JP5970824B2 - 光干渉観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生物試料などの3次元物体観察、微細な凹凸表面形状測定等に用いられる光干渉観察装置に関する。
従来、生物試料などの3次元構造を観察するには、コンフォーカル顕微鏡やOCT(Optical Coherence Tomography)などが用いられている。コンフォーカル顕微鏡は、高分解能の3次元情報を得ることができるが、3次元的なプローブ走査が必要である。
OCTは、μmオーダーの深さ方向の分解能とmmオーダーの深さ方向の観察範囲という特長を備えており、細胞の三次元構造を観察する有望な技術である(例えば、非特許文献1参照)。OCTは干渉の原理を利用し、光軸方向(Z方向)においては高い分解能を得ることができる。これは光源スペクトルの幅で決まる。フーリエドメイン方式のOCTでは、XY面内をプローブで走査するだけでZ方向に分解した情報を得ることができる。しかしながら、XY面内で高い分解能を得ようとすると、対物レンズのNAを大きくせざるを得ず、一度のXY面内走査で得られるピントずれが少ないZ方向の幅は制限される。したがって、所望のZ方向の領域を観察しようとすると、XY面内の精密な走査とZ方向のステップが必要になる。
上記フーリエドメイン方式には、主に、白色光源に分光器を組み合わせたタイプ、波長走査型光源を用いたタイプがある。タイムドメイン方式のOCTでは、XY面内のプローブ走査に加えて、物体あるいは参照面をZ方向に機械的に走査する必要がある。フルフィールド型のOCTは、空間的にコヒーレントな平面波で照明し、XY面内の2次元走査なしに3次元情報を得ることができる。このタイプのOCTにも、物体あるいは参照面を機械的に走査するタイムドメイン方式、波長走査型光源を用いたフーリエドメイン方式が存在する。
D.huang, EA Swanson, cP Lin, JS Schuman, WG Stinson, W Chang, MR Hee, t Flotte, K Gragory, CA Puliafito and et. al, "Optical coherence tomography" Science Vol.254, No.5035, 1178-1181, 1991
ところで、上記のフルフィールド型OCTにおいてもピントの合致範囲が狭い場合にはZ方向のステップが必要となる。また、フルフィールド型OCTでは平面波を照射するため、試料の散乱ポテンシャルの3次元検出帯域が通常のOCTに比べて狭くなってしまう。また、OCT全般として、落射照明を用いて試料からの後方散乱光を検出しているので、後方散乱の弱い物体の観察や光軸に略平行な面構造、線構造の検出には不向きであるといった問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、広い検出帯域を有するとともに短時間で観察を行うことができる光干渉観察装置を提供することを目的とする。
本発明の光干渉観察装置は、複数の波長の光を放射する光源と、前記光源からの光を被観察物に少なくとも2方向から照射する照明光学系と、前記照明光学系からの光を参照光と照明光とに分岐する光分岐部材と、前記照明光を被観察物に照射することで発生する前記被観察物の構造情報を含んだ測定光と前記参照光とを干渉させ、前記2方向からの照射で発生するそれぞれの前記測定光と前記参照光とが干渉して生じた第一、第二干渉光を検出する検出部と、前記検出部で検出された前記第一干渉光および前記第二干渉光に基づき画像データを生成する画像データ処理部とを備え、前記被観察物の構造を観察することを特徴とする。
また、上記光干渉観察装置においては、前記画像データ処理部は、前記第一干渉光に基づき第一画像データを生成すると共に、前記第二干渉光に基づき第二画像データを生成し、
前記第一及び第二画像データを前記光源の光の波数毎に所定の変換処理を行うことで前記被観察物の構造情報としての物体散乱ポテンシャル情報を生成して前記被観察物の画像データを生成するのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記光源は、前記被観察物に照射される光の波長を走査する波長走査型光源であるのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記照明光学系は、レーザー光源と前記レーザー光源の光を複数に分割するビームスプリッターと前記分割された光を前記被観察部に導く複数の光ファイバーとから構成されているのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記画像データ処理部は、前記第一及び前記第二画像データを前記波数の関数としてフーリエ変換処理するステップと、前記波数ごとの複素振幅分布を算出するステップと、前記複素振幅分布に関して2次元フーリエ変換処理して前記複素振幅分布のスペクトルを求めるステップと、求められた前記複素振幅分布のスペクトルに基づき物体散乱ポテンシャルの3次元スペクトルを求めて合成するステップと、合成した散乱ポテンシャルの3次元スペクトルを3次元逆フーリエ変換処理して前記被観察物の散乱ポテンシャルを求めるステップとから成るのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記照明光学系は、少なくとも2つの方向から前記被観察物を照明するための第一照明部と第二照明部とを備え、前記第一照明部と前記第二照明部とは前記被観察物に対して少なくとも2方向から照明するのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記照明光学系の第一照明部および第二照明部は、該照明光学系の光軸に対して所定の角度をなす前記照明光を射出可能な光学ユニットを有するのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記照明光学系は、落斜照明光学系又は透過照明光学系の少なくとも一方を含むのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記照明光学系は、落斜照明光学系および透過照明光学系を組み合わせることで構成されているのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記光学ユニットは、前記所定の角度の前記照明光を射出する光射出部を複数有するのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記照明光学系は、前記複数の光射出部から前記被観察物に対して前記照明光を異なる方向から同時に射出させるのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記照明光学系は、前記複数の光射出部から前記被観察物に対して前記照明光を異なる方向から時間順次に射出させるのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記複数の光射出部は所定の光路長差を有し、前記複数の光射出部における光路長差を較正する光路長較正部を備えるのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記光路長較正部は、較正用部材の特徴点による干渉光を用いて被観察物位置の座標と画像検出器上の座標関係も較正するのが好ましい。
また、上記光干渉観察装置においては、前記光学ユニットは、照明光を異なる方向に反射させる走査ミラーを含み、前記走査ミラーは、前記照明光のスポットがリング上を移動するように前記照明光を反射させ、前記光源は、前記リング上を移動するスポット位置ごとに所定の波長走査を行うのが好ましい。
本発明によれば、機械的な走査なしに、広い検出帯域を有するとともに短時間で観察を行うことができる。
第1実施形態に係る観察装置の概略構成を示す図。 光源の構成を示した図。 光ファイバー102から照射される照明光で得られる帯域を示す図。 光ファイバー103から照射される照明光で得られる帯域を示す図。 光ファイバー104から照射される照明光で得られる帯域を示す図。 光ファイバー105から照射される照明光で得られる帯域を示す図。 光ファイバー106から照射される照明光で得られる帯域を示す図。 合成によって得られる帯域を示す図。 偏光ビームスプリッターに代えてビームスプリッターを備え、1/4波長板に代えて偏光板を備えた観察装置に係る構成を示す図。 第2実施形態に係る観察装置が備える波長走査型レーザーの概略構成を示す図。 第2実施形態において測定光と参照光との干渉強度を示す図。 図8に示した信号をフーリエ変換したスペクトルを示す図。 第1および第2実施形態の観察装置の変形例に係る構成を示す図。 第3実施形態により付加される透過照明系の構成を示す図。 透過照明による3次元検出帯域を示す図。 落射照明と透過照明とを組み合わせた3次元検出帯域を示す図。 本実施形態における効果を説明するための図。 第4実施形態に係る観察装置の構成を示す図。 光路長差の較正方法を説明するための図。 複数の点光源を形成する別の構成を示す図。
以下、本発明の光干渉観察装置に係る実施形態として3次元観察装置に適用した構成について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
本実施形態に係る観察装置は、波長走査型の光源からの射出光を分岐して複数の照明光と参照光を生成し、照明光で試料を照明し、試料からの後方散乱光(測定光)を参照光との干渉によって検出するフルフィールド型のOCTから構成されるものである。また、本実施形態では、波長走査型光源を用いたフーリエドメイン方式のOCTについて説明する。
図1は第1実施形態に係る観察装置の概略構成を示す図である。図2(a)は光源の構成を示した図であり、図2(b)は各照明光を照射する光ファイバーの位置関係を示す図である。
図1において、光軸方向をZ方向とし、光軸に垂直で紙面に垂直な方向をX方向、紙面内の方向をY方向とする。
図1、2に示されるように、本実施形態に係る観察装置100は、光源(照明光学系)50のレーザー光源部51の光を複数のビームスプリッター(分岐手段)52a〜52fで分割し、光ファイバー(光出射部)101〜106を用いて参照光及び照明光を生成するようになっている。
レーザー光源部51の波長走査の条件の一例としては、例えば試料13として光散乱性の強い生体試料を用いた場合、中心波長800nm、走査幅100nmに設定される。なお、生体試料であっても、散乱が弱い場合は中心波長を近赤外域とする必要は無く、上記波長走査条件は限定されるものではない。
具体的にビームスプリッター52aは、レーザー光源部51に最も近い位置に配置されており、レーザー光源部51から照射された光の一部を透過させることで光ファイバー101〜103に導くとともに、レーザー光源部51から照射された光の一部を反射させることで光ファイバー104〜106に導くようになっている。
ビームスプリッター52bは、ビームスプリッター52aを透過した光の一部を反射させてレンズ53を介して光ファイバー101に導くとともに、それ以外の光を透過させるようになっている。このような構成に基づき、光ファイバー101は、参照光を照射する点光源を構成している。
ビームスプリッター52cは、ビームスプリッター52bを透過した光の一部を反射させることで、レンズ53を介して光ファイバー102に導くとともに、ビームスプリッター52bを透過した光の一部を透過させることでレンズ53を介して光ファイバー103に導くようになっている。
ビームスプリッター52dは、ビームスプリッター52aで反射されたレーザー光源部51からの照射光の一部を透過又は反射させ、ビームスプリッター52f、52eに向かう照射光に分割する。
ビームスプリッター52eはビームスプリッター52dで反射された光を透過及び反射させることで、レンズ53を介して透過光を光ファイバー104に導き、レンズ53を介して反射光を光ファイバー105に導くようになっている。
ビームスプリッター52fはビームスプリッター52dを透過した光を反射させることで光ファイバー106へと導くようになっている。なお、光ファイバー102〜106は、各々が照明光を照射する点光源を構成している。
本実施形態に係る光源50は、図2(a)に示すようにレーザー光源部51及び光ファイバー101間における光路長と、レーザー光源部51及び光ファイバー102〜106間における光路長とが異なっており、レーザー光源部51及び光ファイバー101間における光路長の方が短く設定され、レーザー光源部51及び光ファイバー102〜106間における光路長はそれぞれ同じ値に設定されている。ここで、光ファイバー101〜106は等しい長さのものを用いている。また、光ファイバー102〜106は、図2(b)に示すように、それぞれの照明光が後述のように試料13に対して所定の異なる方向から所定の角度で照射される位置に設けられている。
図1に示したように、光ファイバー101から照射された参照光用の光束は、コリメートレンズ1で光軸に平行な平面波に変換されるようになっている。また、光ファイバー102〜106から照射された照明光用の光束の各々はコリメートレンズ2で、それぞれ光軸に対して所定の角度、方位をもつ平面波に変換されるようになっている。
また、光源50は、光ファイバー101を介してP偏光の直線偏光からなる参照光を照射し、光ファイバー102〜106を介してS偏光の直線偏光からなる照明光を照射するように構成されている。これにより、光ファイバー101から照射された参照光(P偏光)は偏光ビームスプリッター3を透過し、光ファイバー102〜106から照射された照明光の各々(S偏光)は偏光ビームスプリッター3で反射されるようになっている。
また、光ファイバー101から照射された参照光は偏光ビームスプリッター4を透過し、1/4波長板5、対物光学系6を経て参照ミラー7に入射するようになっている。対物光学系6は第1対物レンズ6aおよび第2対物レンズ6bから構成されるものである。
参照ミラー7で反射された光は参照光として、対物光学系6、1/4波長板5を経て偏光ビームスプリッター4に入射するようになっている。そして、参照光は1/4波長板5を2回通過して偏光面が90°回転しているので偏光ビームスプリッター4で反射されるようになっている。
偏光ビームスプリッター4で反射した参照光はリレー光学系8、偏光板9を経て2次元画像検出器(光検出部)10に入射する。2次元画像検出器10は、例えばCCD等から構成されるものである。リレー光学系8は第1リレーレンズ8aおよび第2リレーレンズ8bから構成される。
一方、偏光ビームスプリッター4で反射された各照明光は、1/4波長板11、対物光学系12を経て試料13に入射するようになっている。対物光学系(観察光学系)12は第1対物レンズ12aおよび第2対物レンズ12bから構成される。
試料13からの後方散乱光は測定光となって光路をもどり、偏光ビームスプリッター4を透過して2次元画像検出器10へと入射する。ここで、測定光と参照光とは偏光板9を通ることで干渉する。すなわち、偏光板9は、参照光及び測定光を合成する合成手段を構成している。これにより、2次元画像検出器10には干渉画像が検出されることとなる。なお、全ての照明光の光路長差は既知とされているが、観察装置100は後述のように光路長差を検出し、該光路長差を較正するようにしている。
本実施形態に係る観察装置100は、光源50が不図示のシャッター機構で光ファイバー102〜106を介して照射される5つの照明光を切り換え、各々を別々に試料13に照射可能となっている。
このような構成に基づき、観察装置100は、各測定光及び参照光における干渉画像を2次元画像検出器10が検出し、該2次元画像検出器10に接続された画像処理部40が試料13におけるデータ(干渉強度データ)を取得することができる。画像処理部40は取得したデータに基づいて後述のように試料13の散乱ポテンシャルを算出し、散乱ポテンシャルのデータに基づき試料13の画像を生成し、不図示の表示部に表示させるようになっている。
続いて、本実施形態における画像処理部40によるデータの取得手順について具体的に説明する。
まず、観察装置100は、光源50の不図示のシャッターを制御し、光ファイバー102から照明光を射出させ、他の光ファイバー103〜106からの照明光を遮断する。そして、観察装置100は、この状態で波長走査データのセットを2次元画像検出器10によって取得する。
続いて、観察装置100は、光源50のシャッターの開閉を順次制御することでファイバーを光ファイバー103から光ファイバー106へと切り換えつつ、波長走査データのセットを2次元画像検出器10によって取得する。
ここで、各々の照明光でレーザー光源部51が波長走査してえられた画像データのセットをD(x、y、k)とする。なお、x、yとは2次元画像検出器10上の座標から倍率関係で変換した物体(試料13)上の横座標を表すものである。また、kとは波長走査で変化する光の波数を表すものである。mとは光ファイバー102〜106から照射される各照明光を表し、本実施例ではm=0〜4により表される。
続いて、画像処理部40によるデータ解析方法及び作用について説明する。
まず、座標(x、y)ごとに、Dを波数kでフーリエ変換し、所定のバンドパスフィルターを施して信号成分を抽出し、DC成分、共役成分を除去する。さらに、逆フーリエ変換を施すことによって複素振幅分布U(x、y、k)を算出する。これにより、光波数ごとに分解された複素振幅分布を得ることができる。複素振幅分布U(x、y、k)は、試料の散乱ポテンシャル、照明光の複素振幅分布、瞳関数と式(1)の関係がある。ここで、式(1)中のW(x、y、z)は、試料の散乱ポテンシャル(V(x、y、z))及び照明光の複素振幅分布(Q(x、y、z))の積である。なお、照明光の複素振幅分布Qは、Q(x、y、z)=exp[ik(μx+μy+μz)]で表され、照明光(m=0〜4)に対応したμ、μ、μが適用される。
Figure 0005970824
続いて、較正等によって既知である照明光間の光路長差の影響を補正する。基準とする照明光(m=0)に対する光路長差をδ(m=1〜4)とすると、exp(−ikδ)を複素振幅分布Uに乗算する。
続いて、補正を施したU(x、y、k)をx、yに関して2次元フーリエ変換を行い、複素振幅分布のスペクトルを求める。複素振幅分布のスペクトルは、物体散乱ポテンシャルの3次元スペクトルと下式(2)のような関係になっている。また、下式(3)のν、ν、νの関係式を満たす。この装置で検出される散乱ポテンシャルは、光学系の瞳内を通過する検出光と照明光の波数ベクトルの差に対応した波数ベクトルをもつことになる。
Figure 0005970824
Figure 0005970824
続いて、光の波数、照明光の波数ベクトルを参照しながら、物体散乱ポテンシャルの3次元スペクトルを合成する。この3次元スペクトルの合成においては、各々の照明条件で得られたスペクトルデータから等間隔格子点上のスペクトルデータを補間によって求める。それらを合成する際に、格子点上に1つのスペクトルデータしかない場合にはそのデータを採用し、複数存在する場合には平均値を採用する。さらに、画像処理部40は、合成した散乱ポテンシャルの3次元スペクトルを3次元逆フーリエ変換して、物体の散乱ポテンシャルを求める。合成した3次元スペクトルを下式(4)する。そして、下式(5)の演算を行う。
Figure 0005970824
Figure 0005970824
ところで、本実施形態に係る観察装置100は、光ファイバー102〜106から照射される照明光の方位、角度に対応した3次元検出帯域内の情報を測定できる。図3は光ファイバー102から照射される照明光で得られる3次元検出帯域(物体散乱ポテンシャルの中でこの境界で囲まれた空間周波数領域内の成分が検出される)を示すものである。図3は説明の都合上、左図と右図に分けて2次元的な表現をしている。図3のρ、ρ、ρは、波数ベクトルのx、y、z成分を示す。図3の左図は検出される空間周波数領域のρ断面図(ρ=0)であり、右図はこの空間周波数領域をρの負から正の方向に眺めた矢視図である。よって、図3の3次元検出帯域は、ρ軸を回転中心として左図を回転した駒状の領域となる。
同様に、図4は光ファイバー103から照射される照明光で得られる3次元検出帯域を示すものであり、図5は光ファイバー104から照射される照明光で得られる3次元検出帯域を示すものであり、図6は光ファイバー105から照射される照明光で得られる3次元検出帯域を示すものであり、図7は光ファイバー106から照射される照明光で得られる3次元検出帯域を示すものである。
図3と同様に、図4〜図7のρ、ρ、ρは、波数ベクトルのx、y、z成分を示す。図4および図6の左図はρ断面(ρ=0)を、図5および図7の左図はρ断面(ρ=0)を示している。右図はこの空間周波数領域をρの負から正の方向に眺めた矢視図である。
なお、本実施形態においては、3次元スペクトルの合成において各3次元帯域が重なる部分では平均操作を行ったが、光軸に平行な照明光(m=0)で得られるスペクトルを優先して使用することも可能である。このような合成によって得られる3次元検出帯域は図8に示されるものとなる。図8の左図は合成された検出帯域のρ断面図(ρ=0)を示し、右図は合成された領域をρの負から正の方向に眺めた矢視図である。
ところで、照明光の試料13に対する入射角は、物体(試料13)の散乱ポテンシャルの着目する周波数成分によって選択可能である。すなわち、照明光の入射角を大きくすれば、検出帯域に隙間が生じるものの、高い周波数成分を得ることができる。
一般に物体散乱ポテンシャルの高周波成分ほど小さく、それに相当する信号光が弱くなる傾向があり、本実施形態では入射角の大きな照明光が高周波成分を検出するようになっている。したがって、入射角の大きな照明光の振幅を大きくすることにより、或いは信号の強度に基づいて、照明光の振幅を調整することにより、SN比の改善を図ることも可能である。
以上述べたように、本実施形態に係る観察装置100によれば、試料13に対して光ファイバー102〜106から照明光を順次照射し、照明光の各々により上述のような検出帯域が得られるので、単一点光源照明の場合(図3参照)に比べて広い検出帯域での物体(試料13)の散乱ポテンシャル情報を取得することができる。
なお、上記実施形態では、レーザー光源部51からの射出光を複数(5つ)に分割して照明光を形成したが、レーザー光路を切り換えて複数の照明光を得るようにしてもよい。この場合、レーザーを参照光用と照明光用の2つに分割し、照明光の光路を切り換えればよい。また、5つに分割して照明光を形成したが、照明用光ファイバー(102〜106)は、最低限2つ以上の方向から試料を照明すればよく、少なくとも2つ以上の光ファイバーがあればよい。
また、上記実施形態では、偏光ビームスプリッター4と1/4波長板11、5とを用いて参照光および照明光を分離及び合成する制御を行っているが、偏光ビームスプリッター4及び1/4波長板11、5を用いない構成も適用可能である。
図9は、偏光ビームスプリッター4に代えてビームスプリッター20を備え、1/4波長板11、5に代えて偏光板21、22を備えた観察装置100に係る構成を示す図である。なお、図9に示す構成は、ビームスプリッター20及び偏光板21、22以外の構成については上記実施形態と同様であることから詳細な説明については省略するものとする。
図9に示した構成によれば、上記実施形態に比べて、2次元画像検出器10に入射する光量が減少するものの、同様に広い検出帯域での散乱ポテンシャル情報を得ることができる。
また、光源50の波長走査は、光の波数kが等間隔になるように走査するのが望ましい。例えば波数kの間隔が等間隔から大きくずれてしまう場合、2次元画像データのピクセルごとに、波数kで等間隔になるように干渉強度信号に補間操作を施すようにすればよい。
(第2実施形態)
続いて、観察装置の第2実施形態に係る構成について説明する。本実施形態と上記第1実施形態との違いは、波長走査型レーザーの構成及びデータ解析方法の一部であり、それ以外の構成については同一である。そこで、以下の説明では、第1実施形態と同一の部材及び構成については同じ符号を付し、詳細な説明については省略若しくは簡略化するものとする。
図10は第2実施形態に係る観察装置が備える光源部150の概略構成を示す図である。本実施形態に係る光源部150は、第1実施形態と異なり、各照明光の光路長が、所定の異なる光路長になるように設定されている。また、本実施形態では、シャッターによる照明光の切り換えは行わず、異なる光路長差を付与した各照明光を同時に試料に照明しつつ波長走査を行うようになっている。
本実施形態では、光ファイバー101から照射される参照光と光ファイバー102〜106から照射される各照明光との光路差を9mm、10.5mm、12mm、13.5mm、15mmに設定している。各光ファイバー101〜106の長さを等しくし、図10の様にレンズ53の配置位置の違いによって、光路長差を調整する。この場合、高い波長走査分解能が必要となる。なお、図10に示す構成は、ビームスプリッター52c〜52fとレンズ53との間隔d1〜d5が順次大きくなるように設定される点において図2に示す図とは異なっている。
図11は本実施形態において、試料13で反射された照明光(測定光)と参照光との干渉強度を示す図である。なお、図11における横軸は、光の波数(単位;mm−1)を示し、中心波数を2000mm−1(波長:500nm)とした。また、縦軸は干渉強度を示すものである。
図11は異なる光路長差をもった光の多光束干渉を示し、この信号を波数kでフーリエ変換することで図12に示されるスペクトルが得られる。このように本実施形態においては、多光束干渉の干渉強度をフーリエ変換することで該干渉強度に含まれる試料13からの反射散乱光成分を上記スペクトルとして抽出する。
図12はこの信号を波数kでフーリエ変換したスペクトルを示すものである。なお、図12における横軸は変調周波数を示し、縦軸は信号スペクトルを示している。図12においては、ゼロ周波数近傍の信号はDC成分を示し、低周波の信号は測定光間の干渉成分(異なる照明光による)を示している。
解析に必要な参照光と測定光の干渉成分は比較的高い周波数をもつ5つのピークをもった信号である。そのため、これらの5つの信号成分を個別にバンドパスフィルターで切り出したものは、第1実施形態の解析で得られるものと同じ情報となる。ただし、あらかじめ付与した照明光の光路長差の情報は上述のように既知とされており、その光路長差に対応した補正処理を行うことが前提となる。
具体的には、上述した(数式1)の複素振幅分布U(x、y、k)に対して、較正等によって既知である照明光間の光路長差の影響を補正する。すなわち、基準とする照明光(m=0)に対する光路長差をδ(m=1〜4)とすると、exp(−ikδ)を乗算する。この後のデータ処理については第1実施形態と同様であることから説明を省略する。
なお、例えば参照光の強度を調整することで、この不要な成分(測定光間の干渉成分)を信号成分に対して相対的に低減させるようにしても良い。このように不要な成分を無視することができれば、上述した光路差を0.75mm、2.25mm、3.75mm、5.25mm、6.75mmに設定することができる。これによれば、上述した場合(光路差9mm、10.5mm、12mm、13.5mm、15mmの場合)に比べて低い波長走査分解能が許される。
以上述べたように、本実施形態によれば、第1実施形態と異なり、5つの照明光の切り替え操作を行わずに同時に試料13に対して照射するので、より高速にデータを取得することができる。さらに、後述する照明光の光路長差検出も複数の照明光に対して同時にリアルタイム検出が可能となるため、高精度を得ることができる。
また、上記第2実施形態においては、5つの照明光を同時に照射する場合を例に説明したが、複数の照明光を複数のグループ分け、照明光を照射するグループを順次切り替えるようにしても良い。例えば、5つの照明光の中心に対応する光および周辺の1個に対応する光のグループを4回切り替えて測定しても構わない。また、5つの照明光の中心に対応する光および周辺の2個に対応する光のグループを2回切り替えて測定しても構わない。なお、各グループには5つの照明光の中心部に対応する照明光が常に含まれるようにし、照明光の位相関係を補正する。
続いて、上記実施形態1,2に係る観察装置の変形例について説明する。なお、本変形例は暗視野照明で観察を行う点において上記実施形態と相違しており、それ以外の構成は同一である。図13(a)は本変形例に係る観察装置に係る構成を示す図であり、図13(b)は各照明光を照射する光ファイバーの位置関係を示す図である。なお、図13は図9に係る構成について本変形例を適用した構成を示すものである。
図13(a)においても、光軸方向をZ方向とし、光軸に垂直で紙面に垂直な方向をX方向、紙面内の方向をY方向とする。
本変形例では、図13(a),(b)に示されるように、光軸に平行な照明光(光ファイバー102)を除く光ファイバー103〜106を介して照明光を照射する。そして、リレー光学系8の物体側NA(開口数)を対物光学系6、12の像側NAよりも小さくするようにしている。この状態で、照明光の対物光学系6、12への入射角が、対物光学系の像側NA相当よりも小さく、かつ、リレー光学系8の物体側NA相当よりも大きくなるように設定する(暗視野照明)。このような構成では、図13に示されるように試料13がガラス基板(光軸に垂直)Gなどの試料室で保持されている場合に、試料室のガラス基板G平面からの正反射光を除去することができる。
(第3実施形態)
続いて、観察装置の第3実施形態に係る構成について説明する。本実施形態は、第1実施形態に係る構成に対して透過照明を追加した構成となっており、それ以外の構成については同一である。そこで、以下の説明では、第1実施形態と同一の部材及び構成については同じ符号を付し、詳細な説明については省略若しくは簡略化するものとする。
本実施形態では、光源50の分割数を4つ増やし、透過照明にも所定の入射角で4方位からの照明を行う構成になっている。図14は本実施形態により付加した透過照明系の構成を示す図であり、図14(a)は透過照明系の構成を示した図であり、図14(b)は各透過照明光を照射する光ファイバーの位置関係を示す図である。なお、光学系の屈折率分散の影響を抑えるために、透過照明系についても落射照明系と同じ構成を採用している。図14(a)においても、光軸方向をZ方向とし、光軸に垂直で紙面に垂直な方向をX方向、紙面内の方向をY方向とする。
透過照明系90は、図14(a)に示すように光ファイバー202〜205を介して照射された照明光の光束の各々はコリメートレンズ2で、それぞれ光軸に対して所定の角度、方位をもつ平面波に変換されるようになっている。本実施形態では、光軸と平行な照明光を除いた4方向から光ファイバー202〜205を介して照射するようにしている。
透過照明光は、偏光ビームスプリッター108を反射し、偏光ビームスプリッター109で反射された後、1/4波長板110、対物光学系111を経て試料13を透過する。対物光学系111は第1対物レンズ111aおよび第2対物レンズ111bから構成される。試料13を透過した透過散乱光は、図1に示した対物光学系12、1/4波長板11、偏光ビームスプリッター4、リレー光学系8、及び偏光板9を経て、2次元画像検出器10へと入射する。
ここで、本実施形態に係る透過照明による3次元検出帯域(例えば、光ファイバー203から照射される透過照明光によるもの)を図15に示す。また、本実施形態で得られる落射照明と透過照明とを組み合わせた3次元検出帯域を図16に示す。図15および図16の左図は検出される空間周波数領域のρ断面図(ρ=0)であり、右図はこの空間周波数領域をρの負から正の方向に眺めた図である。
図16に示されるように、落射照明だけの帯域(第1実施形態の図8参照)に比べて、さらに帯域を拡大できることがわかる。本実施形態によれば、例えば試料13として図17に模式的に示したような立体的な細胞を観察した場合に、細胞膜の上面部13aに加えて側面部分13bも検出できるようになる。第1実施形態では、試料13の後方散乱性が弱いときには検出できないものの、透過照明を付加した本実施形態によれば良好な観察を行うことができる。
(第4実施形態)
続いて、観察装置の第4実施形態に係る構成について説明する。本実施形態は上記第1実施形態に対して照明光学系を変更した構成となっており、それ以外の構成については同一である。そこで、以下の説明では、第1実施形態と同一の部材及び構成については同じ符号を付し、詳細な説明については省略若しくは簡略化するものとする。
第1実施形態では、照明光として固定された複数の点光源を用いたが、本実施形態においては、照明光がリング上を回転する走査型光源から照射されるようになっている。図18は本実施形態に係る観察装置300の構成を示す図である。
本実施形態に係る観察装置300では、光源350にてレーザー光源部51の光が参照光用と照明光用とに分割される。光源350は、レーザー光源部51と、該レーザー光源部51から照射された光を参照光用と照明光用とに分離するビームスプリッター(不図示)と、分離後の照明光を照射する光ファイバー301と、分離後の参照光を照射する光ファイバー302と、を含んでいる。
第1実施形態では、照明光用として複数のビームスプリッター52a〜52fにより分離された5つの点光源を用いたが、本実施形態では光ファイバー301から照射された照明光はレンズ303を介して走査ミラーMRで反射される。ここで、走査ミラーMRは、集光レンズ304の焦点面上にリング状のスポットの軌跡を描くように照明光を反射させるようになっている。そして、集光レンズ304を通った光は、コリメートレンズ305で光軸に対して所定の角度、方位をもつ平面波に変換されるようになっている。すなわち、本実施形態では、走査ミラーMRで照明光を反射させることで複数の光ファイバーを用いることなく、上記実施形態と同様に異なる方向から所定角度で試料13に入射する複数種類の照明光を生成することができる。
一方、光ファイバー302から照射された照明光はコリメートレンズ306で光軸に平行な平面波に変換されるようになっている。
このようにして生成された照明光及び参照光は、上記実施形態と同様、干渉画像が2次元画像検出器10によって検出され、観察装置300は試料13におけるデータ(干渉強度データ)を取得することができる。
ここで、リング上の各点ごとに波長走査のデータセットを取得し、データ解析を行う。本実施形態で得られる帯域は、図8に示した中心の帯域を除き、方位をステップ数に応じて増やしたものとなるため、より等方的な検出帯域を得ることができる。なお、リング上を回転する走査型光源を第3実施形態で説明した透過照明系に適用するようにしても構わない。
本実施形態によれば、照明光を走査ミラーMRで反射させることでスポットの軌跡がリング上を移動するため、上記実施形態と同様、光ファイバー301のみを介して複数の照明光を照射することができる。よって、単一点光源照明の場合に比べて広い検出帯域を有する。
以上述べたように、本発明では、上述した実施形態のように、異なる角度、方位の照明光によって得られる散乱光を検出し、物体散乱ポテンシャルのスペクトルを合成するため、照明光間の位相関係が重要となる。そこで、上記実施形態では複数の照明光の光路長差の較正を行っている。以下、較正方法について説明する。
図19は光路長差の較正方法を説明するための図である。光路長差を較正する方法としては、後述する3つの方法を例示することができる。なお、図19は第1実施形態に係る観察装置100の構成を例に挙げて図示している。
第1としては、画像処理部40は、例えば光学系の倍率関係があらかじめ既知の場合に、図19に示される較正用平面ミラー30を設置して波長走査データを取得することで照明角、方位、照明光間の光路長差を抽出することが可能となる。これにより、画像処理部40は光路長差を較正することで高精度かつ高精細な観察を行うことができる。
第2としては、例えば光学系(図1における対物光学系6,12、及びリレー光学系8)の倍率関係が既知で無い場合に、図19に示される較正用リファレンス31を設置して波長走査データを取得することで光路長差を抽出することができる。この較正用リファレンス31は、複数の微小な散乱点を既知の座標に配置したものであり、該較正用リファレンス31に対して光源50から照明光を照射することで散乱点からの散乱光と参照光の干渉光に基づいて光学系の倍率、照明角、方位、照明光間の光路長差を抽出することが可能となる。これにより、画像処理部40は光路長差を較正することで高精度かつ高精細な観察を行うことができる。
第3としては、例えば試料13を一対のガラス基板G間に保持する試料ホルダー33に平面部がある場合には、その平面部を較正用ミラーとして利用するものである。具体的に、平面部33aに複数の微小な散乱点を既知の座標に配置した試料ホルダー33を基準点付きホルダーとして利用し、該平面部33aに対して光源50から照明光を照射することで散乱点からの散乱光と参照光の干渉光に基づいて光学系の倍率、照明角、方位、照明光間の光路長差を抽出することが可能となる。この場合、試料ホルダー33に試料13を保持した状態で光路長差を抽出できるので、リアルタイムでの較正が可能となり、試料13の温度変化などに起因したドリフトの影響を軽減できる。
なお、第2実施形態に示したように複数の角度、方位の照明光を上記試料ホルダー33(平面部33a)に同時に入射するようにすれば、照明光間の光路長差をリアルタイムに検出、較正できるので、より高精度、高精細な観察を行うことができる。本説明では、画像処理部40が光路長差を較正する光路長較正部を兼ねた場合について説明したが、光路長較正部を画像処理部40とは別途に設けるようにしても良いし、観察装置の全体の制御を行う制御部の一部が光路長較正部を構成するようにしても良い。
また、上記実施形態では、生物試料等について3次元観察を行う場合を例に説明したが、本発明は微細な凹凸を含む2次元的な表面形状測定に適用することもできる。このような測定は、5つの照明光を同時に被検面に入射させ、反射光を検出する上記第2実施形態に係る観察装置により実現可能である。なお、光学系のピントは被検面に合わせる。
表面形状測定を行う場合のデータ解析は、第2実施形態と同様、波長走査して得られた画像データセットを、波数kでフーリエ変換して、照明角ごとの干渉信号成分をバンドパスフィルターで別々に抽出し、それぞれを逆フーリエ変換する。これにより、照明角ごと、光の波数ごとの複素振幅分布に分解できる。
続いて、求めた複素振幅分布に照明光間の光路長差の補正を施し、複素振幅分布にXYの2次元フーリエ変換を施す。また、照明角ごとに付与された波数ベクトル分だけスペクトルをシフトして合成する。さらに、逆フーリエ変換を行い、複素振幅分布を求める。求めた複素振幅分布から位相を算出し、被検面の形状を算出する。これら一連の解析処理によって、光の波数ごとに被検面形状の測定値が算出される(波長走査ポイント数分の被検面形状データが得られる)。なお、スペクトル合成時には必要に応じて平均処理を施すことでより高精度な測定結果を得ることができる。
このように第2実施形態に係る観察装置を2次元的な表面形状測定に適用すれば、照明光の切り換えが不要となるため、高速で測定を行うことができる。このとき、被検面形状の検出帯域は、単一点光源照明の場合に比べて帯域が拡大するので、より微細な構造の定量的な測定が可能になる。また、前述の方法により照明光の光路長差を較正するようにすれば、より高精度な計測を行うことができる。
上記実施形態に係る観察装置のように本発明に係る構成を生物試料等の3次元観察に適用した場合は、波長走査(波長幅)、複数角度の照明によって3次元検出帯域の拡大効果を得ることができる。一方、本発明を2次元的な表面形状計測に適用した場合は、波長走査により、DC、信号成分、共役成分の分離、位相分布抽出の効果を得ることができ、2次元的な検出帯域の拡大効果は複数角度の照明によって得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態或いは変形例に係る構成に限定されることは無く、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、波長走査可能な光源50であればレーザー光を用いる必要は無い。
また、上記実施形態では、光源の光ファイバー101(参照光)と光ファイバー102〜106(照明光)とを別の場所に配置して、偏光ビームスプリッター3を介して分岐していたが、これに限ることは無く、同一箇所に配置ができる。具体的には、例えば図1において、光ファイバー101の場所に、光ファイバー101の代わりに光ファイバー102〜106の照明光源を配置し、偏光ビームスプリッター3を外す。そして、参照ミラー7の光軸上の位置を移動して、試料13と所定の光路長差を設けるようにする。このように図1の構成を変更することで、光源(光ファイバー)を一箇所に配置できる。
このとき、光ファイバー102からの射出光を試料13に向かう照明光と参照ミラーに向かう参照光に分岐するために、PBS4に対するS偏光、P偏光の2つの偏光成分を同時に射出するようになっている。例えば、射出光が直線偏光で、その偏光面がPBSのS偏光、P偏光と平行ではない所定の角度を有する状態にする。
光ファイバー102が偏波面保存ファイバーの場合は、例えば、偏波面の方位を回転、調整する機構を付与し、照明光と参照光の強度比を調整できるようにしてもよい。
また、上記変形例の参照ミラー7の光軸上の位置を変更しない場合には、光ファイバー102に偏波面保存ファイバーを用い、伝搬する2つの偏光成分(直交)に光路長差を付与するような構成とすればよい。
また、上記2つの変形例ではPBS4等による偏光制御によって参照光と照明光の分岐を行ったが、偏光を用いずに分岐させることも可能である。この場合、PBS4をBSに置き換え、QWP5、11(両腕)を除いた構成とする。
さらに対物レンズ6(参照腕側)の瞳面上の光ファイバー103〜106の射出点に相当する位置に、これらファイバーから来る光をカットする遮光部材を配置し、光ファイバー102からの光だけが通過するようにする。
また、上記実施形態では、光源50からの光束の分割、引き回しに光ファイバー101〜106を用いたが、レンズアレイ等を用いて複数の点光源を形成するような構成にしてもよい。図20は複数の点光源を形成する別の構成を示す図である。図20に示されるように、マルチレンズアレイ60、ビームスプリッター61、反射ミラー62を組み合わせることで複数の点光源を形成し、コリメートレンズ63で光軸に対して所定の角度、方位の照明光を形成することができる。この場合、反射ミラー62は複数の照明光における光路長がそれぞれ異なるように配置されている。なお、ビームスプリッター61に代えて、偏光ビームスプリッターおよび1/4波長板の組み合わせを用いるようにしても構わない。
また、上記実施例では、波長走査型の光源を使用していたが、これに限られず、例えば、参照面を走査する方式の光干渉観察装置でも良い。
具体的には、下記の通りである。
参照面走査方式の光干渉観察装置は、光源として、波長幅が広く、空間的にコヒーレントな光源が必要である。例えば、波長幅の広いSLDが望ましい。あるいは、白色光源を一旦レンズで集光してPH(ピンホール)を介して、空間コヒーレントを付与した光源が採用できる。その検出器としては、2次元画像センサー(CCD)などである。参照面を光軸方向に等速で走査し、測定光と参照光の干渉強度を検出する。この検出に使用する領域としては、加速−等速−減速の制御で等速部分を使えばよい。また、正弦波状に走査して、等速と見なせる部分を用いることなども可能である。2次元画像センサーのピクセルごとに、「参照面走査距離L」対「干渉強度I」のデータを得る。2次元画像センサーのピクセルごとに上記データをフーリエ変換し、信号成分をバンドパスフィルタで抽出する(DC成分、共役成分は不要)。この抽出した成分が上記式(1)に相当する。周波数をfとすると(fはLだけ走査したときの振動回数)、光の波数kとは次式、
k=2πf/2L
の関係がある。
分母が2Lとなっているのは、往復で光路長が2倍変化するためである。このように、よく知られたフーリエ分光の原理で、光の波数ごとに上記式(1)の情報が得られることになる。なお、上記以外は波長走査のときと同じである。
9…偏光板(合成手段)、12…対物光学系(観察光学系)、30…較正用平面ミラー、31…較正用リファレンス、33…試料ホルダー、40…画像処理部、50,350…光源(照明光学系)、52a〜52f…ビームスプリッター(分岐手段)、90…透過照明系、101〜106…光ファイバー(光出射部)、202〜205…光ファイバー(光出射部)、100,300…観察装置、301,302…光ファイバー

Claims (12)

  1. 複数の波長の光を放射する光源と、
    前記光源から放射された光を参照光と、
    被観察物を異なる方向から照明する少なくとも2つの照明光とに分岐する照明光学系と、
    前記少なくとも2つの照明光を前記被観察物に照射することで発生する測定光と、前記参照光とが干渉して生じた干渉光を検出する検出部と、
    前記検出部で検出された前記干渉光に基づき、前記被観察物の画像データを生成する画像データ処理部とを備え
    前記画像データ処理部は、
    前記検出された干渉光に基づいて前記干渉光に関するデータを生成するステップと、
    前記干渉光に関するデータに基づいて、前記光源の光の波数の関数としてフーリエ変換するステップと、
    前記波数毎の複素振幅分布を算出するステップと、
    前記複素振幅分布に関して2次元フーリエ変換処理して、前記複素振幅分布のスペクトルを求めるステップと、
    前記少なくとも2つの照明光の各々に対応して求められた前記複素振幅分布のスペクトルに基づき、前記被観察物の構造情報としての物体散乱ポテンシャルの3次元スペクトルをそれぞれ求めて合成するステップと、
    合成した物体散乱ポテンシャルの3次元スペクトルを3次元逆フーリエ変換処理して前記被観察物の前記物体散乱ポテンシャルを求めるステップと、
    前記被観察物の前記物体散乱ポテンシャルに基づき、前記被観察物の画像データを生成するステップと、を含む、
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  2. 請求項1に記載の光干渉観察装置において、
    前記少なくとも2つの照明光は、前記被観察物に対して同時に射出される
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  3. 請求項1に記載の光干渉観察装置において、
    前記照明光学系は、前記少なくとも2つの照明光は、前記被観察物に対して時間順次に射出される
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  4. 請求項に記載の光干渉観察装置において、
    前記照明光学系は、前記照明光を異なる方向に反射させる走査ミラーを備え、
    前記走査ミラーは、前記照明光のスポットがリング上を移動するように前記照明光を反射させる
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  5. 請求項1乃至請求項に記載の光干渉観察装置において、
    前記光源は、前記被観察物に照射される光の波長を走査する波長走査型光源である
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  6. 請求項1乃至請求項に記載の光干渉観察装置において、
    前記光源は、白色光源である
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の光干渉観察装置において、
    前記被観察物に対する前記少なくとも2つの照明光の入射角は可変である
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の光干渉観察装置において、
    前記少なくとも2つの照明光は所定の光路長差を有し、
    前記光路長差を較正する光路長較正部を備える
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  9. 請求項に記載の光干渉観察装置において、
    前記光路長較正部は、較正用部材の特徴点による干渉光を用いて被観察物位置の座標と画像検出器上の座標関係も較正する
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  10. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の光干渉観察装置において、
    前記照明光学系は、前記光源からの光を前記参照光と前記照明光とに分岐する第1のビームスプリッターと、
    前記照明光を前記少なくとも2つの照明光に分岐する第2のビームスプリッターと、
    前記第1および第2のビームスプリッターにより分岐された光を前記被観察物に導く複数の光ファイバーと、を備える
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  11. 請求項1乃至請求項1のいずれか1項に記載の光干渉観察装置において、
    前記照明光学系は、落斜照明光学系又は透過照明光学系の少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
  12. 請求項1乃至請求項1のいずれか1項に記載の光干渉観察装置において、
    前記照明光学系は、落斜照明光学系および透過照明光学系を含む、
    ことを特徴とする光干渉観察装置。
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