JP3695079B2 - 傾斜式重力鋳造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳型と湯受けとが取り付けられた鋳造機フレームを回転させて湯受け内の溶融金属を鋳型に流し込む傾斜式重力鋳造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋳造方法としてはいわゆる傾斜式重力鋳造法がある。この方法は、図4に示すように、鋳型5に連結して固定された湯受け6にラドル4により溶解金属を移し替え、次いで、図5に示すように鋳型5を湯受け6とともに回転(傾斜)させて湯受け6内の溶解金属を鋳型のキャビティ部7に流し込むものである。この傾斜式重力鋳造法は複雑な鋳造方案部を必要とせず、回転(傾斜)する速度を制御することにより静かにかつ迅速に溶解金属を流し込むことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、傾斜式重力鋳造装置では、図6に示すように、湯受け6に移し替えられた溶解金属の上面は空気に接して酸化して薄い酸化物層が形成される。このまま鋳型に流し込むと当該酸化物層が鋳造部品中に流れ込み、その品質を害することになるので、オペレータは鋳型と湯受けとを回転(傾斜)する直前に手作業で溶解金属の表面の酸化物層を掻き取って除去するようにしていた。このような手作業による掻取り作業が必要とするため鋳造作業の自動化がし難いといった面があるとともに、手作業であるため酸化物層の除去が不完全になるおそれもあった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、湯受け内の表面に形成された酸化物層が鋳造部品に流れ込むことをほぼ完全に防止することができ、鋳造部品の品質の低下が防止でき、しかも自動化が行い易くなる傾斜式重力鋳造装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶解金属が貯留される湯受けと当該溶解金属が流し込まれる鋳型とが取り付けられた鋳造機フレームを回転駆動して前記湯受け内に貯留された溶解金属を流込口から前記鋳型内に流し込む傾斜式重力鋳造装置であって、前記鋳型の溶解金属の流し込まれる側には、前記湯受けの流込口に上方から嵌まり込むじゃま板が揺動自在に取り付けられたことを特徴とする。
【0006】
また、前記湯受けは前記鋳造機フレームに前記鋳型に対して近接及び離間可能とする進退手段を介して取り付けられ、前記鋳造機フレームを回転して鋳型に溶解金属を流し込んだ後、所定時間が経過した後に前記進退手段を駆動して前記湯受けを前記じゃま板との嵌合を解除するように鋳型に対して後退させるようにすることが好ましい。また、前記鋳型に溶解金属を流し込んだ後、湯受けの内面に残った薄膜状の溶解金属がほぼ凝固する時間が経過した後であって前記鋳型内の鋳造部品の凝固が完了する前に、前記湯受けを前記鋳型に対して後退させるようにすることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態にかかる傾斜式重力鋳造装置(以下鋳造装置という。)を添付図面に基づいて説明する。
【0008】
本鋳造装置10は、図2に示すように溶解金属が貯留される湯受け20と当該溶解金属が流し込まれる鋳型21とが鋳造機フレーム22に取り付けられて構成される。鋳造機フレーム22には軸部24が突出して形成され、この軸部24は床面に固定された基台フレーム(図示せず)に回転自在に支持されている。軸部24の端部にはアーム部材(図示せず)が固定され、アーム部材の先端には揺動シリンダ(図示せず)のピストンロッド(図示せず)が連結され、揺動シリンダのピストンロッドを伸長又は退入させることにより鋳造機フレーム22を軸部24を回転中心として回転(揺動)駆動できるようになっている。この回転(揺動)動作により、湯受け20内に貯留された溶解金属が鋳型21のキャビティ21a内に流し込まれるようになっている。
【0009】
鋳造機フレーム22にはシリンダ45(本発明の進退手段に相当する。)がブラケット45bを介して固定されており、そのピストンロッド45aは湯受け20の底部外側に取り付けられたジョイント部材50に連結されている。ピストンロッド45aの進退駆動により湯受け20を鋳型21に対して近接・離間できるようになっている。
【0010】
図1に示すように、前記鋳型21の溶解金属の流し込まれる側には、先端にリング部57aが形成された支持部材57が鋳型21の両脇に立設されている。各支持部材57のリング部57aには棒状部材59がリング部57a内に遊挿され、棒状部材59には、湯受け20内の溶解金属の表面の酸化物が鋳型21内に流れ込むことを阻止するための板状のじゃま板58が一体的に固定されている。このため、じゃま板58は、各リング部57aを中心として揺動でき、重力により鉛直方向に向かって垂下するようになっている。また、じゃま板58は湯受け20を鋳型21に近接させた際に湯受け20の流込口20aに上方から嵌まり込めるような幅寸法に設定されており、さらにじゃま板58の下縁と湯受け20の内面との間には若干の隙間が形成されるような寸法になっている。ちなみに、本実施の形態ではじゃま板58の下縁と湯受け20の内面との間には10mm程度の隙間が形成されるような寸法に設定されている。
【0011】
次に本実施の形態の鋳造装置10の作用について説明する。
【0012】
まず、溶解保持炉から溶融金属をラドル等により汲み出して湯受け20の近傍まで搬送し、ラドルから湯受け20に溶解金属を移し替える。
【0013】
次に、シリンダ45のピストンロッド45aを伸長させる。これにより湯受け20は鋳型21の方向に前進させられ、図1に示すように湯受け20の流込口20aと鋳型21との近接して係合するとともに、湯受け20の流込口20aとじゃま板58とが嵌合させられる。
【0014】
次いで、揺動シリンダを駆動して鋳造機フレーム22を軸部24を中心として回転(揺動)させる。これにより、図2のように鋳型21と湯受け20とが一緒に回転(揺動)して、湯受け20内の溶解金属が鋳型21のキャビティ21a内に流れ込む。
【0015】
鋳造機フレーム22を回転して鋳型21に溶解金属を流し込んだ後、所定時間(本実施の形態では約15秒)が経過したら、図3に示すように、シリンダ45のピストンロッド45aを退入させ湯受け20を鋳型21に対して後退させる。これは、溶解金属を流し込んだ後に放置すると、じゃま板58と湯受け20の流込口との間に酸化物層が入り込んで固まって湯受け20を取り外すことができなくなるからである。本実施の形態では湯受け20の後退により酸化物とじゃま板58とが切り離されるので、このようなことは防止できる。
【0016】
また、湯受け20を後退させるタイミングは、鋳型21に溶解金属を流し込んだ後、湯受け20の内面に残った薄膜状の溶解金属がほぼ凝固する時間が経過する直前に行うようにすることが好ましい。後退が早すぎると薄膜状の溶解金属が流れ出して鋳型21の縁部に酸化物層等の山ができてしまうからである。
【0017】
鋳造機フレーム22を回転させて溶解金属を鋳型21に流し込んだ後所定時間経過したら、シリンダ45のピストンロッド45aを退入させて湯受け20を鋳型21に対して後退させるようにしているので、後退の際に湯受け20の内部に残留する酸化物層と鋳造部品とが強制的に引き離され、両者は確実に分離される。ちなみに本実施の形態では鋳造部品の凝固が完了する時間は2分30秒であり、湯受け20の後退時には鋳造部品は固まっていないので分離は極めて容易である。
【0018】
このように湯受け20の先端部にじゃま板58が嵌合して配置されるので、図2に示すように溶解金属の表面に形成された酸化物層はじゃま板58によりせき止められて鋳型21内に流入することが阻止され、酸化物の生成されていない清浄な溶解金属がじゃま板58の下縁と湯受け20の内面との間に形成された隙間から鋳型21のキャビティ21a内に流入することになる。したがって、表面の酸化物層が鋳造部品に流れ込むことをほぼ完全に防止することができ、鋳造部品の品質の低下を防止することができる。
【0019】
さらに、湯受け20を取り付け鋳造機フレーム22を揺動させて溶解金属の流し込みを行う際に、自動的に酸化物層の流入を阻止する作用を果たすので、除去のタイミングを取る必要がなく、自動化が極めて行い易くなるといった利点もある。
【0020】
また、じゃま板58は支持部材57のリング部57aに揺動自在に支持されているので、鋳造機フレーム22を揺動させて、湯受け20内の溶解金属を注ぎ込む際にも鋳造機フレーム22の動きに追従して揺動するとともに、溶解金属の流れにも追従して揺動する。これにより、溶解金属を注ぎ込む際に溶解金属に波動が生じてもじゃま板58は波動に伴って揺動し酸化物が鋳型21内に流入することを防止することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の鋳造装置では、湯受け内の表面に形成された酸化物層が鋳造部品に流れ込むことをほぼ完全に防止することができ、鋳造部品の品質の低下が防止でき、しかも自動化が行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の鋳造装置の要部を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態の鋳造装置の鋳造装置を示す概略図である。
【図3】図2の鋳造装置の作動状態を示す概略図である。
【図4】従来の鋳造方法を示す図である。
【図5】図4の鋳造方法の鋳造状態を示す図である。
【図6】図4および図5に示す鋳造方法の問題点を示す図である。
【符号の説明】
10 鋳造装置
11 保持炉
20 湯受け
20a 流込口
21 鋳型
22 鋳造機フレーム
45 シリンダ(進退手段)
45a ピストンロッド
57 支持部材
57a リング部
58 じゃま板
59 棒状部材
Claims (3)
- 溶解金属が貯留される湯受けと当該溶解金属が流し込まれる鋳型とが取り付けられた鋳造機フレームを回転駆動して前記湯受け内に貯留された溶解金属を流込口から前記鋳型内に流し込む傾斜式重力鋳造装置であって、前記鋳型の溶解金属の流し込まれる側には、前記湯受けの流込口に上方から嵌まり込むじゃま板が揺動自在に取り付けられたことを特徴とする傾斜式重力鋳造装置。
- 前記湯受けは前記鋳造機フレームに前記鋳型に対して近接及び離間可能とする進退手段を介して取り付けられ、前記鋳造機フレームを回転して鋳型に溶解金属を流し込んだ後、所定時間が経過した後に前記進退手段を駆動して前記湯受けを前記じゃま板との嵌合を解除するように鋳型に対して後退させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の傾斜式重力鋳造装置。
- 前記鋳型に溶解金属を流し込んだ後、湯受けの内面に残った薄膜状の溶解金属がほぼ凝固する時間が経過した後であって前記鋳型内の鋳造部品の凝固が完了する前に、前記湯受けを前記鋳型に対して後退させるようにした請求項2記載の傾斜式重力鋳造装置。
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JP23448397A JP3695079B2 (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 傾斜式重力鋳造装置 |
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JP23448397A JP3695079B2 (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 傾斜式重力鋳造装置 |
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- 1997-08-29 JP JP23448397A patent/JP3695079B2/ja not_active Expired - Fee Related
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