JP2006259581A - 搬送ベルト及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 搬送ベルトに必要な要件である形状維持性、抵抗均一性、離型性及び汚染防止性を全て満たす搬送ベルトを提供するものである。
【解決手段】 弾性材からなるベルト基材2と、このベルト基材2を被覆する被覆層3とを備えた搬送ベルト1において、前記被覆層3は、a.ベルト基材2に対して追従変形可能で且つ金属製基材を被覆した際のビッカース硬度が1500Hv以上であること、b.表面摩擦係数が被覆前のベルト基材2の摩擦係数よりも小さいこと、c.表面粗さが被覆前のベルト基材2の表面粗さ以下であること、を満たすものであることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置で用いられる搬送ベルトに係り、特に、ベルト基材が弾性材からなる搬送ベルト及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
従来からカラー化の普及に伴い、中間転写方式を採用した複写機、プリンタ等の画像形成装置に関する出願がなされている。
この種の中間転写方式は、例えば電子写真方式にて画像形成が行われる感光体ドラム等の像担持体及びこれに対向する中間転写ベルトを有し、中間転写ベルトに一次転写した後、用紙等の記録材に二次転写するものである。
このとき、この中間転写方式にあっては、用紙の種類(封筒、はがき、ラベル紙、厚紙等)に一次転写が依存しないため、用紙適性に優れ、結果として高画質が得られる点で、記録材に直接転写する直接転写方式に比べて利点を有している。
ところで、このような中間転写ベルトには、ベルト基材として硬質樹脂材を使用した態様が多く用いられている。
この態様にあっては、画像(例えばトナー像)への集中荷重による像抜け等の不具合が見られるが、ベルト基材として弾性材を使用すると、トナー像への集中荷重の低減が図られることから、像抜け等の問題が根本的に解決される点で注目されつつある。このようにベルト基材に弾性材を用いると、ベルト基材表面へのトナーの付着性が良好になる一方、転写時におけるトナーの離型性や、転写後の中間転写ベルト上の不要トナーを確実に除去するための離型性が必要になる。
そこで、特許文献1には、弾性材を使用した中間転写ベルト表面にシリコーン系又はフッ素系材料(樹脂若しくはゴム)等により被覆した離型層を備えた先行技術が提供されている。
更に、特許文献2には、ベルト基材表面に有機材料及び無機材料が分子間結合してなる離型材料にて被覆された離型層を備えた先行技術が記載されている。
特許文献1,2に記載の先行技術によれば、ベルト基材表面の離型層の存在によって、転写時又はクリーニング時における中間転写ベルト上のトナーの離型性を確保することができる。
また、ベルト基材が弾性材である場合には、樹脂材に比べベルト基材中から未架橋成分が表面に露出する、所謂ブリードと称される現象が発生する虞れがある。
このブリード現象について詳述すると、中間転写ベルト(弾性材からなるベルト基材表面にシリコーン系又はフッ素系材料(樹脂若しくはゴム)による離型層を形成した態様)が感光体ドラム等の像担持体に接触配置され、高温高湿環境下にあるとすれば、ベルト基材や離型層が水分を吸着し、これに伴って、ベルト基材に含まれる強度補強としてのシリカが吸湿してしまうと、ベルト基材中では親油性分の疎水効果が発現し、親油性分が毛細管現象や巣を通じて離型層表面に露出してしまうという現象である。この状態において、中間転写ベルト表面に親油性分からなるブリード物が溜まり、これが中間転写ベルトに接触している像担持体に転移すると、像担持体上の画像に悪影響を及してしまう。
このブリード現象に対して、特に、特許文献2に記載の先行技術によれば、離型層に含まれる無機材料によって、効果的にその発生を抑制することができる。
特開2001−215813号公報(発明の実施の形態、図1) 特開2004−117381号公報(発明の実施の形態、図2)
このように、従前の先行技術にあっては、ベルト基材について離型性の向上やブリードアウトなどによる汚染を防止したり、また、転写性向上のため抵抗の均一性確保を目的として製造時において被覆層の層厚を均一にすることはできるかもしれない。
ところが、特許文献1,2にあっては、搬送ベルト(例えば中間転写ベルト)上に残留トナーが残存する事態を回避するために搬送ベルトにクリーニング装置を付設し、このクリーニング装置にて搬送ベルト上の残留トナーを清掃する方式が知られている。このとき、クリーニング装置のクリーニング性能を良好に保つという観点からすれば、板状クリーニング部材(ブレード、スクレーパ)にて搬送ベルト上の残留トナーを掻き取るようにした方式が多く採用されている。
そして、このようなクリーニング装置を長期にわたって使用すると、ベルト基材の被覆層の摩耗に起因して起こる経時変化に対して形状維持が困難になる虞れがある。更に、これに伴い、被覆層厚が不均一になってしまうと、抵抗が不均一になり、もって、転写性が不安定になるという技術的課題が生ずる。
このように、従前の先行技術にあっては、搬送ベルトに必要な要件(形状維持性、抵抗均一性、離型性、汚染防止性)の全てを充足する構成をとることができない。
尚、このような技術的課題は、中間転写ベルトに限られるものではなく、例えば記録材を保持搬送する記録材保持ベルトについても同様に生じ得る。
本発明は、上記不具合を解決すべき技術的課題とし、搬送ベルトに必要な要件である形状維持性、抵抗均一性、離型性及び汚染防止性を全て満たす搬送ベルトを提供するものである。
更に、本発明は、上述した搬送ベルトを用い、簡単な構成で、かつ、画像欠陥のない高品位の画像を維持できる画像形成装置を提供するものである。
すなわち、本発明は、図1(a)に示すように、弾性材からなるベルト基材2と、このベルト基材2を被覆する被覆層3とを備えた搬送ベルト1において、前記被覆層3は、a.ベルト基材2に対して追従変形可能で且つ金属製基材を被覆した際のビッカース硬度が1500Hv以上であること、b.表面摩擦係数が被覆前のベルト基材2の摩擦係数よりも小さいこと、c.表面粗さが被覆前のベルト基材2の表面粗さ以下であること、を満たすものであることを特徴とするものである。
このような技術的手段において、搬送ベルト1としては、弾性材からなるベルト基材2を有するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば画像形成装置を例に挙げれば、中間転写ベルトや記録材保持ベルト等がある。
また、被覆層3としては、上述したa〜cの条件(a.硬度条件、b.摩擦係数条件、c.表面粗さ条件)を満たすことが必要である。
ここで、aの「ベルト基材2に対して追従変形可能で且つ金属製基材を被覆した際のビッカース硬度が1500Hv以上であること」という条件は、ベルト基材2上では被覆層3のビッカース硬度が測定できないことを考慮し、金属製基材上に被覆した場合のビッカース硬度値を代用することにしたものである。
この場合、aの条件を満たすことで、表面硬度が高硬度になり、被覆層3の機械的外力(ブレードなどのクリーニング部材)によるダメージや消耗を抑制することが可能になる。
また、bの条件から、摩擦係数を小さくすることで、例えば搬送ベルト1とクリーニング部材との摺動領域における摺動抵抗が小さくなるため、搬送ベルト1表面の摩耗量を低減することができる。
更に、cの条件から、表面粗さを小さくすることで、離型性を良好に維持することができる。
ここで、摩擦係数については被覆前のベルト基材2との関係で小さく、表面粗さについては被覆前のベルト基材2との関係で同じか又は小さくなっていればよく、同じ基準のものであればその種類(摩擦係数:静摩擦係数、動摩擦係数など、表面粗さ:平均表面粗さ、十点平均表面粗さなど)は問わず適宜選定して差し支えない。
また、被覆層3は、ダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)、立方晶窒化ホウ素膜(C−BN膜)、炭化珪素膜(SiC膜)、窒化クロム膜(CrN膜)、タングステンカーボン膜(W−C膜)等、上述した被覆層3の要件を満たすものであれば、適宜選定して差し支えない。
更にまた、被覆層3には、高硬度、低摩擦、低表面粗さ、に良好な非晶質硬質炭素膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)を用いることが好ましい。
このダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)としては、a−C膜(水素をほとんど含まない無定形炭素膜)、a−C:H膜、(水素化された無定形炭素膜)、a−C:H:Si膜(水素及びケイ素を含んだ無定形炭素膜)が用いられる。
更に、DLC膜の特徴として、膜厚が薄く均一であるほか、油分や水分の透過を防止できることなどが挙げられる。
また、ベルト基材2の体積抵抗が10Ωcm〜1012Ωcmの範囲内に設定されていることが好ましい。
この範囲に設定することで、トナー像等の画像転写性能を維持できるため、転写可能な転写電界を容易に形成することが可能になる。
更に、被覆層3の層厚が0.5〜5.0μm以下であることが好ましい。
この場合、層厚が0.5μm未満であると、強度不足のため摺動によって摩耗する虞れがあり、また、5.0μmを超えると、変形追従性が不充分でベルト基材2の柔軟性を損なう虞れがある。
また、被覆層3は、表面層が最も高硬度な積層構造であることが好ましい。
更に、この場合、被覆層3はこの表面層とベルト基材2との間に中間層を介在させることが好ましい。
このように、中間層を挿入することで表面層とベルト基材2との間の密着性(接着性)を向上させることができる。
更にまた、被覆層3は、150℃以下の環境下にて製膜されるものであることが好ましい。ただし、製膜温度は選定するベルト基材2が溶融する温度よりも低温であることが必要であり、ベルト基材2に応じて150℃以下の範囲内で適宜設定されるものである。
このように、製膜温度を低くすることによって、耐熱性の低い弾性のベルト基材2に対しても、製膜可能になる。
また、本発明は搬送ベルト1を対象とするものであるが、これに限られるものではなく、これを用いた画像形成装置をも対象とする。
この場合、本発明は、例えば図1(b)に示すように、像担持体6及びこれに対向する搬送ベルト1を有し、像担持体6上に形成されたトナー像を搬送ベルト1若しくは搬送ベルト1上の記録材7に転写する画像形成装置において、前記搬送ベルト1として上述した搬送ベルトを使用することを特徴とするものである。
ここで、搬送ベルト1を中間転写ベルトとして使用する態様にあっては、図1(b)に示すように、像担持体6上のトナー像を一次転写装置8aにて搬送ベルト(中間転写ベルト)1に一次転写した後、搬送ベルト(中間転写ベルト)1上のトナー像を二次転写装置8bにて記録材7に二次転写する。
一方、搬送ベルト1を記録材保持ベルトとして使用する態様にあっては、図1(b)に示すように、搬送ベルト(記録材保持ベルト)1上に記録材7を保持した後、像担持体6上のトナー像を転写装置8にて搬送ベルト(記録材保持ベルト)1上の記録材7に転写する。
また、図1(b)に示す画像形成装置において、像担持体6及び搬送ベルト1のいずれか一方を駆動源とし、他方を従動回転させるようにする態様が好ましい。
本態様によれば、このような駆動構成にすることで、一方の駆動機構を省略することができ、その分、駆動コストを抑制できるほか、搬送ベルト1と像担持体6との駆動干渉からくる、搬送ベルト1の厚み変動や、プロセス方向の送り変動などの変動要因を除外することができる。
更に、図1(b)に示す画像形成装置において、搬送ベルト1は複数の張架ロール9に張架され、ドラム状の像担持体6の形状に沿って接触配置されている態様が好ましい。
本態様によれば、搬送ベルト1をできるだけ像担持体6の形状に沿わせる事で、転写の際のニップ域前後での無駄な空隙による放電をなくし、トナー像の飛び散りを防止することができる。
また、樹脂系の硬いベルトでは、像担持体6に対する押圧が高くなりすぎ、トナー像の中抜けなどが発生してしまうので、本態様では、弾性材料などを用いることで、低い接触圧で像担持体6との密着性を上げるようになっている。
更に、両者の接触面積を拡大することに伴って、前述した従動回転方式を採用し易くなり、その分、両者の駆動干渉に伴う像乱れを有効に防止することができる。
本発明に係る搬送ベルトによれば、ベルト基材表面に高硬度で低摩擦且つ平滑な被覆層を設けるようにしたので、例えば搬送ベルトに対して接触型クリーニング装置を設けたとしても、経時変化による摩耗や変形を抑制することができる。これにより、搬送ベルトの初期状態を長期間維持することが可能になり、被覆層の均一な膜厚保持が可能になることによって均一な抵抗の保持が可能になるため、長期間にわたって転写性を安定的に確保することができる。
また、本発明によれば、低摩擦且つ平滑な被覆層を備えているので、ベルト基材からのブリードアウトを有効に阻止できることは勿論、搬送ベルト表面の離型性を向上させることができる。このため、搬送ベルト表面をきれいな状態に保つことができ、安定した転写性を保持することが可能になる。
更にまた、このような搬送ベルトを備えた画像形成装置によれば、長期にわたって転写性能が良好な画像形成装置を簡単に構築することができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態を示す。
同図において、画像形成装置は、感光体ドラム10と、この感光体ドラム10からトナー像を転写させるために前記感光体ドラム10に一定領域にて感光体ドラム10の形状に沿うように接触する中間転写ベルト20とを有する。
本実施の形態において、感光体ドラム10は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、この感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10を帯電する帯電装置11と、帯電された感光体ドラム10上に各色成分(本例ではイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の静電潜像を書込む露光装置12と、感光体ドラム10上に形成された各色成分潜像を各色成分トナーにて可視像化するロータリ型現像装置13と、前記中間転写ベルト20と、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するクリーニング装置17とが配設されている。
ここで、帯電装置11としては、例えば帯電ロールが用いられるが、コロトロンなどの帯電器を用いてもよい。
また、露光装置12は感光体ドラム10上に光によって像を書き込めるものであればよく、本例では、例えばLEDを用いたプリントヘッドが用いられるが、これに限られるものではなく、ELを用いたプリントヘッドでも、レーザビームをポリゴンミラーでスキャンするスキャナなど適宜選定して差し支えない。
更に、ロータリ型現像装置13は各色成分トナーが収容された現像器13a〜13dを回転可能に搭載したものであり、例えば感光体ドラム10上で露光によって電位が低下した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナーも形状、粒径など特に制限はなく、感光体ドラム10上の静電潜像上に正確に載るものであればよい。尚、本例では、ロータリ型現像装置13が用いられているが、4台の現像装置を用いるようにしてもよい。
更にまた、クリーニング装置17については、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの等適宜選定して差し支えない。但し、転写率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング装置17を使用しない態様もあり得る。
また、中間転写ベルト20は、図2に示すように、4つの張架ロール21〜24に掛け渡されるものであって、ロータリ型現像装置13とクリーニング装置17との間に位置する感光体ドラム10面に沿う形で所定の接触領域だけ密着配置されている。
ここで、この中間転写ベルト20と感光体ドラム10とは夫々別駆動系で駆動されていてもよいが、本実施の形態では、中間転写ベルト20が後述するように弾性ベルトであり、しかも、感光体ドラム10の周面に沿って接触配置されていることから、中間転写ベルト20は、例えば感光体ドラム10を駆動源として、従動回転するようになっている。
そして、中間転写ベルト20が感光体ドラム10に密着した接触領域の一部には中間転写ベルト20の裏側から一次転写装置としての一次転写ロール25が接触配置されており、所定の一次転写バイアスが印加されている。
更に、中間転写ベルト20の張架ロール22に対向した部位には、二次転写装置としての二次転写ロール30が張架ロール22をバックアップロールとして対向配置されており、例えば二次転写ロール30に所定の二次転写バイアスが印加され、バックアップロールを兼用する張架ロール22が接地されている。
更にまた、中間転写ベルト20の張架ロール23に対向した部位には、ベルトクリーニング装置26としてのクリーニングブレードが配設されており、中間転写ベルト20上の残留トナーを掻き取り除去するようになっている。
尚、クリーニング装置としては、これに限られるものではなく、例えば導電性ブレードにて残留トナー層を薄層化した後に、極性反転ロールにより薄層化したトナー層の極性を反転し、感光体ドラム10側に再転写した後に感光体ドラム10側のクリーニング装置17にて回収するようにしてもよい。
また、用紙などの記録材40は、供給トレイ41に収容されており、ピックアップロール42にて供給された後、レジストロール43を経て二次転写部位に導かれ、搬送ベルト44を通じて定着装置45へ搬送され、搬送ロール46及び排出ロール47を経て排出トレイ48へと排出されるようになっている。
また、本実施の形態において、中間転写ベルト20は、図3に示すように、弾性材からなるベルト基材51と、このベルト基材51の表面を被覆する被覆層60とを備えている。
本実施の形態では、ベルト基材51の体積抵抗は10Ωcm〜1012Ωcmの範囲内に設定されている。
ここで、本実施の形態で用いられるベルト基材51としては、弾性材、例えばクロロプレンゴム(CR)とEPDMとをブレンドした材料が用いられている。
ベルト基材51の製法については任意の製法を用いて差し支えないが、例えば以下のように製造される。
すなわち、ベルト基材51を製造する工程は、弾性材であるクロロプレンゴム(CR)とEPDMとに対し、抵抗調整として導電剤を混入分散させた後、これらのクロロプレンゴム(CR)とEPDMとをミキサーで混練させ、加硫剤を加えて押し出し成形を行う。
ここで、導電剤としては、カーボンブラックを始め、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化スズ、グラファイト、LiClO4、LiAsF6などの金属塩、各種4級アンモニューム塩などが挙げられる。
上記混練したベルト基材、すなわち、予備成形後のベルト基材を押出成形する場合には、加硫マンドレルといわれる金属製のベルト内径と同サイズの外径を持つシリンダに混練したベルト基材を覆い被せた状態で所定条件(例えば150℃で約1時間)にて加硫させ、しかる後に、必要とするモジュラスに応じて時間を変更しながら所定条件(例えば110℃で15時間)にて二次加硫を行う。
その後、研磨用マンドレルにベルト基材を被せてベルト基材の内周面と外周面とを研磨し、表面の平滑性を得るようにする。
このようにしてベルト基材51を作成した後、図3に示すように、ベルト基材51の表面に被覆層60が形成される。
この被覆層60は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜からなる表面層61を備え、この表面層61とベルト基材51との間に両者を接着するための中間層(本例では3層の積層構造にて構成)62〜64を介在させるようにしたものである。
ここで、中間層62〜64としては、表面層61側から順に例えばタングステンカーボン(W−C)とDLCとの混合膜からなる第一中間層62、クロム(Cr)とW−Cとの混合膜からなる第二中間層63、クロムからなる第三中間層64が配設されており、例えば表面層61と第一中間層62とが共通のDLC膜構造をもとにして強固に接着され、第一中間層62と第三中間層64とが中間接着層として機能する第二中間層63(第一中間層62とW−Cが共通構造,第三中間層64とCrが共通構造)を介して強固に接着されている。
この場合、被覆層60を構成する各層61〜64の層厚については適宜選定して差し支えないが、製膜時間を短縮するため中間層62〜64を可能な限り薄膜にすることが望ましい。
この被覆層60の製造方法としては、マイクロ波プラズマCVD法、直流プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、有磁場プラズマCVD法、イオンビーム・スパッタ法、イオンビーム蒸着法、反応性プラズマ・スパッタ法、アンバランスドマグネトロンスパッタ法等により形成される。このとき用いることができる原料ガスは、含炭素ガスであり、例えば、メタン、エタン、プロパン、エチレン、ベンゼン、アセチレン等の炭化水素ガス、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロルエタン等のハロゲン化炭素、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、アセトン、ジフェニルケトン等のケトン類、一酸化炭素、二酸化炭素等のガス、及び、これらのガスにN、H、O、HO、Ar等を混合したものが挙げられる。
本実施の形態において、ベルト基材51を被覆する被覆層60の製造方法に当たっては、ベルト基材51がクロロプレンゴム等からなる弾性体であるため耐熱性が低く比較的低温(例えば120℃以下、好ましくは80℃以下)であることが必要である。また、ベルト基材51の表面が油脂や酸化防止剤等で汚染されている可能性があることのほか、ベルト基材51が変形する虞れがあることを考慮することが必要である。
このような点を踏まえて、本実施の形態においては、図4に示すように、例えば低温でコーティングが可能な高周波プラズマCVD法を採用することが好ましい。
同図において、製膜装置71は、真空容器72内の上下に一対の対向電極73,74を設け、この真空容器72には真空ポンプ75を連通接続する一方、圧力調整器76を介して原料ガス77であるメタンガスが供給可能なガス供給配管を接続するものである。そして、真空容器72内には一方の対向電極74上に非製膜対象であるベルト基材51が配設され、この対向電極74の下方はマッチングボックス78を介して変調高周波電源79に接続されている。
このような製膜装置71を用いたコーティングのプロセス工程としては、まず、ベース真空に引いた後、この真空中でプラズマを発生させて水素ラジカルで基板(ベルト基材51)の表面を暴露して表面を浄化する。このように、ベルト基材51の表面をプラズマで洗浄することにより、溶剤等で長時間洗浄した場合における油分などの溶け出しを回避し、ベルト基材51の表面の汚れを取り除くことができる。
更に、メチル基で暴露するとベルト基材51表面の水素はメチル基と反応しメタンとなって除去され、ベルト基材51の表面上の炭素のフリーボンドにメチル基が反応することによって、被覆層60が成形されていく。
このような製膜装置71によれば、基板(ベルト基材51)の温度上昇を有効に抑えながら、層厚0.5〜5.0μmの被覆層60を形成することが可能になる。
また、このように製造される被覆層60の物性としては、a.ベルト基材51に対して追従変形可能で且つ金属製基材を被覆した際のビッカース硬度が1500Hv以上であること、b.表面摩擦係数が被覆前のベルト基材51の摩擦係数よりも小さいこと、c.表面粗さが被覆前のベルト基材51の表面粗さ以下であること、を満たすことが必要である。
本実施の形態では、被覆層60の特性は主としてDLC膜からなる表面層61の特性が反映され、高硬度に保たれるほか、摩擦係数はベルト基材51の場合の摩擦係数よりも小さく設定される。また、上記製膜法を用いた場合、ベルト基材51表面に分子レベルで倣って被覆層60が製膜されるので、高精度の表面粗さを得ることができる。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
画像形成装置が作像動作を開始すると、感光体ドラム10上の各色成分トナー像が順次形成され、一次転写ロール25の転写電界により中間転写ベルト20上に順次一次転写される。
しかる後、この中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は二次転写ロール30の転写電界により記録材40に二次転写され、定着工程へと運ばれる。
このような作像過程において、二次転写において記録材40に転写されずに中間転写ベルト20上に残留した残留トナーはベルトクリーニング装置26のクリーニングブレードによって回収される。
本態様において、中間転写ベルト20は、離型性に優れ、クリーニングブレードによって中間転写ベルト20上の廃トナーを確実に除去することが可能なため、常時きれいな状態に保たれている。
また、中間転写ベルト20の表面の被覆層60は、高硬度且つ低摩擦であるため、長期間使用したとしてもほとんど摩耗が見られない。これにより、ベルト基材51の初期状態(均一な被覆層)を長期間維持することができ、均一な電気抵抗を保持することが可能になることから、長期にわたって安定した転写性を確保することができる。
更に、この被覆層60により中間転写ベルト20を構成する物質からの油分や水分等のしみ出しもない。
したがって、本態様における中間転写ベルト20によれば、摩耗や摺動による経時変化が極めて少なく、長期間初期状態を維持することができるため、画像欠陥のない高品位な画像を提供することができる。
◎変形形態
図5は、本発明が適用された画像形成装置の変形形態を示す。同図において、実施の形態1と同様な構成要素については同様な符号を付し、その説明は省略する。
同図に示す変形形態のように、感光体ドラム10、中間転写ベルト20が別々の駆動系を持ち、しかも、感光体ドラム10に対して中間転写ベルト20を線接触させるようにした態様にも本件発明を適用できることは勿論である。
(a)は本発明に係る搬送ベルトの概要を示す説明図、(b)は本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。 実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。 本実施の形態で用いられる中間転写ベルトの断面構造を示す説明図である。 実施の形態1で用いられる製膜装置を示す説明図である。 変形形態に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
符号の説明
1…搬送ベルト,2…ベルト基材,3…被覆層,6…像担持体,7…記録材,8…転写装置,8a…一次転写装置,8b…二次転写装置,9…張架ロール

Claims (8)

  1. 弾性材からなるベルト基材と、このベルト基材を被覆する被覆層とを備えた搬送ベルトにおいて、
    前記被覆層は、
    a.ベルト基材に対して追従変形可能で且つ金属製基材を被覆した際のビッカース硬度が1500Hv以上であること、
    b.表面摩擦係数が被覆前のベルト基材の摩擦係数よりも小さいこと、
    c.表面粗さが被覆前のベルト基材の表面粗さ以下であること、
    を満たすものであることを特徴とする搬送ベルト。
  2. 請求項1記載の搬送ベルトにおいて、
    被覆層は非晶質硬質炭素膜からなる表面層を備えていることを特徴とする搬送ベルト。
  3. 請求項1記載の搬送ベルトにおいて、
    ベルト基材の体積抵抗が10Ωcm〜1012Ωcmの範囲内に設定されていることを特徴とする搬送ベルト。
  4. 請求項1記載の帯電装置において、
    被覆層の層厚が0.5〜5.0μm以下であることを特徴とする搬送ベルト。
  5. 請求項1記載の帯電装置において、
    被覆層は表面層が最も高硬度な積層構造であることを特徴とする搬送ベルト。
  6. 請求項5記載の帯電装置において、
    被覆層は表面層とベルト基材との間に中間層を介在させたものであることを特徴とする搬送ベルト。
  7. 請求項1記載の帯電装置において、
    被覆層は150℃以下の環境下にて製膜されるものであることを特徴とする搬送ベルト。
  8. トナー像が形成担持される像形成担持体と、この像形成担持体に対向配置され且つ前記トナー像を直接若しくは間接的に搬送する請求項1ないし請求項7いずれかに記載の搬送ベルトとを備えることを特徴とする画像形成装置。
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