JP3864510B2 - 傾斜式重力鋳造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳型と湯受けとが取り付けられた鋳造機フレームを回転させて湯受け内の溶解金属を鋳型に流し込む傾斜式重力鋳造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋳造方法としてはいわゆる傾斜式重力鋳造法がある。この方法は、図3に示すように、鋳型5に連結して固定された湯受け6にラドル4により溶解金属を移し替え、次いで、図4に示すように鋳型5を湯受け6とともに回転(傾斜)させて湯受け6内の溶解金属を鋳型のキャビティ部7に流し込むものである。この傾斜式重力鋳造法は複雑な鋳造方案部を必要とせず、回転(傾斜)する速度を制御することにより静かにかつ迅速に溶解金属を流し込むことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の傾斜式重力鋳造方法では、湯受け6から鋳型5のキャビティ部7に溶解金属を流し込んだ際に、図5に示すように湯受け6の内面に薄膜状に残った溶解金属が凝固する際に酸化し膜状の酸化物層8となる。この酸化物層8を残したまま次の鋳造を行うと酸化物層8が鋳造部品内に流れ込んで部品の品質を害するので、1回の鋳造ごとに酸化物層8をオペレータが手作業で除去するようにしているが、鋳造部品が凝固するまで除去しないで放置していると、鋳造部品と酸化物層8とが図中6aの部分でくっついてしまい容易に酸化物層8を除去することができなくなってしまう。したがって、オペレータは鋳造部品が固まる前にタイミングを図って酸化物層8を除去するようにしなければならなかった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、鋳造の際に湯受けの内部に残留する酸化物層と鋳造部品との分離を確実に行うことができる傾斜式重力鋳造装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶解金属が貯留される湯受けと当該溶解金属が流し込まれる鋳型とが取り付けられた鋳造機フレームを回転駆動して前記湯受け内に貯留された溶解金属を前記鋳型内に流し込む傾斜式重力鋳造装置であって、前記湯受けは前記鋳造機フレームに前記鋳型に対して近接及び離間可能とする進退手段を介して取り付けられ、前記鋳造機フレームを回転して前記湯受けから前記鋳型に溶解金属を流し込んだ後、所定時間が経過した後に前記進退手段を駆動して前記湯受けを前記鋳型に対して後退させ、前記鋳型内の未凝固溶解金属と前記湯受け内の凝固した酸化物層とを分離させ、前記湯受けの内面に残った薄膜状の溶解金属が凝固する直前又は凝固直後に前記湯受けを前記鋳型に対して後退させるようにしたことを特徴とする。
【0007】
本発明の他の傾斜式重力鋳造装置は、溶解金属が貯留される湯受けと当該溶解金属が流し込まれる鋳型とが取り付けられた鋳造機フレームを回転駆動して前記湯受け内に貯留された溶解金属を前記鋳型内に流し込む傾斜式重力鋳造装置であって、前記湯受けは前記鋳造機フレームに回転手段を介して取り付けられ、前記鋳造機フレームを回転して前記湯受けから前記鋳型に溶解金属を流し込んだ後、所定時間が経過した後に前記回転手段を駆動して前記湯受けを前記鋳型に対して回転させ、前記鋳型内の未凝固溶解金属と前記湯受け内の凝固した酸化物層とを分離させ、前記湯受けの内面に残った薄膜状の溶解金属が凝固する直前又は凝固直後に前記湯受けを前記鋳型に対して回転させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態にかかる傾斜式重力鋳造装置(以下鋳造装置という。)を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
本鋳造装置10は、図1に示すように、溶解金属が貯留される湯受け20と当該溶解金属が流し込まれる鋳型21とが鋳造機フレーム22に取り付けられて構成される。鋳造機フレーム22には軸部24が突出して形成され、この軸部24は床面に固定された基台フレーム(図示せず)に回転自在に支持されている。軸部24には、アーム部材(図示せず)が固定され、このアーム部材は揺動シリンダ(図示せず)のピストンロッドに連結されており、このピストンロッドを伸長又は退入させることにより、鋳造機フレーム22を軸部24を回転中心として回転(揺動)駆動できるようになっている。この回転(揺動)動作により、湯受け20内に貯留された溶解金属が鋳型21のキャビティ21a内に流し込まれるようになっている。
【0011】
また、鋳造機フレーム22にはシリンダ45(本発明の進退手段に相当する。)がブラケット45bを介して固定されている。シリンダ45のピストンロッド45aの先端は湯受け20の底部外面にジョイント部材50を介して連結され、シリンダ45の進退駆動により湯受け20を鋳型21に対して近接・離間させることができるようになっている。
【0012】
次に本実施の形態の鋳造装置10の作用について説明する。
【0013】
まず、溶解保持炉から溶融金属をラドル等により汲み出して湯受け20の近傍まで搬送し、ラドルから湯受け20に溶解金属を移し替える。
【0014】
次に、シリンダ45のピストンロッド45aを突出させる。これにより湯受け20は鋳型21の方向に前進させられ、湯受け20の先端部と鋳型21とが近接して係合する。
【0015】
次いで、揺動シリンダを駆動して鋳造機フレーム22を軸部24を中心として回転(揺動)させる。これにより、図1に示すように鋳型21と湯受け20とが一緒に回転(揺動)して、湯受け20内の溶解金属が鋳型21のキャビティ21a内に流れ込む。
【0016】
ここで、鋳造機フレーム22を回転して鋳型21に溶解金属を流し込んだ後、所定時間(本実施の形態では約15秒)が経過したら、シリンダ45のピストンロッド45aを退入させて湯受け20を鋳型21に対して後退させる。これにより、鋳型21中の鋳造部品と湯受け20の内面に形成された薄膜状の酸化物層とが強制的に引き離され、鋳造部品と酸化物層との分離が確実に行われる。ちなみに本実施の形態では鋳造部品の凝固が完了する時間は2分30秒であり、湯受け20の後退時には鋳造部品は完全には固まっていないので、両者の分離は極めて容易に行うことができる。
【0017】
また、湯受け20を後退させるタイミングは鋳型21に溶解金属を流し込んだ後、湯受け20の内面に残った薄膜状の溶解金属がほぼ凝固する時間が経過した後(凝固直前又は凝固後)に行うようにすることが好ましい。湯受け20の後退が早すぎると、湯受け20の内部に残留した溶融金属が固まっていないので、後退させる際に溶解金属が湯受け20から滴り落ちて鋳型21の縁部に酸化物層等の山ができてしまい、その後の鋳造動作に支障が出るからである。
【0018】
このように、オペレータは鋳造部品が固まる前にタイミングを図って酸化物層と鋳造部品とを切り離す作業をする必要がなくなる。
【0019】
なお、前記実施の形態では湯受け20をシリンダ45により後退させるようにして酸化物層と鋳造部品とを分離するようにしているが、図2(a)に示すように、鋳造機フレーム22に揺動フレーム51をピン52を中心として回転自在に取り付け、揺動フレーム51を回転させるモーター53(本発明の回転手段に相当する。)を取り付けるとともに、揺動フレーム51にシリンダ45を固定し、そのピストンロッド45aと湯受け20とをジョイント部材50を介して連結するようにしてもよい。
【0020】
このものでは図2(b)に示すようにモーター53の回転により湯受け20を反転させることにより湯受け20の内面に形成された酸化物層をゴミ箱54内に落下させて、廃棄することができる。酸化物層の分離と廃棄を自動的に行うことができるので、鋳造装置の自動化を容易に行うことができる。また、酸化物層の除去も確実に行うことができ、酸化物層が鋳造部品中に混入することを有効に防止することができる。なお、湯受け20の内面に向けてエアーを吹き付けるようにすれば酸化物層の分離を促進することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、鋳造の際に湯受けの内部に残留する酸化物層と鋳造部品との分離を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の鋳造装置を示す図である。
【図2】本発明の実施の他の形態の鋳造装置を示す図である。
【図3】従来の鋳造方法の他の例を示す図である。
【図4】図3の鋳造方法の鋳造状態を示す図である。
【図5】図3および図4に示す鋳造方法の問題点を示す図である。
【符号の説明】
10 鋳造装置
20 湯受け
21 鋳型
22 鋳造機フレーム
45 シリンダ
45a ピストンロッド
50 ジョイント部材
51 揺動フレーム
52 ピン
53 モーター(回転手段)
Claims (2)
- 溶解金属が貯留される湯受けと当該溶解金属が流し込まれる鋳型とが取り付けられた鋳造機フレームを回転駆動して前記湯受け内に貯留された溶解金属を前記鋳型内に流し込む傾斜式重力鋳造装置であって、
前記湯受けは前記鋳造機フレームに前記鋳型に対して近接及び離間可能とする進退手段を介して取り付けられ、前記鋳造機フレームを回転して前記湯受けから前記鋳型に溶解金属を流し込んだ後、所定時間が経過した後に前記進退手段を駆動して前記湯受けを前記鋳型に対して後退させ、前記鋳型内の未凝固溶解金属と前記湯受け内の凝固した酸化物層とを分離させ、前記湯受けの内面に残った薄膜状の溶解金属が凝固する直前又は凝固直後に前記湯受けを前記鋳型に対して後退させるようにしたことを特徴とする傾斜式重力鋳造装置。 - 溶解金属が貯留される湯受けと当該溶解金属が流し込まれる鋳型とが取り付けられた鋳造機フレームを回転駆動して前記湯受け内に貯留された溶解金属を前記鋳型内に流し込む傾斜式重力鋳造装置であって、
前記湯受けは前記鋳造機フレームに回転手段を介して取り付けられ、前記鋳造機フレームを回転して前記湯受けから前記鋳型に溶解金属を流し込んだ後、所定時間が経過した後に前記回転手段を駆動して前記湯受けを前記鋳型に対して回転させ、前記鋳型内の未凝固溶解金属と前記湯受け内の凝固した酸化物層とを分離させ、前記湯受けの内面に残った薄膜状の溶解金属が凝固する直前又は凝固直後に前記湯受けを前記鋳型に対して回転させるようにしたことを特徴とする傾斜式重力鋳造装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP23448197A Expired - Fee Related JP3864510B2 (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 傾斜式重力鋳造装置 |
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CN112935215B (zh) * | 2021-01-14 | 2022-05-31 | 杭州鈜顺科技有限公司 | 一种离心铸铝方法 |
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- 1997-08-29 JP JP23448197A patent/JP3864510B2/ja not_active Expired - Fee Related
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