JP3862662B2 - スターリング機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストンとディスプレーサの往復運動に伴う作動ガスの圧縮・膨張を利用して低温・高温または電力・動力を得るスターリング機関に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8はスターリング機関のひとつであるスターリング冷凍機の一従来構成を示す概略断面図である。本図に示すスターリング冷凍機は、シリンダ3の内側面(シリンダ摺動面3a)を滑らかに往復摺動するピストン1とディスプレーサ2を有して成る。ピストン1とディスプレーサ2は同軸上に配設されており、ディスプレーサ2の一端を形成するロッド2aは、ピストン1の中心部に設けられた摺動穴1bを貫通している。なお、ピストン1およびディスプレーサ2は、各々ピストン支持バネ5およびディスプレーサ支持バネ6を介して圧力容器4に弾性支持されている。
【0003】
圧力容器4の内部空間は、ピストン1によって2つの空間に分割されている。一方は、ピストン1から見てディスプレーサ2側にある作動空間7であり、他方は、ピストン1から見て作動空間7とは反対側、すなわちシリンダ3の末端側にある背面空間8である。これらの空間には、高圧ヘリウムガス等の作動媒体が充填されている。また、作動空間7は、ディスプレーサ2によってさらに2つの空間に分割されている。一方は、ピストン1とディスプレーサ2によって挟まれた第1作動空間7a(圧縮空間)であり、他方は、ディスプレーサ2から見て第1作動空間7aとは反対側、すなわちシリンダ3の先端側にある第2作動空間7b(膨張空間)である。なお、両作動空間は、再生器9を介して連結されている。
【0004】
ピストン1は、リニアモータ等の図示しない駆動部によって、所定周期で往復運動される。これにより、作動媒体は作動空間7内で圧縮・膨張される。ディスプレーサ2は、作動媒体の圧縮・膨張に伴う圧力変化によって、直線的に往復運動される。このとき、ピストン1とディスプレーサ2は、所定の位相差をもって同一周期にて往復運動することになる。
【0005】
なお、上記構成から成るスターリング冷凍機において、シリンダ摺動面3aとピストン摺動面1aとの間、およびロッド2aとピストン摺動穴1bとの間には、作動空間7と背面空間8とを遮断するガスシールが施されている。なお、該ガスシールは、接触する部材間にシールリングを設けたり、両部材を高精度に嵌合したりすることで実現されている。
【0006】
しかしながら、どのようなガスシールを施しても、作動空間7と背面空間8を完全に遮断することはできず、作動媒体が微小な隙間を介して両空間を流動することは避けられない。そのため、ピストン1が作動空間7方向に運動しているときには、第1作動空間7aの圧力が背面空間8の圧力よりも高くなり、作動媒体は第1作動空間7aから背面空間8へと流動する。逆に、ピストン1が背面空間8方向に運動しているときには、第1作動空間7aの圧力が背面空間8の圧力よりも低くなり、作動媒体は背面空間8から第1作動空間7aへと流動する。
【0007】
ここで、第1作動空間7aと背面空間8との圧力差は、ピストン1が背面空間8方向に運動しているときより、作動空間7方向に運動しているときの方が大きい。そのため、第1作動空間7aの作動媒体は、ピストン1の往復運動1サイクル毎に少しずつ背面空間8へと流出していくことになる。このような状況を放置しておくと、背面空間8の圧力が徐々に高くなるため、ピストン1の往復運動中心位置が初期位置から作動空間7側にずれて、ピストン1が物理的な運動限界位置に達したり、ピストン1とディスプレーサ2が衝突したり、ディスプレーサ2が圧力容器4に衝突したりするおそれがある。
【0008】
そこで、特許文献1に、作動空間と背面空間との圧力バランスを保つことでピストンの往復運動中心位置ずれを抑える技術が開示されている。図9は特許文献1に開示されたスターリング冷凍機の構成を示す概略断面図である。本図に示すスターリング冷凍機において、ピストン1は、第1作動空間7aとピストン摺動面1aを結ぶ第1流路1cを有しており、シリンダ3は、背面空間8とシリンダ摺動面3aを結ぶ第2流路3bを有している。なお、第1流路1cの開口部1d(ピストン摺動面1a側)と、第2流路3bの開口部3c(シリンダ摺動面3a側)は、ピストン1が初期の往復運動中心位置にあるときだけ対向するように配設されている。
【0009】
しかしながら、出願人が特願2002−259854で問題提起したように、このような流路を設けたとしても実際には背面空間8の方が作動空間7よりも圧力が高くなり、ピストン1の往復運動中心位置が初期位置から作動空間7側にずれる。
【0010】
そこで、上記の問題を解決する技術として、出願人は特願2002−259854において、第1流路1cと第2流路3bをピストン1の初期の往復運動中心位置よりも背面空間8側で連通させることでピストン1の往復運動中心位置ずれを抑える技術を提案している。図10は、特願2002−259854に記載したスターリング冷凍機の構成を示す概略断面図である。本図に示すスターリング冷凍機において、ピストン1は、第1作動空間7aとピストン摺動面1aを連通する第1流路1cを有しており、シリンダ3は、背面空間8とシリンダ摺動面3aを連通する第2流路3bを有している。なお、第1流路1cのピストン摺動面1a側の開口部(以下、第1流路開口部1dと称する)と、第2流路3bのシリンダ摺動面3a側の開口部3c(以下、第2流路開口部3cと称する)は、ピストン1が初期の往復運動中心位置よりも背面空間8側にあるときだけ対向するように配設されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−039222号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、特願2002−259854に記載したスターリング冷凍機であれば、ピストン1の初期の往復運動中心位置近傍で、ピストン1の往復運動1サイクル毎に第1作動空間7aから背面空間8へ流動する作動媒体流量と、背面空間8から第1作動空間7aへ流動する作動媒体流量を平衡させることができる。
【0013】
しかしながら、上記構成から成るスターリング冷凍機の組立時に、第1流路開口部1dが第2流路開口部3cに対して作動空間7側にあった場合に、作動媒体を封入する作業を開始すると作動媒体を作動空間に円滑に流入できなくなり新たな問題を生じることがある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、背面空間8に設けた作動媒体流入口(図示せず)から作動媒体を封入する作業を開始すると、背面空間8から作動空間7側に作動媒体が流動する流路が無いため、作動空間7に作動媒体が流入できず、背面空間8内の作動媒体の圧力上昇が開始する。そして、ピストン1はその圧力上昇の影響を受けて作動空間7側へ移動することになるが、第1流路開口部1dと第2流路開口部3cとが対向することがないため、ピストン1の作動空間7側への移動は継続され、ピストン1が物理的な運動限界位置に達し、ピストン1やピストン支持バネ5が破損するという問題があった。
【0015】
なお、上述の特願2002−259854に記載したスターリング冷凍機では、図11のように第1流路1cと第2流路3bがピストン1の初期の往復運動中心位置よりも背面空間8側で連通し、且つピストン1の初期の往復運動中心位置でも連通する構成も提案している。
【0016】
しかしながら、上記構成から成るスターリング冷凍機でも、スターリング冷凍機の作動媒体の封入作業において、図12のようにピストン1の初期位置がピストン1の自重等の原因によって作動空間7側にずれていると、第1流路開口部1dと第2流路開口部3cとが対向せず、背面空間8側から作動媒体を封入すると、作動空間7側に作動媒体が流動する流路が無く、ピストン1が作動空間7側に押されることによって、ピストン1が物理的な運動限界位置に達し、ピストン1やピストン支持バネ5が破損するという問題があった。
【0017】
本発明は、上記の問題点に鑑み、スターリング機関の組立時におけるピストンやピストン支持バネの破損がなく、ピストンの往復運動中心位置ずれを抑制したスターリング機関を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るスターリング機関は、シリンダの内側をリニアモータによって往復運動するピストンと、前記シリンダの内側において前記ピストンに対向し、前記ピストンの動きによって駆動されるディスプレーサーと、を備え、前記ピストンと前記ディスプレーサーとの間に第1作動空間を、前記ディスプレーサーから見て前記第1作動空間とは反対側に第2作動空間を、前記ピストンから見て前記第1作動空間とは反対側に背面空間を、有するように密閉して形成され、前記背面空間に設けた作動媒体流入口から作動媒体を封入するフリーピストン型のスターリング機関において、前記ピストンには前記第1作動空間と前記ピストン外周面とを連通する第1流路が設けられ、前記シリンダに前記背面空間と前記シリンダ内周面とを連通する第2流路が設けられ前記第1流路と前記第2流路とが、前記ピストンの動作によって、前記ピストンの所期の往復運動中心位置よりも前記背面空間側および前記第1作動空間側で瞬間的に連通するよう形成される。
【0019】
具体的には、前記ピストンの外周面に設けられた前記第1流路の開口部を複数設け、一方は前記ピストンの所期の往復運動中心位置よりも前記第1作動空間側にオフセット、他方は前記ピストンの所期の往復運動中心位置よりも前記背面空間側にオフセットさせるとよい。或いは、前記シリンダの内周面に設けられた前記第2流路の開口部を複数設け、一方は前記ピストンの所期の往復運動中心位置よりも前記背面空間側にオフセット、他方は前記ピストンの所期の往復運動中心位置よりも前記第1作動空間側にオフセットさせるとよい。
【0020】
このような構成とすることにより、スターリング機関の組立時(作動媒体封入時)においてピストンやピストン支持バネが破損することなく、スターリング機関を組み立てることが可能となる。
【0021】
なお、上記構成から成るスターリング機関において、第1流路の開口部は、位置に応じて形状および/または断面積が異なる構成にするとよい。或いは、第2流路について、開口部の形状および/または断面積を位置に応じて変えてもよい。このような構成とすることにより、第1、第2流路連通時の作動媒体流量を調節することができるようになるので、無駄な作動媒体の流動によるスターリング機関の性能低下を抑えつつ、ピストンの往復運動中心位置ずれを抑えることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係るスターリング冷凍機の第1実施形態について、図1〜図3を参照しながら詳細な説明を行う。図1は本発明に係るスターリング冷凍機の第1実施形態を示す概略断面図であり、図2は第1実施形態におけるピストンの周辺構造を示す概略断面図である。なお、以下に示す実施形態においてはいずれも前述した従来構成と同様の部材については、図8〜図12と同一の符号を付すことで説明を省略する。
【0023】
図2に示す通り、本実施形態のスターリング冷凍機において、第1流路開口部1dと、第2流路開口部3cは、ピストン1が初期の往復運動中心位置よりも背面空間8側および第1作動空間7a側の両方(少なくとも2箇所)で対向するように配設されている。具体的に言うと、第1流路開口部1dは作動空間側第1流路開口部1eと背面空間側第1流路開口部1fに分けられ、作動空間側第1流路開口部1eは、ピストン1の往復運動中心位置の初期位置よりも作動空間7側にオフセット、背面空間側第1流路開口部1fは、ピストン1の初期の往復運動中心位置よりも背面空間8側にオフセットして設けられており、第2流路開口部3cは、ピストン1の初期の往復運動中心位置に配設されている。なお、作動空間側第1流路開口部1eおよび/または背面空間側第1流路開口部1fは、2箇所以上設けてもよい。又、ピストン摺動面1aの同一円周上に複数箇所設けてもよく、その場合、第2流路開口部3cは前記開口部1dに対応させてシリンダ摺動面3aの同一円周上に複数箇所設ける。
【0024】
ここで、スターリング冷凍機の組立時において、背面空間8側から作動媒体を封入すると、図3のようにピストン1が第1作動空間7a側に押され、背面空間側第1流路開口部1fとシリンダ3の第2流路開口部3cとが対向するまで移動する。背面空間側第1流路開口部1fと第2流路開口部3cとが対向すると、第1流路1cと第2流路3bを通して作動媒体が背面空間8から第1作動空間7aに流動することができ、ピストン1がそれ以上押されることはなく、ピストン1やピストン支持バネ5が破損することなく作動媒体を所定の圧力まで封入することができる。
【0025】
なお、ピストン1の位置が自重等の影響により作動空間7側に少しずれたときであっても、ピストン1の背面空間側第1流路開口部1fがシリンダ3の第2流路開口部3cよりも背面空間8側に配置されるか、または背面空間側第1流路開口部1fが第2流路開口部3cと対向している状態になるよう、ピストン1の背面空間側第1流路開口部1fのオフセット量を設定する必要がある。
【0026】
また、オフセット量を大きくすると、スターリング冷凍機運転時に第1作動空間7aから背面空間8へ流れる作動媒体の流量が増えることにより、背面空間8の圧力が高くなり、ピストン1の往復運動の中心位置が作動空間7側に移動する原因となるため、背面空間8側へのオフセット量は必要最小限にすることが望ましい。このような構成とすることにより、スターリング冷凍機の組立時において、ピストン1やピストン支持バネ5が破損することなく、作動媒体を封入することができる。
【0027】
次に、本発明に係るスターリング冷凍機の第2実施形態について、図4、図5を参照しながら詳細な説明を行う。図4は第2実施形態におけるピストンの周辺構造を示す概略断面図である。
【0028】
図4に示す通り、本実施形態のスターリング冷凍機において、第1流路開口部1dと、第2流路開口部3cは、ピストン1が初期の往復運動中心位置より背面空間8側および作動空間7側の両方(少なくとも2箇所)で対向するように配設されている。具体的に言うと、第2流路開口部3cは作動空間側第2流路開口部3dと背面空間側第2流路開口部3eに分けられ、作動空間側第2流路開口部3dはピストン1の往復運動中心位置の初期位置よりも作動空間7側にオフセット、背面空間側第2流路開口部3eはピストン1の往復運動中心位置の初期位置よりも背面空間8側にオフセットして設けられており、第1流路開口部1dはピストン1の往復運動中心位置の初期位置に配設されている。なお、作動空間側第2流路開口部3dおよび/または背面空間側第2流路開口部3eは2箇所以上設けてもよい。又、シリンダ摺動面3aの同一円周上に複数箇所設けてもよく、その場合、第1流路開口部1dは前記開口部3cに対応させて前記ピストン摺動面1aの同一円周上に複数箇所設ける。
【0029】
ここで、スターリング冷凍機の組立時において、背面空間8側から作動媒体を封入すると、図5のようにピストン1が第1作動空間7a側に押され、第1流路開口部1dとシリンダ3の作動空間側第2流路開口部3dとが対向するまで移動する。第1流路開口部1dと作動空間側第2流路開口部3dとが対向すると、第1流路1cと第2流路3bを通して作動媒体が背面空間8から第1作動空間7aに流動することができ、ピストン1がそれ以上押されることはなく、ピストン1やピストン支持バネ5が破損することなく作動媒体を所定の圧力まで封入することができる。
【0030】
なお、ピストン1の位置が自重等の影響により作動空間7側に少しずれたときであっても、シリンダ3の作動空間側第2流路開口部3dがピストン1の第1流路開口部1dよりも作動空間7側に配置されるか、または作動空間側第2流路開口部3dが第1流路開口部1dと対向している状態となるよう、シリンダ3の作動空間側第2流路開口部3dのオフセット量を設定する必要がある。また、オフセット量を大きくすると、第1作動空間7aと背面空間8との圧力差が大きいときに第1流路開口部1dと作動空間側第2流路開口部3dとが対向することになるため、スターリング冷凍機運転時に第1作動空間7aから背面空間8へ流れる作動媒体の流量が増えることになり、それによって背面空間8の圧力が高くなってしまい、ピストン1の往復運動の中心位置が作動空間7側に移動する原因となるため、作動空間7側へのオフセット量は必要最低限にすることが望ましい。このような構成とすることにより、スターリング冷凍機の組立時において、ピストン1やピストン支持バネ5が破損することなく、作動媒体を封入することができる。
【0031】
次に、本発明に係るスターリング冷凍機の第3実施形態について、図6を参照しながら詳細な説明を行う。図6は第3実施形態におけるピストン周辺構造を示す概略断面図である。本図に示すように、本実施形態のスターリング冷凍機は、第1実施形態の構成に加えて、ピストン1の第1流路開口部1dの形状および/または断面積を位置に応じて変化させた構成としている。このような構成とすることにより、無駄な作動媒体の流動によるスターリング冷凍機の性能低下を抑えつつ、ピストン1の往復運動中心位置の作動空間7側への移動を抑制することができる。
【0032】
ここで、背面空間側第1流路開口部1fの断面積を大きくすると、スターリング冷凍機の運転時において、第1作動空間7aから背面空間8へ流動する作動媒体の流量が増えることにより、背面空間8の圧力が高くなり、ピストン1の往復運動の中心位置が作動空間7側に移動する原因となるため、背面空間側第1流路開口部1fの断面積は作動空間側第1流路開口部1eの断面積よりも小さくし、必要最小限にすることが望ましい。このような構成とすることにより、スターリング冷凍機の組立時において、ピストン1やピストン支持バネ5が破損することなく、無駄な作動媒体の流動によるスターリング冷凍機の性能低下を抑えつつ、ピストン1の往復運動中心位置の作動空間7側への移動を抑制することができる。
【0033】
即ち、背面空間側第1流路開口部1fは背面空間8に作動媒体を封入するためのものであり、作動空間側第1流路開口部1eはピストン1の往復運動中心位置の作動空間7側への移動を抑制するためのものであって、ピストン1の往復運動における作動空間側第1流路開口部1eの媒体流量が背面空間側第1流路開口部1fの媒体流量および第1作動空間7aから背面空間8へ漏洩する媒体流量と同じになるように断面積が設定されている。
【0034】
次に、本発明に係るスターリング冷凍機の第4実施形態について、図7を参照しながら詳細な説明を行う。図7は第4実施形態におけるピストン周辺構造を示す概略断面図である。本図に示すように、本実施形態のスターリング冷凍機は、第2実施形態の構成に加えて、シリンダ3の第2流路開口部3cの形状および/または断面積を位置に応じて変化させた構成としている。このような構成とすることにより、無駄な作動媒体の流動によるスターリング冷凍機の性能低下を抑えつつ、ピストン1の往復運動中心位置の作動空間7側への移動を抑制することができる。
【0035】
ここで、作動空間側第2流路開口部3dの断面積を大きくすると、スターリング冷凍機の運転時において、第1作動空間7aから背面空間8へ流動する作動媒体の流量が増えることにより、背面空間8の圧力が高くなり、ピストン1の往復運動の中心位置が作動空間7側に移動する原因となるため、作動空間側第2流路開口部3dの断面積は背面空間側第2流路開口部3eの断面積よりも小さくし、必要最小限にすることが望ましい。このような構成とすることにより、スターリング冷凍機の組立時において、ピストン1やピストン支持バネ5が破損することなく、無駄な作動媒体の流動によるスターリング冷凍機の性能低下を抑えつつ、ピストン1の往復運動中心位置の作動空間7側への移動を抑制することができる。
【0036】
なお、上記の実施形態では、本発明をスターリング冷凍機に適用した場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、スターリングエンジン、発電機、ヒートポンプ、圧縮機などのスターリング機関全般に広く適用することが可能である。
【0037】
【発明の効果】
上記したように、本発明によれば、スターリング機関の組立における作動媒体封入時にピストンやピストン支持バネの破損がなく、運転時にピストンの往復運動中心位置がずれるのを抑制できるスターリング機関を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスターリング冷凍機の第1実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるピストン周辺構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態において流路が連通した時のピストン周辺構造を示す概略断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態におけるピストン周辺構造を示す概略断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態において流路が連通した時のピストン周辺構造を示す概略断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態におけるピストン周辺構造を示す概略断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態におけるピストン周辺構造を示す概略断面図である。
【図8】スターリング冷凍機の一従来構成を示す概略断面図である。
【図9】特許文献1に開示されたスターリング冷凍機の構成を示す概略断面図である。
【図10】出願人が先に出願したスターリング冷凍機の構成を示す概略断面図である。
【図11】出願人が先に出願したスターリング冷凍機におけるピストン周辺構造を示す概略断面図である。
【図12】出願人が先に出願したスターリング冷凍機においてピストン位置がずれた時のピストン周辺構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ピストン
1a ピストン摺動面
1b ピストン摺動穴
1c 第1流路(ピストン側流路)
1d 第1流路開口部
1e 作動空間側第1流路開口部
1f 背面空間側第1流路開口部
2 ディスプレーサ
3 シリンダ
3a シリンダ摺動面
3b 第2流路(シリンダ側流路)
3c 第2流路開口部
3d 作動空間側第2流路開口部
3e 背面空間側第2流路開口部
5 ピストン支持バネ
7 作動空間
7a 第1作動空間
8 背面空間

Claims (3)

  1. シリンダの内側をリニアモータによって往復運動するピストンと、前記シリンダの内側において前記ピストンに対向し、前記ピストンの動きによって駆動されるディスプレーサーと、を備え、前記ピストンと前記ディスプレーサーとの間に第1作動空間を、前記ディスプレーサーから見て前記第1作動空間とは反対側に第2作動空間を、前記ピストンから見て前記第1作動空間とは反対側に背面空間を、有するように密閉して形成され、前記背面空間に設けた作動媒体流入口から作動媒体を封入するフリーピストン型のスターリング機関において、
    前記ピストンには前記第1作動空間と前記ピストン外周面とを連通する第1流路が設けられ、前記シリンダに前記背面空間と前記シリンダ内周面とを連通する第2流路が設けられ前記第1流路と前記第2流路とが、前記ピストンの動作によって、前記ピストンの所期の往復運動中心位置よりも前記背面空間側および前記第1作動空間側で瞬間的に連通するよう形成されることを特徴とするスターリング機関。
  2. 前記ピストンの外周面に設けられた前記第1流路の開口部は複数設けられ、一方は前記ピストンの所期の往復運動中心位置よりも前記第1作動空間側にオフセット、他方は前記ピストンの所期の往復運動中心位置よりも前記背面空間側にオフセットして形成され、
    前記第1流路の複数の開口部は、位置に応じて形状および/または断面積が異なることを特徴とする請求項1に記載のスターリング機関。
  3. 前記シリンダの内周面に設けられた前記第2流路の開口部は複数設けられ、一方は前記ピストンの所期の往復運動中心位置よりも前記背面空間側にオフセット、他方は前記ピストンの所期の往復運動中心位置よりも前記第1作動空間側にオフセットして形成され、
    前記第2流路の複数の開口部は、位置に応じて形状および/または断面積が異なることを特徴とする請求項1に記載のスターリング機関。
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