JP3863281B2 - 野菜のフライフレーバー及びその製造方法並びにそれを含有した香味増強組成物 - Google Patents

野菜のフライフレーバー及びその製造方法並びにそれを含有した香味増強組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種飲食物、調味料等の香味増強剤として有用な、フライしたガーリック、オニオン、キャベツ等の野菜の香ばしいフライ感及び/又はロースト感を有する、フライフレーバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、野菜のフライフレーバーを得る方法として、植物性油脂に細断又は摩砕した野菜を添加して加熱抽出する方法(特開昭56-58450号公報等)、植物材料をアルカリ、酸、或いは酵素処理し、pH5〜7で加熱反応させる方法(特開昭52-47962号公報、特開昭52-47963号公報等)や、広範囲の温度で油脂と農産物を常圧加熱し、水分を調整して加圧加熱し、香味付与物を抽出する方法(特開昭62-6651号公報等)が知られている。
しかしながら、これらの方法では、該フレーバーのフライ感は弱く、力価の点で満足のいくものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、各種飲食物、調味料等の香味増強剤として有用な、フライしたガーリック、オニオン、キャベツ等の野菜の香ばしいフライ感及び/又はロースト感を有し、しかも力価の高いフライフレーバーを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、野菜のフライ感及び/又はロースト感を強く発現させることについて鋭意研究を重ねた結果、システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体を糖の存在下、油溶性物質及び必要であれば親水性物質を含む溶剤中、反応前の水分含量を該溶剤に対して15%(W/W)以下で加熱反応させることにより、上記目的のフライフレーバーが得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0005】
即ち、本発明の製造方法は、システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体を糖の存在下、溶剤中、水分含量が該溶剤に対して15%(W/W)以下で加熱反応させることを特徴とする。
【0006】
本発明は、システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体を糖の存在下、溶剤中、水分含量が該溶剤に対して15%(W/W)以下で加熱反応させることにより得られる、野菜のフライフレーバー、である。
【0007】
本発明の香味増強組成物は、上記記載の野菜のフライフレーバーを含有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体を糖の存在下、溶剤中、水分含量が該溶剤に対して15%(W/W)以下で加熱反応させることを特徴とする。
【0009】
本発明は、システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体を糖の存在下、溶剤中、水分含量が該溶剤に対して15%(W/W)以下で加熱反応させることにより得られる、野菜のフライフレーバー、である。
【0010】
本発明の香味増強組成物は、上記記載の野菜のフライフレーバーを含有することを特徴とする。
【0011】
本発明で用いられるシステインスルホキシド化合物としては、例えばアルキル基、アルケニル基等で置換したS置換システインスルホキシド化合物が挙げられ、また、該化合物はモノ体でも或いはジペプチド、トリペプチド等でも良く、具体的にはアルキルシステインスルホキシド及び/又はアルケニルシステインスルホキシド等が挙げられる。これらは光学的に純品でも或いは純品でなくても良い。
【0012】
アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも良く、例えば炭素数1〜5のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、2-メチルブチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、直鎖状でも分枝状でも良く、例えば炭素数2〜5のアルケニル基が挙げられ、具体的にはエテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。
【0013】
アルキルシステインスルホキシドとしては、例えばS−メチルシステインスルホキシド、S−エチルシステインスルホキシド、S−プロピルシステインスルホキシド、S−ブチルシステインスルホキシド、S−ペンチルシステインスルホキシド、γ−グルタミル−S−メチルシステインスルホキシド等が挙げられ、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0014】
アルケニルシステインスルホキシドとしては、例えばS−プロペニルシステインスルホキシド、γ−グルタミル−S−(1-プロペニル)システインスルホキシド、γ−グルタミル−S−(2-プロペニル)システインスルホキシド、γ−グルタミル−S−(1-プロペニル)システイニル−S−(1-プロペニル)システインスルホキシド等が挙げられ、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0015】
S置換システイン誘導体としては、例えばアルキル基、アルケニル基、カルボキシアルキル基等で置換したS置換システイン誘導体が挙げられ、また、該誘導体はモノ体でも或いはジペプチド、トリペプチド等でも良く、具体的にはS−アルキルシステイン、S−アルケニルシステイン、及び/又はS−カルボキシアルキルシステイン等が挙げられ、光学的に純品でも或いは純品でなくても良い。
【0016】
アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも良く、例えば炭素数1〜5のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、2-メチルブチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、直鎖状でも分枝状でも良く、例えば炭素数2〜5のアルケニル基が挙げられ、具体的にはエテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。カルボキシアルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも良く、上記アルキル基の水素原子がカルボキシル基で置換された例えば炭素数2〜5のカルボキシアルキル基が挙げられ、具体的にはカルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等が挙げられる。
【0017】
S−アルキルシステインとしては、例えばS−メチルシステイン、S−エチルシステイン、S−プロピルシステイン等が挙げられ、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0018】
S−アルケニルシステインとしては、例えばS−プロペニルシステイン等が挙げられ、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0019】
S−カルボキシアルキルシステインとしては、例えばS−(カルボキシメチル)システイン、S−(2-カルボキシエチル)システイン等が挙げられ、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0020】
これらシステインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体は、市販品を用いても、或いは例えばIberl,B.らの方法〔Planta Med.,56, 320-326 (1990).〕等によって製造したものを用いても良い。また、前記システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体は、必ずしも純粋である必要はない。更に、前記システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体の代わりに、これらを含有する各種野菜のエキスを用いても、或いは該エキスと併用しても良い。尚、該エキスを用いた場合には、水分含量を15%(W/W)以下に調製するためには、濃縮エキスが望ましいが、これに限定されるものではない。
【0021】
本発明で用いられる糖としては、アミノカルボニル反応をするものであれば特に限定されないが、例えばグリセルアルデヒド、エリスロース、トレオース、アラビノース、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース等のアルドース類、例えばジヒドロキシアセトン、キシルロース、リブロース、フルクトース、ソルボース等のケトース類、例えば2-デオキシリボース、ラムノース、フコース等のデオキシ糖、例えばマルトース、セロビオース、イソマルトース、ラクトース、シュクロース等の少糖類等が挙げられる。これらは夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0022】
糖の使用量は特に限定されないが、経済的見地から、システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体1重量部に対して、通常10〜200重量部、好ましくは20〜100重量部の範囲から適宜選択される。
【0023】
本発明で用いられる溶剤としては、油溶性物質及び必要であれば親水性物質等を含むものが挙げられる。
油溶性物質としては、例えば植物の種子並びに動物脂より得られる食用油脂、及びその加工品等が挙げられ、具体的にはコーン油、綿実油、コメ油、サフラワー油、ひまわり油、パーム油、牛脂、豚脂、鶏油等、ゴマ油、菜種油、及びそれらの分離精製油、硬化油、MCT(中鎖脂肪酸エステル類)等が挙げられる。これら油溶性物質は、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0024】
必要に応じて用いられる親水性物質としては、少なくとも水酸基を1個有する可食性水溶性物質であればよく、例えばエタノール等のアルコール類、例えばプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、水等が挙げられる。これら親水性物質は、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0025】
溶剤の使用量は特に限定されないが、経済的見地から、システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体1重量部に対して、通常200〜3000重量部、好ましくは300〜1500重量部の範囲から適宜選択される。
【0026】
また、溶剤中の油溶性物質と親水性物質との混合比は、重要ではなく任意に設定できるが、敢えてこれを示せば、前者と後者が通常70:30〜100:0、好ましくは80:20〜100:0の範囲から適宜選択される。また、得られる野菜のフライフレーバーが油溶性である場合には、溶剤中の油溶性物質の含量が80%(W/W)以上が適当である。
親水性物質の割合が30よりも高くなると、香味が弱くなる。
【0027】
本発明の製造方法における水分含量としては、上記溶剤に対して15%(W/W)以下であればよく、水分を含有している場合には、好ましくは0.1〜10%(W/W)、より好ましくは1〜6%(W/W)の範囲から適宜選択される。
15%(W/W)を越えると得られるフライフレーバーは、好ましいフライ感及び/又はロースト感が得られず、酸臭の強い風味になる。
【0028】
水を含有している場合のpHとしては、通常3.5〜10、好ましくは4〜6.5の範囲から適宜選択される。
pHが3.5未満では、甘さを中心にしたフレーバーが極度に弱くなり、また、10をこえると目的のものとは全く異なる風味となる。
また、水のpHの調整は、pH調整剤、即ち、例えば有機酸、鉱酸等の酸、例えば無機アルカリ性化合物等の塩基性物質等を用いて行えば良い。
【0029】
有機酸としては、例えば乳酸、コハク酸、酢酸、L−酒石酸、DL−酒石酸、クエン酸等が挙げられ、これらは夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
鉱酸としては、例えばリン酸等が挙げられる。
【0030】
無機アルカリ性化合物としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム等が挙げられる。
【0031】
本発明の野菜のフライフレーバーを得るには、例えば下記のようにして行えばよい。
即ち、システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体、糖、油溶性物質及び必要であれば親水性物質を含む溶剤、及び必要に応じて水〔水分含量を該溶剤に対して15%(W/W)以下となるような量〕を混合し、これを溶解或いは分散した後、得られた混合物を必要に応じて密閉してから加熱反応を行えば良い。
反応後は、この分野において通常行われる方法で後処理を行ったものを、或いは、後処理を行わずにそのままの状態のものを野菜のフライフレーバーとして用いれば良い。
【0032】
反応温度は特に限定されないが、加熱反応であることが望ましく、通常105〜175℃、好ましくは加圧下で130〜160℃の範囲から適宜選択される。
105℃未満では好ましいフライ感及び/又はロースト感は得られず、175℃を越えた場合には焦げ臭やナッツ様の油臭やグリーン臭の強いものとなり不適当である。
【0033】
反応時間も特に限定されないが、通常5分〜60分、好ましくは15分〜40分の範囲から適宜選択される。
反応時間が5分より短いと、反応が不十分でフライ感が得られず、60分より長いとこげ臭や油臭が強くなる。
【0034】
本発明の野菜のフライフレーバーには、システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体、糖、油溶性物質及び必要であれば親水性物質を含む溶剤、及び必要に応じて用いられる水並びにpH調整剤の他に、必要に応じてその効果を損なわない範囲で他の成分を添加しても良い。
添加可能な成分としては、可食性のものであれば特に限定されないが、例えばアミノ酸類、香料、塩類、調味料、強化剤、苦味料、酸味料、増粘安定剤、酸化防止剤等が挙げられる。
尚、これら添加可能な成分の該野菜のフライフレーバーへの添加は、該野菜のフライフレーバーを製造する際に行われる溶解或いは分散させる操作の前でも後でも良いが、溶解或いは分散させる前が好ましい。
【0035】
アミノ酸類としては、例えばアラニン、グリシン、リジン、ヒドロキシリジン、バリン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、シスチン、システイン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン、スレオニン、チロシン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、アミノ酪酸(これらアミノ酸類は、例えばナトリウム,カリウム等のアルカリ金属塩や塩酸塩等、塩の形になっているものでも良い。)等が挙げられ、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。尚、これらアミノ酸類は、L体でもD体でも或いはそれらの混合物でも良い。
【0036】
香料としては、例えばヘキサナール、オクテナール、デカジエナール等のアルデヒド類、メルカプタン類、アルキルスルフィド類、マルトール、フラネオール等が挙げられ、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0037】
塩類としては、例えば5’−イノシン酸ナトリウム、5’−グアニル酸ナトリウム、5’−ウリジル酸ナトリウム、5’−シチジル酸ナトリウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5’−リボヌクレオチド2ナトリウム等の核酸の塩類、例えばグルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸マグネシウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、コハク酸2ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の有機酸の塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸3ナトリウム等の無機塩等が挙げられる。これらは夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0038】
このようにして得られた本発明の野菜のフライフレーバーは、システインスルホキシド化合物及び/又はS置換システイン誘導体を糖の存在下、油溶性物質及び必要であれば親水性物質を含む溶剤中、水分含量を該溶剤に対して15%(W/W)以下で加熱反応させることにより、フライしたガーリック、オニオン、キャベツ等の野菜の香ばしいフライ感及び/又はロースト感を有し、しかも力価の高いフライフレーバーが得られる、という点に顕著な効果を奏するものである。また、反応させる際に、例えばアミノ酸類、香料等を添加して前記反応を行えば、前記効果が更に増大する、という点にも顕著な効果を奏するものである。
【0039】
かくして得られた上記本発明の野菜のフライフレーバーを例えば香味増強組成物として用いれば、上記したような性質、即ち、フライしたガーリック、オニオン、キャベツ等の野菜の香ばしいフライ感及び/又はロースト感を有するものが得られる。それにより、該組成物を粉末、固体、油状、液状(例えば水溶液等)或いはエマルションの形態で、例えば種々の食品に添加すれば、前記性質を付与した食品が得られ、また、フライパンで野菜を炒めたときの香ばしい調理感を表現することができる、という点に顕著な効果を奏するものである。
【0040】
本発明の香味増強組成物には、上記野菜のフライフレーバーの他に、必要に応じてその効果を損なわない範囲で他の成分を添加しても良い。
添加可能な成分としては、可食性のものであれば特に限定されないが、例えばアミノ酸類、香料、塩類、調味料、強化剤、苦味料、酸味料、増粘安定剤、酸化防止剤等が挙げられる。
尚、アミノ酸類、香料、塩類の具体例は先に述べた通りである。
【0041】
【実施例】
以下に実施例、比較例及び試験例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。
尚、香料は下記の割合で調製した組成物を用いた(下記数値は重量%を示す)。
Figure 0003863281
【0042】
また、アミノ酸類も下記の割合で調製した組成物を用いた(下記数値は重量%を示す)。
Figure 0003863281
【0043】
実施例1. 野菜のフライフレーバーの製造
S-2-プロペニルシステインスルホキシド 0.132g、グルコース 6g、アミノ酸類 6g、香料 0.2g及びプロピレングリコール 7.5gを大豆油 135gに分散させた。得られた混合物を密閉容器中、130℃で30分間加熱反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、濾過してガーリックを炒めた時に感じられる甘いフライ感のあるオイルのガーリックフレーバー 108gを得た。
【0044】
実施例2. 野菜のフライフレーバーの製造
S-2-プロペニルシステインスルホキシド 0.132g、グルコース 6g、アミノ酸類 6g、香料 0.2g及びプロピレングリコール 7.5gを大豆油 135gに分散させた。得られた混合物を密閉容器中、150℃で30分間加熱反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、濾過してローストおよびフライ感の強化されたオイルのガーリックフレーバー 108gを得た。
【0045】
比較例1. フレーバーの製造
S-2-プロペニルシステインスルホキシド 0.132g、グルコース 6g、アミノ酸類 6g、香料 0.2g及びプロピレングリコール 7.5gを大豆油 135gに分散させた。得られた混合物を密閉容器中、180℃で15分間加熱反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、濾過してナッツ様で焼けたにおいのフレーバー 108gを得た。得られたフレーバーは、殆どフライ感を有していなかった。
【0046】
比較例2. フレーバーの製造
ガーリック 28gを薄くスライスし、大豆油 135gに分散させた。得られた混合物を密閉容器中、150℃で30分間加熱反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、濾過してロースト感の弱いオイルのガーリックフレーバー 108gを得た。
【0047】
試験例1.
実施例1及び2並びに比較例1及び2で得られたフレーバーについて、その風味を熟練者5名のパネルにより下記3段階で評価した。結果を表1に示す。
・3段階評価基準
A:野菜のフライフレーバーとしての風味に優れている。
B:野菜のフライフレーバーとしての風味を幾分表現する。
C:野菜のフライフレーバーとしての風味に欠ける。
【0048】
【表1】
Figure 0003863281
【0049】
(表1の考察)
表1の結果からも明らかなように、実施例1及び2で得られた得られたフレーバーは、目的のフライ感のあるものであった。これに対し、比較例1で得られたフレーバーは、反応温度が180℃と高温であったため、目的のフライ感のあるものは得られなかった。また、比較例2で得られたフレーバーも、単にガーリックをスライスしたものを原料として用いたため、目的のフライ感のあるものは得られなかった。このことからも、本発明の製造方法が明らかに優れていることが判る。
また、実施例1及び2で得られた本発明のフレーバーは、比較例2で得られた従来のフレーバーの4倍以上の力価のフレーバーが得られた。
【0050】
実施例3. 野菜のフライフレーバーの製造
S-2-プロペニルシステインスルホキシド 0.132g、キシロース 6g、アミノ酸類 6g、香料 0.2g及びリン酸でpH6.5に調製した水 3.25gを大豆油 135gに分散させた。得られた混合物を密閉容器中、140℃で30分間加熱反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、濾過してクリスピーなロースト感が強化されたオイルのガーリックフレーバー 108gを得た。
【0051】
実施例4. 野菜のフライフレーバーの製造
S-2-プロペニルシステインスルホキシド 0.132g、キシロース 6g、アミノ酸類 6g、香料 0.2g及びリン酸でpH6.5に調製した水 7.5gを大豆油 135gに分散させた。得られた混合物を密閉容器中、140℃で30分間加熱反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、濾過してロースト感の強化されたオイルのガーリックフレーバー 108gを得た。
【0052】
実施例5. 野菜のフライフレーバーの製造
S-2-プロペニルシステインスルホキシド 0.132g、キシロース 6g、アミノ酸類 6g、香料 0.2g及びリン酸でpH6.5に調製した水 15gを大豆油 135gに分散させた。得られた混合物を密閉容器中、140℃で30分間加熱反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、濾過してロースト感の強化されたオイルのガーリックフレーバー 108gを得た。
【0053】
比較例3. フレーバーの製造
S-2-プロペニルシステインスルホキシド 0.132g、グルコース 6g、アミノ酸類 6g、香料 0.2g及び水 54gを大豆油 135gに分散させた。得られた混合物を密閉容器中、140℃で30分間加熱反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、ロースト感が弱く酸臭が強いフレーバー 108gを得た。
【0054】
試験例2.
実施例3〜5及び比較例3で得られたフレーバーについて、その風味を熟練した5名のパネルにより下記3段階で評価した。結果を表2に示す。
・3段階評価基準
A:野菜のフライフレーバーとしての風味に優れている。
B:野菜のフライフレーバーとしての風味を幾分表現する。
C:野菜のフライフレーバーとしての風味に欠ける。
【0055】
【表2】
Figure 0003863281
【0056】
(表2の考察)
表2の結果からも明らかなように、比較例3で得られたフレーバーは、水分含量が溶剤に対して15%(W/W)以上有していたため、フライ感又はロースト感を殆ど有していなかった。これに対し、実施例3〜5の本発明の製造方法によって得られたフレーバーは、目的のロースト感のあるものであった。このことからも、本発明の製造方法が明らかに優れていることが判る。
また、実施例3〜5で得られた本発明のフレーバーは、フライ感が比較例2で得られた従来のフレーバーの4倍以上の力価で得られた。
【0057】
実施例6. 野菜のフライフレーバーの製造
ガーリック抽出物 15g(水分5.2%)、グルコース 6g、アミノ酸類 5g及び香料 0.1gを大豆油 135gに分散させた。得られた混合物を密閉容器中、140℃で30分間加熱反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、濾過してフライ感及びロースト感の強いオイルのガーリックフレーバー 108gを得た。
【0058】
本発明によれば、フライしたガーリック、オニオン、キャベツ等の野菜の香ばしいフライ感及び/又はロースト感を有し、しかも力価の高い野菜のフライフレーバーが得られる、という点に顕著な効果を奏するものである。これにより、該野菜のフライフレーバーは、各種飲食物、調味料等の香味増強組成物として有用である。

Claims (3)

  1. S−2−プロペニルシステインスルホキシドを糖の存在下、溶剤中、水分含量が該溶剤に対して15%(W/W)以下で加熱反応させる野菜のフライフレーバーの製造方法であって、上記糖及び溶剤の使用量が、S−2−プロペニルシステインスルホキシド1重量部に対して、糖10〜200重量部、溶剤200〜3000重量部であることを特徴とする野菜のフライフレーバーの製造方法。
  2. S−2−プロペニルシステインスルホキシドを糖の存在下、溶剤中、水分含量が該溶剤に対して15%(W/W)以下で、かつ、S−2−プロペニルシステインスルホキシド1重量部に対して、糖10〜200重量部、溶剤200〜3000重量部で加熱反応させることにより得られる野菜のフライフレーバー。
  3. 請求項2に記載の野菜のフライフレーバーを含有することを特徴とする香味増強組成物。
JP05546598A 1998-03-06 1998-03-06 野菜のフライフレーバー及びその製造方法並びにそれを含有した香味増強組成物 Expired - Fee Related JP3863281B2 (ja)

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