JP3864319B2 - 重質石油原料の完全な接触水素化転換法 - Google Patents

重質石油原料の完全な接触水素化転換法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低沸点炭化水素液体生成物を製造するために、重質石油をベースとする原料の実質的に完全な転換を達成する接触二段式水素化転換法に関する。本発明は特に、すべての真空蒸留残留物を第一段階の反応器への消滅再循環を伴って、90〜100容量%の原料の水素化転換を提供する、高温の第一段階の沸騰床触媒反応器およびより低温の第二段階の沸騰床触媒反応器を使用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
重質石油原料のH−Oil(登録商標)接触水素化転換法のために、触媒の効果的な使用、劣悪な生成物の質および未反応残留物の処分が、潜在的な使用者に関心を持たれていた。真空蒸留残渣留分の反応器への再循環を伴う、一段式沸騰床触媒反応器中での石油残渣の接触水素化転換は良く知られており、以前にJohansonの米国特許第2,987,465 号およびAlpertらの米国特許第3,412,010 号に開示された。また、Chervenakらの米国特許第3,322,665 号は、精留塔残留物が、更に消滅反応を行うために反応器に再循環される、重質ガスオイルの接触処理法を開示している。Lehmanの米国特許第3,549,517 号は、真空蒸留の側留が反応器に再循環される一段式接触法を開示している。Kozlowskiらの米国特許第3,184,402 号は、中間分留および蒸留残渣留分の第一あるいは第二接触分解帯域のどちらかへの再循環を伴う二段式接触水素化分解法を開示している。Arey,Jr.らの米国特許第3,254,017 号は、第二段階の反応器内で細孔ゼオライト触媒を使用する、重油の二段式水素化分解法を開示している。Watkinsの米国特許第3,775,293 号は、ディーゼル燃料油より沸点の高い重油留分の、第二段階の固定床型反応器への再循環を伴う二段式接触脱硫法を開示している。Gendlerの米国特許第4,457,831 号は、真空蒸留残留物が、更に水素化転換反応を行うために第二段階の反応器に再循環される、二段式接触水素化転換法を開示している。また、Nongbriらの米国特許第4,576,710 号は、触媒再生を利用する、石油残渣原料の二段式接触脱硫法を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常約800°F(427℃)を超える温度で沸騰する石油残渣のような、重質高沸点炭化水素液体原料のより高い水素化転換率を達成し、所望の低沸点炭化水素液体生成物を製造するためには、更に方法の改良が必要である。本発明は、好都合にも潜在的使用者の関心を克服し、公知の先行技術による重質石油原料の水素化転換法を越えた、望ましい改良を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、重質石油、残油およびビチューメン原料の接触二段式沸騰床水素化転換法を提供する。本方法は本質的に、原料中のすべての高沸点残留物を、所望の高品質の低沸点炭化水素液体生成物に効果的に水素化転換する。本方法は特に、40〜100容量%の、沸点が975°F(524℃)を超える石油残渣、10〜50重量%のコンラドソン残留炭素分(CCR)および合計1000wppmまでの金属(V+Ni)を含有するこれらの原料に有用である。好ましい原料は75〜100容量%の、沸点が975°F(524℃)を超える残留物を15〜40重量%のCCRおよび合計100〜600wppmの金属(V+Ni)と共に含有する。このような原料は、アラスカ、アサバスカ、バチャケロ(Bachaquero)、コールドレイク、ロイドミンスター、オリノコおよびサウジアラビア産の重質粗原料、常圧蒸留残渣および真空残留物を含んでもよいが、限定されるものではない。
【0005】
本方法において、新鮮な原料は水素と共に、第一段階の触媒沸騰床型反応器に導入される。この反応器は本質的に、微粒子担持水素化転換触媒を使用する高温水素化転換反応器である。反応器は温度820〜875°F(438〜468℃)、水素分圧1500〜3500psigおよび原料容積/時間/反応器容積(Vf/hr/Vr)の空間速度0.30〜1.0の操作条件で維持される。触媒交換率は新鮮なオイル原料1バレル当たり触媒0.15〜0.90ポンドでなければならない。第一段階の反応器は新鮮な原料物質および再循環残留物の70〜95容量%を水素化転換し、低沸点炭化水素物質を生成する。
【0006】
第一段階の反応器の流出物質は相分離され、気体留分は回収され、生じた液体留分は追加的な水素と共に、微粒子高活性触媒を含有する第二段階の触媒沸騰床型反応器に送られ、第二段階の反応器は、その中に存在する未反応残留物を効果的に水素化するために、温度700〜800°F(371〜427℃)およびVf/hr/Vrの空間速度0.10〜0.80のより低温の条件で維持される。第二段階の反応器の触媒交換率は、第二段階に供給される原料1バレル当たり触媒0.15〜0.90ポンドでなければならず、第二段階は原料物質の10〜50容量%を低沸点炭化水素物質に水素化転換する。
【0007】
第二段階の反応器の流出物質は、気体/液体分離段階および蒸留段階に通され、そこから炭化水素液体生成物および真空蒸留残渣留分物質が除去される。少なくとも850°F(454℃)を超える温度、好ましくは900°F(482℃)を超える温度で沸騰する真空蒸留残留物は、更に水素化転換消滅反応を行うために、0.2〜1.5/1の新鮮な原料に対する体積比、好ましくは0.5〜1.0/1の再循環比で第一段階の触媒反応器の入口に再循環される。
【0008】
本石油水素化転換法に有用な微粒子触媒物質は、アルミナ、シリカおよびこれらの組合わせからなる群から選ばれる担体物質に担持されている、カドミウム、クロム、コバルト、鉄、モリブデン、ニッケル、スズ、タングステンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる活性金属を合計2〜25重量%含有していてもよい。また、同じ特性を有する触媒は、第一段階および第二段階の両方の反応器で使用されてもよい。
【0009】
微粒子触媒は通常、押出物あるいは球の形態であり、下記の実用的および好適な特性を有する:
【表1】
Figure 0003864319
【0010】
本方法において、一様態、二様態および三様態の細孔サイズ分布が実用的である。好ましい触媒は、アルミナ担体物質に担持されている、コバルト、モリブデンおよびニッケルの組合わせからなる活性金属を合計5〜20重量%含有する。
【0011】
このように本方法のために、重質石油原料は最初に第一段階の触媒高温反応器内で接触水素化転換され、残りの残渣留分は第二段階の触媒低温反応器内で接触水素化され、次いで真空蒸留された、沸点が850°F(454℃)を超える留分は、維持されたより高い温度で更に水素化分解反応を行うために、第一段階の反応器に再循環される。第一段階の反応器の液相流出物質は、より低い温度および空間速度条件で操作される第二段階の反応器に送られ、未反応の残留物は濃縮され、第二段階の反応器内で、気体速度に関係するどんな問題も最小限にされ、汚染物(H2 S,NH3 ,H2 O)の分圧は軽減される。第二段階の接触反応は、処理される残渣の水素/炭素比を増加させ、それによって芳香族性を減少させ、残渣の水素供与能力を増加させる。したがって、第一段階の反応器への再循環によって水素化された残渣は、新鮮な原料に水素を供与することができ、水素化された残渣はまた、より容易に望ましい低沸点留分に水素化転換され得る。この解決法は、高収率の望ましい炭化水素液体燃料生成物を製造するためにより選択的である。すなわち還元された炭化水素気体は、高転換率操作に寄与する。本接触水素化転換法はまた、より触媒作用の強い第二段階の水素化反応器内の水素分圧を最大限にするために、新鮮な水素を第二段階の反応器に選択的に供給し、かつ水素ガスを第一段階の反応器へ再循環することにより、更に改良され得る。
【0012】
また、望ましくは、第二段階の沸騰床反応器内の使用済み触媒は回収され、望ましくない微粉等を除去するために処理され、使用済み触媒が第一段階の反応器から回収され、廃棄される前に、更に使用するために第一段階の沸騰床反応器に導入される。新鮮な重質原料中の金属汚染物の存在および第一段階の反応のより熱的な状態のために、第一段階の反応器内で第二段階の使用済み触媒物質を使用することは適切かつ有益である。なぜなら高温の、主として熱型の反応器内で新鮮で活性の高い触媒を使用することは、実質的に改良された触媒活性をもたらさないからである。また、原料残渣留分を完全に消滅させることによって、通常未反応蒸留残渣留分物質に関係する、どんな処分の問題も除去される。
【0013】
本方法は有利には、原料のより完全な水素化転換および触媒の効果的な使用を達成するために、第一段階の反応器により高い反応温度およびより低い触媒活性を与え、第二段階の反応器により低い温度およびより高い触媒活性を与えることによって、反応条件の改良された調和および各段階の反応器に必要な触媒活性を備える。この二段式反応条件の組合わせは、意外にも有益であり、原料の高い水素化転換率を達成するために、実質的に一段式の解決法よりも反応器の容積を増加させることなく、重質石油原料の本質的に完全な水素化転換をもたらし、望ましい低沸点炭化水素液体生成物を生成する。
【0014】
この重質石油原料の接触二段式水素化転換法の他の利点は、反応器内で望ましくないコークス、沈降物あるいは他のそのような炭素質物質を生成することなく、選択された触媒反応条件を使用する、原料重質残渣留分の完全な破壊を含む。本方法はまた、使用済み触媒を、更に使用するために、第二段階の沸騰床反応器から第一段階の高温沸騰床反応器に落下させることによって、触媒の効果的な使用法を提供する。反応器の操作条件および反応器容積の最適な選択は、気体の生成および水素の消費を最小限にする。第二段階の反応器内で未反応残渣の効果的な水素化を達成した後、水素化された残留物の第一段階の反応器への再循環は、最小限の気体およびライトエンドの生成、および最小限の追加的な水素の消費を伴って、効果的な水素化転換をもたらす。第一段階の反応器の流出液留分は第二段階の反応器に送られ、液体残留物は第二段階の反応器内で濃縮され、不相溶性(既に除去されたライトエンド留分)および過度の気体速度に基づくどんな操作上の問題も最小限にされる。留出生成物(700〜975°F(371〜524℃))の質は、第二段階の反応器内での原料残渣留分の選択的水素化に基づく、典型的な高転換率の一段式H−Oil法の操作から得られる留出生成物の質よりも相対的に優れている。
【0015】
重油、残油あるいはビチューメン原料に含まれる残留物(沸点が975°F(524℃)を超える留分)の実質的に完全な水素化転換および破壊を達成し、かつ望ましい低沸点炭化水素液体生成物を製造するのに適合する、本発明の触媒二段式沸騰床反応過程および系について、より詳細に説明する。図1に示すように、コールドレイク産の真空残渣のような加圧された重質石油原料は(10)で供給され、(12)における水素と混合され、(13)における再循環され水素化された重質真空蒸留残留物と混合され、混合流(14)は、触媒沸騰床(18)を含む、第一段階の触媒沸騰床逆流反応器(16)内の流分配器(15)を通って上昇流で供給される。原料全体は、(10)における新鮮な炭化水素原料物質および(13)における再循環された真空蒸留残留物からなる。(13)における真空蒸留残留物の第一段階の反応器(16)への再循環率は、新鮮なオイル原料に対する真空蒸留残留物の再循環体積比が0.2〜1.5/1の範囲で、好ましくは0.50〜1.0/1の再循環比で、二段式触媒反応器内でこの残留物を完全に破壊あるいは消滅させるために選択される。
【0016】
第一段階の反応器(16)は、比較的高温の820〜875°F(438〜468℃)、水素分圧1500〜3500psigおよび原料容積/時間/反応器容積(Vf/hr/Vr)の液体毎時空間速度0.30〜1.0で維持されるので、反応器内の水素化分解反応は主として熱型である。その反応器内で達成される原料の水素化転換率は、通常約70〜95容量%の転換率が好ましいが、典型的には70〜95容量%である。好ましい第一段階の反応条件は、温度825〜850°F(441〜454℃)、水素分圧2000〜3000psigおよびVf/hr/Vrの空間速度0.40〜0.80である。第一段階の反応器(16)内の触媒床(18)は、逆流する気体および反応器の液体によって、設置された高さの30〜60%上に拡大され、反応器沸騰触媒床の操作を記述するのに必要な程度に、参考文献として組み入れられている米国特許第3,322,665 号に、より詳細に述べられているように沸騰する。
【0017】
第一段階の反応器(16)から塔頂排出流(19)は回収され、相分離器(20)へ送られる。液体流は下降導管(22)を通って分離器(20)から回収され、沸騰あるいは再循環ポンプ(25)によって導管(24)を通って反応器(16)へ再循環される。第一段階の反応器(16)に(17)で加えられる微粒子触媒物質は、好ましくは第二段階の反応器(30)から(36)で回収される使用済み押出触媒であり、(37)において微粉等を除去するために、所望の通りに、通常、帯域(38)において処理される。新鮮な補給触媒は(17a) で必要なだけ加えてもよく、消費された触媒は、触媒床(18)から接続部(17b) で回収される。
【0018】
相分離器(20)から(21)における気体物質は、下記に述べる気体精製部(42)へ送られる。同様に分離器(20)から、液体流(22)からの液体の一部(26)は、液体原料(沸点が700°F(371℃)を超える)物質を流分配器(27)を通って、第二段階の触媒沸騰床反応器(30)へ上昇流で供給する。
【0019】
好ましくは第一段階の反応器(16)より大きな容積を有し、かつ、より低い空間速度を与える第二段階の触媒反応器(30)内で、より少ない水素化転換およびより多い接触水素化型の反応が起こる。第二段階の反応器(30)は沸騰触媒床(28)を含み、温度700〜800°F(371〜427℃)、水素分圧1500〜3500psigおよびVf/hr/Vrの空間速度0.10〜0.80の条件で操作され、それによって反応器内で起こる残渣の水素化反応を最大限にする。好ましい第二段階の反応条件は、温度730〜780°F(388〜416℃)およびVf/hr/Vrの空間速度0.20〜0.60である。追加的な新鮮な水素は、(32)で第二段階の反応器(30)に供給され、それによって反応器内で高い水準の水素分圧が維持される。
【0020】
触媒床(28)は、逆流する気体および液体によって、設置された高さの30〜60%上に拡大される。反応器の液体は、下降導管(34)を通って内部相分離器(33)から再循環ポンプ(35)へ回収され、流分配器(27)を通って、沸騰床(28)に上昇流で再導入される。使用済み微粒子触媒は、(36)で第二段階の反応器の床(28)から回収され、新鮮な触媒は、所望の触媒体積および触媒活性を維持するために、(36a) で必要なだけ加えられる。この回収された使用済み触媒は、金属汚染物濃度が比較的低いが、処理装置(38)へ送られ、そこで洗浄され、(37)で望ましくない微粉を除去するために篩分けされ、(39)で回収された触媒は、第一段階の反応器の床(18)へ、接続部(17a) で必要なだけ加えられる新鮮な補給触媒と共に、(17)における使用済み触媒の追加分を供給する。
【0021】
沸騰床(18)(28)内の触媒粒子は通常、制御された上昇液体流および気体流の条件下、均一な床拡大に対して、比較的狭いサイズの範囲を有する。実用的な触媒のサイズの範囲は6〜60メッシュ(米国篩級数)であるのに対して、本触媒のサイズは、好ましくは有効直径が約0.020〜0.100インチのビーズ、押出物あるいは球を含む、8〜40メッシュサイズの粒子である。反応器内で、触媒粒子の密度、液体上昇流の速度および逆流水素ガスの上昇効果は、触媒床の所望の拡大および操作において重要な要素である。
【0022】
第二段階の反応器(30)から、排出流は(31)で回収され、相分離器(40)へ送られる。この分離器(40)から、水素含有気体流(41)は、CO2 ,H2 SおよびNH3 のような汚染物を(43)で除去するために、精製部(42)へ送られる。(44)における精製された水素は、各反応器(16)(30)へ、それぞれH2 流(12)(32)として所望に応じて再循環され、一方、新鮮な水素は(45)で必要なだけ加えられる。
【0023】
同様に分離器(40)から、液体留分(46)は回収され、(47)で0〜100psigに減圧され、分留装置(48)に導入される。気体生成物流は(49)で回収され、通常400〜850°F(204〜454℃)で沸騰する軽質炭化水素液体生成物は(50)で回収される。蒸留残渣の、沸点が850°F(454℃)を超える留分は(52)で回収され、加熱器(53)で再加熱され、真空蒸留段階(54)に送られる。真空ガスオイル液体生成物は塔頂(55)で回収される。真空蒸留残渣流(56)は、第二段階の触媒反応器(30)で水素化されてきたが、(17)で供給される活性の低い触媒を用いて優先的に熱水素化分解反応を行うために、第一段階の触媒反応器(16)に完全に再循環される。新鮮な原料(10)に対する真空蒸留残渣流(56)の再循環体積比は、0.2〜1.5/1、好ましくは0.50〜1.0/1である。この二段式接触水素化転換法を使用することによって、各段階の反応器における熱反応および触媒活性が効果的に調和され、したがって、その方法から生成する純粋な、沸点が975°F(524℃)を超える炭化水素物質が本質的に存在しないことが指摘される。
【0024】
発明の実施の形態
本発明の方法は、下記の実施例によって更に良く説明される。本実施例は単に本発明を例証するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0025】
[実施例1]
コールドレイク産の真空残渣のような典型的な重質真空残渣原料は、本発明の真空蒸留残渣再循環装置によって、接触二段式水素化転換法を用いて処理される。このコールドレイク産の真空残渣原料は、90容量%の、沸点が975°F(524℃)を超える物質、5.1重量%の硫黄、19重量%のCCRおよび350wppmの金属(V+Ni)を、更に水素化転換反応および消滅再循環を行うために、二反応器系の第一段階の触媒反応器へ再循環される、通常975°F(524℃)を超える温度で沸騰する真空蒸留残渣留分と共に含有する。使用される反応条件および全転換の結果を下記の表1にまとめた。
【0026】
【表2】
Figure 0003864319
【0027】
表1からわかるように、二段式反応器について、選択された操作条件を使用し、かつ触媒活性を調和させることによって、真空蒸留残渣留分を第一段階の反応器へ再循環させることにより得られる原料の全水素化転換率は、高い割合の原料の脱金属および脱硫を伴って99.6容量%である。比較し得る改良は、わずか0.4容量%の、沸点が975°F(524℃)を超える物質の全収率を伴って、留出生成物収率についても証明される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従って、低沸点液体および気体を製造するための、重質石油原料を処理する接触二段式水素化転換法の概略フローシートである。
【符号の説明】
(15)(27):流分配器
(16):第一段階の反応器
(18)(28):触媒沸騰床
(20)(40):相分離器
(22)(34):下降導管
(25)(35):再循環ポンプ
(30):第二段階の反応器
(33):内部相分離器
(38):処理装置
(42):気体精製部
(48):分留装置
(53):加熱器
(54):真空蒸留段階

Claims (14)

  1. 原料の高い水素化転換率を与え、低沸点の炭化水素液体および気体を製造する、重質石油をベースとする原料の接触二段式水素化転換法であって、
    (a)通常975°F(524℃)を超える温度で沸騰する物質を少なくとも40容量%含有する重質炭化水素液体原料を水素と共に、微粒子触媒床を含む第一段階の触媒沸騰床反応器に供給し、触媒が、アルミナ、シリカおよびこれらの組合わせからなる群から選ばれる担体物質に担持されている、カドミウム、クロム、コバルト、鉄、モリブデン、ニッケル、スズ、タングステンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる活性金属酸化物を合計2〜25重量%含有し、原料を部分的に水素化転換し、かつ気体および液体留分を含有する流出物質を製造するために、反応器が、温度820〜875°F(438〜468℃)、水素分圧1500〜3500psigおよび原料容積/時間/反応器容積(Vf/hr/Vr)の総空間速度0.30〜1.0で維持され、かつ触媒交換率が新鮮な原料1バレル当たり触媒0.15〜0.90ポンドであり、
    (b)部分的に水素化転換された流出物質を相分離し、気体留分を回収し、液体留分を第二段階の触媒沸騰床反応器に送り、同反応器に新鮮な水素を供給し、触媒が、アルミナ、シリカおよびこれらの組合わせからなる群から選ばれる担体物質に担持されている、カドミウム、クロム、コバルト、鉄、モリブデン、ニッケル、スズ、タングステンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる活性金属酸化物を合計2〜25重量%含有し、炭化水素気体および低沸点液体留分を製造するために、接触水素化反応を最大限にし、かつ液体留分をさらに水素化転換するために、反応器が、温度700〜800°F(371〜427℃)、水素分圧1500〜3500psigおよび原料容積/時間/反応器容積(Vf/hr/Vr)の空間速度0.10〜0.80で維持され、かつ触媒交換率が原料1バレル当たり触媒0.15〜0.90ポンドであり、
    (c)炭化水素気体および液体留分を第二段階の反応器から除去し、炭化水素気体を液体留分から分離し、かつ液体留分を回収し、
    (d)400〜850°F(204〜454℃)の範囲の通常の沸点を有する中間沸点炭化水素液体生成物および約850°F(454℃)を超える通常の沸点を有する真空蒸留残留物を製造するために、液体留分を蒸留し、および、
    (e)原料中の、沸点が975°F(524℃)を超える留分の低沸点炭化水素物質への少なくとも約75容量%の転換を達成し、かつ中間沸点炭化水素液体生成物の収率を増加させるために、新鮮な原料に対する真空蒸留残留物の再循環体積比0.2〜1.5/1を与えるように、真空蒸留残留物を第一段階の触媒沸騰床反応器に直接再循環することからなる方法。
  2. 第一段階の反応条件が、温度825〜850°F(441〜454℃)、水素分圧2000〜3000psigおよびVf/hr/Vrの空間速度0.40〜0.80である、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  3. 第二段階の反応条件が、温度730〜780°F(388〜416℃)、水素分圧2000〜3000psigおよびVf/hr/Vrの空間速度0.20〜0.60である、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  4. 再循環真空蒸留残留物が、約900°F(482℃)を超える通常の沸点を有する、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  5. 第一段階の反応器に供給される新鮮な原料に対する、第一段階の反応器に再循環される真空蒸留残留物の体積比が約0.5〜1.0/1である、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  6. 第一段階および第二段階の反応器で使用される触媒が、活性金属を合計5〜20重量%含有し、0.30〜1.50cc/gの総細孔容積、100〜400m2 /gの総表面積および少なくとも50オングストローム単位の平均細孔直径を有する、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  7. 第一段階および第二段階の反応器で使用される触媒が、0.50〜1.20cc/gの総細孔容積、150〜350m2 /gの総表面積および100〜250オングストローム単位の平均細孔直径を有する、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  8. 第二段階の触媒反応器で使用される触媒がアルミナ担体物質上にコバルト−モリブデンを5〜20重量%含有する、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  9. 第二段階の触媒反応器で使用される触媒がアルミナ担体物質上にニッケル−モリブデンを5〜20重量%含有する、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  10. 使用済み触媒が第二段階の触媒反応器から回収され、第一段階の触媒反応器に触媒追加分として送られ、触媒交換率が、第一段階の反応器に供給される新鮮な原料1バレル当たり触媒0.20〜0.80ポンドである、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  11. 原料が、通常975°F(524℃)を超える温度で沸騰する物質を75〜100容量%有し、10〜50重量%のコンラドソン残留炭素分(CCR)および合計1000wppmまでの金属を含有する石油残留物である、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  12. 原料がタールサンドに由来するビチューメンである、特許請求の範囲第1項記載の水素化転換法。
  13. 原料が15〜40重量%のコンラドソン残留炭素分(CCR)および合計100〜600wppmの金属(V+Ni)を含有する、特許請求の範囲第9項記載の水素化転換法。
  14. 原料の高い水素化転換率を与え、低沸点の炭化水素液体および気体の収率を増加させる、重質石油原料の接触二段式水素化転換法であって、
    (a)975°F(524℃)を超える温度で沸騰する物質を40〜90容量%有し、15〜40重量%のコンラドソン残留炭素分(CCR)および合計100〜600wppmの金属(V+Ni)を含有する石油残渣原料を水素と共に、微粒子触媒の沸騰床を含む第一段階の触媒反応器に供給し、触媒が、アルミナ、シリカおよびこれらの組合わせからなる群から選ばれる担体物質に担持されている、カドミウム、クロム、コバルト、鉄、モリブデン、ニッケル、スズ、タングステンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる活性金属酸化物を合計5〜20重量%含有し、触媒が0.30〜1.50cc/gの総細孔容積および100〜400m2 /gの表面積を有し、原料を部分的に水素化転換し、かつ気体および液体留分を含有する流出物質を製造するために、反応器が、温度825〜850°F(441〜454℃)、水素分圧2000〜3000psigおよび原料容積/時間/反応器容積(Vf/hr/Vr)の総空間速度0.40〜0.80で維持され、
    (b)部分的に水素化転換された流出物質を相分離し、気体留分を回収し、液体留分を、第二段階の触媒沸騰床反応器に送り、同反応器に新鮮な水素を供給し、触媒が、アルミナ、シリカおよびこれらの組合わせからなる群から選ばれる担体物質に担持されている、カドミウム、クロム、コバルト、鉄、モリブデン、ニッケル、スズ、タングステンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる活性金属酸化物を合計5〜20重量%含有し、触媒が0.30〜1.50cc/gの総細孔容積、100〜400m2 /gの表面積を有し、炭化水素気体および低沸点液体留分を製造するために、接触水素化反応を最大限にし、かつ液体物質をさらに水素化転換するために、反応器が、温度730〜780°F(388〜416℃)、水素分圧2000〜3000psigおよびVf/hr/Vrの総空間速度0.20〜0.60で維持され、かつ触媒交換率が原料1バレル当たり新鮮な触媒0.15〜0.90ポンドであり、
    (c)炭化水素気体および液体留分を第二段階の反応器から除去し、炭化水素気体を液体留分から分離し、液体留分を回収し、
    (d)液体留分を蒸留して、400〜900°F(204〜482℃)の範囲の通常の沸点を有する中間沸点炭化水素液体生成物および約900°F(482℃)を超える通常の沸点を有する真空蒸留残留物を製造し、および、
    (e)新鮮な原料に対する再循環された真空蒸留残留物の再循環体積比約0.5〜1.0/1を与えるように、真空蒸留残留物を第一段階の触媒沸騰床反応器に直接再循環し、沸点が975°F(524℃)を超える留分の低沸点炭化水素物質への実質的に完全な全転換を達成し、かつ中間沸点炭化水素液体生成物の収率を増加させるために、第二段階の触媒反応器から使用済み触媒を回収し、使用済み触媒を第一段階の触媒反応器に、原料1バレル当たり触媒0.15〜0.90ポンドの触媒交換率で、触媒追加分として送ることからなる方法。
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