクリート躯体を形成するために立設された側部堰板と側部堰板補助部を加えた高さが側部堰板補助部の高さの分だけ低くなるので、支柱を収縮することで上部堰板とコンクリート躯体との間にも隙間を形成することができ脱型を容易に行うことができる施工性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。
【0038】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)側部枠又は側部堰板の下部と支保工の下部との間に下部引締部が配設されているので、脱型時に下部引締部の長さを収縮させることで側部堰板の下部を内側に引張り第1形状保持部材や第2形状保持部材を略中心としてハンチ梁と上部堰板等とのなす角を小さくすることができ、コンクリート躯体と側部堰板等との間に隙間を形成し容易に脱型することができ作業性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。
(2)脱型時に下部引締部の長さを収縮させて側部堰板の下部を引張り、側部堰板を傾倒したままに維持することができるので、移動時にも側部堰板が拡がらずコンクリート躯体と擦れ合い難くコンクリート躯体や側部堰板を傷め難く施工性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。
【0039】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)対向する側部堰板又は側部枠の対角方向に1乃至複数本の対角引締部が配設されているので、側部堰板,上部堰板等の位置関係や形状等を調整することができ、さらに打設されたコンクリートの荷重に耐えるように伸縮梁や支柱とともに側部堰板や上部堰板等を固定することができ施工性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。
【0040】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1の効果に加え、
(1)支柱の上部等と側部堰板等の所定部との間に下がり止め部が配設されているので、脱型時に傾動した側部堰板の自重によって第1形状保持部材やハンチ堰板等に加わる負荷を分散して軽減させることができ、第1形状保持部材やハンチ堰板等が破損するのを防止し耐久性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。
【0041】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1の効果に加え、
(1)支保工が側部堰板の側面から少なくとも一部が張り出すガイド手段が移動時に配設固定されるガイド手段固定部を備えているので、移動時にはガイド手段を配設することでコンクリート躯体とガイド手段とは接触するが、コンクリート躯体と側部堰板とが擦れ合ってコンクリート躯体や側部堰板が損傷するのを防止することができ施工性に優れたカルバート内型枠を提供することができる。
【0042】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7の内いずれか1の効果に加え、
(1)上部堰板又は上部梁の幅方向の中心から下垂した下げ振りを備えているので、コンクリート躯体の幅方向の中心の床部に長手方向に渡って基準線を設けておけば、カルバート内型枠を移動させて新たな内型枠として設置する際に、下げ振りと基準線とを合致させるようにカルバート内型枠の形状や位置を調整することで、カルバートの長手方向の全長に渡って躯体寸法や躯体形状を容易に同一にすることができ施工性に著しく優れたカルバート内型枠を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるカルバート内型枠のコンクリート打設時の状態を示す正面図
【図2】実施の形態1におけるカルバート内型枠の移動時の状態を示す正面図
【図3】図1のA部の要部拡大図
【図4】図1のB部の要部拡大図
【図5】図1のC部の要部拡大図
【図6】図1のD部の要部拡大図
【図7】実施の形態1におけるカルバート内型枠の移動時の状態を示す要部平面図
【図8】実施の形態1におけるカルバート内型枠の移動時の状態を示す要部側面図
【符号の説明】
1 カルバート内型枠
2 支柱
3,3´ ジャッキベース
4 伸縮梁
4a 下部補強部
5 筋かい
6 梁うけ
7 上部梁
8 上部堰板
9 緊締材
10,11´ 横ばた
11 縦ばた
11a 側部枠
11b 支保工
12 側部堰板
13 第1形状保持部材
14 ハンチ堰板
15 ハンチ梁
16 第2形状保持部材
17 控え
18 移動手段
19 床部
20 レール
21,21´ 側部堰板補助部
22 水平引締部
23 下部引締部
24 対角引締部
25 下がり止め部
26 下げ振り
30,31 補強部材
32 座金
33 型枠締め付け具
34 支持部
35 高さ調整部材
36 平滑部材
37 補助堰板
38 型枠締め付け具
40 コンクリート躯体
41 ガイド手段
42 間隔保持具
43 ガイド手段固定部
44 ガイド手段
45 牽引具
46 逆走防止具
Claims (8)
- 足場で伸縮自在に形成された支柱と、前記支柱の上部で支持された上部梁と、前記支柱の所定部に固定され伸縮自在に形成された伸縮梁と、前記伸縮梁の両端で支持された側部枠と、を有する支保工と、前記支保工の下部に配設された移動手段と、前記上部梁の上側に固定された上部堰板と、前記側部枠の外側に固定された側部堰板と、を備えたカルバート内型枠であって、
前記上部梁と前記側部枠との間に配設されたハンチ梁と、前記ハンチ梁の上側に固定され上部の端面が前記上部堰板の端面と当接され、下部の端面が前記側部堰板の上部の端面と当接されたハンチ堰板と、前記上部堰板又は前記上部梁の端部の内側と前記ハンチ堰板又は前記ハンチ梁の上部の内側との間に挟装された弾性を有する第1形状保持部材と、前記ハンチ堰板又は前記ハンチ梁の下部の内側と前記側部枠又は前記側部堰板の上部の内側との間に挟装された弾性を有する第2形状保持部材と、を備えていることを特徴とするカルバート内型枠。 - 前記支柱の下部にジャッキベースが配設されていることを特徴とする請求項1に記載のカルバート内型枠。
- 前記側部堰板の下部に配設固定され前記側部堰板又は前記側部枠の下部が摺接された側部堰板補助部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカルバート内型枠。
- 前記側部枠又は前記側部堰板の下部と前記支保工の下部との間に下部引締部が配設されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載のカルバート内型枠。
- 対向する前記側部堰板又は前記側部枠の対角方向に1乃至複数本の対角引締部が配設されていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載のカルバート内型枠。
- 前記支柱の上部又は前記上部梁と前記側部堰板又は前記側部枠の所定部との間に下がり止め部が配設されていることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載のカルバート内型枠。
- 前記支保工が、前記側部堰板の側面から少なくとも一部が張り出すガイド手段が移動時に配設固定されるガイド手段固定部を備えていることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1に記載のカルバート内型枠。
- 前記上部堰板又は前記上部梁の幅方向の中心から下垂した下げ振りを備えていることを特徴とする請求項1乃至7の内いずれか1に記載のカルバート内型枠。
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