JP3860081B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データを圧縮符号化する際、符号データに、符号化に関する情報や当該情報以外の情報、例えば、アプリケーション別の付加情報を加えたデータを形成する画像処理装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像データを圧縮符号化する際、符号データに、符号化に関する情報や当該情報以外の情報、例えば、アプリケーション別の付加情報を加えたデータを形成する画像処理装置が知られている。
【0003】
例えば、JPEG2000形式により画像圧縮処理を行う装置について考える。図10は、JPEG2000形式で画像圧縮処理を行う標準的な符号化装置100を備える画像処理装置Bの構成を示す図である。本装置では、データバス3を介して、CPU1、メモリ2及び符号化装置100が接続されている。CPU1は、画像データの圧縮符号化を行う場合、メモリ2から原稿の画像データを読み出し、データバス3を介して符号化装置100に入力する。
【0004】
符号化装置100は、JPEG2000形式の符号化処理を行う符号化部101と、当該符号化部101により符号化されたデータに、符号化に関する情報及び使用アプリケーションについての付加情報を追加して最終的な符号データ(JPEG2000形式の符号化処理において、いわゆるコードストリームと呼ばれるデータである。)を形成する符号形成部102とで構成される。
【0005】
以下、混同防止のため、符号化部101において符号化されたデータを単に符号データと記し、当該符号データに付加情報等を追加した上記最終的な符号データは、“符号データ(コードストリーム)”と記す。
【0006】
符号形成部102は、図示するように、JPEG2000符号化部101より出力される符号データを一時的に記憶する符号データバッファ103、CPU1からデータバス3を介して入力される符号化に関する情報(設定データ)を格納する符号化パラメータ用バッファ104、使用するアプリケーションが用意する付加情報のデータを格納するCOMバッファ105、及び、これらの3つのバッファに適宜データ読み出し要求信号を出力して必要なデータを読み込み、最終的な符号データ(コードストリーム)を形成するデータ形成部106とで構成される。
【0007】
図11は、データ形成部106から出力される最終的な符号データ(コードストリーム)の構成を示す図である。JPEG2000形式では、原稿の画像データを所定の画素マトリクスで成るタイルと呼ばれるブロックを単位として符号化を行う。データ形成部106から出力される符号データ(コードストリーム)は、メインヘッダー、最初のタイルのヘッダー、最初のタイルの符号データ、2番目のタイルのヘッダー、2番目のタイルの符号データ、…N番目のタイルのヘッダー、N番目のタイルの符号データ…で構成される。JPEG2000形式の符号化処理では、上記メインヘッダーに符号化に関する情報の他、使用アプリケーションの付加情報を追加するためのCOMマーカーセグメントが割り当てられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
JPEG2000形式において、使用するアプリケーションが用意する付加情報のデータ量は、特に制限されていない。アプリケーションが用意する様々なサイズの付加情報に対応するには、想定し得る最も大きなサイズの付加情報のデータを格納し得る大容量のCOMバッファ105を用意することが必要であるが、回路規模が大きくなってしまう。
【0009】
本発明は、画像を圧縮符号化する際、符号データに、符号化に関する情報や当該情報以外の情報、例えば、アプリケーションの用意する付加情報のデータを付加して出力するタイプの画像処理装置において、回路規模の増加を押えつつ、様々なサイズの付加情報を持つアプリケーションの使用に柔軟に対応し得る画像処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像処理装置は、画像の符号データに付加情報を加えたデータを形成する画像処理装置において、画像の符号データの所定箇所に、任意の量、例えば、アプリケーションが用意する様々なデータ量の付加情報のデータを書き込むためのデータ書き込み領域を追加したデータを形成するデータ加工部と、上記データ加工部により形成したデータの上記データ書き込み領域に上記付加情報のデータを書き込むデータ修正部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の画像処理装置は、上記第1の画像処理装置において更に、更に、付加情報用のバッファメモリを備え、上記データ加工部は、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量を越える場合、画像の符号データの所定箇所に、当該付加情報のデータを書き込むためのデータ書き込み領域を追加したデータを形成し、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量以下の場合、当該付加情報のデータを一旦バッファメモリに格納した後、画像の符号データの所定箇所に当該バッファメモリに格納する付加情報のデータを書き込んだデータを形成し、上記データ修正部は、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量を越える場合、上記データ加工部の形成したデータのデータ書き込み領域に上記付加情報のデータを書き込み、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量以下の場合、上記データ加工部の形成したデータをそのまま出力することを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の画像処理方法は、画像の符号データに付加情報を加えたデータを形成する画像処理方法において、画像の符号データの所定箇所に、任意の量の付加情報のデータを書き込むためのデータ書き込み領域を追加したデータを形成するデータ加工処理と、上記データ加工処理により形成したデータの上記データ書き込み領域に上記付加情報のデータを書き込むデータ修正処理を実行することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の画像処理方法は、上記第1の画像処理方法において、上記データ加工処理では、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記付加情報のデータ用に備えるバッファメモリの容量を越える場合、画像の符号データの所定箇所に、当該付加情報のデータを書き込むためのデータ書き込み領域を追加したデータを形成し、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量以下の場合、当該付加情報のデータを一旦バッファメモリに格納した後、画像の符号データの所定箇所に当該バッファメモリに格納する付加情報のデータを書き込んだデータを形成し、上記データ修正処理では、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量を越える場合、上記データ加工部の形成したデータのデータ書き込み領域に上記付加情報のデータを書き込み、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量以下の場合、上記データ加工部の形成したデータをそのまま出力することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
(1)全体説明
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の画像処理装置の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態に係る画像処理装置Aの全体構成図である。画像処理装置Aは、画像データを圧縮符号化する際、符号データに、符号化に関する情報や当該情報以外の情報、例えば、アプリケーション別の付加情報を加えたデータを形成する画像処理装置であり、JPEG2000形式の圧縮符号化処理を実行するものである。なお、上記従来技術の欄で説明した画像処理装置Bと同じ構成物には同じ参照番号を付して表す。
【0015】
本装置では、データバス3を介して、CPU1、メモリ2及び符号化装置10が接続されている。CPU1は、画像データの圧縮符号化を行う場合、メモリ2から原稿の画像データを読み出し、データバス3を介して符号化装置10に入力する。
【0016】
符号化装置10は、JPEG2000形式の符号化処理を行う符号化部101と、当該符号化部101により符号化されたデータ(いわゆる画像の符号データ)の所定箇所に、符号化に関する情報(設定データ)及び使用するアプリケーションが用意する付加情報を付加し、最終的な符号データ(JPEG2000形式の符号化処理において、いわゆるコードストリームと呼ばれるデータである。)を形成する符号形成部11で構成される。
【0017】
以下、混同防止のため、符号化部101において符号化されたデータを単に符号データと記し、当該符号データに付加情報等を追加した上記最終的な符号データは、“符号データ(コードストリーム)”と記す。
【0018】
符号化部101は、JPEG2000形式に準拠した構成を有し、入力される画像データを色変換部101aにおいてY(輝度)、Cr(色差)、Cb(色差)の3つの信号に変換した後、各信号に対して離散ウェーブレット変換部101bにおいて離散ウェーブレット変換を実行し、量子化部101cにおいてエントロピー量子化を実行し、係数モデリング及びMQ符号化部101dにおいて所定サイズのブロック毎にビットプレーン変換を行った後に3パス方式による符号化を行う。
【0019】
(2)符号データ(コードストリーム)
図2は、JPEG2000形式に準拠して符号形成部11において形成される最終的な符号データ(コードストリーム)の構造を示す図である。符号データ(コードストリーム)は、メインヘッダー(符号化に関する情報及び付加情報で成る。)、並びに、複数組のタイルパートヘッダー(符号化に関する情報である。)及び当該ヘッダーに続くビットストリーム(該当するタイルの画像の符号データである。)で構成される。
【0020】
メインヘッダーは、1つの符号データ(コードストリーム)の先頭にのみ存在し、主に符号化された画像のサイズ、色数、及び圧縮の時に用いた動作パラメータ等の符号化に関する情報、並びに、使用するアプリケーションが用意する付加情報を備える。より具体的にはメインヘッダーは、ラベル“SOC”(Start of code-streamを意味する)を表すデータ(0xFF4F)に続いて、ラベル“main”(main header marker segmentを意味する)で表される複数のマーカーセグメントのデータで構成される。なお、当該ラベル“main”で表される複数のマーカーセグメントのデータについては、後に図3を参照しながら詳しく説明する。
【0021】
JPEG200形式では、1枚の画像を所定の画素マトリクスで成るタイルと呼ぶブロックに分割して処理する。タイルパートヘッダーは、各タイルの位置やサイズを示す情報を備える。ビットストリームは、上記タイルパートヘッダーにより特定されるタイルの符号データであって、JPEG2000符号化部101において生成された符号データである。具体的には、最初、即ち0番目のタイルのタイルパートヘッダーは、ラベル“SOT”(Start of tile-partを意味する)を表すデータ(0xFF90)に続いて、ラベル“T0”(Tile 0 header marker segmentを意味する)を表すデータ、及び、ラベル“SOD”(Start of dataを意味する)を表すデータ(0xFF93)で構成され、当該0番目のタイルパートヘッダーに続いて、0番目のタイルの符号データ(bit stream)が用意される。
【0022】
なお、符号データ(コードストリーム)の最後には、ラベル“EOC”(End of code-streamを意味する)を表すデータ(0xFFD9)が設けられる。
【0023】
図3は、図2に示したメインヘッダーの内容を示す図である。メインヘッダー内でラベル“main”で表される複数のマーカーセグメントは、ラベル“SIZ”、“QCD”、“QCC”、“COD”、“COC”、及び“COM”で構成される。各マーカーセグメントは、コードストリーム中において、図3の対応する右隣のマーカ値の後に続いて、更に右隣に示すパラメータを表すデータ列で構成される。図4は、図3に示した定義に従い形成されるメインヘッダー部分の符号データ(コードストリーム)を示す図である。
【0024】
図3の最下欄に示すように、JPEG2000において、ラベル“COM”で表されるマーカーセグメント(以下、COMマーカーセグメントという。)は、アプリケーション等に応じて自由に決めることのできるデータであって、符号化/復号化に影響しないものと定義されている。即ち、JPEG200形式の画像処理装置Aでは、使用するアプリケーションが用意する付加情報は、COMマーカーセグメントに格納される。
【0025】
(3)符号形成部の構成
図5は、符号形成部11の構成を示す図である。符号形成部11は、JPEG2000符号化部101から出力されるMQ符号化後の符号データを一時的に記憶するための符号データバッファ12、COMマーカーセグメント以外のマーカーセグメントに関する情報を格納する符号化パラメータバッファ13、COMマーカーセグメントの情報を格納するCOMバッファ回路14、これら3つのバッファに対して適宜データの読み出し要求信号を出力し、必要なデータを読み出して図2に示した構成の符号データ(コードストリーム)を形成するデータ形成部15、及び、所定の場合に符号データ中のCOMマーカーセグメントのデータ修正を行うデータ修正部16とで構成される。
【0026】
COMバッファ回路14は、最も頻出するサイズの上記付加情報を格納し得るバッファメモリを備える。後に詳しく説明するが、COMバッファ回路14は、入力される付加情報のデータ量が上記設定値よりも大きい場合、CPU1に対してオーバーフロー信号を出力する。データ形成部15からデータ読み出し要求信号が入力された場合、格納できた分のデータをCOMデータとして出力した後、オーバーフローした分だけ代わりに“00”データを出力し、符号データ(コードストリーム)内に付加情報分のデータを書き込む領域を確保する。
【0027】
上記COMバッファ回路14を設けたことにより、上記3つのバッファ12、13、14及びデータ形成部15は、JPEG2000符号化部101から出力されるMQ符号化後の符号データ(いわゆる画像の符号データ)の所定箇所、即ち、COMマーカーセグメントに、使用アプリケーションにより用意される任意の量の付加情報のデータを付加するために必要なデータ書き込み領域を設けた一連のデータを形成するデータ加工部C(図5中、点線で囲んで示す。)として機能することができる。
【0028】
後に詳しく説明するように、データ修正部16は、COMバッファ回路14がオーバーフロー信号を出力した場合に作動して、データ形成部15から出力されてくる符号データ(コードストリーム)の内、COMマーカーセグメントの部分のデータを正しいデータに書き換える。
【0029】
(4)バッファ回路
図6は、バッファ回路14の構成を示す図である。以下に説明するように、バッファ回路14を構成するカウンタ21、及び比較器22は、入力される付加情報のデータ量が、レジスタ20の格納し得るデータ量を越えた場合にオーバーフロー信号を生成するオーバーフロー検出回路として機能する。
【0030】
また、カウンタ21、減算器23、カウンタ24、比較器25、ANDゲート26、“00”出力レジスタ27、カウンタ28、及び比較器29は、上記オーバーフロ信号が生成された場合に、入力される付加情報のデータの内、オーバーフローした分のデータを“00”データに置き換えてデータ形成部15に出力する不足データ補充回路として機能する。
【0031】
以下、バッファ回路14の構成について詳説する。CPU1からデータバス3を介して入力されるアプリケーションが用意する付加情報のデータは、まず、レジスタ20及びカウンタ21に入力される。レジスタ20は、最も頻出するサイズの付加情報が格納し得るサイズのものを採用する。上記最も頻出するサイズは、統計値に基づいて特定する。なお、レジスタ20のサイズは、上記サイズに限定されず、回路規模の小型化を計るため、より小さなサイズのものを採用しても良い。カウンタ21は、レジスタ20に入力される付加情報のデータ量をカウントする。比較器22は、カウンタ21のカウント値(データ量)がレジスタ20の格納可能なデータ量を超えた場合にHighレベルのオーバーフロー信号をデータバス3を介してCPU1に対して出力すると共に、当該信号をカウンタ24のイネーブル端子に入力する。
【0032】
また、カウンタ21は、カウント値を減算器23に出力する。減算器23では、入力されたカウント値からレジスタ20の格納可能なデータ量を減算した値を比較器29の一方の信号入力端子に出力する。
【0033】
レジスタ20は、イネーブル端子に、データ形成部15からHighレベルのデータの読み出し要求信号が入力されると、格納している付加情報のデータをCOMデータとしてデータ形成部15に出力する。この際、カウンタ24は、出力されるCOMデータの量をカウントし、カウント値を次段の比較器25の一方の信号入力端子に出力する。比較器25は、カウンタ値がレジスタ20の格納可能なデータ量となった時に、ANDゲート26の一方の信号入力端子に、Highレベルの信号を出力する。ANDゲート26の残りの信号入力端子には、比較器29の出力信号が反転入力される。比較器29の出力がLowレベルにある時、ANDゲート26は、“00”出力レジスタ27のイネーブル端子にHighレベルの信号を出力する。“00”出力レジスタ27は、イネーブル端子へのHighレベルの信号入力を受けて、所定のタイミングで“00”を繰り返し出力する。カウンタ28は、当該“00”出力レジスタ27から出力される“00”の数をカウントし、カウント値を比較器29に出力する。比較器29は、オーバーフロー分の“00”が出力された場合に、Highレベルの信号を出力し、ANDゲート26の出力をLowレベルに切り換え、“00”出力レジスタ27を停止する。
【0034】
なお、カウンタ24は、比較器22からHighレベルのオーバーフロー信号が出力されない場合には、作動しないため、上記“00”の補充動作は、行われず、レジスタ20に格納された付加情報がCOMデータとしてデータ形成部15に出力される。
【0035】
(5)データ修正部
図7は、データ修正部16の構成を示す図である。データ形成部15において生成された符号データ(コードストリーム)は、同期回路30及びCOMデータ検出回路31に入力される。COMデータ検出部31は、出力される符号データ(コードストリーム)から“COM”マーカーセグメントを表す“0xFF64”を検出し、HighレベルのCOMデータ要求信号をCPU1に出力する。当該信号を受けたCPU1は、書き換えデータとして、COMデータをセレクタ33に出力する。セレクタ33のセレクタ信号入力端子には、通常、ANDゲート32からLowレベルの信号が入力されており、同期回路30を介して入力される符号データ(コードストリーム)がそのまま出力される。ANDゲート32は、Highレベルのオーバーフロー信号及びHighレベルのCOMデータ要求信号の入力時にのみ、Highレベルの信号を出力する。この場合、セレクタ33は、CPU1から送られてくる書き換えデータをコードデータのCOMデータの代わりに出力する。同期回路30は、例えば、複数の直列接続されたインバータ素子で構成され、CPU1から送られてくる書き換えデータが符号データ(コードストリーム)内の該当箇所のデータに置き換えられるように、タイミング調節を行う。
【0036】
図8は、CPU1の実行するデータ書き換え処理のフローチャートである。COMバッファ回路14からHighレベルのオーバーフロー信号を受け(ステップS1でYES)、かつ、データ修正部16からHighレベルのCOMデータ要求信号を受けた場合には(ステップS2でYES)、データ修正部16に書き換えデータとして正しい全COMデータを出力する(ステップS3)。上記以外の場合は、書き換えデータの出力をすることなく処理を終了する。
【0037】
以上に説明するように、画像処理装置Aでは、アプリケーションの用意する付加情報のデータ量が多い場合には、仮のデータを埋め込んだ符号データ(コードストリーム)を作成した後に、COMデータを正しいデータに書き換える。これにより、あらゆるサイズの付加情報に対応し得る大きなサイズのCOMデータ用のバッファメモリを用意する必要をなくし、装置の小型化を図ることができる。
【0038】
他方、画像処理装置Aでは、上記アプリケーションの用意する付加情報のデータ量がバッファ回路14の備えるレジスタ20の格納可能なデータ量以下の場合には、当該レジスタ20に格納したデータを、そのままCOMデータとして使用し、後段のデータ修正部16でのデータの書き換えは行わない。これにより、迅速な符号データ(コードストリーム)の形成が行える。
【0039】
なお、画像処理装置Aは、デジタルスチルカメラ、デジタルコピアの記録部分、監視カメラ、デジタルビデオストレージ、デジタルカメラ(動画)に適用することが考えられる。
【0040】
(6)別の実施形態
処理の迅速の観点から言えば、COMデータ用のバッファメモリ(画像処理装置AのCOMバッファ回路14のレジスタ20がこれに相当する。)として、ある程度のサイズのものを用意しておき、できるだけデータの書き換え処理をしないようにするのが良いが、装置の小型化の観点から言えば、(COMバッファ回路14内から)COMデータ用のバッファメモリ自体を無くしてしまい、データ形成部15における符号データ(コードストリーム)の作成時には、全て仮データで成るCOMデータを使用し、データ修正部16において全て正しい値に書き換える構成を採用することも考えられる。この場合、COMバッファ回路14の代わりに用いるCOMバッファ回路14’は、例えば、図9に示す構成となる。なお、データ修正部16の構成及びCPU1の実行する処理内容は、変更不要である。
【0041】
以下、図9に示すCOMバッファ回路14’の構成及び動作に付いて説明する。データバス3を介して入力されるアプリケーションの用意した付加情報のデータは、カウンタ40に入力される。カウンタ40によるカウント値は、比較器41の一方の信号入力端子に入力されると共に、別の比較器46の一方の信号入力端子に入力される。比較器41の他方の信号入力端子は接地されており、カウンタ41からカウント値が出力されると同時にHighレベルのオーバーフロー信号をCPU1に出力すると共に、2入力ANDゲート42の一方の信号入力端子に入力する。ANDゲート42の残りの信号入力端子には、データ形成部15からのデータ読み出し要求信号が入力される。ANDゲート42は、Highレベルのオーバーフロー信号及びHighレベルのデータ読み出し要求信号の入力に応じてHighレベルの信号を2入力ANDゲート43の一方の信号入力端子に出力する。比較器46の出力がLowレベルにある時、ANDゲート43は、“00”出力レジスタ44のイネーブル端子にHighレベルの信号を出力する。“00”出力レジスタ44は、イネーブル端子へのHighレベルの信号入力を受けて“00”を繰り返し出力する。カウンタ45は、当該“00”出力レジスタ44から出力される“00”の数をカウントし、カウント値を比較器46に出力する。比較器46は、カウンタ40のカウント値と同数の“00”が出力された場合に、Highレベルの信号を出力し、ANDゲート43の出力をLowレベルに切り換え、“00”出力レジスタ44の動作を停止する。
【0042】
上記COMバッファ回路14’を採用すれば、画像処理装置A内からCOMデータ用のバッファメモリを完全に無くすことができ、回路規模の小型化を図ることができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の第1の画像処理装置及び画像処理方法では、符号データの必要な箇所に付加情報のデータを付加するための領域を設けておき、後に、付加情報データを上記予め用意した領域に書き込むことで、付加情報用に用意するバッファメモリを不要にすることができる。
【0044】
本発明の第2の画像処理装置及び画像処理方法では、付加情報のデータ量が付加情報用に用意したバッファメモリの容量を越える場合にも対処することができる。このため、小型の小容量のバッファメモリを使用することができる。また、付加情報のデータ量がバッファメモリの容量以下の場合、データ修正部におけるデータの書き換えなしに最終的なデータが形成できるため、処理の迅速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【図2】 画像処理装置の生成する符号データ(コードストリーム)の構成を示す図である。
【図3】 符号データ(コードストリーム)に付加された付加情報の種類(マーカーセグメント)及び含まれるパラメータを示す図である。
【図4】 符号データ(コードストリーム)のメインヘッダーの一例を示す図である。
【図5】 符号形成部の構成を示す図である。
【図6】 COMバッファ回路の構成を示す図である。
【図7】 データ修正部の構成を示す図である。
【図8】 CPUの実行する処理内容のフローチャートである。
【図9】 別の実施形態におけるCOMバッファ回路の構成を示す図である。
【図10】 従来の画像処理装置の構成を示す図である。
【図11】 従来の画像処理装置で生成される符号データ(コードストリーム)の構成を示す図である。
【符号の説明】
1CPU、2 メモリ、3 データバス、10,100 符号化装置、11,102 符号形成部、12 符号データバッファメモリ、13 符号パラメータバッファメモリ、14 COMバッファ回路、15 データ形成部、16 データ修正部、20 レジスタ、101 JPEG2000符号化部、A,B 画像処理装置。

Claims (4)

  1. 画像の符号データに付加情報を加えたデータを形成する画像処理装置において、
    画像の符号データの所定箇所に、任意の量の付加情報のデータを書き込むためのデータ書き込み領域を追加したデータを形成するデータ加工部と、
    上記データ加工部により形成したデータの上記データ書き込み領域に上記付加情報のデータを書き込むデータ修正部とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    更に、付加情報用のバッファメモリを備え、
    上記データ加工部は、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量を越える場合、画像の符号データの所定箇所に、当該付加情報のデータを書き込むためのデータ書き込み領域を追加したデータを形成し、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量以下の場合、当該付加情報のデータを一旦バッファメモリに格納した後、画像の符号データの所定箇所に当該バッファメモリに格納する付加情報のデータを書き込んだデータを形成し、
    上記データ修正部は、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量を越える場合、上記データ加工部の形成したデータのデータ書き込み領域に上記付加情報のデータを書き込み、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量以下の場合、上記データ加工部の形成したデータをそのまま出力する画像処理装置。
  3. 画像の符号データに付加情報を加えたデータを形成する画像処理方法において、
    画像の符号データの所定箇所に、任意の量の付加情報のデータを書き込むためのデータ書き込み領域を追加したデータを形成するデータ加工処理と、
    上記データ加工処理により形成したデータの上記データ書き込み領域に上記付加情報のデータを書き込むデータ修正処理を実行することを特徴とする画像処理方法。
  4. 請求項3に記載の画像処理方法において、
    上記データ加工処理では、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記付加情報のデータ用に備えるバッファメモリの容量を越える場合、画像の符号データの所定箇所に、当該付加情報のデータを書き込むためのデータ書き込み領域を追加したデータを形成し、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量以下の場合、当該付加情報のデータを一旦バッファメモリに格納した後、画像の符号データの所定箇所に当該バッファメモリに格納する付加情報のデータを書き込んだデータを形成し、
    上記データ修正処理では、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量を越える場合、上記データ加工部の形成したデータのデータ書き込み領域に上記付加情報のデータを書き込み、符号データに加えようとする付加情報のデータ量が上記バッファメモリの容量以下の場合、上記データ加工部の形成したデータをそのまま出力する画像処理方法。
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