JP3863725B2 - 4サイクルohcエンジンにおける潤滑構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン本体の上部に両端部が固定的に支持される支軸で回転自在に支承される動弁カムを有して吸気弁および排気弁に連動、連結される動弁装置が、前記エンジン本体に結合されるヘッドカバーおよびエンジン本体間に形成される動弁室に収容され、前記動弁カムと一体に形成された被動輪を有してクランクシャフトおよび前記動弁装置間に設けられる調時伝動手段が、上部を前記動弁室に通じさせてエンジン本体に設けられる収容通路に収容され、動弁室には潤滑用のオイルが供給される4サイクルOHCエンジンに関し、特に、動弁カムおよび被動輪と、支軸との間の潤滑構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる4サイクルOHCエンジンは、たとえば特開平8−177416号公報等で既に知られており、動弁カムおよび被動輪と、支軸との間を潤滑するにあたっては、エンジン本体および支軸に、鋳抜きまたは穿孔加工により設けられたオイル通路にオイルポンプでオイルを圧送する強制潤滑方式、ならびに動弁室内に飛散、充満しているオイルをエンジン本体の壁に形成した溝等で動弁カムおよび被動輪と支軸との間に導くようにした飛沫潤滑方式のいずれかを採用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンの出力を高めるために高回転化を図ったときには、動弁カムおよび被動輪の高回転化による発熱を抑えるために、動弁カムおよび被動輪と、支軸との間の潤滑部により多くのオイルを供給する必要がある。この際、上記強制潤滑方式を採用すると、オイルポンプの吐出量を増やすことで対処可能であるが、オイル通路形成のためにエンジン本体および支軸に加工を施す必要があるので加工工数が増加し、しかもオイルポンプの容量増大等でコストの増大が避けられない。
【0004】
一方、上記飛沫潤滑方式を採用すると、部品点数を少なくするとともに加工工数を少なくしてコストの増大を抑えることができるのであるが、動弁カムおよび被動輪の高回転化による発熱を抑えるのに充分な量のオイルを、動弁カムおよび被動輪と、支軸との間の潤滑部に供給することが難しい。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、低コストである飛沫潤滑方式を採用しつつ、動弁カムおよび被動輪と、支軸との間の潤滑部に充分な量のオイルを供給可能とした4サイクルOHCエンジンにおける潤滑構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、エンジン本体の上部に両端部が固定的に支持される支軸ならびに該支軸で回転自在に支承される動弁カムを有して吸気弁および排気弁に連動、連結される動弁装置が、前記エンジン本体に結合されるヘッドカバーおよびエンジン本体間に形成される動弁室に収容され、前記動弁カムと一体に形成された被動輪を有してクランクシャフトおよび前記動弁装置間に設けられる調時伝動手段が、上部を前記動弁室に通じさせてエンジン本体に設けられる収容通路に収容され、動弁室には潤滑用のオイルが供給される4サイクルOHCエンジンにおいて、前記エンジン本体の上部および前記支軸の一端間には、上端部を動弁室内の底部で上方に開口するとともに下端を閉じたオイル取入れ通路が設けられ、支軸の下部外面には、前記オイル取入れ通路に一端を連通させるオイル通路を前記動弁カムおよび被動輪との間に形成する平坦面が設けられ、前記オイル通路の他端が、下方に向けて開放して前記収容通路に連通されることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、動弁室内に飛散、充満しているオイルは動弁室内を降下し、自然落下によってオイル取入れ通路に導入されるようにした飛沫潤滑方式を採用した上で、支軸の下部外面と、動弁カムおよび被動輪との間に形成されているオイル通路の一端にオイル取入れ通路からオイルが導入されるようにし、さらにオイル通路の他端から収容通路側にオイルを流通させてエンジン本体の下部に戻すことができる。しかもオイル通路は、支軸の下部外面に平坦面が設けられることによって形成されるものであり、支軸に施される加工を容易なものとして加工費用の増大を抑えつつ、オイル取入れ通路およびオイル通路の流通面積を比較的大きく設定することにより、動弁カムおよび被動輪と、支軸との間の潤滑部に充分な量のオイルを供給することで高回転化による発熱を抑えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図14は本発明の一実施例を示すものであり、図1は携帯用エンジン発電機の側面図、図2は図1の2−2線矢視図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図4の5−5線断面図、図6は図3と同一方向から見たエンジンの縦断面図、図7は図6の7−7線断面図、図8は図6の8−8線拡大断面図、図9は図6の要部拡大図、図10は図6の10矢視拡大図、図11は図6の11−11線断面図、図12は図7の12−12線拡大断面図、図13は図7の13−13線拡大断面図、図14は横倒し状態にあるエンジン本体の姿勢を90度ずつ変化させたときの図10に対応した断面図である。
【0010】
先ず図1〜図4において、携帯用エンジン作業機である携帯用エンジン発電機の外郭を構成する合成樹脂製のケース11は、左サイドカバー12、右サイドカバー13、フロントカバー14、リヤカバー15およびアンダーカバー16を相互に結合して構成される。左および右サイドカバー12,13の上部には、エンジン発電機を持ち運ぶためのキャリングハンドル17が設けられ、該キャリングハンドル17の内部には、図4で示すように、放射状の補強用リブ17a…が形成される。
【0011】
左サイドカバー12には点火プラグ交換用リッド12aが開閉可能に設けられ、右サイドカバー13にはメンテナンス用リッド13aが開閉可能に設けられる。フロントカバー14には制御パネル18が設けられ、エンジンEならびに該エンジンEで駆動される発電機Gの作動を制御する制御ユニット19が制御パネル18の内面側に設けられ、さらに制御ユニット19の背後には発電機Gの出力周波数を制御するインバータユニット20が配設される。またフロントカバー14には、制御パネル18の上方に位置する冷却風導入口14aと、制御パネル18の下方に位置する冷却風導入口14bとが設けられるとともに、冷却風導入口14bに連なるガイド部14cが設けられる。リヤカバー15にはエンジンEからの排気ガスを排出するための排気ガス排出口15aと、冷却風をケース11から排出する冷却風排出口15b…とが設けられる。さらにアンダーカバー16には、エンジン発電機を設置する際に地面や床面に当接する4個のゴム製の支持脚21,21…が設けられる。
【0012】
図5を併せて参照して、ケース11の前部内には、FRP製の左および右補強フレーム26,27が配設される。左サイドカバー12の内面に沿って上方に立上がるとともに上部では左右方向内側に延びるようにして逆L字状に形成される左補強フレーム26の下端部はボルト28によってアンダーカバー16に締結される。また右サイドカバー13の内面に沿って上方に立上がるとともに上部では左右方向内側に延びるようにして逆L字状に形成される右補強フレーム27の下端部はボルト29によってアンダーカバー16に締結される。左、右両補強フレーム26,27の上端には、相互に当接するようにして上向きに折曲がる取付け部26a,27aが一体に設けられる。両取付け部26a,27aを相互に当接させた左、右両補強フレーム26,27は全体として門型をなしており、キャリングハンドル17の前部で左、右サイドカバー12,13に挟まれた両取付け部26a,27aが、ボルト30aおよびナット30bにより左、右サイドカバー12,13に共締めされる。
【0013】
左、右サイドカバー12,13およびフロントカバー14の上部が合わさる部分にはゴム製のシール部材31が装着される。またインバータユニット20の上方であってエンジンEの前側側方には燃料タンク32が配置されており、この燃料タンク32が上部に備える給油口32aがシール部材31を貫通してケース11の上方に突出され、給油口32aは着脱可能なキャップ33で閉塞される。
【0014】
この燃料タンク32の左、右両側面には突起32b,32cが突設されており、これらの突起32b,32cが左、右補強フレーム26,27に設けられている燃料タンク支持部26b,27bに緩く嵌合することで、燃料タンク32が振れないようにして両左、右補強フレーム26,27に位置決め支持される。
【0015】
図6および図7を併せて参照して、4サイクルの単気筒OHCエンジンであるエンジンEのエンジン本体41は、オイル42を貯溜するクランク室43を形成するとともに発電機Gの使用状態ではほぼ水平な軸線を有するクランクシャフト44を支承するクランクケース45と、発電機Gの使用状態では軸線がほぼ鉛直となるシリンダボア46を有するシリンダバレル47と、シリンダボア46に摺動自在に嵌合されるピストン48の頂部との間に燃焼室49を画成するシリンダヘッド50とを備える。
【0016】
クランクケース45は、クランクシャフト44の軸線と斜めに交差する分割面51で相互に分割可能な第1および第2ケース半体52,53が、複数のボルト54…で相互に締結されて成るものであり、第1ケース半体52と、前記シリンダバレル47およびシリンダヘッド50とは、鋳造により一体に形成されてエンジンブロック55を構成する。
【0017】
ピストン48はコンロッド56を介してクランクシャフト44のクランクピン44aに連結されており、このコンロッド56の大端部には、クランク室43内のオイル42を飛散させるオイルディッパ58が一体に形成される。
【0018】
クランクシャフト44の一端は、第1ケース半体52との間にボールベアリング59および環状のシール部材60を介在させてクランクケース45から外部に突出されるものであり、クランクケース45外でクランクシャフト44の一端には、冷却ファン61を一体に有するフライホィール62が固着される。
【0019】
またクランクシャフト44の他端部は、第2ケース半体53にボールベアリング63を介して支承され、クランクシャフト44の他端部および第2ケース半体53間には環状のシール部材64が介装される。
【0020】
発電機Gは、クランクケース45から前方に突出するクランクシャフト44の一端に片持ち状に設けられるアウタロータ型のものであり、コイル65を有してクランクケース45の前面に固定されるステータ66と、フライホィール62ならびに該フライホィール62の内面に固定される複数の永久磁石67で構成されるロータ68とを備える。
【0021】
シリンダヘッド50には、燃焼室49に通じ得る吸気ポート70および排気ポート71が設けられており、エアクリーナ72および気化器73を含む吸気系74が吸気ポート70に連なるようにしてシリンダヘッド50に支持される。この吸気系74はシリンダヘッド50の右側に配置されており、シリンダヘッド50の左側には、排気ポート71に接続される排気管75と、排気管75の下流端に接続される排気マフラー76とを含む排気系77が配置される。而して排気マフラー76が備える排気口76aはリヤカバー15の排気ガス排出口15aに臨んで配置される。
【0022】
燃料タンク32は、燃料取出口32dを下部に有するものであり、この燃料取出口32dからの燃料を該燃料取出口32dよりも上方に位置する気化器73に送給するための燃料ポンプ78が、右補強フレーム27の上部内面に支持される。また右補強フレーム27の下部外面には、燃料コック79と、エンジンスイッチ80とが支持されており、燃料コック79は燃料導管81を介して燃料タンク32の燃料取出口32dに接続されるとともに燃料導管82を介して燃料ポンプ78の吸入口78aに接続されており、燃料コック79を開閉する操作ノブ79aは右サイドカバー13を貫通して外部に露出する。
【0023】
燃料ポンプ78は、エンジン本体41のクランク室43内で生じる圧力脈動に応じてポンピング作動するダイヤフラム式のものであり、燃料ポンプ78の吐出口78bは燃料導管83を介して吸気系74の気化器73に接続され、クランク室43内で生じる圧力脈動は圧力導管84を介して燃料ポンプ78に伝達される。
【0024】
エンジンEは、合成樹脂製の左、右シュラウド半体86,87が結合されて成るシュラウド85で覆われており、左シュラウド半体86はボルト88,88でエンジン本体41のクランクケース45およびシリンダバレル47の左側面に締結され、右シュラウド半体87はボルト89,89で前記クランクケース45およびシリンダバレル47の右側面に締結される。
【0025】
シュラウド85は、その前面および後面を開口するように形成されており、シュラウド85の後面開口部に排気マフラー76が配置され、またシュラウド85の前面開口部には、発電機Gおよび冷却ファン61を覆うアルミダイキャスト製のファンカバー90が嵌合される。該ファンカバー90の上部はエンジン本体41のシリンダヘッド50にボルト91で締結され、ファンカバー90の下部はボルト92,92でエンジン本体41のクランクケース45に締結される。
【0026】
ファンカバー90の中央開口部には、複数のボルト93…によりリコイルスタータ94のリコイルスタータカバー95が固定される。このリコイルスタータ94は、リコイルスタータカバー95と、リコイルスタータカバー95に回転自在に支承されるリール96と、このリール96に一端側が巻付けられるとともに他端側が右補強フレーム27および右サイドカバー13を貫通するケーブル97と、ケーブル97の他端に設けられる操作ノブ98と、冷却ファン61と一体の被動部材61aに係合可能としてリール96に設けられる駆動部材99とを備える。
【0027】
リコイルスタータカバー95には冷却風導入口95a…が形成されており、またリコイルスタータカバー95の下端およびシュラウド85の下部間にも冷却風導入口100が形成される。
【0028】
操作ノブ98でケーブル97を牽引してリール96を回転させると、図示しないカム機構で作動した駆動部材99が被動部材61aに係合して冷却ファン61を回転させ、冷却ファン61にフライホィール62を介して連なるクランクシャフト44をクランキングしてエンジンEを始動することがきる。また操作ノブ98を放すと、駆動部材99が被動部材61aから離脱し、リール96は図示しない戻しばねのばね力によりケーブル97を巻取りながら原位置に復帰する。
【0029】
エンジン本体41におけるクランクケース45の後下部には取付けブラケット101が固定され、この取付けブラケット101は、ケース11のアンダーカバー16の後部上面に設けられた取付けリブ16aに弾性支持される。またファンカバー90の下部には取付けブラケット90aが一体に形成されており、この取付けブラケット90aは、ケース11のアンダーカバー16の前部上面に設けられた取付けリブ16bに弾性支持される。
【0030】
図8を併せて参照して、発電機Gの使用状態でクランクシャフト44の下方となる位置でクランクケース45の第2ケース半体53には、調速用遠心ガバナ102が取付けられる。この遠心ガバナ102は、第2ケース半体53の内面に固定された支持軸103で回転自在に支持される回転盤104と、支持軸103に摺動自在に嵌合する筒状のスライダ105と、該スライダ105を挟んで回転盤104に揺動自在に支持される一対の振り子式遠心重錘106…とで構成され、各遠心重錘106…には、それらの遠心重錘106…が遠心力により回転盤104の半径方向外方に揺動するときに前記スライダ105を一方向に摺動させる作動腕106aがそれぞれ設けられる。
【0031】
回転盤104の外周には、被動ギヤ107およびオイル飛散羽根108が一体に形成されており、被動ギヤ107は、クランクシャフト44に固定される駆動ギヤ109に噛合される。しかも前記支持軸103は、前記回転盤104の外周の前記オイル飛散羽根108をクランク室43内のオイル42中に浸漬する位置で、第2ケース半体53に設けられる。
【0032】
このような調速用遠心ガバナ102では、クランクシャフト44の回転に伴って回転盤104が回転するのに応じて、スライダ105が支持軸103の軸方向一方に摺動し、そのスライダ105の摺動作動が図示しないリンクを介して気化器38のスロットル弁(図示せず)に伝達され、それによりエンジン回転数が設定回転数に制御される。
【0033】
シリンダヘッド50には、吸気ポート70の燃焼室49への連通・遮断を制御する吸気弁110と、燃焼室49の排気ポート71への連通・遮断を制御する排気弁111とが開閉作動可能に配設されるとともに、燃焼室49に臨む点火プラグ112が取付けられる。
【0034】
図9を併せて参照して、前記吸気弁110および排気弁111は動弁装置113で開閉駆動されるものであり、該動弁装置113は、シリンダヘッド50と、該シリンダヘッド50に複数のボルト114…で締結されるヘッドカバー115との間に形成される動弁室116に収納される。
【0035】
ヘッドカバー115は、シュラウド85およびファンカバー90の上部間に形成される開口部117から上方に突出する。ヘッドカバー115の前部には、シリンダヘッド50の前部との間に導風路118を形成する導風板119が一体に設けられており、点火プラグ112をシリンダヘッド50に着脱するためのガイド部材120が導風板119に装着され、このガイド部材120の上端開口は着脱自在なキャップ121で閉塞される。またファンカバー90の上部には点火プラグ112に近接して点火コイル122が取付けられる。
【0036】
ヘッドカバー115には板状の支持部115aが突設されており、この支持部115aは、左、右サイドカバー12,13に弾性支持される。
【0037】
動弁室116に収納される動弁装置113は、吸気弁110および排気弁111にそれぞれ連動、連結されるとともにヘッドカバー115で揺動可能に支承される吸気側および排気側ロッカアーム124,125と、それらのロッカアーム124,125を摺接させるようにしてシリンダヘッド50で回転自在に支承される動弁カム126とを備える。
【0038】
動弁装置113の動弁カム126およびクランクシャフト44間には、クランクシャフト44の回転動力を1/2に減速して前記動弁カム126に伝達する調時伝動手段127が設けられ、この調時伝動手段127は、動弁室116およびクランク室43間を結んでエンジン本体41のシリンダバレル47およびシリンダヘッド50に設けられた収容通路128に収容される。
【0039】
調時伝動手段127は、クランクシャフト44に固定される駆動タイミングプーリ129と、シリンダヘッド50で固定的に支持された支軸130で回転自在に支承される被動輪としての被動タイミングプーリ131と、駆動タイミングプーリ129および被動タイミングプーリ131に巻掛けられる無端状のタイミングベルト132とを備え、被動タイミングプーリ131は動弁装置113の動弁カム126と一体に形成される。
【0040】
ところで、調時伝動手段127は、そのタイミングベルト132にオイルを付着、同伴させることでクランク室43内のオイル42を動弁室116に供給し得るものであり、クランクケース45の第2ケース半体53には、遠心ガバナ102のオイル飛散羽根108ではね上げられたオイル42を調時伝動手段127の下部側に案内すべく調時伝動手段127の下方で遠心ガバナ102の側方を覆うように彎曲したガイド壁133と、該ガイド壁133に衝突して飛散したオイルをタイミングベルト123側に案内するようにして調時伝動手段127の下部でタイミングベルト123に対応するガイド壁134とが設けられる。
【0041】
而して、タイミングベルト132に付着したオイルは、タイミングベルト132の被動タイミングプーリ131への巻掛け部において慣性力および遠心力が作用することによりタイミングベルト132から動弁室116内に飛散することになるのであるが、被動タイミングプーリ131の上部を覆うようにして円弧状に係止される彎曲カバー部115bがヘッドカバー115に設けられており、この彎曲カバー部115bには、被動タイミングプーリ131の回転方向135に沿って間隔をあけた複数たとえば一対のオイル飛散リブ136,137がタイミングベルト132に近接する側に突出して一体に設けられる。
【0042】
ところで動弁装置113の吸気側および排気側ロッカアーム124,125は、動弁カム126の回転軸線を通る鉛直線138の両側に等間隔をあけた位置で動弁カム126の下部にそれぞれ摺接するものであるが、動弁カム126の回転軸線に直交する鉛直平面(図8の紙面と平行な平面)への投影図上では動弁カム126への両ロッカアーム124,125の摺接部を通る一対の鉛直線139,140の両外方に一対の前記オイル飛散リブ136,137が配置される。しかも両オイル飛散リブ136,137は、前記被動タイミングプーリ131の回転方向135に直交する方向に延びて彎曲カバー部115bに一体に設けられている。
【0043】
シリンダヘッド50の上部には、内方側の軸支持部50aと、外方側の軸支持部50bとが相互間に収容通路128を挟むようにして設けられており、一体である動弁カム126および被動タイミングプーリ131を回転自在に支承する支軸130の一端部が内方側の軸支持部50aに支持され、また支軸130の他端部が外方側の軸支持部50bに支持され、軸支持部50bおよび支軸130間には環状のシール部材141が介装される。
【0044】
しかも支軸130の他端はシリンダヘッド50の外側面に臨んで配置されており、ヘッドカバー115に設けられた係合板部115cが、支軸130のシリンダヘッド50からの離脱ならびに支軸130の軸線まわりの回転を阻止するようにして、支軸130の他端に係合される。
【0045】
内方側の軸支持部50aと支軸130の一端との間には、上端部を動弁室116内の底部で上方に開口するとともに下端を閉じたオイル取入れ通路142が設けられる。また支軸130の下部外面には、該支軸130の一端から前記外方側の軸支持部50bに対応する位置まで延びる平坦面130aが設けられている。この平坦面130aと、動弁カム126および被動タイミングプーリ131との間には、前記オイル取入れ通路142に一端を連通させるオイル通路143が形成され、該オイル通路143の他端は、外方側の軸支持部50bおよび被動タイミングプーリ131間で下方に向けて開放され、調時伝動手段127を収容した収容通路128に連通される。
【0046】
図10および図11を併せて参照して、エンジン本体41におけるエンジンブロック55には、シリンダボア46の周方向に沿って吸気系74に対応する位置からほぼ180度の位置に配置される第1ブリーザ室144と、第1ブリーザ室144をクランク室43内に通じさせる第1連通路145と、シリンダボア46の軸線に関して第1ブリーザ室144とほぼ反対側で吸気系74の近傍に配置される第2ブリーザ室146と、第2ブリーザ室146をクランク室43内に通じさせる第2連通路147と、第1および第2ブリーザ室144,146間を結ぶ連絡通路148とが設けられ、第2ブリーザ室146は、吸気系74におけるエアクリーナ72にゴムホース等のガス導管149を介して接続される。
【0047】
図12を併せて参照して、吸気系74が配置される側とは反対側でエンジンブロック55における第1ケース半体52の外側面には凹部150が設けられており、その凹部150を覆うカバー151が第1ケース半体52の外側面に締結される。これにより第1ケース半体52およびカバー151間に、発電機Gの使用状態ではクランク室43内のオイル面よりも上方に位置する第1ブリーザ室144が形成され、前記発電機Gの使用状態で第1ブリーザ室144の下部に通じる第1連通路145が、クランク室43への開口端を2つに分けて第1ケース半体52に穿設される。
【0048】
連絡通路148は、シリンダボア46の軸線に直交する平面内に配置されるようにして第1ケース半体52に設けられるものであり、この連絡通路148の一端は第1ブリーザ室144に通じるようにして前記凹部150内に開口する。
【0049】
前記凹部150内のほぼ中央部で第1ケース半体52の外側面にはボス152が突設されており、カバー151は、前記ボス152に螺合するボルト153で第1ケース半体52に締結される。また凹部150内で第1ケース半体52の外側面には、カバー151に当接する複数の迷路形成壁154…が突設されており、これらの迷路形成壁154…により、第1連通路145および連絡通路148間を結ぶ迷路が第1ブリーザ室144内に形成される。而して発電機Gの使用状態でクランク室43から第1連通路145を経て第1ブリーザ室144内に導入されたブリーザガスは、第1ブリーザ室144内の前記迷路を流通して連絡通路148に至ることになり、前記迷路でのブリーザガスの流通方向変化によってブリーザガスから同伴オイルが分離される。すなわち第1ブリーザ室144が気液分離機構を有するように構成される。しかも前記迷路の連絡通路148側の部分で連絡通路148の開口端よりも下方に位置する迷路形成壁154には、ブリーザガスの流通を極力抑制するように流通面積を絞った戻り孔155…が、分離したオイルを第1連通路145側に戻すために設けられる。
【0050】
図13を併せて参照して、エンジンブロック55における第1ケース半体52の外側面には、シリンダボア46の軸線に関して第1ブリーザ室144とほぼ反対側の前記吸気系74の近傍に位置する凹部156が設けられており、その凹部156を覆うカバー157が第1ケース半体52の外側面に締結される。これにより第1ケース半体52およびカバー157間に、発電機Gの使用状態ではクランク室43内のオイル面よりも上方に位置する第2ブリーザ室146が形成され、連絡通路148の他端は、発電機Gの使用状態で第2ブリーザ室146の上部に通じるようにして凹部156に開口する。
【0051】
前記凹部156内のほぼ中央部で第1ケース半体52の外側面にはボス158が突設されており、カバー157は、前記ボス158に螺合するボルト159で第1ケース半体52に締結される。また凹部156内で第1ケース半体52には、第2ブリーザ室146から連絡通路148側へのブリーザガスの流通を阻止するリード弁160が、前記連絡通路148の他端開口端を塞ぐようにして取付けられている。
【0052】
発電機Gの使用状態での第2ブリーザ室146の上部において前記連絡通路148の側方に位置する部分で第1ケース半体52の外側面には、カバー157に設けられた透孔162に気密に嵌合されるガス導管149の一端を受ける突部161が、ガス導管149の一端開口部全体を閉じることがないようにして突設される。
【0053】
また前記凹部156内で第1ケース半体52の外側面には、カバー157に当接する迷路形成壁163,164が突設されており、一方の迷路形成壁163により連絡通路148およびガス導管149間を結ぶ迷路が第2ブリーザ室146内に形成され、他方の迷路形成壁164により第2連通路147およびガス導管149間を結ぶ迷路が第2ブリーザ室146内に形成され、これらの迷路により第2ブリーザ室146も気液分離機構を有するように構成されることになる。
【0054】
また迷路形成壁163,164よりも下方で第2ブリーザ室146に通じるようにしてカバー157に圧力導管84の一端が接続されており、この圧力導管84の他端は燃料ポンプ78に接続される。さらに第2ブリーザ室146内で迷路形成壁163,164よりも下方の部分には、前記リード弁160を迂回するようにして連絡通路148から分岐した分岐路165が開口しており、迷路形成壁163,164の下部間には、第2ブリーザ室146内における迷路形成壁163,164の上、下間に介在する絞り孔166が形成される。
【0055】
第2連通路147は、発電機Gの使用状態では第2ブリーザ室146の下部に通じるものであり、第2ブリーザ室146に通じて第1ケース半体52に直接穿設される通路孔167と、該通路孔167に連通して第1ケース半体52に締結されるパイプ168とで構成される。発電機Gの使用状態で第2ブリーザ室146よりも下方に位置する部分で第1ケース半体52には、クランク室43に臨む平坦な取付け座169が形成されており、通路孔167は、第2ブリーザ室146および取付け座169間を結んで第1ケース半体52に穿設される。またパイプ168は、前記取付け座169に当接するフランジ部168aを有して略L字状に形成されており、フランジ部168aがボルト170で取付け座169に締結され、パイプ168の一端は前記通路孔167の取付け座169側の端部に液密に嵌合される。
【0056】
ところで、発電機Gの非使用状態では、図14で示すように、シリンダボア46の軸線をほぼ水平とするようにしてエンジン本体41を横倒しの姿勢とすることがあり、第2連通路147は、シリンダボア46の軸線がほぼ水平となるようにエンジン本体41を横倒しした状態で、図14(a)〜(d)で示すようにエンジン本体41がどのような姿勢になろうとも、クランク室43内のオイル面Lよりも上方に第2連通路147のクランク室43内への開口端が位置するように形成される。
【0057】
ところで、連絡通路148がシリンダボア46の軸線の下方に配置される姿勢にエンジン本体41を横倒しした状態、すなわち図14(a)で示す状態では、オイル42のオイル面Lは、第1連通路145の一部を介してオイル42を第1ブリーザ室144内に導くことができる位置にある。このため第1ブリーザ室144から連絡通路148を経て第2ブリーザ室146側にオイル42が流れてしまう可能性があるが、第1連通路145から第1ブリーザ室144を経て連絡通路148に至るまでの経路は、クランク室43内のオイル42が連絡通路148内に浸入することを回避する形状に形成されている。すなわちこの実施例にあっては、連絡通路148がシリンダボア46の軸線の下方に配置される姿勢にエンジン本体41を横倒しした状態では、図12で示す鎖線L′の位置にオイル面があり、第1ブリーザ室144内で迷路を形成するために第1ケース半体52に設けられた迷路形成壁154…は、第1連通路145から第1ブリーザ室144に流入したオイル42が連絡通路148に流れるのを阻止する形状に形成されている。
【0058】
次にこの実施例の作用について説明すると、エンジン本体41の第1ケース半体52には、第1ブリーザ室144と、第1ブリーザ室144をクランク室43内に通じさせる第1連通路145と、シリンダボア46の軸線に関して第1ブリーザ室144とほぼ反対側で吸気系74の近傍に配置される第2ブリーザ室146と、第2ブリーザ室146をクランク室43内に通じさせる第2連通路147と、第1および第2ブリーザ室144,146間を結ぶ連絡通路148とが、発電機Gの使用状態ではクランク室43内のオイル面Lよりも上方に位置する第1および第2ブリーザ室144,146の下部に第1および第2連通路145,147が通じるとともに第2ブリーザ室146の上部に連絡通路148が開口する配置で設けられ、発電機Gの使用状態で第2ブリーザ室146の上部に通じるガス導管149が吸気系74のエアクリーナ72に接続されている。
【0059】
したがって発電機Gの使用状態では、クランク室43内で生じたブリーザガスが、第1連通路145から第1ブリーザ室144、連絡通路148、第2ブリーザ室146およびガス導管149を経て吸気系74に導かれるとともに、第2連通路147から第2ブリーザ室146およびガス導管149を経て吸気系74に導かれる。
【0060】
しかも第1および第2ブリーザ室144,146内にそれぞれ迷路が形成されており、それらの迷路を流通することでブリーザガスから分離したオイルは、第1および第2連通路145,147からクランク室43に戻され、気液分離性能を向上することができる。
【0061】
またシリンダボア46の軸線がほぼ水平となるようにエンジン本体41を横倒しした状態で該エンジン本体41がどのような姿勢になろうとも、クランク室43内のオイル面Lよりも上方に第2連通路147のクランク室43内への開口端が位置するように第2連通路147が形成されるので、エンジン本体41が、シリンダボア46の軸線をほぼ水平とするように横倒しされたときに、エンジン本体41がどのような姿勢になろうともクランク室43内のオイル42が第2連通路147を経て第2ブリーザ室146に浸入することは回避される。
【0062】
また第1連通路145から第1ブリーザ室144を経て連絡通路148に至るまでの経路は、連絡通路148がシリンダボア46の軸線の下方に配置される姿勢にエンジン本体41を横倒しした状態でクランク室43内のオイル42が連絡通路148内に浸入することを回避する形状に形成されているので、クランク室43内のオイル42が第1連通路145から第1ブリーザ室144および連絡通路148を経て第2ブリーザ室146に浸入することはない。
【0063】
したがってシリンダボア46の軸線をほぼ水平とした横倒し状態でエンジン本体41がどのような姿勢になろうとも、第2ブリーザ室146にクランク室43内のオイル42が浸入することはなく、吸気系74へのオイル42の浸入を確実に防止することができ、エンジンEの始動時に排気マフラー40から白煙が排出されることはなく、排気性状の向上に寄与することができる。
【0064】
しかも第1および第2ブリーザ室144,146はエンジン本体41に設けられるものであり、エンジンE全体が大型化することはない。
【0065】
さらに第2連通路147は、第2ブリーザ室146に通じてエンジン本体41の第1ケース半体52に直接穿設される通路孔167と、該通路孔167に連通して第1ケース半体52に締結されるパイプ168とで構成されるものであり、シリンダボア46の軸線がほぼ水平となるようにエンジン本体41を横倒しした状態でのエンジン本体41の姿勢にかかわらずクランク室43内の油面よりも上方に開口端を配置するようにした複雑な形状の第2連通路147を、簡単に構成することができる。
【0066】
また燃料タンク32はエンジン本体41の側方に配置されており、携帯用エンジン作業機を、その高さが低くなることによりコンパクト化して持ち運びを容易とし、利便性を高めることができる。
【0067】
また燃料タンク32の燃料出口32aが気化器73よりも低くなることで必要となる燃料ポンプ78をダイヤフラム式のものとすることにより、エンジンEのクランク室43内で生じる圧力脈動を有効に活用して燃料ポンプ78を駆動することができる。しかも燃料ポンプ78に圧力脈動を伝達するための圧力導管84が第2ブリーザ室146に接続されるので、クランク室43内で生じた圧力脈動は、ブリーザガスと同様に、第1連通路145から第1ブリーザ室144、連絡通路148、第2ブリーザ室146を経て圧力導管84から燃料ポンプ78に作用することになり、燃料ポンプ78にオイルが浸入することが極力防止される。
【0068】
このようにして、ブリーザガスおよび燃料ポンプ78用の気液分離機構を共通化してエンジン本体41に合理的に設けることができ、エンジン本体41の構造の単純化およびコンパクト化を図ることができる。
【0069】
またエンジンEのシリンダヘッド50およびヘッドカバー115間に形成される動弁室116には動弁装置113が収納される。而して該動弁装置113には、動弁装置113の動弁カム126とともに回転する被動タイミングプーリ131ならびに該被動タイミングプーリ131に巻掛けられるタイミングベルト132を有する調時伝動手段127を介してクランクシャフト44からの動力が伝達されるが、クランクケース43内のオイル42をタイミングベルト132に同伴せしめることにより、動弁室116にオイル42が供給される。
【0070】
しかも被動タイミングプーリ131の上部を覆う円弧状の彎曲カバー部115bがヘッドカバー115に設けられており、被動タイミングプーリ131の上方で前記彎曲カバー部115bには、被動タイミングプーリ131の回転方向135に沿って間隔をあけた複数(この実施例では一対)のオイル飛散リブ136,137がタイミングベルト132に近接する側に突出して一体に設けられている。
【0071】
したがってタイミングベルト132に付着して動弁室116まで搬送されてきたオイルが慣性力および遠心力の作用によりタイミングベルト132から離反する際に、その離反したオイルがオイル飛散リブ136,137に衝突して微細化される。しかもオイル飛散リブ136,137が、被動タイミングプーリ131の回転方向135に沿って間隔をあけた複数箇所でヘッドカバー115の彎曲カバー部115bに設けられているので、1つのオイル飛散リブ136を乗り越えたオイルを次のオイル飛散リブ137に衝突させて飛散させるようにして、オイルを複数箇所で確実に飛散せしめ、動弁装置113の各部にオイルを確実に到達させることができる。さらに各オイル飛散リブ136,137は、ヘッドカバー115の強度増強の機能をも果す。
【0072】
また動弁装置113の吸気側および排気側ロッカアーム124,125は、動弁カム126の回転軸線を通る鉛直線138の両側に等間隔をあけた位置で動弁カム126の下部にそれぞれ摺接するのであるが、動弁カム126の回転軸線に直交する鉛直平面への投影図上では動弁カム126への前記両ロッカアーム124,125の摺接部を通る一対の鉛直線139,140の両外方に、一対の前記オイル飛散リブ136,137が配置されている。このためオイル飛散リブ136に衝突して飛散したオイルが排気側ロッカアーム125および動弁カム126の摺接部に効果的に供給され、オイル飛散リブ137に衝突して飛散したオイルが吸気側ロッカアーム124および動弁カム126の摺接部に効果的に供給されることになり、少ない個数のオイル飛散リブ136,137で動弁装置113の確実な潤滑が可能となる。
【0073】
しかも各オイル飛散リブ136,137は、被動タイミングプーリ131の回転方向135に直交する方向に延びて彎曲カバー部115bに一体に設けられるものであり、オイルをオイル飛散リブ136,137に直角に衝突させるようにして、オイルをより微細化して飛散せしめることができる。
【0074】
さらに動弁装置113の動弁カム126と、調時伝動手段127の被動タイミングプーリ131とは一体に形成されるとともに、エンジン本体41の上部であるシリンダヘッド50で両端を固定的に支持された支軸130で回転自在に支承される。
【0075】
而してシリンダヘッド50および支軸130の一端間には、上端部を動弁室116内の底部で上方に開口するとともに下端を閉じたオイル取入れ通路142が設けられ、支軸130の下部外面には、オイル取入れ通路142に一端を連通させるオイル通路143を動弁カム126および被動タイミングプーリ131との間に形成する平坦面130aが設けられ、オイル通路143の他端が、下方に向けて開放され、調時伝動手段127を収容する収容通路128に連通されている。
【0076】
このような構成によれば、動弁室116内に飛散、充満しているオイルは動弁室116内を降下し、自然落下によってオイル取入れ通路142に導入されるようにした飛沫潤滑方式を採用した上で、支軸130の下部外面と、動弁カム126および被動タイミングプーリ131との間に形成されているオイル通路143の一端にオイル取入れ通路142からオイルが導入されるようにし、さらにオイル通路143の他端から収容通路128側にオイルを流通させてエンジン本体41の下部に戻すことができる。
【0077】
しかもオイル通路142は、支軸130の下部外面に平坦面130aが設けられることによって形成されるものであり、支軸130に施される加工を容易なものとして加工費用の増大を抑えつつ、オイル取入れ通路142およびオイル通路143の流通面積を比較的大きく設定することにより、動弁カム126および被タイミングプーリ131と、支軸130との間の潤滑部に充分な量のオイルを供給することで高回転化による発熱を抑えることができる。
【0078】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0079】
たとえば本発明は、エンジン発電機用の4サイクルOHCエンジンに限らず、4サイクルOHCエンジンに関連して広く実施することができる。また調時伝動手段127のタイミングベルト132に同伴させる以外の機構で動弁室116にオイルを導くようにした4サイクルOHCエンジンにも本発明を適用することができる。
【0080】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、飛沫潤滑方式を採用した上で、支軸の下部外面と、動弁カムおよび被動輪との間に形成されているオイル通路の一端にオイル取入れ通路からオイルが導入されるようにし、オイル通路の他端から収容通路側にオイルを流通させてエンジン本体の下部に戻すことができる。しかも支軸に施される加工を容易なものとして加工費用の増大を抑えつつ、オイル取入れ通路およびオイル通路の流通面積を比較的大きく設定することにより、動弁カムおよび被動輪と、支軸との間の潤滑部に充分な量のオイルを供給することで高回転化による発熱を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】携帯用エンジン発電機の側面図である。
【図2】図1の2−2線矢視図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図3と同一方向から見たエンジンの縦断面図である。
【図7】図6の7−7線断面図である。
【図8】図6の8−8線拡大断面図である。
【図9】図6の要部拡大図である。
【図10】図6の10矢視拡大図である。
【図11】図6の11−11線断面図である。
【図12】図7の12−12線拡大断面図である。
【図13】図7の13−13線拡大断面図である。
【図14】横倒し状態にあるエンジン本体の姿勢を90度ずつ変化させたときの図10に対応した断面図である。
【符号の説明】
41・・・エンジン本体
44・・・クランクシャフト
110・・・吸気弁
111・・・排気弁
113・・・動弁装置
115・・・ヘッドカバー
116・・・動弁室
126・・・動弁カム
127・・・調時伝動手段
128・・・収容通路
130・・・支軸
130a・・・平坦面
131・・・被動輪としての被動タイミングプーリ
142・・・オイル取入れ通路
143・・・オイル通路
E・・・エンジン
Claims (1)
- エンジン本体(41)の上部に両端部が固定的に支持される支軸(130)で回転自在に支承される動弁カム(126)を有して吸気弁(110)および排気弁(111)に連動、連結される動弁装置(113)が、前記エンジン本体(41)に結合されるヘッドカバー(115)およびエンジン本体(41)間に形成される動弁室(116)に収容され、前記動弁カム(126)と一体に形成された被動輪(131)を有してクランクシャフト(44)および前記動弁装置(113)間に設けられる調時伝動手段(127)が、上部を前記動弁室(116)に通じさせてエンジン本体(41)に設けられる収容通路(128)に収容され、動弁室(116)には潤滑用のオイルが供給される4サイクルOHCエンジンにおいて、前記エンジン本体(41)の上部および前記支軸(130)の一端間には、上端部を動弁室(116)内の底部で上方に開口するとともに下端を閉じたオイル取入れ通路(142)が設けられ、支軸(130)の下部外面には、前記オイル取入れ通路(142)に一端を連通させるオイル通路(143)を前記動弁カム(126)および被動輪(131)との間に形成する平坦面(130a)が設けられ、前記オイル通路(143)の他端が、下方に向けて開放して前記収容通路(128)に連通されることを特徴とする4サイクルOHCエンジンにおける潤滑構造。
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