JP3863707B2 - バランサ付エンジンにおける潤滑構造 - Google Patents

バランサ付エンジンにおける潤滑構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトと、該クランクシャフトに連動して回転するバランサシャフトとを、相互に平行な軸線まわりに回転自在に支承するエンジンケースに、歯車式変速機構を収納するミッション室と、前記バランサシャフトに設けられたバランサを収納するバランサ室とが、オイルの貯溜を可能として形成されるバランサ付エンジンに関し、特に、バランサ室からのオイルをミッション室に戻すための潤滑構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
バランサシャフトが備えるバランサを収納してエンジンケース内に形成されるバランサ室のオイルをミッション室側に戻すようにし、バランサがオイルを攪拌することによる攪拌抵抗を減少するようにした潤滑構造が、たとえば特開昭64−32024号公報で開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、クランクシャフトに設けられた駆動歯車と、バランサシャフトに設けられた被動歯車との噛合部を歯車ポンプとして機能させ、その歯車ポンプでバランサ室内のオイルをミッション室内の上部に汲上げるようにしているが、エンジンケースと、該エンジンケースに結合されるプレートとでオイルを導く通路を構成するようにしており、部品点数が多くなって通路構造が複雑となる。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でバランサ室のオイルをミッション室に戻すようにしてバランサによる攪拌抵抗を低減し得るようにしたバランサ付エンジンにおける潤滑構造を提供することを目的とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、クランクシャフトと、該クランクシャフトに連動して回転するバランサシャフトとを、相互に平行な軸線まわりに回転自在にエンジンケースに支承するバランサ付エンジンであって、エンジンケースに、歯車式変速機構を収納するミッション室と、前記バランサシャフトに設けられたバランサを収納するバランサ室とが、オイルの貯溜を可能として形成されるものにおいて、前記バランサ室に一端を通じさせる連通路が前記エンジンケースに形成され、前記ミッション室を横断するとともに前記クランクシャフトに連動して回転することを可能として前記エンジンケースに回転自在に支承される回転軸に、一端を前記連通路の他端に通じさせるとともに他端を閉じて該回転軸の軸方向に延びるオイル通路と、前記ミッション室に対応する部分でオイル通路に内端を通じさせるとともに外端を回転軸の外面に開口させたオイル孔とが設けられ、前記回転軸の回転に応じて前記オイル孔内のオイルに作用する遠心力で、前記オイル通路から該オイル孔を経て前記ミッション室内に流通するオイルの流れが生じ、それに伴い前記バランサ室内の貯溜オイルが前記連通路、前記オイル通路および前記オイル孔を経て前記ミッション室内に戻されるようにしたことを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、回転軸がクランクシャフトに連動して回転するのに応じてオイル孔内のオイルに遠心力が作用し、回転軸内のオイル通路からオイル孔を経てミッション室内に流通するオイルの流れが生じ、バランサ室が連通路を介して前記オイル通路に通じているので、バランサ室内に貯溜されたオイルは連通路、オイル通路およびオイル孔を経てミッション室内に戻されることになり、従来用いられた歯車ポンプ等の機構を構成することもなく、また複雑な通路構造を構成する必要もなく、簡単な構成でバランサ室のオイルをミッション室に戻すことを可能とし、バランサによる攪拌抵抗を低減することができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記歯車式変速機構の一部を構成して前記回転軸の外周に装着される歯車に対応する部分で、前記回転軸にオイル孔が設けられることを特徴とし、かかる構成によれば、ミッション室に戻されるオイルで歯車式変速機構の潤滑を果すことができる。
【0008】
また請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記バランサ室は、前記バランサシャフトの軸線方向に互いに離間して一対設けられると共に、その各々のバランサ室には、前記バランサシャフトに相互に離間して設けた一対のバランサがそれぞれ収納されており、一方のバランサ室に前記連通路の一端が通じていると共に、その他方のバランサ室に収納されるバランサに、前記クランクシャフトに設けた駆動歯車と噛合 する被動歯車が一体に設けられることを特徴とする。
【0009】
また請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、円筒状である前記回転軸内にはクラッチ操作用のリフト軸が軸方向移動可能に挿入され、そのリフト軸の一端は、前記回転軸の一端から突出していて、その突出端と、該リフト軸を駆動する操作軸とが、前記連通路の内部で互いに係合していることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図3は本発明の一実施例を示すものであり、図1はエンジンの側面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3−3線拡大断面図である。
【0012】
先ず図1において、このエンジンは、たとえば自動二輪車に搭載される2気筒2サイクルエンジンであり、エンジンケース5と、自動二輪車の前後方向前方を向いて開いた略V字状の配置でエンジンケース5に結合される一対のシリンダブロック6,6と、それらのシリンダブロック6,6にそれぞれ結合されるシリンダヘッド7,7とを備える。
【0013】
前記両シリンダブロック6,6内のピストンに共通に連結されるクランクシャフト8が、エンジンケース5内に形成されたクランク室(図示せず)を横断するようにしてエンジンケース5に回転自在に支承されており、エンジンケース5の上部には、前記クランク室に混合気を供給するための気化器9を含む吸気装置10が接続される。
【0014】
エンジンケース5の後部における右側には、前記クランクシャフト8からの動力を伝達可能である駆動スプロケット11が配置されており、この駆動スプロケット11には、図示しない後輪に駆動力を伝達するための無端状のチェーン12が巻掛けられる。また前記クランクシャフト8は、エンジンケース5の右側面に取付けられる発電機13のロータに連結される。
【0015】
図2を併せて参照して、エンジンケース5は、ケース主体14、該ケース主体14の右側面に結合される右カバー板15、ケース主体14の左側面に結合される左カバー板16、左カバー板16よりも内方でケース主体14の左側に結合される隔壁板17等で構成される。
【0016】
エンジンケース5内の下部には、ケース主体14および隔壁板17で規定されるミッション室18がクランク室とは隔絶して形成されており、このミッション室18には歯車式変速機構19が収納される。該歯車式変速機構19は、クランクシャフト8と平行な軸線を有する回転軸としてのメインシャフト20と、該メインシャフト20と平行な軸線を有するカウンタシャフト21との間に、選択的に確立可能な複数変速段の歯車列が設けられて成るものである。
【0017】
前記メインシャフト20は、ミッション室18内に貯溜されるオイルのエンジン停止時の液面以下となる位置でミッション室18を横断するように配置されており、このメインシャフト20の一端は、エンジンケース5におけるケース主体14の右側部にシール付きボールベアリング23を介して回転自在に支承され、メインシャフト20の他端は、隔壁板17および左カバー板16を貫通する。しかもメインシャフト20および隔壁板17間にはシール付き複列ボールベアリング24が介装される。
【0018】
またカウンタシャフト21は、前記メインシャフト20よりも上方位置でミッション室18を横断するように配置されており、該カウンタシャフト21の一端はケース主体14の右側部を貫通して外方に突出され、ケース主体14およびカウンタシャフト21間には、環状のシール部材25と、該シール部材25よりも内方に配置される複列ボールベアリング26とが介装される。しかも駆動スプロケット11がカウンタシャフト21の一端突出部に固定される。さらにカウンタシャフト21の他端は、隔壁板17にボールベアリング27を介して回転自在に支承される。
【0019】
ケース主体14および隔壁板17と、左カバー板16との間には、隔壁板17によりミッション室18と隔てられた動力伝達室28が形成されており、前記メインシャフト20の他端部は該動力伝達室28を横断して左カバー板16を貫通する。しかも左カバー板16には、該左カバー板16との間にクラッチ室30を形成するカバー29が結合されており、このクラッチ室30に収納される発進クラッチ31のクラッチインナ32がメインシャフト20の他端部に固定される。
【0020】
発進クラッチ31は、乾式の多板クラッチであり、受圧板32aを一体に有してメインシャフト20とともに回転するクラッチインナ32と、クランクシャフト8からの動力が伝達されるクラッチアウタ33と、クラッチインナ32との軸線まわりの相対回転を不能とするとともにクラッチインナ32との制限された範囲での軸方向相対移動を可能として前記受圧板32aから軸方向外方に離隔した位置に配置される押圧板34と、前記クラッチインナ32に内周部がスプライン結合されて前記受圧板32aおよび押圧板34間に配置される複数枚のクラッチ板35,35…と、それらのクラッチ板35,35…相互間に配置されるとともに前記クラッチアウタ33に外周部がスプライン結合される複数枚の摩擦板36,36…と、各クラッチ板35,35…および摩擦板36,36…を相互に摩擦係合すべく押圧板34を受圧板32aに近接する方向に付勢するばね力を発揮してクラッチインナ32およびクラッチアウタ33間に設けられるクラッチばね37とを備える。
【0021】
動力伝達室28内でメインシャフト20には、大径である被動歯車38が相対回転可能に支承されており、クランクシャフト8に設けられた駆動歯車39(図1参照)が該被動歯車38に噛合される。また被動歯車38には、左カバー板16を液密に貫通してクラッチ室30内に突入する伝達部材40が結合されており、この伝達部材40がダンパゴム41を介して発進クラッチ31のクラッチアウタ33に連結される。すなわちクランクシャフト8からの動力は、駆動歯車39、被動歯車38、伝達部材40およびダンパゴム41を介して発進クラッチ31のクラッチアウタ33に入力されるものであり、発進クラッチ31が動力伝達状態のときには、前記クラッチアウタ33からクラッチ板35,35…、摩擦板36,36…およびクラッチインナ32を介してメインシャフト20に動力が伝達される。
【0022】
クランクシャフト8の下方でエンジンケース5のケース主体14には、その左右両側部間にわたる筒部14aが一体に設けられており、クランクシャフト8と平行な軸線を有する円筒状のバランサシャフト43が該筒部14a内に挿入される。しかも筒部14aの一端部およびバランサシャフト43間にはシール付きボールベアリング44が設けられ、筒部14aの他端部およびバランサシャフト43間にはボールベアリング45が設けられており、バランサシャフト43は、クランクシャフト8と平行な軸線まわりの回転を可能としてケース主体14すなわちエンジンケース5に支承される。
【0023】
ケース主体14と、該ケース主体14に結合される右カバー板15との間には、前記バランサシャフト43の一端を臨ませるバランサ室46が形成されており、バランサシャフト43の一端にはバランサ室46に収納されるバランサ48が一体に設けられる。一方、バランサシャフト43の他端には前記バランサ48と同位相にしてバランサ49が固定されており、このバランサ49と一体に形成された被動歯車50に、クランクシャフト8に設けられた駆動歯車51(図1参照)が噛合する。しかも前記バランサ49および被動歯車50は、前記被動歯車50および駆動歯車51の噛合を許容しつつ動力伝達室28の一部を囲むようにしてケース主体14に一体に設けられた壁52内に形成されるバランサ室47に収納されるものである。
【0024】
ところで、バランサ室47を含む動力伝達室28には、エンジン停止時においてはミッション室18内と液面を同一とするまでオイルが貯溜され、エンジン運転状態にあっては、ミッション室18内のオイルの液面が所定値以上となるのに応じて該ミッション室18から溢流したオイルが導入されるものであり、エンジン運転時にあっては、クランクシャフト8に連動して回転する被動歯車38により、バランサ室47を含む動力伝達室28内のオイルが撥ね飛ばされ、動力伝達室28の内面に沿って流下することになる。
【0025】
而してバランサ49による攪拌抵抗を低減するには、バランサ室47内からオイルを速やかに排除することが必要であり、左カバー板16の内面には、図3で示すように、動力伝達室28の内面に沿って流下してきたオイルを円筒状であるバランサシャフト43内に導くべく下方に向って狭めるように形成されるガイド壁53,53と、ガイド壁53,53の下端部からバランサシャフト43の他端部に突入するように形成された横断面半円形の樋部54とが一体に設けられる。
【0026】
またケース主体14との間でバランサ室46を形成する右カバー板15は、バランサシャフト43に同軸に連結されるウォータポンプ55のポンプハウジング56を、右カバー板15に結合されるポンプカバー57とともに構成するものであり、ポンプハウジング56内に形成される渦室58に収納されるインペラ59が、右カバー板15を液密にかつ回転自在に貫通するポンプ軸60に設けられる。またポンプ軸60は、バランサ室47側からバランサシャフト43内を流通してきたオイルの流通を可能としてバランサシャフト43内に固定される係合部材61に相対回転を不能として係合され、ポンプ軸60はバランサシャフト43とともに回転する。しかもポンプ軸60およびバランサシャフト43の係合、連結部は、バランサシャフト43内からバランサ室46へのオイルの流通を阻害することはない。
【0027】
円筒状であるメインシャフト20の発進クラッチ31側の部分には、軸線まわりの回転および軸線方向の移動を可能とした第1リフト軸62が液密に嵌合されており、第1リフト軸62のメインシャフト20からの突出部分が発進クラッチ31の押圧板34に固定的に連結される。またメインシャフト20には、第1リフト軸62との間に複数のボール63…を介在させた第2リフト軸64が、軸方向の移動を可能として同軸に挿入されており、この第2リフト軸64の一端は、メインシャフト20の一端から突出される。
【0028】
一方、エンジンケース5のケース主体14には、第2リフト軸64と直交する軸線を有する操作軸65が回動可能に支承されており、操作軸65の内端部は、該操作軸65の回動に応じて第2リフト軸64を軸方向に押圧し得るようにして第2リフト軸64の一端に、後述する連通路67の内部で係合される。またエンジンケース5の外側方で操作軸65の外端にはレバー66が固定されており、このレバー66には、図示しないクラッチレバーをドライバが操作するのに応じた操作力が入力される。
【0029】
而して操作軸65がドライバの操作に応じて回動すると、ボール63…を相互間に挟む第1および第2リフト軸62,64が軸方向に押圧駆動される。それに応じて発進クラッチ31の押圧板34がクラッチインナ32の受圧板32aから離反するように駆動され、発進クラッチ31が、クランクシャフト8およびメインシャフト20間の動力伝達を遮断することになる。
【0030】
ケース主体14と、該ケース主体14に結合される右カバー板15との間には、バランサ室46に一端を通じさせる連通路67が、バランサ室46内でのバランサ48の回転方向に沿う方向でバランサ室46の外周から接線方向に延びるようにして形成される。一方、メインシャフト20と、メインシャフト20内に挿入される第2リフト軸68との間には、メインシャフト20と同軸に延びる環状のオイル通路68が形成されており、このオイル通路68の一端は前記連通路67の他端に連通する。またオイル通路68の他端は、メインシャフト20に液密に嵌合されている第1リフト軸42で閉じられる。
【0031】
しかもメインシャフト20のミッション室18に対応する部分には、内端をオイル通路68に通じさせるとともに外端をメインシャフト20の外面に開口させたオイル孔69,70が設けられており、メインシャフト20の動力伝達室28に対応する部分には、オイル通路68に内端を通じさせるとともに外端をメインシャフト20の外面に開口させたオイル孔71が設けられる。
【0032】
オイル孔69,70は、ミッション室18内の歯車式変速機構19の一部を構成してメインシャフト20の外周に装着される歯車72,73に対応する部分でメインシャフト20に設けられ、オイル孔71は、動力伝達室28に配置される被動歯車38に対応する部分でメインシャフト20に設けられる。
【0033】
ところで、メインシャフト20は、エンジン停止時のミッション室18内のオイルの液面以下の位置に配置されるものであり、エンジン停止時には、各オイル孔69,70、オイル通路68、連通路67、バランサ室46およびバランサシャフト43を介して、動力伝達室28側のバランサ室47にオイルが流れることになり、それによりエンジン停止時に、バランサ室47を含む動力伝達室28には、ミッション室18内と液面を同一とするまでオイルが貯溜されることになる。
【0034】
次にこの実施例の作用について説明すると、エンジンケース5に回転自在に支承された円筒状のバランサシャフト43の両端にバランサ48,49が設けられ、それらのバランサ48,49を収納してエンジンケース5内に形成されるバランサ室46,47は、円筒状であるバランサシャフト43自体を介して相互に連通しており、それらのバランサ室46,47内には同レベルのオイルが貯溜される。
【0035】
一方、バランサ室46に一端を通じさせる連通路67がエンジンケース5に形成されており、エンジン停止時にはミッション室18内のオイルの液面以下となる位置でミッション室18を横断するとともにクランクシャフト8に連動して回転することを可能としてエンジンケース5に回転自在に支承されるメインシャフト20内には、一端を前記連通路67の他端に通じさせるとともに他端を閉じて該メインシャフト20の軸方向に延びるオイル通路68と、オイル通路68に内端を通じさせるとともに外端をメインシャフト20の外面に開口させたオイル孔69,70,71とが設けられている。
【0036】
したがってメインシャフト20がクランクシャフト8に連動して回転するのに応じてオイル孔69,70,71内のオイルに遠心力が作用し、メインシャフト20内のオイル通路68からオイル孔69,70,71を経て流通するオイルの流れが生じ、バランサ室46が連通路67を介してオイル通路68に通じているので、バランサ室46内に貯溜されたオイルが連通路67、オイル通路68およびオイル孔69,70,71を経てメインシャフト20の外部に吸引される。
【0037】
しかも前記オイル孔69〜71のうちオイル孔69,70は、ミッション室18に対応する部分でメインシャフト20に設けられているので、相互に連通したバランサ室46,47のオイルがミッション室18内に戻されることになり、従来用いられた歯車ポンプ等の機構を構成することもなく、また複雑な通路構造を構成する必要もなく、簡単な構成でバランサ室46,47のオイルをミッション室18に戻すことが可能となり、バランサ48,49による攪拌抵抗を低減することができる。
【0038】
また歯車式変速機構19の一部を構成してメインシャフト20の外周に装着される歯車72,73に対応する部分でメインシャフト20にオイル孔69,70が設けられるので、ミッション室18に戻されるオイルで歯車式変速機構19の潤滑を果すことができる。
【0039】
さらにバランサ室46に一端を通じさせる連通路67は、本実施例ではバランサ室46内でのバランサ48の回転方向に沿う方向でバランサ室46の外周から接線方向に延びるようにして形成されているので、バランサ48がバランサ室46内でポンプ作用を果すことになり、バランサ室46から連通路67を経てオイル通路68までオイルが効率よく圧送されることになる。
【0040】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、回転軸がクランクシャフトに連動して回転するのに応じてオイル孔内のオイルに遠心力が作用して、回転軸内のオイル通路からオイル孔を経てミッション室内に流通するオイルの流れが生じるが、バランサ室が連通路を介して前記オイル通路に通じているので、バランサ室内に貯溜されたオイルは連通路、オイル通路およびオイル孔を経てミッション室内に戻されることになり、これにより、従来用いられた歯車ポンプ等の機構を構成することなく、また複雑な通路構造を構成する必要もなく、バランサ室内に貯溜されたオイルを、簡単な構成でミッション室に戻すことが可能となり、バランサによる攪拌抵抗を低減することができる。
【0042】
また請求項2記載の発明によれば、ミッション室に戻されるオイルで歯車式変速機構の潤滑を果すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンの側面図である。
【図2】 図1の2−2線断面図である。
【図3】 図2の3−3線拡大断面図である。
【符号の説明】
5・・・エンジンケース
8・・・クランクシャフト
18・・・ミッション室
19・・・歯車式変速機構
20・・・回転軸としてのメインシャフト
43・・・バランサシャフト
46,47・・・バランサ室
47,48・・・バランサ
50・・・被動歯車
51・・・駆動歯車
62,64・・・第1,第2リフト軸
65・・・操作軸
67・・・連通路
68・・・オイル通路
69,70・・・オイル孔
72,73・・・歯車

Claims (4)

  1. クランクシャフト(8)と、該クランクシャフト(8)に連動して回転するバランサシャフト(43)とを、相互に平行な軸線まわりに回転自在にエンジンケース(5)に支承するバランサ付エンジンであって、
    エンジンケース(5)に、歯車式変速機構(19)を収納するミッション室(18)と、前記バランサシャフト(43)に設けられたバランサ(47,48)を収納するバランサ室(46,47)とが、オイルの貯溜を可能として形成されるものにおいて、
    前記バランサ室(46,47)に一端を通じさせる連通路(67)が前記エンジンケース(5)に形成され、前記ミッション室(18)を横断するとともに前記クランクシャフト(8)に連動して回転することを可能として前記エンジンケース(5)に回転自在に支承される回転軸(20)に、一端を前記連通路(67)の他端に通じさせるとともに他端を閉じて該回転軸(20)の軸方向に延びるオイル通路(68)と、前記ミッション室(18)に対応する部分でオイル通路(68)に内端を通じさせるとともに外端を回転軸(20)の外面に開口させたオイル孔(69,70)とが設けられ
    前記回転軸(20)の回転に応じて前記オイル孔(69,70)内のオイルに作用する遠心力で、前記オイル通路(68)から該オイル孔(69,70)を経て前記ミッション室(18)内に流通するオイルの流れが生じ、それに伴い前記バランサ室(46,47)内の貯溜オイルが前記連通路(67)、前記オイル通路(68)および前記オイル孔(69,70)を経て前記ミッション室(18)内に戻されるようにしたことを特徴とする、バランサ付エンジンにおける潤滑構造。
  2. 前記歯車式変速機構(19)の一部を構成して前記回転軸(20)の外周に装着される歯車(72,73)に対応する部分で、前記回転軸(20)にオイル孔(69,70)が設けられることを特徴とする、請求項1記載のバランサ付エンジンにおける潤滑構造。
  3. 前記バランサ室(46,47)は、前記バランサシャフト(43)の軸線方向に互いに離間して一対設けられると共に、その各々のバランサ室(46,47)には、前記バランサシャフト(43)に相互に離間して設けた一対のバランサ(48,49)がそれぞれ収納されており、一方のバランサ室(46)に前記連通路(67)の一端が通じていると共に、その他方のバランサ室(47)に収納されるバランサ(49)に、前記クランクシャフト(8)に設けた駆動歯車(51)と噛合する被動歯車(50)が一体に設けられることを特徴とする、請求項1記載のバランサ付エンジンにおける潤滑構造。
  4. 円筒状である前記回転軸(20)内にはクラッチ操作用のリフト軸(62,64)が軸方向移動可能に挿入され、そのリフト軸(62,64)の一端は、前記回転軸(20)の一端から突出していて、その突出端と、該リフト軸(62,64)を駆動する操作軸(65)とが、前記連通路(67)の内部で互いに係合していることを特徴とする、請求項1記載のバランサ付エンジンにおける潤滑構造。
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