JP2002188867A - スターリング冷凍機 - Google Patents

スターリング冷凍機

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JP2002188867A JP2000383686A JP2000383686A JP2002188867A JP 2002188867 A JP2002188867 A JP 2002188867A JP 2000383686 A JP2000383686 A JP 2000383686A JP 2000383686 A JP2000383686 A JP 2000383686A JP 2002188867 A JP2002188867 A JP 2002188867A
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Compressor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スターリング冷凍機において、雑損失を低減
する。 【解決手段】 スターリング冷凍機の備えるピストン1
は、作動空間12と連通する内部空間21を内側に含む
外殻20と、逆止弁22と、内部空間21内の作動ガス
が外殻20に設けられた気体軸受用孔23から外殻20
の外側に噴出することで、ピストン1の往復運動をなめ
らかにするための気体軸受と、内部空間21内に配置さ
れた、外殻20を構成する材料より比重の軽い軽量内部
材24とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スターリング冷凍
機に関するものである。なお、スターリング冷凍機と
は、ピストンおよびディスプレーサをそれぞれ往復運動
させることによって、シリンダ内部の作動ガスを圧縮お
よび膨張させて逆スターリング熱サイクルを構成し、低
温を得るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のスターリング冷凍機の一例とし
て、ばねの共振を利用するフリーピストン型スターリン
グ冷凍機の構造を図7に示す。ケーシング14内に、大
きく分けて、作動空間12と、駆動空間13とが含まれ
る。作動空間12は、さらに膨張空間6と圧縮空間7と
からなり、作動空間12には作動ガスが封入されてい
る。ケーシング14内部の膨張空間6と圧縮空間7とを
結ぶ方向に沿って第1のシリンダ3が配置されている。
第1のシリンダ3の内側には、第1のシリンダ3の長手
方向に沿って往復運動可能なようにディスプレーサ2が
配置されている。ディスプレーサ2からは往復運動する
方向に沿って膨張空間6と反対側にロッド9が延び、デ
ィスプレーサ用板ばね11によってケーシング14に対
して弾性的に接続されている。
【0003】ディスプレーサ2の圧縮空間7側には、ロ
ッド9を取り囲むようにピストン1が配置されており、
ピストン1を取り囲むように第2のシリンダ15が配置
されている。ピストン1は、駆動空間13内に配置され
たリニアモータ8によって駆動されることによって、第
2のシリンダ15内で所定の周期で圧縮空間7を膨張さ
せたり圧縮させたりするように往復運動可能となってい
る。ピストン1は、ピストン用板ばね10によってケー
シング14に対して弾性的に接続されている。ディスプ
レーサ2は、ピストン1の往復運動に起因する作動空間
12内の作動ガスの圧力変化によって、ピストン1の往
復運動に対して約90°の位相差をもって同一周期で往
復運動するように設定されている。
【0004】第1のシリンダ3の外側には、再生器4が
取り囲むように配置されており、再生器4によって膨張
空間6と圧縮空間7とが隔てられている。また、再生器
4を挟んで内部熱交換器5a,5bが第1のシリンダ3
を取り囲むように配置されている。ディスプレーサ2の
往復運動に応じて、作動ガスは膨張空間6と圧縮空間7
との間を往復する。作動ガスが膨張空間6から圧縮空間
7へ移動する際には、内部熱交換器5a、再生器4、内
部熱交換器5bの順に透過し、逆向きの移動の際には逆
の順序で透過する。
【0005】このように作動ガスを扱うことで、作動空
間12内で逆スターリング熱サイクルが構成され、膨張
空間6に低温が得られる。低温の発生原理などの逆スタ
ーリング熱サイクルについては、公知技術であるので、
ここでは説明を省略する。
【0006】上述のような従来のスターリング冷凍機に
おいては、駆動負荷の軽減や材料費の低減のため、ピス
トン1を中空とする場合がある。また、ピストン1と第
2のシリンダ15との間の潤滑を図るために、気体軸受
が用いられる場合がある。そこで、これら両方を兼ねて
実現した構造として、ピストン1の断面を図8に示すよ
うな構造が考えられる。すなわち、ピストン1の外殻2
0の圧縮空間7に面する側の面には、内部空間21と圧
縮空間7とを連通させる孔を設け、この孔を通る作動ガ
スの内部空間21側への移動は許し、圧縮空間7側への
移動は妨げるように逆止弁22が設けられている。ピス
トン1が圧縮空間7に向かって進行する際に、逆止弁2
2を通じて内部空間21に流入した作動ガスは、ピスト
ン1の進行につれて内部空間21の圧力が高まるため、
外殻20の第2のシリンダ15と摺動する側の面に設け
られた気体軸受用孔23からピストン1の外へ噴出す
る。こうして、気体軸受用孔23から噴出した作動ガス
によってピストン1と第2のシリンダ15との間に気体
軸受が構成され、ピストン1の往復運動が円滑に行なわ
れるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような気体軸受
を備えるスターリング冷凍機の場合、作動ガスがピスト
ン1の内部空間21に流入することとなる。一方、軽量
化を図るためには、内部空間21はなるべく大きくとる
ことが望まれる。しかし、ピストン1の内部空間21の
容量が大きいと、ピストン1が圧縮空間7側に移動する
際には、圧縮空間7だけでなく内部空間21も共に圧縮
されることとなる。内部空間21が広ければ、その分、
圧縮時の仕事量が増加してしまう。これにより雑損失と
して失われるエネルギーが大きくなってしまう。
【0008】そこで、本発明では、雑損失を低減したス
ターリング冷凍機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に基づくスターリング冷凍機は、作動ガスを
内部に封入し、膨張空間と圧縮空間とを含む作動空間
と、上記作動空間内に固定されたシリンダと、上記シリ
ンダ内を上記膨張空間側と上記圧縮空間側とを結ぶ方向
に往復運動可能なディスプレーサと、上記圧縮空間を圧
縮させたり膨張させたりするように往復運動可能なピス
トンと、上記シリンダの外側で上記膨張空間と上記圧縮
空間との間を隔て、上記作動ガスが透過可能な再生器と
を備え、上記ピストンは、上記作動空間と連通する内部
空間を内側に含む外殻と、上記作動ガスが上記圧縮空間
から上記内部空間に向けてのみ移動可能となるようにす
るための逆止弁と、上記内部空間内の上記作動ガスが上
記外殻に設けられた孔から上記外殻の外側に噴出するこ
とで上記ピストンの上記往復運動をなめらかにするため
の気体軸受と、上記内部空間内に配置された、上記外殻
を構成する材料より比重の軽い材料を含む部材である軽
量内部材とを含む。
【0010】上記構成を採用することにより、内部空間
に軽量内部材が配置されて空間を塞がれている分だけ、
内部空間の容量が小さくなるため、圧縮空間を圧縮する
際に逆止弁を通じて圧縮空間と内部空間とが連通したと
しても、被圧縮領域の体積の増加を抑えることができ
る。その結果、圧縮仕事量の増加を抑えることができ、
スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることがで
きる。
【0011】上記発明において好ましくは、上記軽量内
部材は、プラスチック、ゴムのいずれかを含む。この構
成を採用することにより、ピストンの軽量化のために外
殻0を薄く内部空間を大きくしたままで、内部空間の容
量を小さくすることができる。また、製作費用の増加も
抑えることができる。
【0012】上記発明において好ましくは、上記軽量内
部材は、比熱が1kJ/kg・K以上である。この構成
を採用することにより、軽量内部材が、作動空間側の低
温と、駆動空間側の比較的高い温度との間の熱伝導を緩
衝する役割を果たす。したがって、圧縮空間から内部空
間へと流入した低温の作動ガスが温度上昇によって急激
に膨張することを防止できる。なおかつ、軽量内部材の
配置によって内部空間の容量は小さくなっている。その
結果、雑損失量を低減することができる。
【0013】上記発明において好ましくは、上記軽量内
部材は、ポリエステルファイバー、脱脂綿のいずれかで
ある。この構成を採用することにより、比熱が1kJ/
kg・K以上で外殻の材料より比重が軽い材料である軽
量内部材が実現でき、また、製作も容易となる。さら
に、費用も抑えることができる。
【0014】上記発明において好ましくは、上記軽量内
部材が、上記逆止弁と干渉することを回避するための干
渉回避手段を備える。この構成を採用することにより、
軽量内部材が内部空間内で移動したり広がったりして逆
止弁の動作を妨げることを防止できる。
【0015】上記発明において好ましくは、上記ピスト
ンは、上記外殻の外側表面に、溝を周設する。この構成
を採用することにより、シール効果がもたらされ、作動
ガスが駆動空間側に漏れることを防止できる。作動ガス
の漏れを防止できることによって、リーク損失が低減で
きるので、ピストンの圧縮仕事量の増加を防止できる。
その結果、上述の各発明による雑損失量の増加抑制効果
に加えて、さらに雑損失量の増加を抑えることができ
る。
【0016】上記発明において好ましくは、作動ガスを
内部に封入し、膨張空間と圧縮空間とを含む作動空間
と、上記作動空間内に固定されたシリンダと、上記シリ
ンダ内を上記膨張空間側と上記圧縮空間側とを結ぶ方向
に往復運動可能なディスプレーサと、上記圧縮空間を圧
縮させたり膨張させたりするように往復運動可能なピス
トンと、上記シリンダの外側で上記膨張空間と上記圧縮
空間との間を隔て、上記作動ガスが透過可能な再生器と
を備え、上記ピストンは、上記作動空間と連通する内部
空間を内側に含む外殻と、上記作動ガスが上記圧縮空間
から上記内部空間に向けて移動することはできるが逆向
きの移動はできないように設けられた逆止弁と、上記内
部空間内の上記作動ガスが上記外殻に設けられた孔から
上記外殻の外側に噴出することで上記ピストンの上記往
復運動をなめらかにするための気体軸受とを含み、上記
ピストンは、上記外殻の外側表面に、取り囲むように溝
を有する。この構成を採用することにより、シール効果
がもたらされ、作動ガスが駆動空間側に漏れることを防
止できる。作動ガスの漏れを防止できることによって、
リーク損失が低減できるので、ピストンの圧縮仕事量の
増加を防止でき、スターリング冷凍機の雑損失量の増加
を抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】(実施の形態1) (構成)図1、図2、図7を参照して、本発明に基づく
実施の形態1におけるスターリング冷凍機について説明
する。本実施の形態におけるスターリング冷凍機として
のフリーピストン型スターリング冷凍機は、大まかな構
成は、図7に示した従来のものと同じである。しかし、
ピストン1の内部空間21の構成が従来のもの(図8参
照)とは異なり、図1に示すような構造となる。すなわ
ち、ピストン1の内部空間21に軽量内部材24が配置
されている。軽量内部材24は、逆止弁22の動作と干
渉しないように、かつ、気体軸受用孔23への作動ガス
流入を妨げないような位置に収まるように、配置されて
いる。軽量内部材24は、たとえば、円筒状に設けら
れ、円筒内部の空洞部をピストン1のロッド9の外周部
に嵌め合せて固定される。軽量内部材24は、ピストン
1の外殻20を構成する材料より比重の軽い材料を含む
部材としている。具体的には、プラスチックやゴムなど
といった材料が選択されている。
【0018】(作用・効果)軽量内部材24を配置した
ことにより、ピストン1の軽量化のために外殻20を薄
く内部空間21を大きくしたままで、内部空間21の容
量を小さくすることができる。
【0019】元々、図7、図8に示したような従来のス
ターリング冷凍機においては、ピストン1が圧縮空間7
を圧縮する工程においては、ピストン1の移動に伴って
圧縮空間7から内部空間21へと作動ガスが流れ込む向
きの力が加わり、逆止弁22が開いて、圧縮空間7と内
部空間21とが連通する。この圧縮工程に注目したとき
に、圧縮空間7と内部空間21とが連通することによっ
て、内部空間21も被圧縮領域の一部となる。このと
き、被圧縮領域の体積がその分大きくなることによって
ピストン1の行なう圧縮仕事量が増加する。圧縮仕事量
が増加するということは、スターリング冷凍機のサイク
ルとしては、いわゆる雑損失量が増加することとなる。
【0020】これに対して、本実施の形態では、内部空
間21に軽量内部材24が配置されて空間を塞がれてい
る分だけ、内部空間21の容量が小さくなるため、圧縮
空間7と内部空間21とが連通したとしても、被圧縮領
域の体積の増加を抑えることができる。その結果、圧縮
仕事量の増加を抑えることができる。したがって、スタ
ーリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えることができ
る。スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えること
ができるということは、スターリング冷凍機の運転に必
要な入力エネルギーが少なくても済むということであ
り、スターリング冷凍機の効率を向上させることができ
る。図8に示したピストンを備える従来のスターリング
冷凍機と、図1に示したピストンを備える本実施の形態
におけるスターリング冷凍機との雑損失量の比較を、図
2に示す。この例では、軽量内部材24としての樹脂材
料の挿入によって、雑損失量で約1〜2Wの低減効果が
見られる。
【0021】また、樹脂材料は軽いため、内部空間21
の大部分を占めるように配置したとしても、重量の増加
はわずかであり、スターリング冷凍機の力学系や性能に
大きな影響は及ぼさない。また、軽量内部材24として
採用されるゴムや樹脂は、きわめて安価であり、ピスト
ン1製作に要するコストをさほど増加させずに済む。
【0022】以上のように、本実施の形態によれば、雑
損失が少なく効率が良いスターリング冷凍機が得られ
る。
【0023】(実施の形態2) (構成)図3、図4、図7を参照して、本発明に基づく
実施の形態2におけるスターリング冷凍機について説明
する。本実施の形態におけるスターリング冷凍機として
のフリーピストン型スターリング冷凍機は、大まかな構
成としては、図7に示した従来のものと同じである。し
かし、ピストン1の内部空間21の構成が従来のもの
(図8参照)とは異なり、図3に示すような構造とな
る。ピストン1の内部空間21に軽量内部材24aが配
置されている。軽量内部材24aは、実施の形態1で示
した材料の条件の中でも、比熱が1kJ/kg・K以上
のものが用いられる。その具体例として、本実施の形態
では、ポリエステルファイバーや脱脂綿を用いることが
できる。これらの材料は形状が不定形であるため、内部
空間21内で移動したり広がったりして逆止弁22の動
作を妨げないように、逆止弁22から一定の距離の位置
まで挿入され、干渉回避手段としての仕切り板25によ
って食い止められている。仕切り板25は、ピストン1
のロッド9の外周をなす部分に、固定手段(図示省略)
を設けることによって固定される。また、図3の構造で
は、図1の構造と異なり、作動ガスが気体軸受用孔23
に向かう流路に関しても特に隙間をあけることなく内部
空間21の外周まで完全に充填されているように見える
が、これは、ポリエステルファイバーなどを軽量内部材
24aとして使用した場合、その軽量内部材24aの内
部を作動ガスが自由に通過可能であり、作動ガスが気体
軸受用孔23に向かう上で支障とならないことによる。
【0024】(作用・効果)軽量内部材24aを配置し
たことにより、ピストン1の軽量化のために外殻20を
薄く内部空間21を大きくしたままで、内部空間21の
容量を小さくすることができる。
【0025】内部空間21内に、比熱が1kJ/kg・
K以上と大きい軽量内部材24aを配置したことによ
り、軽量内部材24aが、作動空間12側の低温と、駆
動空間13側の比較的高い温度との間の熱伝導を緩衝す
る役割を果たす。したがって、圧縮空間7から内部空間
21へと流入した低温の作動ガスが温度上昇によって急
激に膨張することを防止できる。なおかつ、軽量内部材
24aの配置によって内部空間21の容量は小さくなっ
ている。その結果、雑損失量を低減することができる。
【0026】図8に示したピストンを備える従来のスタ
ーリング冷凍機と、図3に示したピストンを備える本実
施の形態におけるスターリング冷凍機との雑損失量の比
較を、図4に示す。この例では、軽量内部材24aとし
てのポリエステルファイバー材料の挿入によって、雑損
失量で約4Wの低減効果が見られる。また、ポリエステ
ルファイバー材料は軽いため、内部空間21の大部分を
占めるように配置したとしても、重量の増加はごくわず
かであり、スターリング冷凍機の力学系や性能に大きな
影響は及ぼさない。また、軽量内部材24aとして採用
されるポリエステルファイバーや脱脂綿は、きわめて安
価であり、ピストン1製作に要するコストをさほど増加
させずに済む。
【0027】以上のように、本実施の形態によれば、雑
損失が少なく効率が良いスターリング冷凍機が得られ
る。
【0028】(実施の形態3) (構成)図5〜図7を参照して、本発明に基づく実施の
形態1におけるスターリング冷凍機について説明する。
本実施の形態におけるスターリング冷凍機としてのフリ
ーピストン型スターリング冷凍機は、大まかな構成とし
ては、図7に示した従来のものと同じである。しかし、
ピストン1の外殻20の構成が従来のもの(図8参照)
とは異なり、図5に示すような構造となる。すなわち、
ピストン1の外殻20の外側表面に、取り囲むように溝
26が設けられている。
【0029】(作用・効果)ピストン1は元々、第2の
シリンダ15に対して数十μm程度のクリアランスで嵌
合し、往復運動をすることによって圧縮空間7内の作動
ガスを圧縮・膨張させるものである。これに対して、ピ
ストン1の外面に溝26が単数あるいは複数存在するこ
とによって、ラビリンスシールの原理でシール効果がも
たらされ、作動ガスが圧縮空間7と反対側、すなわち駆
動空間13側に漏れることを防止できる。作動ガスの漏
れを防止できることによって、リーク損失が低減できる
ので、ピストン1の圧縮仕事量の増加を防止できる。よ
って、スターリング冷凍機の雑損失量の増加を抑えるこ
とができる。また、溝26を設けることによってピスト
ン1の重量の低減が図られ、これによっても雑損失量の
低減を図ることができる。
【0030】なお、図5では、内部空間21内に何も配
置しない例を示したが、本実施の形態の構造に併せて、
実施の形態1の構造を採用し、図6に示すように、内部
空間21内にプラスチックやゴムなどの軽量内部材24
を配置してもよい。あるいは、図示しないが、本実施の
形態の構造に併せて、実施の形態2の考え方を採用し
て、内部空間21内にポリエステルファイバーや脱脂綿
などの軽量内部材24aを配置してもよい。
【0031】なお、今回開示した上記実施の形態はすべ
ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の
範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって
示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での
すべての変更を含むものである。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ピストンの内部空間に
軽量内部材が配置されて空間を塞がれている分だけ、内
部空間の容量が小さくなるため、ピストンが圧縮空間を
圧縮する際に逆止弁を通じて圧縮空間と内部空間とが連
通したとしても、被圧縮領域の体積の増加を抑えること
ができる。その結果、ピストンの圧縮仕事量の増加を抑
えることができ、スターリング冷凍機の雑損失量の増加
を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施の形態1におけるピスト
ンの断面図である。
【図2】 本発明に基づく実施の形態1におけるスター
リング冷凍機と従来のスターリング冷凍機との、雑損失
量を比較したグラフである。
【図3】 本発明に基づく実施の形態2におけるピスト
ンの断面図である。
【図4】 本発明に基づく実施の形態2におけるスター
リング冷凍機と従来のスターリング冷凍機との、雑損失
量を比較したグラフである。
【図5】 本発明に基づく実施の形態3におけるピスト
ンの第1の例の断面図である。
【図6】 本発明に基づく実施の形態3におけるピスト
ンの第2の例の断面図である。
【図7】 従来技術に基づくスターリング冷凍機の断面
図である。
【図8】 従来技術に基づくスターリング冷凍機に用い
られるピストンの断面図である。
【符号の説明】
1 ピストン、2 ディスプレーサ、3 第1のシリン
ダ、4 再生器、5a,5b 内部熱交換器、6 膨張
空間、7 圧縮空間、8 リニアモータ、9ロッド、1
0 ピストン用板ばね、11 ディスプレーサ用板ば
ね、12 作動空間、13 駆動空間、14 ケーシン
グ、15 第2のシリンダ、20 外殻、21 内部空
間、22 逆止弁、23 気体軸受用孔、24,24a
軽量内部材、25 仕切り板、26 溝。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動ガスを内部に封入し、膨張空間と圧
    縮空間とを含む作動空間と、 前記作動空間内に固定されたシリンダと、 前記シリンダ内を前記膨張空間側と前記圧縮空間側とを
    結ぶ方向に往復運動可能なディスプレーサと、 前記圧縮空間を圧縮させたり膨張させたりするように往
    復運動可能なピストンと、 前記シリンダの外側で前記膨張空間と前記圧縮空間との
    間を隔て、前記作動ガスが透過可能な再生器とを備え、 前記ピストンは、 前記作動空間と連通する内部空間を内側に含む外殻と、 前記作動ガスが前記圧縮空間から前記内部空間に向けて
    のみ移動可能となるようにするための逆止弁と、 前記内部空間内の前記作動ガスが前記外殻に設けられた
    孔から前記外殻の外側に噴出することで前記ピストンの
    前記往復運動をなめらかにするための気体軸受と、 前記内部空間内に配置された、前記外殻を構成する材料
    より比重の軽い材料を含む部材である軽量内部材とを含
    む、スターリング冷凍機。
  2. 【請求項2】 前記軽量内部材は、プラスチック、ゴム
    のいずれかを含む、請求項1に記載のスターリング冷凍
    機。
  3. 【請求項3】 前記軽量内部材は、比熱が1kJ/kg
    ・K以上である、請求項1に記載のスターリング冷凍
    機。
  4. 【請求項4】 前記軽量内部材は、ポリエステルファイ
    バー、脱脂綿のいずれかである、請求項3に記載のスタ
    ーリング冷凍機。
  5. 【請求項5】 前記軽量内部材が、前記逆止弁と干渉す
    ることを回避するための干渉回避手段を備える、請求項
    1から4のいずれかに記載のスターリング冷凍機。
  6. 【請求項6】 前記ピストンは、前記外殻の外側表面
    に、溝を周設する、請求項1から5のいずれかに記載の
    スターリング冷凍機。
  7. 【請求項7】 作動ガスを内部に封入し、膨張空間と圧
    縮空間とを含む作動空間と、 前記作動空間内に固定されたシリンダと、 前記シリンダ内を前記膨張空間側と前記圧縮空間側とを
    結ぶ方向に往復運動可能なディスプレーサと、 前記圧縮空間を圧縮させたり膨張させたりするように往
    復運動可能なピストンと、 前記シリンダの外側で前記膨張空間と前記圧縮空間との
    間を隔て、前記作動ガスが透過可能な再生器とを備え、 前記ピストンは、 前記作動空間と連通する内部空間を内側に含む外殻と、 前記作動ガスが前記圧縮空間から前記内部空間に向けて
    移動することはできるが逆向きの移動はできないように
    設けられた逆止弁と、 前記内部空間内の前記作動ガスが前記外殻に設けられた
    孔から前記外殻の外側に噴出することで前記ピストンの
    前記往復運動をなめらかにするための気体軸受とを含
    み、 前記ピストンは、前記外殻の外側表面に、取り囲むよう
    に溝を有する、スターリング冷凍機。
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