JP2006022719A - オイルレスリニア圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルレスリニア圧縮機に関し、停止期のガスベアリング装置からの漏れを低減し、かつ起動初期のピストン摩耗をほとんど無いオイルレスリニア圧縮機を提供する。
【解決手段】シリンダー110とピストン112の間にガスベアリング装置140を形成するとともに、リニアモーター108の起動前にガスベアリング装置140に高圧の冷媒ガスを供給する振動式開閉弁150を設けたことで、起動直後にガスベアリング装置140へ高圧サイドからの高圧ガスを直ちに供給ができ、また、振動式開閉弁150内に設置された振動子152が弁座151を高圧サイドから封止し、停止期にガスベアリング装置から高圧ガスが漏れることを防止する。
【選択図】図1

Description

本発明はオイルレスリニア圧縮機のガスベアリング装置に冷媒ガスを供給する装置に関するものである。
近年、冷凍機器分野において、高効率、高信頼性の一環として、摺動部に潤滑油を用いる代わりにガスベアリング装置を設けたオイルレスリニア圧縮機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来のオイルレスリニア圧縮機について説明する。
図9は、従来のオイルレスリニア圧縮機の縦断面図である。図9において電動圧縮要素1は、固定子2bおよびマグネット2cを備えた可動子3からなるリニアモーター2と、固定子2bに固定されたシリンダー4と、シリンダー4内に往復自在に嵌装されるとともに可動子3に連結されたピストン5と、可動子3と固定子2bを連結し可動子3が軸方向に可動可能なように支持するスプリング6とを備え、サスペションスプリング等(図示せず)により、密閉容器7内に弾性支持されている。またシリンダー4はガスベアリング装置8を構成しており、潤滑油は用いないオイルレスの仕様となっている。
以上のように構成にされたオイルレスリニア圧縮機について、以下その動作を説明する。
交流電源から巻き線2aに電流が通電されると、固定子2bが発生する磁界がマグネット2cの作る磁界に作用することで、マグネット2c、可動子3に軸方向の往復運動する力が発生する。その力により、可動子3は、スプリング6を変形させるとともに、そのスプリング6の反発力を利用しながら共振し、可動子3と連結されたピストン5はシリンダー4内で軸方向の往復運動を繰り返す。
その結果、冷凍システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)を介してシリンダー4とピストン5から形成された圧縮室9に吸入され、圧縮された冷媒ガスは、一旦シリンダーヘッド10内に吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷凍システムに吐出される。
また、圧縮室9で圧縮された冷媒ガスをガスベアリング装置8のガス流路8aを介してピストン5とシリンダー4の摺動部に導き、複数の給気孔8bから高い圧力の冷媒ガスを噴出させることで、噴出した冷媒のガス圧がピストン5とシリンダー4間に生じる荷重に対抗してピストン5を支持するため、摺動部の非接触化を図るものとなっている。
特開2002−122071号公報
しかしながら、上記従来の構成では、圧縮室9で圧縮された冷媒ガスを摺動部に設けられたガスベアリング装置8へ供給する構成となっているため、起動初期には高圧の冷媒ガスをガスベアリング装置8へほとんど供給できないためにガスベアリング装置8が機能せず、その結果、ピストン5やシリンダー4の摺動部間で接触が生じ、摩耗が生じてしまうという課題を有していた。
また、圧縮室9と密閉容器7内の間にガスベアリング装置8のガス流路8a、ガスベアリング給気孔8b、ピストン5やシリンダー4の摺動部クリアランスを経由した冷媒ガスの連通路が形成されている。
このため、オイルレスリニア圧縮機が停止した後、冷凍システムの高圧サイドの高圧高温の冷媒ガスが、冷凍システムの高低圧がバランスするまで、上記冷媒ガスの連通路を逆流して低圧サイドへ漏れ続けることになる。
ここで、冷凍システムの高圧サイドとは、オイルレス圧縮機の吐出バルブ(図示せず)直後から、冷凍システムの絞り手段(図示せず)の直前までの冷媒流路を指す。また低圧サイドとは、絞り手段の直後から、オイルレス圧縮機の吸入バルブ(図示せず)直前までの冷媒流路を指す。
その結果、逆流した高圧高温の冷媒ガスは、冷凍システムのエバポレータ(図示せず)に流入してこれを加熱し、結局オイルレスリニア圧縮機の運転率が高くなってしまい、冷凍システムのシステム効率が低下するという課題を有していた。
さらに、圧縮室9で圧縮された冷媒ガスをピストン5やシリンダー4の摺動部に設けられたガスベアリング装置8へ供給する構成となっているため、圧縮室9内と密閉容器7内とのガス圧力の差による、ピストン5端面に作用する荷重が変化しても、常に一定圧力の冷媒ガスをガスベアリング装置8へ供給している。
そのため、ピストン5の荷重が小さい時にその荷重を支持するのに過剰な高圧の冷媒ガスをガスベアリング装置8へ供給し、その結果ガスベアリング装置8における高圧の冷媒ガスの消耗が多くなるため、結局オイルレスリニア圧縮機の運転率が高くなり、冷凍システムのシステム効率が低下してしまうという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、ピストンやシリンダーの摺動部の摩耗が少なく、高い信頼性を備えたオイルレスリニア圧縮機を提供することを目的とする。
また本発明は、上記従来の問題を解決するもので、高いシステム効率を実現できるオイルレスリニア圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のオイルレスリニア圧縮機は、シリンダーとピストンの間に高圧サイドと連通したガスベアリング装置を形成するとともに、高圧サイドとガスベアリング装置との間に電動圧縮要素の振動エネルギーによって自在に開閉する振動式開閉弁を設けたものであり、オイルレスリニア圧縮機の運転が停止している間、振動式開閉弁により高圧サイドと低圧サイドとの間を遮断することで高圧サイドから低圧サイドへの冷媒ガスの流入を防ぎ、オイルレスリニア圧縮機の起動初期にガスベアリング装置へ高圧サイドから高圧の冷媒ガスの供給をすることでガスベアリング装置の機能を得ることができるとともに、高圧高温の冷媒ガスが冷凍システムのエバポレータへ逆流することを防止するというという作用を有する。
本発明のオイルレスリニア圧縮機は、シリンダーとピストンの間に高圧サイドと連通したガスベアリング装置を形成するとともに、高圧サイドとガスベアリング装置との間に電動圧縮要素の振動エネルギーによって自在に開閉する振動式開閉弁を設けたものであり、摩耗が少なく高い信頼性を備え、高いシステム効率を実現できるオイルレスリニア圧縮機を提供することができる。
本発明の請求項1に記載の発明は、密閉容器内に電動圧縮要素を弾性的に保持し、前記電動圧縮要素は固定子および可動子とからなるリニアモーターと、前記固定子を固定するとともにシリンダーを形成するシリンダーブロックと、前記可動子と連結され前記シリンダーに往復自在に挿入されたピストンとを備え、前記シリンダーと前記ピストンの間に高圧サイドと連通したガスベアリング装置を形成するとともに、前記高圧サイドと前記ガスベアリング装置との間に前記電動圧縮要素の振動エネルギーによって自在に開閉する振動式開閉弁を設けたものであり、オイルレスリニア圧縮機が運転を停止している間、振動式開閉弁により高圧サイドと低圧サイドとの間を遮断し、高圧サイドから低圧サイドへの冷媒ガスの流入を防ぎ、オイルレスリニア圧縮機の起動初期にガスベアリング装置へ高圧サイドから高圧の冷媒ガスの供給をすることでガスベアリングの機能を得ることができるとともに、高圧高温の冷媒ガスが冷凍システムのエバポレータへ逆流することを防止することができるので、信頼性が高く、システム効率の高いオイルレスリニア圧縮機を提供することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、振動式開閉弁はピストンが上死点近傍にある時開くものであり、ピストンが上死点近傍においてピストン端面に受ける荷重が大きい時に、振動式開閉弁の開きにより、より高い圧力の高圧冷媒ガスをガスベアリング装置へ供給をすることで十分なガスベアリングの機能を得ることができるとともに、ピストン端面に荷重が小さい時に、振動式開閉弁の閉まりにより、必要以上な高圧の冷媒ガスをガスベアリング装置へ供給することを防止することができるので、請求項1に記載の発明の効果に加えて、さらに冷媒ガスの消耗を少なくしてシステム効率の高いオイルレスリニア圧縮機を提供することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、振動式開閉弁は直接、または間接的にシリンダーブロックに固定され、弁座と、前記弁座を高圧サイド側から封止するとともに振動によって自在に開閉する振動子と、前記振動子を前記弁座に押し付けるばねとを、ピストンの往復動の方向に順次配設したものであり、オイルレスリニア圧縮機が運転を停止している間、ばねにより振動子を弁座に押し付けて高圧サイドと低圧サイドとの間を遮断し、オイルレスリニア圧縮機が運転している時に、シリンダーブロックの振動エネルギーで振動子を振動することにより、高圧サイドと低圧サイドとの間の遮断と連通を切り替え、ガスベアリング装置への高圧の冷媒ガスの供給を制御させることができるため、請求項1または2に記載の発明の作用をより簡単な構造で確実に実現することができ、信頼性が高く、システム効率の高いオイルレスリニア圧縮機をより確実に提供できる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明に、さらに、弁座と振動子の少なくとも一方のシール面に、気密性を備える弾性材を設けたものであり、振動式開閉弁が閉まる時に、気密性を備える弾性材により、弁座と振動子の間のシール性が向上し、高圧サイドと低圧サイドとの間の高圧の冷媒ガスの漏れを低減することができるため、請求項3に記載の発明の作用をより確実に実現することができ、信頼性が高く、システム効率の高いオイルレスリニア圧縮機をより確実に提供できる。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、振動子は気密性がある弾性材で構成されたものであり、振動式開閉弁が閉まる時に、気密な弾性材で構成された振動子により、弁座と振動子の間のシール性が向上し、高圧サイドと低圧サイドとの間の高圧の冷媒ガス漏れを低減することができ、請求項3に記載の発明の作用をより確実、簡単に実現することができ、信頼性が高く、システム効率の高いオイルレスリニア圧縮機をより確実に提供できる。
以下、本発明によるオイルレスリニア圧縮機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図、図2は同実施の形態における振動式開閉弁の拡大図、図3は同実施の形態における圧縮室のガス圧力と振動式開閉弁の開閉状態との関係を示した特性図、図4は同実施の形態における1サイクル運転中のピストンと電動圧縮要素の挙動を示す図である。
以下、図1から図4に基づいて本実施の形態について説明する。
図1において、密閉容器101内には電動圧縮要素102がサスペンションスプリング103を介して弾性的に支持されている。
電動圧縮要素102は、巻き線104を挿入した固定子105およびマグネット106を備えた可動子107からなるリニアモーター108と、固定子105に固定されたシリンダー110を形成するシリンダーブロック111と、シリンダー110内に往復自在に嵌装され、可動子107に連結されたピストン112と、可動子107と固定子105を連結し可動子107が軸方向に揺動可能なように支持する略円盤状のスプリング120,121とを備えている。
また、シリンダー110の端面には、吐出バルブ130と吸入バルブ131を備えたバルブプレート132が固定され、バルブプレート132を覆うように設けられたシリンダーヘッド133には、吐出バルブ130に連通し高圧サイドを構成する吐出室134と、吸入バルブ131に連通する吸入室135が形成されている。
ガスベアリング装置140は、図2に示す通り、一端が連通路141を介して吐出室134に連通し、他端が複数の給気孔142に連通する連通路143と、連通路143の途中に設けた絞り手段144から形成されている。
吐出室134とガスベアリング装置140との間には振動式開閉弁150が形成されている。振動式開閉弁150は一端が連通路141を介して、吐出室134と連通し、他端がガスベアリング装置140の連通路143と連通している。
振動式開閉弁150は、連通路141と連通路143を介して、シリンダーブロック111に固定されている。そして、振動式開閉弁150は、弁座151と、弁座151を高圧サイド側から封止するとともに振動によって自在に開閉する振動子152と、振動子152を弁座151に押し付けるばね153と、ばね153を固定する固定座154から形成されている。
弁座151には、冷媒ガスが流れるための弁座孔155があり、固定座154にも固定座孔156が設けられている。
図3はオイルレスリニア圧縮機の運転1サイクル中における、圧縮室内のガス圧力変化と振動式開閉弁150の開閉の状態を示しており、横軸に時間、縦軸に圧縮室内のガス圧力を示している。
図3より、オイルレスリニア圧縮機の運転1サイクル中、ピストン112が上死点近傍にある時、即ち、圧縮室136内のガス圧力が高い時に、振動式開閉弁150が開となり、また、ピストン112が下死点近傍にある時に、即ち、圧縮室136内のガス圧力が低い時に、振動式開閉弁150が閉となることを示している。
図4は、オイルレスリニア圧縮機の運転1サイクル中のピストン112と電動圧縮要素102の軸方向の動きを、横軸に時間、縦軸にピストン112と電動圧縮要素102それぞれの加速度をとり示している。
以上のように構成されたオイルレスリニア圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、交流電源やパルス波、ノゴキリ波などの電流が巻き線104に供給されると、固定子105が発生する磁界が、マグネット106が作る磁界に作用することで、マグネット106、可動子107に軸方向に往復運動する力が発生し、その力により、可動子107と連結されたピストン112は、スプリング120および121の反発力を利用しながら共振し、往復運動を繰り返す。
その往復運動のエネルギーは、大部分は圧縮室136の冷媒ガスを圧縮するエネルギーとして消耗したり、スプリング120,121の損失として消耗しているが、残ったエネルギーの一部は電動圧縮要素102の固定部の振動エネルギーになる。即ち、ピストン112を往復運動すると、その反作用で電動圧縮要素102の固定部分も振動することになり、図4に示すようにピストン112とほぼ逆方向の動きをする。
振動式開閉弁150を構成する振動子152は、オイルレスリニア圧縮機の停止時には、吐出室134からのガス圧力とばね153のばね力によって、弁座151に押し付けられ、弁座151の弁座孔155を塞ぎ、冷媒ガスが連通路143を介してガスベアリング装置140に流入するのを防止する。
そのため、オイルレスリニア圧縮機の停止中に、ガスベアリング装置140からピストン112とシリンダー110の隙間を介して低圧サイドである密閉容器101内に高圧の冷媒ガスが漏れることが無く、吐出室134を含む高圧サイドは高圧状態を維持することができる。
次に、ピストン112が往復運動を開始すると、固定部分であるシリンダーブロック111が振動を開始し、シリンダーブロック111に連通路141,143を介して固定された振動式開閉弁150もシリンダーブロック111の振動によって直ちに振動を開始し、振動式開閉弁150を構成する振動子152は、弁座151の弁座孔155を開閉する。
振動子は、ピストン112の運転の開始により直ちに振動を開始するので、オイルレスリニア圧縮機の起動初期に、高圧サイドに保持された高圧の冷媒ガスが吐出室134から連通路141、振動式開閉弁150、連通路143、絞り手段144、複数の給気孔142を通ってシリンダー110とピストン112との間に供給される。そのため、ガスベアリングが機能し、シリンダー110とピストン112との間には冷媒ガスの弾性による隙間が形成されるのでピストン112とシリンダー110の接触をほぼ無くすことができる。
また、オイルレスリニア圧縮機の運転を継続している間は、上述した通り可動子107と連結されたピストン112は、スプリング120および121の反発力を利用しながら共振し、軸方向に往復運動を繰り返し、シリンダー110とピストン112から形成された圧縮室136に吸入され、圧縮された冷媒ガスは、シリンダーヘッド133内の吐出室134に吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷凍システムに吐出される。
そして、圧縮された冷媒ガスの一部は吐出室134から連通路141、振動式開閉弁150、連通路143を通り、ガスベアリング装置140に供給され、給気孔142からピストン112とシリンダー110との間に噴出される。そして、噴出された冷媒のガス膜がその弾性によってピストン112を支持し、ピストン112はシリンダー110内でほぼ非接触の状態に保持される。従ってオイルが無くともほとんど摩耗が発生せず、さらにはオイルが無いことで摺動損失もほとんど発生しない。
さらに、オイルレスリニア圧縮機の運転中、ピストン112は図4に示すような略サインカーブで往復運動し、図3に示すように圧縮室136のガス圧力を変化させる。ピストン112には、圧縮室136と密閉容器101の圧力の差が作用するため、圧縮室136の圧力が高くなるほど、ピストン112には運動の軸線方向に対して傾斜するよう大きなモーメント力が作用し、ピストン112はシリンダー110の内面により強く押さえつけられることになる。
しかしながら、ガスベアリング装置140は、ピストン112を給気孔142より噴出する高圧のガス弾性で支えているが、振動式開閉弁150の振動子152の質量とばね153のばね定数を適切に設定することで、振動式開閉弁150が図3に示すように圧縮室136の圧力が高い時開き、圧力が低い時には閉じるように動作させることができるので、ピストン112に作用するモーメント力が大きい時にガスベアリング装置140には高い圧力の冷媒ガスが供給され、モーメント力が小さい時には冷媒ガスの供給が遮断され連通路143などに残る冷媒ガスでピストン112を支えることができる。
そのため、必要最小限のガスベアリング装置140への冷媒ガス供給で、ピストン112とシリンダー110の摺動部をほぼ非接触な状態を保持することができる。
一方、ガスベアリング装置140から噴出する冷媒ガスが密閉容器101内へ漏れることによる冷媒ガスの消費については、振動式開閉弁150が開いている時には冷媒ガスが流れて消費されるが、閉じている時には冷媒ガスは流れ無いため消費されず、ピストン112の一往復、即ち冷媒ガスの吸入、圧縮行程の1サイクルで考えてみると、冷媒ガスの消費は概ね半減されることになり、冷媒ガスの消耗が減少することでオイルレス圧縮機の運転率が下がり、高いシステム効率を実現することができる。
次に、リニアモーター108への通電が遮断されると、これと同時にピストン112、シリンダーブロック111の振動も停止する。シリンダーブロック111の振動の停止によって、振動式開閉弁150の振動子152も振動を停止し、振動子152が弁座151の弁座孔155を閉じることで振動式開閉弁150が遮断される。
そのため、冷凍システムの高圧サイド(図示せず)や高圧サイドを構成する吐出室134には高圧高温冷媒が閉じ込められ、ガスベアリング装置140を介して密閉容器101内に逆流してくることを防ぎ、冷凍システムのエバポレータ(図示せず)へ高圧高温の冷媒ガスが流入することによる加熱を避けることができる。その結果、オイルレスリニア圧縮機の運転停止時間が延びることで運転率が下がり、高いシステム効率を実現することができる。
一方、振動式開閉弁150の遮断によって冷凍システムの高圧サイド(図示せず)や高圧サイドを構成する吐出室134には高圧高温の冷媒ガスが保持されるため、次のリニアモーター108の通電直後直ちにこの高圧の冷媒ガスをガスベアリング装置140に供給することができ、ガスベアリング装置140はオイルレスリニア圧縮機の運転再開直後直ちに、毎回確実に機能することができる。
その結果、オイルレスリニア圧縮機は起動時を含む全ての運転中において、常にピストン112がシリンダー110内でほぼ非接触の状態に保持されることになり、オイルが無いにもかかわらず、ピストン112はシリンダー110の摺動部に摩耗がほとんど発生しない高い信頼性を備えたオイルレスリニア圧縮機を実現することができる。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2によるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図、図6は同実施の形態における振動式開閉弁の拡大図である。
なお、振動式開閉弁以外の構成については実施の形態1と同一であるため、同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
以下、図5、図6に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
図5および図6において、振動式開閉弁200は連通路141と連通路143を介して、シリンダーブロック111に固定されている。
振動式開閉弁200は、弁座201と、弁座201を高圧サイド側から封止するとともに振動によって自在に開閉する振動子202と、振動子202を弁座201に形成された弾性材203に押し付けるばね204と、ばね204を固定する固定座205から形成されている。なお、弾性材203としては、合成樹脂材料、耐冷媒性ゴム等を用いる。
弁座201には、冷媒ガスが流れるための弁座孔206があり、固定座205にも固定座孔207が設けられている。
以上のように構成されたオイルレスリニア圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
交流電源から電流が巻き線104に供給されている間、固定子105が発生する磁界がマグネット106の作る磁界に作用することで、マグネット106、可動子107に軸方向に往復運動する力が発生し、その力により、可動子107と連結されたピストン112は、スプリング120および121の反発力を利用しながら共振し、軸方向に往復運動を繰り返すことで、冷凍システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)を介してシリンダー110とピストン112から形成された圧縮室136に吸入され、圧縮された冷媒ガスは、シリンダーヘッド133内の吐出室134に吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷凍システムに吐出される。
そしてオイルレスリニア圧縮機が運転を継続している間、シリンダーブロック111は振動し、シリンダーブロック111に固定された振動式開閉弁200、振動子202も振動する。振動によって、振動子202は、弁座201に形成された弾性材203に図3に示すように圧縮室136の圧力が高い時開き、圧力が低い時には閉じるように動作する。
そのため、圧力が高い時には圧縮された冷媒ガスは吐出室134から連通路141、固定座孔207、弁座孔206を通り、ガスベアリング装置140に供給され、給気孔142からピストン112とシリンダー110との間に噴出され、噴出した冷媒のガス膜がその弾性によってピストン112を支持し、圧縮室136の圧力が高くピストン112にモーメント力が強く働く時でもピストン112はシリンダー110内でほぼ非接触の状態に保持される。従ってオイルが無くとも摩耗がほとんど発生せず、さらにはオイルが無いことで摺動損失もほとんど発生しない。
また、圧縮室136の圧力が低い時には、振動子202は、弁座201に形成された弾性材203に押し付けられ、弾性材203により確実にシールされて冷媒ガスの流れが確実に止まるので、圧縮行程の1サイクルでみると、冷媒ガスの消費は約半減されることになり、冷媒ガスの消耗が減少することでオイルレス圧縮機の運転率が下がり、高いシステム効率を実現することができる。
そしてオイルレスリニア圧縮機が運転を停止している間は、シリンダーブロック111、振動式開閉弁200の振動も止まり、振動子202が弾性材203に押し付けられ、弾性材203により確実にシールされて冷媒ガスの流れが確実に止まるので、オイルレスリニア圧縮機の運転停止中における低圧サイドへの冷媒ガスの漏れが無くなり、高圧の冷媒ガスによる低圧サイドの加熱の損失が減少することで、オイルレス圧縮機の運転率が下がり、高いシステム効率を実現することができる。
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3におけるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図、図8は同実施の形態における振動式開閉弁の拡大図である。
なお、振動式開閉弁以外の構成については実施の形態1と同一であるため、同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
以下、図7、図8に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
図7および図8において、振動式開閉弁300は連通路141と連通路143を介して、シリンダーブロック111に固定されている。
振動式開閉弁300は、弁座301と、弁座301を高圧サイド側から封止するとともに振動によって自在に開閉する振動子302と、振動子302を弁座301に押し付けるばね303と、ばね303を固定する固定座304から形成されている。
振動子302は弾性体で形成されており、合成樹脂材料、耐冷媒性ゴム等を用いる。
弁座301には、冷媒ガスが流れるための弁座孔305があり、固定座304にも固定座孔306が設けられている。
以上のように構成されたオイルレスリニア圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
交流電源から電流が巻き線104に供給されている間、固定子105が発生する磁界がマグネット106の作る磁界に作用することで、マグネット106、可動子107に軸方向に往復運動する力が発生し、その力により、可動子107と連結されたピストン112は、スプリング120および121の反発力を利用しながら共振し、軸方向に往復運動を繰り返すことで、冷凍システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)を介してシリンダー110とピストン112から形成された圧縮室136に吸入され、圧縮された冷媒ガスは、シリンダーヘッド133内の吐出室134に吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷凍システムに吐出される。
そしてオイルレスリニア圧縮機が運転を継続している間、シリンダーブロック111は振動し、シリンダーブロック111に固定された振動式開閉弁300、振動子302も振動する。
振動によって、振動子302は、弁座301に図3に示すように圧縮室136の圧力が高い時開き、圧力が低い時には閉じるように動作するので、圧力が高い時には圧縮された冷媒ガスは吐出室134から連通路141、固定座孔306、弁座孔305を通り、ガスベアリング装置140に供給される。
そして、ガスベアリング装置140に供給された冷媒ガスは、給気孔142からピストン112とシリンダー110との間に噴出され、噴出した冷媒のガス膜がその弾性によってピストン112を支持し、圧縮室136の圧力が高くピストン112にモーメント力が強く働く時でもピストン112はシリンダー110内でほぼ非接触の状態に保持される。従ってオイルが無くとも摩耗はほとんど発生せず、さらにはオイルが無いことで摺動損失もほとんど発生しない。
また、圧縮室136の圧力が低い時には、振動子302は、弁座301に押し付けられ、弾性材からなる振動子302により確実にシールされて冷媒ガスの流れが確実に止まるので、圧縮行程の1サイクルでみると、冷媒ガスの消費は、半減されることになり、冷媒ガスの消耗が減少することでオイルレス圧縮機の運転率が下がり、高いシステム効率を実現することができる。
そしてオイルレスリニア圧縮機が運転を停止している間は、シリンダーブロック111、振動式開閉弁300の振動も止まり、弾性材からなる振動子302が弁座301に押し付けられ、弁座孔305を確実に封止し、冷媒ガスの流れが確実に止まるので、オイルレスリニア圧縮機の運転停止中における低圧サイドへの冷媒ガスの漏れが無くなり、高圧の冷媒ガスによる低圧サイドの加熱の損失が減少することでオイルレス圧縮機の運転率が下がり、高いシステム効率を実現することができる。
以上のように、本発明にかかるオイルレスリニア圧縮機は、圧縮機の起動初期でもガスベアリング装置が確実に機能するので、高い信頼性を提供できるともに、ガスベアリングから低圧サイドへの冷媒ガスの漏れを減少することで高いシステム効率を確保でき、家庭用冷蔵庫を初めとして、除湿機やショーケース、自動販売機等の冷凍サイクル用途やスターリング冷凍サイクル用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図 同実施の形態における振動式開閉弁の拡大図 同実施の形態における圧縮室のガス圧力と振動式開閉弁の開閉状態の関係を示した特性図 同実施の形態における1サイクル運転中のピストンと電動圧縮要素の挙動を示す図 本発明の実施の形態2におけるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図 同実施の形態における振動式開閉弁の拡大図 本発明の実施の形態3におけるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図 同実施の形態における振動式開閉弁の拡大図 従来のオイルレスリニア圧縮機の縦断面図
符号の説明
101 密閉容器
102 電動圧縮要素
105 固定子
107 可動子
108 リニアモーター
110 シリンダー
111 シリンダーブロック
112 ピストン
134 吐出室
140 ガスベアリング装置
150,200,300 振動式開閉弁
151,201,301 弁座
152,202,302 振動子
153,204,303 ばね
203 弾性材

Claims (5)

  1. 密閉容器内に電動圧縮要素を弾性的に保持し、前記電動圧縮要素は固定子および可動子とからなるリニアモーターと、前記固定子を固定するとともにシリンダーを形成するシリンダーブロックと、前記可動子と連結され前記シリンダーに往復自在に挿入されたピストンとを備え、前記シリンダーと前記ピストンの間に高圧サイドと連通したガスベアリング装置を形成するとともに、前記高圧サイドと前記ガスベアリング装置との間に前記電動圧縮要素の振動エネルギーによって自在に開閉する振動式開閉弁を設けたオイルレスリニア圧縮機。
  2. 振動式開閉弁は、前記ピストンが上死点近傍にある時開く請求項1に記載のオイルレスリニア圧縮機。
  3. 振動式開閉弁は、直接、または間接的にシリンダーブロックに固定され、弁座と、前記弁座を高圧サイド側から封止するとともに振動によって自在に開閉する振動子と、前記振動子を前記弁座に押し付けるばねとを、ピストンの往復動の方向に順次配設した請求項1または2に記載のオイルレスリニア圧縮機。
  4. 弁座と振動子の少なくとも一方のシール面に、気密性を備える弾性材を設けた請求項3に記載のオイルレスリニア圧縮機。
  5. 振動子は気密性がある弾性材で構成された請求項3に記載のオイルレスリニア圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101265133B1 (ko) * 2011-09-06 2013-05-16 엘지전자 주식회사 왕복동식 압축기
US20170010025A1 (en) * 2014-01-21 2017-01-12 BSH Hausgeräte GmbH Compressor For A Refrigeration Circuit Of A Domestic Refrigerator, Domestic Refrigerator With A Compressor And Method For Operating A Compressor Of A Domestic Refrigerator
CN108150387A (zh) * 2017-12-04 2018-06-12 陕西仙童科技有限公司 一种用于声能制冷的压缩活塞装置

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