JP3865186B2 - 光半導体モジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体モジュール及びその製造方法に関し、特に光半導体素子を樹脂封止して耐湿性を高めた光半導体モジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディア社会の到来に伴い、加入者系ネットワークの光化の機運が高まっている。加入者系ネットワークまで光ファイバが普及するためには、光部品の経済化が必要になる。特にトータルコストへの影響の大きい光半導体モジュールの低価格化が必要である。
【0003】
従来の低価格の光半導体モジュールは、Siのプラットフォーム上で光半導体素子と光ファイバ等の光導波路とを簡易結合させたり、樹脂を直接ポッティングして光半導体素子を簡易封止していた。この方法により、部品点数を少なくし、コストダウンを図ることができる。さらに、外部の湿気から光半導体素子を保護するために、従来の半田封止に代わって安価な樹脂封止を行うことにより、コストダウンが図られている。
【0004】
封止用樹脂として、受発光光に対して透明なエポキシ樹脂が用いられる。特開平8−18163号公報には、光半導体素子を、ゴム弾性を有するシリコーン樹脂で覆い、その外部を太陽光や水分を遮断するためのエポキシ樹脂で覆う二重封止構造が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
エポキシ樹脂は、耐湿性の高い樹脂であるが、線膨張係数が大きいため温度変化による樹脂の体積変化によって光半導体素子にダメージを与える場合がある。Siを用いたLSI等の封止樹脂には、エポキシ樹脂にシリカ等のフィラーを混合することにより、半導体素子へ加わる熱応力を緩和している。しかし、光半導体素子を封止する場合は、光半導体素子と光ファイバとの光結合を確保する必要があるため、封止樹脂にフィラーを混合することができない。
【0006】
シリコーン樹脂はゴム弾性を有するため、封止樹脂としてシリコーン樹脂を用いると、光半導体素子へ加わる熱応力を緩和することができる。しかし、シリコーン樹脂は、エポキシ樹脂に比べて高い透湿性を有するため、光半導体モジュールの十分な耐湿性を確保することが困難である。
【0007】
シリコーン樹脂とエポキシ樹脂で二重封止することにより、耐湿性を確保しつつ、熱応力を緩和することができる。しかし、2種類の樹脂の硬化条件が異なるため、少なくとも2回の樹脂硬化過程を経る必要がある。このため、製造工程の増加に繋がり、低価格化の要請に反することになる。さらに、未硬化による樹脂の強度不足が生じ易い。
【0008】
本発明の目的は、十分な耐湿性を有し、低価格化に適した光半導体モジュール及びその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によると、
支持面を有するプラットフォームと、
前記プラットフォームの支持面上に配置され、光結合端面において前記光半導体素子と光結合した光ファイバと、
前記光半導体素子を覆うとともに、該光半導体素子から前記光ファイバの光結合端面までの間の空間のうち少なくとも光が伝搬する領域に配置され、ゲル状のアクリル系変性樹脂からなる保護部材と、
開口部が設けられた外枠であって、該外枠内に前記プラットフォームが収容され、該外枠の壁を前記光ファイバが貫通して外部まで導出されている前記外枠と、
前記プラットフォームを前記外枠内に接着している第1の接着層と
を有し、
前記第1の接着層に紫外線硬化型樹脂が用いられている光半導体モジュールが提供される。
【0010】
保護部材がゲル状の樹脂で形成されているため、光半導体素子に加わる熱応力を低減することができる。また、アクリル系変性樹脂の透湿性、吸湿性は低いため、光半導体素子への水分の侵入を防止することができる。
【0011】
本発明の他の観点によると、
支持面を有する支持基板の該支持面上に、光半導体素子と光学素子とを、両者が光結合するように配置する工程と、
前記支持基板上の前記半導体素子を覆い、かつ前記光半導体素子と前記光学素子との間の、光が伝搬する領域を埋めるように、紫外線硬化型の絶縁性樹脂を滴下する工程と、
滴下された絶縁性樹脂の上に、導電性樹脂を滴下し、絶縁性樹脂の表面を導電性樹脂で覆う工程と、
紫外線照射により、前記絶縁性樹脂と導電性樹脂とを硬化させる工程と
を有し、前記紫外線硬化型の絶縁性樹脂は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を含み、紫外線照射によりゲル状のアクリル系変性樹脂になる光半導体モジュールの製造方法が提供される。
【0012】
1回の紫外線照射で、接着剤とアクリル系変性樹脂組成物とを同時に硬化させることができるため、製造工程を削減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施例による光半導体モジュールの断面図を示す。プラットフォーム1の支持面上に形成された配線(図示せず)の上に、レーザダイオード2及びフォトダイオード3が、AuSn半田で固着されている。プラットフォーム1は、紫外線に対して透明なガラスまたはプラスチック等により形成されている。レーザダイオード2及びフォトダイオード3のAuSn半田に接する面が、各光半導体素子の一方の電流端子になる。レーザダイオード2及びフォトダイオード3の各々の他方の端子は、プラットフォーム1の支持面上に形成された他の配線にワイヤボンディングにより接続されている。
【0014】
光ファイバ4の先端部の被覆が剥離され、素線4aが露出している。素線4aは、プラットフォーム1の支持面側に形成された溝に挿入され、ファイバ抑え5で固定されている。ファイバ抑え5は、接着剤でプラットフォーム1の支持面に接着されている。
【0015】
レーザダイオード2の出射端面から出射したレーザ光が光ファイバ4に入射する。光ファイバ4の端面は斜めに加工されており、光ファイバ4の端面からの反射光がレーザダイオード2に再入射しないような構成とされている。また、レーザダイード2の反対側の端面から漏れたレーザ光がフォトダイオード3に入射する。フォトダイオード3により、レーザダイオード2の発振状態をモニタすることができる。
【0016】
プラットフォーム1は、上面が開口された外枠8の底面上に、第1の接着層10により固着されている。光ファイバ4が、外枠8の壁を貫通する中空の筒状の固定部材11内を通って外部に導出されている。固定部材11と光ファイバ4とが、第2の接着層12により接着されている。外枠8及び固定部材11は、プラットフォーム1と同様に、紫外線に対して透明なガラスまたはプラスチック等により形成されている。
【0017】
外枠8の外側に、複数の外部リード20が取り付けられている。各外部リード20は、外枠8の内側に設けられた内部リード(図示せず)に連続している。プラットフォーム1の支持面上に形成された各配線は、所定の内部リードにワイヤボンディングにより接続されている。
【0018】
レーザダイオード2及びフォトダイオード3が、保護部材6で覆われている。保護部材6は、さらにレーザダイオード2の出射端面から光ファイバ4の先端までの、レーザ光が伝搬する領域にも配置されている。保護部材6はレーザダイオード2の発光波長の光に対して透明であり、レーザダイオード2と光ファイバ4との光結合を損なうことはない。
【0019】
保護部材6は、アクリル系樹脂の化学構造に柔軟なセグメントを導入して樹脂の固体物性を軟化させたゲル状の紫外線硬化型アクリル系変性樹脂により形成されている。アクリル系変性樹脂として、例えばアクリルポリオレフィン類(ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、またはこれらのモノマーもしくはオリゴマーと柔軟な分子骨格を持つポリエステルもしくはポリエーテル等とのブロック共重合体)が挙げられる。
【0020】
これらのアクリルポリオレフィン類の樹脂は、分子構造中に架橋点となる反応性のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有する。これらの樹脂は、紫外線照射による架橋点での分子間もしくは分子内の硬化反応により、三次元網目構造を持つゲル状樹脂となる。
【0021】
アクリルポリオレフィンは、波長350nm、エネルギ密度3〜10J/cm2の紫外線を照射することにより硬化させることができ、硬化後はゲル状になる。なお、樹脂中に、有機過酸化物、アミン等の硬化促進剤を含ませてもよい。
【0022】
外枠8の開口部が蓋15で塞がれている。蓋15は、第3の接着層16により外枠8に接着されている。第1〜第3の接着層10、12、及び16には、紫外線硬化型の接着剤が用いられている。
【0023】
保護部材6として、ゲル状の樹脂を使用しているため、プラットフォーム1、レーザダイオード2、フォトダイオード3、及び光ファイバ4に加わる熱応力が緩和される。このため、広範囲の温度環境下で使用することが可能になり、急激な温度変化に対する信頼性を高めることができる。さらに、アクリル系変性樹脂は、シリコーン樹脂に比べて透湿性、吸湿性が低い。このため、レーザダイオード2及びフォトダイオード3を湿気から保護し、十分な耐湿性を確保することが可能になる。また、硬化して高分子ゲルとなる樹脂は、被着体に対する接着力が強いため、レーザダイオード2、フォトダイオード3、プラットフォーム1等の表面と保護部材6との間の高い接着性を得ることができる。
【0024】
次に、図1に示す光半導体モジュールの製造方法を説明する。プラットフォーム1の支持面上に、レーザダイオード2とフォトダイオード3をAuSn半田で固着する。この時、プラットフォーム1の支持面上に形成されたマーカにより、支持面内における位置合わせが行われる。光ファイバ4の素線4aを溝内に配置し、ファイバ抑え5で光ファイバ4を固定する。
【0025】
プラットフォーム1を、外枠8の底の内面上に、紫外線硬化型の接着剤を挟んで載置する。光ファイバ4が外枠8を貫通する部分の図の上側の壁は、外枠8の本体とは別体の部品で形成されており、プラットフォーム1を載置した後、この別体の部品を外枠8の本体に取り付ける。固定部材11は、外枠8の本体と別体とに挟まれて固定される。固定部材11と光ファイバ4の隙間に紫外線硬化型の接着剤を充填する。
【0026】
プラットフォーム1上のレーザダイオード2、フォトダイオード3、光ファイバ4の先端を覆うように、硬化して保護部材6となる樹脂組成物を塗布する。蓋15で外枠8の開口部を塞ぐ。両者の接合面には、紫外線硬化型の接着剤が塗布されている。外枠8の下面から光半導体モジュール全体に紫外線を照射し、接着剤及び保護部材6を硬化させる。
【0027】
保護部材6として紫外線硬化型の樹脂を使用しているため、熱硬化型の樹脂を使用する場合に比べて、硬化に要する時間を削減することができる。さらに、第1〜第3の接着層10、12、及び16に紫外線硬化型の接着剤が使用されており、かつ外枠8、プラットフォーム1、固定部材11が、紫外線に対して透明な材料で形成されている。このため、外枠8の下面から紫外線照射を行うことにより、第1〜第3の接着層10、12、16、及び保護部材6を1回の紫外線照射により硬化させることができる。
【0028】
なお、蓋15を、紫外線に対して透明な材料で形成し、蓋15側から紫外線を照射してもよい。
【0029】
図2(A)は、図1に示す光半導体モジュールの熱衝撃試験の結果を示す。横軸は熱衝撃回数を表し、縦軸はレーザダイード2のしきい値電流を単位mAで表す。図中の実線aは上記実施例による光半導体モジュールを示し、実線bは図1の保護部材6としてエポキシ樹脂を使用した光半導体モジュールを示す。試験は、−40℃と85℃との間を1時間で昇降温させる熱サイクルを所定回数繰り返した後、温度25℃の環境下でしきい値電流を測定することにより行った。
【0030】
実施例による光半導体モジュールのしきい値電流は、熱サイクルを繰り返してもしきい値電流がほとんど増加していない。これに対し、保護部材6としてエポキシ樹脂を使用した場合には、熱サイクルを10回程度繰り返すと、しきい値電流が急激に増大する。これは、レーザダイオードに加わる熱応力に起因するものと思われる。
【0031】
図2(B)は、図1に示す光半導体モジュールの高温高湿試験の結果を示す。横軸は試験時間を単位「時間」で表し、縦軸はレーザダイオードのしきい値電流を単位mAで表す。図中の実線cは上記実施例による光半導体モジュールを示し、実線dは図1の保護部材6としてシリコーン樹脂を使用した光半導体モジュールを示す。試験は、温度121℃、相対湿度100%、圧力2気圧、順方向定電流40mAの雰囲気下に所定時間置いた後、温度25℃の環境下でしきい値電流を測定することにより行った。
【0032】
実施例による光半導体モジュールのしきい値電流は、300時間経過してもほとんど増加していない。これに対し、保護部材6としてシリコーン樹脂を使用した場合には、試験時間が100時間を越えると、しきい値電流が急激に増大している。これは、シリコーン樹脂を通って水分がレーザダイオード内に侵入したためと考えられる。
【0033】
図2に示す実験結果から分かるように、保護部材6としてゲル状のアクリル系変性樹脂を用いることにより、光半導体モジュールの耐熱衝撃性、耐湿性を高めることができる。
【0034】
図3は、本発明の第2の実施例による光半導体モジュールの断面図を示す。第1の実施例では、保護部材6が、レーザダイオード2、フォトダイオード3、及び光フィアバ4の先端の周辺部のみに配置されていた。第2の実施例では、保護部材30が外枠8内を充填している。第1の実施例の蓋15は配置されていない。その他の構成は、第1の実施例の場合と同様である。
【0035】
第2の実施例の場合も、第1の実施例の場合と同様の耐湿性、耐熱衝撃性が得られるであろう。
【0036】
次に、図4を参照して本発明の第3の実施例について説明する。第1及び第2の実施例では、一例として送信側の光半導体モジュールについて説明したが、第3の実施例では、一例として受信側の光半導体モジュールについて説明する。
【0037】
プラットフォーム1の表面上に、平面実装型のフォトダイオード40及び電子素子41が搭載されている。これらの素子は、例えばAuSn半田等でプラットフォーム1に固定される。プラットフォーム1は、例えばシリコンまたはガラスで形成される。フォトダイオード40は、例えばInGaAs及びInPを半導体材料としたpin型のものである。電子素子41は、例えば低電圧駆動型シリコンバイポーラICにより構成されたプリアンプである。
【0038】
光ファイバ4の素線4aが、プラットフォーム1の表面に形成されたV溝により位置決めされている。素線4aは、ファイバ抑え5によりV溝内に固定される。ファイバ抑え5は、紫外線硬化型のエポキシ樹脂またはアクリル樹脂でプラットフォーム1に固着される。光ファイバ4の先端から出射した光がフォトダイオード40に入射する。フォトダイード40は、入射した光に対応した電気信号を出力する。電子素子41は、フォトダイード40から出力された電気信号を増幅する。
【0039】
光ファイバ4のうちプラットフォーム1の縁と交差する部分が、固定部材11により補強されている。固定部材11は、例えばトランスファモールドによって形成されたゴムまたはプラスチック等の有機材料で形成されている。V溝は、プラットフォーム1の縁の近傍において大きくされている。この部分に固定部材11がはめ込まれ、光ファイバ4がプラットフォーム1上に支持される。
【0040】
プラットフォーム1は、リードフレーム37の上面上に、第1の接着層10を介して固定されている。第1の接着層10は、例えば銀を含有する熱硬化型エポキシ樹脂で形成されている。銀を含有させてあるのは、熱伝導率を高め良好な放熱特性を確保するためである。
【0041】
リードフレーム37の下面に、複数の外部リード20が取り付けられている。外部リード20の各々は、フォトダイオード40及び電子素子41の対応する外部端子に電気的に接続されている。例えば、フォトダイオード40及び電子素子41の外部端子の各々が、プラットフォーム1の表面上に形成された対応する配線にワイヤボンディングにより接続される。各配線は、対応する外部リード20にワイヤボンディングにより接続される。
【0042】
フォトダイオード40、電子素子41、光ファイバ4の素線4aが、絶縁性樹脂からなる保護部材35で覆われている。また、保護部材35は、光ファイバ4の出射端面とフォトダイオード40との間の光が通過する領域を埋め尽くしている。保護部材35として、図1の第1の実施例における保護部材6と同様に、例えばゲル状の紫外線硬化型アクリル系変性樹脂を用いることができる。保護部材35は、受光すべき光の波長に対して透明である。
【0043】
保護部材35の表面、プラットフォーム1の端面、及び固定部材11の一部が、導電性樹脂からなるシールド部材36で覆われている。シールド部材36は、保護部材35と同一組成の樹脂に導電性基質が添加されて導電性が付与された樹脂で形成される。導電性基質として、例えば銀を用いることができる。銀の含有率を81〜85重量%とすることにより、固有抵抗率6〜10μΩcmの導電性樹脂が得られる。固定部材11の一部が保護部材35及びシールド部材36で覆われることにより、光ファイバ4がリードフレーム37に安定に固定される。
【0044】
次に、保護部材35及びシールド部材36の形成方法について説明する。まず、硬化前の絶縁性樹脂をプラットフォーム1上に滴下する。さらに、その上に、硬化前の導電性樹脂を滴下する。紫外線を照射することにより、絶縁性樹脂と導電性樹脂とを同時に硬化させる。このとき、硬化前の両樹脂の界面近傍において、導電性基質の拡散がわずかに生ずる場合もあるが、導電性基質がプラットフォーム1上の素子や配線まで到達しなければ動作上問題はない。
【0045】
上記第3の実施例では、フォトダイオード40及び電子素子41が、導電性のシールド部材36で囲まれている。シールド部材36が電磁シールドとして作用するため、電磁波障害(Electro-Magnetic Interference)による雑音の混入を防止することができる。電子素子41への入力信号に雑音が混入すると、雑音も増幅されてしまうため、特に増幅回路を有する光半導体モジュールの場合に、特に大きな効果が期待できる。また、電磁波障害に起因する増幅回路の異常発振を防止することができる。
【0046】
第3の実施例では、保護部材35とシールド部材36とを同一組成の樹脂で形成している。このため、高温高湿試験、及び温度サイクル試験においても長期間安定した封止効果及び電磁シールド効果を得ることができる。
【0047】
従来は、フォトダイードと電子素子とを金属製の容器内に格納することにより、電磁シールドを行っていた。第3の実施例によると、高価な金属製の容器に代えて安価な導電性樹脂で電磁シールドを行う。さらに、絶縁性樹脂と導電性樹脂との硬化を1回の紫外線照射によって行うため、封止工程と電磁シールド工程とを同時に行うことができる。このため、光半導体モジュールの低価格化を図ることが可能になる。
【0048】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、硬化してゲル状になるアクリル系変性樹脂を保護部材として用いることにより、光半導体モジュールの耐湿性、耐熱衝撃性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による光半導体モジュールの断面図である。
【図2】図1に示す光半導体モジュールの熱衝撃試験、高温高湿試験の結果を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施例による光半導体モジュールの断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例による光半導体モジュールの断面図である。
【符号の説明】
1 プラットフォーム
2 レーザダイオード
3 フォトダイオード
4 光ファイバ
4a 素線
5 ファイバ抑え
6、30 保護部材
8 外枠
10 第1の接着層
11 固定部材
12 第2の接着層
15 蓋
16 第3の接着層
20 外部リード
35 保護部材
36 シールド部材
37 リードフレーム
40 フォトダイオード
41 電子素子
Claims (9)
- 支持面を有するプラットフォームと、
前記プラットフォームの支持面上に配置された光半導体素子と、
前記プラットフォームの支持面上に配置され、光結合端面において前記光半導体素子と光結合した光ファイバと、
前記光半導体素子を覆うとともに、該光半導体素子から前記光ファイバの光結合端面までの間の空間のうち少なくとも光が伝搬する領域に配置され、ゲル状のアクリル系変性樹脂からなる保護部材と、
開口部が設けられた外枠であって、該外枠内に前記プラットフォームが収容され、該外枠の壁を前記光ファイバが貫通して外部まで導出されている前記外枠と、
前記プラットフォームを前記外枠内に接着している第1の接着層と
を有し、
前記第1の接着層に紫外線硬化型樹脂が用いられている光半導体モジュール。 - さらに、前記光ファイバが前記外枠を貫通する部分において、両者を接着し、紫外線硬化型樹脂を含む第2の接着層を有する請求項1に記載の光半導体モジュール。
- 前記プラットフォーム及び外枠が、前記保護部材、第1及び第2の接着層に含まれる紫外線硬化型樹脂を硬化させる紫外線に対して透明である請求項1または2に記載の光半導体モジュール。
- さらに、前記外枠の開口部を塞ぐ蓋と、
前記蓋を前記外枠に接着し、紫外線硬化型樹脂を含む第3の接着層を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体モジュール。 - 前記蓋が紫外線に対して透明である請求項4に記載の光半導体モジュール。
- 前記保護部材が、前記外枠内に充填されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体モジュール。
- 支持面を有するプラットフォームの該支持面上に、光半導体素子と光学素子とを、両者が光結合するように配置する工程と、
前記プラットフォームを、外枠の内面上に、紫外線硬化型の接着剤を挟んで載置する工程と、
前記プラットフォーム上の前記半導体素子を覆い、かつ前記光半導体素子と前記光学素子との間の、光が伝搬する領域を埋めるように、紫外線を照射すると硬化してゲル状になるアクリル系変性樹脂組成物を配置する工程と、
前記接着剤及び前記アクリル系変性樹脂組成物に紫外線を照射して硬化させる工程と
を有する光半導体モジュールの製造方法。 - 支持面を有するプラットフォームと、
前記プラットフォームの支持面上に配置された光半導体素子と、
前記プラットフォームの支持面上に配置され、光結合端面において前記光半導体素子と光結合した光学素子と、
前記光半導体素子を覆うとともに、該光半導体素子から前記光学素子の光結合端面までの間の空間のうち少なくとも光が伝搬する領域に配置されたゲル状のアクリル系変性樹脂からなる保護部材と、
前記保護部材の表面を覆う導電性樹脂からなるシールド部材と
前記シールド部材が、前記保護部材を形成する非導電性樹脂と同一組成のベース樹脂に導電性基質を添加した樹脂で形成されている光半導体モジュール。 - 前記光半導体素子が、光信号を電気信号に変換する光電変換素子であり、
さらに、前記プラットフォーム上に配置され、前記光半導体素子から出力された電気信号を増幅する電子素子を有し、
前記保護部材が前記電子素子を覆っている請求項8に記載の光半導体モジュール。
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