JP3860300B2 - 形状測定方法及び形状測定器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状測定方法及び形状測定器に関し、特に、微小寸法を測定、検査する形状測定方法及びかかる方法を実施する形状測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学顕微鏡では、一般的に、レーリーの限界、
δ=0.61λ/NA ・・・(1)
(ただし、δ :レーリーの限界
λ :光の波長
NA:対物レンズの開口数)
で表される寸法よりも小さい間隔の2点の像は、完全に分解することはできない。したがって、このレーリーの限界よりも小さな構造物の寸法を直接測ることは不可能とされてきた。
【0003】
ところが、レーリーの限界よりも小さな構造物でもその存在を検出することは可能で、照明光の照射角度を変えながら、観察標本の微小なゴミ、キズ及び特定のパターン等を検出、同定する方法は、従来より数多く提案されている。
【0004】
特開昭63−218847号においては、観察標本に照明光を照射角度を変えながら照射し、入射角度に対する観察標本上の欠陥の像パターンの変化より、欠陥の種類を同定するという方法が開示されている。この方法は、欠陥の種類により照明光の照射角度に対する像パターンの変化が異なるという性質を利用している。
【0005】
特公平5−81883号においては、照明光の照射角度を変えることにより、磁気現像処理された磁気記録媒体の記録縞をコントラスト良く観察するという方法が開示されている。この方法は、記録縞の間隔により回折角度が異なる性質を利用している。
【0006】
特開平8−75661号においては、異なる2つの方向から照明光を照射することにより、観察標本上のゴミやキズ等の欠陥を効率良く検出するという方法が開示されている。この方法は、散乱光、回折光、干渉縞それぞれに適した照明の照明角度は異なるという性質を利用している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら従来の技術は、何れも欠陥及び特定のパターンの有無や種類を検出するために考案されたものであり、観察標本の微小構造の寸法を測定、検査する方法については触れられていない。このように、従来は、レーリーの限界よりも小さな構造物の寸法を精度良く測定する方法が明確には与えられていなかった。
【0008】
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたもので、その第1の目的は、レーリーの限界よりも小さな構造物の寸法を精度良く測定できる形状測定方法を提供することである。
【0009】
さらに、本発明の第2の目的は、上記形状測定方法を簡単な構成で実施でき、微小構造物の寸法を精度良く測定できるようにした形状測定器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の形状測定方法は、光源からの照明光の標本への入射角度が可変であり、前記標本の拡大像を撮像し、前記照明光の前記標本への入射角度と、前記拡大像における前記標本の形状より定まる所定の位置での像特性との相関を求め、前記相関より前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする方法である。
【0011】
また、上記目的を達成する本発明の形状測定器は、光源手段と、前記光源手段からの照明光をある入射角度をもって標本に導くための照明光学系と、前記入射角度を変化させる入射角度可変手段と、前記標本の拡大像を生成する拡大光学系と、前記拡大光学系により生成された前記標本の拡大像を撮像する撮像手段と、前記入射角度と前記拡大像における前記標本の形状より定まる所定の位置での像特性との相関より、前記標本の形状に関連する情報を求める演算手段とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態については、まず、上記の目的を達成することができる形状測定方法及び形状測定器の発明の実施形態と、それぞれの作用効果について説明し、次に、その発明に付加して適用することのできる好適な構成とその作用効果を説明し、その後に、それぞれの実施例を説明することにする。
【0013】
そこで、まず、本発明の形状測定方法について説明する。本発明の形状測定方法は、光源からの照明光の標本への入射角度が可変であり、その標本の拡大像を撮像し、その照明光の標本への入射角度と、拡大像における標本の形状より定まる所定の位置での像特性との相関を求め、その相関より標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする方法である。
【0014】
なお、ここで、拡大像における標本の形状により定まる所定の位置とは、照明の入射角度を変えることにより発生する像特性(強度又は位相)の変化(変化の仕方)から標本の形状を導き出すことができる像平面内の位置のことである。
【0015】
その原理を、図8を用いて説明する。標本面上の間隔d離れた2点A,Bを考える。その2点に波長λのコヒーレントな照明光が入射角度θで照射されているとする。そのとき、2点A,B間の照明光の光路長差はdsin(θ)なので、その位相差δφは、
δφ=2π{dsin(θ)}/λ ・・・(2)
で与えられる。
【0016】
ところで、この2点A,Bを光学顕微鏡で拡大観察すると、その2点の像は、それぞれの幾何光学的結像位置を中心として、ある程度広がりを持った点像を形成する。そして、2点A,Bの点像の広がりが重なりを持つ場合、その重なった部分はそれぞれの点から発する光の位相差に応じて干渉を起こす。したがって、光学顕微鏡で観察される像は、2点A,Bに達する光の位相差δφによって異なる。
【0017】
このように、観察される像は、2点A,B間の位相差δφによって異なってくるが、このことは(2)式により、照明光の入射角度θを変えれば観察される像が変わることを表している。そして、2点A,Bに達する光の位相差δφがある値を持ったときに特有の像特性を生じる条件が存在するならば、その所定の条件を満たすように照明光の入射角度θを調節し、そのときの像より推測される位相差δφと入射角度θより、(2)式の変形、
d=δφ・λ/{2πsin(θ)} ・・・(2’)
を用いて、2点A,Bの間隔dを求めることができる。
【0018】
以上、2点A,Bによる像の特定について説明してきたが、任意の標本は全て点の集合よりできていると考えられる。したがって、特に、顕微鏡の解像程度に細かい構造を持つ標本について、照明光の入射角度θを変えれば標本の形状によって定まるある像位置(本実施の形態では、2点A,Bの中間位置)において観察される像が変わる。その像位置において、照明光の入射角度θと観察される像の特性との相関を求めることにより、標本の形状に関連する情報を求めることができる。
【0019】
この発明の好適一実施形態においては、像の特性として強度を観察するようにするのが、装置的に簡便で都合がよい。2点A,Bが(1)式で示されるレーリーの限界よりも少し小さい0.5λ/NAだけ離れている場合の像強度分布の変化を、図9を用いて説明する。δφが2πの整数倍の場合は、2つの点像は互いに同位相で重なるため、観察される像の強度分布は、図9(a)に示すごとく、1つの大きな楕円形となる(図9(d)の曲線1−1’)。一方、δφがπ/2+(πの整数倍)の場合は、2つの点像は位相がπ/2ずれて重なるため、観察される像の強度分布は、図9(b)に示すごとく、2つのゆるやかなピークを持った細長い長円形となる(図9(d)の曲線2−2’)。そして、δφがπ+(2πの整数倍)の場合は、2つの点像は位相がπずれるため、観察される像の強度分布は、図9(c)に示すごとく、完全に分離した2つの楕円形となる(図9(d)の曲線3−3’)。したがって、照明光の入射角度と像強度分布とには相関があり、その関係を利用することにより、標本の形状に関連する情報を求めることが可能である。
【0020】
本発明の好適一実施形態においては、照明光の入射角度に対する像の所定の位置での強度の変化率より、標本の形状に関連する情報を求めるようにするのが、容易に照明光の入射角度に対する像特性の相関を取れるので都合がよい。図9に示した2点A,Bによる像の場合は、2点A,Bの中間位置での像強度変化が大きいため、この中間位置において、照明光の入射角度との相関をとるのが望ましい。
【0021】
この発明の好適一実施形態においては、像の所定の位置での強度が最小となるときの照明光の入射角度より、標本の形状に関連する情報を求めるようにするのが、容易に標本の形状を測定できるので都合がよい。図9に示した2点A,Bによる像の場合は、2点A,Bの中間位置の像強度はδφ=π+(2πの整数倍)のときに最小となるため、このときの照明光の入射角度θと(2’)式を用いることにより、2点A,Bの間隔が直ちに求められる。ここで、2πの整数倍という不定項は、照明光の入射角度を0から徐々に大きくして行って、最初に強度最小となる角度を求めるか、又は、強度が最小となる角度の間隔を求めることにより回避できることは明らかである。
【0022】
この発明の好適一実施形態においては、像の特性として位相分布を観察するようにするのが、像強度の揺らぎによる影響を排除できるので都合がよい。上記では、観察される像強度分布を中心に話を進めてきたが、像の特性を決定できるのは強度分布だけではない。図10に示すごとく、2点A,Bを含む線分上における像位相分布の形状も、位相差δφにより形を変える。δφが2πの整数倍の場合は、2つの点像は互いに同位相で重なるため、観察される像位相分布は定数となる。一方、δφがπ/2+(πの整数倍)の場合は、2つの点像は位相がπ/2ずれて重なるため、観察される像位相分布は定数項を除き、0からπへ向かうなだらかな曲線となる。そして、δφがπ+(2πの整数倍)の場合は、2つの点像は位相がπずれるため、観察される像位相分布は2点A,Bの中間位置にπの位相飛び(位相特異点)が存在する。したがって、像位相分布がある位相差δφより定まる所定の条件を満たすように、照明光の入射角度θを調節し、そのときの像より推測される位相差δφと入射角度θより、(2’)式を用いて2点A,Bの間隔dを求めることもできる。
【0023】
この発明の好適一実施形態においては、照明光の入射角度に対する像の所定の位置の位相勾配の変化率より、標本の形状に関連する情報を求めるようにするのが、容易に照明光の入射角度に対する像特性の相関を取れるので都合がよい。図10に示した2点A,Bによる位相分布の場合は、2点A,Bの中間位置での位相勾配の変化が大きく、照明光の入射角度との相関が取りやすい。
【0024】
この発明の好適一実施形態においては、像の所定の位置の位相勾配が最大となるときの照明光の入射角度より、標本の形状に関連する情報を求めるようにするのが、容易に標本の形状を測定できるので都合がよい。図10に示した2点A,Bによる位相分布の場合は、2点A,Bの中間位置の位相勾配はδφ=π+(2πの整数倍)のときに最大となるため、このときの照明光の入射角度θと(2’)式を用いることにより、2点A,Bの間隔が直ちに求められる。ここで、2πの整数倍という不定項は、照明光の入射角度を0から徐々に大きくして行って、最初に位相勾配が最大となる角度を求めるか、又は、位相勾配が最大となる角度の間隔を求めることにより回避できることは明らかである。
【0025】
この発明の好適一実施形態においては、標本が少なくとも隣接した2つの輝点あるいは2本の輝線を含む場合、照明光の入射角度と2つの輝点あるいは2本の輝線の像の中間部分の像特性との相関より輝点あるいは輝線の間隔を測定するようにするのが、像特性の照明光の入射角度による変化が最も大きいため、容易に輝点あるいは輝線の間隔を測定できる点で好ましい。
【0026】
この発明の好適一実施形態においては、標本が少なくとも1本の暗線を含む場合、照明光の入射角度と暗線の像の中心部分の像特性との相関より、この暗線の線幅を測定するようにするのが、像特性の照明光の入射角度による変化が最も大きいため、容易に暗線の線幅を測定できる点で好ましい。
【0027】
この原理を図11を用いて説明する。図11に示すように、x−y平面上に反射率1の物体が広がっており、ただし、x=0の位置を中心に幅dの暗線(反射率0)がy軸に平行に伸びているとする。そこに波長λのコヒーレントな照明光が入射角θで入射した場合、x軸上の照明光の複素振幅Q(x)は、
Q(x)=exp{j(2πsinθ)x/λ}
で表される。ただし、ここで、j=√(−1)である。物体の反射率R(x)は、
であるので、結像面上の複素振幅分布A(x)は、
A(x)={Q(x)R(x)}*P(x)
で表される。ただし、ここでは簡単のため像面における座標をそれに幾何光学的に対応する標本面上の座標xで表し、*はコンボリューションを表す演算子であり、P(x)は結像光学系の線像分布関数である。P(x)が、使用する対物レンズの開口数NAを用いて、
P(x)=sinc(2NAx/λ)
で表される場合、
となる。ただし、ここで、
x’≡2NAx/λ,d’≡2NAd/λ,s≡(sinθ/NA)
である。|s|<1,d’>1.22の条件では、x=0における像強度が0となるs≡s0 が存在し、そのとき、x=0位置(つまり、暗線の中心)で位相の飛びが発生する。図12はx=0における像強度が0になるときの規格化された暗線の間隔d’と規格化された照明光の入射角度s0 との関係を示したグラフである。図12に示すごとく、1.22<d’<1.5の範囲や2.8<d’<3.3の範囲では、d’の変化に対するs0 の変化が大きいため、s0 の値からd’、すなわちdを正確に求めることが可能になる。ただし、3.1<d’<5の範囲では、x=0の位置で像強度が0になるs0 の値が2つあることになるため、この領域を利用してdの値を求める場合には注意を要する。d’<1.22では暗線の中心強度が0になるs0 は存在しないが、暗線中間における位相勾配は、図13に示すごとく、sとd’に依存するため、sに対する暗線の中心の位相勾配の変化率を測定することにより、d’をある程度正確に測定することが可能である。
【0028】
次に、本発明の形状測定器について説明する。この発明の形状測定器は、光源手段と、光源手段からの照明光をある入射角度をもって標本に導くための照明光学系と、入射角度を変化させる入射角度可変手段と、標本の拡大像を生成する拡大光学系と、拡大光学系により生成されたこの標本の拡大像を撮像する撮像手段と、入射角度と拡大像における標本の形状より定まる所定の位置での像特性との相関より、標本の形状に関連する情報を求める演算手段とを備えることを特徴とするものである。
【0029】
このように、この発明にかかる形状測定器においては、光源から発せられた照明光を、照明光学系及び入射角度可変手段により標本上に入射角度可変に導き、拡大光学系と撮像手段により標本の拡大像を撮像し、演算手段により照明光の入射角度と標本の拡大像との相関から、標本の形状に関連する情報を求めるようにしたので、演算手段において、予め予想される標本形状と照明光と入射角度及び拡大像の相関とを用いることにより、標本の形状を精度良く測定することが可能になる。
【0030】
この発明の好適一実施形態では、演算手段は、照明光の入射角度と所定の位置での像の強度との相関により、標本の形状に関連する情報を求めるのが、装置的に簡便で都合がよい。
【0031】
この発明の好適一実施形態では、演算手段は、照明光の入射角度に対する所定の位置での強度の変化率より、標本の形状に関連する情報を求めるのが、容易に照明光の入射角度に対する像特性の相関を取れるので都合がよい。
【0032】
この発明の好適一実施形態では、演算手段は、所定の位置での像の強度が最小となるときの照明光の入射角度より、標本の形状に関連する情報を求めるのが、容易に標本の形状を測定できるので都合がよい。
【0033】
この発明の好適一実施形態では、演算手段は、照明光の入射角度と所定の位置での像の位相分布との相関より、標本の形状に関連する情報を求めるのが、像強度の揺らぎによる影響を排除できるので都合がよい。
【0034】
この発明の好適一実施形態では、演算手段は、照明光の入射角度に対する所定の位置での位相勾配の変化率より、標本の形状に関連する情報を求めるのが、容易に照明光の入射角度に対する像特性の相関を取れるので都合がよい。
【0035】
この発明の好適一実施形態では、演算手段は、所定の位置での像の位相勾配が最大となるときの照明光の入射角度より、標本の形状に関連する情報を求めるのが、容易に標本の形状を測定できるので都合がよい。
【0036】
この発明の好適一実施形態では、光源手段はレーザ光源であるのが、容易に平面波を標本上に照明できるので都合がよい。
【0037】
この発明の好適一実施形態では、照明光学系は、光源手段より発した照明光を拡大光学系の射出瞳位置又はそれに共役な位置に収束させる瞳集光レンズを含むのが、広い照明光の入射角度範囲と高い拡大光学系の分解能を両立できるので都合がよい。
【0038】
この発明の好適一実施形態では、入射角度可変手段は、ガルバノミラーであるのが、容易かつ迅速に照明光の入射角度を変えることができる点で好ましい。
【0039】
この発明の好適一実施形態では、入射角度可変手段は、ポリゴンミラーであるのが、容易かつ迅速に照明光の入射角度を変えることができる点で好ましい。
【0040】
この発明の好適一実施形態では、照明光学系の中に干渉計が存在し、撮像手段上に像の位相分布に対応した干渉画像を生成するのが、像の位相分布を容易に計測できる点で好ましい。
【0041】
この発明の好適一実施形態では、干渉計はマイケルソンタイプの干渉計あるいはミロータイプの干渉計あるいはノマルスキータイプの干渉計であるのが、干渉計を容易に構成できる点で好ましい。
【0042】
この発明の好適一実施形態では、干渉計における分割された2つの光路の光路長差を調節する光路長差調節手段を備え、光路長差調節手段は、光路長差調節手段を駆動してフリンジスキャンを行う制御装置に接続されているのが、像の位相分布を精度よく計測できる点で好ましい。
【0043】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
本発明による第1実施例の形状測定装置は、図1に示すごとく、レーザ光源1と、レーザ光源1から発せられたコヒーレントなビームの径を拡張するビームエキスパンダ2と、ビームエキスパンダ2によって拡張されたコヒーレントビームを角度可変に偏向するガルバノミラー3と、ガルバノミラー3からのビームを集光する瞳集光レンズ4と、瞳集光レンズ4からの収束光を偏向する光路分割器5と、その収束光の収束位置に射出瞳位置を一致させて配置されると共に、標本Oの拡大像を無限遠方に生成する対物レンズ6と、対物レンズ6によって無限遠方に生成された標本Oの拡大像を有限の位置に結像する結像レンズ7と、結像レンズ7によって生成された標本Oの拡大像を撮像する撮像装置8と、ガルバノミラー3及び撮像装置8と電気的に接続されたコントローラ9と、コントローラ9に電気的に接続された演算装置10と、演算装置10に電気的に接続されたモニタ11とからなる。
【0044】
このような装置において、レーザ光源1より発せられたコヒーレントなビームは、ビームエキスパンダ2により径を拡げられ、ガルバノミラー3で偏向された後、対物レンズ6の射出瞳位置に集光し、標本O上に平行光となって入射する。ガルバノミラー3を振り、対物レンズ6の射出瞳位置におけるビームの集光位置を変えることにより、照明光の標本への入射角度を調節することができる。
【0045】
コントローラ9によってガルバノミラー3を駆動し、標本O上の照明光の入射角度を変えながら、標本Oの拡大像の強度分布を撮像装置8によって撮像する。得られた拡大像は、コントローラ9を介しガルバノミラー3の偏向角度情報と共に演算装置10に送られる。演算装置10では、拡大像をモニタ11に表示すると共に、ガルバノミラー3の偏向角度情報より標本O上での照明光の入射角度を算出し、拡大像の特定部分の強度と共に記憶する。コントローラ9により一通りガルバノミラー3の走査が終了した後、演算装置10は、記憶した照明光の入射角度と拡大像の特定部分の強度との相関を算出し、予め計算あるいは経験等により得られた標本形状とその相関との関係を用いて、標本形状を測定し、その結果をモニタ11に表示する。
【0046】
本実施例における線幅の測定手順のフローチャートを図2、図3を用いて説明する。標本Oの線幅がある程度太ければ、それは線幅の中心における拡大像の強度が0となるときの照明光の標本Oへの入射角度より測定できる。その手順は、図2に示すごとく、測定者は、ST(ステップ)1において、標本Oをモニタ11を見ながら測定対象となる線が拡大像視野中心付近に入るようにセットし、ST2において、ガルバノミラー3を操作して、予め測定される線像の中心における拡大像の強度が0となる照明光の入射角度に設定してから、コントローラ9に測定開始の信号を送る。ST3において、コントローラ9は標本Oの拡大像を撮像し、ST4において、拡大像から線像の中心における強度を抽出する。ST5において、線像の中心における強度が0であるか否かを判定し、撮像された線像の中心の強度が0でなければ、ST6において、ガルバノミラー3を駆動し、照明光の標本面への入射角を変更して、上記ST3〜5を繰り返し、撮像された線像の中心の強度が0になった時点でガルバノミラー3の駆動を中止し、ST7において、そのときのガルバノミラー3の偏向角度を演算装置10に送る。ST8において、演算装置10はコントローラ9より送られたガルバノミラー3の偏向角度より照明光の標本への入射角度を算出し、ST9において、予め求められていたその入射角度の線幅との相関より線幅を算出して、その結果をモニタ11に表示する。ただし、実際の測定に関しては、光学系のフレアや撮像系のノイズがあるため、像強度0の条件は像強度最小の条件で置き換えた方がよい。
【0047】
標本Oの線幅がある程度細く、線幅の中心における拡大像の強度が0となることがなければ、照明光の標本Oへの入射角度と線像の強度分布との相関より線幅が測定できる。その手順は、図3に示すごとく、測定者は、ST1において、標本Oをモニタ11を見ながら測定対象となる線が拡大像視野中心付近に入るようにセットし、コントローラ9に測定開始の信号を送る。ST2において、コントローラ9は、まずガルバノミラー3の偏向角度を調節して照明光の標本Oへの入射角度が0になるようにして、ST3において、標本Oの拡大像の撮像を開始する。次いで、ST4において、拡大像から線像の中心における強度を抽出し、ST5において、そのときのガルバノミラー3の偏向角度を演算装置10に送る。ST6において、演算装置10はコントローラ9より送られたガルバノミラー3の偏向角度より照明光の標本への入射角度を算出し、ST7において、照明光の標本への入射角度と線像の中心における強度を記録し、ST8において、照明光が標本Oに対して照明光の標本への入射角が予め決められた最大入射角であるか否かを判定し、照明光の標本への入射角が予め決められた最大入射角でなければ、ST9において、ガルバノミラー3を駆動し、照明光の標本面への入射角を増やして、上記ST3〜8を繰り返し、照明光の標本Oへの入射角が予め決められた最大値となるまでガルバノミラー3を駆動して、照明光の標本Oへの入射角を変えながら標本Oの拡大像を撮像して行く。コントローラ9によるガルバノミラー3の駆動が終了した後、ST10において、演算装置10は照明光の標本Oへの入射角度と拡大像における線像中心の強度との相関を算出し、ST11において、予め求められていたその相関と線幅との関係から線幅を算出して、その結果をモニタ11に表示する。
【0048】
本実施例によれば、ガルバノミラー3により照明光の標本Oへの入射角度を変えるようにしたので、照明光の標本Oへの入射角度を高速に変えることができ、また、照明光を対物レンズ6を通して同軸落射的に標本Oに照明するようにしたので、常に0≦|s|<1の範囲で照明光の標本Oへの入射角度を変えることができる利点がある。前述のように、暗線を測定する場合には、|s|<1の条件(すなわち、同軸落射照明)でなければ、x=0において像強度が0になるような条件が得られないため、暗線の測定においては、同軸落射照明は必要不可欠となる。
なお、入射角度可変手段として、上記ガルバノミラー3の代わりにポリゴンミラーを用いることももちろん可能である。
【0049】
本発明による第2実施例の形状測定装置は、図4に示すごとく、レーザ光源1と、レーザ光源1から発せられたコヒーレントなビームの径を拡張するビームエキスパンダ2と、ビームエキスパンダ2によって拡張されたコヒーレントビームを角度可変に偏向するガルバノミラー3と、ガルバノミラー3からのビームを集光する瞳集光レンズ4と、瞳集光レンズ4からの収束光の一部を観察光路12と、他の一部を参照光路13に分割すると共に、観察光路12及び参照光路13からの光線を合成する光線分割合成器5’と、その収束光の観察光路12上における収束位置に後側焦点位置を一致させて配置されると共に、標本Oの拡大像を無限遠方に生成する対物レンズ6と、その収束光の参照光路13上における収束位置に後側焦点位置を一致させて配置されており、対物レンズ6と光学的に同等な参照レンズ14と、参照レンズ14の前側焦点位置に配置された参照鏡15と、参照鏡15に接続され参照鏡15を光軸方向に移動することにより、観察光路12と参照光路13の光路長差を調節する光路長調節装置16と、対物レンズ6によって無限遠方に生成された標本Oの拡大像を有限の位置に結像する結像レンズ7と、結像レンズ7によって生成された標本Oの拡大像を撮像する撮像装置8と、ガルバノミラー3及び撮像装置8及び光路長調節装置16と電気的に接続されたコントローラ9と、コントローラ9に電気的に接続された演算装置10と、演算装置10と電気的に接続されたモニタ11とからなる。
【0050】
このような装置において、レーザ光源1より発せられたコヒーレントなビームは、ビームエキスパンダ2により径を拡げられ、ガルバノミラー3で偏向され、瞳集光レンズ4で収束光になった後、光線分割合成器5’により観察光路12及び参照光路13に分割される。観察光路12に分割された収束光は、対物レンズ6の後側焦点位置に集光し、標本O上に平行光となって入射する。一方、参照光路13に分割された収束光は、参照レンズ14の後側焦点位置に集光し、参照鏡15に平行光となって入射する。ガルバノミラー3を振り、対物レンズ6の射出瞳位置におけるビームの集光位置を変えることにより、照明光の標本Oへの入射角度を調節できる。
【0051】
標本O及び参照鏡15で反射された光束は、それぞれ対物レンズ6及び参照レンズ14を通り、光線分割結合器5’により再び合成され、結像レンズ7により撮像装置8上に標本像と参照波面による干渉像を形成する。
【0052】
コントローラ9は、光路長調節装置16を駆動することにより標本像と参照波面の位相差を変えながら干渉像を撮像し、光路長調節装置16による参照鏡15の移動量と干渉像は演算装置10に送られる。演算装置10では、5バケット法に代表されるフリンジスキャン方法を用いて標本像の位相分布を算出する。
【0053】
さらに、コントローラ9によってガルバノミラー3を駆動し、標本O上の照明光の入射角度を変えながら、演算装置10により標本像の位相分布を算出する。ガルバノミラー3の偏向角度情報は、コントローラ9を介して演算装置10に送られる。演算装置10では、干渉像をモニタ11に表示すると共に、ガルバノミラー3の偏向角度情報より標本O上での照明光の入射角度を算出し、干渉像の特定部分の位相分布と共に記憶する。コントローラ9により一通りガルバノミラー3の走査が終了した後、演算装置10は記憶した照明光の入射角度と干渉像の特定部分の位相分布との相関を算出し、予め計算あるいは経験等により得られた標本形状とその相関との関係を用いて、標本形状を算出し、その結果をモニタ11に表示する。
【0054】
本実施例における線幅の測定手順のフローチャートを図5、図6を用いて説明する。標本Oの線幅がある程度太ければ、それは線幅の中心における位相分布に特異点が発生するときの照明光の標本Oへの入射角度より測定できる。その手順は、図5に示すごとく、測定者は、ST1において、標本Oをモニタ11を見ながら測定対象となる線が拡大像視野中心付近に入るようにセットし、ST2において、ガルバノミラー3を操作して、予め測定される線像の中心における位相分布に特異点が発生する照明光の入射角度に設定してから、コントローラ9に測定開始の信号を送る。ST3において、標本Oの拡大像の撮像を開始する。次いで、ST4において、コントローラ9は、光路長調節装置16を駆動して参照鏡15を移動させながらフリンジスキャンを行い、標本Oの位相像を算出する。ST5において、線像中心近辺における位相分布を抽出する。ST6において、その位相分布に位相特異点があるか否かを判定し、算出された位相像において線像の中心に位相特異点がなければ、ST7において、ガルバノミラー3を駆動し、照明光の標本面への入射角を変更して、上記ST3〜6を繰り返し、撮像された線像の中心に位相特異点が発生した時点でガルバノミラー3の駆動を中止し、ST8において、そのときのガルバノミラー3の偏向角度を演算装置10に送る。ST9において、演算装置10はコントローラ9より送られたガルバノミラー3の偏向角度より照明光の標本への入射角度を算出し、ST10において、予め求められていたその入射角度の線幅との相関より線幅を算出して、その結果をモニタ11に表示する。
【0055】
標本Oの線幅がある程度細く、線幅の中心における干渉像において位相分布に特異点が発生することがなければ、照明光の標本Oへの入射角度と線像の位相分布との相関より線幅が測定できる。その手順は、図6に示すごとく、測定者は、ST1において、標本Oをモニタ11を見ながら測定対象となる線が拡大像視野中心付近に入るようにセットし、コントローラ9に測定開始の信号を送る。ST2において、コントローラ9は、まずガルバノミラー3の偏向角度を調節して照明光の標本Oへの入射角度が0になるようにして、ST3において、標本Oの干渉像の撮像を開始する。次いで、ST4において、コントローラ9は、光路長調節装置16を駆動して参照鏡15を移動させながらフリンジスキャンを行い、標本Oの位相分布を算出する。ST5において、線像中心近辺における位相勾配を抽出し、ST6において、そのときのガルバノミラー3の偏向角度を演算装置10に送る。ST7において、演算装置10はコントローラ9より送られたガルバノミラー3の偏向角度より照明光の標本への入射角度を算出し、ST8において、照明光の標本への入射角度と線像中心近辺における位相勾配を記録し、ST9において、照明光が標本Oに対して照明光の標本への入射角が予め決められた最大入射角であるか否かを判定し、照明光の標本への入射角が予め決められた最大入射角でなければ、ST10において、ガルバノミラー3を駆動し、照明光の標本面への入射角を増やして、上記ST3〜9を繰り返し、照明光の標本Oへの入射角が予め決められた最大値となるまでガルバノミラー3を駆動して、照明光の標本Oへの入射角を変えながら標本Oの干渉像を撮像して行く。コントローラ9によるガルバノミラー3の駆動が終了した後、ST11において、演算装置10は照明光の標本への入射角度と干渉像における線像中心近辺の位相勾配との相関を算出し、ST12において、予め求められていたその相関と線幅との関係から線幅を算出して、その結果をモニタ11に表示する。
【0056】
本実施例によれば、干渉像の位相分布により線幅を測定するようにしたので、光源の出力変動による影響をなくすことができ、安定した計測ができる利点がある。
なお、干渉計として、上記リニークタイプの干渉計を用いる代わりに、マイケルソンタイプ又はミロータイプ又はノマルスキータイプの干渉計を用いても、上記の目的を達成できることは明らかである。
【0057】
以上に線幅測定の例のみあげてきたが、照明光の標本への入射角度と像特性との相関が取れるものであれば、本発明はこれに限るものではないことは明らかである。
【0058】
本発明による第3実施例は、図7に示すごとく、レーザ光源1とビームエキスパンダ2とが一体に形成され、標本に対し入射角度可変に照明することが可能な照明ユニット17と、標本Oの拡大像を生成する対物レンズ6と、対物レンズ6によって生成された標本の拡大像を撮像する撮像装置8と、照明ユニット17及び撮像装置8と電気的に接続されたコントローラ9と、コントローラ9に電気的に接続された演算装置10と、演算装置10と電気的に接続されたモニタ11とからなる。
【0059】
このような装置において、ビームエキスパンダ2は、レーザ光源1より発したコヒーレントな光束の径を拡げ、標本Oを照明する平行光とする。そのレーザ光源1とビームエキスパンダ2が一体となった照明ユニット17は、コントローラ9によって入射角度可変に標本Oを照明できるように、標本Oの観察位置を中心に回転可能なように構成されている。コントローラ9は、照明ユニット17を動かし、照明光の標本Oへの入射角度を変えながら、撮像装置8により標本Oの拡大像を撮像し、照明光の各入射角度とそのときの拡大像を演算装置10に引き渡す。演算装置10は、照明光の入射角度と標本Oの特定部分の像強度分布の相関より標本Oの形状を算出し、その結果をモニタ11に表示する。
【0060】
本実施例においては、対物レンズ6の開口数に関わらず、照明光の標本Oへの入射角度が大きく取れるのが利点である。すなわち、標本Oの形状等によって対物レンズ6の作動距離を長く取らなければならないような場合、開口数の小さい対物レンズ6を用いなければならない。しかしながら、本実施例のように軸外落射であれば、対物レンズ6の開口数に関わりなく、照明光の入射角を大きくすることができる。例えば、標本の2点間の位相差は、照明光の標本への入射角度で決まるので、このように照明光の標本Oへの入射角度を大きく取れると、対物レンズ6の解像よりも小さな2点の間隔を精度良く測定することが可能になる。
【0061】
なお、本実施例の構成に干渉計を組み合わせ、標本像の強度分布の代わりに位相分布を用いても、標本Oの形状に関連する情報を求めることができることは、今までの説明より明らかである。
【0062】
以上の本発明の形状測定方法及び形状測定器は例えば次のように構成することができる。
〔1〕 光源からの照明光の標本への入射角度が可変であり、前記標本の拡大像を撮像し、前記照明光の前記標本への入射角度と、前記拡大像における前記標本の形状より定まる所定の位置での像特性との相関を求め、前記相関より前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする形状測定方法。
【0063】
〔2〕 前記像特性とは、像の強度であることを特徴とする上記〔1〕記載の形状測定方法。
【0064】
〔3〕 前記入射角度に対する前記所定の位置での強度の変化率より前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする上記〔2〕記載の形状測定方法。
【0065】
〔4〕 前記所定の位置での強度が最小となるときの前記入射角度より前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする上記〔2〕記載の形状測定方法。
【0066】
〔5〕 前記像特性とは、像の位相分布であることを特徴とする上記〔1〕記載の形状測定方法。
【0067】
〔6〕 前記入射角度に対する前記所定の位置での位相勾配の変化率より前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする上記〔5〕記載の形状測定方法。
【0068】
〔7〕 前記所定の位置での位相勾配が最大となるときの前記入射角度より前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする上記〔5〕記載の形状測定方法。
【0069】
〔8〕 前記標本は少なくとも隣接した2つの輝点あるいは2本の輝線を含み、前記入射角度と前記拡大像における前記2つの輝点あるいは2本の輝線の像の中間部分の像特性との相関より、前記輝点あるいは輝線の間隔を測定することを特徴とする上記〔1〕から〔7〕の何れか1項記載の形状測定方法。
【0070】
〔9〕 前記標本は少なくとも1本の暗線を含み、前記入射角度と前記拡大像における前記暗線の像の中心部分の像特性との相関より、前記暗線の線幅を測定することを特徴とする上記〔1〕から〔7〕の何れか1項記載の形状測定方法。
【0071】
〔10〕 光源手段と、前記光源手段からの照明光をある入射角度をもって標本に導くための照明光学系と、前記入射角度を変化させる入射角度可変手段と、前記標本の拡大像を生成する拡大光学系と、前記拡大光学系により生成された前記標本の拡大像を撮像する撮像手段と、前記入射角度と前記拡大像における前記標本の形状より定まる所定の位置での像特性との相関より、前記標本の形状に関連する情報を求める演算手段とを備えることを特徴とする形状測定器。
【0072】
〔11〕 前記演算手段は、前記入射角度と前記所定の位置での像の強度との相関より、前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする上記〔10〕記載の形状測定器。
【0073】
〔12〕 前記演算手段は、前記入射角度に対する前記所定の位置での強度の変化率より、前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする上記〔11〕記載の形状測定器。
【0074】
〔13〕 前記演算手段は、前記所定の位置での強度が最小となるときの前記入射角度より、前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする上記〔11〕記載の形状測定器。
【0075】
〔14〕 前記演算手段は、前記入射角度と前記所定の位置での像の位相分布との相関より、前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする上記〔10〕記載の形状測定器。
【0076】
〔15〕 前記演算手段は、前記入射角度に対する前記所定の位置での位相勾配の変化率より、前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする上記〔14〕記載の形状測定器。
【0077】
〔16〕 前記演算手段は、前記所定の位置での位相勾配が最大となるときの前記入射角度より、前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする上記〔14〕記載の形状測定器。
【0078】
〔17〕 前記光源手段は、レーザ光源であることを特徴とする上記〔10〕から〔16〕の何れか1項記載の形状測定器。
【0079】
〔18〕 前記照明光学系は、前記光源手段より発した前記照明光を前記拡大光学系の射出瞳位置又はそれに共役な位置に収束させる瞳集光レンズを含むことを特徴とする上記〔10〕から〔17〕の何れか1項記載の形状測定器。
【0080】
〔19〕 干渉計を用い、前記撮像手段上に前記位相分布に対応した干渉画像を生成することを特徴とする上記〔10〕から〔18〕の何れか1項記載の形状測定器。
【0081】
〔20〕 前記干渉計における分割された2つの光路の光路長差を調節する光路長差調節手段を備え、前記光路長差調節手段は、前記光路長差調節手段を駆動してフリンジスキャンを行う制御装置に接続されていることを特徴とする上記〔19〕記載の形状測定器。
【0082】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の形状測定方法及び形状測定器を用いれば、レーリーの限界よりも小さな構造物の寸法を精度良く測定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例の形状測定装置の構成を示す図である。
【図2】第1実施例における線幅の測定手順を示すフローチャートである。
【図3】第1実施例における線幅の別の測定手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明による第2実施例の形状測定装置の構成を示す図である。
【図5】第2実施例における線幅の測定手順を示すフローチャートである。
【図6】第2実施例における線幅の別の測定手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明による第3実施例の形状測定装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の形状測定の基本原理を説明するための図である。
【図9】2点間の位相差δφによる2点像の変化を示す図である。
【図10】位相差δφと像位相分布の関係を示す図である。
【図11】本発明の暗線の線幅を測定する原理を説明するための図である。
【図12】暗線中心における像強度が0になるときの規格化された暗線の間隔d’と規格化された照明光の入射角度s0 との関係を示すグラフである。
【図13】入射角度に関するパラメータsと暗線中間における位相勾配との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
O…標本
1…レーザ光源
2…ビームエキスパンダ
3…ガルバノミラー
4…瞳集光レンズ
5…光路分割器
5’…光線分割合成器
6…対物レンズ
7…結像レンズ
8…撮像装置
9…コントローラ
10…演算装置
11…モニタ
12…観察光路
13…参照光路
14…参照レンズ
15…参照鏡
16…光路長調節装置
17…照明ユニット
Claims (2)
- 光源からの照明光の標本への入射角度が可変であり、前記標本の拡大像を撮像し、前記照明光の前記標本への入射角度と、前記拡大像における前記標本の形状より定まる所定の位置での像特性との相関を求め、前記相関より前記標本の形状に関連する情報を求めることを特徴とする形状測定方法。
- 光源手段と、前記光源手段からの照明光をある入射角度をもって標本に導くための照明光学系と、前記入射角度を変化させる入射角度可変手段と、前記標本の拡大像を生成する拡大光学系と、前記拡大光学系により生成された前記標本の拡大像を撮像する撮像手段と、前記入射角度と前記拡大像における前記標本の形状より定まる所定の位置での像特性との相関より、前記標本の形状に関連する情報を求める演算手段とを備えることを特徴とする形状測定器。
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