JP2002039271A - バランサ付エンジンにおける潤滑構造 - Google Patents

バランサ付エンジンにおける潤滑構造

Info

Publication number
JP2002039271A
JP2002039271A JP2000226229A JP2000226229A JP2002039271A JP 2002039271 A JP2002039271 A JP 2002039271A JP 2000226229 A JP2000226229 A JP 2000226229A JP 2000226229 A JP2000226229 A JP 2000226229A JP 2002039271 A JP2002039271 A JP 2002039271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
balancer
oil
shaft
chamber
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000226229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3863707B2 (ja
Inventor
Ryosaku Nishiyama
亮策 西山
Yukihisa Kusu
幸久 樟
Tomoaki Ito
智章 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000226229A priority Critical patent/JP3863707B2/ja
Publication of JP2002039271A publication Critical patent/JP2002039271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3863707B2 publication Critical patent/JP3863707B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成でバランサ室のオイルをミッション
室に戻すようにしてバランサによる攪拌抵抗を低減す
る。 【解決手段】バランサ室46,47に一端を通じさせる
連通路67がエンジンケース5に形成され、ミッション
室18を横断するとともにクランクシャフトに連動して
回転することを可能としてエンジンケース5に回転自在
に支承される回転軸20に、一端を連通路67の他端に
通じさせるとともに他端を閉じて回転軸20の軸方向に
延びるオイル通路68と、ミッション室18に対応する
部分でオイル通路68に内端を通じさせるとともに外端
を回転軸20の外面に開口させたオイル孔69,70と
が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランクシャフト
と、該クランクシャフトに連動して回転するバランサシ
ャフトとを、相互に平行な軸線まわりに回転自在に支承
するエンジンケースに、歯車式変速機構を収納するミッ
ション室と、前記バランサシャフトに設けられたバラン
サを収納するバランサ室とが、オイルの貯溜を可能とし
て形成されるバランサ付エンジンに関し、特に、バラン
サ室からのオイルをミッション室に戻すための潤滑構造
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】バランサシャフトが備えるバランサを収
納してエンジンケース内に形成されるバランサ室のオイ
ルをミッション室側に戻すようにし、バランサがオイル
を攪拌することによる攪拌抵抗を減少するようにした潤
滑構造が、たとえば特開昭64−32024号公報で開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
クランクシャフトに設けられた駆動歯車と、バランサシ
ャフトに設けられた被動歯車との噛合部を歯車ポンプと
して機能させ、その歯車ポンプでバランサ室内のオイル
をミッション室内の上部に汲上げるようにしているが、
エンジンケースと、該エンジンケースに結合されるプレ
ートとでオイルを導く通路を構成するようにしており、
部品点数が多くなって通路構造が複雑となる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、簡単な構成でバランサ室のオイルをミッショ
ン室に戻すようにしてバランサによる攪拌抵抗を低減し
得るようにしたバランサ付エンジンにおける潤滑構造を
提供することを目的とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、クランクシャフトと、該
クランクシャフトに連動して回転するバランサシャフト
とを、相互に平行な軸線まわりに回転自在に支承するエ
ンジンケースに、歯車式変速機構を収納するミッション
室と、前記バランサシャフトに設けられたバランサを収
納するバランサ室とが、オイルの貯溜を可能として形成
されるバランサ付エンジンにおいて、前記バランサ室に
一端を通じさせる連通路が前記エンジンケースに形成さ
れ、前記ミッション室を横断するとともに前記クランク
シャフトに連動して回転することを可能として前記エン
ジンケースに回転自在に支承される回転軸に、一端を前
記連通路の他端に通じさせるとともに他端を閉じて該回
転軸の軸方向に延びるオイル通路と、前記ミッション室
に対応する部分でオイル通路に内端を通じさせるととも
に外端を回転軸の外面に開口させたオイル孔とが設けら
れることを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、回転軸がクラン
クシャフトに連動して回転するのに応じてオイル孔内の
オイルに遠心力が作用し、回転軸内のオイル通路からオ
イル孔を経てミッション室内に流通するオイルの流れが
生じ、バランサ室が連通路を介して前記オイル通路に通
じているので、バランサ室内に貯溜されたオイルは連通
路、オイル通路およびオイル孔を経てミッション室内に
戻されることになり、従来用いられた歯車ポンプ等の機
構を構成することもなく、また複雑な通路構造を構成す
る必要もなく、簡単な構成でバランサ室のオイルをミッ
ション室に戻すことを可能とし、バランサによる攪拌抵
抗を低減することができる。
【0007】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記歯車式変速機構の一部
を構成して前記回転軸の外周に装着される歯車に対応す
る部分で、前記回転軸にオイル孔が設けられることを特
徴とし、かかる構成によれば、ミッション室に戻される
オイルで歯車式変速機構の潤滑を果すことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明す
る。
【0009】図1〜図3は本発明の一実施例を示すもの
であり、図1はエンジンの側面図、図2は図1の2−2
線断面図、図3は図2の3−3線拡大断面図である。
【0010】先ず図1において、このエンジンは、たと
えば自動二輪車に搭載される2気筒2サイクルエンジン
であり、エンジンケース5と、自動二輪車の前後方向前
方を向いて開いた略V字状の配置でエンジンケース5に
結合される一対のシリンダブロック6,6と、それらの
シリンダブロック6,6にそれぞれ結合されるシリンダ
ヘッド7,7とを備える。
【0011】前記両シリンダブロック6,6内のピスト
ンに共通に連結されるクランクシャフト8が、エンジン
ケース5内に形成されたクランク室(図示せず)を横断
するようにしてエンジンケース5に回転自在に支承され
ており、エンジンケース5の上部には、前記クランク室
に混合気を供給するための気化器9を含む吸気装置10
が接続される。
【0012】エンジンケース5の後部における右側に
は、前記クランクシャフト8からの動力を伝達可能であ
る駆動スプロケット11が配置されており、この駆動ス
プロケット11には、図示しない後輪に駆動力を伝達す
るための無端状のチェーン12が巻掛けられる。また前
記クランクシャフト8は、エンジンケース5の右側面に
取付けられる発電機13のロータに連結される。
【0013】図2を併せて参照して、エンジンケース5
は、ケース主体14、該ケース主体14の右側面に結合
される右カバー板15、ケース主体14の左側面に結合
される左カバー板16、左カバー板16よりも内方でケ
ース主体14の左側に結合される隔壁板17等で構成さ
れる。
【0014】エンジンケース5内の下部には、ケース主
体14および隔壁板17で規定されるミッション室18
がクランク室とは隔絶して形成されており、このミッシ
ョン室18には歯車式変速機構19が収納される。該歯
車式変速機構19は、クランクシャフト8と平行な軸線
を有する回転軸としてのメインシャフト20と、該メイ
ンシャフト20と平行な軸線を有するカウンタシャフト
21との間に、選択的に確立可能な複数変速段の歯車列
が設けられて成るものである。
【0015】前記メインシャフト20は、ミッション室
18内に貯溜されるオイルのエンジン停止時の液面以下
となる位置でミッション室18を横断するように配置さ
れており、このメインシャフト20の一端は、エンジン
ケース5におけるケース主体14の右側部にシール付き
ボールベアリング23を介して回転自在に支承され、メ
インシャフト20の他端は、隔壁板17および左カバー
板16を貫通する。しかもメインシャフト20および隔
壁板17間にはシール付き複列ボールベアリング24が
介装される。
【0016】またカウンタシャフト21は、前記メイン
シャフト20よりも上方位置でミッション室18を横断
するように配置されており、該カウンタシャフト21の
一端はケース主体14の右側部を貫通して外方に突出さ
れ、ケース主体14およびカウンタシャフト21間に
は、環状のシール部材25と、該シール部材25よりも
内方に配置される複列ボールベアリング26とが介装さ
れる。しかも駆動スプロケット11がカウンタシャフト
21の一端突出部に固定される。さらにカウンタシャフ
ト21の他端は、隔壁板17にボールベアリング27を
介して回転自在に支承される。
【0017】ケース主体14および隔壁板17と、左カ
バー板16との間には、隔壁板17によりミッション室
18と隔てられた動力伝達室28が形成されており、前
記メインシャフト20の他端部は該動力伝達室28を横
断して左カバー板16を貫通する。しかも左カバー板1
6には、該左カバー板16との間にクラッチ室30を形
成するカバー29が結合されており、このクラッチ室3
0に収納される発進クラッチ31のクラッチインナ32
がメインシャフト20の他端部に固定される。
【0018】発進クラッチ31は、乾式の多板クラッチ
であり、受圧板32aを一体に有してメインシャフト2
0とともに回転するクラッチインナ32と、クランクシ
ャフト8からの動力が伝達されるクラッチアウタ33
と、クラッチインナ32との軸線まわりの相対回転を不
能とするとともにクラッチインナ32との制限された範
囲での軸方向相対移動を可能として前記受圧板32aか
ら軸方向外方に離隔した位置に配置される押圧板34
と、前記クラッチインナ32に内周部がスプライン結合
されて前記受圧板32aおよび押圧板34間に配置され
る複数枚のクラッチ板35,35…と、それらのクラッ
チ板35,35…相互間に配置されるとともに前記クラ
ッチアウタ33に外周部がスプライン結合される複数枚
の摩擦板36,36…と、各クラッチ板35,35…お
よび摩擦板36,36…を相互に摩擦係合すべく押圧板
34を受圧板32aに近接する方向に付勢するばね力を
発揮してクラッチインナ32およびクラッチアウタ33
間に設けられるクラッチばね37とを備える。
【0019】動力伝達室28内でメインシャフト20に
は、大径である被動歯車38が相対回転可能に支承され
ており、クランクシャフト8に設けられた駆動歯車39
(図1参照)が該被動歯車38に噛合される。また被動
歯車38には、左カバー板16を液密に貫通してクラッ
チ室30内に突入する伝達部材40が結合されており、
この伝達部材40がダンパゴム41を介して発進クラッ
チ31のクラッチアウタ33に連結される。すなわちク
ランクシャフト8からの動力は、駆動歯車39、被動歯
車38、伝達部材40およびダンパゴム41を介して発
進クラッチ31のクラッチアウタ33に入力されるもの
であり、発進クラッチ31が動力伝達状態のときには、
前記クラッチアウタ33からクラッチ板35,35…、
摩擦板36,36…およびクラッチインナ32を介して
メインシャフト20に動力が伝達される。
【0020】クランクシャフト8の下方でエンジンケー
ス5のケース主体14には、その左右両側部間にわたる
筒部14aが一体に設けられており、クランクシャフト
8と平行な軸線を有する円筒状のバランサシャフト43
が該筒部14a内に挿入される。しかも筒部14aの一
端部およびバランサシャフト43間にはシール付きボー
ルベアリング44が設けられ、筒部14aの他端部およ
びバランサシャフト43間にはボールベアリング45が
設けられており、バランサシャフト43は、クランクシ
ャフト8と平行な軸線まわりの回転を可能としてケース
主体14すなわちエンジンケース5に支承される。
【0021】ケース主体14と、該ケース主体14に結
合される右カバー板15との間には、前記バランサシャ
フト43の一端を臨ませるバランサ室46が形成されて
おり、バランサシャフト43の一端にはバランサ室46
に収納されるバランサ48が一体に設けられる。一方、
バランサシャフト43の他端には前記バランサ48と同
位相にしてバランサ49が固定されており、このバラン
サ49と一体に形成された被動歯車50に、クランクシ
ャフト8に設けられた駆動歯車51(図1参照)が噛合
する。しかも前記バランサ49および被動歯車50は、
前記被動歯車50および駆動歯車51の噛合を許容しつ
つ動力伝達室28の一部を囲むようにしてケース主体1
4に一体に設けられた壁52内に形成されるバランサ室
47に収納されるものである。
【0022】ところで、バランサ室47を含む動力伝達
室28には、エンジン停止時においてはミッション室1
8内と液面を同一とするまでオイルが貯溜され、エンジ
ン運転状態にあっては、ミッション室18内のオイルの
液面が所定値以上となるのに応じて該ミッション室18
から溢流したオイルが導入されるものであり、エンジン
運転時にあっては、クランクシャフト8に連動して回転
する被動歯車38により、バランサ室47を含む動力伝
達室28内のオイルが撥ね飛ばされ、動力伝達室28の
内面に沿って流下することになる。
【0023】而してバランサ49による攪拌抵抗を低減
するには、バランサ室47内からオイルを速やかに排除
することが必要であり、左カバー板16の内面には、図
3で示すように、動力伝達室28の内面に沿って流下し
てきたオイルを円筒状であるバランサシャフト43内に
導くべく下方に向って狭めるように形成されるガイド壁
53,53と、ガイド壁53,53の下端部からバラン
サシャフト43の他端部に突入するように形成された横
断面半円形の樋部54とが一体に設けられる。
【0024】またケース主体14との間でバランサ室4
6を形成する右カバー板15は、バランサシャフト43
に同軸に連結されるウォータポンプ55のポンプハウジ
ング56を、右カバー板15に結合されるポンプカバー
57とともに構成するものであり、ポンプハウジング5
6内に形成される渦室58に収納されるインペラ59
が、右カバー板15を液密にかつ回転自在に貫通するポ
ンプ軸60に設けられる。またポンプ軸60は、バラン
サ室47側からバランサシャフト43内を流通してきた
オイルの流通を可能としてバランサシャフト43内に固
定される係合部材61に相対回転を不能として係合さ
れ、ポンプ軸60はバランサシャフト43とともに回転
する。しかもポンプ軸60およびバランサシャフト43
の係合、連結部は、バランサシャフト43内からバラン
サ室46へのオイルの流通を阻害することはない。
【0025】円筒状であるメインシャフト20の発進ク
ラッチ31側の部分には、軸線まわりの回転および軸線
方向の移動を可能とした第1リフト軸62が液密に嵌合
されており、第1リフト軸62のメインシャフト20か
らの突出部分が発進クラッチ31の押圧板34に固定的
に連結される。またメインシャフト20には、第1リフ
ト軸62との間に複数のボール63…を介在させた第2
リフト軸64が、軸方向の移動を可能として同軸に挿入
されており、この第2リフト軸64の一端は、メインシ
ャフト20の一端から突出される。
【0026】一方、エンジンケース5のケース主体14
には、第2リフト軸64と直交する軸線を有する操作軸
65が回動可能に支承されており、操作軸65の内端部
は、該操作軸65の回動に応じて第2リフト軸64を軸
方向に押圧し得るようにして第2リフト軸64の一端に
係合される。またエンジンケース5の外側方で操作軸6
5の外端にはレバー66が固定されており、このレバー
66には、図示しないクラッチレバーをドライバが操作
するのに応じた操作力が入力される。
【0027】而して操作軸65がドライバの操作に応じ
て回動すると、ボール63…を相互間に挟む第1および
第2リフト軸62,64が軸方向に押圧駆動される。そ
れに応じて発進クラッチ31の押圧板34がクラッチイ
ンナ32の受圧板32aから離反するように駆動され、
発進クラッチ31が、クランクシャフト8およびメイン
シャフト20間の動力伝達を遮断することになる。
【0028】ケース主体14と、該ケース主体14に結
合される右カバー板15との間には、バランサ室46に
一端を通じさせる連通路67が、バランサ室46内での
バランサ48の回転方向に沿う方向でバランサ室46の
外周から接線方向に延びるようにして形成される。一
方、メインシャフト20と、メインシャフト20内に挿
入される第2リフト軸68との間には、メインシャフト
20と同軸に延びる環状のオイル通路68が形成されて
おり、このオイル通路68の一端は前記連通路67の他
端に連通する。またオイル通路68の他端は、メインシ
ャフト20に液密に嵌合されている第1リフト軸42で
閉じられる。
【0029】しかもメインシャフト20のミッション室
18に対応する部分には、内端をオイル通路68に通じ
させるとともに外端をメインシャフト20の外面に開口
させたオイル孔69,70が設けられており、メインシ
ャフト20の動力伝達室28に対応する部分には、オイ
ル通路68に内端を通じさせるとともに外端をメインシ
ャフト20の外面に開口させたオイル孔71が設けられ
る。
【0030】オイル孔69,70は、ミッション室18
内の歯車式変速機構19の一部を構成してメインシャフ
ト20の外周に装着される歯車72,73に対応する部
分でメインシャフト20に設けられ、オイル孔71は、
動力伝達室28に配置される被動歯車38に対応する部
分でメインシャフト20に設けられる。
【0031】ところで、メインシャフト20は、エンジ
ン停止時のミッション室18内のオイルの液面以下の位
置に配置されるものであり、エンジン停止時には、各オ
イル孔69,70、オイル通路68、連通路67、バラ
ンサ室46およびバランサシャフト43を介して、動力
伝達室28側のバランサ室47にオイルが流れることに
なり、それによりエンジン停止時に、バランサ室47を
含む動力伝達室28には、ミッション室18内と液面を
同一とするまでオイルが貯溜されることになる。
【0032】次にこの実施例の作用について説明する
と、エンジンケース5に回転自在に支承された円筒状の
バランサシャフト43の両端にバランサ48,49が設
けられ、それらのバランサ48,49を収納してエンジ
ンケース5内に形成されるバランサ室46,47は、円
筒状であるバランサシャフト43自体を介して相互に連
通しており、それらのバランサ室46,47内には同レ
ベルのオイルが貯溜される。
【0033】一方、バランサ室46に一端を通じさせる
連通路67がエンジンケース5に形成されており、エン
ジン停止時にはミッション室18内のオイルの液面以下
となる位置でミッション室18を横断するとともにクラ
ンクシャフト8に連動して回転することを可能としてエ
ンジンケース5に回転自在に支承されるメインシャフト
20内には、一端を前記連通路67の他端に通じさせる
とともに他端を閉じて該メインシャフト20の軸方向に
延びるオイル通路68と、オイル通路68に内端を通じ
させるとともに外端をメインシャフト20の外面に開口
させたオイル孔69,70,71とが設けられている。
【0034】したがってメインシャフト20がクランク
シャフト8に連動して回転するのに応じてオイル孔6
9,70,71内のオイルに遠心力が作用し、メインシ
ャフト20内のオイル通路68からオイル孔69,7
0,71を経て流通するオイルの流れが生じ、バランサ
室46が連通路67を介してオイル通路68に通じてい
るので、バランサ室46内に貯溜されたオイルが連通路
67、オイル通路68およびオイル孔69,70,71
を経てメインシャフト20の外部に吸引される。
【0035】しかも前記オイル孔69〜71のうちオイ
ル孔69,70は、ミッション室18に対応する部分で
メインシャフト20に設けられているので、相互に連通
したバランサ室46,47のオイルがミッション室18
内に戻されることになり、従来用いられた歯車ポンプ等
の機構を構成することもなく、また複雑な通路構造を構
成する必要もなく、簡単な構成でバランサ室46,47
のオイルをミッション室18に戻すことが可能となり、
バランサ48,49による攪拌抵抗を低減することがで
きる。
【0036】また歯車式変速機構19の一部を構成して
メインシャフト20の外周に装着される歯車72,73
に対応する部分でメインシャフト20にオイル孔69,
70が設けられるので、ミッション室18に戻されるオ
イルで歯車式変速機構19の潤滑を果すことができる。
【0037】さらにバランサ室46に一端を通じさせる
連通路67は、バランサ室46内でのバランサ48の回
転方向に沿う方向でバランサ室46の外周から接線方向
に延びるようにして形成されているので、バランサ48
がバランサ室46内でポンプ作用を果すことになり、バ
ランサ室46から連通路67を経てオイル通路68まで
オイルが効率よく圧送されることになる。
【0038】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0039】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、バランサ室内に貯溜されたオイルを、簡単な構成で
ミッション室に戻すことが可能となり、バランサによる
攪拌抵抗を低減することができる。
【0040】また請求項2記載の発明によれば、ミッシ
ョン室に戻されるオイルで歯車式変速機構の潤滑を果す
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの側面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図2の3−3線拡大断面図である。
【符号の説明】
5・・・エンジンケース 8・・・クランクシャフト 18・・・ミッション室 19・・・歯車式変速機構 20・・・回転軸としてのメインシャフト 43・・・バランサシャフト 46,47・・・バランサ室 47,48・・・バランサ 67・・・連通路 68・・・オイル通路 69,70・・・オイル孔 72,73・・・歯車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 智章 埼玉県朝霞市泉水3丁目15番1号 株式会 社ホンダレーシング内 Fターム(参考) 3G013 AA09 AA12 AA16 AB02 BA04 BC10 BD41 BD47 3J063 AB02 AC03 BA11 CA01 CB13 CB41 CD45 XD03 XD43 XD72 XE15 XE22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフト(8)と、該クランク
    シャフト(8)に連動して回転するバランサシャフト
    (43)とを、相互に平行な軸線まわりに回転自在に支
    承するエンジンケース(5)に、歯車式変速機構(1
    9)を収納するミッション室(18)と、前記バランサ
    シャフト(43)に設けられたバランサ(47,48)
    を収納するバランサ室(46,47)とが、オイルの貯
    溜を可能として形成されるバランサ付エンジンにおい
    て、前記バランサ室(46,47)に一端を通じさせる
    連通路(67)が前記エンジンケース(5)に形成さ
    れ、前記ミッション室(18)を横断するとともに前記
    クランクシャフト(8)に連動して回転することを可能
    として前記エンジンケース(5)に回転自在に支承され
    る回転軸(20)に、一端を前記連通路(67)の他端
    に通じさせるとともに他端を閉じて該回転軸(20)の
    軸方向に延びるオイル通路(68)と、前記ミッション
    室(18)に対応する部分でオイル通路(68)に内端
    を通じさせるとともに外端を回転軸(20)の外面に開
    口させたオイル孔(69,70)とが設けられることを
    特徴とするバランサ付エンジンにおける潤滑構造。
  2. 【請求項2】 前記歯車式変速機構(19)の一部を構
    成して前記回転軸(20)の外周に装着される歯車(7
    2,73)に対応する部分で、前記回転軸(20)にオ
    イル孔(69,70)が設けられることを特徴とする請
    求項1記載のバランサ付エンジンにおける潤滑構造。
JP2000226229A 2000-07-21 2000-07-21 バランサ付エンジンにおける潤滑構造 Expired - Fee Related JP3863707B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000226229A JP3863707B2 (ja) 2000-07-21 2000-07-21 バランサ付エンジンにおける潤滑構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000226229A JP3863707B2 (ja) 2000-07-21 2000-07-21 バランサ付エンジンにおける潤滑構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002039271A true JP2002039271A (ja) 2002-02-06
JP3863707B2 JP3863707B2 (ja) 2006-12-27

Family

ID=18719880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000226229A Expired - Fee Related JP3863707B2 (ja) 2000-07-21 2000-07-21 バランサ付エンジンにおける潤滑構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3863707B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016070319A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 本田技研工業株式会社 内燃機関のバランサ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016070319A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 本田技研工業株式会社 内燃機関のバランサ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3863707B2 (ja) 2006-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100392772B1 (ko) 동력장치의 윤활구조
US5218885A (en) Engine balancing and improvements thereof
JP4992061B2 (ja) エンジン
JP4691465B2 (ja) 内燃機関のブリーザ構造
JP4602213B2 (ja) 内燃機関のバランサ機構
JP4233936B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3954941B2 (ja) エンジンにおけるオイル通路構造
JP2008274976A (ja) 自動二輪車用パワーユニット
JP4451437B2 (ja) 自動二輪車用パワーユニット
JP4177734B2 (ja) エンジンの潤滑構造
JP4015511B2 (ja) エンジンの潤滑装置
JP3993170B2 (ja) エンジンのクラッチ機構潤滑構造
JP4939190B2 (ja) 小型車両用パワーユニット
JP4163576B2 (ja) エンジンの始動装置
JP2008138759A5 (ja)
JP2002039271A (ja) バランサ付エンジンにおける潤滑構造
JP2011202773A (ja) エンジンの油圧クラッチ用油路構造
JP4878853B2 (ja) 内燃機関
JP2007100541A (ja) 内燃機関の潤滑油路構造
JP2008138758A (ja) 小型車両用パワーユニット
JP4437726B2 (ja) エンジン
JP4372077B2 (ja) 内燃機関の始動装置
JP2014228065A (ja) 車両用動力伝達装置
JP4073846B2 (ja) エンジンの潤滑構造
JPH05209674A (ja) 動力伝達装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091006

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees