JP3860137B2 - スターリング機関およびその製造方法 - Google Patents

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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスターリング機関の製造方法に関し、特に、ピストンとディスプレーサの往復運動に伴う作動ガスの圧縮/膨張を利用して低温/高温または電力または動力を得るスターリング機関およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スターリング機関の従来例としては、たとえば、特開2000−39222号公報(従来例1)に示されたものなどが挙げられる。
【0003】
以下に、従来例1におけるスターリング機関の構成について、図2および図3を用いて説明する。
【0004】
従来例1におけるスターリング機関は、図2および図3に示すように、シリンダ3の内側面(シリンダ摺動面3a)を滑らかに往復摺動するピストン1とディスプレーサ2とを備える。ピストン1とディスプレーサ2とは同軸上に配設されており、ディスプレーサ2の一端を形成するロッド2aは、ピストン1の中心部に設けられた摺動穴1bを貫通している。なお、ピストン1およびディスプレーサ2は、各々ピストン支持バネ5およびディスプレーサ支持バネ6を介して圧力容器4に弾性支持されている。
【0005】
圧力容器4の内部空間は、ピストン1によって2つの空間に分割されている。該空間の一方は、ピストン1から見てディスプレーサ2側にある作動空間7であり、他方は、ピストン1から見て作動空間7とは反対側、すなわちシリンダ3の後端側にある背面空間8である。これらの空間には、高圧ヘリウムガスなどの作動媒体が充填されている。
【0006】
また、作動空間7は、ディスプレーサ2によってさらに2つの空間に分割されている。該空間の一方は、ピストン1とディスプレーサ2とによって挟まれた圧縮空間7aであり、他方は、ディスプレーサ2から見て圧縮空間7aとは反対側、すなわちシリンダ3の先端側にある膨張空間7bである。なお、両作動空間7a,7bは、再生器9を介して連結されている。
【0007】
ピストン1は、駆動部としてのリニアモータ10によって駆動され、所定周期で往復運動する。これにより、作動媒体は作動空間7内で圧縮/膨張される。ディスプレーサ2は、作動媒体の圧縮/膨張に伴う圧力変化によって、直線的に往復運動する。このとき、ピストン1とディスプレーサ2とは、所定の位相差をもって同一周期にて往復運動することになる。
【0008】
上記構成から成るスターリング機関において、シリンダ摺動面3aとピストン摺動面1aとの間、およびロッド2aと摺動穴1bとの間には、作動空間7と背面空間8とを遮断するガスシールが施されている。なお、該ガスシールは、接触する部材間にシールリングを設けたり、両部材を高精度に嵌合したりすることで実現されている。
【0009】
しかしながら、どのようなガスシールを施しても、作動空間7と背面空間8とを完全に遮断することはできず、作動媒体が微小な隙間を介して両空間を流動することは避けられない。そのため、ピストン1が作動空間7方向に運動しているときには、圧縮空間7aの圧力が背面空間8の圧力よりも高くなり、作動媒体は圧縮空間7aから背面空間8へと流動する。逆に、ピストン1が背面空間8方向に運動しているときには、圧縮空間7aの圧力が背面空間8の圧力よりも低くなり、作動媒体は背面空間8から圧縮空間7aへと流動する。
【0010】
ここで、背面空間8の容積が圧縮空間7aの容積よりも大きいため、圧縮空間7aと背面空間8との圧力差は、ピストン1が背面空間8方向に運動しているときより、作動空間7方向に運動しているときの方が大きくなる。そのため、圧縮空間7aの作動媒体は、ピストン1の往復運動1サイクル毎に少しずつ背面空間8へと流出していくことになる。このような状況を放置しておくと、背面空間8の圧力が徐々に高くなるため、ピストン1の振幅中心位置が初期位置から作動空間7側にずれて、ピストン1が物理的な運動限界位置に達したり、ピストン1とディスプレーサ2とが衝突したり、ディスプレーサ2が圧力容器4に衝突したりするおそれがある。
【0011】
これに対し、従来例1においては、作動空間7と背面空間8との圧力バランスを保つことでピストンの振幅中心位置ずれを抑えるために、シリンダ3に、背面空間8とシリンダ摺動面3aとを結ぶ第1の通路3bを設け、ピストン1に、圧縮空間7aとピストン摺動面1aとを結ぶ第2の通路1cを設けている。ここで、一般的には、第1の通路3bの開口部3c(シリンダ摺動面3a側)と、第2の通路1cの開口部1d(ピストン摺動面1a側)とは、ピストン1が予め設定された初期の振幅中心位置に位置した時に対向するように配設される。
【0012】
しかしながら、上記のような通路を設けたとしても、実際にピストン1を作動させた際に、作動空間7と背面空間8との圧力差が十分に緩和されず、背面空間8の方が作動空間7よりも圧力が高くなる場合がある。この結果、ピストン1の振幅中心位置が初期位置から作動空間7側にずれることとなる。
【0013】
これに対し、第1の通路3bと第2の通路1cとをピストン1の初期の振幅中心位置よりも背面空間8側で連通させることで、ピストン1の振幅中心位置のずれを抑える構造が考えられる。この構造においては、作動空間7と背面空間8とが、作動空間7側の圧力が低い状態で連通するので、作動空間7と背面空間8との圧力差を緩和する効果を高めることができる。
【0014】
図2は、上記のスターリング機関を、シリンダ3が水平となる方向に設置した場合を示す断面図である。また、図3は、図2に示すスターリング機関を、背面空間8が下側となる方向に設置した場合を示す断面図である。図2において、ピストン1の開口部1dは、シリンダ3の開口部3cよりも作動空間7側に位置する。また、図3においては、スターリング機構をピストン1の駆動方向が鉛直を向くように設置した結果、ピストン1は重力によって背面空間8側に移動し、開口部1dが図2の場合と比べて背面空間8側に移動しているが、該開口部1dは依然として開口部3cよりも作動空間7側に位置する。
【0015】
なお、上記の往復運動の結果、たとえばシリンダ3の先端のコールドヘッドにおいて冷熱の発生がなされるなどの効果が得られる。この冷熱の発生原理などの逆スターリング熱サイクルに関しては、一般によく知られているので、ここでは説明を省略する。
【0016】
【特許文献1】
特開2000−39222号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなスターリング機関においては、下記のような問題があった。
【0018】
上記のスターリング機関の製造工程において、圧縮空間7aおよび膨張空間7bと、背面空間8とに作動媒体を封入する際は、作動媒体を圧力容器4に設置された封入口12から封入する。
【0019】
ここで、たとえば図2および図3に示すように、ピストン1の開口部1dが、シリンダ3の開口部3cよりも作動空間7側にある状態で、装置構成が複雑でない背面空間8側に作動媒体の封入口12を設けた場合、背面空間8側から作動媒体を封入する際に、背面空間8側から作動空間7側への作動媒体の通路が確保されず、ピストン1が作動空間7側に過大に移動して、ピストン支持バネ5の破損などの結果を招くこととなる。
【0020】
これに対し、作動媒体を低いガス圧によって徐々に封入することで、上記のガスシールの隙間から作動媒体を作動空間7側に移動させる封入方法が考えられる。
【0021】
しかしながら、上記のような封入方法においては、作動媒体ガスの封入作業に非常に時間がかかることになる。
【0022】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、簡便な工程で、作動媒体封入時にピストンが過度に移動することを防止することが可能なスターリング機関およびその製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスターリング機関の製造方法は、1つの局面では、圧力容器内にシリンダとピストンとディスプレーサとを具備し、ピストンに対してディスプレーサ側に作動空間、ピストンに対して作動空間の反対側に背面空間を有し、シリンダに該シリンダの内周面と背面空間と結ぶ第1の通路を設け、ピストンに該ピストンの外周面と作動空間とを結ぶ第2の通路を設け、背面空間または作動空間に連通する作動媒体封入口を備えたスターリング機関の製造方法であって、圧力容器内にシリンダとピストンとディスプレーサとを組み込む工程と、第2の通路におけるピストンの外周面側の開口を、第1の通路におけるシリンダの内周面側の開口に対して作動媒体封入口が連通する空間側に移動させてから圧力容器内に作動媒体を封入する工程と、を有する。
【0024】
これにより、作動媒体封入時に、封入された作動媒体の圧力によってピストンを移動させ、ピストンによって隔てられた背面空間と作動空間との間の作動媒体の通路を確保することができるので、作動媒体封入を短時間に行なうことができる。
【0025】
本発明に係るスターリング機関の製造方法は、他の局面では、圧力容器内にシリンダとピストンとディスプレーサとを具備し、ピストンに対してディスプレーサ側に作動空間、ピストンに対して作動空間の反対側に背面空間を有し、シリンダに該シリンダの内周面と背面空間と結ぶ第1の通路を設け、ピストンに該ピストンの外周面と作動空間とを結ぶ第2の通路を設け、背面空間または作動空間に連通する作動媒体封入口を備えたスターリング機関の製造方法であって、圧力容器内にシリンダとピストンとディスプレーサとを組み込む工程と、第2の通路におけるピストンの外周面側の開口を、第1の通路におけるシリンダの内周面側の開口に対して作動媒体封入口が連通しない空間側に移動させてから圧力容器内のガスを排気した後に、第2の通路におけるピストンの外周面側の開口を、第1の通路におけるシリンダの内周面側の開口に対して作動媒体封入口が連通する空間側に移動させてから圧力容器内に作動媒体を封入する工程と、を有する。
【0026】
これにより、作動媒体封入工程を行なう前に、短時間で圧力容器内のガスを吸引して水分を除去することができる。
【0027】
ここで、1つの局面では、ピストンを駆動するリニアモータに所定電圧を印加して、ピストンを移動させることが好ましい。
【0028】
また、他の局面では、ピストンに重力を作用させて該ピストンを移動させてもよい。
【0029】
これにより、ガスの排気または作動媒体封入時にピストンによって隔てられた背面空間と作動空間との間の作動媒体の通路を確保することができる。
【0030】
本発明に係るスターリング機関は、圧力容器と、該圧力容器内に配置されたシリンダと、シリンダ内を往復動可能に配置されたピストンと、シリンダ内においてピストンに対向するディスプレーサと、ピストンを駆動するリニアモータとを備えたスターリング機関であって、ピストンに対してディスプレーサ側に作動空間、ピストンに対して作動空間の反対側に背面空間が形成され、シリンダに該シリンダの内周面と背面空間とを結ぶ第1の通路が設けられ、ピストンに該ピストンの外周面と作動空間とを結ぶ第2の通路が設けられ、スターリング機関は、背面空間または作動空間に連通する作動媒体封入口と、作動媒体の封入時に、リニアモータを制御して、第2の通路におけるピストンの外周面側の開口を、第1の通路におけるシリンダの内周面側の開口に対して作動媒体封入口が連通する空間側に移動させる制御手段とを備える。
【0031】
これにより、作動媒体封入時にピストンによって隔てられた背面空間と作動空間との間の作動媒体の通路を確保することができるので、作動媒体封入を簡便な工程で行なうことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に基づくスターリング機関およびその製造方法の実施の形態について説明する。
【0035】
図1は、本実施の形態に係るスターリング機関の断面図である。
本実施の形態に係るスターリング機関は、図1に示すように、圧力容器4と、圧力容器4内に配置された第1の通路3bを有するシリンダ3と、シリンダ3内を往復動可能に配置され、第2の通路1cを有するピストン1と、シリンダ3内においてピストン1に対向するディスプレーサ2と、ピストン1に電磁力を作用させて駆動するリニアモータ10と、圧力容器4内に封入された作動媒体と、リニアモータ10に接続され、作動媒体封入時にリニアモータ10を駆動制御して、第1および第2の通路3b,1cを連通させる制御手段としてのコントローラ11とを備える。
【0036】
また、上記のスターリング機関の製造方法は、圧力容器4内に第1の通路3bを有するシリンダ3と、第2の通路1cを有するピストン1と、シリンダ3内においてピストン1に対向するディスプレーサ2とを組み付ける工程と、ピストン1に第1および第2の通路3b,1cを連通させるような力を作用させながら、作動媒体を封入する工程とを備える。なお、第1および第2の通路を連通させる力は、ピストン1を駆動するリニアモータ10を用いて作用させるが、この手段については、たとえば重力など他の手段に置換することが可能である。また、作動媒体は、圧力容器4の壁面に設置された封入口12から封入される。
【0037】
圧力容器4の内部空間は、ピストン1によって2つの空間に分割されている。該空間の一方は、ピストン1から見てディスプレーサ2側にある作動空間7であり、他方は、ピストン1から見て作動空間7とは反対側、すなわちシリンダ3の後端側にある背面空間8である。これらの空間には、高圧ヘリウムガスなどの作動媒体が充填されている。
【0038】
また、作動空間7は、ディスプレーサ2によってさらに2つの空間に分割されている。該空間の一方は、ピストン1とディスプレーサ2によって挟まれた圧縮空間7aであり、他方は、ディスプレーサ2から見て圧縮空間7aとは反対側、すなわちシリンダ3の先端側にある膨張空間7bである。なお、両作動空間7a,7bは、再生器9を介して連結されている。
【0039】
ピストン1およびディスプレーサ2は、シリンダ3の内側面(シリンダ摺動面3a)を滑らかに往復摺動する。ピストン1とディスプレーサ2とは同軸上に配設されており、ディスプレーサ2の一端を形成するロッド2aは、ピストン1の中心部に設けられた摺動穴1bを貫通している。なお、ピストン1およびディスプレーサ2は、各々ピストン支持バネ5およびディスプレーサ支持バネ6に弾性支持されている。
【0040】
ここで、シリンダ摺動面3aとピストン摺動面1aとの間、およびロッド2aと摺動穴1bとの間には、接触する部材間にシールリングを設けたり、両部材を高精度に嵌合したりすることにより、作動空間7と背面空間8とを遮断するガスシールが施されている。なお、該ガスシールは、作動空間7と背面空間8を完全には遮断せず、スターリング機関動作時には、作動媒体が微小な隙間を介して両空間を流動する。
【0041】
上記の作動媒体の流動に対し、作動空間7と背面空間8との圧力バランスを保つことでピストンの振幅中心位置ずれを抑えるために、シリンダ3に、背面空間8とシリンダ摺動面3aとを結ぶ第1の通路3bを設け、ピストン1に、圧縮空間7aとピストン摺動面1aとを結ぶ第2の通路1cを設けている。
【0042】
しかしながら、スターリング機関を実際に動作させた際は、従来例1の説明において述べたとおり、背面空間8の方が作動空間7よりも圧力が高くなる傾向にあるため、第1の通路3bの開口部3c(シリンダ摺動面3a側)と、第2の通路1cの開口部1d(ピストン摺動面1a側)とが、ピストン1が初期の振幅中心位置よりも背面空間8側にある時に対向する位置関係(振幅中心位置において、ピストン1の開口部1dがシリンダ3の開口部3cよりも作動空間7側にある状態)で設置されている。この結果、第1の通路3bと第2の通路1cとがピストン1の初期の振幅中心位置よりも背面空間8側で連通し、上記の圧力差を緩和させることができる。
【0043】
この状態で、装置構成が複雑でない背面空間8側に作動媒体の封入口12を設けた場合、背面空間8側から作動媒体を封入する際に、背面空間8側から作動空間7側への作動媒体の通路が確保されず、背面空間8内の圧力が作動空間7内の圧力よりも大きくなり、ピストン1が作動空間7側に過大に移動する。
【0044】
これに対し、本実施の形態に係るスターリング機関は、リニアモータ10によって、第2の通路1cの開口部1d(ピストン摺動面1a側)が、第1の通路3bの開口部3c(シリンダ摺動面3a側)に対向するようにピストン1を移動させることができる。なお、移動後のピストン1の位置は、リニアモータ10に印加する電圧をコントローラ11によって変化させることができ、任意の位置に制御することが可能である。
【0045】
これにより、作動媒体封入時に第1および第2の通路3b,1cを連通させ、ピストン1によって隔てられた背面空間8と作動空間7との間の作動媒体の通路を確保することができるので、作動媒体封入を短時間で行なうことができる。
【0046】
また、上記の作動媒体の封入前に、圧力容器4内部の水分を除去する目的で、該圧力容器4内のガスを排気する工程を実施する場合がある。
【0047】
この場合においても、上記と同様に、ピストン1にリニアモータ10による電磁力を作用させて第1および第2の通路3b,1cを連通させながら、圧力容器4内のガスを排気する。なお、該排気工程における作動媒体の吸引部としては、上記の封入口12を兼用するようにしてもよいし、別途排気口を設けてもよい。
【0048】
これにより、作動媒体封入工程を行なう前に、短時間で圧力容器4内のガスを吸引して、水分を除去することができる。
【0049】
なお、上記の電磁力は、必ずしも第1および第2の通路3b,1cを完全に連通させるものではなく、たとえば、背面空間8側に封入口12を設けた時に、ピストン1の初期の振幅中心位置において、ピストン1の開口部1dがシリンダ3の開口部3cよりも作動空間7側にある状態であったものを、該電磁力の作用により、作動媒体封入時に、開口部1dが開口部3cよりも背面空間8側にある状態にするものであってもよい。
【0050】
この場合、封入された作動媒体によって、背面空間8内の圧力が作動空間7内の圧力よりも大きくなり、作動媒体の封入に伴って、ピストン1が作動空間7側に移動する。この結果、第1および第2の通路3b,1cが連通する。
【0051】
また、背面空間8側に封入口12を設けた時に、ピストン1の初期の振幅中心位置において、ピストン1の開口部1dがシリンダ3の開口部3cよりも背面空間8側にある状態であったものを、上記の電磁力の作用により、圧力容器4内のガスを排気する際に、開口部1dが開口部3cよりも作動空間7側にある状態にするケースについても上記と同様の効果を奏する。
【0052】
なお、リニアモータ10としては、直流励磁による励磁が例として挙げられる。このとき、励磁によるピストン1の移動量は、印加電圧の大きさにほぼ比例する。したがって、コントローラ11を用いてリニアモータ10に印加する直流電圧の大きさを制御することで、第1および第2の通路3b,1cを連通させた状態でピストン1を静止させることができ、第1および第2の通路3b,1cを継続的に連通させることができる。
【0053】
上述のスターリング機関の製造方法の変形例としては、ピストン1の往復駆動方向に重力を作用させて、第1および第2の通路3b,1cを連通させる方法が考えられる。
【0054】
この方法が適用可能なスターリング機関としては、たとえば、封入口12を背面空間8側に設けた場合において、ピストン1の駆動方向が鉛直を向くようにスターリング機関を配置したときに、第2の通路1cの開口部1dが第1の通路3bの開口部3cと対向するか、あるいは、開口部3cよりも背面空間8側(封入口12を有する空間側)に位置するようなものが挙げられる。なお、このようなスターリング機関については、ピストン1の重量と、ピストン支持バネ5のバネ定数と、第1および第2の通路3b,1cのオフセット量とを調整することによって得ることができる。
【0055】
これにより、作動媒体封入時に、封入された作動媒体の圧力によってピストン1が背面空間8側から作動空間7側に移動することによって、第1および第2の通路3b,1cが連通し、ピストン1によって隔てられた背面空間8と作動空間7との間の作動媒体の通路を確保することができるので、作動媒体封入を短時間で行なうことができる。
【0056】
なお、上記の様に調整された値の具体例としては、たとえば、ピストン1の重量が0.3kgf、ピストン支持バネ5のバネ定数が1500N/m、第1および第2の通路3b,1cのオフセット量が2mm以下である場合などが挙げられる。ここで、オフセット量とは、ピストン1の駆動方向が水平となるようにスターリング機関を設置した際に、シリンダ3の開口部3cがピストン1の開口部1dよりも背面空間8側にオフセットされている量を示す。
【0057】
また、以上においては、封入口12が背面空間8側にある場合についてのみ説明したが、該封入口12が作動空間7側にある場合についても、励磁力の方向を逆にしたり、ピストン1の重量やピストン支持バネ5のバネ定数を調整して、ピストン1を上記と逆向きに移動させることで、上記と同様の効果を得ることが可能である。
【0058】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、ピストンに力を加えて移動させ、作動媒体封入時の該作動媒体の通路を確保することができるので、作動媒体封入時にピストンが過度に移動することを防止しつつ、短時間で作動媒体を封入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1つの実施の形態に係るスターリング機関の断面図である。
【図2】 従来のスターリング機関の断面図である。
【図3】 従来のスターリング機関の断面図(背面空間側を下側にして縦置きした場合)である。
【符号の説明】
1 ピストン、1a ピストン摺動面、1b 摺動穴、1c 第2の通路、1d 開口部(第2の通路)、2 ディスプレーサ、2a ロッド、3 シリンダ、3a シリンダ摺動面、3b 第1の通路、3c 開口部(第1の通路)、4圧力容器、5 ピストン支持バネ、6 ディスプレーサ支持バネ、7 作動空間、7a 圧縮空間、7b 膨張空間、8 背面空間、9 再生器、10 リニアモータ、11 コントローラ、12 封入口。

Claims (5)

  1. 圧力容器内にシリンダとピストンとディスプレーサとを具備し、前記ピストンに対して前記ディスプレーサ側に作動空間、該作動空間の反対側に背面空間を有し、前記シリンダに該シリンダの内周面と前記背面空間とを結ぶ第1の通路を設け、前記ピストンに該ピストンの外周面と前記作動空間とを結ぶ第2の通路を設け、前記背面空間または前記作動空間に連通する作動媒体封入口を備えたスターリング機関の製造方法であって、
    前記圧力容器内に前記シリンダと前記ピストンと前記ディスプレーサとを組み込む工程と、
    前記第2の通路における前記ピストンの前記外周面側の開口を、前記第1の通路における前記シリンダの前記内周面側の開口に対して前記作動媒体封入口が連通する空間側に移動させてから前記圧力容器内に作動媒体を封入する工程とを有するスターリング機関の製造方法。
  2. 圧力容器内にシリンダとピストンとディスプレーサとを具備し、前記ピストンに対して前記ディスプレーサ側に作動空間、該作動空間の反対側に背面空間を有し、前記シリンダに該シリンダの内周面と前記背面空間とを結ぶ第1の通路を設け、前記ピストンに該ピストンの外周面と前記作動空間とを結ぶ第2の通路を設け、前記背面空間または前記作動空間に連通する作動媒体封入口を備えたスターリング機関の製造方法であって、
    前記圧力容器内に前記シリンダと前記ピストンと前記ディスプレーサとを組み込む工程と、
    前記第2の通路における前記ピストンの前記外周面側の開口を、前記第1の通路における前記シリンダの前記内周面側の開口に対して前記作動媒体封入口が連通しない空間側に移動させてから前記圧力容器内のガスを排気した後に、前記第2の通路における前記ピストンの前記外周面側の開口を、前記第1の通路における前記シリンダの前記内周面側の開口に対して前記作動媒体封入口が連通する空間側に移動させてから前記圧力容器内に作動媒体を封入する工程とを有するスターリング機関の製造方法。
  3. 前記ピストンを駆動するリニアモータに所定電圧を印加して、前記ピストンを移動させる、請求項1または請求項2に記載のスターリング機関の製造方法。
  4. 前記ピストンに重力を作用させて該ピストンを移動させる、請求項1または請求項2に記載のスターリング機関の製造方法。
  5. 圧力容器と、
    該圧力容器内に配置されたシリンダと、
    前記シリンダ内を往復動可能に配置されたピストンと、
    前記シリンダ内において前記ピストンに対向するディスプレーサと、
    前記ピストンを駆動するリニアモータとを備えたスターリング機関であって、
    前記ピストンに対して前記ディスプレーサ側に作動空間、前記ピストンに対して前記作動空間の反対側に背面空間が形成され、
    前記シリンダに該シリンダの内周面と前記背面空間とを結ぶ第1の通路が設けられ、
    前記ピストンに該ピストンの外周面と前記作動空間とを結ぶ第2の通路が設けられ、
    前記スターリング機関は、
    前記背面空間または前記作動空間に連通する作動媒体封入口と、
    前記作動媒体の封入時に、前記リニアモータを制御して、前記第2の通路における前記ピストンの前記外周面側の開口を、前記第1の通路における前記シリンダの前記内周面側の開口に対して作動媒体封入口が連通する空間側に移動させる制御手段とを備えたスターリング機関。
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