JP3865929B2 - 成形ロール機のロール構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は平坦な一般面の側部に平坦なフランジ部を有段成形した帯板部品を圧延成形する成形ロール機のロール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
平坦な一般面の側部に平坦なフランジ部を有段成形した段付きの帯板部品を圧延成形する場合、該帯板部品の形状に合わせてロール面を有段成形した第1ロールと第2ロールとを1組として用いて、これら第1ロールと第2ロールとの間に帯板素材を導入して圧延成形することが一般的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
板幅および又はフランジ幅等、幅サイズの異なる段付きの帯板部品を成形する場合、その都度、前記第1ローラと第2ローラとを成形しようとする帯板部品の幅サイズにあったロール面形状のものと交換する必要があってコスト的に不利となってしまうことは否めない。
【0004】
そこで、本発明は幅サイズの異なる段付きの帯板部品を成形する場合に、一方のロールを共用できて他方のロールのみを交換するだけで対応することができる成形ロール機のロール構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、第1ロールと第2ロールとで帯板素材を圧延して、平坦な一般面の側部に平坦なフランジ部を有段成形した段付きの帯板部品を成形する成形ロール機であって、前記第1ロールは、帯板部品の一般面を加工する中央ロール面と、該中央ロール面よりも高く形成されて帯板部品のフランジ部を加工する側部ロール面とを備えている一方、第2ロールは、帯板部品の一般面を加工する中央ロール面と、該中央ロール面よりも低く形成されて帯板部品のフランジ部を加工する側部ロール面とを備え、かつ、該第2ロールの中央ロール面の側部には、ロール面サイズの異なる第1ロールの中央ロール面の側部に環状突起として形成した側部ロール面が噛み合うフランジ成形用の環状溝を形成し、該第2ロールを幅サイズの異なる帯板部品の成形用に共用可能としたことを特徴としている。
【0006】
請求項2の発明にあっては、第2ロールのフランジ成形用の環状溝を任意の間隔をおいて複数個形成したことを特徴としている。
【0007】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、第1ロールと第2ロールの各中央ロール面間と、各側部ロール面間とで帯板素材を圧延して、一般面の側部にフランジ部を有段成形した段付きの帯板部品を圧延成形することができる他、第1ロールとしてその側部ロール面を第2ロールの環状溝に対応して形成したロール面サイズの異なるものを用いることにより、該第2ロールをそのまま利用してその環状溝と、ロール面サイズの異なる該第1ロールの側部ロール面とで、幅サイズの異なる帯板部品のフランジ部を加工でき、該幅サイズの異なる帯板部品の圧延成形用に供することができて、コストダウンに大きく寄与することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、第2ロールを2つ以上の幅サイズの異なる帯板部品の圧延成形用に供することができて、より一層コストダウンに寄与することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0010】
図1において、1は第1ロール2と第2ロール4とで図5の(イ)に示した帯板素材10を圧延して、平坦な一般面11aの両側部に平坦なフランジ部11bを有段成形した段付きの帯板部品11を成形する成形ロール機を示している。
【0011】
第1ロール2は、前記帯板部品11の一般面11aを加工する中央ロール面2aと、その両側に隣接して中央ロール面2aよりも高く形成されて帯板部品11のフランジ部11bを加工する側部ロール面2bとを備えていると共に、該第1ロール2の両側部には第2ロール4の側面に摺接係合して相互の軸方向のずれを阻止するフランジ3を形成してある。
【0012】
第2ロール4は、前記帯板部品11の一般面11aを加工する中央ロール面4aと、その両側に隣接して中央ロール面4aよりも低く形成されて帯板部品11のフランジ部11bを加工する側部ロール面4bとを備えている。
【0013】
また、この第2ロール4の中央ロール面4aの両側部には、その側部ロール面4bに隣接してフランジ成形用の2つの環状溝2c,2dを任意の間隔をおいて形成してある。
【0014】
これら環状溝2c,2dは後述する成形しようとする帯板部品11' ,11''のフランジ部11b' ,11b''のフランジ幅およびフランジ高さに見合って形成される。
【0015】
従って、前記第1ロール2と第2ロール4との組合わせで圧延成形を行った場合、これら第1ロール2と第2ロール4の各中央ロール面2a,4a間と、各側部ロール面2b,4b間とで帯板素材10を圧延して図5の(イ)に示すように一般面11aの両側部にフランジ部11bを有段成形した段付きの帯板部品11を圧延成形することができる。
【0016】
これとは別に、図3に示すように前記第2ロール4をそのまま利用し、中央ロール面2a' の両側部に第2ロール4の環状溝4cに対応して側部ロール面2b' を該環状溝4cに噛み合う環状突起として形成したロール面サイズの異なる第1ロール2' との組合わせで圧延成形を行った場合、図5の(ロ)に示すように帯板素材10' から一般面11a' の両側部に環状溝4cと側部ロール面2b' とによって前記帯板部品11のフランジ幅よりも短いフランジ部11b' を有し、かつ、該帯板部品11よりも板幅が短い段付きの帯板部品11' を圧延成形することができる。
【0017】
また、図4に示すように前記第2ロール4をそのまま利用し、中央ロール面2a''の両側部に第2ロール4の環状溝4dに対応して側部ロール面2b''を該環状溝4dに噛み合う環状突起として形成したロール面サイズがさらに異なる第1ロール2''との組合わせで圧延成形を行った場合、図5の(ハ)に示すように帯板素材10''から、一般面11a''の両側部に環状溝4cと側部ロール面2b''とによって前記帯板部品11' のフランジ幅と同じフランジ部11b''を有し、かつ、該帯板部品11' よりも板幅が短い段付きの帯板部品11''を圧延成形することができる。
【0018】
図3,4中、3' ,3''は第1ロール2' ,2''のフランジを示す。
【0019】
以上のように本実施形態の構造によれば、第2ロール4に対して、側部ロール面2b,2b' ,2b''を第2ロール4の側部ロール面4b,環状溝4c,4dに各対応して形成したロール面サイズの各異なる第1ロール2,2' ,2''を選択的に用いて組合わせることによって、フランジ幅および又は板幅等の幅サイズが異なる複数種類の段付きの帯板部品を圧延成形することができ、従って、コストダウンに大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の使用例を示す正面図。
【図2】同実施形態の部分拡大図。
【図3】ロール組合わせの異なる例を示す部分拡大図。
【図4】ロール組合わせの他の異なる例を示す部分拡大図。
【図5】(イ),(ロ),(ハ)は図2,図3,図4のロール組合わせでそれぞれ成形される帯板部品を示す断面図。
【符号の説明】
1 成形ロール機
2,2' ,2'' 第1ロール
2a,2a' ,2a'' 中央ロール面
2b,2b' ,2b'' 側部ロール面
4 第2ロール
4a 中央ロール面
4b 側部ロール面
4c,4d 環状溝
10 帯板素材
11 帯板部品
11a 一般面
11b フランジ部
Claims (2)
- 第1ロール(2)と第2ロール(4)とで帯板素材(10)を圧延して、平坦な一般面(11a)の側部に平坦なフランジ部(11b)を有段成形した段付きの帯板部品(11)を成形する成形ロール機(1)であって、前記第1ロール(2)は、帯板部品(11)の一般面(11a)を加工する中央ロール面(2a)と、該中央ロール面(2a)よりも高く形成されて帯板部品(11)のフランジ部(11b)を加工する側部ロール面(2b)とを備えている一方、第2ロール(4)は、帯板部品(11)の一般面(11a)を加工する中央ロール面(4a)と、該中央ロール面(4a)よりも低く形成されて帯板部品(11)のフランジ部(11b)を加工する側部ロール面(4b)とを備え、かつ、該第2ロール(4)の中央ロール面(4a)の側部には、ロール面サイズの異なる第1ロール(2´)の中央ロール面(2a´)の側部に環状突起として形成した側部ロール面(2b´)が噛み合うフランジ成形用の環状溝(4c)を形成し、該第2ロールを幅サイズの異なる帯板部品(11´)の成形用に共用可能としたことを特徴とする成形ロール機のロール構造。
- 第2ロール(4)のフランジ成形用の環状溝(4c)(4d)を任意の間隔をおいて複数個形成したことを特徴とする請求項1に記載の成形ロール機のロール構造。
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1998
- 1998-05-06 JP JP12352098A patent/JP3865929B2/ja not_active Expired - Fee Related
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