JP3860605B2 - 補体活性化をブロックするキメラタンパク質 - Google Patents

補体活性化をブロックするキメラタンパク質 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、補体の阻害および炎症に関する。
発明の背景
補体系には、免疫反応およびアレルギー反応において統合的役割を演じる、血漿中のタンパク質の一群が含まれる。補体の活性化は、少なくとも2つの経路を経て生じ得る:抗原−抗体複合体を含む古典経路、ならびに酵母および細菌性微生物の細胞壁多糖類を含む第二経路。どちらの開始経路が用いられるかに関わらず、最終結果は、補体タンパク質(例えば、C3a、C4a、ならびにC5aアナフィラトキシンおよびC5b-9膜侵襲複合体)の活性化されたフラグメントの形成である。補体タンパク質は、白血球の走化性、マクロファージの活性化、血管透過性および細胞溶解を含むいくつかの機能を介する(Frank,M.およびFries,L.補体。Paul,W.(編) Fundamental Immunology, Raven Press, 1989)。
補体系のいくつかの調節タンパク質が同定されている(図1)。これらの主要な機能は、過剰な補体活性化および宿主組織の自己溶解的破壊の防止のためにC3/C5転換酵素の活性を調節することである。これらの補体レギュレーターは、種々の細胞タイプで発現する可溶性血漿タンパク質か、または膜内在性タンパク質かのいずれかである。前者には、C4b結合タンパク質(C4bp)およびH因子が含まれる。後者には、C3b/C4bレセプター(補体レセプター1、CR1、CD35)、メンブランコファクタープロテイン(MCP、CD46)、および崩壊促進因子(DAF、CD55)が含まれる。これらのタンパク質は多くの構造的な類似性を有する。各々は、長さが約60アミノ酸で、保存されるシステイン、グリシンおよびプロリン残基を有する、複数のショートコンセンサスリピート(SCR)を含む。これらのタンパク質をコードする遺伝子は、染色体1に位置し、集合的に、補体活性化のレギュレーター(RCA)遺伝子クラスターとして知られている(Hourcade,D.ら、1989, Adv.Immunol. 45:381)。補体活性化の調節における役割に加えて、赤血球のCR1はまた、循環性免疫複合体のレセプターとしても機能し、血漿からのそれらのクリアランスを促進する(Cornacoff,J.ら、1983, J.Clin.Invest. 71:236)。
MCPおよびDAFは補体系の重要な調節タンパク質であり、これらは補体活性化による宿主組織の自己溶解的破壊を防止するために機能する。
MCPは、Seyaおよび共同研究者ら(J.Exp.Med. 1986, 163:837;Biochem.J., 1989、264:581)により最初に精製および特徴付けされた。彼らは、それがC3bおよびC4bと結合し、そしてI因子コファクター活性を有することを示した。従って、MCPは、C3biおよびC4biへのタンパク分解的分解によって、C3bおよびC4bを不可逆的に不活化するために機能する(図2参照)。MCPはC3bに優先的に結合し、従ってこのことがこれを第二経路の転換酵素のより強力なイナクチベーターにしていることが示された(Seya,T.ら、1991, Mol.Immunol. 28:1137)。
DAFは、Nicholson-Wellerおよび共同研究者ら(J.Immunol., 1982, 129:184)により最初に同定され、そしてMedofおよび共同研究者ら(J.Exp.Med., 1984, 160:1558)により特徴づけられた。DAFもまた、C3bおよびC4bと結合し、そしてこれらの分子をC3転換酵素から解離するために機能する。従って、このことが、この転換酵素の崩壊(不活化)を促進する(図3参照)。DAFは、同様に第二経路の転換酵素および古典経路の転換酵素を両方とも不活化する。
MCPおよびDAFは、4つのSCRのみを含む。このことによって、これらは最小の補体調節タンパク質である。
MCPは崩壊促進活性を有さず、そしてDAFはコファクター活性を有さない。両タンパク質とも、内皮細胞、線維芽細胞、リンパ球、顆粒球および単球を含む種々の細胞タイプにおいて発現する(Hourcade,D.ら、1989, Adv.Immunol., 45:381;McNearny,T.ら、1989, J.Clin.Invest. 84:538)。MCPおよびDAFは、異なる相補的なメカニズムにより補体活性化の内因性インヒビターとして機能し、宿主細胞の補体介在性自己溶液を防止すると考えられる。
本発明の要旨
本発明は、補体の活性化を阻害する第1のポリペプチドが、補体の活性化を阻害する第2のポリペプチドに結合する、キメラタンパク質に特色がある。このキメラタンパク質は、好ましくは、可溶性タンパク質である。キメラの第1および第2のポリペプチドは、同一のまたは異なるポリペプチドであり得る。第1のポリペプチドは、第2のポリペプチドとペプチド結合により結合され得る。
好ましい実施態様において、第1のポリペプチドはMCPか、またはその可溶性で生物学的に活性なフラグメント(例えば、少なくともMCPのSCRの領域2、3、および4を含有するフラグメント)である。第2のポリペプチドはDAFか、またはその可溶性で生物学的に活性なフラグメント(例えば、少なくともDAFのSCRの領域2、3、および4を含有するフラグメント)である。本明細書中で用いる場合、用語「フラグメント」は、ポリペプチドに適用されるときには、長さが、普通は、少なくとも約5個の連続するアミノ酸であり、代表的には、少なくとも約10個の連続するアミノ酸であり、より代表的には、少なくとも約20個の連続するアミノ酸であり、通常は、少なくとも約30個の連続するアミノ酸であり、好ましくは、少なくとも約40個の連続するアミノ酸であり、より好ましくは、少なくとも約50個の連続するアミノ酸であり、そして最も好ましくは、少なくとも約60〜80個かまたはそれ以上の連続するアミノ酸である。このようなポリペプチドは、タンパク質のタンパク質分解的分解、フラグメントの新規(de novo)合成、または遺伝子工学を含む、当業者に公知の方法により生成され得る。生物学的に活性なフラグメントとは、補体阻害活性を示すフラグメントとして定義される。フラグメントの活性は、補体活性化の天然に存在するインヒビターの生物学的活性の、少なくとも1%であるべきであり、より好ましくは、少なくとも10%であり、なおさらに好ましくは、少なくとも50%であって、最も好ましくは、これと少なくとも等しい。
可溶性キメラ分子は、可溶性MCPまたはDAFタンパク質の個々あるいは組合せより効果的な補体活性化のインヒビターである。さらに、可溶性キメラタンパク質は、外因性補体調節活性(同一細胞膜に結合しない転換酵素を不活化する能力)を有する。対照的に、膜会合形態のMCPおよびDAFは、内因性活性(同一細胞膜にのみ結合する転換酵素を不活化する能力)を有する。キメラタンパク質は、炎症性疾患および自己免疫疾患のための治療的処置として使用され得、そしてこのキメラタンパク質に対して作製されるモノクローナル抗体は、診断薬あるいは治療薬として使用され得る。
本発明はまた、本発明のキメラタンパク質の改変も包含する。改変(これは、通常は1次配列を変更しない)には、ポリペプチドのインビボまたはインビトロ化学的誘導体化(例えば、アセチル化、またはカルボキシル化)が含まれる。グリコシル化の改変、例えば、グリコシル化パターンの変更、例えば、その合成および加工(processing)中またはさらなる加工工程においてポリペプチドのグリコシル化パターンを改変すること(例えばポリペプチドをグリコシル化に影響を及ぼす酵素(例えば、哺乳動物のグリコシル化または脱グリコシル化酵素)に曝すこと)によりなされる改変もまた含まれる。
別の実施態様において、このキメラの第1および第2のポリペプチドは、MCP、DAF、補体レセプター1、H因子、C4b結合タンパク質、およびそれらの可溶性で生物学的に活性なフラグメントからなる群より選択され得る。これらのC3/C5転換酵素阻害活性のために、補体調節タンパク質またはRCAファミリーのポリペプチドはいずれも、このキメラの第1または第2のポリペプチドであり得る。
本発明はまた、第1および第2のポリペプチドがペプチド結合により結合されるキメラタンパク質をコードする核酸配列、ならびに選択マーカー(例えば、グルタミンシンセターゼまたはジヒドロ葉酸レダクターゼ)および本発明のキメラタンパク質の発現のために調節配列(例えば、哺乳動物プロモーター)に作動可能に連結された、このタンパクをコードする核酸を含む組換え発現ベクターを包含する。本発明はまた、適切な宿主細胞(細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞)内の本発明のキメラタンパク質をコードする発現ベクターを、このキメラタンパク質の発現を促進する条件下で培養することによる、このキメラタンパク質を調製するためのプロセスを包含する。このプロセスは、好ましくは、キメラタンパク質を、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内で発現させることによって実行される。このキメラタンパク質は細胞培養上清または宿主細胞の細胞溶解物を回収し;酸で沈澱し得る混入物(例えば、pH7.0より下で沈澱する混入物、例えば、上清または溶解物をpH5.0の25mMピペラジンを用いて1:1で希釈する際に沈澱する混入物)を上清または溶解物から取り除き;陰イオン交換樹脂に結合するキメラタンパク質を回収し:金属に結合する混入物を取り除き;キメラタンパク質をフェニル疎水性相互作用樹脂に結合させ、次いで当該組換えタンパク質を溶出させ;キメラタンパク質をブチル疎水性相互作用樹脂に結合させ、次いで当該組換えタンパク質を溶出させ;そしてエンドトキシンをキメラタンパク質から取り除くことによって調製し得る。本発明のプロセスの最後の3工程は、いずれの順序でも行い得る。
本発明はまた、C3転換酵素(例えば、C3転換酵素のC3bおよびC4bサブユニット)ならびにC5転換酵素(例えば、例えば、C5転換酵素のC3bおよびC4bサブユニット)を本発明のキメラタンパク質と接触させることによって、C3aおよびC5aの生成を阻害する方法を包含する。本発明のキメラタンパク質の転換酵素への結合は転換酵素の酵素活性を阻害し、従って、C3aおよびC5aの生成を阻害する。
別の局面において、本発明は、過剰な補体活性化により特徴付けられる炎症を、このような状態に悩まされる患者に本発明のキメラタンパク質を投与することによって低減させる方法に特色がある。
最後の局面において、本発明は、本発明のキメラタンパク質に結合するが、このキメラの第1のポリペプチド単独または第2のポリペプチド単独とは結合しない抗体に特徴がある。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
まず、図面について簡単に記載する。
図1は、補体系のタンパク質、それらの活性化の経路、およびそれらの機能を調節するタンパク質を示す概略図である。
図2は、MCPによるC3転換酵素不活化のメカニズムを示す概略図である。
図3は、DAFによるC3転換酵素不活化のメカニズムを示す概略図である。
図4は、トランスフェクトされたCHO-K1細胞の12リットルのマイクロキャリア培養中の細胞密度および補体活性化ブロッカー2(CAB-2)タンパク質の上清濃度の時間経過を示すグラフである。培養容器に、トランスフェクトされた細胞を2.5g/mlのマイクロキャリアおよび10%ウシ胎児血清を含有するIscove改変Dulbecco培地(IMDM)中8×104細胞/mlで播種した。ピークの細胞密度に達するための増殖の数日後、培養培地を無血清IMDMに切り換えた。その後毎日、10リットルの培養上清を回収し、新鮮な無血清培地で置換した。
図5は、ポリアクリルアミドゲル上で分離された精製可溶性MCP(sMCP)およびCAB-2タンパク質の写真である。精製されたタンパク質それぞれの5μgアリコートを10%ポリアクリルアミド硫酸ドデシルナトリウム(SDS)ゲル上で電気泳動した。ゲルを還元条件下で泳動しそしてクマシーブルーで染色した。レーン1、分子量マーカー;レーン2、sMCP;レーン3、CAB-2。分子量スタンダードは、106、80、49.5、32.5、および27.5kDaである。
図6は、マイクロキャリアで産生されるCAB-2タンパク質のための7工程精製プロセスを示す概略図である。
図7は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)において測定されたときのCAB-2タンパク質の抗MCP抗体および抗DAF抗体との二反応性を示す線グラフである。このアッセイには、捕獲用のウサギ抗MCPポリクローナル抗体、マウス抗DAFモノクローナル2次抗体、および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)結合ヤギ抗マウスIgG3次抗体を使用した。
図8は、コファクターアッセイにおいて測定された場合のsMCP活性とCAB-2活性との比較を示す線グラフである。C3b様の特性を有する、臭化カリウムで処理したC3(iC3)のα鎖の切断を、各試料においてインタクトな鎖とその切断産物との相対的割合に基づく走査デンシトメトリー(scanning densitometry)により定量した。
図9は、崩壊促進因子アッセイにおいて測定した場合の、sDAF活性とCAB-2活性との比較を示す線グラフである。Z値((溶解部位/細胞)の数値)を、標準表を使用して、各試料の%最大溶解の値から決定した。
図10は、古典経路依存性の補体介在性細胞溶解のアッセイにおけるsMCP、sDAF、sMCP+sDAFの混合物、およびCAB-2の阻害活性の比較を示す線グラフである。IgMで感作したヒツジの赤血球細胞(RBC)が刺激物質であり、ヒト血清(最終希釈1:200)を補体供給源として使用した。
図11は、第二経路依存性の補体介在性細胞溶解のアッセイにおけるsMCPとCAB-2の阻害活性の比較を示す線グラフである。EGTA(Ca+2をキレートするため)を含有する緩衝液の感作されていないモルモットのRBCが刺激物質であり、ヒト血清(最終希釈1:4)が補体の供給源であった。
図12は、sMCPおよびCAB-2による、C5a産生の阻害を示す線グラフである。1:8に希釈されたヒト血清が補体の供給源であり、ザイモサン(最終濃度1mg/ml)が第二経路活性化の刺激物質であった。125I-C5a desArgを用いる競合ラジオイムノアッセイによってC5aを定量化した。
図13は、ラットにおけるsMCPおよびCAB-2の薬物動態を示す線グラフである。動物に1mg/kg用量の精製されたタンパク質を静脈内注射し、そして血液試料を注射後の示された時間に採取した。sMCPおよびCAB-2の血漿レベルをELISAにより測定した。
図14は、125I標識CAB-2を静脈内(i.v.)注射されたラットから回収された血清試料のオートラジオグラフである。注射後種々の時間に血清試料をラットから採取し、そして10%ポリアクリルアミドSDSゲル上で電気泳動した。ゲルを乾燥し、そしてオートラジオグラフを撮影した。
図15は、CAB-2タンパク質によるモルモットにおける逆受身アルサス反応のインビボ阻害を示す棒グラフである。動物に20mg/kgのオバルブミンと1μCiの125I-BSAとを静脈内注射し、次いで示された量のCAB-2タンパク質を含有する10mgの抗オバルブミンポリクローナル抗体を皮内(i.d.)に投与した。3時間後、動物を屠殺し皮膚バイオプシーを計測して125I-BSAの漏出を定量化した。
詳細な説明
新規キメラ遺伝子、およびそれらがコードするMCPとDAFの両方の生物学的活性を発現するタンパク質が本明細書中に記載される。用語補体活性化ブロッカー(CAB)は、2つの異なる補体阻害活性(例えば、I因子コファクター活性および崩壊促進活性)を有する。組換えキメラタンパク質として定義される。
本発明の遺伝子は、コードされたタンパク質が少なくとも2つの補体結合部位およびI因子コファクター活性と崩壊促進活性との両方を有するように構築される。
キメラ分子は、MCPタンパク質またはDAFタンパク質の個々あるいは組合せより効果的な補体活性化インヒビターである。キメラタンパク質を使用して炎症性疾患および自己免疫疾患を処置し得、そしてキメラタンパク質に対して作製されたモノクローナル抗体を、診断薬または治療薬として使用し得る。
本発明には、補体のためのI因子コファクター調節活性と崩壊促進因子調節活性との両方を有するキメラタンパク質をコードする組換え遺伝子が含まれる。両方の生物学的活性を示すことによって、キメラタンパク質は、補体活性化を阻害する能力において、メンブランコファクタープロテイン、崩壊促進因子、または両タンパク質の組合せのいずれよりも強力である。この遺伝子を構築し、そして発現させるために使用される組換え材料および方法、有用な量での製造のために使用される方法、キメラ組換えタンパク質を含有する薬剤組成物、炎症性疾患および自己免疫疾患の処置にこれらを使用するための方法は、以下に記載される。キメラ補体調節タンパク質に対して生じるモノクローナル抗体、およびそれらの作製および特徴付けのための方法もまた記載される。このようなモノクローナル抗体は、キメラタンパク質の定量およびモニターのための試薬として、ならびにヒトの疾患のための診断薬および治療薬として有用である。
本発明の特定の実施態様は、以下の実施例において記載される。実施例では、特定のキメラタンパク質CAB-2の構築、クローニングおよび産生を詳述する。加えて、実施例は、CAB-2タンパク質のインビトロ生物学的活性(例えば、CAB-2の古典経路および第二経路の補体活性化に対する増強された阻害効能)を測定するアッセイを詳述する。さらに、実施例には、CAB-2タンパク質のインビボ薬物動態的挙動および動物モデルにおける補体誘発炎症の処置としての効力が記載される。
メンブランコファクター活性および崩壊促進活性を有する補体レセプター融合タンパク質のクローニングおよび発現
MCPタンパク質およびDAFタンパク質をコードするcDNAクローンが、MCPとDAFとの融合タンパク質の合成を支配する発現ベクターの構築のために使用された。これらのクローンは、Lublin,D.M.ら、1989, J.Exp.Med. 168:181-194、およびMedof,M.E.ら、1987, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:2007-2011(これらは共に、本明細書中で参考として援用される)により記載されている。MCPおよびDAFタンパク質および/またはそれらの生物学的に活性なフラグメントあるいは誘導体は、Lublin,D.M.ら(上記)およびMedof,M.E.ら(上記)により公開されたcDNA配列に基づいて公知の組換えDNA技術を使用して作製し得る。詳細には、MCPおよびDAFを発現する細胞からmRNAを単離し、ランダムプライマーを使用してcDNAを合成し、そして公開された配列に従って合成される1対のプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により対応する遺伝子の特定の配列を増幅し得る。補体活性化を阻害する他のタンパク質をコードするcDNAもまた、同様な様式で単離し得る。例えば、C4b結合タンパク質(Chungら、1985, Biochem.J. 230:133-141、本明細書中で参考として援用する)であり、例えば、H因子(Ripocheら、1988, Biochem.J.249:593-602、およびEMBL受託番号Y00716、本明細書中で参考として援用する)であり、例えば、CR1(Klicksteinら、1988, J.Exp.Med. 168:1699、本明細書中で参考として援用する)である。
ショートコンセンサスリピート(SCR)領域3および4は、MCPタンパク質のC3bおよびC4b結合部位を与える(Adamsら、1991, J.Immunol. 147:3005-3011)。しかし、SCR3および4に加えて、SCR2もまた、メンブランコファクター活性を保持するために必要とされる。使用される最小の長さのcDNAは、MCPのSCR3および4の両方に対応するアミノ酸をコードするものである。DAFのSCR2、3および4は崩壊促進活性に寄与する(Coyneら、1992, J.Immunol. 149:2906-2913)。例えば、MCPおよびDAFタンパク質のSCR1〜4および/またはセリン−トレオニン−プロリン豊富な(ST)領域を含有する細胞外ドメインをコードするcDNAセグメントを、融合タンパク質の産生のために使用し得る。C3bおよびC4b結合活性ならびにメンブランコファクターおよび/または崩壊促進活性を有する、MCPおよびDAF以外の遺伝子もまた、メンブランコファクターおよび崩壊促進活性を有する融合タンパク質の合成を支配する発現ベクターの構築のために使用され得る。
発現ベクター中の両遺伝子間のリンカー
DNAのリンカーセグメントを、発現ベクターの構築中に2つの遺伝子間に付加し得る。しかし、第1および第2のタンパク質のコード領域間へのリンカーセグメントの挿入は、5'および3'末端で適切なリーディングフレームを維持して連続するタンパク質翻訳を保証しなければならない。
リンカーの長さは、0から1500までのアミノ酸長の範囲であり得、好ましくは、0〜60アミノ酸長である。下記のように、MCP-DAF構築物についてはその連結部にアミノ酸は付加されていないが、MCP-MCP構築物、MCP-1/2MCP構築物およびDAF-MCP構築物については連結部に2個の新たに付加されたアミノ酸が付加されている。SCR1領域の欠失はMCPのコファクター活性を損なわないので、約60アミノ酸長におよびDAF-MCP構築物におけるSCR1領域が、2個の新たに付加されたアミノ酸に加えてリンカーの部分と考えられ得る。
アミノ酸置換: C3bおよびC4b結合特異性ならびに親和性の操作
補体調節遺伝子のファミリーにおける全てのSCR領域は、ユニークな特徴のコンセンサス配列を共有する。ここで、4個のシステイン全てが、この領域内で2個のジスルフィド結合を形成する。アミノ酸をあるSCRから別のSCRへ置換し、あるSCRの結合特異性を転換しまたは別のSCRに結合親和性を増加させ得る。例えば、C3b結合は、CR1においてC4b結合に、あるいは両方の特異性に転換され得る(Krychら、1994, J.Biol. 269:13273-13278)。これらの操作は、当該分野において公知の部位特異的変異誘発技術を使用して達成され得る。
融合タンパク質の構築のために使用される遺伝子
補体のレギュレーター遺伝子クラスター(RCA)の全てのメンバーは、基本的な構造的類似性を共有する(Hourcade, HolersおよびAtkinson、1989, Adv.Immunol. 45:381-416)。詳細には、これらは、約60アミノ酸長で4個の保存されたシステインを有するいくつかのSCRを含む。MCPとDAFとを除く全てが4より多いSCR領域を含有する。例えば、CR1は30のSCR領域を有する。メンブランコファクター活性および崩壊促進活性を保持する融合タンパク質を、2個より多い遺伝子(それぞれメンブランコファクター活性または崩壊促進活性を有する)を用いて構築し得る。構築物に使用される各cDNAセグメントの長さは上記で議論される。
融合タンパク質の翻訳後修飾
融合タンパク質を、グリコシル化を伴ってあるいは伴わないで産生し得る。RCAファミリーのほとんどのメンバーはグリコシル化の部位を有する。例えば、MCPは、SCR領域内およびST領域内に、それぞれ3つのN結合型グリコシル化部位および1つのO結合型グリコシル化部位を含有する。DAFは、1つのN結合型オリゴ糖および多数のO結合型オリゴ糖を含有する(Lublinら、1986, J.Immunol. 137:1629)。一般に、真核生物発現系におけるタンパク質の産生は、結果としてグリコシル化形態の対応するタンパク質の発現を生じる。非グリコシル化融合タンパク質を産生するための3つの可能な方法がある:(1)それぞれN結合型グリコシル化およびO結合型グリコシル化を分解するためのEndo-ペプチド-N-ガラクトサミニダーゼおよびO-グリカナーゼのような炭水化物群酵素の分解による脱グリコシル化;(2)非グリコシル化融合タンパク質を生成するためのbacillusおよびE.Coliにおける原核生物発現;(3)N結合型グリコシル化またはO結合型グリコシル化の認識部位を変更するための部位特異性変異誘発。
発現系
融合タンパク質は、原核生物系および真核生物系において、それぞれに、それぞれの宿主系に適切な異なる発現ベクターを使用して産生され得る。
本発明のキメラタンパク質は、下記のバキュロウイルス系または哺乳動物系の様な真核生物発現系において産生され得る。
以下が、真核生物発現系における遺伝子発現に使用され得る発現ベクターの例である。プラスミドpMSGは、マウス乳腫瘍ウイルス(MMTV)の末端反復配列(long terminal repeat)由来のプロモーターを使用する。pMSG発現に適切な宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞およびマウスLkt陰性細胞である(Lee,F.ら、1981, Nature 294:228-232)。ベクターpSVLはSV40の後期プロモーターを使用する。高一過性発現に関して、pSVL発現に適切な宿主細胞はCos細胞である(Sprague,J.ら、1983, J.Virol. 45:773-781)。ベクターpRSVはラウス肉腫ウイルスプロモーターを使用する。RSV発現に適切な宿主細胞は、マウス線維芽細胞、リンパ芽球様細胞およびCOS細胞である(Gorman、PadmanabhanおよびHoward、1983, Science 221:551-553)。
バキュロウイルス発現ベクターもまた使用し得る。これらのベクターは、sf9のような昆虫細胞中で安定に発現する(Luckow,V.A.およびSummers,M.D.、1988, Bio/Technology 6:47-55;Miller,L.K.、1988, Ann.Re.Microbiology 42:177-199)。
本発明のキメラタンパク質はまた、原核生物発現系においても産生され得る。以下が、原核生物発現系において発現され得る発現ベクターの例である。
酸素依存性プロモーターを用いるpOX発現シリーズを、E.coli.において発現し得る(Khosla,G.ら、1990, Bio/Technology 8:554-558)。λファージの強力なpLプロモーターを使用するpRLベクター(Reed,R.R.、1981, Cell 25:713-719;Mott,J.D.ら、1985, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:88-92)およびE.coliのトリプトファンオペロンのプロモーターとラクトースオペロンのプロモーターとの間の融合に由来するハイブリッドプロモーターを使用するpKK223-3ベクター(Borsius,J.およびHoly,A.、1984, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6929-6933)をE.coli.における発現に使用し得る。
酵母発現に適切なベクターもまた当該分野において周知である(例えば、Sleep,D.、Belfield,D.P.およびGoodey,A.R.、1990, Bio/Technology 8:42-46;Sakai,A.ら、1991, Bio/Technology 9:1382-1385;Kotula,L.およびCurtis,P.J.、1991, Bio/Technology 9:1386-1389、これらの全ては本明細書中で参考として援用される)。
キメラCABの産生、定量、精製および分析
一旦、キメラ遺伝子を発現する組換え細胞系を単離すると、分泌されるタンパク質を予想された構造に関して、同定し証明しなければならない。種々の方法を使用して、発現されるキメラタンパク質を同定し特徴付け得る。まず、組換え細胞系を35S-メチオニンと共にインキュベートして発現されるタンパク質を内在性に標識し得る。分泌されるキメラタンパク質の存在を、このキメラの一方または他方のタンパク質に対するモノクローナル抗体(例えば、抗MCPまたは抗DAF)を用いる放射性免疫沈降によって立証し得る。MCPとDAPの両方に対する抗体は、市販されている。
一つの方法の実施例において、代謝的に35S-標識された培養上清を、抗MCPまたは抗DAFモノクローナル抗体のいずれかと共にインキュベートする。免疫複合体を、Sepharoseに結合されたプロテインAとのインキュベーションにより沈澱させる。免疫沈降したタンパク質のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動およびこれに引き続くオートラジオグラフィーを使用して分泌されるキメラタンパク質を同定し得る。キメラタンパク質がMCPとDAFの両方のドメインを表すことが予想される場合(CAB-2のケースのように)、抗DAF抗体と抗MCP抗体との両方がこのタンパク質を免疫沈降させると期待される。
MCP遺伝子セグメントとDAF遺伝子セグメントとの両方を含む二重特異性キメラタンパク質(例えば、CAB-2)を使用する別の方法は、異なる特異性を有する2種のモノクローナル抗体を連続して使用する二重免疫沈降である。一方の抗体を用いる培養上清のプレクリアランス(pre-clearance)は、2次抗体を用いる免疫沈降でネガティブな結果を生じるであろう。この方法により、1つのタンパク質がMCPエピトープとDAFエピトープの両方を発現することが立証されるであろう。
あるいは、二重特異性キメラタンパク質(例えば、CAB-2)をウェスタンブロットにより同定し得る。例えば、SDS-PAGEおよびニトロセルロースへのトランスファーの後、ブロットを抗MCPまたは抗DAFモノクローナル抗体を用いて発色させ得る。発現する二重特異性組換えタンパク質は両方の抗体と反応し、このことは、再び、キメラ上にMCPエピトープとDAFエピトープの両方が存在することを示す。
CAB-2のような二重特異性キメラタンパク質の同定はまた、ELISAによっても達成され得る。例えば、MCPまたはDAFのいずれかに特異的なウサギポリクローナル抗体を使用して、プラスチックマイクロタイターELISAプレートをコートし、その後、CAB-2を発現する組換え細胞系由来の培養上清を添加し、そして捕獲ポリクローナル抗体と共にインキュベートし得る。モノクローナル抗DAFまたは抗MCP2次抗体(この特異性は捕獲抗体とは異なる)を続いて使用し得る。ポジティブな反応は、キメラタンパク質上の両エピトープの存在を示す。
ELISAを使用しても、培養上清中またはキメラタンパク質を含有する他のいかなる非精製溶液中のCAB-2のレベルを、既知量の精製CAB-2タンパク質の標準曲線との比較により定量化し得る。CAB-2の定量化は、組換え細胞系における産生速度の測定、部分的に精製された調製物中のタンパク質濃度の測定、およびインビボ実験のための血漿中のタンパク質濃度の測定に有用であろう。
キメラCAB-2タンパク質を、組換え細胞の培養上清から、種々の標準的なクロマトグラフィー手順によって精製し得る。この標準的なクロマトグラフィー手順には、イムノアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、レクチンアフィニティークロマトグラフィー、またはクロマトフォーカシングが含まれるがこれらに限定されない。例えば、血清添加物を含有する少量の培養上清を、例えば、抗MCPまたは抗DAFモノクローナル抗体を用いるイムノアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製し得る。固定化抗体に結合したCAB-2タンパク質を、カオトロピック溶液の使用により、精製された形態で溶出し得る。
組換えCHO細胞を、CAB-2タンパク質を含有する大量(100リットル)の上清を産生するための高濃度の血清添加物を用いることなく培養し得る。12リットル容器中でマイクロキャリアを使用する培養方法を、以下の実施例に記載する。この無血清培養上清中のCAB-2タンパク質を、以下の実施例に詳述するクロマトグラフィーの手順により精製し得る。この手順により、結果的に90%より高い純度である何百mgものCAB-2タンパク質を生じる。
一旦、CAB-2タンパク質を精製すると、そのアミノ酸配列を、自動化システムを使用する直接タンパク質配列解析により導き出し得る。NまたはO結合型炭水化物の存在を、特定のエンドグリコシダーゼ酵素の使用により決定し得る。(Chavira,R.ら、1984, Anal.Biochem. 136:446)。その生化学的構造のさらなる特徴付けもまた実行し得る。この特徴付けには、等電点電気泳動法によるpI測定、親水性分析、X線結晶解析、およびコンピューターモデリングが含まれるが、これらに限定されない。
本のキメラタンパク質の機能的な特徴付け
キメラ組換えタンパク質に関する重要な特徴は、I因子のコファクターとしても崩壊促進因子としても機能する能力である。インビトロアッセイを実行して、これらの生物学的活性を測定し得る(Medof,M.ら、1984, J.Exp.Med. 160:1558;Masaki,T.ら、1992, J.Biochem. 111:573)。実施例に記載するように、コファクター活性について(精製されたC3およびI因子を使用する)および崩壊促進活性について(IgM感作、C1感作およびC4感作ヒツジRBC、ならびに精製されたC2を使用する)のアッセイを使用して、CAB-2キメラタンパク質に関してこれら両方の補体調節機能を示す。コファクター活性または崩壊促進活性のいずれか、あるいはCAB-2の場合には両方の活性の組合せ、の帰結は、C3/C5転換酵素の不活化である。下記の実施例に記載のように、別のインビトロアッセイは、CAB-2が、C5aの生成により測定されるC5転換酵素活性を阻害し得ることを示す(Moran,P.ら、1992, J.Immunol. 149:1736、本明細書中で参考として援用)。下記の実施例に記載されるように、さらに別のアッセイは、CAB-2が、古典経路および第二経路による補体誘発細胞溶解を阻害することを示す。
キメラタンパク質に対するモノクローナル抗体の生成
モノクローナル抗体を、標準的な手順によって、精製されたキメラタンパク質に対して生成する。マウスを、適切なアジュバンドと混合したこのタンパク質で免疫する。脾臓細胞を、ポリエチレングリコールを使用してミエローマ細胞系と融合し、そしてこのハイブリドーマを、ヒポキサンチンおよびアミノプテリンを含有する培地で選択する。所望の抗体を分泌するハイブリドーマを、ELISAによりスクリーニングしそしてクローン化し得る。モノクローナル抗体の特異性を、ELISAにおける異なるタンパク質抗原またはペプチド抗原の使用によって決定し得る。有用な量の抗体を、マウスにおける腹水の生成またはクローン化された抗体産生ハイブリドーマ細胞系の大規模なインビトロ培養によって産生し得る。抗体を、当該分野において公知である種々のクロマトグラフィー手順(例えば、固定化プロテインAまたは固定化プロテインGのいずれかによるアフィニティークロマトグラフィー)によって精製し得る。
CAB-2のインビボ治療活性の証明
アルサス反応は、組織中の抗原の循環性抗体との相互作用により引き起こされる炎症応答である。これは、局在化したインビボ炎症応答の古典例として使用され、そして免疫複合体の形成、補体活性化、炎症細胞漸増(recruitment)、浮腫および組織損傷により特徴づけられる(P.BaileyおよびA.Sturm、1983, Biochem.Pharm. 32:475)。実験的には、逆受身アルサス反応を、動物モデルにおいて、抗原の静脈内注射および引き続く抗体の投与によって確立し得る。モルモットを動物モデルとして使用して、本発明のキメラタンパク質のインビボでの治療効力を評価し得る(下記の実施例を参照)。
種々の臨床的ヒト疾患に関連する別の動物モデルを使用しても補体活性化ブロッカーのインビボでの効力を試験し得る。これらには、心筋虚血/再灌流傷害(急性心筋梗塞;H.F.Weismanら、1990, Science 249:146);脳虚血傷害(脳卒中;L.Changら、1992, J.Cerebr.Blood Flow Metab. 12:1030);肺傷害(ARDS;S.Hoseaら、1980, J.Clin.Invest. 66:375);異種移植拒絶反応(移植;J.Leventhalら、1993, Transplantation 55:857);火傷(F.Caldwellら、1993, J.Burn Care Rehab. 14:420);急性膵炎(M.Steer、1992, Yale J.Biol.Med. 65:421);腎炎(R.Pichlerら、1994, Am.J.Pathol. 144:915);心肺バイパス(L.Nilssonら、1990, Artif.Organs 14:46);および多発性硬化症(C.Liningtonら、1989, Brain 112:895)が含まれるが、これらに限定されない。
使用
本発明のキメラタンパク質(例えば、組換えCAB-2タンパク質)を、適切な薬学的処方物と組合せ得、そして種々の経路により投与し得る。この経路には、静脈内ボーラス注射、静脈内注入、腹腔内、皮内、筋内、皮下、鼻腔内、および経口経路が含まれるが、これらに限定されない。CAB-2のインビボ投与は、このタンパク質が内因性C3/C5転換酵素に結合し、そしてさらなるC3bおよびC5b、C3aおよびC5aアナフィラトキシン、ならびにC5b-9溶解複合体の生成を阻害することを可能にする。従って、CAB-2タンパク質の補体調節活性は、インビボの補体活性化およびこれを伴う炎症性続発症(例えば、好中球の漸増および活性化、宿主細胞の自己消化、ならびに浮腫)を阻害するために機能し得る。CAB-2を、補体系の過度および/または過剰の活性化により媒介される疾患または状態の治療のために使用し得る。これらには、以下が含まれるがそれらに限定されない:心筋梗塞、動脈瘤、脳卒中、出血性ショック、または挫傷の後の虚血−再灌流に起因する組織損傷;火傷;内毒素血症および敗血症性ショック;成人呼吸窮迫症候群(ARDS);移植片の超急性拒絶反応;心肺バイパスおよび膵炎。自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、および多発性硬化症を含むが、これらに限定されない)もまた、本発明のキメラタンパク質を用いて処置される(表1参照)。
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種々の送達システム(例えば、リポソーム中へのカプセル化、または制御された放出デバイス)が公知であり、これを使用して本発明のキメラタンパク質を送達し得る。本発明のキメラタンパク質はまた、体外的に投与され得る(例えば、移植前のドナー臓器の前馴化(pre-conditioning))。本発明のキメラタンパク質を、インビボまたはエクスビボ処置用に約10μg/kg体重および10mg/kg体重の範囲で薬学的賦型剤中に処方し得る。
本明細書中に含まれる以下の実施例は、本発明を記載するためであって、本発明を限定するのもではない。
実施例1:補体レセプター融合タンパク質をコードする組換え遺伝子のクローニングおよび発現
本明細書は、補体レセプター融合タンパク質、例、MCP-MCP、MCP-1/2MCP、MCP-DAF、およびDAF-MCPの発現のための種々の発現ベクターの構築を記載する。これらのタンパク質は以下のように調製された。MCPおよびDAFの細胞外ドメインに対応するアミノ酸配列をコードするDNAフラグメントを、MCPおよびDAF融合体の発現のための発現ベクター中に一緒に連結した。
すべての制限エンドヌクレアーゼは、New England Biolabs、Beverly、MAから購入した。Taqポリメラーゼは、Cetus、Norwalk、CTから得た。注文で合成したオリゴヌクレオチドは、National Biosciences Inc., Plymouth、MNから購入した。PGEM-3fz(-)プラスミド(本明細書ではpG3Nと称される)は、Promega、Madison、WIから得た。pBluescript II SK(+)(本明細書ではpII SKと称される)は、Stratagene、La Jolla、CAから得た。
COS-7(ATCC No. CRL1651)は、通常、10mMグルタミン、20mM HEPES、50μg/mlストレプトマイシン、50単位/mlペニシリン、および10%ウシ胎児結成を添加した、Dulbeccoの改変Eagle培地(DMEM)(GIBCO)で維持した。CHO-K1(ATCC No.CCL61)は、10%ウシ胎児血清、50μg/mlストレプトマイシン、および50単位/mlペニシリンを含む、Hamの栄養混合物F-12(Sigma、St. Louis、MO)中で培養した。
A.MCP-pG3Nプラスミドの構築。
MCP-pG3Nを、MCP-DAF、MCP-MCP、およびMCP-1/2MCP発現ベクター構築用の骨格として用いた。MCP-pG3Nプラスミドの構築は、pG3Nプラスミド中に、MCPの細胞外ドメインに対応するアミノ酸を配列をコードする。cDNAセグメントの挿入により行った。MCPの細胞外ドメインをコードするcDNAは、PCRにより得た。
PCR反応は、S.J.Scharf. 1990、PCR protocol:A guide to methods and applications、M.A.Innis、D.H.Gelfrand、J.J.SninskyおよびJ.J.White編、New York、New York、84〜91頁;本明細書に参考として援用、に記載の条件下で行った。代表的な100μlの反応では、反応混合物は、50mM KCl、10mM Tris-HCl pH8.3、1.5mM MgCl2、0.2mMの4種すべてのデオキシリボヌクレオチド、1ngの線上化テンプレート、45pmoleの各ペアプライマー、および5単位のTaqポリメラーゼを含む。増幅反応は、30サイクル行い、各サイクルは、94℃1分間、52℃1分間、および72℃1分間から構成された。最終サイクルの終わりに、増幅反応を完了するために、72℃でさらに15分間インキュベーションした。
MCPタンパク質に対応するアミノ酸配列をコードするcDNA配列を含むプラスミド(Lublinら、1988、J.Exp.Med. 168:181-94、本明細書に参考として援用)を、以下のPCR反応中でテンプレートとして用いた。
PCRでは、MCP-N1プライマー、5'--GGA ATT CGC ATG GAG CCT CCC GGC--3'(配列番号1)を、順方向プライマーとして使用し、その一方、MCP-STBプライマー、5'--CTA TGA GGC ACT GGA CGC TGG AGA TTT--3'(配列番号2)を、逆方向プライマーとして用いた。MCP-N1プライマーの5'末端には、付加されたEcoRI制限部位、およびMCP-STBプライマーの5'末端には、タンパク質翻訳の終結のための付加された終結コドンが存在した。
このPCR反応により生成したMCP cDNA配列であるMCP1フラグメントは、ヌクレオチド番号41〜943にまたがる(D.M.Lublinら、上述)。MCP1は、MCPタンパク質の細胞外ドメインに対応するアミノ酸配列をコードする。それは、シグナルペプチド(SP)、ショートコンセンサスリピートSCR 1-4、ならびにセリンおよびトレオニン豊富な領域(ST)を含む。
MCP-pG3Nプラスミドの構築には、MCP1フラグメントを、EcoRIおよびSalI制限エンドヌクレアーゼを用いて切断し、ゲル精製し、そして同じセットの制限酵素を用いて処理したpG3Nプラスミド中にサブクローン化した。SalIを用いたMCP1フラグメントの処理は、最初の3つのアミノ酸をコードするSTコード配列を除いて、そのSTコード配列のすべてを切断した。
B.MCP-DAF発現ベクターの構築
MCP-DAF pG3Nプラスミドの構築のために、DAFタンパク質の細胞外ドメインに対応するアミノ酸配列をコードするcDNAセグメントであるDAF2フラグメントをを合成するためにPCRを用いた。DAFタンパク質に対応するアミノ酸配列をコードするcDNAを含むプラスミド(M.E.Medofら、上述)を、以下に記載のPCR反応で使用した。プライマー、DAF-N5、5'--CCT CTA GAG TCG ACT GAC TGT GGC CTT CCC CCA GAT GTA--3'(配列番号3)およびDAF-C5、5'--TCT AGA GCA TGC GAA TTC TCA ACG GGT AGT ACC TGA AGT GGT TCC--3'(配列番号4)を、それぞれ、順方向および逆方向プライマーとして用いた。DAF-N5プライマーの5'末端には、付加されたSalI制限部位が存在した。タンパク質翻訳の停止コドンをDAF-C5プライマーの5'末端に付加した。停止コドンの後に、2つの制限部位、EcoRIおよびSphIをまた導入した。従って、DAF2フラグメントは、5'末端のSalIおよび3'末端でEcoRI-SphI対により囲まれている。DAF2フラグメントは、ヌクレオチド番号156〜1124にまたがる領域を規定し(M.E.Medofら、上述)、この領域は、SCR1-4およびST領域を含む成熟DAFタンパク質の細胞外ドメインに対応するアミノ酸配列をコードする。
MCP-DAF pG3Nプラスミドの構築は、DAF2フラグメントおよびMCP-pG3Nプラスミドを、両DNAをSalIおよびSphI制限酵素で切断した後、連結することにより行った。SalI部位は、MCPとDAF DNAセグメントとの間のフレームが合った(in-frame)結合部位であり、従って、MCPからDAF中への連続するタンパク質翻訳を確実にした。SalI部位で、ACTからACCへのヌクレオチドの塩基転位が存在したが、なお、アミノ酸トレオニンに対するコドンとして供された。
MCP-DAF cDNAセグメントは、EcoRI制限酵素を用いた処理およびゲル精製により、MCP-DAF pG3Nから回収した。次いで、このcDNAフラグメントを、選択マーカーとしてグルタミンシンセターゼ遺伝子を含むpEE14(M.I.Cockettら、1990、Bio/Technology 8:662-667、本明細書に参考として援用)、および選択マーカーベクターとしてジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子を含むp91203(B)ベクター(G.G.Wongら、1985、Science 228:810-815、本明細書に参考として援用)のEcoRI部位中にクローン化した。MCP-DAF P91203(B)発現ベクターは、MCP-DAFタンパク質発現のために、アデノウイルス主要後期プロモーターを利用し、そしてCOS-7における一過性発現およびCHOにおける永久的発現に適切である。MCP-DAF pEE14発現ベクター中のMCP-DAFタンパク質の発現は、サイトメガロウイルスプロモーターの制御下にある。このベクターは、高濃度のメチオニンスルホキシミンの存在下で、MCP-DAFの発現を増幅し得る、永久的CHO細胞株の確立のために適切である(M.I.Cockettら、上述)。
MCP-DAF発現ベクターは、アミノ末端にMCP配列を、そしてカルボキシル末端にDAF配列を有する融合タンパク質を発現し得る。この融合タンパク質のMCP部分は、発現に際し、34アミノ酸のシグナルペプチドが切断された後のネイティブな成熟MCPタンパク質のアミノ酸番号1〜254にまたがる。それは、4つのSCR(1-4)領域およびST領域の最初の3つのアミノ酸を含む。DAF部分は、ST領域直後で終わる成熟ネイティブDAFタンパク質の細胞外ドメインを含む(4つのSCRおよび1つのST領域;アミノ酸番号1〜324)。全体で、MCP-DAFタンパク質は、約70KDaの推定分子量を有する578アミノ酸長である。しかし、それはまた4つのN結合型グルコシル化部位(MCP内に3つおよびDAF内に1つ)、および複数のO結合型(DAFのST領域)グリコシル化部位を含むので、その実際の分子量はより高い。MCP-DAF発現ベクターによりコードされる組換えキメラタンパク質をCAB-2と呼ぶ。
C.MCP-MCPおよびMCP-1/2MCP発現ベクターの構築。
MCP-MCPおよびMCP-1/2MCP発現ベクターの構築は、以下に記載のいくつか例外を除けば、MCP-DAF発現ベクターに対する構築と同様であった。
MCP-MCP発現ベクター
MCP2フラグメントを、順方向プライマーとして、MCP-N4プライマー、5'--TCG ACC TGC AGG TGT GAG GAG CCA CCA ACA TTT--3'(配列番号5)、および逆方向プライマーとして、MCP-UC1プライマー、5'--GCG AAT TCC TCA CAA ACT GTC AAG TAT TCC TTC CTC--3'(配列番号6)を用いるPCR技術により合成した。MCP-N4プライマーの5'末端には付加されたPstI部位が存在し、そしてMCP-UC1プライマーの5'末端には、新たに付加されたEcoRI部位に続く終止コドンが導入された。従って、MCP2フラグメントは、5'末端のPstI部位および3'末端のEcoRI部位により縁どられる。MCP2は、トランスメンブレン領域の直前で短縮される成熟MCPタンパク質の細胞外ドメインに対応するアミノ酸配列(アミノ酸番号1〜293)をコードする領域(ヌクレオチド番号146〜1024)を規定する。MCP-MCP pG3Nプラスミドの構築を完了するために、MCP-pG3NプラスミドをHindIIIで切断し、クレノウフラグメントで末端充填(end-fill)し、PstIで消化し、そして最後に、PstI制限酵素で切断されたMCP2フラグメントと連結した。新たに構築されたMCP-MCP cDNAフラグメントを、EcoRI消化により回収し、ゲル精製し、そして次いで発現ベクターのEcoRI部位中にサブクローン化し、MCP-MCP発現ベクターの構築を完成した。これらの発現ベクターは、推定分子量約70kDaを有する547アミノ酸長のMCP-MCP融合タンパク質を発現する。MCP-MCPタンパク質は、6つのN結合型および複数のO結合型グリコシル化部位を含むので、その実際の分子量はより大きい。2つのMCPフラグメントの接合部に付加された、2つの新しいアミノ酸システインおよびアルギニンが存在した。
MCP-1/2MCP発現ベクター
MCP-1/2MCP発現ベクターの構築は、異なる順方向プライマー、MCP-N5、5'--TCG ACC TGC AGG AAG GTT TTG TGT ACA CCA CCT--3'(配列番号7)を、1/2MCP DNAセグメントの合成に用いたことを除き、MCP-MCP発現ベクターの構築と同様であった。1/2MCPフラグメントは、ヌクレオチド番号518〜1024にまたがり、そしてMCPタンパク質のSCR3、SCR4およびST領域(アミノ酸番号124〜293)を規定するアミノ酸配列をコードする。MCP-1/2MCP発現ベクターは、385アミノ酸長のMCP-1/2MCPタンパク質を発現する。MCP-1/2MCPタンパク質は、4つのN結合型および複数のO結合型グルコシル化部位を有し、従って、その実際の分子量は、推定の46kDaより大きい。
D.DAF-MCP発現ベクターの構築
DAF DNAフラグメントであるDAF1を、組換えDAF-MCP発現ベクターの加工に用いられたDAF-pII SKプラスミドの構築のためのPCR技術により合成した。以下のプライマーを用いた:順方向プライマー、DAF-N2、5'--CGG AAT TCC ATG ACC GTC GCG CGG CCG AGC GTG--3'(配列番号8)、および逆方向プライマー、DAF-C2R、5'--ACC TGC AGG TTT TCC TCT GCA TTC AGG TGG T--3'(配列番号9)。制限部位EcoRIおよびPstIを、DAF-N2およびDAF-C2Rプライマーの5'末端にそれぞれ導入した。DAF1は、DAF遺伝子のヌクレオチド番号52〜911を含み、そしてST領域の直前で短縮された成熟DAFタンパク質の細胞外ドメインに対応するアミノ酸配列をコードする。
DAF-MCP pII SKプラスミドを、PstIおよびSmaI処理DAF-pII SKベクターと、PstIで処理されたMCP3フラグメントとの連結により構築した。MCP3フラグメントは、5'末端でPstIを有する順方向プライマー、MCP-4.2、5'--TCG ACC TGC AGA GGA GCC ACC AAC ATT TGA AGC T--3'(配列番号10)、および、先に記載の逆方向プライマー、MCP-UC1を用いるPCR生成物があった。DAF-MCP cDNAフラグメントを、EcoRIを用いた切断後、DAF-MCP pII SKプラスミドから回収し、ゲル精製し、そして次いでpEE14およびP91023(B)(Wongら、上述)発現ベクターのEcoRI部位中にサブクローン化した。
DAF-MCP発現ベクターは、546アミノ酸長のDAF-MCPタンパク質を合成する。ベクター構築に起因して、DAFとMCPとの間の接合部に導入された2つの外因性アミノ酸であるセリンおよびトレオニンが存在する。このタンパク質は、4つのN結合型(DAF内に1つおよびMCP内に3つ)および複数のO結合型(MCPのST領域に位置する)グリコシル化による付加重量を計算に入れないで、約66kDaの推定分子量を有する。
E.細胞培養およびトランスフェクション
COS-7細胞のトランスフェクションを、製造者が推奨するプロトコールに従い、lipofectin(GIBCO、Gaithersburg、MD)を用いて実施した。要約すれば、トランスフェクションの前日、COS-7細胞を、翌日に約70〜80%の集密度(confluency)を与えるような細胞密度で、新しいディッシュ(60mm)中に継代培養した。トランスフェクションの直前に、COS-7細胞を、無血清のopti-MEM培地(GIBCO)を用いて2回洗浄した。5〜10μgの発現ベクターおよび20μgのlipofectinを含む、3mlのopti-MEM培地を、洗浄したCOS-7単層に添加した。トランスフェクションを、CO2インキュベーター中、37℃で6時間行った。次いでトランスフェクション溶液を除去して、そして10%ウシ胎児血清、50μg/mlストレプトマイシンおよび50U/mlペニシリンを添加した新鮮なopti-MEMで置き換えた。次いで、トランスフェクトされたCOS-7細胞を、かき乱すことなく、37℃でさらに3日間インキュベートした。培養上清を集め、そして生物学的活性の評価を行う前に、短時間遠心分離して死滅細胞を除去した。
CHO-K1(ATCC No.CCL61)を、MCP-DAF、MCP-MCP、MCP-1/2MCPおよびDAF-MCPを発現する永久細胞株を確立するために用いた。要約すれば、CHO-K1細胞を、細胞集密度をトランスフェクション前に約20%で、そしてトランスフェクタントをGMEM-S培地(Glasgow MEN、L-グルタミンおよびトリプトースホスフェートブロスなし、10%の透析ウシ胎児血清、非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、60μg/ml L-グルタミン酸、60μg/ml L-アスパラギン、7μg/mlの各ヌクレオシド、50μg/mlストレプトマイシンおよび50単位/mlペニシリンを添加)で維持したことを除いて、上記にように、lipofectinを用いて発現ベクターによりトランスフェクトした。新規タンパク質を発現するトランスフェクタントを単離し、そしてメチオニンスルホキシミン濃度を増加させたGMEM-S培地中で継代培養した。次いで、本発明のタンパク質キメラを発現するCHO-K1クローンを、2回のラウンドの限界希釈クローニングにより単離した。CHO-K1トランスフェクタント由来の生成物発現ベクターを含む培養上清、即ち、CAB-2タンパク質を、以下に記載の方法による精製のために用いた。
実施例2:CAB-2の大規模産生のためのマイクロキャリア培養
マイクロキャリア培養法を、組換えCAB-2タンパク質を発現するCHO-K1トランスフェクタント細胞株を用いて開発した。
トランスフェクトされたCHO-K1細胞の増幅および限界希釈によるクローニングの後、細胞を、まず、10%ウシ胎児血清(FBS)、ピルピン酸ナトリウム、非必須アミノ酸、グルタミン、アスパラギン、ヌクレオシド、ペニシリン-ストレプトマイシン、およびメチオニンスルホキシミンを添加したDulbeccoの改変Eagle培地(DMEM)(選択培地)中、T-フラスコで培養および増殖させた。マイクロキャリア培養を、Bellcoオーバーヘッド駆動インペラーアセンブリ、重層ガス添加ポート、および散布管を備えた12リットルのNalgene容器を用いて調製した。cultisphere-Gマイクロキャリアを2.5g/lで用い、そして、使用前に、PBSで3回および無血清のIMDMで1回洗浄した。20のT150フラスコからの細胞を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で洗浄し、トリプシン処理によりプレートから脱着させ、そして12リットルの容器に約10×104細胞/mlで播種した。使用した培地は、10%仔ウシ血清(bovine calf serum)およびペニシリン-ストレプトマイシンを添加したIMDM培地(増殖培地)であった。スピナー(spinner)容器に、マイクロキャリアを沈降させ、10リットルの培地を取り出し、そして10リットルの新鮮増殖培地で置き換えることにより、2〜3日毎に増殖培地を供給した。細胞密度を、細胞培養試料中の核を数えることによりモニターしたが、この方法は、0.1Mクエン酸、0.1%クリスタルバイオレット溶液でのマイクロキャリアの染色、その後の、37℃、1時間のインキュベーション、および血球計を用いる計数を含んでいた。pH、pCO2、およびpO2を、Corningモデル170血液ガスアナライザーでモニターした。40%酸素、5%CO2、残りがN2のガス混合物を、ガラススパージャーを通じて10〜15ml/分の速度で用いることにより、酸素濃度を維持した。
培養が安定な細胞密度に達したとき(増殖15〜20日後、3〜10×106細胞/mlの細胞密度で)、生産フェーズを開始した。これは、増殖培地を、無タンパク質の生産培地で置き換えることにより行った。生産培地は、1mM酪酸ナトリウムおよびペニシリン-ストレプトマイシンを含んでいた。次の10〜14日については、10リットルの培養培地を、毎日、新鮮な生産培地で置き換えた。回収した上清を、培養が終了するまで4℃で貯蔵した。
代表的な大規模培養からの結果を図4に示す。細胞密度が、15日間で、8×104細胞/mlから8×106細胞/mlに増加することが見い出された。生産フェーズの開始後、細胞計測数は、12日間にわたり一様に低下した。図4はまた、各培養回収物におけるCAB-2タンパク質濃度を示す。馴化培地(conditioned medium)を、Peliconシステム(Millipore、Bedford、MA)を用い、製造者により提供された指示に従って、0.45μフィルターカートリッジを用いて濾過した。次いで、培地を、分子量10,000カットオフ膜を備えたPelicon限外濾過システムを用いて20〜30倍に濃縮した。培養液濃縮物を-70℃で使用するまで貯蔵した。
実施例3:培養上清からのCAB-2のアフィニティ精製
CAB-2タンパク質の小スケール精製を、抗MCPモノクローナル抗体(例えば、GB24)を用いるイムノアフィニティクロマトグラフィーにより達成した。抗体を、Carbo-linkSepharose(Pierce、カタログ番号20392G)を用いて炭水化物部分により固定化した。CAB-2産生組換え体CHO株培養からの上清液を、GB24-セファロース樹脂の35mlカラムを通過させた。カラムをPBSを用いて洗浄し、すべての非結合タンパク質を除去した。CAB-2を、0.1MグリシンpH2.5を用いてカラムから溶出した。画分を集め、そして直ちに1/10容量の1M Tris緩衝液pH8.5で中和した。タンパク質を含む画分をプールし、PBS中で透析しそして濃縮した。タンパク質を、10%ポリアクリルアミドSDSゲル上(図5参照)で電気泳動した。約110kDaの単一のタンパク質種を検出した。これは、その推定されるアミノ酸配列および予想されるグリコシル化を基に期待されるCAB-2タンパク質のサイズである。
実施例4:マイクロキャリア培養上清からのCAB-2のクロマトグラフィー精製
無血清培養上清からCAB-2を精製するために7工程の手順を確立し、そして100mg規模にスケールアップした。精製条件、次いで回収結果、およびエンドトキシン減少レベルを詳細に記す(各クロマトグラフィー工程後のCAB-2タンパク質の精製度および収率百分率を示す図6および表3参照)。表3に示される代表的な精製において、最終試料の純度レベルは、0.045エンドトキシン単位(EU)/mg CAB-2のエンドトキシンレベルを有して約93%であり、そして全体のCAB-2回収率は24%であった。この実験の回収率は、最終工程における説明不能なCAB-2の損失に起因して低かった。CAB-2の回収率は、通常、35〜50%である。
工程1:汚染物沈殿
濃縮馴化培地を、Qセファロース平衡緩衝液(25mMピペラジンpH5.0)で1:1希釈し、そしてpHを5.0に調整した。細かい沈殿物が形成され、そしてブフナー漏斗を用い沈殿物吸着剤(Celite 621、Aldrich)を通して濾過した。
工程2:陰イオン交換クロマトグラフィー
QセファロースFF樹脂(Pharmacia)を、1.1リットルカラム(9.0×17.3cm)として充填した。樹脂から0.5N NaOHを用いて発熱物質を取り除き(depyrogenated)そして25mMピペラジンpH5.0で平衡化した。工程1からの濾過したプールを、10mg総タンパク質(TP)/ml樹脂でカラム上にロードした。カラムを平衡緩衝液(25mMピペラジンpH5.0)で洗浄し、汚染物を除去した。次いで、カラムを、200mM NaCl緩衝液で洗浄し、それによって2つのピークが溶出し、第1のピークはCAB-2を含みそして第2のピークは培地発色添加物(フェノールレッド)を含んでいた。
工程3:固定化金属アフィニティクロマトグラフィー
キレートセファロースFF(Pharmacia)を、50mlのベッド容積(2.2×13cm)に充填した。樹脂から0.5N NaOHを用いて発熱物質を取り除き、そしてdH2Oで洗浄した。この樹脂を100mlの0.3M ZnCl2で満たし、dH2Oで洗浄し、そして0.2M NaClを含む25mM MES pH6.0で平衡化した。Qセファロースプール(CAB-2タンパク質を含んでいたQセファロースカラムから溶出された物質)を、25mM MES pH6.0にし、そして20mgTP/ml樹脂で、キレートカラム上に150cm/時の流速でロードした。カラムを平衡緩衝液で洗浄し、そしてCAB-2を素通り液中に集めた。
工程4:フェニル疎水性相互作用クロマトグラフィー
290ml(4.4×19.1cm)TosoHaas Phenyl 650M HICカラムから0.5N NaOHを用いて発熱物質を取り除き、そして3M NaClを含む25mMのリン酸塩pH7.0で平衡化した。工程3からの素通り液プールを、25mMリン酸塩pH7.0および3M NaClに調整し、そして3.5mg TP/ml樹脂でカラムにロードした。平衡緩衝液洗浄の後、CAB-2を、1M NaClを含む25mMリン酸塩pH7.0で溶出した。
工程5:ブチル疎水性相互作用クロマトグラフィー
TosoHaas Butyl 650M HIC樹脂を含む110mlカラム(3.2×13.7cm)から、0.5N NaOHを用いて発熱物質を取り除き、そして3M NaClを含む25mMリン酸塩pH7.0で平衡化した。工程4からの溶出プールを3M NaClおよびpH7.0に調整し、次にカラムにロードした。カラムを平衡緩衝液で洗浄し、次いでCAB-2を1M NaClを含む25mMリン酸塩pH7.0で溶出した。
工程6:ダイアフィルトレーション(diafiltration)および濃縮
工程5からの溶出プールを、10kDaのMWCOω膜を含むFiltronからのMini-ultrasette tangential flow systemを用いて5〜6倍濃縮した。次いで4〜5試料容量のPBSでダイアフィルターにかけた。
Figure 0003860605
工程7:エンドトキシン除去および最終濃縮
フェニルおよびブチルHIC工程は、試料中のエンドトキシンレベルを有意に減少させるが(表3参照)、試料を、Pierceエンドトキシンアフィニティー樹脂を通して2回溶出することによりさらに発熱物質を取り除いた。まず最初に、1%デオキシコーレートを用いて5mlカラム(1×6cm)からのエンドトキシンを剥がし、次いでエンドトキシンを含まないPBSで平衡化した。CAB-2を、滅菌PBS中でカラムを通過させた。最後に、CAB-2を、Amicon Centriprep 10(先に70%アルコールで発熱物質を取り除いた)を用いて濃縮した。最終エンドトキシン濃度は、0.045EU/mgCAB-2であった。
実施例5:ELISAによるCAB-2の検出
ELISAアッセイを、メンブランコファクタープロテイン(MCP)および崩壊促進因子(DAF)に対する抗体を用いて行った。ウサギ抗MCPポリクローナル抗血清を、可溶性MCP(sMCP)を用いるウサギの免疫化により生成した。IgGを、固定化プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにより抗血清から精製した。ポリクローナル抗MCP IgGのアリコート(50μl)を、2μg/mlで、96ウェルELISAプレートに添加し、そしてプレートを4℃で1晩インキュベートした。プレートをPBS中の1%BSA、0.1%Tweenでブロックした後、精製sMCPまたはCAB-2タンパク質をブロッキング緩衝液中種々の濃度で添加し、そして37℃で1時間インキュベートした。マウス抗-DAFモノクローナル抗体(BRIC216、Harlan Bioproductsカタログ番号(MCA914)を、1μg/mlで添加しそして37℃で1時間インキュベートした。HRPO結合ヤギ抗マウスIgG 3次抗体を、1:1000希釈で添加し、そして37℃で1時間インキュベートした。酵素基質(TMB、Pierce Chemical Co., Rockford、IL、カタログ番号34021)を添加し、そして反応を2M H2SO4で停止した。OD450値を、ELISAプレートリーダー上で測定した。図7に示されたデータは、CAB-2タンパク質が2抗体サンドイッチELISAにより検出されたことを示し、このタンパク質がMCPおよびDAFの両方のドメインを表すことを示す。その一方、可溶性MCPは、抗体のこの組み合わせにより検出されなかった。
実施例6:CAB-2キメラタンパク質コファクター活性のインビトロ活性の実証
I因子コファクター活性測定のためのアッセイを、Seyaら(J.Exp.Med.,1986、163:837、本明細書に参考として援用される)に記載されるように実施した。1mg/mlの精製ヒトC3タンパク質(Quidel、San Diego、CA、カタログ番号A401)を、等容量の4M KBrと、37℃で1時間インキュベートし、内部チオエステル結合を切断した。得られるタンパク質(iC3)を、リン酸緩衝化生理食塩水中1晩透析した。iC3(8μl)のアリコートを、66μg/ml精製I因子(Quidel、San Diego、CA、カタログ番号A411)の2μlおよび緩衝液(1:6希釈PBS、0.5% NP-40)中の種々の濃度の精製CAB-2またはsMCPタンパク質の6μl容量と混合した。この混合液を、37℃で1時間インキュベートし、そして反応を、等容量のSDS試料緩衝液(100mM Tris pH6.8、20mMジチオトレイトール、20%スクロース、2%SDS、0.01%ブロモフェノールブルー)を添加することにより停止した。試料を、5分間煮沸し、そして標準の手順により10%ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動した(Laemmli, U.,1970、Nature 227:680)。ゲルを、0.05%クマシーブルーで染色し、脱色しそして乾燥した。ic3のα鎖切断の百分率を、走査デンシトメトリー(XRS OmniMedia scanner)により定量化した。図8に示された結果は、CAB-2タンパク質が、可溶性MCP組換えタンパク質のI因子コファクター活性に匹敵するI因子コファクター活性を有することを示す。
崩壊促進因子活性
キメラCAB-2タンパク質の崩壊促進活性測定は以下のように実施した。IgM、C1およびC4を用いて感作した市販のヒツジRBC(EAC14、Diamedixカタログ番号789-053)を、細胞膜沈着C4bの供給源として用いた。RBCを、緩衝液(2.5mMベロナール、75mM NaCl、0.15mM CaCl2、1mM MgCl2、0.1%ゼラチン、2.5%デキストロース)中2.5×108/mlまで希釈し、そして30℃で5分間プレインキュベートした。同じ緩衝液中に33U/mlまで希釈した精製C2(Quidel、San Diego、CA、カタログ番号A403)を細胞に添加し、そして30℃で4分間インキュベートした。RBCを、10mM EDTA緩衝液(2.5mMベロナール、75mM NaCl、0.1%ゼラチン、10mM EDTA)中で洗浄し、そして同じ緩衝液中に再懸濁した。感作RBCのアリコート(50μl)を、可溶性DAFまたはCAB-2タンパク質のいずれかの種々の濃度を含む(50μl中)チューブに移した。試料を30℃で15分間崩壊させ、その後、40mM EDTA緩衝液(2.5mMベロナール、75mM NaCl、0.1%ゼラチン、40mM EDTA)中の0.5mlのモルモット補体(1:50希釈血清)を添加することにより、溶解部位を発達させた。37℃で30〜40分間のインキュベーション後、細胞を遠心分離し、そして上清のOD405を測定した。溶解部位/細胞(Z)の数を標準表から決定し、そして崩壊促進活性を、陽性コントロール(DAFまたはCAB-2のない試料)と比較したZ値の減少により測定した。図9に示された結果は、CAB-2タンパク質は、sDAFの崩壊促進活性に匹敵する崩壊促進活性を有することを示す。
補体介在性溶解の阻害、古典活性化
古典経路を経由する補体介在性細胞溶解を阻害するキメラCAB-2タンパク質の能力を、IgM感作ヒツジRBCを用いる溶血アッセイにより測定した。100μlアリコート中の市販のIgM-感作ヒツジRBC(Diamedix、カタログ番号789-001)を、ゼラチンベロナール緩衝液(GVB+2)(Sigma、カタログ番号G-6514)中の種々の濃度の精製sMCP、精製sDAFまたはCAB-2タンパク質のいずれかの50μlに添加した。GVB+2中1:50希釈したヒト血清(50μl)を、補体の供給源として直ちに添加した。細胞を、37℃で30分間インキュベートし、遠心分離し、そして上清を、マルチウェルプレートに移した。上清のOD405を測定し、そして溶血の阻害を各タンパク質について測定した。図10に示された結果は、sMCPおよびsDAFの両方が、異なる能力であるが(それぞれ、7000nMおよび100nMのIC50)、古典経路を経由する補体介在性細胞溶解を個々に阻害し得ることを示す。sMCPおよびsDAFの両方が等モルベースで一緒に添加されたとき、それらの相加的な能力は増加しなかった(200nMのIC50)。対照的に、コファクターおよび崩壊促進活性を有するCAB-2は、sMCP単独(230倍)、sDAF単独(3倍)、または両因子を組み合わせて(6倍)のいずかより有意に大きい能力で細胞溶解を阻害した(30nMのIC50)。
補体介在性溶解の阻害、第二活性化
第二経路を経由する補体介在性細胞溶解を、第二経路補体活性化を誘導する非感作モルモットRBCの使用により測定した。モルモット血液を、ヘパリン処理シリンジ中に集め、そしてPBSで2回洗浄した。RBCを、アッセイ緩衝液(8mM EGTAおよび1.5mMの付加的MgCl2を含むGVB+2)中に2×108/mlで再懸濁した。細胞(100μl)を、アッセイ緩衝液中、種々の濃度で、50μl容量の精製sMCP、sDAFまたはCAB-2と混合した。希釈していないヒト血清(50μl)を、補体の供給源として添加した。試料を37℃で30分間インキュベートし、そして遠心分離した。上清を、マイクロタイタープレートに移し、そしてそれらのOD405を測定した。結果を、図11に示す。sMCPの第二経路介在性溶血を阻害する能力は、古典的溶血アッセイ中のその活性より大きい(それぞれ、350nMおよび7000nMのIC50)ことが観察された。しかし、このアッセイにおけるCAB-2タンパク質の阻害活性は、sMCPおよびsDAFの阻害活性(IC50100nM)より大きい。
C5a生成の阻害
CAB-2の補体阻害活性はまた、C5aの生成を経由するC5転換酵素の阻害を特異的にアッセイすることにより試験された。GVB+2中で1:8希釈されたヒト血清を、補体の供給源として用いた。精製sMCPまたはCAB-2タンパク質を、種々の濃度で血清中に添加した。古典経路は、熱凝集させたウサギIgGを100μg/mlで添加することにより開始した。37℃で1時間インキュベーションした後、反応を、10mM EDTAの添加により停止した。反応中のC5aの検出は、市販のC5desargキット(Amersham、カタログ番号RPA520)を用いる競合ラジオイムノアッセイにより行った。ザイモサン誘導C5a生成についての結果を図12に示す。CAB-2は、第二経路を経由するC5a生成を、sMCPが阻害するより強力に阻害する(それぞれIC50300nMおよび5000nM)。
実施例7:CAB-2の薬物動態学
精製CAB-2タンパク質の薬物動態学的挙動をラットで測定し、そしてsMCPのそれと比較した。体重250〜300gの雌のSprague-Dawleyラットを、40g/Kg用量のペントバルビタールナトリウムの腹腔内(i.p.)注射により麻酔した。動物を、大腿動脈および大腿静脈を経由してカテーテルを通した。生理食塩水中のsMCPまたはCAB-2のいずれかを、1mg/kg体重の用量で、静脈カテーテルを経由して注入した。注入後、種々の時間に(T=1、5、12、30分、および1、2、3、4時間)、血液のアリコート(0.2〜0.3ml)を、動脈カテーテルから、ヘパリン処理シリンジに採取し、そして直ちに等用量の生理食塩水で置換した。血液試料を直ちに遠心分離しそして血漿を取り出しそして凍結した。タンパク質の血漿レベルを、捕獲抗体としてウサギ抗MCPポリクローナル抗体を、そして2次抗体としてHRPO結合抗MCPモノクローナル抗体(GB24)を用いて、ELISAにより測定した。精製sMCPまたはCAB-2を用いる標準曲線を、血液試料中の各タンパク質の濃度を定量するために用いた。結果を図13に示す。CAB-2のクリアランス速度は、sMCPに比べて有意に遅かった(それぞれ560分および80分のT1/2β)。さらに、分布(α)フェーズにおける血漿からの組換えタンパク質の損失は、クリアランス曲線下の面積から決定され、CAB-2(6%)の場合、sMCP(16%)より少なかった。血漿中のCAB-2の持続時間の増加は、このタンパク質を臨床治療のより良好な候補物質にする。
注入後のインビボにおけるCAB-2タンパク質の構造的完全性は、125I標識CAB-2を用いることにより測定された。125I-CAB-2のi.v.注入後、種々の時間にラットから血清のアリコートを得た。血清試料を、10%ポリアクリルアミドSDSゲル上で電気泳動し、そしてオートラジオグラフを行った。CAB-2タンパク質は、インビボで6時間後も検出可能な分解を示さなかった(図14)。
実施例8:逆受身アルサスモデルにおけるCAB-2のインビボの効力
雄のモルモット(300〜350g)を、40mg/kgのペントバルビタールナトリウムのi.p.注入により麻酔した。動物に、1μCiの125I標識BSAとともに20mg/kgのオバルブミン用量をi.v.注入した。次いで直ちに、動物に、10mgのポリクローナル抗オバルブミン抗体を、単独または種々の用量のCAB-2と混合して、背領域中に、i.d.注入により投与した。i.d.により注入された総容量は100mlであった。3時間後、動物をCO2吸入により屠殺した。皮膚を除去し、抗体投与部位を、5/8インチのバイオプシーパンチにより単離し、そしてバイオプシーを計測した。炎症応答の阻害は、CAB-2との同時投与部位とCAB-2なしの部位との皮膚への125I-BSAの漏出(投与部位あたりのCPM)を比較することにより測定した。別のセットの動物を、アルサス応答の開始24時間前、200U/kgのコブラ毒因子(CVF)のi.p.注入により前処理した。この処理は、動物の補体除去をもたらし、そしてこのモデルにおける補体阻害の影響に対する陽性コントロールである。図15に示されるように、CAB-2の注入は、容量依存的様式で逆受身アルサス反応を阻害した。観察された最大阻害は、CVF前処理の最大阻害に匹敵した。
その他の実施態様
本発明のキメラタンパク質のアナログもまた本発明の範囲内である。
好適なアナログは、その配列が野生型配列(即ち、天然に存在するペプチドの相同部分の配列)と、好ましくは1つ、2つ、または3つのみの、保存アミノ酸置換のみで、例えば、1つのアミノ酸の代わりに類似の特徴のアミノ酸の置換(例えば、バリンの代わりにグリシン、アルギニンの代わりにリジンなど)、またはポリペプチドの生物学的活性をなくさない1つまたはそれ以上の非保存アミノ酸置換、欠失、または挿入で異なるペプチドを含む。表2は、多くの保存アミノ置換を列挙する。
Figure 0003860605
配列表
(1)一般的情報:
(i)出願人:ジョーン−ロン コ ポール ジェイ.ヒギンズ シー.グレイス イェイ
(ii)発明の名称:補体活性化をブロックするキメラタンパク質
(iii)配列数:10
(iv)連絡住所:
(A)名称:フィッシュ アンド リチャードソン
(B)番地:フランクリン ストリート 225
(C)市:ボストン
(D)州:マサチューセッツ
(E)国:アメリカ合衆国
(F)郵便番号:02110-2804
(v)コンピューター読み出し形態:
(A)媒体型:3.5"フロッピーディスク,1.44Mb
(B)コンピューター:IBM PC/2互換用50Zまたは55SX
(C)OS:MS-DOS(バージョン #5.0)
(D)ソフトウェア:ワードパーフェクト(バージョン #5.1)
(vi)現在の出願データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:1994年9月22日
(C)分類:
(vii)先願データ:
(A)出願番号:08/126,596
(B)出願日:1993年9月24日
(viii)代理人/事務所情報:
(A)氏名:ポール ティー.クラーク
(B)登録番号:30,162
(C)照会/記録番号:06180/005001
(ix)電話回線情報:
(A)電話:(617)542-5070
(B)テレファックス:(617)542-8906
(C)テレックス:200154
(2)配列番号1の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:24
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号1:
Figure 0003860605
(2)配列番号2の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:27
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号2:
Figure 0003860605
(2)配列番号3の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:39
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号3:
Figure 0003860605
(2)配列番号4の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:45
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号4:
Figure 0003860605
(2)配列番号5の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:33
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号5:
Figure 0003860605
(2)配列番号6の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:36
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号6:
Figure 0003860605
(2)配列番号7の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:33
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号7:
Figure 0003860605
(2)配列番号8の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:33
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号8:
Figure 0003860605
(2)配列番号9の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:31
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号9:
Figure 0003860605
(2)配列番号10の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:34
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号10:
Figure 0003860605

Claims (26)

  1. 補体活性化を阻害する第2のポリペプチドに結合された、補体活性化を阻害する第1のポリペプチドを含むキメラタンパク質であって、該第1および第2のポリペプチドが異なり、可溶性のキメラタンパク質であって、補体活性化(RCA)ファミリーの調節因子のタンパク質およびその可溶性の生物学的に活性なフラグメントからなる群より選択され、前記第1のポリペプチドが、前記第2のポリペプチドにペプチド結合により結合している、可溶性のキメラタンパク質であって、該第1のポリペプチドが、少なくとも、メンブランコファクタープロテインのショートコンセンサスリピートの領域2、領域3および領域4を含み、該第2のポリペプチドが、少なくとも、崩壊促進因子のショートコンセンサスリピートの領域2、領域3および領域4を含む、キメラタンパク質
  2. 前記第1のポリペプチドは、34アミノ酸のシグナルペプチドが発現の際に切り出された後に、ネイティブな成熟MCPタンパク質のアミノ酸番号1〜254を含み、そして前記第2のポリペプチドは、34アミノ酸のシグナルペプチドが発現の際に切り出された後に、ネイティブな成熟DAFタンパク質のアミノ酸番号1〜323を含む、請求項1に記載の可溶性のキメラタンパク質。
  3. 前記第1のポリペプチドは、MCPのST領域の4つの短いコンセンサスリピート領域および第1の3つのアミノ酸を含み、そして前記第2のポリペプチドは、DAFの4つの短いコンセンサスリピート領域およびST領域を含む、請求項1に記載の可溶性のキメラタンパク質。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のキメラタンパク質をコードする、核酸。
  5. 選択マーカーおよび前記タンパク質の発現のために調節配列に作動可能に連結された請求項に記載の核酸を含む、組換え発現ベクター。
  6. 前記調節配列が哺乳動物プロモーターを含む、請求項に記載の組換え発現ベクター。
  7. 前記選択マーカーが、グルタミンシンセターゼをコードする遺伝子またはジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子を含む、請求項またはに記載の発現ベクター。
  8. 組換えキメラタンパク質を調製するためのプロセスであって、請求項のいずれか1項に記載のベクターを含む適切な宿主細胞を、該組換えキメラタンパク質の発現を促進する条件下で培養する工程を包含する、プロセス。
  9. 前記宿主細胞が細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞である、請求項に記載のプロセス。
  10. 前記哺乳動物がチャイニーズハムスター卵巣細胞またはリンパ芽球様細胞である、請求項に記載のプロセス。
  11. 免疫アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、レクチンアフィニティークロマトグラフィーおよびクロマトフォーカシングより選択されるクロマトグラフィー手順によって、前記細胞培養上清からキメラタンパク質を精製する工程を前記培養工程後にさらに包含する、請求項〜1のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記培養工程後に、以下の工程:(a)前記宿主細胞の細胞上清または細胞溶解物を回収する工程;
    (b)酸で沈降し得る混入物を該上清または溶解液から取り除き、部分的に精製された組成物を生成する工程;
    (c)該組成物を、陰イオン交換樹脂と接触させ、前記キメラタンパク質をこれに結合させ、次いで該キメラタンパク質を溶出させる工程;
    (d)金属に結合する混入物を該キメラタンパク質から取り除く工程;
    (e)該キメラタンパク質をフェニル疎水性相互作用樹脂に結合させ、次いで該キメラタンパク質を溶出させる工程;
    (f)該キメラタンパク質をブチル疎水性相互作用樹脂に結合させ、次いで該キメラタンパク質を溶出させる工程;
    (g)エンドトキシンを該キメラタンパク質から取り除く工程、をさらに包含する、請求項〜1のいずれか1項に記載のプロセスであって、ここで、工程dからfが任意の順序で実行され得る、プロセス。
  13. C3aおよびC5aの生成を阻害するにおいて使用するための請求項1〜3のいずれか1項に記載の可溶性のキメラタンパク質であり:ここで、C3転換酵素を請求項1〜のいずれか1項に記載のタンパク質と接触させることおよびC5転換酵素を請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンパク質と接触させることを特徴とし、ここで、該タンパク質の該C3転換酵素および該C5転換酵素との結合が、それぞれ、C3aおよびC5aの生成を阻害する、可溶性のキメラタンパク質
  14. ヒトにおいて炎症を軽減させるにおいて使用するための請求項1〜のいずれか1項に記載の可溶性のキメラタンパク質。
  15. 前記炎症が過剰な補体活性化により特徴づけられる、請求項1に記載の可溶性のキメラタンパク質。
  16. 好中球の漸増および活性化を阻害するにおいて使用するための、請求項またはのいずれか1項に記載の可溶性のキメラタンパク質。
  17. ヒトの処置における使用のための請求項1〜のいずれか1項に記載の可溶性のキメラタンパク質であって、該ヒトは、虚血性灌流傷害、自己免疫疾患、炎症性障害または移植拒絶に起因する組織損傷を有する、可溶性のキメラタンパク質。
  18. 前記虚血灌流傷害は、脳卒中、心筋梗塞、動脈瘤、出血性ショックまたは挫傷傷害に引き続くものである、請求項17に記載の可溶性のキメラタンパク質。
  19. 移植拒絶の処置において使用するための、請求項17に記載の可溶性のキメラタンパク質。
  20. 前記自己免疫疾患は、慢性関節リウマチ、多発性硬化症または全身エリテマトーデスである、請求項17に記載の可溶性のキメラタンパク質。
  21. 前記炎症性傷害は、敗血性ショック、成人呼吸促進症候群または心肺バイパスである、請求項17に記載の可溶性のキメラタンパク質。
  22. 前記可溶性のキメラタンパク質は、静脈投与、腹腔内投与、皮下投与、鼻腔内投与または経口投与のためのものである、請求項17に記載の可溶性のキメラタンパク質。
  23. C5b−9溶解複合体の形成を阻害するにおいて使用するための、請求項またはに記載の可溶性のキメラタンパク質であって、該請求項またはに記載の可溶性のキメラタンパク質は、C3コンバターゼに接触され、そして請求項6または7に記載の可溶性のキメラタンパク質は、C5コンバターゼに接触され、そしてここで、該可溶性のキメラタンパク質の該C3コンバターゼおよび該C5コンバターゼへの結合が、C5b−9溶解複合体の形成を阻害する、可溶性のキメラタンパク質。
  24. C3bおよびC5bの生成を阻害するにおいて使用するための、請求項またはに記載の可溶性のキメラタンパク質であって、該請求項またはに記載の可溶性のキメラタンパク質は、C3コンバターゼに接触され、そして請求項またはに記載の可溶性のキメラタンパク質は、C5コンバターゼに接触され、そしてここで、該可溶性のキメラタンパク質の該C3コンバターゼおよび該C5コンバターゼへの結合が、それぞれC3bおよびC5bの生成を阻害する、可溶性のキメラタンパク質。
  25. 請求項1〜のいずれか1項に記載の可溶性のキメラタンパク質には結合するが、前記第1のポリペプチド単独または前記第2のポリペプチド単独には結合しない抗体。
  26. 請求項1〜のいずれか1項に記載の可溶性のキメラタンパク質を含む、炎症性障害を処置するにおいて使用するための薬剤組成物。
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