JP3866117B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置及びクリーニングブレードの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真プリンタ等の画像形成装置においては、像担持体としての感光体ドラムの表面を帯電ローラによって一様に、かつ、均一に帯電させ、露光手段によって感光体ドラムの表面を露光することにより静電潜像を形成し、現像ブレード及び現像ローラを備えた現像装置によって前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、転写ローラによってトナー像を用紙に転写するようになっている。トナー像が転写された後の用紙は定着ローラに送られ、トナー像が定着されて画像になる。また、転写後に感光体ドラム上に残留したトナー、紙粉等の異物は、クリーニングブレード等を感光体ドラムに当接させた状態で感光体ドラムを回転させることによって、感光体ドラムから除去され、回収される。
【0003】
前記クリーニングブレードは、感光体ドラムの表面と常に摺(しゅう)動摩擦させられるので、強度及び耐摩耗性の高い材料を使用するのが好ましい。また、除去したトナーをはじき飛ばす必要があるので、弾性の高い材料を使用するのが好ましい。そこで、前記クリーニングブレードとして、一般にウレタンゴム材料が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の画像形成装置においては、印刷機構部が高速で駆動されることが多く、その場合、クリーニングブレードと感光体ドラムとの摺動摩擦による発熱量が多くなるだけでなく、画像形成装置の小型化に伴って内部に熱がこもり易くなり、画像形成装置内の温度が高くなってしまう。
【0005】
ところが、ウレタンゴム材料は、耐熱性が低く、高温領域において機械的な物性が著しく劣化してしまうので、前記クリーニングブレードとしてウレタンゴム材料を使用すると、トナーを除去する際に、トナーによって、又はトナーの流動性を高くするために外添されたシリカ等によって、クリーニングブレードにおける感光体ドラムとの当接部に欠けが発生し、異物を除去することができなくなってしまう。その結果、用紙を汚してしまうだけでなく、高速で印刷を行うことができなくなってしまう。
【0006】
本発明は、前記従来の画像形成装置の問題点を解決して、用紙を汚してしまうことがなく、高速で印刷を行うことができる画像形成装置及びクリーニングブレードの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の画像形成装置においては、像担持体と、該像担持体と当接させられて配設され、前記像担持体上の異物を除去するクリーニングブレードとを有する。
【0008】
そして、該クリーニングブレードは、ゴム硬度が50〜75〔°〕(JIS A)であり、カーボンの充填(てん)量が0〜45〔重量%〕である水素化ニトリルゴムによって形成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の概念図である。
【0011】
図に示されるように、画像形成装置は、露光手段としてのLEDヘッド13、転写手段としての転写ローラ14、像担持体としての感光体ドラム16、帯電手段としての帯電ローラ17、現像手段としての現像装置18、ブレードホルダ58、クリーニング手段としてのクリーニングブレード59等を備え、前記現像装置18は、トナー担持体及び回転体としての現像ローラ19、現像ブレード55、トナー供給手段としてのトナー供給ローラ56等を備える。なお、本実施の形態においては、露光手段としてLEDヘッド13を使用しているが、該LEDヘッド13に代えて、レーザ、液晶シャッタ等を使用することもできる。
【0012】
前記構成の画像形成装置において、帯電ローラ17によって感光体ドラム16の表面が一様に、かつ、均一に帯電させられ、LEDヘッド13によって感光体ドラム16が露光されて静電潜像が形成され、前記現像装置18によって静電潜像が現像され、トナー57が前記感光体ドラム16に付着させられてトナー像が形成される。なお、前記トナー57は、トナー供給ローラ56によって現像ローラ19に供給され、現像ブレード55によって、前記現像ローラ19の表面において厚さが均一な薄層にされる。
【0013】
続いて、転写ローラ14は前記トナー像を記録媒体としての図示されない用紙に転写し、トナー像が転写された後の用紙は、定着手段としての図示されない定着装置に送られ、トナー像が定着されて画像になる。また、転写後に感光体ドラム16上に残留したトナー、紙粉等の異物は、クリーニングブレード59を感光体ドラム16に当接させた状態で感光体ドラム16を回転させることによって、感光体ドラム16から除去され、回収される。
【0014】
次に、前記クリーニングブレード59のブレード材料について説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるブレード材料の特性を示す図である。
【0016】
図に示されるように、ウレタンゴムの引張強度は35〔MPa〕であり、耐熱温度は50〜60〔℃〕である。また、ニトリルゴムに水素を添加することによって製造された水素化ニトリルゴムの引張強度は27〔MPa〕であり、耐熱温度は120〜160〔℃〕である。なお、前記引張強度は、試験片の最大引張破壊荷重を試験片の最小原断面積で除算することによって得られる。また、ニトリルゴムに水素を添加することによって、分子構造の一部が結晶構造になり、引張強度はニトリルゴムの1.5倍以上になる。
【0017】
このように、前記水素化ニトリルゴムは、耐熱性がウレタンゴムより高く、かつ、引張強度等の機械的な強度も比較的高いので、高速で印刷を行うのに適している。また、ニトリルゴムは油に強く、オイルを多く含むトナーが付着しても劣化しにくい。
【0018】
次に、前記ブレード材料に、水素化ニトリルゴムとしてHNBR(日本ゼオン株式会社製)を使用したときの、クリーニングブレードの最適条件について説明する。
【0019】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるクリーニングブレードの先端を示す要部斜視図である。
【0020】
図において、50は水素化ニトリルゴム製のクリーニングブレード、60は該クリーニングブレード50に内在するカーボン(C)等の充填剤、60aは前記クリーニングブレード50の感光体ドラム16(図1)に当接する稜(りょう)線部分50aに偏在する充填剤である。なお、前記充填剤は水素化ニトリルゴムの強度を高くするために充填される。したがって、前記充填剤が、前記稜線部分50aのような、感光体ドラム16に当接する部分に存在すると、画像形成装置を連続的に駆動した場合、充填剤60aによって感光体ドラム16の表面を傷つけたり、充填剤60aが脱落してクリーニングブレード50に欠けが生じたりすることがある。
【0021】
次に、充填剤としてカーボンを使用したときの水素化ニトリルゴムの硬度(JIS A:ショア硬さHs)について説明する。
【0022】
図4は本発明の第1の実施の形態における水素化ニトリルゴムの特性を示す図である。
【0023】
図に示されるように、充填剤としてカーボンを使用し、カーボンの充填量を変えると、水素化ニトリルゴムのショア硬さHsが変化することが分かる。
【0024】
例えば、カーボンが0〔%〕の場合はショア硬さHsが50〜55〔°〕であり、カーボンが35〔%〕の場合はショア硬さHsが65〜70〔°〕であり、カーボンが45〔%〕の場合はショア硬さHsが70〜75〔°〕であり、カーボンが55〔%〕の場合はショア硬さHsが75〜80〔°〕である。
【0025】
次に、カーボンの充填量を変えた水素化ニトリルゴムを使用してクリーニングブレード50(図3)を製造し、各クリーニングブレード50を使用して印刷を行ったときのクリーニングブレード50及び感光体ドラム16(図1)の寿命について説明する。
【0026】
図5は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の特性比較図である。
【0027】
図において、○は3万枚の印刷を行ったときのクリーニングブレード50(図3)の欠け、及び感光体ドラム16(図1)の傷がない状態を、△は3万枚の印刷を行ったときのクリーニングブレード50の欠け、及び感光体ドラム16の傷がわずかにある状態を、×は3万枚の印刷を行ったときのクリーニングブレード50の欠け、及び感光体ドラム16の傷が所定の量ある状態を示す。
【0028】
図に示されるように、ウレタンゴムだけを使用した場合、クリーニングブレード50の欠け、及び感光体ドラム16の傷が発生する。また、カーボンを添加しない水素化ニトリルゴムを使用したクリーニングブレード50、及びカーボンを35〔%〕充填した水素化ニトリルゴムを使用した場合は、クリーニングブレード50の欠け、及び感光体ドラム16の傷が発生しない。
【0029】
さらに、カーボンを45〔%〕充填した水素化ニトリルゴムを使用した場合は、クリーニングブレード50の欠け、及び感光体ドラム16の傷がわずかに発生するが、画像品位を低下させることはない。そして、カーボンを55〔%〕充填した水素化ニトリルゴムを使用した場合は、クリーニングブレード50の欠け、及び感光体ドラム16の傷が所定の量発生することが分かった。
【0030】
このことから、カーボンの充填量を0〜45〔%〕にし、ショア硬さHsが75〔°〕(JIS A)以下の水素化ニトリルゴムを使用してクリーニングブレード59(図1)を形成すると、クリーニングブレード59に欠け、へたり等が発生したり、感光体ドラム16の表面に傷が発生したりするのを十分に抑制することができる。したがって、クリーニングブレード59によって異物を十分に除去することができるので、用紙を汚してしまうことがなく、高速で印刷を行うことができる。
【0031】
なお、カーボンの充填量を0〜45〔%〕にし、ショア硬さHsが50〜75〔°〕(JIS A)の水素化ニトリルゴムを使用してクリーニングブレード59を形成すると、クリーニングブレード59に欠けが発生したり、感光体ドラム16の表面に傷が発生したりするのを一層抑制することができる。
【0032】
ところで、前記水素化ニトリルゴムにポリメタクリル酸亜鉛を微分散させることによって強度を高くすることができる。
【0033】
次に、前記水素化ニトリルゴムにポリメタクリル酸亜鉛を微分散させてポリマーアロイを形成し、該ポリマーアロイとしてZSC(日本ゼオン株式会社製)を使用したときのクリーニングブレードの最適条件について説明する。
【0034】
図6は本発明の第2の実施の形態におけるブレード材料の特性を示す図である。
【0035】
図に示されるように、ウレタンゴムの引張強度は、常温の23〔℃〕で35〔MPa〕であり、高温の100〔℃〕で4〔MPa〕であり、耐熱温度は50〜60〔℃〕である。これに対して、前記ポリマーアロイの引張強度は、常温の23〔℃〕で48〔MPa〕であり、高温の100〔℃〕で7〔MPa〕であり、耐熱温度は120〜160〔℃〕である。すなわち、ポリマーアロイは耐熱性だけでなく、引張強度等の機械的な強度がウレタンゴムより高い。
【0036】
次に、前記ポリマーアロイと水素化ニトリルゴムとを配合することによって形成された配合材料の硬度(JIS A:ショア硬さHs)について説明する。
【0037】
図7は本発明の第2の実施の形態における配合材料の特性を示す図である。
【0038】
図に示されるように、ポリマーアロイを100〔%〕使用した場合は、ショア硬さHsは95〔°〕であり、ポリマーアロイを85〔%〕、水素化ニトリルゴムを15〔%〕使用した場合は、ショア硬さHsは90〔°〕であり、ポリマーアロイを70〔%〕、水素化ニトリルゴムを30〔%〕使用した場合は、ショア硬さHsは80〔°〕である。
【0039】
そして、ポリマーアロイを60〔%〕、水素化ニトリルゴムを40〔%〕使用した場合は、ショア硬さHsは70〔°〕であり、ポリマーアロイを50〔%〕、水素化ニトリルゴムを50〔%〕使用した場合は、ショア硬さHsは60〔°〕であり、ポリマーアロイを40〔%〕、水素化ニトリルゴムを60〔%〕使用した場合は、ショア硬さHsは50〔°〕である。
【0040】
このように、配合材料においてポリマーアロイの配合比率を高くするほどショア硬さHsが高くなり、カーボン等の充填剤を添加することなく、十分なショア硬さHsを得ることができる。
【0041】
次に、ポリマーアロイの配合比率を変えた配合材料をブレード材料として使用してクリーニングブレードを製造し、各クリーニングブレードを使用して印刷を行ったときのクリーニングブレード及び感光体ドラム16(図1)の寿命について説明する。
【0042】
図8は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の特性比較図である。
【0043】
図において、○は3万枚の印刷を行ったときのクリーニングブレードの欠け、へたり等、及び感光体ドラム16(図1)の傷がない状態を、△は3万枚の印刷を行ったときのクリーニングブレードの欠け、へたり等、及び感光体ドラム16の傷がわずかにある状態を、×は3万枚の印刷を行ったときのクリーニングブレードの欠け、へたり等、及び感光体ドラム16の傷が所定の量ある状態を示す。
【0044】
図に示されるように、ウレタンゴムだけを使用した場合は、ショア硬さHsが60〜80〔°〕であり、クリーニングブレードの欠け、へたり等、及び感光体ドラム16の傷が発生する。また、配合材料を使用してショア硬さHsを50〔°〕又は80〔°〕にした場合は、クリーニングブレードの欠け、へたり等、及び感光体ドラム16の傷がわずかに発生するが、画像品位を低下させることはない。
【0045】
さらに、配合材料を使用してショア硬さHsを60〔°〕又は70〔°〕にした場合は、クリーニングブレードの欠け、へたり等、及び感光体ドラム16の傷が発生しない。そして、配合材料を使用してショア硬さHsを90〔°〕又は95〔°〕にした場合は、クリーニングブレードの欠け、へたり等、及び感光体ドラム16の傷が発生することが分かった。
【0046】
このことから、ショア硬さHsが50〜80〔°〕(JIS A)、すなわち、ポリマーアロイと水素化ニトリルゴムとの配合比率が40:60〜70:30の範囲の配合材料を使用してクリーニングブレード59を形成すると、クリーニングブレード59の欠け、へたり等が発生したり、感光体ドラム16の表面に傷が発生したりするのを十分に抑制することができる。したがって、クリーニングブレード59によって異物を十分に除去することができるので、用紙を汚してしまうことがなく、高速で印刷を行うことができる。なお、ショア硬さHsが60〜70〔°〕(JIS A)、すなわち、ポリマーアロイと水素化ニトリルゴムとの配合比率が50:50〜60:40の範囲の配合材料を使用してクリーニングブレード59を形成すると、クリーニングブレード59の欠け、へたり等が発生したり、感光体ドラム16の表面に傷が発生したりするのを更に抑制することができる。
【0047】
次に、本実施の形態において使用されるクリーニングブレード59の構造及び製造方法について説明する。
【0048】
図9はクリーニングブレードの第1の製造方法を説明する図、図10はクリーニングブレードの第2の製造方法を説明する図である。
【0049】
図において、71は第1の成形型としての第1のプレス型、72は該第1のプレス型71に配設されたヒータ、73は第2の成形型としての第2のプレス型、74は該第2のプレス型73に配設されたヒータである。
【0050】
この場合、図9に示されるように、未加硫のポリマーアロイ75を、第2のプレス型73上に配設した後、所定の厚さになるようにプレス成形を行うと、前記第1、第2のプレス型71、73にポリマーアロイ75が張り付いてしまい、ポリマーアロイ75を取り出すのが極めて困難になってしまう。これは、水素化ニトリルゴムに添加されているポリメタクリル酸亜鉛のカルボン酸と、前記第1、第2のプレス型71、73を構成する金属との親和性が高いためであると推定される。したがって、ブレード材料の成形歩留りが低くなってしまう。
【0051】
そこで、図10に示されるように、前記第1のプレス型71におけるポリマーアロイ75と対向する面に離型層76を、第2のプレス型73におけるポリマーアロイ75と対向する面に離型層77をそれぞれ形成するのが好ましい。なお、離型層76、77は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等によって形成される。この場合、前記離型層76、77が第1、第2のプレス型71、73から剥(はく)離しないように第1、第2のプレス型71、73のメンテナンスが必要になり、クリーニングブレード59の製造装置のコストがその分高くなってしまう。
【0052】
そこで、第1、第2のプレス型71、73のうちの一方にばね性を有する薄い金属を配設し、該金属上でポリマーアロイ75を成形するようにしている。
【0053】
図11は本発明の第3の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第1の図、図12は本発明の第3の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第2の図、図13は本発明の第3の実施の形態におけるクリーニングブレードの配設状態を示す図である。
【0054】
図11において、71は第1の成形型としての第1のプレス型、72は該第1のプレス型71に配設されたヒータ、73は第2の成形型としての第2のプレス型、74は該第2のプレス型73に配設されたヒータ、75はブレード材料としてのポリマーアロイ、76は離型層である。
【0055】
図に示されるように、第1、第2のプレス型71、73のうちの一方、本実施の形態においては、第2のプレス型73に、ばね性を有し、厚さtが20〜200〔μ〕である薄い金属箔(はく)としてのステンレス箔78を接合させて配設し、該ステンレス箔78上でポリマーアロイ75をプレス成形するようにしている。
【0056】
したがって、プレス成形に伴ってポリマーアロイ75にステンレス箔78を被覆することができるので、プレス成形が終了した後、ポリマーアロイ75をステンレス箔78と共に第2のプレス型73から容易に離型させることができる。また、ポリマーアロイ75の弾性はウレタンゴムより数十〔%〕低いが、前記ステンレス箔78が有する弾性によってその分を補うことができる。
【0057】
この場合、図12に示されるように、前記ステンレス箔78とポリマーアロイ75とは接合された状態で成形され、積層体としてのポリマーアロイ積層体70が形成される。続いて、該ポリマーアロイ積層体70は、図12のラインL1に沿ってクリーニングブレード59の寸法に合わせて切断される。そして、図13に示されるように、前記クリーニングブレード59はブレードホルダ58に取り付けられ、クリーニングブレードアッセンブリ80が形成される。また、16は感光体ドラムである。
【0058】
なお、第1、第2のプレス型71、73のうちの他方、本実施の形態においては、第1のプレス型71にもステンレス箔を配設することができる。
【0059】
また、前記第1の実施の形態においても、クリーニングブレード59の弾性を高くするために、水素化ニトリルゴムにステンレス箔を接合することができる。
【0060】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0061】
図14は本発明の第4の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第1の図、図15は本発明の第4の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第2の図である。
【0062】
図に示されるように、第2の成形型としての第2のプレス型83にホルダ挿入逃げ83a、83bを形成し、金属箔としてのステンレス箔78a、78bをそれぞれ保持するホルダ79a、79bを第2のプレス型83のホルダ挿入逃げ83a、83bにセットする。
【0063】
その後のプレス成形については、前記第3の実施の形態と同様であり、クリーニングブレードアッセンブリ80の製造コストを低くすることができる。なお、ステンレス箔78a、78b間に切断のための隙(すき)間81が形成されるが、該隙間81の幅は0.5〜1〔mm〕程度であり、微小であるので離型に影響を与えることはない。
【0064】
次に、前記クリーニングブレード59(図13)における他方の面にもステンレス箔を被覆するようにした本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0065】
図16は本発明の第5の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第1の図、図17は本発明の第5の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第2の図、図18は本発明の第5の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第3の図である。
【0066】
この場合、第1、第2の成形型としての第1、第2のプレス型71、73のうちの一方、本実施の形態においては、第2のプレス型73に金属箔としてのステンレス箔78を、第1、第2のプレス型71、73のうちの他方、本実施の形態においては、第1のプレス型71に、ばね性を有し、厚さtが20〜200〔μ〕である薄い金属箔としてのステンレス箔85を配設し、前記ステンレス箔85上でブレード材料としてのポリマーアロイ75を成形するようにしている。
【0067】
前記ステンレス箔85は、クリーニングブレード59における感光体ドラム16と当接する箇所、すなわち、金属箔面に長溝状の開口部85a、85bが形成され、プレス成形後において、図17に示されるように、積層体としてのポリマーアロイ積層体はラインL2〜L5で切断される。そして、図18に示されるように、前記クリーニングブレード59は、感光体ドラム16と開口部85a、85bとが対向するようにブレードホルダ58に取り付けられ、クリーニングブレードアッセンブリ91が形成される。なお、ラインL2、L3は開口部85a、85b内を通過するように設定される。
【0068】
このように、プレス成形に伴ってポリマーアロイ75にステンレス箔78、85を被覆することができるので、プレス成形が終了した後、ポリマーアロイ75をステンレス箔85、78と共に第1、第2のプレス型71、73から容易に離型させることができる。また、ポリマーアロイ75の弾性はウレタンゴムより数十〔%〕低いが、前記ステンレス箔78、85が有する弾性によってその分を補うことができる。
【0069】
そして、前記クリーニングブレードアッセンブリ91において、クリーニングブレード59のポリマーアロイ75と感光体ドラム16とが当接させられるので、クリーニングブレード59における感光体ドラム16との当接力の均一性を確保することができる。
【0070】
ところで、前記開口部85a、85bが形成されているので、クリーニングブレード59の第1のプレス型71からの離型性がわずかに低くなる。そこで、クリーニングブレード59の第1のプレス型71からの離型性を向上させるようにした本発明の第6の実施の形態について説明する。
【0071】
図19は本発明の第6の実施の形態におけるクリーニングブレードの断面図である。
【0072】
図に示されるように、クリーニングブレード59は、ブレード材料としてのポリマーアロイ75の両面に金属箔としてのステンレス箔78、88が被覆され、感光体ドラム16(図18)と当接する箇所にテーパ面93が切断によって形成される。したがって、クリーニングブレード59の第1のプレス型71(図16)からの離型性を向上させることができる。
【0073】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0074】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、画像形成装置においては、像担持体と、該像担持体と当接させられて配設され、前記像担持体上の異物を除去するクリーニングブレードとを有する。
【0075】
そして、該クリーニングブレードは、ゴム硬度が50〜75〔°〕(JIS A)であり、カーボンの充填量が0〜45〔重量%〕である水素化ニトリルゴムによって形成される。
【0076】
この場合、クリーニングブレードは、ゴム硬度が50〜75〔°〕(JIS A)であり、カーボンの充填量が0〜45〔重量%〕である水素化ニトリルゴムによって形成されるので、クリーニングブレードに欠け、へたり等が発生したり、像担持体の表面に傷が発生したりするのを十分に抑制することができる。したがって、クリーニングブレードによって異物を十分に除去することができるので、用紙を汚してしまうことがなく、高速で印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるブレード材料の特性を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるクリーニングブレードの先端を示す要部斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における水素化ニトリルゴムの特性を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の特性比較図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるブレード材料の特性を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における配合材料の特性を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の特性比較図である。
【図9】クリーニングブレードの第1の製造方法を説明する図である。
【図10】クリーニングブレードの第2の製造方法を説明する図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第1の図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第2の図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるクリーニングブレードの配設状態を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第1の図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第2の図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第1の図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第2の図である。
【図18】本発明の第5の実施の形態におけるクリーニングブレードの製造方法を説明する第3の図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態におけるクリーニングブレードの断面図である。
【符号の説明】
13 LEDヘッド
14 転写ローラ
16 感光体ドラム
17 帯電ローラ
18 現像装置
58 ブレードホルダ
59 クリーニングブレード
70 ポリマーアロイ積層体
71 第1のプレス型
73、83 第2のプレス型
75 ポリマーアロイ
78、78a、78b、85、88 ステンレス箔
85a、85b 開口部
93 テーパ面
Claims (4)
- (a)像担持体と、
(b)該像担持体と当接させられて配設され、前記像担持体上の異物を除去するクリーニングブレードとを有するとともに、
(c)該クリーニングブレードは、ゴム硬度が50〜75〔°〕(JIS A)であり、カーボンの充填量が0〜45〔重量%〕である水素化ニトリルゴムによって形成されることを特徴とする画像形成装置。 - (a)像担持体と、
(b)該像担持体と当接させられて配設され、前記像担持体上の異物を除去するクリーニングブレードとを有するとともに、
(c)該クリーニングブレードは、水素化ニトリルゴムにポリメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイと水素化ニトリルゴムとを配合することによって形成され、
(d)前記クリーニングブレードは、ゴム硬度が50〜80〔°〕(JIS A)であり、
(e)前記ポリマーアロイと水素化ニトリルゴムとの配合比率が40:60〜70:30であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記クリーニングブレードは、少なくとも像担持体と対向しない側の面に金属箔が被覆される請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- (a)前記クリーニングブレードは、ゴムの両側の面に金属箔が被覆され、
(b)該金属箔は、前記クリーニングブレードにおける像担持体と当接する箇所の金属箔面に開口部が形成され、
(c)前記ゴムと像担持体とが当接させられる請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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