JPH11201571A - ガス圧縮膨張機 - Google Patents
ガス圧縮膨張機Info
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- JPH11201571A JPH11201571A JP480498A JP480498A JPH11201571A JP H11201571 A JPH11201571 A JP H11201571A JP 480498 A JP480498 A JP 480498A JP 480498 A JP480498 A JP 480498A JP H11201571 A JPH11201571 A JP H11201571A
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- rod
- lubricating oil
- sealing
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長期間に亘りロッドシール部材の潤滑性を保
持しシール部材の摩耗を極力抑制して装置の長寿命化を
図る。 【解決手段】 ロッドシール装置8、9は、駆動室12
から作動室21へ向かう方向の流れに対してシール性が
その逆の流れに対するシール性よりも高い第1シール部
材91と、第1シール部材91の駆動室12側に設けら
れ、作動室21から駆動室12へ向かう方向の流れに対
してシール性がその逆の流れに対するシール性よりも高
い第2シール部材93と、第1シール部材91と第2シ
ール部材93との間に設けられ、ロッド軸方向の寸法が
ロッド22のストロークより短く設定されている中間室
92と、を有し、中間室92には駆動室12からの潤滑
油を滞溜保持する滞溜保持部94と、ロッド22に対峙
し、滞溜保持部94に溜まった潤滑油を吸着する潤滑油
吸着用部材95とが設けられている。
持しシール部材の摩耗を極力抑制して装置の長寿命化を
図る。 【解決手段】 ロッドシール装置8、9は、駆動室12
から作動室21へ向かう方向の流れに対してシール性が
その逆の流れに対するシール性よりも高い第1シール部
材91と、第1シール部材91の駆動室12側に設けら
れ、作動室21から駆動室12へ向かう方向の流れに対
してシール性がその逆の流れに対するシール性よりも高
い第2シール部材93と、第1シール部材91と第2シ
ール部材93との間に設けられ、ロッド軸方向の寸法が
ロッド22のストロークより短く設定されている中間室
92と、を有し、中間室92には駆動室12からの潤滑
油を滞溜保持する滞溜保持部94と、ロッド22に対峙
し、滞溜保持部94に溜まった潤滑油を吸着する潤滑油
吸着用部材95とが設けられている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力の発生に用い
るスターリングエンジンや、低温の発生に用いるスター
リング冷凍機などのガス圧縮膨張機に関し、特に、潤滑
油の作動空間内への侵入を防止するロッドシール装置を
備えたガス圧縮膨張機に関する。
るスターリングエンジンや、低温の発生に用いるスター
リング冷凍機などのガス圧縮膨張機に関し、特に、潤滑
油の作動空間内への侵入を防止するロッドシール装置を
備えたガス圧縮膨張機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、バイオテクノロジーの分野や電子
デバイスの分野等の先端技術分野において、各種試料や
各種材料の極低温の保存技術の開発が急務になってい
る。特に、スターリング冷凍機などのガス圧縮膨張機
は、上記極低温を実現する手段として注目され各種赤外
線センサー、超電導デバイス等の冷却用やバイオメディ
カル用のフリーザ、冷凍庫等に広く利用されようとして
いる。
デバイスの分野等の先端技術分野において、各種試料や
各種材料の極低温の保存技術の開発が急務になってい
る。特に、スターリング冷凍機などのガス圧縮膨張機
は、上記極低温を実現する手段として注目され各種赤外
線センサー、超電導デバイス等の冷却用やバイオメディ
カル用のフリーザ、冷凍庫等に広く利用されようとして
いる。
【0003】そして、このガス圧縮膨張機においては、
作動ガスを圧縮及び/又は膨張させるピストンまたはデ
ィスプレーサが、ロッドを介してシリンダ内を往復動す
るように構成されており、このロッドには駆動室側から
作動室側に潤滑油が侵入するのを防止するためにロッド
シール装置が設けられている。
作動ガスを圧縮及び/又は膨張させるピストンまたはデ
ィスプレーサが、ロッドを介してシリンダ内を往復動す
るように構成されており、このロッドには駆動室側から
作動室側に潤滑油が侵入するのを防止するためにロッド
シール装置が設けられている。
【0004】図3に、ピストンロッドに取り付けられた
従来のロッドシール装置を示す。図中101は膨張シリ
ンダや圧縮シリンダ等のシリンダを示し、102はシリ
ンダ101内を往復動するピストンを示し、103はピ
ストンロッドを示し、104はクロスガイドを示し、1
05はクロスガイド104を図示しないクランク室内に
収容されたクランク軸に連結するコンロッドを示し、1
06はクロスガイド104を案内する案内部を示してい
る。そして、案内部106の上端部には、ピストンロッ
ド103を囲み、且つピストン102の背面側にクラン
ク室の潤滑油が侵入するのを防止するためのロッドシー
ル部107が装着されている。
従来のロッドシール装置を示す。図中101は膨張シリ
ンダや圧縮シリンダ等のシリンダを示し、102はシリ
ンダ101内を往復動するピストンを示し、103はピ
ストンロッドを示し、104はクロスガイドを示し、1
05はクロスガイド104を図示しないクランク室内に
収容されたクランク軸に連結するコンロッドを示し、1
06はクロスガイド104を案内する案内部を示してい
る。そして、案内部106の上端部には、ピストンロッ
ド103を囲み、且つピストン102の背面側にクラン
ク室の潤滑油が侵入するのを防止するためのロッドシー
ル部107が装着されている。
【0005】そして、このロッドシール部107とし
て、クランク室からピストン102の背面側へ向かう方
向の流れに対してのシール性がその逆の流れに対するシ
ール性より高いリップ型のシール部材を用いている。こ
のリップ型のシール部材はシールの方向性を持たないス
リッパシール等の樹脂型のシール部材に比較して一方向
へのシール性が優れており、油圧機構などにおいて盛ん
に用いられている。
て、クランク室からピストン102の背面側へ向かう方
向の流れに対してのシール性がその逆の流れに対するシ
ール性より高いリップ型のシール部材を用いている。こ
のリップ型のシール部材はシールの方向性を持たないス
リッパシール等の樹脂型のシール部材に比較して一方向
へのシール性が優れており、油圧機構などにおいて盛ん
に用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油圧機
構などのようにシール部材の一方が常に潤滑油に接して
いるものと異なり、ガス圧縮膨張機では作動空間へのオ
イル侵入を極力防止するために、クランク室内に充填さ
れている潤滑油をシール部へ積極的に供給する構造とは
なっておらず、シール部材の摩耗が激しいという問題点
があった。
構などのようにシール部材の一方が常に潤滑油に接して
いるものと異なり、ガス圧縮膨張機では作動空間へのオ
イル侵入を極力防止するために、クランク室内に充填さ
れている潤滑油をシール部へ積極的に供給する構造とは
なっておらず、シール部材の摩耗が激しいという問題点
があった。
【0007】このため、シール部材の接触部(シール
部)に予めグリース等の潤滑剤を塗布する等の対策を講
じているが、シール部に塗布された潤滑剤がピストンロ
ッド103の往復動に伴い徐々に取り除かれ、その結
果、依然としてシール部材の摩耗による装置寿命低下を
招来するという問題点を有していた。特に、シール性に
方向性の有するシール部材の場合に、初期に塗布された
グリースなどの潤滑剤がピストンロッド103の往復動
に伴いそのシール性の低い側に掻き出されてしまい、そ
の傾向が顕著であった。
部)に予めグリース等の潤滑剤を塗布する等の対策を講
じているが、シール部に塗布された潤滑剤がピストンロ
ッド103の往復動に伴い徐々に取り除かれ、その結
果、依然としてシール部材の摩耗による装置寿命低下を
招来するという問題点を有していた。特に、シール性に
方向性の有するシール部材の場合に、初期に塗布された
グリースなどの潤滑剤がピストンロッド103の往復動
に伴いそのシール性の低い側に掻き出されてしまい、そ
の傾向が顕著であった。
【0008】本発明の目的は、駆動室から作動室へ向か
う方向の流れに対してのシール性がその逆の流れに対す
るシール性より高いシール部材を備えたガス圧縮膨張機
において、長期間に亘りシール部材の潤滑性を保持しシ
ール部材の摩耗を極力抑制して装置の長寿命化を図るこ
とである。
う方向の流れに対してのシール性がその逆の流れに対す
るシール性より高いシール部材を備えたガス圧縮膨張機
において、長期間に亘りシール部材の潤滑性を保持しシ
ール部材の摩耗を極力抑制して装置の長寿命化を図るこ
とである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明は、ロッドの一端に
接続されたピストンまたはディスプレーサを、シリンダ
内で往復動可能に収容する作動室と、前記ロッドの他端
が接続され、前記ピストンまたはディスプレーサを往復
動させるピストン駆動機構を収容する駆動室と、前記ロ
ッドが貫通し、前記駆動室内の潤滑油が前記作動室に侵
入するのを防ぐロッドシール装置と、を備え、前記ロッ
ドシール装置は、前記駆動室から作動室へ向かう方向の
流れに対してシール性がその逆の流れに対するシール性
よりも高い第1シール部材と、該第1シール部材の前記
駆動室側に設けられ、前記作動室から駆動室へ向かう方
向の流れに対してシール性がその逆の流れに対するシー
ル性よりも高い第2シール部材と、前記第1シール部材
と第2シール部材との間に設けられ、ロッド軸方向の寸
法が前記ロッドのストロークより短く設定されている中
間室と、を有し、該中間室には、前記駆動室からの潤滑
油を滞溜保持する滞溜保持部と、前記ロッドに対峙し、
前記滞溜保持部に溜まった潤滑油を吸着する潤滑油吸着
用部材とが設けられていることを特徴とするものであ
る。
接続されたピストンまたはディスプレーサを、シリンダ
内で往復動可能に収容する作動室と、前記ロッドの他端
が接続され、前記ピストンまたはディスプレーサを往復
動させるピストン駆動機構を収容する駆動室と、前記ロ
ッドが貫通し、前記駆動室内の潤滑油が前記作動室に侵
入するのを防ぐロッドシール装置と、を備え、前記ロッ
ドシール装置は、前記駆動室から作動室へ向かう方向の
流れに対してシール性がその逆の流れに対するシール性
よりも高い第1シール部材と、該第1シール部材の前記
駆動室側に設けられ、前記作動室から駆動室へ向かう方
向の流れに対してシール性がその逆の流れに対するシー
ル性よりも高い第2シール部材と、前記第1シール部材
と第2シール部材との間に設けられ、ロッド軸方向の寸
法が前記ロッドのストロークより短く設定されている中
間室と、を有し、該中間室には、前記駆動室からの潤滑
油を滞溜保持する滞溜保持部と、前記ロッドに対峙し、
前記滞溜保持部に溜まった潤滑油を吸着する潤滑油吸着
用部材とが設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0010】この構成を用いることにより、ロッドの往
復動に伴って、第1シール部材と第2シール部材間の中
間室に所定量の潤滑油が滞溜保持されると共に、滞溜保
持部に滞溜する液量が変化した場合においても潤滑油吸
着用部材からロッドに潤滑油の油膜が塗布されることと
なり、第1シール部材の駆動室側のロッドとの接触部分
(シール部)潤滑性を長期間に亘り安定的に保持し、そ
の第1シール部材の摩耗を極力抑制して装置の長寿命化
を図ることができる。
復動に伴って、第1シール部材と第2シール部材間の中
間室に所定量の潤滑油が滞溜保持されると共に、滞溜保
持部に滞溜する液量が変化した場合においても潤滑油吸
着用部材からロッドに潤滑油の油膜が塗布されることと
なり、第1シール部材の駆動室側のロッドとの接触部分
(シール部)潤滑性を長期間に亘り安定的に保持し、そ
の第1シール部材の摩耗を極力抑制して装置の長寿命化
を図ることができる。
【0011】具体的には、潤滑油吸着用部材は多孔質体
から構成されており、これにより、滞溜保持部に滞溜す
る潤滑油を吸着し、装置の起動開始時など滞溜保持部に
滞溜する液量が少ない場合においても、シール部への安
定した潤滑油供給が可能となっている。
から構成されており、これにより、滞溜保持部に滞溜す
る潤滑油を吸着し、装置の起動開始時など滞溜保持部に
滞溜する液量が少ない場合においても、シール部への安
定した潤滑油供給が可能となっている。
【0012】また、潤滑油吸着用部材は、ロッドを囲繞
し、滞溜保持部と第1シール部材との間に配設されてお
り、この構成により、滞溜保持部に溜まった潤滑油がロ
ッドの往復動に伴って第1シール部材に直接かかること
がなく、必要以上に第1シール部材のシール部に潤滑油
が供給されて、作動室に潤滑油が侵入するという虞れが
ない。
し、滞溜保持部と第1シール部材との間に配設されてお
り、この構成により、滞溜保持部に溜まった潤滑油がロ
ッドの往復動に伴って第1シール部材に直接かかること
がなく、必要以上に第1シール部材のシール部に潤滑油
が供給されて、作動室に潤滑油が侵入するという虞れが
ない。
【0013】更に好ましくは、中間室に溜まった一定量
以上の潤滑油を前記駆動室に戻すオイル戻し手段を有す
るものである。この構成を用いることにより、中間室に
駆動室からオイルが必要以上溜まることがなく、適度に
ロッドに潤滑油の油膜を塗布することができる。
以上の潤滑油を前記駆動室に戻すオイル戻し手段を有す
るものである。この構成を用いることにより、中間室に
駆動室からオイルが必要以上溜まることがなく、適度に
ロッドに潤滑油の油膜を塗布することができる。
【0014】更に好ましくは、前記第1シール部材及び
/又は第2シール部材は、リップ型のシール部材であ
る。この構成を用いることにより、第1シール部材につ
いては、駆動室から作動室へ向かう方向の流れに対する
高いシール性を実現することができ、第2シール部材
は、逆に作動室から駆動室へ向かう方向の流れに対する
高いシール性を実現することができる。
/又は第2シール部材は、リップ型のシール部材であ
る。この構成を用いることにより、第1シール部材につ
いては、駆動室から作動室へ向かう方向の流れに対する
高いシール性を実現することができ、第2シール部材
は、逆に作動室から駆動室へ向かう方向の流れに対する
高いシール性を実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に沿って詳述する。図1は本発明の一実施の形態に係
るガス圧縮膨張機である。本実施形態の説明では、ガス
圧縮膨張機としてディスプレーサタイプのスターリング
冷凍装置の場合を例に説明する。
面に沿って詳述する。図1は本発明の一実施の形態に係
るガス圧縮膨張機である。本実施形態の説明では、ガス
圧縮膨張機としてディスプレーサタイプのスターリング
冷凍装置の場合を例に説明する。
【0016】本体ハウジング1には、膨張シリンダ2と
圧縮シリンダ3とが取り付けられ、膨張シリンダ2に内
蔵されたディスプレーサ6と、圧縮シリンダ3に内蔵さ
れた圧縮ピストン7は、圧縮ピストン7の位相がディス
プレーサ6の位相に対して略90度遅れるように、クラ
ンク機構(ピストン駆動機構)5に連結されている。
圧縮シリンダ3とが取り付けられ、膨張シリンダ2に内
蔵されたディスプレーサ6と、圧縮シリンダ3に内蔵さ
れた圧縮ピストン7は、圧縮ピストン7の位相がディス
プレーサ6の位相に対して略90度遅れるように、クラ
ンク機構(ピストン駆動機構)5に連結されている。
【0017】ディスプレーサ6は、内部に例えば焼結金
属からなる蓄冷材14が充填されており、ディスプレー
サ6の一方の開口から流入した作動ガスは、蓄冷材14
の内部を通過し、他方の開口からの流出までの過程で、
蓄冷材14との熱交換が行われる。
属からなる蓄冷材14が充填されており、ディスプレー
サ6の一方の開口から流入した作動ガスは、蓄冷材14
の内部を通過し、他方の開口からの流出までの過程で、
蓄冷材14との熱交換が行われる。
【0018】このディスプレーサ6は、再生熱交換器と
しての機能を兼ね備えたものであって、その熱交換性能
は冷凍装置の成績係数を大きく左右する。また、膨張シ
リンダ2および圧縮シリンダ3はそれぞれ後述のロッド
シール装置8、9によってクランク室(駆動室)12と
仕切られており、膨張シリンダ2の基端部と圧縮シリン
ダ3の圧縮空間部とは、ガス流路4によって互いに連通
されている。これにより、圧縮シリンダ3に形成される
圧縮空間13と膨張シリンダ2に形成される膨張空間1
1とが、蓄冷材14を介してガス流路4によって連通さ
れることになる。一方、クランク室12には潤滑油(オ
イル)10が注入されている。
しての機能を兼ね備えたものであって、その熱交換性能
は冷凍装置の成績係数を大きく左右する。また、膨張シ
リンダ2および圧縮シリンダ3はそれぞれ後述のロッド
シール装置8、9によってクランク室(駆動室)12と
仕切られており、膨張シリンダ2の基端部と圧縮シリン
ダ3の圧縮空間部とは、ガス流路4によって互いに連通
されている。これにより、圧縮シリンダ3に形成される
圧縮空間13と膨張シリンダ2に形成される膨張空間1
1とが、蓄冷材14を介してガス流路4によって連通さ
れることになる。一方、クランク室12には潤滑油(オ
イル)10が注入されている。
【0019】以上の構成で、駆動モータ16の回転によ
り駆動されるクランク機構5によって圧縮ピストン7と
ディスプレーサ6が略90度の位相差をもって往復運動
する。先ず、圧縮ピストン7が移動して、装置本体内に
充満するヘリウムなどの作動ガスを圧縮し、この圧縮さ
れ発熱した作動ガスは、放熱フィン17で放熱される。
次に、ディスプレーサ6の降下によって作動ガスが冷や
されてから膨張シリンダ2の作動空間である膨張空間1
1へ導かれる。その後、圧縮ピストン7の移動によって
装置本体内の作動ガスが膨張する膨張工程となり、作動
ガスの膨張により作動ガスが低温となって、コールドヘ
ッド15を介して図示しない冷却器などを冷却する。続
いて、ディスプレーサ6の上昇により作動ガスは温めら
れてから圧縮シリンダ3の作動空間である圧縮空間13
へ導かれる。
り駆動されるクランク機構5によって圧縮ピストン7と
ディスプレーサ6が略90度の位相差をもって往復運動
する。先ず、圧縮ピストン7が移動して、装置本体内に
充満するヘリウムなどの作動ガスを圧縮し、この圧縮さ
れ発熱した作動ガスは、放熱フィン17で放熱される。
次に、ディスプレーサ6の降下によって作動ガスが冷や
されてから膨張シリンダ2の作動空間である膨張空間1
1へ導かれる。その後、圧縮ピストン7の移動によって
装置本体内の作動ガスが膨張する膨張工程となり、作動
ガスの膨張により作動ガスが低温となって、コールドヘ
ッド15を介して図示しない冷却器などを冷却する。続
いて、ディスプレーサ6の上昇により作動ガスは温めら
れてから圧縮シリンダ3の作動空間である圧縮空間13
へ導かれる。
【0020】以上の工程が順次繰り返されて、膨張空間
11の作動ガスが膨張時に冷却器を冷却して徐々に冷凍
温度とする。尚、本実施形態例ではロッドシール装置
8、9の膨張空間11、圧縮空間13側には、Tリング
等の樹脂型のガスシール部材18、19がそれぞれ設け
られている。
11の作動ガスが膨張時に冷却器を冷却して徐々に冷凍
温度とする。尚、本実施形態例ではロッドシール装置
8、9の膨張空間11、圧縮空間13側には、Tリング
等の樹脂型のガスシール部材18、19がそれぞれ設け
られている。
【0021】次に、本発明のロッドシール装置8、9の
構造について図2に基づいて説明する。図2は上述した
スターリング冷凍装置におけるロッドシール装置9の部
分を示す断面図である。尚、以下に図1に示すロッドシ
ール装置9の具体的構成のみを詳述するが、ロッドシー
ル装置8の具体的構成についても同様である。
構造について図2に基づいて説明する。図2は上述した
スターリング冷凍装置におけるロッドシール装置9の部
分を示す断面図である。尚、以下に図1に示すロッドシ
ール装置9の具体的構成のみを詳述するが、ロッドシー
ル装置8の具体的構成についても同様である。
【0022】図において21は上述した圧縮ピストン7
を有する作動室、22は圧縮ピストン7に一端が連結さ
れたピストンロッド、23はピストンロッド22の他端
に連結されたクロスガイド、24はクランク室12内に
収容されたクランク軸に連結するコンロッド、25はク
ロスガイド23を案内する案内部を示している。そし
て、案内部25の上端部には、ピストンロッド22を囲
み、且つ圧縮ピストン7の背面側にクランク室12のオ
イル10が侵入するのを防止するためのロッドシール装
置9が装着されている。
を有する作動室、22は圧縮ピストン7に一端が連結さ
れたピストンロッド、23はピストンロッド22の他端
に連結されたクロスガイド、24はクランク室12内に
収容されたクランク軸に連結するコンロッド、25はク
ロスガイド23を案内する案内部を示している。そし
て、案内部25の上端部には、ピストンロッド22を囲
み、且つ圧縮ピストン7の背面側にクランク室12のオ
イル10が侵入するのを防止するためのロッドシール装
置9が装着されている。
【0023】このロッドシール装置9は、クランク室1
2から作動室21へ向かう方向の流れに対してのシール
性がその逆の流れに対するシール性より高いリップ型シ
ールの第1シール部材91と、該第1シール部材91の
クランク室12側に設けられ、ロッド軸方向の寸法がピ
ストンロッド22のストロークより短く設定されている
中間室92と、該中間室92のクランク室12側に設け
られ、作動室21からクランク室12へ向かう方向の流
れに対してシール性がその逆の流れに対するシール性よ
りも高いリップ型シールの第2シール部材93とから構
成されている。
2から作動室21へ向かう方向の流れに対してのシール
性がその逆の流れに対するシール性より高いリップ型シ
ールの第1シール部材91と、該第1シール部材91の
クランク室12側に設けられ、ロッド軸方向の寸法がピ
ストンロッド22のストロークより短く設定されている
中間室92と、該中間室92のクランク室12側に設け
られ、作動室21からクランク室12へ向かう方向の流
れに対してシール性がその逆の流れに対するシール性よ
りも高いリップ型シールの第2シール部材93とから構
成されている。
【0024】そして、中間室92にはクランク室12か
らのオイル10が所定量滞溜保持可能なように、ロッド
径方向の寸法が作動室21側に向かうにつれて大きくな
るテーパ状に形成された滞溜保持部94と、ピストンロ
ッド22に対峙し、滞溜保持部94に溜まったオイル1
0を吸着する潤滑油吸着用部材95とが設けられてい
る。
らのオイル10が所定量滞溜保持可能なように、ロッド
径方向の寸法が作動室21側に向かうにつれて大きくな
るテーパ状に形成された滞溜保持部94と、ピストンロ
ッド22に対峙し、滞溜保持部94に溜まったオイル1
0を吸着する潤滑油吸着用部材95とが設けられてい
る。
【0025】滞留保持部94には、その外周部分にはこ
の滞留保持部94に溜まった所定量以上のオイル10を
クランク室12に戻すためのオイル戻し孔96が設けら
れている。
の滞留保持部94に溜まった所定量以上のオイル10を
クランク室12に戻すためのオイル戻し孔96が設けら
れている。
【0026】潤滑油吸着用部材95は、その中央部分を
ピストンロッド22が貫通するための中空部を有する略
円柱形のスポンジ状の多孔質体から構成され、その底部
が滞溜保持部94に溜まったオイル10に当接するよう
に配接されている。具体的には、潤滑油吸着用部材95
としてはポリウレタン、セルロース材料等の吸油性の高
い材料からなる多孔質体で構成されている。
ピストンロッド22が貫通するための中空部を有する略
円柱形のスポンジ状の多孔質体から構成され、その底部
が滞溜保持部94に溜まったオイル10に当接するよう
に配接されている。具体的には、潤滑油吸着用部材95
としてはポリウレタン、セルロース材料等の吸油性の高
い材料からなる多孔質体で構成されている。
【0027】以上のように、第2シール部材93を、作
動室21からクランク室12へ向かう方向の流れに対し
てのシール性がその逆の流れに対するシール性よりも高
くなるように設定されているので、クランク室12から
侵入したオイル10が滞溜保持部94に保持されること
になる。
動室21からクランク室12へ向かう方向の流れに対し
てのシール性がその逆の流れに対するシール性よりも高
くなるように設定されているので、クランク室12から
侵入したオイル10が滞溜保持部94に保持されること
になる。
【0028】また、中間室92は、ロッド軸方向の寸法
がピストンロッド22のストロークより短くなるように
設定されているので、滞溜保持部94においてピストン
ロッド22に塗布されたオイル10の油膜がピストンロ
ッド22の上下動に伴い、第1シール部材91のピスト
ンロッド22との当接部、即ちシール部に塗布されるこ
ととなる。
がピストンロッド22のストロークより短くなるように
設定されているので、滞溜保持部94においてピストン
ロッド22に塗布されたオイル10の油膜がピストンロ
ッド22の上下動に伴い、第1シール部材91のピスト
ンロッド22との当接部、即ちシール部に塗布されるこ
ととなる。
【0029】一方、冷凍装置の運転停止時には滞溜保持
部94に溜まっていたオイル10がクランク室12に戻
ってしまうが、潤滑油吸着用部材95が設けられている
ため運転開始初期にはピストンロッド22に潤滑油吸着
用部材95からオイル10の油膜が塗布されることにな
り、滞溜保持部94に溜まるオイル10の液量に関係な
く常に第1シール部材91のシール部の潤滑を保持する
ことができる。従って、第1シール部材91の摩耗を極
力抑制し、装置寿命の長期化を図ることができる。
部94に溜まっていたオイル10がクランク室12に戻
ってしまうが、潤滑油吸着用部材95が設けられている
ため運転開始初期にはピストンロッド22に潤滑油吸着
用部材95からオイル10の油膜が塗布されることにな
り、滞溜保持部94に溜まるオイル10の液量に関係な
く常に第1シール部材91のシール部の潤滑を保持する
ことができる。従って、第1シール部材91の摩耗を極
力抑制し、装置寿命の長期化を図ることができる。
【0030】更に、滞溜保持部94と第1シール部材9
1との間に潤滑油吸着用部材95が介在するので、滞溜
保持部94に溜まったオイル10がピストンロッド22
の往復動に伴って第1シール部材91に直接かかること
がなく、必要以上に第1シール部材91のシール部にオ
イルが供給されて、作動室21にオイルが侵入するとい
う虞れもない。
1との間に潤滑油吸着用部材95が介在するので、滞溜
保持部94に溜まったオイル10がピストンロッド22
の往復動に伴って第1シール部材91に直接かかること
がなく、必要以上に第1シール部材91のシール部にオ
イルが供給されて、作動室21にオイルが侵入するとい
う虞れもない。
【0031】上記実施の形態の説明は、本発明を説明す
るためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を
限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。
又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許
請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能で
ある。
るためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を
限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。
又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許
請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能で
ある。
【0032】例えば、上述の実施形態の説明では第1及
び第2シール部材91、93としてリップ型のシール部
材を用いる場合について説明したが、上述した方向性の
有するものであればリップ型のものに限定されるもので
はない。
び第2シール部材91、93としてリップ型のシール部
材を用いる場合について説明したが、上述した方向性の
有するものであればリップ型のものに限定されるもので
はない。
【0033】また、潤滑油吸着用部材95として中空部
を有する略円柱形状のものを用いる場合について説明し
たが、必ずしもピストンロッド22の全周部分で対峙す
る必要は無く、少なくともピストンロッド22の外周部
分に対峙するように配設されていれば形状はその他のも
のであっても構わない。但し、この場合には、滞溜保持
部94と第1シール部材91との間に潤滑油吸着用部材
95が介在しない領域が存在することとなるため、ピス
トンロッド22の往復動に伴って第1シール部材91に
直接かかる虞れがある。
を有する略円柱形状のものを用いる場合について説明し
たが、必ずしもピストンロッド22の全周部分で対峙す
る必要は無く、少なくともピストンロッド22の外周部
分に対峙するように配設されていれば形状はその他のも
のであっても構わない。但し、この場合には、滞溜保持
部94と第1シール部材91との間に潤滑油吸着用部材
95が介在しない領域が存在することとなるため、ピス
トンロッド22の往復動に伴って第1シール部材91に
直接かかる虞れがある。
【0034】
【発明の効果】以上述べたとおり本発明によれば、潤滑
油の作動空間内への侵入を防止するロッドシール装置と
して、駆動室から作動室へ向かう方向の流れに対しての
シール性がその逆の流れに対するシール性より高いシー
ル部材を備えたガス圧縮膨張機において、長期間に亘り
そのシール部材の潤滑性を保持しシール部材の摩耗を極
力抑制して装置の長寿命化を図ることができる。
油の作動空間内への侵入を防止するロッドシール装置と
して、駆動室から作動室へ向かう方向の流れに対しての
シール性がその逆の流れに対するシール性より高いシー
ル部材を備えたガス圧縮膨張機において、長期間に亘り
そのシール部材の潤滑性を保持しシール部材の摩耗を極
力抑制して装置の長寿命化を図ることができる。
【図1】本発明を適用させたディスプレーサタイプのス
ターリング冷凍装置の概略断面図である。
ターリング冷凍装置の概略断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるロッドシール装
置近傍での要部断面図である。
置近傍での要部断面図である。
【図3】従来のロッドシール装置の断面図である。
2 膨張シリンダ 3 圧縮シリンダ 4 ガス流路 5 クランク機構(ピストン駆動機構) 6 ディスプレーサ 7 圧縮ピストン 8、9 ロッドシール装置 11 膨張空間 12 クランク室(駆動室) 13 圧縮空間 21 作動室 22 ピストンロッド 91 第1シール部材 92 中間室 93 第2シール部材 94 滞溜保持部 95 潤滑油吸着用部材 96 オイル戻し孔(オイル戻し手段)
Claims (5)
- 【請求項1】 ロッドの一端に接続されたピストンまた
はディスプレーサを、シリンダ内で往復動可能に収容す
る作動室と、前記ロッドの他端が接続され、前記ピスト
ンまたはディスプレーサを往復動させるピストン駆動機
構を収容する駆動室と、前記ロッドが貫通し、前記駆動
室内の潤滑油が前記作動室に侵入するのを防ぐロッドシ
ール装置と、を備え、 前記ロッドシール装置は、前記駆動室から作動室へ向か
う方向の流れに対してシール性がその逆の流れに対する
シール性よりも高い第1シール部材と、該第1シール部
材の前記駆動室側に設けられ、前記作動室から駆動室へ
向かう方向の流れに対してシール性がその逆の流れに対
するシール性よりも高い第2シール部材と、前記第1シ
ール部材と第2シール部材との間に設けられ、ロッド軸
方向の寸法が前記ロッドのストロークより短く設定され
ている中間室と、を有し、 該中間室には、前記駆動室からの潤滑油を滞溜保持する
滞溜保持部と、前記ロッドに対峙し、前記滞溜保持部に
溜まった潤滑油を吸着する潤滑油吸着用部材とが設けら
れていることを特徴とするガス圧縮膨張機。 - 【請求項2】 前記潤滑油吸着用部材は、前記滞溜保持
部に溜まった潤滑油を吸着するための多孔質体からな
り、該多孔質体に吸着された潤滑油が前記ロッドに塗布
されるように配設されていることを特徴とする請求項1
記載のガス圧縮膨張機。 - 【請求項3】 前記潤滑油吸着用部材は、前記ロッドを
囲繞し、前記滞溜保持部と第1シール部材との間に配設
されていることを特徴とする請求項1又は2記載のガス
圧縮膨張機。 - 【請求項4】 前記滞溜保持部に溜まった一定量以上の
潤滑油を前記駆動室に戻すオイル戻し手段を有すること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガス圧
縮膨張機。 - 【請求項5】 前記第1シール部材及び/又は第2シー
ル部材は、リップ型のシール部材であることを特徴とす
る請求項1乃至4のいずれかに記載のガス圧縮膨張機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP480498A JPH11201571A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | ガス圧縮膨張機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP480498A JPH11201571A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | ガス圧縮膨張機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11201571A true JPH11201571A (ja) | 1999-07-30 |
Family
ID=11593961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP480498A Pending JPH11201571A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | ガス圧縮膨張機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11201571A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6452242B1 (en) * | 2000-03-23 | 2002-09-17 | Mp Technologies Llc | Multi color detector |
CN1319842C (zh) * | 2003-08-25 | 2007-06-06 | 三菱电机株式会社 | 旋转机器 |
-
1998
- 1998-01-13 JP JP480498A patent/JPH11201571A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6452242B1 (en) * | 2000-03-23 | 2002-09-17 | Mp Technologies Llc | Multi color detector |
CN1319842C (zh) * | 2003-08-25 | 2007-06-06 | 三菱电机株式会社 | 旋转机器 |
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