JP2013003421A - 光電気複合モジュール及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱応力による不具合を低減して信頼性を高めることができ、しかも、長寿命化を図ることが可能な光電気複合モジュール及びその製造方法を提供する。
【解決手段】光電気複合モジュール11は、ガラスファイバ15の端部が配置された一端側の固定面12aに電極13が設けられたフェルール12と、電極13に導通接続されるアノード電極18Aと、受光部または発光部を有する素子部17と、アノード電極18Aと素子部17とを導通させるアノード配線電極19とを有し、固定面12aに取り付けられた受発光素子16と、を備え、固定面12aと受発光素子16との間で、アノード配線電極19及び素子部17がシリコーン樹脂27により覆われている。
【選択図】図3

Description

本発明は、光伝送等に用いられる光電気複合モジュール及びその製造方法に関する。
LSI間信号の高速化に伴い、電気による伝送ではノイズ、消費電力増加を解消することが困難となってきている。そこで、近年、LSI間を、電磁障害や周波数依存性損失が殆どなく、高速及びパラレル(大容量)での伝送が可能な光通信で伝送する試みがなされている。
この光伝送に用いられる光配線部品として、光ファイバ等の光導波体と、該光導波体の光入出力端が素子搭載面から少なくとも一部突出するように該光導波体を保持し位置決めするフェルールと、このフェルールの少なくとも素子搭載面に設けられた電気配線と、前記フェルールの素子搭載面に搭載され且つ前記電気配線に電気接続された面型光素子とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−59867号公報
上記のようなフェルールを用いた光配線部品の作製においては、光ファイバの固定及び受発光素子の固定強度向上、ならびに光ファイバと受発光素子との光学的な結合効率向上のために、受発光素子とフェルールとの間にアンダーフィル材と呼ばれるエポキシ系樹脂からなる接着剤を埋め込んでいる。また、受発光素子への電力供給のためにフェルールの電気配線である電極からドライバIC等の電気デバイスにワイヤボンディングを行うが、そのワイヤの保護としてポッティング材と呼ばれるポッティング樹脂を塗布している。
ところで、光配線部品は、アンダーフィル材やポッティング材などの樹脂を硬化させるための熱処理によって150℃程度まで昇温されるが、受発光素子と樹脂の熱膨張係数は1〜2桁程度も異なるため、降温時に受発光素子、電極、アンダーフィル材あるいはポッティング材に熱応力が生じ、受発光素子の信頼性低下、電極の断線や高抵抗化が起きるおそれがある。
また、製品の信頼性評価のために、例えば、−40℃から+85℃で500サイクルのヒートサイクル試験が行われるが、その際には、樹脂硬化時以上の熱応力が加わり、受発光素子や電極に損傷を与えるおそれがある。
特に、受発光素子として発光素子をフェルールに搭載した場合では、上記のような熱応力が生じている状態で通電されると、その際の熱エネルギーが熱応力に加わるため、アノード側の電極の断線や発光素子の素子部の劣化が生じやすくなる。
本発明の目的は、熱応力による不具合を低減して信頼性を高めることができるとともに、長寿命化を図ることが可能な光電気複合モジュール及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明の光電気複合モジュールは、光導波路の端部が配置された一端側の固定面に電極が設けられた光配線部品と、
前記電極に導通接続されるアノード電極と、受光部または発光部を有する素子部と、前記アノード電極と前記素子部とを導通させるアノード配線電極とを有し、前記固定面に取り付けられた光デバイスと、を備えた光電気複合モジュールであって、
前記固定面と前記光デバイスとの間で、前記アノード配線電極及び前記素子部がシリコーン樹脂により覆われていることを特徴とする。
本発明の光電気複合モジュールにおいて、前記シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂であることが好ましい。
本発明の光電気複合モジュールにおいて、前記シリコーン樹脂は、ゲル状シリコーン樹脂であることが好ましい。
本発明の光電気複合モジュールにおいて、前記シリコーン樹脂は、硬度50(JIS K6253 TypeA)以下であることが好ましい。
本発明の光電気複合モジュールにおいて、前記固定面と前記光デバイスとの間には、前記アノード配線電極及び前記素子部がシリコーン樹脂により覆われている部分と、前記光導波路の端部がエポキシ系樹脂により覆われている部分とを有することが好ましい。
本発明の光電気複合モジュールは、光導波路の端部が配置された一端側の固定面に電極が設けられた光配線部品と、
前記電極に導通接続されるアノード電極と、受光部または発光部を有する素子部と、前記アノード電極と前記素子部とを導通させるアノード配線電極とを有し、前記固定面に取り付けられた光デバイスと、を備えた光電気複合モジュールであって、
前記固定面と前記光デバイスとの間で、前記アノード配線電極及び前記素子部が、内側に空間部が設けられた透光ドーム部材により覆われていることを特徴とする。
本発明の光電気複合モジュールにおいて、前記透光ドーム部材の厚さが30μm以下であることが好ましい。
本発明の光電気複合モジュールの製造方法は、光導波路の端部が配置される一端側の固定面に電極が設けられた光配線部品に対して、
前記電極に導通接続されるアノード電極と、受光部または発光部を有する素子部と、前記アノード電極と前記素子部とを導通させるアノード配線電極とを有する光デバイスを、前記固定面に取り付ける光電気複合モジュールの製造方法であって、
前記アノード配線電極及び前記素子部をシリコーン樹脂により覆う被覆工程を含むことを特徴とする。
本発明の光電気複合モジュールの製造方法において、前記被覆工程は、前記光配線部品に前記光デバイスを取り付ける前に行われる工程であって、前記アノード配線電極及び前記素子部を覆うように前記シリコーン樹脂をポッティングした後、前記シリコーン樹脂を加熱硬化させる工程であることが好ましい。
本発明の光電気複合モジュールの製造方法は、光導波路の端部が配置される一端側の固定面に電極が設けられた光配線部品に対して、
前記電極に導通接続されるアノード電極と、受光部または発光部を有する素子部と、前記アノード電極と前記素子部とを導通させるアノード配線電極とを有する光デバイスを、前記固定面に取り付ける光電気複合モジュールの製造方法であって、
前記光配線部品に前記光デバイスを取り付ける前に、前記アノード配線電極及び前記素子部を、内側に空間部が設けられた透光ドーム部材により覆い、その状態で前記透光ドーム部材を前記光デバイスに固定することを特徴とする。
本発明の光電気複合モジュール及び光電気複合モジュールの製造方法によれば、光デバイスの信頼性向上及びアノード配線電極の断線抑制を図ることができ、製品の信頼性が格段に向上され、長寿命の光電気複合モジュールとすることができる。
本発明の実施形態に係る光電気複合モジュールの断面図である。 図1の光電気複合モジュールを構成する複数の受発光素子の装着面側から見た平面図である。 図1の光電気複合モジュールの詳細を示す図であって、(a)はフェルールと受発光素子との接合箇所の拡大断面図、(b)は受発光素子の装着面側から見た平面図である。 本発明の他の実施形態に係る光電気複合モジュールの詳細を示す図であって、(a)はフェルールと受発光素子との接合箇所の拡大断面図、(b)は受発光素子の装着面側から見た平面図である。 光電気複合モジュールの製造工程を示す図であって、(a)〜(d)は、それぞれ断面図である。 光電気複合モジュールの通電試験結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る光電気複合モジュール及びその製造方法の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る光電気複合モジュール11は、フェルール(光配線部品)12を備えている。このフェルール12は、一方の端面が固定面12aとして形成されており、この固定面12aには、複数の電極13が設けられている。このフェルール12は、例えば、熱可塑性樹脂から形成されたものであり、複数の電極(リードフレーム)13とともに一体成形されたLFI(Lead Frame Inserted)フェルールである。
このフェルール12には、光ファイバ挿通孔14が形成されており、この光ファイバ挿通孔14には、光ファイバ心線の端部から露出されたガラスファイバ(光導波路)15が後端側から挿入されている。このガラスファイバ15は、コア15aの外周をクラッド15bによって覆った構造とされている。光ファイバとしては、ガラスファイバの他、クラッドが樹脂のものなども使用できる。
図2に示すように、受発光素子(光デバイス)16は、フェルール12の固定面12aに複数配列されて設けられている。これらの受発光素子16は、ガリウム基板等の基材20に素子部17と端子部18とを備えており、端子部18には、金スタッドバンプからなるバンプ21が設けられている。受発光素子16は、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの発光素子やフォトダイオード(Photo Diode)などの受光素子である。受発光素子16の素子部17は、受発光素子16が発光素子である場合は発光部であり、受発光素子16が受光素子である場合は受光部である。
また、受発光素子16の端子部18は、一つがアノード電極(陽極)18Aとされ、他の一つがカソード電極(陰極)18Bとされている。アノード電極18Aは、アノード配線電極19で素子部17に導通されている。
この受発光素子16は、フェルール12の固定面12aに重ね合わせた状態で実装される。このとき、受発光素子16の各素子部17がフェルール12の光ファイバ挿通孔14の対向位置に配置され、また、端子部18が電極13に配置されてバンプ21を介して導通接続される。バンプ21による接続は、超音波振動あるいは熱によるフリップチップ接続で行われる。
フェルール12には、後端12b側における一側面に、切欠き部23が形成されている。これにより、光ファイバ挿通孔14が切り欠かれて露出される。この切欠き部23には、接着剤として機能するエポキシ系樹脂からなるアンダーフィル材25が充填されている。このアンダーフィル材25は、切欠き部23からガラスファイバ15と光ファイバ挿通孔14との間にも入り込んでおり、このアンダーフィル材25によって、光ファイバ挿通孔14に挿入されたガラスファイバ15が接着されて固定されている。
このアンダーフィル材25は、フェルール12の固定面12aと受発光素子16との間にも充填されており、このアンダーフィル材25によって受発光素子16とフェルール12とが強固に接合されている。このアンダーフィル材25は、フェルール12に対して熱処理を施すことにより硬化されている。
なお、アンダーフィル材25を受発光素子16の表面近傍だけに充填し、ガラスファイバ15は、エポキシ系樹脂からなる接着剤で接着固定しても良い。このようにすると、ガラスファイバ15の固定強度の向上等、製品の品質や信頼性を向上させることができる。
図3(a),(b)に示すように、フェルール12の固定面12aと受発光素子16との間では、受発光素子16におけるアノード配線電極19及び素子部17が、シリコーン樹脂27で覆われている。これにより、フェルール12の固定面12aと受発光素子16との間には、アノード配線電極19及び素子部17がシリコーン樹脂27により覆われている部分と、ガラスファイバ15の端部がエポキシ系樹脂からなるアンダーフィル材25により覆われている部分とが設けられている。
そして、アンダーフィル材25は、シリコーン樹脂27で覆われたアノード配線電極19及び素子部17を除く部分でフェルール12の固定面12aと受発光素子16とに付着して硬化されている。
受発光素子16におけるアノード配線電極19及び素子部17を覆うシリコーン樹脂27としては、オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコーンゴム、シリコーン樹脂またはシリコーンゲルが用いられる。また、シリコーン樹脂27の一例として、硬度30(JIS K6253 TypeA)以下、波長850nmの光の透過率が90%を超えるものが用いられ、透過率は97%であるのがより好ましい。
また、図1に示すように、フェルール12は、回路基板32に対して、例えばエポキシ樹脂等からなるダイボンド材35によって固定されてモジュール化されている。
回路基板32には電極パッド30が設けられ、この電極パッド30は、例えば、金(Au)からなるボンディングワイヤ36によってフェルール12の電極13に導通接続されている。また、回路基板32には、例えば、ドライバ、トランスインピーダンスアンプなどの光素子駆動ICである電子デバイス(図示省略)が実装されている。
光電気複合モジュール11は、ボンディングワイヤ36が完全に埋まるようにポッティング材38が塗布されており、このポッティング材38によって、ボンディングワイヤ36及びその周囲が封止されて保護されている。
上記の光電気複合モジュール11では、受発光素子16とガラスファイバ15との間で光伝送が行われる。発光素子からなる受発光素子16からガラスファイバ15へ光伝送が行われる場合では、受発光素子16の素子部17から発光された光がガラスファイバ15のコア15aへ入射することとなる。また、ガラスファイバ15から受光素子からなる受発光素子16へ光伝送が行われる場合では、ガラスファイバ15のコア15aから出射した光が受発光素子16の素子部17へ入射することとなる。
上記の実施形態に係る光電気複合モジュール11では、フェルール12の固定面12aと受発光素子16との間で、アノード配線電極19及び素子部17がシリコーン樹脂27により覆われ、これらのアノード配線電極19及び素子部17にアンダーフィル材25及びポッティング材38が直接触れていない。そのため、アンダーフィル材25及びポッティング材38を熱処理して硬化した後の降温時においても、アノード配線電極19及び素子部17での熱膨張係数差による熱応力の発生を防止することができる。これにより、受発光素子16の信頼性向上及びアノード配線電極19の断線抑制を図ることができ、製品の信頼性が格段に向上する。そして、光電気複合モジュール11を長寿命のものとすることができる。
特に、受発光素子16が、作動時における熱エネルギーの発生が大きい発光素子である場合であっても、アノード配線電極19の断線や素子部17の劣化を防止することができる。
また、製品の信頼性評価のためのヒートサイクル試験においても、熱応力による受発光素子16の素子部17やアノード配線電極19へのダメージを極力抑えることができる。
そして、上記の光電気複合モジュール11は、例えば、長距離機器配線用の光DVIケーブル、光USBケーブル、携帯電話用光配線、家庭用電化製品のネットワーク用の光HDMI、データサーバ間通信用の光InfiniBandケーブルあるいは車載情報機器通信用の車載用光ハーネスなどの様々なアクティブオプティカルケーブルや光配線部品として用いることができる。
また、シリコーン樹脂27として、ゲル状シリコーン樹脂を用いれば、受発光素子16の素子部17及びアノード配線電極19への熱応力をさらに良好に低減させることができる。
しかも、シリコーン樹脂17の硬度が30〜50(JIS K6253 TypeA)であれば、受発光素子16の素子部17及びアノード配線電極19の熱応力を低減できるとともに、受発光素子16とフェルール12の固定面12aとの間での機械的強度も十分に確保することができる。
次に、光電気複合モジュール11の他の実施形態例について説明する。
図4(a),(b)に示す実施形態では、フェルール12の固定面12aと受発光素子16との間で、アノード配線電極19及び素子部17が、内側に空間部Sが設けられた透光ドーム部材41により覆われている。この透光ドーム部材41は、低応力なシリコーン樹脂からなる接着剤によって接着されて受発光素子16に固定されている。なお、受発光素子16に対する透光ドーム部材41の接触面積が小さい場合は、受発光素子16へ透光ドーム部材41を接着固定する接着剤としてエポキシ樹脂系を用いても良い。
この透光ドーム部材41は、厚さが30μm以下の半球状の透明ガラスまたは透明樹脂からなるものであり、波長850nmの光の透過率が90%を超えるものが用いられる。なお、透光ドーム部材41の厚さは、受発光素子16の素子部17、受発光素子16の端子部18とフェルール12の電極13との距離及び受発光素子16とフェルール12との距離などで制限される。本例では、この透光ドーム部材41は、厚さ20μmで直径150μmの半球状の透明ガラスで波長850nmの光の透過率が92%のものが用いられている。
図4の光電気複合モジュール11の場合は、フェルール12の固定面12aと受発光素子16との間で、アノード配線電極19及び素子部17が、内側に空間部Sが設けられた透光ドーム部材41により覆われている。この形態でも、図3に示した形態と同様に、アノード配線電極19及び素子部17にアンダーフィル材25及びポッティング材38が直接触れていない。そのため、アンダーフィル材25及びポッティング材38を熱処理して硬化した後の降温時においても、アノード配線電極19及び素子部17での熱膨張係数差による熱応力の発生を防止することができる。また、受発光素子16が発光素子である場合や、ヒートサイクル試験においても、熱応力による受発光素子16の素子部17やアノード配線電極19へのダメージを極力抑えることができる。このように、図4の形態でも光電気複合モジュール11の信頼性向上及び長寿命化を図ることができる。
次に、光電気複合モジュール11の製造方法について説明する。
光電気複合モジュール11を製造するには、まず、フェルール12の固定面12aと、金のバンプ21を有する面発光型半導体レーザ(VCSEL)またはフォトダイオードからなる受発光素子16とを用意する。
そして、この受発光素子16におけるアノード配線電極19及び素子部17を覆うようにシリコーン樹脂27をポッティングする(被覆工程)。その後、150℃で1時間の熱処理を行うことでシリコーン樹脂27を加熱硬化させる。
なお、透光ドーム部材41を備えた光電気複合モジュール11を製造する場合は、受発光素子16におけるアノード配線電極19及び素子部17を覆うように透光ドーム部材41をシリコーン樹脂からなる接着剤で貼り付け、その後、150℃で1時間の熱処理を行うことでシリコーン樹脂を加熱硬化させて透光ドーム部材41を固定する。なお、接着剤としてエポキシ樹脂を用いても良い。
そして、図5(a)に示すように、温度200℃で超音波フリップチップにより受発光素子16をフェルール12に実装する。
次に、図5(b)に示すように、フェルール12の光ファイバ挿通孔14に、切欠き部23からアンダーフィル材25を充填し、この光ファイバ挿通孔14へ機械的に位置決めするパッシブアライメントで位置決めしながらガラスファイバ15を挿し込み、接着剤26でガラスファイバ15を仮固定する。このとき、光ファイバ挿通孔14から染み出したアンダーフィル材25によって受発光素子16の表面が覆われるようにする。なお、光ファイバ挿通孔14から染み出したアンダーフィル材25は、シリコーン樹脂27または透光ドーム部材41で覆われたアノード配線電極19及び素子部17には付着することはない。
次いで、図5(c)に示すように、例えば、エポキシ系樹脂からなるダイボンド材35によってフェルール12を、ガラスエポキシ基板からなる回路基板32上にダイボンドして実装し、アンダーフィル材25及びダイボンド材35を硬化させるために、温度120℃で30分間の熱処理を行う。
その後、図5(d)に示すように、ボンディングワイヤ36によって電極パッド30とフェルール12の電極13とを導通接続させる。なお、ボンディングワイヤ36によるワイヤボンディングでは、回路基板32が約175℃で約15分加熱される。
最後に、ボンディングワイヤ36が完全に埋まるようにポッティング材38を塗布し、ポッティング材38によってボンディングワイヤ36及びその周囲を封止し(図1参照)、アンダーフィル材25及びポッティング材38を硬化させるために、150℃で30分間の熱処理を行う。
上記の製造方法によれば、受発光素子16が複数回にわたり加熱されることとなるが、アノード配線電極19及び素子部17をシリコーン樹脂27により覆うか、または透光ドーム部材41により空間部Sを設けて覆うので、受発光素子16の信頼性向上及びアノード配線電極19の断線が抑制される。したがって、信頼性が良好であり、長寿命の光電気複合モジュール11を製造することができる。
(1)試料の作製
(実施例1)
装着面にアノード配線電極及びカソード配線電極を有する面発光型半導体レーザ(VCSEL)からなる発光素子の各々の電極上にフリップチップ実装用の金スタッドバンプを形成した。VCSELチップとしては1チャンネルで波長850nm帯、伝送速度5Gbpsのものを用いた。発光素子におけるアノード配線電極及び素子部を覆うように、硬度30(JIS K6253 TypeA)、波長850nmの光の透過率97%のシリコーン樹脂をポッティングした。その後、150℃で1時間の熱処理を行うことでシリコーン樹脂を加熱硬化させた。フェルールの固定面に発光素子を温度200℃で超音波フリップチップにより実装した。
フェルールをヒーター付き治具に載せ、フェルールの光ファイバ挿通孔に、硬度85(JIS Z2246 ShoreD)のエポキシ樹脂からなるアンダーフィル材と一緒にガラスファイバを挿入した。その際、アンダーフィル材を光ファイバ挿通孔からはみ出させ、発光素子とフェルールの固定面との間を完全に覆うようにした。その後、アンダーフィル材を硬化させるために、温度150℃で30分間の熱処理を行った。
次に、ガラスエポキシ基板からなる通電用の回路基板上に、エポキシ系ダイボンド材でフェルールをボンディングした。その後、ダイボンド材を硬化させるために、温度120℃で30分間の熱処理を行った。
さらに、ワイヤボンディングを行い、発光素子に電力供給できるように、電流印加用の金のボンディングワイヤによって、フェルールの電極と回路基板に形成されている回路パターンからなるパッド電極とを導通接続させた。
さらに、ボンディングワイヤを保護するため、フェルールの電極から回路基板のパッド電極までのボンディングワイヤが完全に埋もれるように、ポッティング材を塗布した。なお、このポッティング材を塗布することにより、発光素子も完全にポッティング材で覆われることとなる。その後、ポッティング材を硬化させるために、温度150℃で30分間の熱処理を行った。
(実施例2)
実施例1と同様に、発光素子に金スタッドバンプを形成した。発光素子におけるアノード配線電極及び素子部を覆うように、厚さ20μm、直径150μmの半球状の透明ガラスで波長850nmの光の透過率が92%の透光ドームをシリコーン樹脂からなる接着剤で貼り付けた。その後、150℃で1時間の熱処理を行うことでシリコーン樹脂を加熱硬化させて透光ドーム部材を固定させた。フェルールの固定面に発光素子を温度200℃で超音波フリップチップにより実装した。
実施例1と同様に、フェルールの光ファイバ挿通孔にガラスファイバを挿入し、エポキシ樹脂からなるアンダーフィル材を硬化させた。さらに実施例1と同様に、回路基板上にフェルールを固定し、ボンディングワイヤによってフェルールの電極と回路基板のパッド電極とを導通接続し、ポッティングを行った。
(比較例1)
実施例1,2と同様に、発光素子に金スタッドバンプを形成した。シリコーン樹脂や透光ドームによりアノード配線電極及び素子部を覆うことなく、フェルールの固定面に発光素子を温度200℃で超音波フリップチップにより実装した。
実施例1,2と同様に、フェルールの光ファイバ挿通孔にガラスファイバを挿入し、エポキシ樹脂からなるアンダーフィル材を硬化させた。さらに実施例1,2と同様に、回路基板上にフェルールを固定し、ボンディングワイヤによってフェルールの電極と回路基板のパッド電極とを導通接続し、ポッティングを行った。
(2)信頼性試験
(ヒートサイクル試験)
作製した各種(実施例1,2、比較例1)の光電気複合モジュールに対して、−40℃から+85℃で500サイクルのヒートサイクル試験を実施し、その後、導通チェックを行い、アノード配線電極の断線状況を調査した。
(通電試験)
作製した各種(実施例1,2、比較例1)の光電気複合モジュールの発光素子であるVCSELチップに対して高温通電試験を実施し、発光素子の信頼性の比較を行った。通電条件は温度125℃、電流10mAとした。
(3)試験結果について
(ヒートサイクル試験)
発光素子のアノード配線電極及び素子部にエポキシ樹脂からなるアンダーフィル材を直接付着させた比較例1では、10個の試料中において7個に導通不良が発生し、分析の結果、この導通不良はアノード配線電極の断線であることが確認された。
これに対して、発光素子のアノード配線電極及び素子部をシリコーン樹脂で被覆した実施例1及び発光素子のアノード配線電極及び素子部を透光ドーム部材で覆った実施例2では、導通不良はそれぞれ0個であり、エポキシ樹脂からなるアンダーフィル材を発光素子のアノード配線電極及び素子部に直接触れないようにシリコーン樹脂または透光ドーム部材でカバーすることで、アノード配線電極の断線を完全に防ぐことができた。
(通電試験)
図6に示すように、発光素子のアノード配線電極及び素子部にエポキシ樹脂からなるアンダーフィル材を直接付着させた比較例1では、寿命は1500時間程度であった。
これに対して、発光素子のアノード配線電極及び素子部をシリコーン樹脂で被覆した実施例1及び発光素子のアノード配線電極及び素子部を透光ドーム部材で覆った実施例2では、4000時間程度の寿命が得られた。このような高温における通電試験条件での4000時間という寿命は、モジュール化しない単体VCSELチップの寿命とほぼ同等であり、VCSELの素子部にエポキシ樹脂からなるアンダーフィル材が直接触れないようにシリコーン樹脂または透光ドーム部材でカバーすることで、発光素子の信頼性の劣化を防ぐことができた。
上記の試験結果から、光電気複合モジュールにおいて、エポキシ樹脂からなるアンダーフィル材を発光素子のアノード配線電極及び素子部に直接触れないようにシリコーン樹脂または透光ドーム部材でカバーすることで、発光素子の素子部やアノード配線電極に加わる熱応力を大幅に低減し、発光素子のアノード配線電極及び素子部が応力フリーとなって発光素子及び電極の信頼性を維持することが可能となった。この技術を用いることにより、高品質で高信頼性のアクティブオプティカルケーブルならびに光配線部品の作製が可能になる。
11:光電気複合モジュール、12:フェルール(光配線部品)、12a:固定面、13:電極、15:ガラスファイバ(光導波路)、16:受発光素子(光デバイス)、17:素子部、18A:アノード電極、19:アノード配線電極、25:アンダーフィル材(エポキシ系樹脂)、27:シリコーン樹脂、41:透光ドーム部材、S:空間部

Claims (10)

  1. 光導波路の端部が配置された一端側の固定面に電極が設けられた光配線部品と、
    前記電極に導通接続されるアノード電極と、受光部または発光部を有する素子部と、前記アノード電極と前記素子部とを導通させるアノード配線電極とを有し、前記固定面に取り付けられた光デバイスと、を備えた光電気複合モジュールであって、
    前記固定面と前記光デバイスとの間で、前記アノード配線電極及び前記素子部がシリコーン樹脂により覆われていることを特徴とする光電気複合モジュール。
  2. 請求項1に記載の光電気複合モジュールであって、
    前記シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂であることを特徴とする光電気複合モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の光電気複合モジュールであって、
    前記シリコーン樹脂は、ゲル状シリコーン樹脂であることを特徴とする光電気複合モジュール。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の光電気複合モジュールであって、
    前記シリコーン樹脂は、硬度が50(JIS K6253 TypeA)以下であることを特徴とする光電気複合モジュール。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の光電気複合モジュールであって、
    前記固定面と前記光デバイスとの間には、前記アノード配線電極及び前記素子部がシリコーン樹脂により覆われている部分と、前記光導波路の端部がエポキシ系樹脂により覆われている部分とを有することを特徴とする光電気複合モジュール。
  6. 光導波路の端部が配置された一端側の固定面に電極が設けられた光配線部品と、
    前記電極に導通接続されるアノード電極と、受光部または発光部を有する素子部と、前記アノード電極と前記素子部とを導通させるアノード配線電極とを有し、前記固定面に取り付けられた光デバイスと、を備えた光電気複合モジュールであって、
    前記固定面と前記光デバイスとの間で、前記アノード配線電極及び前記素子部が、内側に空間部が設けられた透光ドーム部材により覆われていることを特徴とする光電気複合モジュール。
  7. 請求項6に記載の光電気複合モジュールであって、
    前記透光ドーム部材の厚さが30μm以下であることを特徴とする光電気複合モジュール。
  8. 光導波路の端部が配置される一端側の固定面に電極が設けられた光配線部品に対して、
    前記電極に導通接続されるアノード電極と、受光部または発光部を有する素子部と、前記アノード電極と前記素子部とを導通させるアノード配線電極とを有する光デバイスを、前記固定面に取り付ける光電気複合モジュールの製造方法であって、
    前記アノード配線電極及び前記素子部をシリコーン樹脂により覆う被覆工程を含むことを特徴とする光電気複合モジュールの製造方法。
  9. 請求項8に記載の光電気複合モジュールの製造方法であって、
    前記被覆工程は、前記光配線部品に前記光デバイスを取り付ける前に行われる工程であって、前記アノード配線電極及び前記素子部を覆うように前記シリコーン樹脂をポッティングした後、前記シリコーン樹脂を加熱硬化させる工程であることを特徴とする光電気複合モジュールの製造方法。
  10. 光導波路の端部が配置される一端側の固定面に電極が設けられた光配線部品に対して、
    前記電極に導通接続されるアノード電極と、受光部または発光部を有する素子部と、前記アノード電極と前記素子部とを導通させるアノード配線電極とを有する光デバイスを、前記固定面に取り付ける光電気複合モジュールの製造方法であって、
    前記光配線部品に前記光デバイスを取り付ける前に、前記アノード配線電極及び前記素子部を、内側に空間部が設けられた透光ドーム部材により覆い、その状態で前記透光ドーム部材を前記光デバイスに固定することを特徴とする光電気複合モジュールの製造方法。
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