JP3867054B2 - スポーツシューズのソール組立体 - Google Patents
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Description
本発明は、スポーツシューズのソール組立体に関し、詳細には、着地時のクッション性を確保しつつ荷重移動時の過回内(オーバープロネーション)または過回外(オーバーサピネーション)を防止するための構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スポーツシューズのソールは、着地時のクッション性を確保するために軟質弾性部材から形成されたミッドソールを有している。その一方、スポーツシューズとしては、クッション性の他に走行安定性が要求されるため、荷重移動時にソールの内甲側または外甲側が過度に沈み込むことによる過回内または過回外を防止する必要がある。
【0003】
そこで、このような観点から、波形状を有する波形シートをミッドソール内に介在させることにより、ミッドソール全体が圧縮変形を起こしにくくして荷重移動時の過回内または過回外を防止するようにしたものが本件出願人により提案されている(特開平11−203号公報参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−203号公報(段落番号
【0160】〜【0162】および【0171】〜
【0173】参照)
【0005】
このような波形シートを備えたものでは、波形シートの上方および下方にそれぞれ上部ミッドソールおよび下部ミッドソールが配置され、波形シートがこれら上下部ミッドソールで挟持された構造を有しているため、一方のミッドソールに生じた圧縮変形が他方のミッドソールに伝わりにくくなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構造では、下部ミッドソール単体の圧縮変形を抑制するものではないため、下部ミッドソールの硬度を低く設定したり、または厚みを厚く設定したりして、下部ミッドソールのクッション性を高めた場合には、下部ミッドソール自体の圧縮変形量が大きくなりすぎるおそれがある。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、着地時のクッション性を確保しつつ荷重移動時の過回内または過回外を確実に防止できるスポーツシューズのソール組立体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るスポーツシューズのソール組立体は、踵部から前足部まで延設され、軟質弾性部材から構成された上部ミッドソールと、上部ミッドソールの下方において少なくとも踵部に設けられ、軟質弾性部材から構成された下部ミッドソールと、上部ミッドソールおよび下部ミッドソール間において少なくとも踵部に設けられ、波形状を有する波形プレートを含むプレート構造体とを備えている。そして、プレート構造体には、下部ミッドソールしたがって踵部の沈み込みを防止するように下部ミッドソールよりも硬度が高くかつ下方に突出する突起が前記踵部の内甲側周縁部に沿った位置にのみまたは外甲側周縁部に沿った位置にのみ前後方向に複数個設けられるとともに、下部ミッドソールには、各突起が嵌入する上下方向の貫通孔が各突起に対応する位置に複数個形成されており、各突起の先端面が下部ミッドソールの接地面よりも沈んだ位置に配置されている。
【0009】
請求項1の発明によれば、波形状を有する波形プレートを含むプレート構造体が上下部ミッドソール間に設けられているので、着地時の上下部ミッドソール全体の圧縮変形を抑制できる。
【0010】
しかも、請求項1の発明では、プレート構造体には、下方に突出する突起が踵部の内甲側周縁部に沿った位置にのみまたは外甲側周縁部に沿った位置にのみ前後方向に複数個設けられており、該各突起は、踵部の沈み込みを防止するように下部ミッドソールよりも硬度が高くなっている。また、各突起の先端面は下部ミッドソールの接地面よりも沈んだ位置に配置されている。
【0011】
各突起が踵部の内甲側周縁部に沿った位置にのみ設けられている場合には、踵部のまず外甲側から着地して次に内甲側に荷重が移動していくタイプのアスリート(とくにランナー)に好適のシューズを実現できる。
【0012】
すなわち、この場合には、踵部の外甲側で着地した際に、下部ミッドソールの外甲側部分で外甲側着地時のクッション性がまず確保される。次に、踵部の内甲側に荷重が移動する際には、踵部が回内することにより踵部の内甲側が着地するが、このとき、下部ミッドソールの内甲側部分で内甲側着地時のクッション性が確保される。
【0013】
また、このとき、下部ミッドソールの内甲側部分の圧縮変形によって、踵部の内甲側周縁部に沿って設けられた各突起の先端が下部ミッドソールの接地面よりも下方に突出することになり、その結果、各突起の先端が接地する。このとき、各突起は、下部ミッドソールよりも硬度が高くなっており、下部ミッドソールよりも圧縮変形しにくくなっているため、各突起先端の接地により、下部ミッドソールの内甲側部分が過度に圧縮変形するのが防止されて、踵部内甲側部分の過度の沈み込みを防止できる。このようにして、着地時のクッション性を確保しつつ荷重移動時の過回内を防止できる。
【0014】
また、各突起が踵部の外甲側周縁部に沿った位置にのみ設けられている場合には、とくにインドアスポーツに好適のシューズ(つまりインドアシューズ)を実現できる。
【0015】
すなわち、バレーボールやバスケットボールなどのインドアスポーツでは、サイドステップやターンが頻繁に行われて、踵部の外甲側への荷重移動が多くなるが、このとき、下部ミッドソールの外甲側部分で外甲側着地時のクッション性がまず確保される。
【0016】
また、このとき、下部ミッドソールの外甲側部分の圧縮変形によって、踵部の外甲側周縁部に沿って設けられた各突起の先端が下部ミッドソールの接地面よりも下方に突出することになり、その結果、各突起の先端が接地する。このとき、各突起は、下部ミッドソールよりも硬度が高くなっており、下部ミッドソールよりも圧縮変形しにくくなっているため、各突起先端の接地により、下部ミッドソールの外甲側部分が過度に圧縮変形するのが防止されて、踵部外甲側部分の過度の沈み込みを防止できる。このようにして、着地時のクッション性を確保しつつ荷重移動時の過回外を防止できる。
【0017】
各突起の硬度は、請求項2の発明に記載されているように、下部ミッドソールの硬度に対して、JISのAスケールで20〜65度高くなっているのが好ましく、より好ましくは、50〜65度高くなっている。これは、本発明における突起としての機能を確保するためのである。
【0018】
各突起の先端面の沈み量は、下部ミッドソールの接地面に対して、1〜3mmであるのが好ましい。
【0019】
請求項4の発明では、各突起が波形プレートの下面に一体的に設けられている。ここで、本明細書中において「一体的に設ける」とは、各突起を波形プレートの下面に接着する場合の他、各突起を波形プレートと同時に一体成形する場合を含み、さらに、予め別工程で成形された各突起をインサートとして、波形プレートの成形時にインサート成形を行って、波形プレートに取り付ける場合を含む趣旨である。
【0020】
請求項5の発明では、プレート構造体が、波形プレートと、その下方に配置され、波形プレートに当接する平坦状プレートとから構成されており、各突起が平坦状プレートの下面に一体的に設けられている。
【0021】
この場合には、プレート構造体が波形プレートとその下方の平坦状プレートとからなる二重プレート構造を有していることにより、着地時に上下部ミッドソール全体の圧縮変形をさらに抑制できる。
【0022】
請求項6の発明では、プレート構造体が、上方に配置された上部波形プレートと、その下方に配置され、上部波形プレートに当接する下部波形プレートとから構成されており、各突起が下部波形プレートの下面に一体的に設けられている。
【0023】
この場合には、プレート構造体が上部波形プレートとその下方の下部波形プレートとからなる二重波形プレート構造を有していることにより、着地時に上下部ミッドソール全体の圧縮変形をより一層効果的に抑制することができる。
【0024】
請求項7の発明では、シューズ着用者の足の第5趾中足骨骨頭部分に対応する位置にさらに突起が設けられている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
〔第1の実施態様〕
図1は本発明の第1の実施態様によるスポーツシューズのソール組立体の底面図、図2は図1の内甲側側面概略図、図3は図1のIII-III 線断面概略図である。
【0026】
図1および図2に示すように、このソール組立体1は、踵部Aから中足部Bをへて前足部Cまで延設された上部ミッドソール2と、上部ミッドソール2の下方において同様に踵部Aから中足部Bをへて前足部Cまで延設された下部ミッドソール3と、上部ミッドソール2および下部ミッドソール3間に配置された波形プレート4とから主として構成されている。
【0027】
上部ミッドソール2および下部ミッドソール3は、いずれもエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の発泡体などの軟質弾性部材から形成されている。上部ミッドソール2の下面つまり波形プレート4との合わせ面2aには、波形状面が形成されており、同様に、下部ミッドソール3の上面つまり波形プレート4との合わせ面3aには、波形状面が形成されている。
【0028】
波形プレート4は、前後方向に連続して延びる波形状部40を有しており、波形状部40は、上下部ミッドソール2,3の各合わせ面2a,3aにより上下方向から挟持されている。波形プレート4を構成する材料としては、たとえば硬質合成ゴムが用いられるが、これ以外に、ポリウレタンやポリアミドエラストマー、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂、またはエポキシ樹脂やポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を用いるようにしてもよい。
【0029】
踵部の内甲側において、下部ミッドソール3には、上下方向の貫通孔30が形成されており、貫通孔30内には、上下方向に延びる突起41が設けられている。突起41は、図3に示すように、波形プレート4に一体的に設けられている。この場合には、突起41は、波形プレート4の下面に接着されている。突起41は、波形プレート4の下面から下方に延びており、その先端面41aは、下部ミッドソール3の接地面3bよりも沈んだ位置に配置されている。下部ミッドソール3の接地面3bに対する突起41の先端面41aの沈み量δは、1〜3mm程度が好ましい。
【0030】
また、突起41の硬度は、着地時に踵部内甲側部分の過度の沈み込みを防止するように下部ミッドソール3の硬度よりも高くなっており、突起41の硬度は、下部ミッドソール3の硬度に対して、好ましくはJISのAスケールで20〜65度、より好ましくは40〜65度高くなっている。具体的には、突起41の硬度としてJISのAスケールで75度、下部ミッドソール3の硬度としてJISのAスケールで30度が用いられる。
【0031】
前足部Cにおいて下部ミッドソール3の下面には、アウトソール5,5′が装着されており、踵部Aの外甲側において下部ミッドソール3の下面には、アウトソール6が装着されている。各アウトソール5,5′,6には、防滑用の複数の溝または突起50,50′,60がそれぞれ形成されている。また、踵部Aにおいて下部ミッドソール3の一部には、クッションホール32が形成されている。
【0032】
〔第2の実施態様〕
図4は本発明の第2の実施態様によるスポーツシューズのソール組立体の底面図、図5は図4の内甲側側面概略図、図6は図4のVI-VI 線断面概略図である。これらの図において、前記第1の実施態様と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0033】
前記第1の実施態様では、1枚の波形プレート4によりソール構造体が構成された例を示したが、この第2の実施態様では、ソール構造体として、波形プレート4の他に、平坦状プレート4′が波形プレート4の下方において波形プレート4に当接して設けられている。また、下部ミッドソール3の接地面3bに露出する突起として、踵部Aの内甲側に二つの突起42が設けられている。
【0034】
突起42は、図6に示すように、平坦状プレート4′の成形時に平坦状プレート4′と一体成形されることにより、平坦状プレート4′に設けられている。突起42の先端面42aは、下部ミッドソール3の接地面3bよりも沈んだ位置に配置されており、この沈み量δは、前記第1の実施態様の場合と同様に、1〜3mm程度が好ましい。
【0035】
突起42の硬度は、前記第1の実施態様の場合と同様に、着地時に踵部内甲側部分の過度の沈み込みを防止するように下部ミッドソール3の硬度よりも高くなっており、突起42の硬度は、下部ミッドソール3の硬度に対して、好ましくはJISのAスケールで20〜65度、より好ましくは40〜65度高くなっている。具体的には、突起42の硬度としてJISのAスケールで75度、下部ミッドソール3の硬度としてJISのAスケールで30度が用いられる。
【0036】
波形プレート4と平坦状プレート4′の間には、クッションホール45が形成されている。また、波形プレート4の幅方向端部には、図6に明確に示されているように、上下方向に延びる張出部40aが形成されている。
【0037】
〔第3の実施態様〕
図7は本発明の第3の実施態様によるスポーツシューズのソール組立体の底面図、図8は図7の内甲側側面概略図、図9は図7のIX-IX 線断面概略図である。これらの図において、前記第1および第2の実施態様と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0038】
前記第3の実施態様では、ソール構造体が、上方に配置された上部波形プレート4と、その下方に配置された下部波形プレート4″とから構成されている。これら上下部波形プレート4,4″は、連結部48を介して互いに連結されるとともに一体成形されている。また、下部ミッドソール3の接地面3bに露出する突起として、踵部Aの内甲側に三つの突起43が設けられている。
【0039】
突起43は、図9に示すように、下部波形プレート4″に一体的に設けられている。この場合には、突起43は、下部波形プレート4″の成形時にインサート成形されている。突起43は、下部波形プレート4″の下面から下方に延びており、その先端面43aは、下部ミッドソール3の接地面3bよりも沈んだ位置に配置されており、この沈み量δは、前記第1および第2の実施態様の場合と同様に、1〜3mm程度が好ましい。
【0040】
突起43の硬度は、前記第1および第2の実施態様の場合と同様に、着地時に踵部内甲側部分の過度の沈み込みを防止するように下部ミッドソール3の硬度よりも高くなっており、突起43の硬度は、下部ミッドソール3の硬度に対して、好ましくはJISのAスケールで20〜65度、より好ましくは40〜65度高くなっている。具体的には、突起43の硬度としてJISのAスケールで75度、下部ミッドソール3の硬度としてJISのAスケールで30度が用いられる。
【0041】
〔各実施態様の作用効果の説明〕
上記第1ないし第3の実施態様の作用効果について、図10ないし図12を用いて説明する。これらの図は、ランニング時において、踵から着地してつま先から離地していくまでの足圧分布を示しており、色の濃い領域ほど圧力が高くなっている。
【0042】
図10(a)は、踵後端の外甲側部分が着地した直後の状態を示しており、同図(b)は、その後、踵の内甲側部分に荷重が移動した直後の状態を示している。上記各実施態様によれば、踵部A後端の外甲側部分が着地した際には、軟質弾性部材からなる下部ミッドソール3の外甲側部分の圧縮変形により着地時のクッション性が確保される。次に、踵部Aの内甲側に荷重が移動する際には、踵部Aが回内することにより踵部Aの内甲側が着地するが、このとき、軟質弾性部材からなる下部ミッドソール3の内甲側部分の圧縮変形により着地時のクッション性が確保される。
【0043】
また、この場合には、波形状を有する波形プレート4を含むプレート構造体が上下部ミッドソール3,4間において踵部Aに設けられているので、踵部Aの外甲側部分および内甲側部分の着地時において上下部ミッドソール3,4全体の圧縮変形を抑制できる。各プレート構造体において、上下部ミッドソール3,4全体に対する圧縮変形抑制の効果は、第1の実施態様のものよりも第2の実施態様のものの方が大きく、第2の実施態様のものよりも第3の実施態様のものの方が大きくなっている。
【0044】
さらに、この場合には、下部ミッドソール3の内甲側部分の圧縮変形によって、踵部Aの内甲側に設けられた突起41,42,43の各先端41a,42a,43aが下部ミッドソール3の接地面3bよりも下方に突出することになり、その結果、各突起の先端が接地する。
【0045】
このとき、各突起41,42,43は、下部ミッドソール3よりも硬度が高くなっており、下部ミッドソール3よりも圧縮変形しにくくなっているため、突起先端41a,42a,43aの接地により、下部ミッドソール3の内甲側部分が過度に圧縮変形するのが防止される。このようにして、着地時のクッション性を確保しつつ荷重移動時の過回内を防止できる。また、この場合には、踵部Aの内甲側部分の着地時にまず下部ミッドソール3の接地面3bが接地してから突起先端が接地するので、接地感を良好な状態に維持できる。
【0046】
次に、図11(a)は、踵の内甲側部分から前足側に荷重が移動していく途中の状態を示しており、同図(b)は、前足側への荷重移動がほぼ終了した状態を示している。また図12(a)は、前足側に全荷重が作用している状態を示し、同図(b)は、離地直前につま先に全荷重が作用している状態を示している。
【0047】
〔他の実施態様〕
前記第1ないし第3の実施態様では、各突起41,42,43が踵部Aの内甲側にのみ設けられた、ランニングシューズに好適のソール組立体の例を示したが、本発明の適用はこれには限定されず、各突起41,42,43をそれぞれ踵部Aの外甲側にのみ設けるようにしてもよい(図示省略)。
【0048】
この場合には、とくにインドアスポーツに好適のシューズ(つまりインドアシューズ)を実現できる。すなわち、バレーボールやバスケットボールなどのインドアスポーツでは、サイドステップやターンが頻繁に行われて、踵部の外甲側への荷重移動が多くなる。図13(a)はサイドステップの際の足圧分布を示し、同図(b)はターンの際の足圧分布を示している。
【0049】
これらの図に示すように、サイドステップやターンの際には、踵部の外甲側の足圧が高くなっているが、このような動作時において、着地時には下部ミッドソール3の外甲側部分でまずクッション性が確保される。
【0050】
また、このとき、下部ミッドソール3の外甲側部分の圧縮変形によって、踵部Aの外甲側に設けられた突起の先端が下部ミッドソール3の接地面3bよりも下方に突出することになり、その結果、突起の先端が接地する。このとき、突起は、下部ミッドソール3よりも硬度が高くなっており、下部ミッドソール3よりも圧縮変形しにくくなっているため、突起先端の接地により、下部ミッドソール3の外甲側部分が過度に圧縮変形するのが防止される。このようにして、クッション性を確保しつつ外甲側への荷重移動時の過回外を防止できる。
【0051】
なお、サイドステップの際には、図13(a)に示すように、第5趾中足骨MB5 骨頭付近の足圧も高くなっているので、踵部Aの外甲側のみならず当該部位にも突起を設けるようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るスポーツシューズのソール組立体によれば、プレート構造体において、踵部の沈み込みを防止するように下部ミッドソールよりも硬度が高くかつ下方に突出する突起を踵部の内甲側周縁部に沿った位置にのみまたは外甲側周縁部に沿った位置にのみ前後方向に複数個設けるようにしたので、着地時のクッション性を確保しつつ荷重移動時の過回内または過回外を確実に防止できるようになる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様によるスポーツシューズのソール組立体の底面図である。
【図2】ソール組立体(図1)の内甲側側面概略図である。
【図3】図1のIII-III 線断面概略図である。
【図4】本発明の第2の実施態様によるスポーツシューズのソール組立体の底面図である。
【図5】ソール組立体(図4)の内甲側側面概略図である。
【図6】図4のVI-VI 線断面概略図である。
【図7】本発明の第3の実施態様によるスポーツシューズのソール組立体の底面図である。
【図8】ソール組立体(図7)の内甲側側面概略図である。
【図9】図7のIX-IX 線断面概略図である。
【図10】ランニング時において着地してから離地していくまでの足圧分布を示す図であって、同図(a)は、踵後端の外甲側部分が着地した直後の状態を示しており、同図(b)は、その後、踵の内甲側部分に荷重が移動した直後の状態を示している。
【図11】ランニング時において着地してから離地していくまでの足圧分布を示す図であって、同図(a)は、踵の内甲側部分から前足側に荷重が移動していく途中の状態を示しており、同図(b)は、前足側への荷重移動がほぼ終了した状態を示している。
【図12】ランニング時において着地してから離地していくまでの足圧分布を示す図であって、同図(a)は、前足側に全荷重が作用している状態を示しており、同図(b)は、離地直前につま先に全荷重が作用している状態を示している。
【図13】(a)は左方にサイドステップした時の足圧分布を示す図、(b)は左方から右方にターンした時の足圧分布を示す図である。
【符号の説明】
1: ソール組立体
2: 上部ミッドソール
2a: 合わせ面
3: 下部ミッドソール
3a: 合わせ面
3b: 接地面
30: 貫通孔
4: (上部)波形プレート
40: 波形状部
41: 突起
41a: 先端面
4′: 平坦状プレート
42: 突起
42a: 先端面
4″: 下部波形プレート
43: 突起
43a: 先端面
A: 踵部
B: 中足部
C: 前足部
δ: 沈み量
Claims (7)
- スポーツシューズのソール組立体であって、
踵部から前足部まで延設され、軟質弾性部材から構成された上部ミッドソールと、
前記上部ミッドソールの下方において少なくとも踵部に設けられ、軟質弾性部材から構成された下部ミッドソールと、
前記上部ミッドソールおよび下部ミッドソール間において少なくとも踵部に設けられ、波形状を有する波形プレートを含むプレート構造体とを備え、
前記プレート構造体には、踵部の沈み込みを防止するように前記下部ミッドソールよりも硬度が高くかつ下方に突出する突起が前記踵部の内甲側周縁部に沿った位置にのみまたは外甲側周縁部に沿った位置にのみ前後方向に複数個設けられるとともに、
前記下部ミッドソールには、前記各突起が嵌入する上下方向の貫通孔が前記各突起に対応する位置に複数個形成されており、
前記各突起の先端面が前記下部ミッドソールの接地面よりも沈んだ位置に配置されている、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール組立体。 - 請求項1において、
前記各突起の硬度が、前記下部ミッドソールの硬度に対して、JISのAスケールで20〜65度高くなっている、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール組立体。 - 請求項1または2において、
前記下部ミッドソールの前記接地面に対する前記各突起の前記各先端面の沈み量が1〜3mmである、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール組立体。 - 請求項1において、
前記各突起が前記波形プレートの下面に一体的に設けられている、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール組立体。 - 請求項1において、
前記プレート構造体が、波形プレートと、その下方に配置され、前記波形プレートに当接する平坦状プレートとから構成されており、前記各突起が前記平坦状プレートの下面に一体的に設けられている、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール組立体。 - 請求項1において、
前記プレート構造体が、上方に配置された上部波形プレートと、その下方に配置され、前記上部波形プレートに当接する下部波形プレートとから構成されており、前記各突起が前記下部波形プレートの下面に一体的に設けられている、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール組立体。 - 請求項1において、
シューズ着用者の足の第5趾中足骨に対応する位置にさらに突起が設けられている、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール組立体。
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