JPH11215967A - チキンフレーバー及びその製造方法並びにそのフレーバー組成物 - Google Patents
チキンフレーバー及びその製造方法並びにそのフレーバー組成物Info
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- JPH11215967A JPH11215967A JP10019923A JP1992398A JPH11215967A JP H11215967 A JPH11215967 A JP H11215967A JP 10019923 A JP10019923 A JP 10019923A JP 1992398 A JP1992398 A JP 1992398A JP H11215967 A JPH11215967 A JP H11215967A
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Abstract
用な、トリ肉又はトリの骨を煮込んだ時に生じるスープ
の風味或いはソテーした時に生じるロースト感を有する
チキンフレーバーを提供する。 【解決手段】 β−アラニン誘導体とアミノ酸類とを溶
剤中で加熱反応させることを特徴とするチキンフレーバ
ーの製造方法。
Description
料等の香味増強剤として有用な、トリ肉又はトリの骨を
煮込んだ時に生じるスープの風味或いはソテーした時に
生じるロースト感を有するチキンフレーバー、及びその
製造方法、並びにそのフレーバー組成物に関する。
ためには、動植物を加熱処理し、香味含有油脂を分離す
る製造方法(特開昭58-40063号公報等)、広範囲の温度
で油脂と農産物を常圧加熱し、水分を調製して加圧加熱
し、香味付与物を得る方法(特開昭62-6651号公報
等)、畜肉エキス製造時に油脂存在下で加熱反応し、得
られた反応混合物を濃縮して香味を有したエキスを製造
する方法(特開平8-205811号公報等)等が用いられてい
た。しかしながら、これらの加工処理だけでは、力価を
含め満足いく風味を再現できていなかった。
分として、カルノシンやアンセリン等のβ−アラニン誘
導体が含まれており、このβ−アラニン誘導体と糖を利
用したビーフフレーバーの製法が特開昭61-181357号公
報等に開示されている。しかしながら、チキンフレーバ
ーでは、天然原料以外のものから得られるフレーバーは
なく、風味の再現の観点で満足できるものではなかっ
た。
課題に鑑みなされたものであり、各種飲食物、調味料等
の香味増強剤として有用な、トリ肉又はトリの骨を煮込
んだ時に生じるスープの風味或いはソテーした時に生じ
るロースト感を有するチキンフレーバーを提供すること
を目的とする。
たはトリの骨を煮込んだ時に生じるスープの風味或いは
ソテーした時に生じるロースト感を表現する香味発現に
ついて鋭意研究を重ねた結果、β−アラニン誘導体とア
ミノ酸類とを溶剤の存在下で加熱反応させることによ
り、上記目的のチキンフレーバーが得られることを見い
出し、本発明を完成するに至ったのである。
法は、β−アラニン誘導体とアミノ酸類とを溶剤中で加
熱反応させることを特徴とする。
類とを溶剤中で加熱反応させることにより得られるチキ
ンフレーバー、である。
チキンフレーバーを含有することを特徴とする。
しては、β−アラニンの他に、β−アラニンをN末端に
有しているもの〔例えばジペプチド、トリペプチド等の
ペプチド等)であれば特に限定されるものではない。β
−アラニン誘導体の具体例としては、カルノシン、アン
セリン、バレニン、パントテン酸等が挙げられ、夫々単
独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
これらβ−アラニン誘導体は、市販品を用いても、或い
は適宜製造したものを用いても良い。また、該β−アラ
ニン誘導体は、必ずしも純粋である必要はなく、更に、
該β−アラニン誘導体の代わりに、必要相当量のβ−ア
ラニン誘導体を含むトリ肉や骨等の抽出物などの天然素
材を用いても或いは該天然素材とβ−アラニン誘導体と
を併用しても良い。
れないが、溶剤100重量部に対して、通常0.01〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲から適宜選択され
る。β−アラニン誘導体の使用量が0.01重量部より少な
いと油感やグリーン感が強くなり、また、10重量部より
多いとアンモニア臭が強くなり、更に、夫々の場合にス
ープの風味やソテーしたロースト感を有さなくなる。
その誘導体が挙げられる。その具体例としては、タウリ
ン、グルタミン酸、システイン、アラニン、グルタミ
ン、セリン、プロリン、ロイシン及びメチオニンを必須
とし、これらに必要であれば前記以外のアミノ酸類を併
用したものが挙げられる。必要に応じて併用するアミノ
酸類としては、例えばグリシン、リジン、ヒドロキシリ
ジン、バリン、アルギニン、アスパラギン酸、シスチ
ン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン、トリプトファ
ン、スレオニン、チロシン、フェニルアラニン、イソロ
イシン、アミノ酪酸等が挙げられ、夫々単独で用いても
二種以上適宜組み合わせて用いても良い。これらアミノ
酸類は、例えばナトリウム,カリウム等のアルカリ金属
塩や塩酸塩等、塩の形になっているものでも良い。尚、
上記アミノ酸類は、L体でもD体でも或いはそれらの混
合物でも良い。
が、上記β−アラニン誘導体の使用量を含んだ使用量と
して、溶剤100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好
ましくは0.2〜10重量部の範囲から適宜選択される。ア
ミノ酸類の使用量が0.2重量部より少なくても、また、1
0重量部より多くても、目的の風味が得られなくなる。
する可食性水溶性物質であればよく、水、親水性溶剤等
が挙げられる。親水性溶剤としては、例えばエタノール
等のアルコール類、例えばプロピレングリコール、グリ
セリン等の多価アルコール類等が挙げられる。これら溶
剤は、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用
いても良い。
アラニン誘導体に対して、通常10〜1000重量部、好まし
くは50〜500重量部の範囲から適宜選択される。溶剤の
使用量が10重量部より少ないと、アンモニア臭が強くな
りスープの風味やソテーしたロースト感を表現しなくな
り、また、1000重量部よりも多いと目的の風味を発現し
なくなる。
えば下記のようにして行えばよい。即ち、β−アラニン
誘導体とアミノ酸類とを適当な溶剤中、必要に応じて密
閉してから加熱下で反応を行えば良い。反応後は、この
分野において通常行われる方法で後処理を行ったもの
を、或いは、後処理を行わずにそのままの状態のものを
チキンフレーバーとして用いれば良い。
が、反応温度は加熱反応が望ましいが、通常60〜130℃
で20分〜6時間、好ましくは加圧下、90〜120℃で30分
〜3時間の範囲から適宜選択される。反応温度が60℃未
満或いは反応時間20分未満では、風味が弱く、反応温度
が130℃を超えるか或いは反応時間が6時間を超える条
件下では、得られたチキンフレーバーが炭化したにおい
となる。
ニン誘導体、アミノ酸類及び溶剤の他に、必要に応じて
その性質を損なわない範囲で他の成分を、即ち、風味の
さらなる強化や温度制御、pHの調整等を目的として添
加しても良い。添加可能な成分としては、可食性のもの
であれば特に限定されないが、油溶性物質、pH調整
剤、塩類、糖、香料、調味料、強化剤、苦味料、酸味
料、増粘安定剤、酸化防止剤等が挙げられる。
びに動物脂より得られる食用油脂、及びその加工品等が
挙げられ、具体的にはコーン油、綿実油、コメ油、サフ
ラワー油、ひまわり油、パーム油、牛脂、豚脂、鶏油、
ゴマ油、菜種油等、及びその分離精製油、硬化油、MC
T(中鎖脂肪酸エステル類)等が挙げられる。これら油
溶性物質は、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わ
せて用いても良い。
等の酸、無機アルカリ性化合物等の塩基性物質等が挙げ
られる。
酢酸、L−酒石酸、DL−酒石酸、クエン酸等が挙げら
れ、これらは夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わ
せて用いても良い。鉱酸としては、例えばリン酸等が挙
げられる。
酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二水素ナト
リウム、リン酸一水素カリウム、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二
カリウム等が挙げられる。
ム、5’−グアニル酸ナトリウム、5’−ウリジル酸ナ
トリウム、5’−シチジル酸ナトリウム、5’−リボヌ
クレオチドカルシウム、5’−リボヌクレオチド2ナト
リウム等の核酸の塩類、例えばグルタミン酸ナトリウ
ム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸カリウム、
グルタミン酸マグネシウム、DL−リンゴ酸ナトリウ
ム、コハク酸2ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナ
トリウム、酢酸ナトリウム等の有機酸の塩、例えば塩化
ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素2ナトリウム、
リン酸2水素ナトリウム、リン酸3ナトリウム等の無機
塩等が挙げられる。これらは夫々単独で用いても二種以
上適宜組み合わせて用いても良い。
ものであれば特に限定されないが、例えばグリセルアル
デヒド、エリスロース、トレオース、アラビノース、キ
シロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラク
トース等のアルドース類、例えばジヒドロキシアセト
ン、キシルロース、リブロース、フルクトース、ソルボ
ース等のケトース類、例えば2-デオキシリボース、ラム
ノース、フコース等のデオキシ糖、例えばマルトース、
セロビオース、イソマルトース、ラクトース、シュクロ
ース等の少糖類等が挙げられる。これらは夫々単独で用
いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
テナール、デカジエナール等のアルデヒド類、メルカプ
タン類、アルキルスルファイド類、アミン類、マルトー
ル、フラネオール等が挙げられ、夫々単独で用いても二
種以上適宜組み合わせて用いても良い。
レーバーは、β−アラニン誘導体とアミノ酸類とを加熱
反応させることにより、トリ肉又はトリの骨を煮込んだ
時に生じるスープの風味或いはソテーした時に生じるロ
ースト感を有するものである。このチキンフレーバーを
フレーバー組成物として用いて粉末、固体、油状、或い
は液状の形態のものを、例えば食品に添加すれば、前記
性質を付与した食品が得られる、という点に顕著な効果
を奏するものである。
記チキンフレーバーの他に、必要に応じてその性質を損
なわない範囲で他の成分を添加しても良い。添加可能な
成分としては、油溶性物質、pH調整剤、塩類、香料、
調味料、強化剤、苦味料、酸味料、増粘安定剤、酸化防
止剤等が挙げられる。
体例は先に述べた通りである。
発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例によって
何ら限定されるものではない。
0.1g、シスチン 0.1g、アラニン 0.1g、グルタミン
0.2g、グルタミン酸ナトリウム 0.05g、メチオニン
0.04g、セリン0.1g、プロリン 0.05g、ロイシン 0.0
5g、5’-イノシン酸ナトリウム 0.1g、乳酸ナトリウ
ム 0.1g及び塩化ナトリウム 0.2gを水 100mlに溶解
し、これを密閉型加熱反応容器中、100℃で90分間反応
させた。反応終了後、冷却し、反応液を濾過後凍結濃縮
して、トリ肉またはトリの骨を煮込んだ時に生じるスー
プの風味を表現するチキンフレーバー 1.2gを得た。
0.3g、システイン 0.1g、シスチン 0.1g、アラニン
0.1g、グルタミン 0.2g、グルタミン酸ナトリウム 0.
05g、メチオニン 0.04g、セリン 0.1g、プロリン 0.
05g、ロイシン 0.05g、5’−イノシン酸ナトリウム
0.1g、乳酸ナトリウム 0.1g及び塩化ナトリウム 0.2
gを水 100mlに溶解し、これを密閉型加熱反応容器中、
100℃で90分間反応させた。反応終了後、反応液を冷却
し、反応液を濾過後凍結濃縮して、トリ肉またはトリの
骨を煮込んだ時に生じるスープの風味を表現するチキン
フレーバー 1.5gを得た。
0.1g、アラニン 0.1g、グルタミン 0.2g、グルタミ
ン酸ナトリウム 0.05g、メチオニン 0.04g、セリン
0.1g、プロリン 0.05g、ロイシン 0.05g、5’−イ
ノシン酸ナトリウム 0.1g、乳酸ナトリウム0.1g、塩
化ナトリウム 0.2g及び水 100mlに溶解し、これを密
閉型加熱反応容器中、100℃で90分間反応させた。反応
終了後、冷却し、反応液を濾過後凍結濃縮して、グリー
ン感が強くチキンフレーバーとしての風味の弱いフレー
バー 1.1gを得た。
られたチキンフレーバーについて、その風味を熟練した
評価者5名により下記3段階で評価した。結果を表1に
示す。 ・3段階評価基準 A:トリガラスープの蒸した栗様の風味を良く再現 B:トリガラスープの蒸した栗様の風味を再現 C:トリガラスープの蒸した栗様の風味を再現していな
い
ように、実施例1及び2で得られた得られたチキンフレ
ーバーは、目的の風味のあるものであった。これに対
し、比較例1で得られたフレーバーは、β−アラニン誘
導体を用いていないため、目的の風味のあるチキンフレ
ーバーは得られなかった。このことからも、本発明が明
らかに優れていることが判る。
物、調味料等の香味増強剤等として有用な、β−アラニ
ン誘導体とアミノ酸類とを溶剤中で加熱反応させること
により、トリ肉又はトリの骨を煮込んだ時に生じるスー
プの風味、或いはソテーした時に生じるロースト感を有
するチキンフレーバーを提供するものであり、斯業に貢
献するところ大なる発明である。
Claims (3)
- 【請求項1】 β−アラニン誘導体とアミノ酸類とを溶
剤中で加熱反応させることを特徴とするチキンフレーバ
ーの製造方法。 - 【請求項2】 β−アラニン誘導体とアミノ酸類とを溶
剤中で加熱反応させることにより得られるチキンフレー
バー。 - 【請求項3】 請求項2に記載のチキンフレーバーを含
有することを特徴とするフレーバー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10019923A JPH11215967A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | チキンフレーバー及びその製造方法並びにそのフレーバー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10019923A JPH11215967A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | チキンフレーバー及びその製造方法並びにそのフレーバー組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11215967A true JPH11215967A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=12012755
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10019923A Pending JPH11215967A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | チキンフレーバー及びその製造方法並びにそのフレーバー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11215967A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007042273A2 (en) * | 2005-10-14 | 2007-04-19 | Thomas Frank Hofmann & Andreas Dunkel | Kokumi flavour compounds and use |
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WO2013140901A1 (ja) * | 2012-03-21 | 2013-09-26 | アサヒグループホールディングス株式会社 | 酵母エキス加熱反応調味料 |
WO2014054704A1 (ja) * | 2012-10-02 | 2014-04-10 | 高砂香料工業株式会社 | チキンフレーバー組成物及びチキン風味増強剤 |
-
1998
- 1998-01-30 JP JP10019923A patent/JPH11215967A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009511030A (ja) * | 2005-10-14 | 2009-03-19 | トーマス フランク ホフマン アンド アンドレアス ドゥンケル | コク味フレーバー化合物および使用 |
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JPWO2014054704A1 (ja) * | 2012-10-02 | 2016-08-25 | 高砂香料工業株式会社 | チキンフレーバー組成物及びチキン風味増強剤 |
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