JP3862945B2 - 編集装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に記録された情報を再生する再生部と、記録媒体に情報を記録する記録部とが独立して設けられた情報記録再生装置に備えられ、再生部で再生された情報を記録部で記録媒体に記録する際に、該記録媒体に記録すべき情報を自動的に編集する編集装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、再生部と記録部とを別々に設けた情報記録再生装置は、再生部で記録媒体に記録された情報を再生し、この再生した情報を記録部で別の記録媒体に記録する場合、記録情報を自動的に編集して記録媒体に記録するために、一般的にマイクロコンピュータを用いた編集装置を有している。
【0003】
ここで、編集装置について、図9を参照しながら以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記再生部はCD(compact disc)を再生し、上記記録部はMD(mini disc)に情報(曲)を記録(録音)するものとする。
【0004】
上記編集装置は、図9に示すように、操作部101、再生部としてCD制御部102とCD再生部103、記録部としてMD制御部104とMD録音部105を備えた構成となっている。
【0005】
上記構成の編集装置において、CDからMDに録音する曲を決定するための処理の流れについて、図9に示すブロック図および図10に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0006】
まず、前準備として、情報記録再生装置の再生部にCDを装填すると共に、記録部にMDを装填する。
【0007】
次に、再生部に装填されたCDに基づいて、CD制御部102内のCDデータ記憶部106に、該CD総演奏時間TCDおよびCD各曲演奏時間T1 〜TN (N曲入りのCD)が入力される。一方、記録部に装填されたMDに基づいて、CD制御部102内の録音可能時間記憶部107に、MD制御部104内のMD録音時間演算部110にて得られたMD録音可能時間TMDが入力される。
【0008】
続いて、機器の操作者が操作部101の編集キー112を押すと、上記録音可能時間記憶部107より得られるTMD、及びCDデータ記憶部106より得られるTCDとT1 〜TN が、CD制御部102内の実録音時間演算部108に入力され、CD制御部102内の録音曲設定部109においてMDに録音される録音曲が設定される。
【0009】
上記録音曲設定部109では、図10に示すフローチャートに従って録音曲を設定するようになっている。
【0010】
まず、録音曲設定部109に、CD総演奏時間TCD、CD各曲演奏時間T1 〜TN が入力される(ステップS101)。
【0011】
続いて、録音曲設定部109に、MD録音可能時間TMDが入力される(ステップS102)。
【0012】
次に、CD総演奏時間TCDとMD録音可能時間TMDとが比較され、TCD>TMDの判定が行なわれる(ステップS103)。ここで、TCD>TMDでない、すなわちCD総演奏時間TCDがMD録音可能時間TMDと同じか小さいと判定されれば、MD制御部104のMD録音制御部111に対して、全てのCDの曲をMDにそのまま録音するように指示する信号を出力する。
【0013】
そして、操作者が操作部101のSTART キー113を押すと、CD再生部103によりCDが再生されると共に、MD制御部104内のMD録音制御部111からの制御信号に基づいてMD録音部105がMDの録音を開始する。このとき、CDの全ての曲がMDにそのまま録音される(ステップS104)。
【0014】
一方、ステップS103において、TCD>TMDである、すなわちCD総演奏時間TCDがMD録音可能時間TMDよりも大きいと判定されれば、ステップS105において、以下の判定式(1)に基づいて、録音曲を決定するためのmを求める。
【0015】
【数1】
【0016】
最後に、ステップS105で求めたmに基づいて、ステップS106により、CDのm曲目までを録音し、m+1〜N(CDの収録曲数N)曲目までは録音しないように制御する制御信号をMD録音制御部111に出力する。
【0017】
例えば、CD総演奏時間TCDが32分で、MD録音可能時間TMDが28分であり、CDの各曲の演奏時間が以下の表1に示す場合について説明する。
【0018】
【表1】
【0019】
判定式(1)において、m=1の場合、以下の式(2)となる。
【0020】
【数2】
【0021】
判定式(1)において、m=2の場合、以下の式(3)となる。
【0022】
【数3】
【0023】
判定式(1)において、m=3の場合、以下の式(4)となる。
【0024】
【数4】
【0025】
判定式(1)において、m=4の場合、以下の式(5)となる。
【0026】
【数5】
【0027】
よって、m=3が最大曲数となる。
【0028】
そこで、録音曲設定部109によって、CDの1〜3曲目を録音することが決定され、このときの制御信号がMD録音制御部111に出力される。
【0029】
そして、操作者が操作部101ののSTART キー113を押すと、CD再生部103によりCDが再生されると共に、MD制御部104内のMD録音制御部111からの制御信号に基づいてMD録音部105がMDの録音を開始する。このとき、CD再生部103では、CDの全曲演奏を行なうが、MD録音部105では、MD録音制御部111からの制御信号に基づいてCDの1〜3曲目までの録音を行なうようになっている。
【0030】
上述のように、従来の編集装置では、CD総演奏時間TCDがMD録音可能時間TMDよりも大きい場合、CDの全ての曲がMDに録音することができないという問題が生じる。上述の例では、CD全5曲のうちの1〜3曲までしかMDに録音できず、4曲目と5曲目は未録音のままとなっている。
【0031】
ところで、MDは、通常、ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)方式により、CDに記録された曲(オーディオ信号)を約1/5に圧縮して録音するようになっている。そこで、CDに記録された曲を、通常MDに録音する場合の圧縮率より大きな圧縮率で該MDに録音することで、未録音の曲のないようにCDの全曲をMDに録音することが考えられる。
【0032】
例えば、日本ビクター株式会社製のCD−MDポータブルシステム(RC−M330)では、MDの2倍長/4倍長時間録音する方式が採用されている。ここでは、2倍長でMDに録音する場合には、CDに記載された曲を約1/5×1/2=1/10に圧縮して録音し、4倍長でMDに録音する場合には、CDに記載された曲を約1/5×1/4=1/20に圧縮して録音することになる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の技術のように、圧縮率を1/2(2倍長時間録音)や1/4(4倍長時間録音)に変更してCDの曲を圧縮してMDに録音するようにすれば、CD総演奏時間TCDがMD録音可能時間TMDよりも大きい場合であっても、CDの全曲をMDに録音することが可能となる。
【0034】
例えば、MDの録音可能時間が28分であり、CDの総演奏時間が32分の場合に、CDの全曲を1/2に圧縮すれば、MDへの実録音時間は32分×1/2=16分となる。この場合には、録音可能時間が28分のMDに、CDの全ての曲が録音できる。
【0035】
ところが、MDの録音可能時間が15分であれば、CDの総演奏時間が32分のものを全曲1/2で圧縮しても全曲録音することができない。すなわち、単純に圧縮率を変更しても必ずしもCDの全曲をMDに録音できるとは限らない。
【0036】
しかも、CDに記録されたどの曲の圧縮率をどの程度に設定すれば、限られた録音時間のMDに対してCDの全曲を録音できるか否かの判断を、機器の操作者の『勘』に頼る部分が大きかった。例えば、操作者が電卓を片手に計算して、圧縮率を高める曲を判断するようになっていた。
【0037】
したがって、CDに記録された全曲に対して、MDに録音するために繁雑な処理が必要となり、CDに記録されたどの曲の圧縮率をどの程度大きくすれば、CD全曲をMDに録音できるか否かを判断するための時間(演算時間)が長くなるという問題が生じる。
【0038】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、再生側の記録媒体に記録された情報の総再生時間、例えばCD総演奏時間が、記録側の記録媒体に記録可能な時間、例えばMD録音可能時間よりも長い場合に、CDのどの曲をどの程度の圧縮率でMDに録音するかを迅速に判断することにより、録音時間の限られたMDに対してCD全曲を効率よく録音できるように編集可能な編集装置を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の編集装置は、上記の課題を解決するために、任意の時間で構成された情報が複数記録された第1記録媒体を再生すると共に、この再生された情報を、上記第1記録媒体とは別の第2記録媒体に記録する情報記録再生手段と、上記第1記録媒体の情報の総再生時間が、上記第2記録媒体の記録可能時間よりも長い場合、上記第1記録媒体の各情報の少なくとも1つを圧縮して上記第2記録媒体に記録したときの実際の記録に必要な実記録時間が上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さくなるような該第1記録媒体の情報の圧縮条件を求め、この圧縮条件で上記第1記録媒体の各情報を上記第2記録媒体に記録するように上記情報記録再生手段を制御する記録再生制御手段とを有することを特徴としている。
【0040】
上記の構成によれば、第1記録媒体の情報の総再生時間が第2記録媒体の記録可能時間よりも長い場合に、記録再生制御手段によって、第1記録媒体の各情報の少なくとも1つを圧縮して上記第2記録媒体に記録したときの実際の記録に必要な実記録時間が求められ、この実記録時間が上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さいときに、この実記録時間を実現する圧縮条件で上記第1記録媒体に記録された情報を上記第2記録媒体に記録するように上記情報記録再生手段が制御される。
【0041】
ここで、圧縮条件は、例えば、第1記録媒体に記録されたどの情報を、どの程度の圧縮率で圧縮するかの条件を示している。
【0042】
これにより、第1記録媒体の情報の総再生時間が第2記録媒体の記録可能時間よりも長い場合でも、第1記録媒体の情報を全て第2記録媒体に記録することができる。
【0043】
しかも、第1記録媒体に記録されている情報のうち、圧縮対象となる情報が上記記録再生制御手段により自動的に求まるので、従来のように、機器の操作者の『勘』によりどの情報を圧縮するかを決定する必要がなくなる。
【0044】
したがって、第1記録媒体の情報の総再生時間が第2記録媒体の記録可能時間よりも長い場合に、機器の操作者の『勘』に頼ることなく、誰が操作をしても簡単に第1記録媒体の情報を全て第2記録媒体に記録することができる。
【0045】
上記編集動作を具体的にすれば、例えば、上記記録再生制御手段は、任意の圧縮率で上記第1記録媒体の各情報を一つずつ圧縮したときの実記録時間をそれぞれ求めて、求めた実記録時間が上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さくなったとき、このときの実記録時間を実現する圧縮条件で上記第1記録媒体に記録された情報を上記第2記録媒体に記録するように上記情報記録再生手段を制御してもよい。
【0046】
この場合、任意の圧縮率で第1記録媒体に記録された情報を一つずつ圧縮した場合の実記録時間を順に求めて、その実記録時間が上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さくなったときに、上記第1記録媒体に記録された情報を上記第2記録媒体に記録するようになるので、第1記録媒体に記録された全ての情報に対して圧縮して実記録時間を求める必要がなくなる。
【0047】
これにより、第1記録媒体の情報の総再生時間が第2記録媒体の記録可能時間よりも長い場合の、第1記録媒体から第2記録媒体への情報の記録を迅速に行なうことができる。
【0048】
また、第1記録媒体の各情報の全てに対して圧縮してそれぞれ実記録時間を求めても、何れの実記録時間も第2記録媒体の記録可能時間よりも大きい場合がある。このような場合は、以下のような方法で対処すればよい。
【0049】
例えば、記録再生制御手段は、任意の圧縮率で上記第1記録媒体の各情報を一つずつ圧縮したときの実記録時間をそれぞれ求め、これらの実記録時間の何れも上記第2記録媒体の記録可能時間よりも大きいとき、実記録時間が第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さくなるように上記圧縮率を変更するようにすればよい。
【0050】
さらに、本発明の編集装置は、第1記録媒体に記録された情報のうち、圧縮記録を行なわない情報を指定する非圧縮情報指定手段を備え、記録再生制御手段は、上記非圧縮情報指定手段により指定された情報以外の情報の何れかを圧縮して、第1記録媒体の各情報を第2記録媒体に記録するように上記情報記録再生手段を制御する構成としてもよい。
【0051】
この場合、例えば、第1記録媒体に記録された情報のうち、機器の操作者が圧縮を望まない情報がある場合には、非圧縮情報指定手段によりその情報を予め指定し、この指定した情報以外の情報の何れかを圧縮して第2記録媒体に情報の記録を行なうことができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、第1記録媒体としてCDを採用し、任意の時間で構成された再生情報としてオーディオ情報(曲)とし、第2記録媒体として、第1記録媒体と記録方式が異なるMDを採用する。また、本実施の形態では、CDに記録されたオーディオ情報(曲)をMDに録音可能な情報記録再生装置に備えられた編集装置について説明する。
【0053】
さらに、本実施の形態および以下の他の実施の形態では、MDへの曲の録音について説明しているので、説明の便宜上、特許請求の範囲で記載した記録を録音に置き換えて説明する。
【0054】
本実施の形態に係る編集装置は、図1に示すように、情報記録再生装置における操作部1、CDを再生するするために必要なCD制御部2およびCD再生部3、MDにオーディオ情報を録音するために必要なMD制御部4およびMD録音部5を備えた構成となっている。つまり、上記CD再生部3とMD録音部5とで、情報記録再生手段を構成し、上記CD制御部2とMD制御部4とで、上記情報記録再生手段を制御するための記録再生制御手段を構成している。
【0055】
操作部1には、編集キー11、START キー12、モード切替キー13、非選曲指定キー(非圧縮情報指定手段)14、FWDキー15、REVキー16が設けられている。
【0056】
上記操作部1において、機器の操作者が上記編集キー11は、編集装置における編集処理を実行させるためのキーであり、START キー12は、CDを再生すると共にMDに曲の録音を開始させるためのキーであり、モード切替キー13は、後述する編集モードを切り換えるためのキーであり、非選曲指定キー14は、MDに録音しないCDの曲を選択するためのキーであり、FWDキー15は、CDの再生時に曲を順送りするためのキーであり、REVキー16は、CDの再生時に曲を逆送りするためのキーである。
【0057】
上記操作部1からは、操作されたキーに基づいた制御信号がCD制御部2に入力される。CD制御部2では、入力された制御信号に基づいて各種の制御を行なう。
【0058】
上記CD制御部2は、CDデータ記憶部21、録音可能時間記憶部22、圧縮率指定部23、実録音時間演算部24、録音曲設定部25、圧縮録音曲決定部26で構成されている。
【0059】
上記CDデータ記憶部21では、CDの総時間情報(総演奏時間)とCDに収録されている各曲の演奏時間情報とが記憶される。
【0060】
上記録音可能時間記憶部22では、MD録音部5に装填されているMDの録音可能時間情報が記憶される。
【0061】
上記圧縮率指定部23では、CDの曲の圧縮率が指定される。
【0062】
上記実録音時間演算部24では、CDデータ記憶部21に記憶されたCDの総時間情報および各曲の演奏時間情報と、録音可能時間記憶部21に記憶されたMDの録音可能時間情報と、圧縮率指定部23により指定された圧縮率情報とが入力されると、MDに対する実録音時間が演算され、CDの録音曲を設定するために必要な情報と、圧縮録音する曲を決定するために必要な情報とを生成する。
【0063】
上記録音曲設定部25では、実録音時間演算部24により生成された情報に基づいて、CDの録音曲を設定し、録音曲設定情報を生成する。
【0064】
上記圧縮録音曲決定部26では、実録音時間演算部24により生成された情報に基づいて、CDに収録された曲の圧縮録音する曲を決定し、圧縮録音曲決定情報を生成する。
【0065】
上記CD制御部2において生成された各種の制御信号は、CD再生部3に出力されると共に、MD制御部4に出力される。
【0066】
上記CD再生部3では、CD制御部2からの制御信号(再生開始を示す信号等)に基づいてCDを再生する。
【0067】
また、上記MD制御部4は、MD録音時間演算部41、MD録音制御部42、録音モード設定部43とで構成されている。
【0068】
上記MD録音時間演算部41は、録音に使用するMDの録音時間(録音可能な時間)を演算し、この演算結果をCD制御部2の録音可能時間記憶部21に出力するようになっている。
【0069】
上記MD録音制御部42は、CD制御部2の録音曲設定部25から録音曲設定情報が入力され、この録音曲設定情報に基づいてMD録音部5におけるMDの録音制御を行なうための録音制御信号を生成するようになっている。
【0070】
上記録音モード設定部43は、CD制御部2の圧縮録音曲決定部26から圧縮録音曲決定情報が入力され、この圧縮録音曲決定情報に基づいてMD録音部5における録音モード設定を行なう録音モード設定信号を生成するようになっている。この録音モードについては、後述する。
【0071】
従って、MD制御部4のMD録音制御部42で生成される録音制御信号、MD制御部4の録音モード設定部43で生成される録音モード設定信号がそれぞれMD録音部5に出力される。
【0072】
上記MD録音部5では、MD録音制御部42からの録音制御信号および録音モード設定部43からの録音モード設定信号に基づいて、CD再生部3により再生されている曲を、MDに録音するようになっている。
【0073】
ここで、上記構成の編集装置の編集動作について、以下に説明するが、その前に、上述した録音モードについて説明する。
【0074】
一般に、MDは、直径が64mmの光磁気ディスク上にオーディオ信号を記録するようになっているので、直径が120mmのCDのように16ビットのPCM (Pulse Code Modulation)データをそのまま記録すると、15分足らずのオーディオ信号しか録音することができない。
【0075】
そこで、通常、直径120mmのCD並の録音時間を確保するために、オーディオ信号を元の約1/5に圧縮して記録する必要がある。そして、圧縮して記録したオーディオ信号は、再生時に、伸張する必要がある。これらの圧縮記録・伸張再生の処理は、ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)方式により行なわれる。
【0076】
上記ATRAC方式による録音モードを、標準録音モードと称する。この標準録音モードは、主に、CDの総演奏時間に比べてMDの録音可能時間が等しいか小さい場合に使用される。
【0077】
また、本実施の形態では、上記の標準録音モードよりも圧縮率の高い、つまり、ATRAC方式よりも圧縮率の高い、ATRAC3方式を採用している。このATRAC3方式では、上記標準録音モードの2倍の圧縮率でオーディオ信号を圧縮録音する第1圧縮録音モード(ATRAC3LP2)と、上記標準録音モードの4倍の圧縮率でオーディオ信号を圧縮録音する第2圧縮録音モード(ATRAC3LP4)とが実行できるようになっている。
【0078】
以上のことから、本編集装置を備えた情報記録再生装置では、MDにオーディオ信号を録音するために、標準録音モード、第1圧縮録音モード、第2圧縮録音モードの3つの録音モードを手動あるいは自動で切替え可能となっている。
【0079】
次いで、上記構成の編集装置による編集動作について、図1のブロック図、図2ないし図8に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0080】
上記編集装置では、MD制御部4内のMD録音時間演算部41で得られたMDの録音可能時間TMDがCD制御部2の内部の録音可能時間記憶部22に入力される。一方、CDの総演奏時間TCDおよび各曲演奏時間T1 〜TN がCD制御部2の内部のCDデータ記憶部21に入力される。
【0081】
機器の操作者が操作部1の編集キー11を押すと、録音可能時間記憶部22より得られるTMD、CDデータ記憶部21より得られるTCD、およびT1 〜TN はCD制御部2の内部の実録音時間演算部24に入力される。さらに、圧縮率指定部23で指定された圧縮率cが実録音時間演算部24に入力される。
【0082】
実録音時間演算部24では、図2〜図4に示すフローチャートに従ってt<TMDになるtが求められる。なお、図2〜図4に示すフローチャートについては後述する。
【0083】
実録音時間演算部24の演算結果は、圧縮録音曲決定部26を経てMD制御部4の内部の録音モード設定部43に出力され、どの曲を圧縮録音するかは録音曲設定部25を経てMD制御部4の内部のMD録音制御部42に出力される。
【0084】
また、いかなるtでもt<TMDとならない場合に録音不可のCDの曲は実録音時間演算部24から録音曲設定部25に出力され、録音曲設定部25からMD制御部4の内部のMD録音制御部42へ出力される。
【0085】
機器の操作者がSTART キー12を押すと、CD再生部3は演奏を開始し、MD録音部5はMD制御部4の内部のMD録音制御部42により録音動作制御を行い、曲の録音モード(圧縮/非圧縮)は録音モード設定部43によりコントロールされる。
【0086】
ここで、録音モードの圧縮は、上述したATRAC3LP2方式の第1圧縮録音モードおよびATRAC3LP4方式の第2圧縮録音モードを示し、録音モードの非圧縮は、ATRAC方式の標準録音モードを示している。なお、厳密には、標準録音モードにおいても、元のオーディオ信号を約1/5に圧縮して録音するようになっているが、説明の便宜上、非圧縮と表現している。
【0087】
以下、図2〜図4に示すフローチャートに基づいて編集装置の編集動作について説明する。なお、本編集動作の説明では、主に実録音時間演算部24の動作の説明を行なっている。
【0088】
ステップS1では、CD総演奏時間:TCD、CD各曲演奏時間:T1 〜TN (N曲入りディスク)がCDから読み取られ、入力される。
【0089】
ステップS2では、MD録音可能時間:TMDが入力される。
【0090】
ステップS3では、録音時の圧縮率cが入力される。
【0091】
前述したように、通常、MDの録音はATRACの場合で約1/5、ATRAC3LP2の場合で約1/10、ATRAC3LP4の場合で約1/20であるが、ここではATRACの場合でc=1、ATRAC3LP2の場合で圧縮率c=1/2、ATRAC3LP4の場合で圧縮率c=1/4としている。
【0092】
次に、ステップS4でTMD>TCDの判定が行われる。ここで、YESであれば、ステップS5に移行し、全曲録音を行なう。この場合、CDのどの曲も圧縮しなくてもMDに全曲録音することができる。
【0093】
一方、ステップS4において、NOであれば、次に、ステップS6でTMD>c・TCDの判定が行われる。ここで、NOであれば、圧縮率cで全曲圧縮してもMDに全曲録音できないことがわかる(ステップS7)。よって、従来技術で説明した図10のフローチャートのステップS105と同様に、式(1)を満足するmを求める(ステップS8)。
【0094】
そして、機器の操作者によってSTART キー12が押されたならば、CDの1〜m曲目までを録音し、m+1〜N曲目は録音しない(ステップS9)。
【0095】
一方、ステップS6において、YESであれば、ステップS10に移行し、変数iにN(CD最終曲TNo.)が設定された後、ステップS11でi=0の判定が行われる。
【0096】
ステップS11でYESと判定された場合は、後述のtをCDの1曲目まで計算してもt<TMDとならなかった場合であり、図3に示すステップS15に移行し、以降のフローチャートでCD2曲の組み合わせでt<TMDとならないか計算を行う(ステップ15以降)。
【0097】
一方、ステップS11でNOと判定された場合は、まだ後述のtをCDの1曲目まで計算していない場合であり、ステップS12で、以下に示す判定式
t=TCD−Ti +c・Ti <TMD
の計算を行う。
【0098】
ここで、ステップS12の判定でYESの場合、すなわち、ステップS12で上記判定式を満足する場合は、i曲目を圧縮率cとし、その他の曲は圧縮しないで録音する(ステップS13)。つまり、CDのi曲目を圧縮録音すればCDの全曲がMDに録音可能であることがわかる。
【0099】
一方、ステップS12の判定でNOの場合は、変数iを1減じて(ステップS14)、再度ステップS11に移行する。
【0100】
次に、図3に示すフローチャートを参照しながら、上述したステップS15以降の処理の流れについて説明する。
【0101】
ステップS15で変数iにN(CD最終曲TNo.)が設定されると、ステップS16でi=1の判定が行われる。
【0102】
ステップS16でYESの場合は、後述のtをCDの2曲目まで(すなわち、1曲目+2曲目)計算してもt<TMDとならなかった場合であり、図4に示すステップS23に移行し、以降のフローチャートでCDの3曲目までの組み合わせでt<TMDとならないか計算を行う(ステップS23以降)。
【0103】
一方、ステップS16でNOの場合は、まだ後述のtをCDの2曲目まで計算していない場合であり、ステップS17で第2変数であるjにi−1を代入する。
【0104】
次に、ステップS18で、以下に示す判定式
t=TCD−(Ti +Tj )+c(Ti +Tj )<TMD
の計算を行う。
【0105】
ステップS18の判定でYESの場合、ステップS22に移行し、i,j曲目を圧縮率cとし、その他の曲は圧縮しないで録音する。すなわち、上記判定式を満足する場合は、CDのi曲目およびj曲目を圧縮録音すればCD全曲がMDに録音可能であることがわかる。
【0106】
一方、ステップS18の判定でNOの場合、ステップS19で変数jを1減じ、j=0の判定を行う(ステップS20)。
【0107】
ステップS20の判定でNOの場合、再度ステップS18に移行する。YESの場合は、ステップS21で変数iを1減じて、再度ステップS18に移行する。
【0108】
次に、図4に示すフローチャートを参照しながら、上述したステップS23以降の処理の流れについて説明する。
【0109】
ステップS23で変数iにN(CD最終曲TNo.)が設定されると、ステップS24でi=2の判定が行われる。
【0110】
ステップS24でYESの場合は、後述のtをCDの3曲目まで(すなわち、1曲目+2曲目+3曲目)計算してもt<TMDとならなかった場合である。この場合は、TMD>c・TCDの関係は図2に示すステップS6で判定済みであるため、CDの全曲を圧縮率cでMDへ録音することとする(ステップS25)。
【0111】
ここで、本実施の形態では、3曲までのCD曲の組み合わせを求める仕様とし、ステップS25でCD全曲を圧縮率cでMDへ録音することとしたが、CDの組み合わせ曲数を、5曲、6曲と増やしていってももちろん構わない。
【0112】
また、ステップS24の判定がNOの場合、まだ後述のtをCDの3曲目まで計算していない場合であり、ステップS26で第2変数であるjにi−1を代入し、ステップS27で第3変数であるkにj−1を代入する。
【0113】
次に、ステップS28で、以下に示す判定式
t=TCD−(Ti +Tj +Tk )+c(Ti +Tj +Tk )<TMD
の計算を行う。
【0114】
ステップS28でYESの場合、ステップS29でi,j,k曲目を圧縮率cとし、その他の曲は圧縮しないで録音する。すなわち、ステップS28で上記の判定式を満足する場合は、CDのi曲目、j曲目、およびk曲目を圧縮録音すればCD全曲がMDに録音可能であることがわかる。
【0115】
一方、ステップS28の判定でNOの場合は、ステップS30で変数kを1減じて、k=0の判定を行う(ステップS31)。
【0116】
ステップS31の判定でNOの場合は、再度ステップS28に移行する。YESの場合は、ステップS32で変数jを1減じて、j=0の判定を行う(ステップS33)。
【0117】
ステップS33でNOの場合は、ステップS27に戻る。YESの場合は、ステップS34で変数iを1減じてステップS28に戻る。
【0118】
以上の動作によりCD3曲までの圧縮録音する曲の組み合わせを求めることで、TCD>TMDの場合であってもCD全曲をMD内に録音することができる。
【0119】
以下に、上記編集装置を用いた編集動作の一例を示す。
【0120】
まず、CDの演奏時間は、表2に示した通りであり、MDの録音可能時間(TMD)は28分とし、圧縮率(c)は1/2とする場合について説明する。このCDの演奏時間とMDの録音可能時間(TMD)は、従来の技術で説明した編集動作の場合と同じである。
【0121】
【表2】
【0122】
ここで、i=5の場合、すなわち、CDの5曲目を1/2に圧縮する場合、
であり、
i=4の場合、すなわち、CDの4曲目を1/2に圧縮する場合、
であり、
i=3の場合、すなわち、CDの3曲目を1/2に圧縮する場合、
となり、3曲目を1/2圧縮すればCD全曲がMD内に録音されることになる。
【0123】
次に、MDの録音可能時間(TMD)を27分とした場合について説明する。なお、本説明では、TMDを28分から27分に変更した以外、前記説明と同様の条件とする。すなわち、CDの演奏時間は表3に示した通りであり、圧縮率(c)は1/2である。
【0124】
【表3】
【0125】
ここで、i=5の場合、すなわち、CDの5曲目を1/2に圧縮する場合、
であり、
同様に、i=4、…、i=1を求めると、
i=1の場合、すなわち、CDの1曲目を1/2に圧縮する場合、
となる。
【0126】
したがって、MDの録音可能時間(TMD)が27分の場合、表3に示すCDのどの曲を1/2に圧縮してもMDに録音しきれないことが分かる。
【0127】
そこで、2曲を組み合わせてそれぞれ1/2に圧縮する場合について考える。すなわち、図3に示すフローチャートのステップS15からの2曲の組み合わせを求めていく。
【0128】
i=5、j=4の場合、すなわち、CDの5曲目と4曲目とをそれぞれ1/2に圧縮する場合、
であり、i=5、j=3の場合、すなわち、CDの5曲目と3曲目とをそれぞれ1/2に圧縮する場合、
となる。
【0129】
したがって、3曲目および5曲目を1/2圧縮すればCD全曲がMD内に録音されることになる。
【0130】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。本実施の形態において、前記実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0131】
前記実施の形態1では、圧縮率cは単一で固定(1/2)であったが、本実施の形態では、複数とする。また、本実施の形態では、CDの圧縮する曲の組み合わせを求める際に、圧縮曲数を増やすよりも圧縮率を上げることを優先する。
【0132】
なお、以下の説明では、前記実施の形態1にて示した機器の動作、すなわち固定の圧縮率を使用して編集動作を行なうモードを「モード1」とし、モード1においてCDの全ての曲がMDに録音できない場合に、複数の圧縮率を使用してCDの全ての曲がMDに録音できるように編集動作を行なうモードを「モード2」として説明する。
【0133】
図1において、機器の操作者がモード切替キー13を押したならば、「モード1」、「モード2」が切り替わる。ここでのモード1,2は、前記実施の形態1で説明した、3つの録音モード(標準録音モード、第1圧縮録音モード、第2圧縮録音モード)とは独立したモードとなっている。
【0134】
ここで、本実施の形態に係る編集装置における編集動作について、図5および図6に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。なお、本説明では、図5および図6において破線で囲まれた部分が、前記実施の形態1の図2に示すフローチャートに加えられたものであり、他の部分の説明については前記実施の形態1と同様である。
【0135】
ステップS41では、CD総演奏時間:TCD、CD各曲演奏時間:T1 〜TN (N曲入りディスク)がCDから読み取られ、入力される。
【0136】
ステップS42では、MD録音可能時間:TMDが入力される。
【0137】
ステップS43では、録音時の圧縮率c1,c2が入力される。ここで、MDの場合は、ATRAC3LP2で圧縮率c1=1/2、ATRAC3LP4で圧縮率c2=1/4である。
【0138】
次に、ステップ44では、圧縮率cをc1に設定し、続いて、ステップS45でTMD>TCDの判定が行われる。ここで、YESであれば、ステップS46に移行し、全曲録音を行なう。この場合、CDのどの曲も圧縮しなくてもMDに全曲録音することができる。
【0139】
一方、ステップS45において、NOであれば、次に、ステップS47でTMD>c2・TCDの判定が行われる。ここで、NOであれば、全曲を圧縮率c2で圧縮してもMDに全曲録音できないことがわかる(ステップS48)。よって、従来技術で説明した図10のフローチャートのステップS105と同様に、式(1)を満足するmを求める(ステップS49)。
【0140】
そして、機器の操作者によってSTART キー12が押されたならば、CDの1〜m曲目までを録音し、m+1〜N曲目は録音しない(ステップS50)。
【0141】
一方、ステップS47において、YESであれば、図6に示すステップS51に移行し、変数iにN(CD最終曲TNo.)が設定された後、ステップS52でi=0の判定が行われる。
【0142】
ステップS52でYESと判定された場合は、続いて、ステップS56において、圧縮率cがc2にセットされているか否かが判定され、NOであれば、ステップS57において圧縮率cをc2にセットし、再びステップS47に移行する。
【0143】
一方、ステップS56でYESの場合は、圧縮率c2でCD1曲の場合の実録音時間(t)の計算を終了したことになるので、前記実施の形態1で説明した図3に示すフローチャートのステップS15に移行する。
【0144】
また、ステップS52でNOと判定された場合は、まだ後述のtをCDの1曲目まで計算していない場合であり、ステップS53で、以下に示す判定式
t=TCD−Ti +c1・Ti <TMD
の計算を行う。
【0145】
ここで、ステップS53の判定でYESの場合、すなわち、ステップS53で上記判定式を満足する場合は、i曲目を圧縮率c1とし、その他の曲は圧縮しないで録音する(ステップS54)。つまり、CDのi曲目を圧縮率c1で圧縮録音すればCDの全曲がMDに録音可能であることがわかる。
【0146】
一方、ステップS53の判定でNOの場合は、変数iを1減じて(ステップS55)、再度ステップS52に移行する。
【0147】
また、前記実施の形態1の図2ないし図4においても、本実施の形態における図5および図6で追加された内容と同じ処理を追加することにより、まず圧縮率c1で実録音時間(t)を計算し、t<TMDとならなければ次に圧縮率c2で実録音時間計算を行い、圧縮率を上げてでもCD全曲をMD内へ録音することのできる編集装置を実現することができる。
【0148】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。本実施の形態においても、前記実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0149】
本実施の形態にかかる編集装置は、機器の操作者が特定のCDの曲については圧縮録音しないことを望んだ場合において、その曲を指定する手段を有し、指定された曲については、圧縮する曲の選曲から省く機能を有している。
【0150】
図1において、機器の操作者がFWDキー15、REVキー16を押すと、CDの曲番号が順方向、逆方向に1ずつ変わる。該操作者の所望する曲となった時に非選曲指定キー14を押せば、その曲(TZ ) は圧縮録音対象曲から外すこととする。さらに、他の曲の指定があるならば、同様の操作を繰り返す。
【0151】
ここで、本実施の形態に係る編集装置の編集動作について、図7および図8に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。なお、本説明では、図7および図8において破線で囲まれた部分が、前記実施の形態1の図2に示すフローチャートに加えられたものであり、他の部分の説明については前記実施の形態1と同様である。
【0152】
ステップS61では、CD総演奏時間:TCD、CD各曲演奏時間:T1 〜TN (N曲入りディスク)がCDから読み取られ、入力される。
【0153】
ステップS62では、MD録音可能時間:TMDが入力される。
【0154】
ステップS63では、CDの非圧縮曲:Tzが入力され、続いて、ステップS64でTMD>TCDの判定が行われる。ここで、YESであれば、ステップS65に移行し、全曲録音を行なう。この場合、CDのどの曲も圧縮しなくてもMDに全曲録音することができる。
【0155】
一方、ステップS64において、NOであれば、次に、ステップS66でTMD>c・TCDの判定が行われる。ここで、NOであれば、全曲を圧縮率cで圧縮してもMDに全曲録音できないことがわかる(ステップS67)。よって、従来技術で説明した図10のフローチャートのステップS105と同様に、式(1)を満足するmを求める(ステップS68)。
【0156】
そして、機器の操作者によってSTART キー12が押されたならば、CDの1〜m曲目までを録音し、m+1〜N曲目は録音しない(ステップS69)。
【0157】
一方、ステップS66において、YESであれば、図8に示すステップS70に移行し、変数iにN(CD最終曲TNo.)が設定された後、ステップS71でi=zの判定が行われる。
【0158】
ステップS71でYESと判定された場合は、続いて、ステップS72において、iの値を減じてステップS73に移行する。また、NOであれば、そのままステップS73に移行する。
【0159】
ステップS73では、i=0の判定が行なわれる。ここで、YESと判定された場合は、後述のtをCDの1曲目まで計算してもt<TMDとならなかった場合であり、前記実施の形態1の図3に示すステップS15に移行し、以降のフローチャートでCD2曲の組み合わせでt<TMDとならないか計算を行う(ステップ15以降)。
【0160】
一方、ステップS73でNOと判定された場合は、まだ後述のtをCDの1曲目まで計算していない場合であり、ステップS74で、以下に示す判定式
t=TCD−Ti +c・Ti <TMD
の計算を行う。
【0161】
ここで、ステップS74の判定でYESの場合、すなわち、ステップS74で上記判定式を満足する場合は、i曲目を圧縮率cとし、その他の曲は圧縮しないで録音する(ステップS75)。つまり、CDのi曲目を圧縮率cで圧縮録音すればCDの全曲がMDに録音可能であることがわかる。
【0162】
一方、ステップS74の判定でNOの場合は、変数iを1減じて(ステップS76)、再度ステップS73に移行する。
【0163】
このような編集動作により、指定された曲については、圧縮する曲の選曲から省くことができる編集装置が構成される。
【0164】
以上の結果から、本発明の編集装置は、図1に示すように、再生(例えばCD)しようとする曲の情報を記憶するCDデータ記憶部21と、記録側(例えばMD)の録音時間を求めるMD録音時間演算部41と、情報を記録するために記録媒体の録音可能時間を記憶する録音可能時間記憶部22と、録音の圧縮率を指定する圧縮率指定部23と、以上のデータよりCDの任意の曲を圧縮して録音した場合の実際の録音に必要な時間を求める実録音時間演算部24と、前記指定の圧縮率で録音するか否かを計算で求める圧縮録音曲決定部26と、前記圧縮録音曲決定部26に従い録音モードの設定を行う録音モード設定部43と、再生側全曲が記録出来ない場合に、録音する曲を決定する録音曲設定部25と、その情報によりMD録音を制御するMD制御部4と、CD再生部3と、MD録音部5とを有し、再生曲総時間をTCD、録音可能時間をTMDとしたときに、TCD>TMDであれば前述の図2〜8までのフローチャートに記載の不等式を用いて必要最小限の曲数の録音圧縮率を上げることにより再生曲全てを記録媒体(MD)に録音可能としている。
【0165】
したがって、前記実施の形態1〜3によれば、CDの総演奏時間が、MDの非圧縮時の録音可能時間よりも長い場合でも、CDの各曲を最終曲から順に圧縮したと仮定した実記録時間を求めていくことにより、CDの曲を余すことなく、全曲MDに録音することが可能となる。
【0166】
また、CDの総演奏時間がMDの録音可能時間よりも長い場合に、CDの少なくとも1曲を圧縮してMDに記録したときの実際の記録に必要な実記録時間を求め、この実記録時間が上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さいときに、この実記録時間を実現する圧縮条件でCDの全曲をMDに記録するようになっているので、CDの総演奏時間がMDの録音可能時間よりも長い場合でも、CDの全曲をMDに簡単に記録することができる。
【0167】
しかも、CDの曲のうち、圧縮対象となる曲が自動的に求まるようになっているので、従来のように、機器の操作者の『勘』によりどの情報を圧縮するかを決定する必要がなくなる。
【0168】
したがって、CDの総演奏時間がMDの録音可能時間よりも長い場合に、機器の操作者の『勘』に頼ることなく、誰が操作をしても簡単にCDの全曲をMDに録音することができる。
【0169】
【発明の効果】
本発明の編集装置は、上記の課題を解決するために、任意の時間で構成された情報が複数記録された第1記録媒体を再生すると共に、この再生された情報を、上記第1記録媒体とは別の第2記録媒体に記録する情報記録再生手段と、上記第1記録媒体の情報の総再生時間が、上記第2記録媒体の記録可能時間よりも長い場合、上記第1記録媒体の各情報の少なくとも1つを圧縮して上記第2記録媒体に記録したときの実際の記録に必要な実記録時間が上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さくなるような該第1記録媒体の情報の圧縮条件を求め、この圧縮条件で上記第1記録媒体の各情報を上記第2記録媒体に記録するように上記情報記録再生手段を制御する記録再生制御手段とを有する構成である。
【0170】
それゆえ、第1記録媒体の情報の総再生時間が第2記録媒体の記録可能時間よりも長い場合に、記録再生制御手段によって、第1記録媒体の各情報の少なくとも1つを圧縮して上記第2記録媒体に記録したときの実際の記録に必要な実記録時間が求められ、この実記録時間が上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さいときに、この実記録時間を実現する圧縮条件で上記第1記録媒体に記録された情報を上記第2記録媒体に記録するように上記情報記録再生手段が制御される。
【0171】
これにより、第1記録媒体の情報の総再生時間が第2記録媒体の記録可能時間よりも長い場合でも、第1記録媒体の情報を全て第2記録媒体に記録することができる。
【0172】
しかも、第1記録媒体に記録されている情報のうち、圧縮対象となる情報が上記記録再生制御手段により自動的に求まるので、従来のように、機器の操作者の『勘』によりどの情報を圧縮するかを決定する必要がなくなる。
【0173】
したがって、第1記録媒体の情報の総再生時間が第2記録媒体の記録可能時間よりも長い場合に、機器の操作者の『勘』に頼ることなく、誰が操作をしても簡単に第1記録媒体の情報を全て第2記録媒体に記録することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の編集装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す編集装置の編集動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】図1に示す編集装置の編集動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】図1に示す編集装置の編集動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】図1に示す編集装置における他の編集動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】図1に示す編集装置における他の編集動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】図1に示す編集装置におけるさらに他の編集動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】図1に示す編集装置におけるさらに他の編集動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】従来の編集装置の概略ブロック図である。
【図10】図9に示す編集装置の編集動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 CD制御部(記録再生制御手段)
3 CD再生部(情報記録再生手段)
4 MD制御部(記録再生制御手段)
5 MD録音部(情報記録再生手段)
14 非選曲指定キー(非圧縮情報指定手段)
Claims (4)
- 任意の再生時間で構成された情報が複数記録された第1記録媒体を再生すると共に、この再生された情報を、上記第1記録媒体とは別の第2記録媒体に第1の圧縮率にて記録する情報記録再生手段を備えた編集装置であって、
上記第1記録媒体の情報の総再生時間が、上記第2記録媒体の記録可能時間よりも長い場合、上記第1記録媒体の各情報をそのうちの1つの情報のみ上記第1の圧縮率よりも高い第2の圧縮率にて記録したときに実際に必要な実記録時間を、第2の圧縮率にて記録する情報を切り換えながら1つずつ求めていき、求めた実記録時間が上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さくなったとき、このときの実記録時間を実現する圧縮条件で上記第1記録媒体の各情報を上記第2記録媒体に記録するように上記情報記録再生手段を制御する記録再生制御手段を備え、
該記録再生制御手段は、1つの情報のみを第2の圧縮率にて記録したときの実記録時間がいずれも上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さくならなかった場合は、さらに、第2の圧縮率にて記録する情報数を1増加させて2つの情報を第2の圧縮率にて記録したときの実記録時間を、第2の圧縮率にて記録する情報を切り換えながら1組ずつ求めていき、ここでも求めたすべての実記録時間が上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さくならなかった場合は、第2の圧縮率にて記録する情報数をさらに1増加させて、同様の処理を繰り返すことを特徴とする編集装置。 - 上記記録再生制御手段は、組み合わせる情報数が予め定められており、該定められた情報数の組み合せまで求めた実記録時間が上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さくならなかった場合は、上記第1の圧縮率よりも高める圧縮率を、第2の圧縮率よりもさらに高い第3の圧縮率へと変更することを特徴とする請求項1記載の編集装置。
- 上記記録再生制御手段は、1つの情報のみを第2の圧縮率にて記録したときの実記録時間のいずれもが上記第2記録媒体の記録可能時間と同じか小さくならなかった場合は、第2の圧縮率にて記録する情報数を増加させて同様の処理を繰り返す前に、上記第1の圧縮率よりも高める圧縮率を、第2の圧縮率よりもさらに高い第3の圧縮率へと変更することを特徴とする請求項1記載の編集装置。
- 第1記録媒体に記録された情報のうち、第1の圧縮率よりも高い圧縮率による記録を行わない情報を指定する非圧縮情報指定手段を備え、
上記記録再生制御手段は、上記非圧縮情報指定手段により指定された情報を、第1の圧縮率よりも高い圧縮率にて記録する対象より外すことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の編集装置。
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