JP3698986B2 - スターリング冷凍機 - Google Patents
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- F25B2309/00—Gas cycle refrigeration machines
- F25B2309/001—Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スターリング冷凍機に関するものである。なお、スターリング冷凍機とは、ピストンおよびディスプレーサをそれぞれ往復運動させることによって、シリンダ内部の作動ガスを圧縮および膨張させて逆スターリング熱サイクルを構成し、低温を得るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスターリング冷凍機の一例として、ばねの共振を利用するフリーピストン型スターリング冷凍機の構造を図7に示す。ケーシング14内に、大きく分けて、作動空間12と、駆動空間13とが含まれる。作動空間12は、さらに膨張空間6と圧縮空間7とからなり、作動空間12には作動ガスが封入されている。ケーシング14内部の膨張空間6と圧縮空間7とを結ぶ方向に沿って第1のシリンダ3が配置されている。第1のシリンダ3の内側には、第1のシリンダ3の長手方向に沿って往復運動可能なようにディスプレーサ2が配置されている。ディスプレーサ2からは往復運動する方向に沿って膨張空間6と反対側にロッド9が延び、ディスプレーサ用板ばね11によってケーシング14に対して弾性的に接続されている。
【0003】
ディスプレーサ2の圧縮空間7側には、ロッド9を取り囲むようにピストン1が配置されており、ピストン1を取り囲むように第2のシリンダ15が配置されている。ピストン1は、駆動空間13内に配置されたリニアモータ8によって駆動されることによって、第2のシリンダ15内で所定の周期で圧縮空間7を膨張させたり圧縮させたりするように往復運動可能となっている。ピストン1は、ピストン用板ばね10によってケーシング14に対して弾性的に接続されている。ディスプレーサ2は、ピストン1の往復運動に起因する作動空間12内の作動ガスの圧力変化によって、ピストン1の往復運動に対して約90°の位相差をもって同一周期で往復運動するように設定されている。
【0004】
第1のシリンダ3の外側には、再生器4が取り囲むように配置されており、再生器4によって膨張空間6と圧縮空間7とが隔てられている。また、再生器4を挟んで内部熱交換器5a,5bが第1のシリンダ3を取り囲むように配置されている。ディスプレーサ2の往復運動に応じて、作動ガスは膨張空間6と圧縮空間7との間を往復する。作動ガスが膨張空間6から圧縮空間7へ移動する際には、内部熱交換器5a、再生器4、内部熱交換器5bの順に透過し、逆向きの移動の際には逆の順序で透過する。
【0005】
このように作動ガスを扱うことで、作動空間12内で逆スターリング熱サイクルが構成され、膨張空間6に低温が得られる。低温の発生原理などの逆スターリング熱サイクルについては、公知技術であるので、ここでは説明を省略する。
【0006】
上述のような従来のスターリング冷凍機においては、駆動負荷の軽減や材料費の低減のため、ピストン1を中空とする場合がある。また、ピストン1と第2のシリンダ15との間の潤滑を図るために、気体軸受が用いられる場合がある。そこで、これら両方を兼ねて実現した構造として、ピストン1の断面を図8に示すような構造が考えられる。すなわち、ピストン1の外殻20の圧縮空間7に面する側の面には、内部空間21と圧縮空間7とを連通させる孔を設け、この孔を通る作動ガスの内部空間21側への移動は許し、圧縮空間7側への移動は妨げるように逆止弁22が設けられている。ピストン1が圧縮空間7に向かって進行する際に、逆止弁22を通じて内部空間21に流入した作動ガスは、ピストン1の進行につれて内部空間21の圧力が高まるため、外殻20の第2のシリンダ15と摺動する側の面に設けられた気体軸受用孔23からピストン1の外へ噴出する。こうして、気体軸受用孔23から噴出した作動ガスによってピストン1と第2のシリンダ15との間に気体軸受が構成され、ピストン1の往復運動が円滑に行なわれるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような気体軸受を備えるスターリング冷凍機の場合、作動ガスがピストン1の内部空間21に流入することとなる。一方、軽量化を図るためには、内部空間21はなるべく大きくとることが望まれる。しかし、ピストン1の内部空間21の容量が大きいと、ピストン1が圧縮空間7側に移動する際には、圧縮空間7だけでなく内部空間21も共に圧縮されることとなる。内部空間21が広ければ、その分、圧縮時の仕事量が増加してしまう。これにより雑損失として失われるエネルギーが大きくなってしまう。
【0008】
そこで、本発明では、雑損失を低減したスターリング冷凍機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づくスターリング冷凍機は、作動ガスを内部に封入し、膨張空間と圧縮空間とを含む作動空間と、上記作動空間内に配設されたシリンダと、上記シリンダ内を往復運動可能なディスプレーサと、上記圧縮空間内の上記作動ガスを圧縮するように往復運動可能なピストンと、上記膨張空間と上記圧縮空間との間を隔て、上記作動ガスが通過可能な再生器とを備え、上記ピストンは、上記内部空間を内側に有し、上記作動ガスが上記圧縮空間から上記内部空間に向けてのみ移動可能となるように逆止弁を設けた外殻と、上記内部空間内の上記作動ガスが上記外殻の周面に設けられた孔から噴出することで上記ピストンの上記往復運動をなめらかにするための気体軸受と、上記孔への上記作動ガスの流入が可能なように上記内部空間内に配置された、上記外殻を構成する材料より比重の軽い軽量内部材とを含む。
【0010】
上記構成を採用することにより、内部空間に軽量内部材が配置されて空間を塞がれている分だけ、内部空間の容量が小さくなるため、圧縮空間を圧縮する際に逆止弁を通じて圧縮空間と内部空間とが連通したとしても、被圧縮領域の体積の増加を抑えることができる。その結果、圧縮仕事量の増加を抑えることができ、スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができる。
【0011】
上記発明において好ましくは、上記軽量内部材は、プラスチック、ゴムのいずれかを含む。この構成を採用することにより、ピストンの軽量化のために外殻0を薄く内部空間を大きくしたままで、内部空間の容量を小さくすることができる。また、製作費用の増加も抑えることができる。
【0012】
上記発明において好ましくは、上記軽量内部材は、比熱が1kJ/kg・K以上である。この構成を採用することにより、軽量内部材が、作動空間側の低温と、駆動空間側の比較的高い温度との間の熱伝導を緩衝する役割を果たす。したがって、圧縮空間から内部空間へと流入した低温の作動ガスが温度上昇によって急激に膨張することを防止できる。なおかつ、軽量内部材の配置によって内部空間の容量は小さくなっている。その結果、雑損失量を低減することができる。
【0013】
上記発明において好ましくは、上記軽量内部材は、ポリエステルファイバー、脱脂綿のいずれかである。この構成を採用することにより、比熱が1kJ/kg・K以上で外殻の材料より比重が軽い材料である軽量内部材が実現でき、また、製作も容易となる。さらに、費用も抑えることができる。
【0014】
上記発明において好ましくは、上記軽量内部材が、上記逆止弁と干渉することを回避するための干渉回避手段を備える。この構成を採用することにより、軽量内部材が内部空間内で移動したり広がったりして逆止弁の動作を妨げることを防止できる。
【0015】
上記発明において好ましくは、上記ピストンは、上記外殻の外側表面に、溝を周設する。この構成を採用することにより、シール効果がもたらされ、作動ガスが駆動空間側に漏れることを防止できる。作動ガスの漏れを防止できることによって、リーク損失が低減できるので、ピストンの圧縮仕事量の増加を防止できる。その結果、上述の各発明による雑損失量の増加抑制効果に加えて、さらに雑損失量の増加を抑えることができる。
【0016】
上記発明において好ましくは、作動ガスを内部に封入し、膨張空間と圧縮空間とを含む作動空間と、上記作動空間内に固定されたシリンダと、上記シリンダ内を上記膨張空間側と上記圧縮空間側とを結ぶ方向に往復運動可能なディスプレーサと、上記圧縮空間を圧縮させたり膨張させたりするように往復運動可能なピストンと、上記シリンダの外側で上記膨張空間と上記圧縮空間との間を隔て、上記作動ガスが透過可能な再生器とを備え、上記ピストンは、上記作動空間と連通する内部空間を内側に含む外殻と、上記作動ガスが上記圧縮空間から上記内部空間に向けて移動することはできるが逆向きの移動はできないように設けられた逆止弁と、上記内部空間内の上記作動ガスが上記外殻に設けられた孔から上記外殻の外側に噴出することで上記ピストンの上記往復運動をなめらかにするための気体軸受とを含み、上記ピストンは、上記外殻の外側表面に、取り囲むように溝を有する。この構成を採用することにより、シール効果がもたらされ、作動ガスが駆動空間側に漏れることを防止できる。作動ガスの漏れを防止できることによって、リーク損失が低減できるので、ピストンの圧縮仕事量の増加を防止でき、スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
(構成)
図1、図2、図7を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるスターリング冷凍機について説明する。本実施の形態におけるスターリング冷凍機としてのフリーピストン型スターリング冷凍機は、大まかな構成は、図7に示した従来のものと同じである。しかし、ピストン1の内部空間21の構成が従来のもの(図8参照)とは異なり、図1に示すような構造となる。すなわち、ピストン1の内部空間21に軽量内部材24が配置されている。軽量内部材24は、逆止弁22の動作と干渉しないように、かつ、気体軸受用孔23への作動ガス流入を妨げないような位置に収まるように、配置されている。軽量内部材24は、たとえば、円筒状に設けられ、円筒内部の空洞部をピストン1のロッド9の外周部に嵌め合せて固定される。軽量内部材24は、ピストン1の外殻20を構成する材料より比重の軽い材料を含む部材としている。具体的には、プラスチックやゴムなどといった材料が選択されている。
【0018】
(作用・効果)
軽量内部材24を配置したことにより、ピストン1の軽量化のために外殻20を薄く内部空間21を大きくしたままで、内部空間21の容量を小さくすることができる。
【0019】
元々、図7、図8に示したような従来のスターリング冷凍機においては、ピストン1が圧縮空間7を圧縮する工程においては、ピストン1の移動に伴って圧縮空間7から内部空間21へと作動ガスが流れ込む向きの力が加わり、逆止弁22が開いて、圧縮空間7と内部空間21とが連通する。この圧縮工程に注目したときに、圧縮空間7と内部空間21とが連通することによって、内部空間21も被圧縮領域の一部となる。このとき、被圧縮領域の体積がその分大きくなることによってピストン1の行なう圧縮仕事量が増加する。圧縮仕事量が増加するということは、スターリング冷凍機のサイクルとしては、いわゆる雑損失量が増加することとなる。
【0020】
これに対して、本実施の形態では、内部空間21に軽量内部材24が配置されて空間を塞がれている分だけ、内部空間21の容量が小さくなるため、圧縮空間7と内部空間21とが連通したとしても、被圧縮領域の体積の増加を抑えることができる。その結果、圧縮仕事量の増加を抑えることができる。したがって、スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができる。スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができるということは、スターリング冷凍機の運転に必要な入力エネルギーが少なくても済むということであり、スターリング冷凍機の効率を向上させることができる。図8に示したピストンを備える従来のスターリング冷凍機と、図1に示したピストンを備える本実施の形態におけるスターリング冷凍機との雑損失量の比較を、図2に示す。この例では、軽量内部材24としての樹脂材料の挿入によって、雑損失量で約1〜2Wの低減効果が見られる。
【0021】
また、樹脂材料は軽いため、内部空間21の大部分を占めるように配置したとしても、重量の増加はわずかであり、スターリング冷凍機の力学系や性能に大きな影響は及ぼさない。また、軽量内部材24として採用されるゴムや樹脂は、きわめて安価であり、ピストン1製作に要するコストをさほど増加させずに済む。
【0022】
以上のように、本実施の形態によれば、雑損失が少なく効率が良いスターリング冷凍機が得られる。
【0023】
(実施の形態2)
(構成)
図3、図4、図7を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるスターリング冷凍機について説明する。本実施の形態におけるスターリング冷凍機としてのフリーピストン型スターリング冷凍機は、大まかな構成としては、図7に示した従来のものと同じである。しかし、ピストン1の内部空間21の構成が従来のもの(図8参照)とは異なり、図3に示すような構造となる。ピストン1の内部空間21に軽量内部材24aが配置されている。軽量内部材24aは、実施の形態1で示した材料の条件の中でも、比熱が1kJ/kg・K以上のものが用いられる。その具体例として、本実施の形態では、ポリエステルファイバーや脱脂綿を用いることができる。これらの材料は形状が不定形であるため、内部空間21内で移動したり広がったりして逆止弁22の動作を妨げないように、逆止弁22から一定の距離の位置まで挿入され、干渉回避手段としての仕切り板25によって食い止められている。仕切り板25は、ピストン1のロッド9の外周をなす部分に、固定手段(図示省略)を設けることによって固定される。また、図3の構造では、図1の構造と異なり、作動ガスが気体軸受用孔23に向かう流路に関しても特に隙間をあけることなく内部空間21の外周まで完全に充填されているように見えるが、これは、ポリエステルファイバーなどを軽量内部材24aとして使用した場合、その軽量内部材24aの内部を作動ガスが自由に通過可能であり、作動ガスが気体軸受用孔23に向かう上で支障とならないことによる。
【0024】
(作用・効果)
軽量内部材24aを配置したことにより、ピストン1の軽量化のために外殻20を薄く内部空間21を大きくしたままで、内部空間21の容量を小さくすることができる。
【0025】
内部空間21内に、比熱が1kJ/kg・K以上と大きい軽量内部材24aを配置したことにより、軽量内部材24aが、作動空間12側の低温と、駆動空間13側の比較的高い温度との間の熱伝導を緩衝する役割を果たす。したがって、圧縮空間7から内部空間21へと流入した低温の作動ガスが温度上昇によって急激に膨張することを防止できる。なおかつ、軽量内部材24aの配置によって内部空間21の容量は小さくなっている。その結果、雑損失量を低減することができる。
【0026】
図8に示したピストンを備える従来のスターリング冷凍機と、図3に示したピストンを備える本実施の形態におけるスターリング冷凍機との雑損失量の比較を、図4に示す。この例では、軽量内部材24aとしてのポリエステルファイバー材料の挿入によって、雑損失量で約4Wの低減効果が見られる。また、ポリエステルファイバー材料は軽いため、内部空間21の大部分を占めるように配置したとしても、重量の増加はごくわずかであり、スターリング冷凍機の力学系や性能に大きな影響は及ぼさない。また、軽量内部材24aとして採用されるポリエステルファイバーや脱脂綿は、きわめて安価であり、ピストン1製作に要するコストをさほど増加させずに済む。
【0027】
以上のように、本実施の形態によれば、雑損失が少なく効率が良いスターリング冷凍機が得られる。
【0028】
(実施の形態3)
(構成)
図5〜図7を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるスターリング冷凍機について説明する。本実施の形態におけるスターリング冷凍機としてのフリーピストン型スターリング冷凍機は、大まかな構成としては、図7に示した従来のものと同じである。しかし、ピストン1の外殻20の構成が従来のもの(図8参照)とは異なり、図5に示すような構造となる。すなわち、ピストン1の外殻20の外側表面に、取り囲むように溝26が設けられている。
【0029】
(作用・効果)
ピストン1は元々、第2のシリンダ15に対して数十μm程度のクリアランスで嵌合し、往復運動をすることによって圧縮空間7内の作動ガスを圧縮・膨張させるものである。これに対して、ピストン1の外面に溝26が単数あるいは複数存在することによって、ラビリンスシールの原理でシール効果がもたらされ、作動ガスが圧縮空間7と反対側、すなわち駆動空間13側に漏れることを防止できる。作動ガスの漏れを防止できることによって、リーク損失が低減できるので、ピストン1の圧縮仕事量の増加を防止できる。よって、スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができる。また、溝26を設けることによってピストン1の重量の低減が図られ、これによっても雑損失量の低減を図ることができる。
【0030】
なお、図5では、内部空間21内に何も配置しない例を示したが、本実施の形態の構造に併せて、実施の形態1の構造を採用し、図6に示すように、内部空間21内にプラスチックやゴムなどの軽量内部材24を配置してもよい。あるいは、図示しないが、本実施の形態の構造に併せて、実施の形態2の考え方を採用して、内部空間21内にポリエステルファイバーや脱脂綿などの軽量内部材24aを配置してもよい。
【0031】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、ピストンの内部空間に軽量内部材が配置されて空間を塞がれている分だけ、内部空間の容量が小さくなるため、ピストンが圧縮空間を圧縮する際に逆止弁を通じて圧縮空間と内部空間とが連通したときの被圧縮領域の体積の増加を抑えることができる。その結果、ピストンの圧縮効率を改善でき、スターリング冷凍機の冷却効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施の形態1におけるピストンの断面図である。
【図2】 本発明に基づく実施の形態1におけるスターリング冷凍機と従来のスターリング冷凍機との、雑損失量を比較したグラフである。
【図3】 本発明に基づく実施の形態2におけるピストンの断面図である。
【図4】 本発明に基づく実施の形態2におけるスターリング冷凍機と従来のスターリング冷凍機との、雑損失量を比較したグラフである。
【図5】 本発明に基づく実施の形態3におけるピストンの第1の例の断面図である。
【図6】 本発明に基づく実施の形態3におけるピストンの第2の例の断面図である。
【図7】 従来技術に基づくスターリング冷凍機の断面図である。
【図8】 従来技術に基づくスターリング冷凍機に用いられるピストンの断面図である。
【符号の説明】
1 ピストン、2 ディスプレーサ、3 第1のシリンダ、4 再生器、5a,5b 内部熱交換器、6 膨張空間、7 圧縮空間、8 リニアモータ、9 ロッド、10 ピストン用板ばね、11 ディスプレーサ用板ばね、12 作動空間、13 駆動空間、14 ケーシング、15 第2のシリンダ、20 外殻、21 内部空間、22 逆止弁、23 気体軸受用孔、24,24a 軽量内部材、25 仕切り板、26 溝。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スターリング冷凍機に関するものである。なお、スターリング冷凍機とは、ピストンおよびディスプレーサをそれぞれ往復運動させることによって、シリンダ内部の作動ガスを圧縮および膨張させて逆スターリング熱サイクルを構成し、低温を得るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスターリング冷凍機の一例として、ばねの共振を利用するフリーピストン型スターリング冷凍機の構造を図7に示す。ケーシング14内に、大きく分けて、作動空間12と、駆動空間13とが含まれる。作動空間12は、さらに膨張空間6と圧縮空間7とからなり、作動空間12には作動ガスが封入されている。ケーシング14内部の膨張空間6と圧縮空間7とを結ぶ方向に沿って第1のシリンダ3が配置されている。第1のシリンダ3の内側には、第1のシリンダ3の長手方向に沿って往復運動可能なようにディスプレーサ2が配置されている。ディスプレーサ2からは往復運動する方向に沿って膨張空間6と反対側にロッド9が延び、ディスプレーサ用板ばね11によってケーシング14に対して弾性的に接続されている。
【0003】
ディスプレーサ2の圧縮空間7側には、ロッド9を取り囲むようにピストン1が配置されており、ピストン1を取り囲むように第2のシリンダ15が配置されている。ピストン1は、駆動空間13内に配置されたリニアモータ8によって駆動されることによって、第2のシリンダ15内で所定の周期で圧縮空間7を膨張させたり圧縮させたりするように往復運動可能となっている。ピストン1は、ピストン用板ばね10によってケーシング14に対して弾性的に接続されている。ディスプレーサ2は、ピストン1の往復運動に起因する作動空間12内の作動ガスの圧力変化によって、ピストン1の往復運動に対して約90°の位相差をもって同一周期で往復運動するように設定されている。
【0004】
第1のシリンダ3の外側には、再生器4が取り囲むように配置されており、再生器4によって膨張空間6と圧縮空間7とが隔てられている。また、再生器4を挟んで内部熱交換器5a,5bが第1のシリンダ3を取り囲むように配置されている。ディスプレーサ2の往復運動に応じて、作動ガスは膨張空間6と圧縮空間7との間を往復する。作動ガスが膨張空間6から圧縮空間7へ移動する際には、内部熱交換器5a、再生器4、内部熱交換器5bの順に透過し、逆向きの移動の際には逆の順序で透過する。
【0005】
このように作動ガスを扱うことで、作動空間12内で逆スターリング熱サイクルが構成され、膨張空間6に低温が得られる。低温の発生原理などの逆スターリング熱サイクルについては、公知技術であるので、ここでは説明を省略する。
【0006】
上述のような従来のスターリング冷凍機においては、駆動負荷の軽減や材料費の低減のため、ピストン1を中空とする場合がある。また、ピストン1と第2のシリンダ15との間の潤滑を図るために、気体軸受が用いられる場合がある。そこで、これら両方を兼ねて実現した構造として、ピストン1の断面を図8に示すような構造が考えられる。すなわち、ピストン1の外殻20の圧縮空間7に面する側の面には、内部空間21と圧縮空間7とを連通させる孔を設け、この孔を通る作動ガスの内部空間21側への移動は許し、圧縮空間7側への移動は妨げるように逆止弁22が設けられている。ピストン1が圧縮空間7に向かって進行する際に、逆止弁22を通じて内部空間21に流入した作動ガスは、ピストン1の進行につれて内部空間21の圧力が高まるため、外殻20の第2のシリンダ15と摺動する側の面に設けられた気体軸受用孔23からピストン1の外へ噴出する。こうして、気体軸受用孔23から噴出した作動ガスによってピストン1と第2のシリンダ15との間に気体軸受が構成され、ピストン1の往復運動が円滑に行なわれるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような気体軸受を備えるスターリング冷凍機の場合、作動ガスがピストン1の内部空間21に流入することとなる。一方、軽量化を図るためには、内部空間21はなるべく大きくとることが望まれる。しかし、ピストン1の内部空間21の容量が大きいと、ピストン1が圧縮空間7側に移動する際には、圧縮空間7だけでなく内部空間21も共に圧縮されることとなる。内部空間21が広ければ、その分、圧縮時の仕事量が増加してしまう。これにより雑損失として失われるエネルギーが大きくなってしまう。
【0008】
そこで、本発明では、雑損失を低減したスターリング冷凍機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づくスターリング冷凍機は、作動ガスを内部に封入し、膨張空間と圧縮空間とを含む作動空間と、上記作動空間内に配設されたシリンダと、上記シリンダ内を往復運動可能なディスプレーサと、上記圧縮空間内の上記作動ガスを圧縮するように往復運動可能なピストンと、上記膨張空間と上記圧縮空間との間を隔て、上記作動ガスが通過可能な再生器とを備え、上記ピストンは、上記内部空間を内側に有し、上記作動ガスが上記圧縮空間から上記内部空間に向けてのみ移動可能となるように逆止弁を設けた外殻と、上記内部空間内の上記作動ガスが上記外殻の周面に設けられた孔から噴出することで上記ピストンの上記往復運動をなめらかにするための気体軸受と、上記孔への上記作動ガスの流入が可能なように上記内部空間内に配置された、上記外殻を構成する材料より比重の軽い軽量内部材とを含む。
【0010】
上記構成を採用することにより、内部空間に軽量内部材が配置されて空間を塞がれている分だけ、内部空間の容量が小さくなるため、圧縮空間を圧縮する際に逆止弁を通じて圧縮空間と内部空間とが連通したとしても、被圧縮領域の体積の増加を抑えることができる。その結果、圧縮仕事量の増加を抑えることができ、スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができる。
【0011】
上記発明において好ましくは、上記軽量内部材は、プラスチック、ゴムのいずれかを含む。この構成を採用することにより、ピストンの軽量化のために外殻0を薄く内部空間を大きくしたままで、内部空間の容量を小さくすることができる。また、製作費用の増加も抑えることができる。
【0012】
上記発明において好ましくは、上記軽量内部材は、比熱が1kJ/kg・K以上である。この構成を採用することにより、軽量内部材が、作動空間側の低温と、駆動空間側の比較的高い温度との間の熱伝導を緩衝する役割を果たす。したがって、圧縮空間から内部空間へと流入した低温の作動ガスが温度上昇によって急激に膨張することを防止できる。なおかつ、軽量内部材の配置によって内部空間の容量は小さくなっている。その結果、雑損失量を低減することができる。
【0013】
上記発明において好ましくは、上記軽量内部材は、ポリエステルファイバー、脱脂綿のいずれかである。この構成を採用することにより、比熱が1kJ/kg・K以上で外殻の材料より比重が軽い材料である軽量内部材が実現でき、また、製作も容易となる。さらに、費用も抑えることができる。
【0014】
上記発明において好ましくは、上記軽量内部材が、上記逆止弁と干渉することを回避するための干渉回避手段を備える。この構成を採用することにより、軽量内部材が内部空間内で移動したり広がったりして逆止弁の動作を妨げることを防止できる。
【0015】
上記発明において好ましくは、上記ピストンは、上記外殻の外側表面に、溝を周設する。この構成を採用することにより、シール効果がもたらされ、作動ガスが駆動空間側に漏れることを防止できる。作動ガスの漏れを防止できることによって、リーク損失が低減できるので、ピストンの圧縮仕事量の増加を防止できる。その結果、上述の各発明による雑損失量の増加抑制効果に加えて、さらに雑損失量の増加を抑えることができる。
【0016】
上記発明において好ましくは、作動ガスを内部に封入し、膨張空間と圧縮空間とを含む作動空間と、上記作動空間内に固定されたシリンダと、上記シリンダ内を上記膨張空間側と上記圧縮空間側とを結ぶ方向に往復運動可能なディスプレーサと、上記圧縮空間を圧縮させたり膨張させたりするように往復運動可能なピストンと、上記シリンダの外側で上記膨張空間と上記圧縮空間との間を隔て、上記作動ガスが透過可能な再生器とを備え、上記ピストンは、上記作動空間と連通する内部空間を内側に含む外殻と、上記作動ガスが上記圧縮空間から上記内部空間に向けて移動することはできるが逆向きの移動はできないように設けられた逆止弁と、上記内部空間内の上記作動ガスが上記外殻に設けられた孔から上記外殻の外側に噴出することで上記ピストンの上記往復運動をなめらかにするための気体軸受とを含み、上記ピストンは、上記外殻の外側表面に、取り囲むように溝を有する。この構成を採用することにより、シール効果がもたらされ、作動ガスが駆動空間側に漏れることを防止できる。作動ガスの漏れを防止できることによって、リーク損失が低減できるので、ピストンの圧縮仕事量の増加を防止でき、スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
(構成)
図1、図2、図7を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるスターリング冷凍機について説明する。本実施の形態におけるスターリング冷凍機としてのフリーピストン型スターリング冷凍機は、大まかな構成は、図7に示した従来のものと同じである。しかし、ピストン1の内部空間21の構成が従来のもの(図8参照)とは異なり、図1に示すような構造となる。すなわち、ピストン1の内部空間21に軽量内部材24が配置されている。軽量内部材24は、逆止弁22の動作と干渉しないように、かつ、気体軸受用孔23への作動ガス流入を妨げないような位置に収まるように、配置されている。軽量内部材24は、たとえば、円筒状に設けられ、円筒内部の空洞部をピストン1のロッド9の外周部に嵌め合せて固定される。軽量内部材24は、ピストン1の外殻20を構成する材料より比重の軽い材料を含む部材としている。具体的には、プラスチックやゴムなどといった材料が選択されている。
【0018】
(作用・効果)
軽量内部材24を配置したことにより、ピストン1の軽量化のために外殻20を薄く内部空間21を大きくしたままで、内部空間21の容量を小さくすることができる。
【0019】
元々、図7、図8に示したような従来のスターリング冷凍機においては、ピストン1が圧縮空間7を圧縮する工程においては、ピストン1の移動に伴って圧縮空間7から内部空間21へと作動ガスが流れ込む向きの力が加わり、逆止弁22が開いて、圧縮空間7と内部空間21とが連通する。この圧縮工程に注目したときに、圧縮空間7と内部空間21とが連通することによって、内部空間21も被圧縮領域の一部となる。このとき、被圧縮領域の体積がその分大きくなることによってピストン1の行なう圧縮仕事量が増加する。圧縮仕事量が増加するということは、スターリング冷凍機のサイクルとしては、いわゆる雑損失量が増加することとなる。
【0020】
これに対して、本実施の形態では、内部空間21に軽量内部材24が配置されて空間を塞がれている分だけ、内部空間21の容量が小さくなるため、圧縮空間7と内部空間21とが連通したとしても、被圧縮領域の体積の増加を抑えることができる。その結果、圧縮仕事量の増加を抑えることができる。したがって、スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができる。スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができるということは、スターリング冷凍機の運転に必要な入力エネルギーが少なくても済むということであり、スターリング冷凍機の効率を向上させることができる。図8に示したピストンを備える従来のスターリング冷凍機と、図1に示したピストンを備える本実施の形態におけるスターリング冷凍機との雑損失量の比較を、図2に示す。この例では、軽量内部材24としての樹脂材料の挿入によって、雑損失量で約1〜2Wの低減効果が見られる。
【0021】
また、樹脂材料は軽いため、内部空間21の大部分を占めるように配置したとしても、重量の増加はわずかであり、スターリング冷凍機の力学系や性能に大きな影響は及ぼさない。また、軽量内部材24として採用されるゴムや樹脂は、きわめて安価であり、ピストン1製作に要するコストをさほど増加させずに済む。
【0022】
以上のように、本実施の形態によれば、雑損失が少なく効率が良いスターリング冷凍機が得られる。
【0023】
(実施の形態2)
(構成)
図3、図4、図7を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるスターリング冷凍機について説明する。本実施の形態におけるスターリング冷凍機としてのフリーピストン型スターリング冷凍機は、大まかな構成としては、図7に示した従来のものと同じである。しかし、ピストン1の内部空間21の構成が従来のもの(図8参照)とは異なり、図3に示すような構造となる。ピストン1の内部空間21に軽量内部材24aが配置されている。軽量内部材24aは、実施の形態1で示した材料の条件の中でも、比熱が1kJ/kg・K以上のものが用いられる。その具体例として、本実施の形態では、ポリエステルファイバーや脱脂綿を用いることができる。これらの材料は形状が不定形であるため、内部空間21内で移動したり広がったりして逆止弁22の動作を妨げないように、逆止弁22から一定の距離の位置まで挿入され、干渉回避手段としての仕切り板25によって食い止められている。仕切り板25は、ピストン1のロッド9の外周をなす部分に、固定手段(図示省略)を設けることによって固定される。また、図3の構造では、図1の構造と異なり、作動ガスが気体軸受用孔23に向かう流路に関しても特に隙間をあけることなく内部空間21の外周まで完全に充填されているように見えるが、これは、ポリエステルファイバーなどを軽量内部材24aとして使用した場合、その軽量内部材24aの内部を作動ガスが自由に通過可能であり、作動ガスが気体軸受用孔23に向かう上で支障とならないことによる。
【0024】
(作用・効果)
軽量内部材24aを配置したことにより、ピストン1の軽量化のために外殻20を薄く内部空間21を大きくしたままで、内部空間21の容量を小さくすることができる。
【0025】
内部空間21内に、比熱が1kJ/kg・K以上と大きい軽量内部材24aを配置したことにより、軽量内部材24aが、作動空間12側の低温と、駆動空間13側の比較的高い温度との間の熱伝導を緩衝する役割を果たす。したがって、圧縮空間7から内部空間21へと流入した低温の作動ガスが温度上昇によって急激に膨張することを防止できる。なおかつ、軽量内部材24aの配置によって内部空間21の容量は小さくなっている。その結果、雑損失量を低減することができる。
【0026】
図8に示したピストンを備える従来のスターリング冷凍機と、図3に示したピストンを備える本実施の形態におけるスターリング冷凍機との雑損失量の比較を、図4に示す。この例では、軽量内部材24aとしてのポリエステルファイバー材料の挿入によって、雑損失量で約4Wの低減効果が見られる。また、ポリエステルファイバー材料は軽いため、内部空間21の大部分を占めるように配置したとしても、重量の増加はごくわずかであり、スターリング冷凍機の力学系や性能に大きな影響は及ぼさない。また、軽量内部材24aとして採用されるポリエステルファイバーや脱脂綿は、きわめて安価であり、ピストン1製作に要するコストをさほど増加させずに済む。
【0027】
以上のように、本実施の形態によれば、雑損失が少なく効率が良いスターリング冷凍機が得られる。
【0028】
(実施の形態3)
(構成)
図5〜図7を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるスターリング冷凍機について説明する。本実施の形態におけるスターリング冷凍機としてのフリーピストン型スターリング冷凍機は、大まかな構成としては、図7に示した従来のものと同じである。しかし、ピストン1の外殻20の構成が従来のもの(図8参照)とは異なり、図5に示すような構造となる。すなわち、ピストン1の外殻20の外側表面に、取り囲むように溝26が設けられている。
【0029】
(作用・効果)
ピストン1は元々、第2のシリンダ15に対して数十μm程度のクリアランスで嵌合し、往復運動をすることによって圧縮空間7内の作動ガスを圧縮・膨張させるものである。これに対して、ピストン1の外面に溝26が単数あるいは複数存在することによって、ラビリンスシールの原理でシール効果がもたらされ、作動ガスが圧縮空間7と反対側、すなわち駆動空間13側に漏れることを防止できる。作動ガスの漏れを防止できることによって、リーク損失が低減できるので、ピストン1の圧縮仕事量の増加を防止できる。よって、スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができる。また、溝26を設けることによってピストン1の重量の低減が図られ、これによっても雑損失量の低減を図ることができる。
【0030】
なお、図5では、内部空間21内に何も配置しない例を示したが、本実施の形態の構造に併せて、実施の形態1の構造を採用し、図6に示すように、内部空間21内にプラスチックやゴムなどの軽量内部材24を配置してもよい。あるいは、図示しないが、本実施の形態の構造に併せて、実施の形態2の考え方を採用して、内部空間21内にポリエステルファイバーや脱脂綿などの軽量内部材24aを配置してもよい。
【0031】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、ピストンの内部空間に軽量内部材が配置されて空間を塞がれている分だけ、内部空間の容量が小さくなるため、ピストンが圧縮空間を圧縮する際に逆止弁を通じて圧縮空間と内部空間とが連通したときの被圧縮領域の体積の増加を抑えることができる。その結果、ピストンの圧縮効率を改善でき、スターリング冷凍機の冷却効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施の形態1におけるピストンの断面図である。
【図2】 本発明に基づく実施の形態1におけるスターリング冷凍機と従来のスターリング冷凍機との、雑損失量を比較したグラフである。
【図3】 本発明に基づく実施の形態2におけるピストンの断面図である。
【図4】 本発明に基づく実施の形態2におけるスターリング冷凍機と従来のスターリング冷凍機との、雑損失量を比較したグラフである。
【図5】 本発明に基づく実施の形態3におけるピストンの第1の例の断面図である。
【図6】 本発明に基づく実施の形態3におけるピストンの第2の例の断面図である。
【図7】 従来技術に基づくスターリング冷凍機の断面図である。
【図8】 従来技術に基づくスターリング冷凍機に用いられるピストンの断面図である。
【符号の説明】
1 ピストン、2 ディスプレーサ、3 第1のシリンダ、4 再生器、5a,5b 内部熱交換器、6 膨張空間、7 圧縮空間、8 リニアモータ、9 ロッド、10 ピストン用板ばね、11 ディスプレーサ用板ばね、12 作動空間、13 駆動空間、14 ケーシング、15 第2のシリンダ、20 外殻、21 内部空間、22 逆止弁、23 気体軸受用孔、24,24a 軽量内部材、25 仕切り板、26 溝。
Claims (4)
- 作動ガスを内部に封入し、膨張空間と圧縮空間とを含む作動空間と、
前記作動空間内に配設されたシリンダと、
前記シリンダ内を往復運動可能なディスプレーサと、
前記圧縮空間内の前記作動ガスを圧縮するように往復運動可能なピストンと、
前記膨張空間と前記圧縮空間との間を隔て、前記作動ガスが通過可能な再生器とを備え、
前記ピストンは、
内部空間を内側に有し、前記作動ガスが前記圧縮空間から前記内部空間に向けてのみ移動可能となるように逆止弁を設けた外殻と、
前記内部空間内の前記作動ガスが前記外殻の周面に設けられた孔から噴出することで前記ピストンの前記往復運動をなめらかにするための気体軸受と、
前記孔への前記作動ガスの流入が可能なように前記内部空間内に配置された、前記外殻を構成する材料より比重の軽い軽量内部材とを含む、スターリング冷凍機。 - 前記軽量内部材は、プラスチック、ゴムのいずれかを含む、請求項1に記載のスターリング冷凍機。
- 前記軽量内部材は、ポリエステルファイバー、脱脂綿のいずれかである、請求項1に記載のスターリング冷凍機。
- 前記軽量内部材が、前記逆止弁と干渉することを回避するための干渉回避手段を備える、請求項1から3のいずれかに記載のスターリング冷凍機。
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