JP3866506B2 - 電子メールの配信制御方法及びメールサーバ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動通信網において、例えば携帯電話機等の移動機宛に電子メールを再配信する電子メールの配信制御方法及びメールサーバに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、移動通信網経由でインターネットに通信接続した移動機（例えば、携帯電話機等）の使用者に対して、電子メールサービスを提供する移動通信システムが各種実現されている。この種の移動通信システムにおいては、加入者の移動機宛に送られてきた電子メールがメールサーバによって受信され、当該加入者の移動機宛に配信される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、移動通信網においては、移動機が通信不能な状態となることが多々生じうる。このため、上述した移動通信システムにおいて、むやみに移動機宛に電子メールの本体を配信したとしても、当該電子メール本体が宛先となる移動機により受信されるとは限らない。このような電子メール本体の配信（すわなち、移動機により受信されることのない電子メールの配信）は、通信トラフィックの単なる無駄遣いに過ぎず、狭帯域の移動パケット通信網においては、このトラヒックの増加が輻輳等の問題を誘発する原因となってしまう可能性がある。
また、このように、移動機が電子メール本体の受信に失敗した場合、当該移動機に、再度、電子メール本体を配信することが必要となるが、この再度の電子メールの配信は、通信トラフィックの増加を助長することになりかねない。
【０００４】
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、移動通信網におけるトラヒックの増加を抑えつつ、電子メールの配信を行うと共に、移動機に対する電子メールの配信に失敗した場合であってもトラフィックの増加を助長すること無く、再度、電子メールを配信することができる電子メールの配信制御方法及びメールサーバを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
以上説明した課題を解決するため、本発明は、電子メッセージの通信機能と通話機能を少なくとも備える無線携帯電話に対する電子メッセージ配信装置からの電子メッセージの配信方法であって、（ａ）前記電子メッセージ配信装置が、前記無線携帯電話に対する電子メッセージの送信を行うことなく、前記無線携帯電話が属する通信網から取得される情報に基づき前記無線携帯電話の通信ステータスを判定するステップと、（ｂ）前記ステップ（ａ）において前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された場合に、過去に行われた前記ステップ（ａ）において連続して前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された回数に応じて決定される第１の時間の経過後に前記ステップ（ａ）を再実行するステップと、（ｃ）前記ステップ（ａ）において前記無線携帯電話が通信可能かつ電子メッセージの受信不能な状態および前記無線携帯電話に対する電子メッセージの送信が失敗した状態のいずれかであると判定された場合に、予め定められた第２の時間の経過後に前記ステップ（ａ）を再実行するステップと、（ｄ）前記ステップ（ａ）において前記無線携帯電話が電子メッセージの受信可能な状態であると判定された場合に、前記電子メッセージを前記無線携帯電話に送信するステップとを備えることを特徴とする電子メッセージの配信方法を提供する。
【０００８】
また、本発明は、電子メッセージの通信機能と通話機能を少なくとも備える無線携帯電話に対し、電子メッセージを配信する電子メッセージ配信装置あって、前記無線携帯電話に対する電子メッセージの送信を行うことなく、前記無線携帯電話が属する通信網から取得される情報に基づき前記無線携帯電話の通信ステータスを判定するステータス判定手段と、前記ステータス判定手段により過去に連続して前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された回数をカウントするカウント手段と、前記ステータス判定手段により前記無線携帯電話が電子メッセージの受信可能な状態であると判定された場合に、前記電子メッセージを前記無線携帯電話に送信する送信手段と、前記ステータス判定手段により前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された場合には前記カウント手段によりカウントされる回数に応じて決定される第１の時間の経過後に前記ステータス判定手段に対し前記判定を再実行させ、前記ステータス判定手段により前記無線携帯電話が通信可能かつ電子メッセージの受信不能な状態および前記無線携帯電話に対する電子メッセージの送信が失敗した状態のいずれかであると判定された場合には予め定められた第２の時間の経過後に前記ステータス判定手段に対し前記判定を再実行させる制御手段とを備えることを特徴とする電子メッセージ配信装置を提供する。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。本実施形態は、本発明をインターネットに接続された移動通信システムに適用したものである。
【００１４】
［１］実施形態
［１．１］実施形態の構成
（１）システム全体の構成
図１は、本実施形態にかかる移動通信システムの構成を示した図である。同図に示すように本実施形態にかかる移動通信システムは、複数の移動機１０Ａ、１０Ｂ…と、移動パケット通信網２０と、基地局２１と、サービス制御局２２と、ゲートウェイサーバ３０と、インターネット４０と、複数の端末５０Ａ、５０Ｂ…とを有する。なお、図１においては、図面が煩雑となることを防ぐため、移動通信システムに収容された複数の移動機１０Ａ、１０Ｂ…及び複数の端末５０Ａ、５０Ｂ…のうち所定の移動機及び端末のみが示されている。
【００１５】
端末５０Ａ、５０Ｂ…（以下、特に特定する必要のない場合、「端末５０」という）は、例えばパーソナルコンピュータ等のインターネット４０に接続された通信端末である。この端末５０は、特に図示していないがユーザが入力操作を行うためのキーボードやマウス、画像表示用のディスプレイを具備する他、インターネット４０を介して他の通信装置とデータ通信を行うための各部を備えている。
【００１６】
また、端末５０には、電子メールの作成や送受信を行うためのプログラムがインストールされており、メールクライアントとしての機能を有する。ここで、メールクライアントとは、電子メールサービスを受けるためのメールアドレスを有している電子メール送受信装置のことである。端末５０は、インストールされているプログラムに従って、ユーザの行った入力操作に対応した電子メールを生成し、当該電子メールの送信処理を実行する。また、端末５０宛の電子メールがインターネット４０側から送られてくると、当該電子メールをプログラムに従って処理し、上述したディスプレイ上に表示する。
【００１７】
移動機１０Ａ、１０Ｂ…（以下、特に特定する必要のない場合「移動機１０」という）は、移動パケット通信網２０の通信サービスを受ける携帯電話機やＰＨＳ（Personal Handyphone System：登録商標）等の携帯型の通信端末であり、移動パケット通信網２０を介してデータ通信を行ったり、図示しない移動電話網を介して音声通話を行う。また、移動機１０は、電子メールの送受信を行うためのメールアドレスを有し、メールクライアントとしての機能を有する。
【００１８】
次に、移動パケット通信網２０は、移動機１０に対してパケット通信サービスを提供するための通信網であり、ゲートウェイサーバ３０や複数の基地局２１、サービス制御局２２を有する他、図示せぬパケット加入者処理装置を有する。
基地局２１は、無線区間を介して移動機１０とデータ通信を行う。
サービス制御局２２は、位置登録テーブルを有している。この位置登録テーブルには、移動パケット通信網２０の通信サービスを受ける各移動機１０の移動機ＩＤと対応付けて当該移動機１０の在圏しているサービスエリアが格納されている。ここで、移動機ＩＤとは、移動パケット通信網２０において、当該移動機１０を一意に特定するための識別子である。なお、この位置登録テーブルの内容は、移動機１０が行う位置登録により行われるが、この位置登録の方法は、従来と同様であるので説明を省略する。
【００１９】
移動機１０に対する着信が発生した場合、移動パケット通信網２０は、サービス制御局２２の有している位置登録テーブルに従って、当該移動機１０のサービスエリアを特定する。そして、当該サービスエリア内の全ての基地局２１から着信通知を一斉送信する。一方、この着信通知が受信されると移動機１０のＣＰＵ１１１は、着信通知に対する確認応答（以下、「Ａｃｋ」という）を返信する。ここで、移動機１０が着信通知に対して返信するＡｃｋとしては、以下のようなものがある。
ａ．正常Ａｃｋ
このＡｃｋは、当該移動機１０が通信可能な状態にあることを示すＡｃｋである。
ｂ．話中Ａｃｋ
このＡｃｋは、当該移動機１０が通信中であることを示すＡｃｋである。
移動機１０から着信通知に対するＡｃｋが返信されてきた場合、移動パケット通信網２０は、当該Ａｃｋを発信元のノードに転送する。これに対して、移動機１０に対する着信通知を行った後、所定時間経過しても移動機１０からＡｃｋが返信されてこない場合、移動パケット通信網ＭＰＮは、発信元のノードに対し当該移動機１０が通信不能な状態にあることを示す通信不成立応答（以下、「ＮＡｃｋ」という）を送信する。なお、以下、区別する必要のない場合、これら正常Ａｃｋ、話中Ａｃｋ及びＮＡｃｋを総称してＡｃｋという。
【００２０】
ゲートウェイサーバ３０は、インターネット４０と、移動パケット通信網２０とを相互接続する移動パケット関門中継交換局に設けられたコンピュータシステムであり、メールクライアント（この場合、移動機１０及び端末５０）間の電子メールの授受を中継するメールサーバとしての機能を有する。すなわち、ゲートウェイサーバ３０は、インターネット４０側の端末５０や、移動パケット通信網２０側の移動機１０から、当該他の移動機１０宛に送信すべき電子メールを受信すると、ゲートウェイサーバ３０は、当該電子メールの宛先となる移動機１０宛に電子メールの着信通知を送信する。そして、この着信通知に対して移動機１０が正常Ａｃｋを返信してきた場合にのみ、ゲートウェイサーバ３０は、電子メール本体の配信を行う。なお、以下の説明においては、この着信通知の送信から電子メール本体の配信までの一連の処理を合わせて、電子メールの配信処理という。
【００２１】
これに対して、移動パケット通信網２０から話中ＡｃｋやＮＡｃｋを受信した場合、ゲートウェイサーバ３０は、電子メール本体の配信を行うこと無く処理を終了し、再度、電子メールの配信処理（すなわち、着信通知の送信から電子メール本体の配信までの一連の処理）を行う。
また、移動機１０の受信状態が悪く電子メール本体の受信に移動機１０が失敗することがある。かかる場合にも、ゲートウェイサーバ３０は、当該電子メールの本体が移動機１０により受信されるまで、移動機１０に対して電子メールの配信処理を繰り返す。
【００２２】
ここで、移動機１０への電子メールの配信処理が失敗に終わった場合（すなわち、ゲートウェイサーバ３０がＮＡｃｋや話中Ａｃｋを受信した場合、或いは、移動機１０が電子メール本体の受信に失敗した場合）に、当該移動機１０が着信通知や電子メール本体を受信することができる状態に移行するまでの時間は、一般的に、移動機１０がおかれている状態によって変化する。
例えば、「移動機１０が電子メール本体の受信中に受信状態が一時的に悪化した」という理由により、移動機１０が電子メール本体の受信に失敗した場合、その受信失敗後、すぐに電子メール本体を受信することができる状態に移行している可能性が高い。従って、その後、直ちに着信通知を送信したとしても、移動機１０は、正常Ａｃｋを返信して来る可能性が高い。また、この場合に、電子メール本体の配信を行ったとしても、移動機１０は、当該電子メールの本体を正常に受信することができる可能性も高くなる。
【００２３】
これに対して、「移動機１０が通信中（すなわち、移動パケット通信網２０から話中Ａｃｋを受信した場合）」という理由により、電子メールの配信に失敗した場合、移動機１０が通信を終了するまでは、正常Ａｃｋを返信することもできなければ、電子メール本体を受信することもできない状態となる。
一方、「移動機１０が通信不能な状態にある」という理由で、移動パケット通信網２０からＮＡｃｋが返信された場合、単に移動機１０が一時的にサービス圏外の状態に置かれている場合もあれば、移動機１０が故障してしまっている可能性もある。従って、このような場合、移動機１０が電子メール本体を受信できる状態に移行するまでの時間は、区々であろう。
【００２４】
このように、移動機１０が着信通知や電子メール本体を受信できる状態に移行するまでの時間は、移動機１０の置かれている状態により変化するものである。このため、単純に一定時間間隔をおいて、再度の着信通知を行ったとしても、移動機１０から正常Ａｃｋが返信されてこない可能性がある。
そこで、本実施形態にかかるゲートウェイサーバ３０は、移動機１０に対する電子メールの配信処理に失敗した場合に、その際の移動機１０の状態に基づいて当該移動機１０に対して、再度、配信処理を開始するまでの時間間隔（すなわち、再度、着信通知を送信するまでの時間間隔）を決定する。
【００２５】
ここで、ゲートウェイサーバ３０は、以下のような方法により移動機１０の状態を把握する。
上述したように、着信通知を送信した場合、ゲートウェイサーバ３０は、移動パケット通信網２０から正常Ａｃｋ、話中Ａｃｋ及びＮＡｃｋの何れかのＡｃｋを受信する。これにより、ゲートウェイサーバ３０は、
▲１▼．通信可能（正常Ａｃｋが受信された場合）
▲２▼．通信中（話中Ａｃｋが受信された場合）
▲３▼．通信不可能（ＮＡｃｋが受信された場合）
の３状態を把握できる。
【００２６】
また、移動パケット通信網２０から通信可能な状態の場合（すなわち、正常Ａｃｋを受信した場合）、ゲートウェイサーバ３０は、移動機１０に対して電子メール本体の配信を行うが、この場合に電子メールの受信に成功すると移動機１０は、基地局２１に対して受信成功通知を返信する。しかし、当該電子メールが移動機１０によって正常に受信されない場合、移動機１０が受信成功通知を送信することはない。この結果、基地局２１においては、所定時間経過後に送信タイムアウトとなり、配信失敗通知がゲートウェイサーバ３０に対して送信される。ここで、受信成功通知とは、移動機１０が電子メールの受信に成功したことをゲートウェイサーバ３０に報知するための信号であり、配信失敗通知とは、当該電子メールの配信に失敗したことをゲートウェイサーバ３０に報知するための信号である。この配信失敗通知により、ゲートウェイサーバ３０は、上記▲１▼〜▲３▼の状態に加えて、移動機１０が電子メール本体の受信に失敗したことを把握することができるのである。
【００２７】
ゲートウェイサーバ３０は、このような方法により把握した移動機１０の状態に基づいて再度配信処理（すなわち、着信通知及び電子メール本体の配信）を実行するまでの時間間隔を決定し、現在時刻から、その時間間隔分の時間が経過した時刻に、再度、電子メールの配信処理を実行する。なお、ゲートウェイサーバ３０が着信通知を再送する時刻を決定する具体的方法については、後に詳細に説明する。
【００２８】
（２）移動機１０の構成
図２は、移動機の構成を示したブロック図である。
同図に示すように、本実施形態にかかる移動機１０は、制御部１１と、送受信部１２と、ユーザインターフェイス部１３（以下、「ユーザＩ／Ｆ部１３」と略称する）と、これらを相互に接続するためのバス１４を有する。
【００２９】
送受信部１２は、移動パケット通信網２０の基地局２１との間において無線通信を行う。
ユーザＩ／Ｆ部１３は、対話画面や各種情報を表示する液晶表示部、ユーザが各種入力操作を行うためのキーパッド及びユーザが通話を行うためのマイクロホンやスピーカ等からなっている。
【００３０】
制御部１１は、ＣＰＵ１１１と、ＲＯＭ１１２と、ＲＡＭ１１３から構成されており、移動機１０の各部を制御する。ＲＯＭ１１２には、移動パケット通信網２０内で当該移動機１０を一意に特定するための移動機ＩＤ、および移動機１０全体を制御するための制御プログラムや各種制御情報の他、電子メールを作成すると共にゲートウェイサーバ３０と移動機１０との通信接続を行い、電子メールの送受信を行うためのプログラムが格納されている。ＲＡＭ１１３はＣＰＵ１１１のワークエリアとして用いられる。ＣＰＵ１１１はＲＯＭ１１３に記憶された、これらの制御プログラムを実行することにより各種処理を実行する。例えば、ゲートウェイサーバ３０から送信された電子メールが受信された場合、ＣＰＵ１１１は、当該電子メールをＲＡＭ１１３に書き込む。また、ユーザＩ／Ｆ部１３のキーパッドを介して当該受信した電子メールを表示する旨の入力操作が行われた場合、ＣＰＵ１１１は、液晶表示部に当該電子メールに対応したメッセージを表示する。
【００３１】
（３）ゲートウェイサーバ３０の構成
図３は、本実施形態にかかるゲートウェイサーバ３０の構成を示した図である。同図に示すように本実施形態にかかるゲートウェイサーバ３０は、システム制御部３１と、加入者情報管理部３２と、電子メール配信管理部３３とを具備する。
【００３２】
システム制御部３１は、ゲートウェイサーバ３０の各部を制御すると共に移動パケット通信網２０とインターネット４０等の他のネットワークとの間のプロトコル変換を行う等、相異なるネットワーク間のインターフェイスとして機能する。このシステム制御部３１は、移動パケット通信網２０側の移動機１０からインターネット４０側の端末５０宛のデータ（電子メールを含む）を受信すると、当該データのプロトコルを変換し、インターネット４０側に送信する。また、システム制御部３１は、インターネット４０側から移動パケット通信網２０側の移動機１０を宛先とする電子メールを受信すると、当該電子メールのプロトコルを変換して電子メール配信管理部３３に送る。
【００３３】
加入者情報管理部３２は、移動パケット通信網２０によるパケット通信サービスの加入者に関連する情報（例えば、各移動機１０Ａ、１０Ｂ…の電話番号やメールアドレス、その他加入者の属性情報等）を記憶管理している。
【００３４】
電子メール配信管理部３３は、各メールクライアント（具体的には、移動機１０及び端末５０）間の電子メールの配信を管理する。すなわち、電子メール配信管理部３３は、移動パケット通信網２０側の移動機１０宛の電子メールであるとしてシステム制御部３１から送られてきた電子メールをメールボックス３４にいったん格納し、当該電子メールをシステム制御部３１を介して宛先となる移動機１０に対して配信する。ここで、メールボックス３４には、電子メールサービスを受ける各移動機１０のメールアドレス毎（すなわち電子メールサービス加入者毎）に、当該アドレス宛に送信されてきた電子メールが格納されるメモリアドレスが定められている。電子メール配信管理部３３は、システム制御部３１から送られてきた電子メールのメールアドレスに対応したメモリアドレスに当該電子メールを格納する。
【００３５】
上述したように本実施形態にかかるゲートウェイサーバ３０は、移動機１０の状態を把握して、その移動機１０の状態に基づいて、再度配信処理（すなわち、着信通知及び電子メール本体の配信）を実行するまでの時間間隔を決定し、現在時刻から、その時間間隔分の時間が経過した時刻に、再度、当該移動機１０に対する電子メールの配信処理を行う機能を有する。
【００３６】
かかる機能を実現するため、電子メール配信管理部３３は、メモリ３３１を有しており、このメモリ３３１には、図４に示すような、メールボックス管理テーブルＴＢＬが記憶されている。同図に示すように、メールボックス管理テーブルＴＢＬには、各メールアドレス毎（すなわち、電子メールサービス加入者毎）に、対応した移動機ＩＤと、メールボックス３４に格納されている当該アドレス宛の電子メール名と、時刻情報と、カウンタが格納されている。
【００３７】
時刻情報とは、各移動機１０に対して着信通知を、再度、送信すべき時刻、すなわち、リトライタイムを示す情報であり、電子メール配信管理部３３は、この時刻情報に基づいて、再度、配信処理（すなわち、着信通知及び電子メール本体の配信）を実行する。例えば、図４に示す場合、「アドレスＡ」に対応した時刻情報は、「×時××分××秒」となっている。かかる場合に、電子メール配信管理部３３は、時刻情報に対応した時刻「×時××分××秒」になると、「アドレスＡ」に対応した移動機１０に対して着信通知を送信するのである。
【００３８】
ここで、この時刻情報は、以下のようにして決定される。
i）配信失敗通知が受信された場合
この場合、電子メール配信管理部３３は、例えば、現在時刻の３０秒程度後の時刻を着信通知の再送時刻とし、当該時刻に対応した時刻情報をメールボックス管理テーブルＴＢＬに格納する。なお、この場合に設定される時間間隔は、一定値である。
【００３９】
ii）話中Ａｃｋを受信した場合
この場合、電子メール配信管理部３３は、例えば、５分程度の時間間隔をおいて、着信通知を再送する。すなわち、この場合、電子メール配信管理部３３は、現在時刻から５分後の時刻に対応した時刻情報をメールボックス管理テーブルＴＢＬに格納するのである。なお、この場合おいて設定される時間間隔も上記と同様、一定値である。
【００４０】
iii）ＮＡｃｋを受信した場合
この場合、電子メール配信管理部３３は、メールボックス管理テーブルＴＢＬに格納されているカウンタに基づいて時刻情報を決定する。図５は、電子メール配信管理部３３が設定するカウンタ値と時刻情報との関係を示した図である。同図に示すように電子メール配信管理部３３は、カウンタ値が大きくなるに従って、着信通知を再送するまでの時間間隔を大きくし、カウンタ値が、ある一定値以上になると所定の最大時間間隔Ｔに収束するように時間間隔を制御する。このカウンタ値は、電子メール配信管理部３３が電子メールの着信通知を移動機１０に送信し、ＮＡｃｋが受信される度毎に”１”づつインクリメントされるものである。なお、この最大時間間隔Ｔの値をどのような値とするかは、任意である。例えば、最大時間間隔Ｔとして２時間程度の時間間隔を設けておけば、電子メールの配信処理に伴う移動パケット通信網２０のトラフィックの増加をある程度抑制することができるであろう。
【００４１】
このように、電子メール配信管理部３３がＮＡｃｋを受信した場合に、電子メール配信管理部３３が時間間隔を制御するのは、以下のような理由による。すなわち、移動パケット通信網２０がＮＡｃｋを送信してくる場合、移動機１０は、その置かれている状態が、単にサービス圏外にいる場合もあれば、故障してしまっている場合もある。単にサービス圏外にいる場合であれば１〜２回配信処理を実行すれば、移動機１０は電子メール本体を受信することができる状態に移行している可能性が高い。しかし、移動機１０が故障してしまっている場合、何度着信通知を再送しようとも、移動機１０から正常Ａｃｋが返信されてくることはない。従って、配信処理を実行している回数（すなわち、カウンタ値）が大きくなればなるほど、移動機１０が電子メールを受信できない状態にある可能性が高くなる。このようなリスクを回避するため、電子メール配信管理部３３は、カウンタ値に基づいて時刻情報を決定するのである。
【００４２】
この結果、電子メール配信管理部３３は、以下のような関係で時間間隔を設定し、時刻情報を決定することとなる。
配信失敗通知を受信した場合の時間間隔
＜話中Ａｃｋを受信した場合の時間間隔
＜ＮＡｃｋを受信した場合の時間間隔
【００４３】
［１．２］実施形態の動作
以下、図６及び図７を参照しつつ本実施形態の動作について説明する。なお、以下の説明においては、説明をより具体的なものとするため、インターネット４０側の端末５０Ａから移動パケット通信網２０側の移動機１０Ａ宛に電子メールを送信する場合を例に本実施形態の動作について説明する。
【００４４】
まず、インターネット４０側の端末５０Ａから移動機１０Ａ宛の電子メールがゲートウェイサーバ３０のシステム制御部３１により受信されると、電子メール配信管理部３３は、この電子メールをメールボックス３４に格納する。この際、電子メール配信管理部３３は、メールボックス管理テーブルＴＢＬに対して、当該電子メールの宛先となる移動機１０Ａのメールアドレスに対応付けて、当該電子メールの電子メール名を格納する。
【００４５】
次に、受信した電子メールがメールボックス３４に記憶され、メール管理テーブルＴＢＬに対して情報が格納されると、電子メール配信管理部３３は、図６に示す電子メールの配信処理を実行する。
【００４６】
まず、電子メール配信管理部３３は、メールボックス管理テーブルＴＢＬの宛先メールアドレスに従い、当該電子メールの宛先となるメールアドレスに対応した移動機１０Ａにシステム制御部３１を介して、着信通知を送信する（ステップＳａ１）。このようにして、着信通知を送信すると、電子メール配信管理部３３は、着信通知に対するＡｃｋの受信が行われたか否かを判断する（ステップＳａ２）。ここで、着信通知に対するＡｃｋが移動パケット通信網２０から受信されるまでは、このステップＳａ２の判断結果は「Ｎｏ」となり、同ステップの判断が繰り返される。
【００４７】
一方、ゲートウェイサーバ３０のシステム制御部３１から着信通知が送信されると、移動パケット通信網２０は、サービス制御局２２の位置登録テーブルに従い、移動機１０Ａの呼出を行う。このようにして、移動機１０Ａに対して着信通知を送信すると、移動パケット通信網２０は、移動機１０Ａから送信されてくるＡｃｋを監視して、所定時間内にＡｃｋが受信されない場合、ゲートウェイサーバ３０にＮＡｃｋを送信することとなる。
【００４８】
ここで、移動機１０Ａのユーザが他の電話機に対して電話を掛けて、話し中である場合、移動機１０ＡのＣＰＵ１１１は、移動パケット通信網２０に対して話中Ａｃｋを送信する。このようにして、移動機１０Ａから話中Ａｃｋを受信した場合、移動パケット通信網２０は、ゲートウェイサーバ３０に対してＮＡｃｋを送信すること無く、移動機１０Ａから受信した話中Ａｃｋをゲートウェイサーバ３０へと転送する。
【００４９】
一方、移動パケット通信網２０によって転送された話中Ａｃｋは、ゲートウェイサーバ３０のシステム制御部３１により受信されて、電子メール配信管理部３３へと送られる。そして、この話中Ａｃｋが送られてくると、電子メール配信管理部３３においては、ステップＳａ２における判断が「Ｙｅｓ」となり、送信されてきたＡｃｋがＮＡｃｋであるか否かを判断する状態となる（ステップＳａ３）。しかし、今、移動機１０Ａから送信されてきているＡｃｋは話中Ａｃｋである。このため、電子メール配信管理部３３は、ステップＳａ３において「Ｎｏ」と判定し、当該Ａｃｋが正常Ａｃｋであるか否かを判断する状態となる（ステップＳａ４）。この判断においても、受信したＡｃｋが話中Ａｃｋであるため、判断は、「Ｎｏ」となり、電子メール配信管理部３３は、自身の有するメモリ３３１上のメールボックス管理テーブルＴＢＬに時刻情報を格納する（ステップＳａ９）。この際、電子メール配信管理部３３は、現在時刻から５分程度の時間間隔を置いた時刻に対応した時刻情報を格納する（ステップＳａ９）。また、この際、メールボックス管理テーブルＴＢＬにカウンタ値が「０」以外である場合、そのカウンタの値を「０」へと変更する（ステップＳａ９）。なお、今の場合、１回目の電子メールの配信であるため、メールボックス管理テーブルＴＢＬにはカウンタ値が「０」である。従って、電子メール配信管理部３３は、カウンタの値を変更することなく処理を終了する。
【００５０】
次に、メールボックス管理テーブルＴＢＬに格納されている移動機１０Ａ宛の電子メールに対応した時刻情報の時刻（すなわち、着信通知を行った時刻から、約５分後の時刻）になると、電子メール配信管理部３３は、再度、図６に示す配信処理を開始する。そして、電子メール配信管理部３３は、再度、移動機１０Ａ宛に着信通知を送信し、移動パケット通信網２０からＡｃｋが受信されるのを待機する状態となる（ステップＳａ１、Ｓａ２）。
【００５１】
ここで、移動機１０Ａのユーザが移動機１０Ａを携帯して、例えば、地下街に入ってしまった等の理由により、移動機１０Ａの状態が通信不能な状態へと移行しているとする。この場合、移動パケット通信網２０が移動機１０Ａに対して着信通知を送信しても、移動機１０ＡからＡｃｋが送信されてくることは無い。この結果、移動パケット通信網２０は所定時間経過後に、ゲートウェイサーバ３０に対してＮＡｃｋを送信する。
【００５２】
このようにして、移動パケット通信網２０から送信されたＮＡｃｋを受信すると、ステップＳａ２における判断は、「Ｙｅｓ」となる。この結果、電子メール配信管理部３３は、その受信したＡｃｋがＮＡｃｋであるか否かを判断する状態となる（ステップＳａ３）。今の場合、電子メール配信管理部３３が受信したＡｃｋは、ＮＡｃｋである。従って、ステップＳａ３における判断は「Ｙｅｓ」となり、電子メール配信管理部３３は、ステップＳａ１０の処理を実行して、メールボックス管理テーブルＴＢＬのカウンタの値を「１」インクリメントする。ここで、現在、メールボックス管理テーブルＴＢＬの当該電子メールに対応したカウンタ値は、「０」であるため、インクリメント後のカウンタ値は「１」となる。
【００５３】
次に、電子メール配信管理部３３は、メールボックス管理テーブルＴＢＬの当該電子メールに対応したカウンタ値「１」を読み出す（ステップＳａ１１）。そして、電子メール配信管理部３３は、その読み出したカウンタ値「１」に従って、次に、再度、配信処理を実行する時刻（すなわち、リトライタイム）までの時間間隔を算出して、その算出結果に対応した時刻へと時刻情報を更新し、処理を終了する（ステップＳａ１２）。
【００５４】
この際、電子メール配信管理部３３は、上述した図５に従って、時間間隔を算出して、時刻情報を更新することとなる。今、図５に示す最大時間間隔Ｔが、例えば、２時間程度である場合、電子メール配信管理部３３は、リトライタイム（すなわち、更新後の時刻情報に対応した時刻）までの時間間隔として、約２０分程度の時間を算出する。
【００５５】
次に、電子メール配信管理部３３は、メールボックス管理テーブルＴＢＬに格納されている移動機１０Ａ宛の電子メールに対応した時刻情報の時刻（すなわち、前回、着信通知を行った時刻から、約２０分後の時刻）になると、再度、図６に示す配信処理を開始する。そして、電子メール配信管理部３３は、再度、移動機１０Ａ宛に着信通知を送信し、移動パケット通信網２０からＡｃｋが受信されるのを待機する状態となる（ステップＳａ１、Ｓａ２）。
【００５６】
この時点で、移動機１０Ａのユーザが通信可能な場所へと移動していると、移動機１０ＡのＣＰＵ１１１は、受信した着信通知に対して、正常Ａｃｋを移動パケット通信網２０へと返信する。このようにして、移動機１０Ａから正常Ａｃｋを受信すると、移動パケット通信網２０は、その正常Ａｃｋをゲートウェイサーバ３０へと転送する。
【００５７】
一方、移動パケット通信網２０から正常Ａｃｋを受信すると、電子メール配信管理部３３においては、ステップＳａ２における判断が「Ｙｅｓ」となる。この結果、電子メール配信管理部３３は、その受信したＡｃｋがＮＡｃｋであるか否かを判断する状態となる（ステップＳａ３）。今の場合、電子メール配信管理部３３が受信したＡｃｋは、正常Ａｃｋである。このため、電子メール配信管理部３３は、ステップＳａ３において「Ｎｏ」と判断し、当該Ａｃｋが正常Ａｃｋであるか否かを判断する状態となる（ステップＳａ４）。そして、受信したＡｃｋが正常Ａｃｋであることから、電子メール配信管理部３３は、「Ｙｅｓ」と判断して、メールボックス管理テーブルＴＢＬに従って、移動機１０Ａに対して電子メールの本体を配信する（ステップＳａ５）。
【００５８】
より具体的には、電子メール配信管理部３３は、移動機１０Ａに配信すべき電子メールの本体をメールボックス３４から読み出すと共に、メールボックス管理テーブルＴＢＬに格納されている当該電子メール本体の宛先アドレスを読み出す。そして、そのメールアドレスに対応した移動機１０Ａに対し、メールボックスから読み出した電子メール本体を配信するのである。
【００５９】
この時点で、移動機１０Ａの受信状態が悪く、配信された電子メール本体を受信することができない場合（ステップＳａ６「Ｎｏ」）、移動機１０Ａから上述した受信成功通知が送信されることはない。この結果、基地局２１において所定時間経過後に送信タイムアウトとなり、基地局２１は、ゲートウェイサーバ３０に対して、配信失敗通知を送信する。この結果、ゲートウェイサーバ３０の電子メール配信管理部３３においては、ステップＳａ６における判断が「Ｎｏ」となり、電子メール配信管理部３３は、自身の有するメモリ上のメールボックス管理テーブルＴＢＬの当該電子メールに対応した時刻情報を格納する。この際、電子メール配信管理部３３は、現在時刻から３０秒程度の極めて短い時間間隔を置いた時刻に対応した時刻情報を格納する（ステップＳａ８）。また、この際、メールボックス管理テーブルＴＢＬに格納されているカウンタ値が「０」でない場合、そのカウンタの値を「０」へと変更する。今の場合、メールボックス管理テーブルＴＢＬにはカウンタ値として「１」が格納されているので、電子メール配信管理部３３は、そのカウンタ値「１」を「０」へと変更して処理を終了する。そして、電子メール配信管理部３３は、メールボックス管理テーブルＴＢＬに格納された時刻情報に対応した時刻に再度、図６に示す配信処理を実行するのである。
【００６０】
これに対して、移動機１０Ａが当該電子メール本体の受信に成功すると、移動機１０ＡのＣＰＵ１１１は、送受信部１２を介して、基地局２１へと受信成功通知を送信する。このようにして、送信された受信成功通知が受信されると、基地局２１は、当該受信成功通知をゲートウェイサーバ３０へと転送する。この結果、ゲートウェイサーバ３０の電子メール配信管理部３３においては、ステップＳａ６における判断が「Ｙｅｓ」となる。このようにして、ステップＳａ６における判断が「Ｙｅｓ」となると、電子メール配信管理部３３は、メールボックス３４から、当該電子メールを削除すると共に、メールボックス管理テーブルＴＢＬから当該電子メールの電子メール名と時刻情報を削除して、カウンタ値を「０」に変更する（ステップＳａ７）。
【００６１】
このようにして、本実施形態にかかるゲートウェイサーバは、当該電子メールの配信先となる移動機が置かれている状態に従って電子メールの配信処理を実行する時刻を変更する構成となっている。このため、移動機が着信通知や電子メール本体を受信することができる可能性を高めることが可能となると共に、電子メールの配信に伴い移動パケット通信網において発生する無駄なトラヒックの増加を抑えることが可能となる。
【００６２】
なお、本実施形態にかかるゲートウェイサーバ３０の電子メール配信管理部３３は、カウンタ値と図５に示す関係に従って、時間間隔を決定する構成となっている。しかし、当然、図５に示す関係ではなく、他の関係に従って時間間隔を決定する構成としても良い。
【００６３】
［１．３］変形例
上記実施形態に係るゲートウェイサーバ３０は、移動パケット通信網２０から受信したＡｃｋ及び配信失敗通知に基づいて、移動機１０の状態を把握して、再度、電子メールの配信処理（すなわち、着信通知及び電子メール本体の配信）を実行する時刻を決定する構成を取っている。しかし、これらの情報のみならず、移動機１０の受信電波強度をも加味して、再度、配信処理を実行する時刻を決定するようにしても良い。この場合、以下のような構成を採ることが必要となる。
【００６４】
図７は、本変形例にかかる移動機１０の構成を示した図である。なお、同図において図２と同様の部分については、同一の符号を付してある。
図７に示すように本実施形態にかかる移動機１０は、図２に示す各構成要素に加えて、受信電波強度測定部１５を有する。この受信電波強度測定部１５は、「とまり木チャネル」において基地局２１から送信されているビーコン信号を送受信部１２が受信した場合に、当該ビーコン信号の受信電波強度を測定するものである。
【００６５】
本変形例において移動機１０のＣＰＵ１１１は、着信通知を受信した際に、返信するＡｃｋに対して受信電波強度測定部１５において測定した受信電波強度を表す情報を付加して返信する。ここで、Ａｃｋに対して付加する受信電波強度を表す情報はどのようなものであっても構わない。例えば、測定値に基づき「１」〜「５」の５段階の受信電波強度指数を生成して、この受信電波強度指数をＡｃｋに付加して返信するようにしても良い。なお、この受信電波強度指数と受信電波強度との対応関係をどのように定義するかは、適宜設計事項であり、本実施形態においては、統計的及び経験的に定めている。
そして、ゲートウェイサーバ３０の電子メール配信管理部３３は、図５のステップＳａ５において電子メールの配信を行う際に、Ａｃｋに付加されている受信電波強度指数を抽出して、移動機１０の受信電波強度が所定の閾値以上である場合に電子メール本体を配信する。
【００６６】
このように、電子メールを配信するか否かをＡｃｋに付加された受信電波強度に基づいて決定することにより、より確実に電子メールの再配信を行うことが可能となり、電子メールの再配信の失敗に伴う無駄なトラヒックの増加を防止することが可能となる。
【００６７】
なお、本変形例において移動機１０は、受信電波強度を表す情報を付加したＡｃｋを返信し、ゲートウェイサーバ３０の電子メール配信管理部３３は、このＡｃｋに付加された情報に基づいて電子メール本体の配信を行うか否かを決定する構成としている。しかし、移動機１０の受信電波強度測定部１５において、測定された受信電波強度の遷移状態を示す遷移情報をＣＰＵ１１１が算出して、その遷移情報をＡｃｋに付加して返信する構成としても良い。この場合、ゲートウェイサーバ３０の電子メール配信管理部３１は、この受信電波強度の遷移情報に基づいて電子メール本体の配信を行うか否かを決定することとなる。
【００６８】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、移動通信網におけるトラヒックの増加を抑えつつ、電子メールの配信を行うと共に、移動機に対する電子メールの配信に失敗した場合であってもトラフィックの増加を助長すること無く電子メールを再配信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１実施形態にかかる移動通信システムの構成を示したブロック図である。
【図２】 同実施形態にかかる移動機の構成を示したブロック図である。
【図３】 同実施形態にかかるゲートウェイサーバの構成を示したブロック図である。
【図４】 同実施形態にかかる電子メール配信管理部のメモリに記憶されているメールボックス管理テーブルを示した図である。
【図５】 電子メール配信管理部が設定するカウンタ値と時刻情報との関係を示した図である。
【図６】 同実施形態にかかる電子メール配信管理部で実行される処理を示したフローチャートである。
【図７】 変形例にかかる移動機の構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
１・・・移動通信システム０Ａ、１０Ｂ・・・移動機、 １１・・・制御部、
１１１・・・ＣＰＵ、 １１２・・・ＲＯＭ、 １１３・・・ＲＡＭ、 １２・・・送受信部、 １３・・・ユーザＩ／Ｆ部、 ２０・・・移動パケット通信網、 ２１・・・基地局、 ２２・・・サービス制御局、 ３０・・・ゲートウェイサーバ、 ３１・・・システム制御部、 ３２・・・加入者情報管理部、 ３３・・・電子メール配信管理部、 ３４・・・メールボックス。

Claims (22)

1. 電子メッセージの通信機能と通話機能を少なくとも備える無線携帯電話に対する電子メッセージ配信装置からの電子メッセージの配信方法であって、
   （ａ）前記電子メッセージ配信装置が、前記無線携帯電話に対する電子メッセージの送信を行うことなく、前記無線携帯電話が属する通信網から取得される情報に基づき前記無線携帯電話の通信ステータスを判定するステップと、
   （ｂ）前記ステップ（ａ）において前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された場合に、過去に行われた前記ステップ（ａ）において連続して前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された回数に応じて決定される第１の時間の経過後に前記ステップ（ａ）を再実行するステップと、
   （ｃ）前記ステップ（ａ）において前記無線携帯電話が通信可能かつ電子メッセージの受信不能な状態および前記無線携帯電話に対する電子メッセージの送信が失敗した状態のいずれかであると判定された場合に、予め定められた第２の時間の経過後に前記ステップ（ａ）を再実行するステップと、
   （ｄ）前記ステップ（ａ）において前記無線携帯電話が電子メッセージの受信可能な状態であると判定された場合に、前記電子メッセージを前記無線携帯電話に送信するステップと
   を備えることを特徴とする電子メッセージの配信方法。
2. 前記第１の時間は、過去に行われた前記ステップ（ａ）において連続して前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された回数の増加に応じて長くなるように決定される時間である
   請求項１に記載の電子メッセージの配信方法。
3. 前記電子メッセージ配信装置が、前記無線携帯電話を宛先とする電子メッセージの着信通知を前記無線携帯電話に送信するステップを備え、
   前記電子メッセージ配信装置は、前記ステップ（ａ）において、前記着信通知に対する応答として前記無線網から送信される情報を取得する
   ことを特徴とする請求項１に記載の電子メッセージの配信方法。
4. 前記電子メッセージ配信装置は、前記着信通知の送信の後、所定の時間内に前記通信網から応答が受信されない場合に、前記ステップ（ａ）において前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定する
   ことを特徴とする請求項３に記載の電子メッセージの配信方法。
5. 前記電子メッセージ配信装置は、前記無線携帯電話がサービス圏外にあるか、前記無線携帯電話の電源が投入されていないか、あるいは前記無線携帯電話が故障しているか、のいずれかを示す情報を前記通信網から受信した場合に、前記ステップ（ａ）において前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定する
   ことを特徴とする請求項１に記載の電子メッセージの配信方法。
6. 前記電子メッセージ配信装置は、前記無線携帯電話が通話中であることを示す情報を前記通信網から受信した場合に、前記ステップ（ａ）において前記無線携帯電話が通信可能かつ電子メッセージの受信不能な状態であると判定する
   ことを特徴とする請求項１に記載の電子メッセージの配信方法。
7. 前記電子メッセージ配信装置は、過去に行われた前記ステップ（ａ）において連続して前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された回数が所定の回数に達した後は、前記ステップ（ｂ）において前記第１の時間を一定とする
   ことを特徴とする請求項１に記載の電子メッセージの配信方法。
8. 前記第１の時間は前記第２の時間より長い
   ことを特徴とする請求項１に記載の電子メッセージの配信方法。
9. 前記無線携帯電話が通信可能かつ電子メッセージの受信不能な状態において前記ステップ（ａ）を再実行するまでの時間として予め定められている前記第２の時間は、前記無線携帯電話に対する送信が失敗した状態において前記ステップ（ａ）を再実行するまでの時間として予め定められている前記第２の時間より長い
   ことを特徴とする請求項２に記載の電子メッセージの配信方法。
10. 前記電子メッセージ配信装置は、前記ステップ（ａ）において、前記電子メッセージ配信装置と前記無線携帯電話との間の通信を中継する基地局から発せられた電波を前記無線携帯電話が受信した際に前記無線携帯電話において測定された当該電波の電波強度を示す情報を取得し、当該電波強度を示す情報に基づき前記無線携帯電話の通信ステータスを判定する
    ことを特徴とする請求項１に記載の電子メッセージの配信方法。
11. 前記電子メッセージ配信装置は、前記ステップ（ａ）において、前記電子メッセージ配信装置と前記無線携帯電話との間の通信を中継する基地局から発せられた電波を前記無線携帯電話が受信した際に前記無線携帯電話において測定された当該電波の電波強度の遷移状態を示す情報を取得し、当該電波強度の遷移状態を示す情報に基づき前記無線携帯電話の通信ステータスを判定する
    ことを特徴とする請求項１に記載の電子メッセージの配信方法。
12. 電子メッセージの通信機能と通話機能を少なくとも備える無線携帯電話に対し、電子メッセージを配信する電子メッセージ配信装置あって、
    前記無線携帯電話に対する電子メッセージの送信を行うことなく、前記無線携帯電話が属する通信網から取得される情報に基づき前記無線携帯電話の通信ステータスを判定するステータス判定手段と、
    前記ステータス判定手段により過去に連続して前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された回数をカウントするカウント手段と、
    前記ステータス判定手段により前記無線携帯電話が電子メッセージの受信可能な状態であると判定された場合に、前記電子メッセージを前記無線携帯電話に送信する送信手段と、
    前記ステータス判定手段により前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された場合には前記カウント手段によりカウントされる回数に応じて決定される第１の時間の経過後に前記ステータス判定手段に対し前記判定を再実行させ、前記ステータス判定手段により前記無線携帯電話が通信可能かつ電子メッセージの受信不能な状態および前記無線携帯電話に対する電子メッセージの送信が失敗した状態のいずれかであると判定された場合には予め定められた第２の時間の経過後に前記ステータス判定手段に対し前記判定を再実行させる制御手段と
    を備えることを特徴とする電子メッセージ配信装置。
13. 前記第１の時間は、過去に連続して前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定された回数の増加に応じて長くなるように決定される時間である
    請求項１２に記載の電子メッセージ配信装置。
14. 前記無線携帯電話を宛先とする電子メッセージの着信通知を前記無線携帯電話に送信する着信通知送信手段を備え、
    前記ステータス判定手段は、前記着信通知に対する応答として前記無線網から送信される情報に基づき前記無線携帯電話の通信ステータスを判定する
    ことを特徴とする請求項１２に記載の電子メッセージ配信装置。
15. 前記ステータス判定手段は、前記着信通知送信手段による前記着信通知の送信の後、所定の時間内に前記通信網から応答が受信されない場合に、前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定する
    ことを特徴とする請求項１４に記載の電子メッセージ配信装置。
16. 前記ステータス判定手段は、前記無線携帯電話がサービス圏外にあるか、前記無線携帯電話の電源が投入されていないか、あるいは前記無線携帯電話が故障しているか、のいずれかを示す情報を前記通信網から受信した場合に、前記無線携帯電話が通信不能な状態であると判定する
    ことを特徴とする請求項１２に記載の電子メッセージ配信装置。
17. 前記ステータス判定手段は、前記無線携帯電話が通話中であることを示す情報を前記通信網から受信した場合に、前記無線携帯電話が通信可能かつ電子メッセージの受信不能な状態であると判定する
    ことを特徴とする請求項１２に記載の電子メッセージ配信装置。
18. 前記制御手段は、前記カウント手段によりカウントされた回数が所定の回数に達した後は、前記第１の時間を一定とする
    ことを特徴とする請求項１２に記載の電子メッセージ配信装置。
19. 前記第１の時間は前記第２の時間より長い
    ことを特徴とする請求項１２に記載の電子メッセージ配信装置。
20. 前記制御手段が、前記無線携帯電話が通信可能かつ電子メッセージの受信不能な状態において前記ステータス判定手段に対し前記判定を再実行させるまでの時間として予め定められている前記第２の時間は、前記無線携帯電話に対する送信が失敗した状態において前記ステータス判定手段に対し前記判定を再実行させるまでの時間として予め定められている前記第２の時間より長い
    ことを特徴とする請求項１２に記載の電子メッセージ配信装置。
21. 前記ステータス判定手段は、前記電子メッセージ配信装置と前記無線携帯電話との間の通信を中継する基地局から発せられた電波を前記無線携帯電話が受信した際に前記無線携帯電話において測定された当該電波の電波強度を示す情報を取得し、当該電波強度を示す情報に基づき前記無線携帯電話の通信ステータスを判定する
    ことを特徴とする請求項１２に記載の電子メッセージ配信装置。
22. 前記ステータス判定手段は、前記電子メッセージ配信装置と前記無線携帯電話との間の通信を中継する基地局から発せられた電波を前記無線携帯電話が受信した際に前記無線携帯電話において測定された当該電波の電波強度の遷移状態を示す情報を取得し、当該電波強度の遷移状態を示す情報に基づき前記無線携帯電話の通信ステータスを判定する
    ことを特徴とする請求項１２に記載の電子メッセージ配信装置。

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