JP3862164B2 - 相変化型光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は相変化型光記録媒体およびその製造方法に係り、詳しくは、記録膜の厚さが均一であり、広範囲の波長の光による高密度の記録が可能な相変化型光記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光記録媒体は、記録された情報を再生する再生専用型(ROM)、1回に限り記録が可能な追記型 (WORM)および記録後の消去、再記録が可能な消去可能型(Rewritable)に分類される。透過型の光記録媒体を挟んで光源と読み取り装置を配置する方式は光源および読み取り装置の駆動機構が複雑になるため、光記録媒体中に反射層を設けて光源と読み取り装置を光記録媒体に対して同じ側に設置する方式がもっぱら採用されている。現在主流の光記録媒体においては、70%以上の反射率および47dB以上のCN比(Carrier to Noise Ratio)が要求される。
【0003】
情報が記録された光記録媒体において、情報の再生は、記録前後の記録層における、物理的な変形、相の変化、磁気的な性質の変化、などによる反射率の変化により可能になる。また、上述した高反射率、高いCN比特性のみならず、記録の長期保存性および高い記録感度も必要である。光記録媒体の開発以来、上述したような要件を満足させ、要求される特性を向上させるための多くの研究が行われている。
【0004】
特開昭63−268142号には、基板上にゼラチン、カゼインおよびポリビニルアルコールなどの構成物の蒸着による敏感層と、その敏感層上に形成されている構造の光記録媒体が開示されている。このような光記録媒体によれば、金属薄膜が記録時に用いられるレーザービームを吸収して敏感層と金属薄膜を変形させることにより記録ピットを形成する。しかしながら、この記録ピットは露出型で形成されるので、記録の長期保存が困難である。
【0005】
米国特許4,983,440号には、基板上に金属薄膜からなる2層構造の記録層と、この記録層を保護する保護層が順次に積層している光記録媒体が開示されている。しかしながら、この光記録媒体は金属薄膜が反射層の役割を充分に行うことができず、反射率が20%以下と低く、CDとの互換性もない。また、光記録媒体において、情報は基板の膨張、変形による記録方式でなく、基板物質の分解によって記録される。そこで、金属膜の材質としては、基板が分解できる程度に高熱を発生させる金属が用いられる。しかしながら、記録ピットの形成による変形が金属層自体に限られるため、CN比特性が良好でない。
【0006】
米国特許5,073,219号には、アルミニウム、金、銅などの金属またはこれらの合金を基板の全面に蒸着して導電膜を形成し、液晶と二色性色素を含む記録層を形成した後、コロナ放電、磁場または剪断応力により液晶と二色性色相を配向させる過程を通して光記録媒体を製造する方法が開示されている。このような光記録媒体は集光された光によって液晶と二色性色素の配向が変化による反射率の差に応じて情報が記録される原理を用いる。しかしながら、グルーブとランドとの反射率の差が少なく、トラッキングの条件が非常に複雑である。これにより、記録部位の反射率が低下する。
【0007】
色素を用いる追記型の記録媒体において、最も重要な部位となる記録層は一般に溶媒と色素などからなるコーティング溶液を、基板上にスピンコーティングすることにより形成される。しかしながら、このような工程により形成される記録層は均一な光学特性が得にくいという問題がある。すなわち、記録層はPC、ポリメタクリル酸メチル、セルロースアセテート、アクリル樹脂などからなる基板上にコーティング溶液をスピンコーティングして形成され、その光学特性はコーティングされている膜の均一性および厚さに依存する。ここで、記録層の膜の厚さに影響を及ぼす要素には、スピンコーティング液の濃度、コーティング装置の回転速度および加速度、コーティング時間、コーティング液の流量、ドーズ時間などがある。これらを適正に調節することは容易でなく、また、実際に膜の厚さに影響を及ぼす粘度の調節も非常に困難である。
【0008】
また、記録層形成用のコーティング溶液の有機溶媒としては、光記録媒体の基板を侵さないものを用いる必要があるが、そのような溶媒は色素を溶解する力が弱く、利用可能な色素の種類が限定されるという問題がある。更に、記録層の主成分が色素からなる場合、信号が色素および基板の熱変形により形成されるため、高密度の記録時、信号の大きさの微細な調節が困難であるという短所がある。
【0009】
また、米国特許5,328,813号には、基板上に記録層として柔軟な金属薄膜を形成し、その上に硬い金属酸化物層を形成して記録保存性を高め、反射率を40〜60%に向上させたものが開示されている。しかしながら、反射率が向上すると、CN比は低下するという問題がある。これにより、高反射率と高いCN比を有する光記録媒体の製造は困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、記録膜の厚さが均一であり、広範囲の波長の光による高密度の記録が可能な相変化型光記録媒体、および、その製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために本発明は、少なくとも光透過性支持体と光記録層を有し、前記光記録層は少なくとも結晶性有機高分子化合物からなり、外部から照射された紫外線、可視光線または赤外線によって誘起される、前記光記録層における前記結晶性有機高分子化合物の結晶状態から非晶質状態への相変化を利用して情報を記録し、前記相変化にともなう光学的性質の変化を利用して前記記録の再生を行うことを特徴とする相変化型光記録媒体を提供する。本発明の相変化型光記録媒体は光反射層を有しても良い。
【0012】
前記の目的を達成するために本発明は、また、少なくとも、非晶質状態にある前記結晶性有機高分子化合物からなる光記録層に、前記結晶性有機高分子化合物からなる光記録層の表面から内部へ浸透することのできる有機低分子化合物を気体分子として作用させることによって前記結晶性有機高分子化合物を非晶質状態から結晶状態へ相変化させる工程を有することを特徴とする相変化型光記録媒体の製造方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明では、結晶性有機高分子化合物として下記の一般式(I)で表されるポリカーボネート系樹脂が好適に用いられる。
【0014】
【化5】
−[−O−φA−X−φB−O−C(=O)―]n− …(I)
(ここで、φAおよびφBは各々2価の芳香族炭化水素残基を表し、Xは、酸素残基−O−、硫黄残基−S−、スルホン残基>S=O、カルボキシ残基>C=O、または、アルキレン型炭化水素残基>CR12を表し、R1およびR2は水素原子または各々置換基を有しても良い炭素数1から18のアルキル基を表し、R1およびR2は互いに結合して炭化水素環を形成しても良い。)
【0015】
ポリカーボネート系樹脂(以下、「PC」と略記する)は、主鎖中に炭酸エステル結合−O−R−O−CO−をもつ線状高分子であり、寸法安定性、透明性が良く、特に耐衝撃性にすぐれている。各種の成形物とくにエンジニアリングプラスチック、フィルムなどに利用される。PCは上記性質を利用して光記録メディアの透明支持体として広く用いられている。我々はこのPCに有機低分子化合物の蒸気を作用させることによって、有機低分子化合物の蒸気に曝露されたPCの表面のみが結晶化することを見い出した。有機低分子化合物の液体をPCに直接作用させてもPCの結晶化を起こすことはできるが、結晶化の進行の制御、特に表面各位置における均一な結晶化の進行を制御することが容易でない。すなわち、有機低分子化合物を大気圧下または減圧下で昇華または蒸発させて気体とした後、PC表面に作用させることが好ましい。また、PCを昇温することによって結晶化を加速することができる。
【0016】
PCに作用させる有機低分子化合物の種類を変えて種々実験した結果、PCの結晶化の進行には、有機低分子化合物の分子の大きさとPCの自由体積とが密接に関係していることがわかった。すなわち、有機低分子化合物がPCを溶解する良溶媒である場合は結晶化を発現することはできないこと、一方、PCを溶解させず自由空間に侵入し、PC主鎖どうしに潤滑性を生じさせる程度の分子体積を有する有機低分子化合物はPCの結晶化を円滑に進行させることを見い出した。
【0017】
PCを圧力および温度を制御可能な密閉容器内に置き、有機低分子化合物の蒸気を作用させる場合、温度の下限はPC中に有機低分子化合物が浸透して構成される組成物のガラス転移温度であり、温度の上限は該組成物の融点であり、これらの温度において、容器内の圧力は有機低分子化合物の飽和蒸気圧以下とする必要がある。
【0018】
PCの結晶化は有機低分子化合物の浸透により、光記録層の表面から内部へと進行する。表面からの進行程度すなわち結晶化PCの厚さは、有機低分子化合物気体の曝露時間、温度および圧力によって制御可能であり、光記録媒体として用いる場合は1〜2000nmの厚さが必要であり、好ましくは10〜100nmである。上記結晶化層の厚さは気体分子にもよるが、2,2’−ジフェニルプロパンを曝露した場合、温度を100〜120℃に、圧力を10-4パスカル以下の時、10〜60分間の曝露時間で達成される。
【0019】
本発明の光記録媒体の構成として、信号光(プローブ光)が光記録媒体を透過する透過型の場合、最も基本的な構造では、非晶質PCの表面を結晶化させて構成される「光透過性支持体(非晶質PC)/光記録層(結晶性PC)」という構成が挙げられる。更に、上記基本構造に保護膜、酸化防止膜、オーバーコート膜なども適宜加えられる。
【0020】
信号光(プローブ光)が光記録媒体を透過後、反射して反射光を検出する反射型の場合、最も基本的な構造では、光透過性支持体(非晶質PC)/光記録層(結晶性PC)/光反射層が挙げられ、更に、上記基本構造に保護膜、酸化防止膜、オーバーコート膜なども適宜加えられる。光反射層の材質としてはアルミニウム、アルミニウム・クロム合金、アルミニウム・チタン合金、銀、金など、光反射率の高い金属が好ましく、これら金属からなる光反射膜は、蒸着法あるいはスパッタリング法によって形成される。
【0021】
本発明で用いられるPCは前記(I)に表せる化学式を有するものであり好ましくはアルキレン型炭化水素残基を有するものでありR1、R2が、それぞれ、メチルとメチル、メチルとエチル、エチルとエチルである。また、>CR12のR1とR2が結合して、例えばシクロヘキサン環を形成したものでも良い。更に具体的には、φAおよびφBがp−フェニレン、R1およびR2がメチル基のビスフェノール−A・ポリカーボネートを好適に用いることができる。
【0022】
結晶型と非晶質型のいずれにおいても安定に存在可能な有機高分子化合物としては、ポリカーボネート系樹脂の他に、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールなどの2価アルコールからなるポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。
【0023】
本発明の光記録媒体の基本構成概略を断面図として図1(a),図1(b)に示す。図1(a)に示すように、透過型の場合、PC基板10上に結晶化PC層20が存在し、その上にオーバーコート層30を設けている。また、図1(b)に示すように、反射型の場合は透過型と同様にPC基板11上に結晶化PC層21が存在し、その上に反射膜41が設けられ、更に、その上にオーバーコート層31を設けている。
【0024】
本発明の相変化型光記録媒体への記録および読み出しに用いられる光源は特に制限はないが、記録密度を光の回析限界まで高めるためには、レーザー光を用いることが好ましい。また、本発明の利点として、光源の波長として、非晶質PCを透過する波長の光であれば、紫外線、可視光線、および赤外線のいずれをも、好適に用いることができる。周知のように非晶質PCは350nm以上の光に80%以上の透過率を示すため、350nm以上の光であれば好適である。色素を分散する記録媒体であれば350nm〜色素の吸収波長が、色素非分散の媒体であれば、より熱に変化しやすい近赤外から赤外光(600〜1000nm)がより好ましい。
【0025】
本発明の相変化型光記録媒体への記録は次のように行われる。すなわち、PC基板上に設けられた光記録層中の結晶化PC層に焦点を合わせて収束された記録書き込み光(レーザー光)が照射されると、結晶化PCによる多重反射および散乱によって、光照射部分の温度が上昇する。ここで、記録書き込み光のパワーおよび照射時間が充分あれば、光照射部分の温度はPCの融点を超えるまで上昇した後、室温まで低下し、その過程で結晶化部分は非晶質化し、透明化する。この透明な非晶質部分が記録を表すピットとなる。記録の読み出し光としては光照射部分の温度上昇がPCの融点を遙かに下回るような低パワー光が用いられる。ここで、記録読み出し光を偏光とし、読み出し光の受光部がこの偏光を正しく受光できるように調整すれば、低パワー光であってもCN比を高めることができる。光記録媒体の構成が透過型の場合には、上記の透明なピットを透過した読み出し光を、また、光記録媒体の構成が反射型の場合には、上記の透明なピットを透過した後、反射層で反射された読み出し光を、それぞれ受光することによって記録ピットを検出することが可能となる。ここで、記録ピットを読み出す光が、非記録部分、すなわち、PCの結晶化部分の温度を上昇させてPCの融点を超えるようなことがあると、前記記録ピットは破壊される。このように好ましくない事態は、光記録媒体の同一箇所を繰り返して読み取る場合(例えば、動画記録を行った光記録媒体から「静止画像」を抽出する場合)に惹起される懸念がある。このように読み出し光による記録ピット破壊を防ぐためには、光記録を行うために必要な光(記録書き込み光)パワーの最低値よりも読み取り光のパワーを1/2以下、好ましくは1/5以下、更に好ましくは1/10以下とすれば良い。
【0026】
本発明の光記録媒体の製造方法を例示すると、例えば次の4つの製造方法が挙げられる。
【0027】
(1)PCの射出成形を行い、その際スタンパーからランド&グルーブパターンを表面に転写し、そのパターンを壊さないように、本発明の方法によってPCの表面を有機低分子化合物の蒸気によって処理して、結晶化する。その後、反射型の場合は、例えばアルミニウム製光反射層をスパッタリング法を用いて形成し、更に透過型の場合には結晶化PC層上に、また反射型の場合には光反射層上に、保護層を紫外線硬化樹脂で塗工形成し、所望の光記録媒体を作製する。
【0028】
(2)PCの射出成形の際、スタンパーからランド&グルーブパターンを表面に転写する。そのパターンを壊さないように、本発明の方法によってPCの表面を有機低分子化合物の蒸気によって処理して、結晶化する。その後、前記有機低分子化合物の替わりにPCと親和性のある昇華性色素の蒸気によってPC表面を処理(色素含浸処理)し、反射型の場合は、アルミニウム製光反射層をスパッタリングで形成する。次に、上述同様、透過型の場合には結晶化PC層上に、また反射型の場合には光反射層上に、保護層を紫外線硬化樹脂で塗工形成し、所望の光記録媒体を作製する。
【0029】
(3)PCを射出成形し、スタンパーからランド&グルーブパターンを表面に転写する。前記パターンを壊さないようにPCと親和性のある昇華性色素の蒸気によってPC表面を処理(色素含浸処理)して表面を着色し、次に本発明の方法によってPCの表面を有機低分子化合物の蒸気によって処理して、PCの表面を結晶化する。その後、反射型の場合、アルミニウム製光反射層をスパッタリングで形成する、更に、透過型の場合には結晶化PC層上に、また反射型の場合には光反射層上に、保護層を紫外線硬化樹脂で塗工形成して所望の光記録媒体を作製する。
【0030】
(4)PCを射出成形して、スタンパーからランド&グルーブパターンを表面に転写後、前記パターンを壊さないように本発明の方法によってPCの表面を有色の有機低分子化合物(色素)の蒸気によって処理を施して、PC表面層の着色と同時に結晶化を行う。その後、反射型の場合はアルミニウム製光反射層をスパッタリングで形成し、更に、上述同様、透過型の場合には結晶化PC層上に、また反射型の場合には光反射層上に、保護層を紫外線硬化樹脂で塗工形成して所望の光記録媒体を作製する。ここで、PC表面層を着色すると同時に着色することのできる、有色の有機低分子化合物として、例えば、2−メチル−4−ニトロアニリン(黄色)を用いることができる。
【0031】
非晶質のPCを結晶化させる有機低分子化合物の具体例として、まず、アルコール系化合物を挙げることができ、更に具体的には炭素数が8以下の直鎖状もしくは分岐状アルコールが挙げられ、好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、n−ブタノールである。同様にケトン系として、炭素数が8以下の直鎖状もしくは分岐状ケトンが挙げられ、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトンが挙げられる。同様にセルソルブ系として、炭素数が8以下の直鎖状もしくは分岐状セルソルブが挙げられ、好ましくはメトキシエタノール、エトキシエタノールである。同様にエステル系として、炭素数が8以下の直鎖状もしくは分岐状エステルが挙げられ、好ましくは酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピルなどである。同様に有機酸系として炭素数が8以下の直鎖状もしくは分岐状有機酸が挙げられ、好ましくはギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸が良い。更に、同様に芳香族有機低分子化合物としては、炭素数が8以上の直鎖状アルキルもしくはは炭素数が12以上の分岐状アルキルを置換基として有しないものが挙げられる。好ましくは、ベンゼン、キノン、ヒドロキノン、ビフェニル、2−メチルビフェニル、3−メチルビフェニル、4−メチルビフェニル、ナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、3−メチルナフタレン、4−メチルナフタレン、2,2−ジフェニルプロパン、2,2−ジフェニルブタン、3,3−ジフェニルペンタン、ビチオフェン、2−メチルビチオフェン、3−メチルビチオフェン、4−メチルビチオフェン、2,2’−ビピリジン、3−メチル−2,2’−ビピリジン、4−メチル−2,2’−ビピリジン、5−メチル−2,2’−ビピリジン、6−メチル−2,2’−ビピリジン、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、インデン、インダノン、ベンズキノン、キノリン、フルオレン、カルバゾールなどが挙げられる。
【0032】
また、有色の有機低分子化合物(色素)としてはシアニン系、フタロシアニン系、キノン系、スワリウム系、アズレニウム系、チオール錯塩系、メロシアニン系などの色素が挙げられる。
【0033】
また、PCにメチルニトロアニリン類の蒸気を作用させると、PCは黄色に着色されると同時に結晶化することを見い出した。メチルニトロアニリン類の具体例としては、2−メチル−4−ニトロアニリンや4−メチル−3−ニトロアニリンを好適に用いることができる。
【0034】
言うまでもなく、有色の有機低分子化合物によって、着色と同時に結晶化されたPCからなる光記録層は、該有機化合物(色素)の光吸収波長の記録光によって、効率良く記録ピットを書き込むことができる。また、読み取り光の波長を、該有機化合物(色素)の光吸収波長とは異なる波長とし、記録光と読み取り光の波長を別にすることによって、読み取りによる記録ピット破壊の可能性を極めて低くすることも可能となる。
【0035】
【実施例】
[実施例1]
図2は本実施例で用いられる光記録媒体作製装置の概略構成を示す断面図である。スタンパーによって、深さ80nm、幅500nm、ピッチ1600nmの案内溝(グルーブ)を有する厚さ1.20mm、外径120mm、内径15mmのPC基板300を作製した。一方、有機低分子化合物として2,2−ジフェニルプロパンを多孔質スポンジにしみ込ませてなる気化源240(ウレタンスポンジ、例えば厚さ5mm、横10mm、縦400mm)を作製した。PC基板300は密閉式容器110に設置され、気化源240は別の密閉式容器120に設置されている。そして、この二つの密閉式容器110,120は配管とバルブ195によって接続されている。ここで、PC基板300が設置されている密閉式容器110の外壁はステンレスまたはアルミニウムからなり、基板の出し入れのために上下分割可能な構造(図示せず)とした。
【0036】
密閉式容器110の内部100は真空バルブ190および真空配管系130を経由して、真空排気系150に接続されている。そして、光記録媒体の作製の際に、室温(25℃)下において密閉式容器110内部の圧力が10-4パスカル以下になるまで排気を行ったのち真空バルブ190を閉じる。これによって密閉式容器110は密閉される。
【0037】
加熱手段として用いられる気化源基板ヒーター410、樹脂基板ヒーター400および真空バルブヒーター790は、例えば真空仕様のシーズ電気発熱線を埋め込んだアルミニウムからなるものを用いることができる。伝熱性の高い材質からなるヒーターを隙間なく設置することで密閉式容器110の内部100および真空バルブ190の部分を均一に加熱することができる。
【0038】
本実施例の場合、真空バルブ190を用いて密閉式容器110の内部100を減圧にしたのち真空バルブ190を閉じ、次いで樹脂基板ヒーター400によって加熱を行い全体が90℃になるように温度制御を行った。また、気化源240が載置され密閉されている密閉式容器120も同様に気化源基板ヒーター410を用いて加熱し、PC基板300が設置してある密閉式容器110の設定温度よりも高温に加熱した(例えば100℃)。その後二つの密閉式容器110,120を接続してあるバルブ195を開け、8時間設定温度で保持した。その後密閉式容器110,120の内部温度を25℃まで徐々に低下させた。次いで、密閉式容器110の内部100を大気圧に戻し、PC基板300を取り出した。得られたPC基板300の断面を走査顕微鏡により観察した結果、表面から深さ10nmまで結晶化していることおよび、グルーブが変形してないことを確認した。次にこのようにして得られた記録層の上に蒸着によって反射層(反射膜)であるアルミニウムに形成した。更にこの上に紫外線硬化樹脂より、保護層(オーバーコート層)5μmを設けて所望の光ディスクを作製した。この光記録媒体の反射率は73%であり、波長785nmの半導体レーザーを利用して線速度1.4m/secでEFM−CDフォーマット信号を記録した結果、最適記録レーザーパワーが10mWで記録が可能であった。次にこの信号をCDプレーヤーによりレーザーパワーを0.5mWとして再生を行った結果、得られた信号のCN比は良好であった。
【0039】
[比較例1]
実施例1と同様にスタンパーによってグルーブを形成したPC基板の上に蒸着によってアルミニウムの反射層を形成し、紫外線硬化樹脂により保護層を作製して、比較する光ディスクを作製した。この光ディスクに波長785nmの半導体レーザーを利用して線速度1.4m/secでEFM−CDフォーマット信号を記録しようと試みたが、何も記録できないことがわかった。
【0040】
[実施例2]
実施例1と同様にPC基板を作製し、表面を結晶化させる有機低分子化合物として、ビフェニルを用いた。PCの結晶化処理時の密閉式容器110の内部100の温度と結晶化処理時間はそれぞれ100℃と12時間として、また、気化源240が載置されている密閉式容器120も同様に加熱し、PC基板300が設置してある密閉式容器110の設定温度よりも高温に加熱した(例えば110℃)以外、他の工程は実施例1と同様にした。結果としてEFM−CDフォーマット信号の記録が可能であり、得られた光記録媒体をCDプレーヤーによって再生したところ信号のCN比は良好であった。
【0041】
[実施例3]
図3は本実施例で用いられる光記録媒体作製装置の概略構成を示す断面図である。スタンパーによって、深さ80nm、幅500nm、ピッチ1600nmの案内溝(グルーブ)を有する厚さ1.20mm、外径120mm、内径15mmのPC基板301を作製した。一方、有機低分子化合物(2,2−ジフェニルプロパン)を多孔質スポンジにしみ込ませた気化源241(ウレタンスポンジ、例えば厚さ5mm、横10mm、縦400mm)を作製した。PC基板301は密閉式容器111に設置され、気化源241は別の密閉式容器121に設置されている。そして、この二つの密閉式容器111,121は配管とバルブ196によって接続されている。ここで、PC基板301が設置されている密閉式容器111の外壁はステンレスまたはアルミニウムからなり、基板の出し入れのために上下分割可能な構造(図示せず)とする。
【0042】
密閉式容器111の内部101は真空バルブ191および真空配管系131を経由して、真空排気系151に接続されており、光記録媒体の作製の際に、室温下において密閉式容器111内部の圧力が10-4パスカル以下になるまで排気を行ったのち真空バルブ191を閉じる。これによって密閉式容器111は密閉される。
【0043】
加熱手段として用いられる気化源基板ヒーター411、樹脂基板ヒーター401および真空バルブヒーター791は例えば真空仕様のシーズ電気発熱線を埋め込んだアルミニウムからなるものを用いることができる。伝熱性の高い材質からなるヒーターを隙間なく設置することで密閉式容器111の内部101および真空バルブ191の部分を均一に加熱することができる。
【0044】
本実施例の場合、バルブ196,197を閉じ、真空バルブ191を開けて密閉式容器111の内部101を減圧したのち、真空バルブ191を閉じ、次いで樹脂基板ヒーター401によって加熱を行い全体が設定温度に90℃になるように温度制御を行った。また、気化源241が載置され密閉されている密閉式容器121も同様に気化源基板ヒーター411を用いて加熱し、PC基板301が設置してある密閉式容器111の設定温度よりも高温に加熱した(例えば100℃)。その後二つの密閉式容器111,121を接続してあるバルブ196を開け、8時間設定温度で保持した。その後、バルブ196を閉じ、一方真空バルブ191を開け、改めて密閉式容器111の内部101を真空にした後、バルブ197を開け、更に樹脂基板ヒーター401を用いて、Disperse Blue14(1,4−ビス(N-メチルアミノ)アントラキノン)を収納した容器140と密閉容器111の温度を145℃まで徐々に上昇させ、2時間保持した。次いで、バルブ197を閉じ、密閉式容器111の内部101を大気圧に戻し、PC基板301を取り出した。得られたPC基板301の断面を走査顕微鏡により観察した結果、結晶化している部分にDisperse Blue 14(1,4−ビス(N-メチルアミノ)アントラキノン)が浸透していることおよび、グルーブが変形してないことを確認した。次にこのようにして得られた記録層の上に蒸着によって反射層であるアルミニウムを形成した。更にこの上に紫外線硬化樹脂より、保護層5μmを設けて所望の光ディスクを作製した。この光記録媒体の反射率は73%であり、波長785nmの半導体レーザーを利用して線速度1.4m/secでEFM−CDフォーマット信号を記録した結果、最適記録レーザーパワーが10mWで記録が可能であった。次にこの信号をCDプレーヤーによりレーザーパワーを0.5mWとして再生を行った結果、得られた信号のCN比は良好であった。
【0045】
[実施例4]
本実施例で用いられる光導波路作製装置の概略構成を示す断面図は実施例3と同様、図3である。スタンパーによって、深さ80nm、幅500nm、ピッチ1600nmの案内溝(グルーブ)を有する厚さ1.20mm、外径120mm、内径15mmのPC基板301を作製した。一方、有機低分子化合物(2,2−ジフェニルプロパン)を多孔質スポンジにしみ込ませた気化源241(ウレタンスポンジ、例えば厚さ5mm、横10mm、縦400mm)を作製した。PC基板301は密閉式容器111に設置され、気化源241は別の密閉式容器121に設置されている。そして、この二つの密閉式容器111,121は配管とバルブ196によって接続されている。ここで、PC基板301が設置されている密閉式容器111の外壁はステンレスまたはアルミニウムからなり、基板の出し入れのために上下分割可能な構造(図示せず)とする。
【0046】
密閉式容器111の内部101は真空バルブ191および真空配管系131を経由して、真空排気系151に接続されている。そして、光記録媒体作製時に室温下において密閉式容器111内部の圧力が10-4パスカル以下になるまで排気を行ったのち真空バルブ191を閉じた。これによって密閉式容器111は密閉される。
【0047】
加熱手段として用いられる気化源基板ヒーター411、樹脂基板ヒーター401および真空バルブヒーター791は、例えば真空仕様のシーズ電気発熱線を埋め込んだアルミニウムからなるものを用いることができる。伝熱性の高い材質からなるヒーターを隙間なく設置することで密閉式容器111の内部101および真空バルブ191の部分を均一に加熱することができる。
【0048】
本実施例の場合、まずバルブ196を閉じ、一方バルブ197を開ける。次に真空バルブ191を開けて、密閉式容器111の内部101とDisperseBlue 14(1,4−ビス(N-メチルアミノ)アントラキノン)が存在する容器140を減圧したのち、真空バルブ191を閉じ、次いで樹脂基板ヒーター401によって加熱を行い、密閉式容器111の内部101と容器140の内部全体が145℃になるように温度制御を行い、2時間保持した。次いで、バルブ197を閉じた後、真空バルブ191を開け、改めて密閉式容器111の内部101を真空にした。その後、真空バルブ191を閉じ、PC基板301の温度、および密閉式容器111の内部101を90℃まで下げ、一方気化源241が載置され密閉されている密閉式容器121は気化源基板ヒーター411を用いて加熱し、PC基板301が設置してある密閉式容器111の設定温度よりも高温に加熱した(例えば100℃)。その後二つの密閉式容器111,121を接続するバルブ196を開け、8時間設定温度で保持した。次いで、バルブ196を閉じ、密閉式容器111の内部101を大気圧に戻し、PC基板301を取り出した。得られたPC基板301の断面を走査電子顕微鏡にて観察した結果、結晶化している部分にDisperse Blue 14(1,4−ビス(N-メチルアミノ)アントラキノン)が浸透していることおよび、グルーブが変形してないことを確認した。次にこのようにして得られた記録層の上に蒸着によって反射層であるアルミニウムを形成した。更にこの上に紫外線硬化樹脂より、保護層5μmを設けて所望の光ディスクを作製した。この光記録媒体の反射率は71%であり、波長785nmの半導体レーザーを利用して線速度1.4m/secでEFM−CDフォーマット信号を記録した結果、最適記録レーザーパワーが10mWで記録が可能であった。次にこの信号をCDプレーヤーによりレーザーパワーを0.5mWとして再生を行った結果、得られた信号のCN比は良好であった。
【0049】
[実施例5]
図4は本実施例で用いられる光導波路作製装置の概略構成を示す断面図である。スタンパーによって、深さ80nm、幅500nm、ピッチ1600nmの案内溝(グルーブ)を有する厚さ1.20mm、外径120mm、内径15mmのPC基板302を作製した。一方、有機低分子化合物(4−メチル−3−ニトロアニリン)を設置させた気化源242を作製した。PC基板302は密閉式容器112に設置され、気化源242は別の密閉式容器122に設置されている。そして、この二つの密閉式容器112,122は配管とバルブ198によって接続されている。PC基板302が設置されている密閉式容器112の外壁はステンレスまたはアルミニウムからなり、基板の出し入れのために上下分割可能な構造(図示せず)とする。
【0050】
密閉式容器112の内部102は真空バルブ192および真空配管系132を経由して、真空排気系152に接続されている。そして、光記録媒体作製時に、室温下において密閉式容器112の内部102の圧力が10-4パスカル以下になるまで排気を行ったのち真空バルブ192を閉じた。これによって密閉式容器112は密閉される。
【0051】
加熱手段として用いられる気化源基板ヒーター412、樹脂基板ヒーター402および真空バルブヒーター792は、例えば真空仕様のシーズ電気発熱線を埋め込んだアルミニウムからなるものを用いることができる。伝熱性の高い材質からなるヒーターを隙間なく設置することで密閉式容器112の内部102および真空バルブ192の部分を均一に加熱することができる。
【0052】
本実施例の場合、真空バルブ192を開け密閉式容器112の内部102を減圧したのち、真空バルブ192を閉じ、次いで樹脂基板ヒーター402によって加熱を行い密閉式容器112の内部102全体が135℃になるように温度制御を行った。また、気化源242が載置され密閉されている密閉式容器122も同様に気化源基板ヒーター412を用いて加熱し、PC基板302が設置してある密閉式容器112の設定温度よりも高温に加熱した(例えば140℃)。その後二つの密閉式容器112,122を接続しているバルブ198を開け、12時間設定温度で保持した。その後密閉式容器112,122の内部温度を25℃まで徐々に低下させた。次いで、密閉式容器112の内部102を大気圧に戻し、PC基板302を取り出した。得られたPC基板302の断面を走査顕微鏡により観察した結果、表面から深さ10nmまで黄色結晶化していることおよび、グルーブが変形してないことを確認した。次にこのようにして得られた記録層の上に蒸着によって反射層であるアルミニウムを形成した。更にこの上に紫外線硬化樹脂より、保護層5μmを設けて所望の光ディスクを作製した。この光記録媒体の反射率は73%であり、波長785nmの半導体レーザーを利用して線速度1.4m/secでEFM−CDフォーマット信号を記録した結果、最適記録レーザーパワーが10mWで記録が可能であった。次にこの信号をCDプレーヤーによりレーザーパワーを0.5mWとして再生を行った結果、得られた信号のCN比は良好であった。
【0053】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の光記録媒体は透明基板上に記録層の機能を有する結晶性PCを備えていることにより、煩雑な工程を必要とせず、極めて高い記録保存性と良好なCN比を有する光記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光記録媒体の構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施例1、2に記載の光記録媒体作製方法における光導波路作製装置の概略を示す断面図である。
【図3】 本発明の実施例3、4に記載の光記録媒体作製方法における光導波路作製装置の概略を示す断面図である。
【図4】 本発明の実施例5の光記録媒体作製方法における光導波路作製装置の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
10,11 PC基板、20,21 結晶化PC層、30,31 オーバーコート層、41 反射膜、100,101,102 内部、110,111,112 密閉式容器、120,121,122 気化源が密閉してある密閉式容器、130,131,132 真空配管系、150,151,152 真空排気系、190,191,192 真空バルブ、195,196,197,198 ヒーター付き真空バルブ、300,301,302 PC基板、410,411,412 気化源基板ヒーター、400,401,402 樹脂基板ヒーター、790,791,792 真空バルブヒーター。

Claims (7)

  1. 少なくとも光透過性支持体と光記録層とを有し、
    更に前記光記録層は、前記光記録層の表面から内部へ浸透可能な有機低分子化合物を気体分子として作用させ、前記光記録層中の結晶性有機高分子化合物の少なくとも一部を非晶質状態から結晶状態へ相変化させた結晶化層を有し、
    前記結晶性有機高分子化合物として下記の一般式(I)で表されるポリカーボネート系樹脂が用いられ、
    Figure 0003862164
    (ここで、φ A およびφ B は各々2価の芳香族炭化水素残基を表し、Xは、酸素残基−O−、硫黄残基−S−、スルホン残基>S=O、カルボキシ残基>C=O、または、アルキレン型炭化水素残基>CR 1 2 を表し、R 1 およびR 2 は水素原子または炭素数1から18のアルキル基を表し、R 1 およびR 2 は互いに結合して炭化水素環を形成するものも含む。)
    前記結晶化層の前記結晶性有機高分子化合物が、外部からの紫外線、可視光線または赤外線のいずれか照射により結晶状態から非晶質状態へ相変化することを利用して情報を前記光記録層に記録し、前記相変化にともなう光学的性質の変化を利用して前記光記録層に記録された情報の再生を行うことを特徴とする相変化型光記録媒体。
  2. 更に、再生時に読み取り光が照射される前記光記録層の面と反対側の光記録層の面に光反射層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の相変化型光記録媒体。
  3. 前記光記録層中の結晶化層は、紫外線、可視光線または赤外線のいずれかを吸収する色素を含有することを特徴とする請求項1に記載の相変化型光記録媒体。
  4. 少なくとも、非晶質状態にある結晶性有機高分子化合物からなる光記録層に、前記光記録層の表面から内部へ浸透可能な有機低分子化合物を気体分子として作用させ、前記光記録層中の前記結晶性有機高分子化合物の少なくとも一部を非晶質状態から結晶状態へ相変化させ前記光記録層内に結晶化層を形成する工程を有し、
    前記結晶性有機高分子化合物として下記の一般式(I)で表されるポリカーボネート系樹脂が用いられることを特徴とする相変化型光記録媒体の製造方法。
    Figure 0003862164
    (ここで、φ A およびφ B は各々2価の芳香族炭化水素残基を表し、Xは、酸素残基−O−、硫黄残基−S−、スルホン残基>S=O、カルボキシ残基>C=O、または、アルキレン型炭化水素残基>CR 1 2 を表し、R 1 およびR 2 は水素原子または炭素数1から18のアルキル基を表し、R 1 およびR 2 は互いに結合して炭化水素環を形成するものも含む。)
  5. 更に、前記有機低分子化合物が有色であることを特徴とする請求項に記載の相変化型光記録媒体の製造方法。
  6. 少なくとも、非晶質状態にある結晶性有機高分子化合物からなる光記録層に、前記光記録層の表面から内部へ浸透可能な有機低分子化合物を気体分子として作用させ、前記光記録層中の前記結晶性有機高分子化合物の少なくとも一部を非晶質状態から結晶状態へ相変化させ前記光記録層内に結晶化層を形成する工程と、
    前記結晶性有機高分子化合物と親和性があり、かつ、昇華性を有し、更に紫外線、可視光線または赤外線のいずれかを吸収する色素を気体分子として前記光記録層の表面から内部に浸透させ、前記光記録層内の結晶化層中に含有させる工程と、を有し、
    前記結晶性有機高分子化合物として下記の一般式(I)で表されるポリカーボネート系樹脂が用いられることを特徴とする相変化型光記録媒体の製造方法。
    Figure 0003862164
    (ここで、φ A およびφ B は各々2価の芳香族炭化水素残基を表し、Xは、酸素残基−O−、硫黄残基−S−、スルホン残基>S=O、カルボキシ残基>C=O、または、アルキレン型炭化水素残基>CR 1 2 を表し、R 1 およびR 2 は水素原子または炭素数1から18の アルキル基を表し、R 1 およびR 2 は互いに結合して炭化水素環を形成するものも含む。)
  7. 少なくとも、非結晶状態にある結晶性有機高分子化合物からなる光記録層に、前記結晶性有機高分子化合物と親和性があり、かつ、昇華性の色素であって、紫外線、可視光線または赤外線を吸収する色素を気体分子として前記光記録層の表面から内部へ浸透させ、前記光記録層内に色素の層を形成する工程と、
    非結晶状態にある前記結晶性有機高分子化合物からなる光記録層に、前記光記録層の表面から内部へ浸透可能な有機低分子化合物を気体分子として作用させ、前記光記録層の色素の層内の結晶性有機高分子化合物を非晶質状態から結晶状態へ相変化させ色素含有結晶化層を形成する工程と、を有し、
    前記結晶性有機高分子化合物として下記の一般式(I)で表されるポリカーボネート系樹脂が用いられることを特徴とする相変化型光記録媒体の製造方法。
    Figure 0003862164
    (ここで、φ A およびφ B は各々2価の芳香族炭化水素残基を表し、Xは、酸素残基−O−、硫黄残基−S−、スルホン残基>S=O、カルボキシ残基>C=O、または、アルキレン型炭化水素残基>CR 1 2 を表し、R 1 およびR 2 は水素原子または炭素数1から18のアルキル基を表し、R 1 およびR 2 は互いに結合して炭化水素環を形成するものも含む。)
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