JP3859255B2 - ホースクリップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はホースクリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パイプ等に接続されたホースの接続部分を緊締するものとして図9に示すような形式のホースクリップHC1が用いられてきた。このものは、長片状のばね板材を円環状に曲げておき、自然状態では対象とするホースの外径より小さい内径をもつようにしてある。ホースを緊締する場合には強制的に拡開変形させてホースに嵌め込み、その後、拡径状態を解除してやれば、自らの弾性にて縮径してホースを緊締する、といったものである。
【0003】
ところで、この種のホースクリップHC1に要求される基本機能として、ホースに対する締め付け力が全周にわたって均一であることが挙げられる。しかし、板幅が均一な板ばね材を単純に円環状に曲げるだけでは、均一な締め付け力が得られないため、従来では途中に三角窓10を設けるといった工夫が行わてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、次のような点において改善の余地があることがわかった。第1に、上記したような三角窓10は板幅を変化させることにより、締め付け力の均一化をもたらすものではあるが、これを設けるとホースに対する接触面積が周方向に関して均一にならない。したがって、単位面積当たりの締め付け力は、つまみ片12,12付近と他の部分では異なり、つまみ片5,12の付近では単位面積当たりに、より大きな締め付け荷重をホースの外周面に作用させることとなる。その結果、ホースに対する食い込み深さが不均一になり、ホースの部分的な劣化を生じさせることが懸念されるのであった。
【0005】
また、第2の点として、従来のホースクリップHC1は一端側を一本足とし、他端側を、この一本足部分を受け入れることができるような溝11を開口させた形状になっている。こうすることで、両端部に起立形成されたつまみ片12同士を同軸で正対させ、つまみ操作を容易にしているのであるが、このような操作部分を形成する関係上、ホースクリップのほぼ半周分は締め付け力の均一化が図りにくくなっていた。
【0006】
本発明は上記した事情に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、ホースに対する締め付け力を全周にわたって均一にでき、同時に単位面積当たりの荷重についても均一化が図りうるホースクリップを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための請求項1の発明は、長片状のばね板材を円環状に巻回してなる締め付け部によって縮径方向への弾発力を作用させてホース等を緊締するホースクリップであって、前記ばね板材は徐々にねじられてその両端部が行き違い状に交差するようになっているととともに、このばね板材のうちホース等を緊締する範囲は、ホース等に対する接触面積が全周に亘って均一に形成され、かつ任意の点Cにおける断面二次モーメントIZCが、
IZC=IZMAX・(1+COSθ)/2
(IZMAX:ばね板材の支点部分における断面二次モーメントの最大値、
θ:前記締め付け部の長さ方向の中央位置を支点とし、この支点と締め付け部によって形成される円の中心とを結ぶ軸線と任意の点Cとのなす角度)なる式で与えられることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の作用及び効果】
請求項1の発明の作用は以下のようである。
図10は、ホースクリップの両端に等しい荷重をかけて拡開変形させる場合の力学的解析を行うための模式図であり、ホースクリップの半周分に相当する曲げ梁Sを考えたものである。今、その一端Bに荷重Pを作用させたときに、曲げ梁Sが破線で示す原状態から実線で示す状態に変形したとする。このとき、曲げ梁Sの途中の任意の点Cに作用する曲げモーメントMは、
M=P・RC(1+COSθ)…▲1▼
で表される。但し、RCは点Cにおける曲率半径、θは点Cが水平軸となす角度である。
一方、曲げ梁が原状態にあるとき、点Cの原位置である点C0における曲率半径をRC0とした場合に、次の式が成り立つ。
(1/RC)―(1/RC0)=M/(E・IZ)…▲2▼
但し、Eはヤング率を示す。
したがって、▲1▼,▲2▼より、
(1/RC)―(1/RC0)=P・RC(1+COSθ)/(E・IZ)…▲3▼
また、曲げモーメントは点Aにおいて最大となり、点Aでの断面二次モーメントも最大の値となるため、これをIZMAXと表すと、
(1/RA)―(1/RA0)=2・P・RA/(E・IZMAX)…▲4▼
ところで、ホースクリップにおいて全周にわたって均一な締め付け力が得られるためには、任意の点での曲率変化{(1/R)―(1/R0)}が一定でなければならない。
したがって、
(1/RC)―(1/RC0)=(1/RA)―(1/RA0)…▲5▼
つまり、▲3▼,▲4▼より
IZ=1/2・IZMAX・(1+COSθ)…▲6▼
以上より、断面二次モーメントを▲6▼式のような関係をもって変化させれば(図10の(B)参照)、全周に沿って均一な締め付け力が得られることがわかる。
【0009】
本発明ではこのような関係をもって板ばね材の形状を設定し、これによってホース等に対する締め付け力を均一にするものである。そして、同時にこのような形状を実現する場合に、板幅を変化させる以外の方法によることとしている。つまり、ばね板材を徐々にねじって両端部を行き違い状に交差するようにしたことで、ホース等に対する接触面積を全周に沿って均一にしたままで達成することができ、これによってホースに作用する単位面積当たりの締め付け力も均一になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は本発明の第1実施形態を示すものであり、ホースクリップの材質としてはばね鋼が使用された。ホースクリップHCは均一幅をもった長尺な板材を、略円環状に曲げて形成した締め付け部1と、その端部を径方向へ等しい高さをもって起立して形成した操作部2とからなっている。
【0011】
そして、図1にも示されるように、ホースクリップHCはその成形時における曲げ工程において軸方向に沿って徐々に捻られ、一巻きされたところで両端部が行き違うようになっており、つまり全体として螺旋形状をなしている。但し、締め付け部1の内径はその板幅に比較して充分に大きく設定されているため、締め付け部1の内周面のねじれはほぼ無視しうる程度であり、したがって締め付け部1はホースHの外周面に対してその全幅にわたって均一に密着させることができ、さらにはその全周に沿って均一に密着させることができる。
【0012】
既に述べたように、ホースクリップHCの締め付け力を全周に沿って均一にするための条件は、次式を満たすように断面二次モーメントを変化させることであった。
IZ=1/2・IZMAX・(1+COSθ)
第1実施形態ではこのための手段として、締め付け部1において、深さの変化するリブ3を外側へ向けて突出するようにして形成することとしたのである。このリブ3は、締め付け部1の幅方向に関する中央部に周方向に沿って形成されたものであり、長さ方向に関する中央位置(図1ではP位置、図10では点Aに相当する位置)が最も深く形成され(図4(A)参照)、ここから両操作部2に向けて対称にかつ徐々に浅くなるように形成されている。つまり、点Pの位置を最も撓み難い点とし、ここから徐々に撓み易くしているわけである。
【0013】
なお、図示はしないが、ホースクリップHC全体を拡径した状態に保持しておくために、両操作部2には適当なホルダー(図示しない)が取り付けられ、これによってホースクリップHCは拡径状態のまま持ち運びができるようになっている。
【0014】
したがって、上記のように構成された第1実施形態では、ホースHに対する締め付けを行う場合には、拡径状態にあるホースクリップHCを予めホースHに差し込んでおき、パイプ等への接続を行った後、ホースクリップHCを口部へ移動させる。そして、図示しないホルダーを取り除いてやれば、ホースクリップHCは自らの弾性によって縮小変形するため、ホースHは締め付け部1によって緊締され、これによってホースHに対する接続作業が完了する。
【0015】
ところで、第1実施形態のホースクリップHCでは、ホースHに対する締め付け力が全周にわたって均一になるように付与され、かつ両操作部2を行き違い状に交差させるようにしたことで、締め付け部1は均一幅をもってホースHの全周を締め付けるため、単位面積あたりのホースHに作用する締め付け力をも均一としている。したがって、従来のようにホースHに対して局部的な劣化を生じさせることもなく、ホースHの延命化に寄与する。
【0016】
さらに、従来であれば両操作部2を形成する場合に、一方の端部を受け入れるために他方には溝部を打ち抜き状に形成していたが、第1実施形態ではこのような打ち抜きが不要であるため、材料の有効利用が図れる、という効果も得られる。
【0017】
図5及び図6は本発明の第2実施形態を示すものであり、この実施形態ではホースクリップHCの締め付け力を全周にわたって均一化ならしめる条件としての既述した断面二次モーメントの関係式を、次のような形状に求めることとしている。すなわち、この形態ではホースクリップHC全体を均一幅で形成するとともに、締め付け部1の両外周縁に幅が徐変するフランジ4を対称に形成したものである。具体的には、長さ方向に関する中央位置(図10では点Aに相当する位置)がフランジ4の高さ(曲げ幅)が最も高くなるようにしてあり、ここから両操作部2に向けて対称にかつ徐々に低くなるように形成されている。
【0018】
他の構成は、第1実施形態と同様であり、もって同様の作用効果を発揮することができる。
【0019】
図7及び図8は本発明の第3実施形態を示すものであり、第3実施形態ではホースクリップHC全体は均一幅で形成されるとともに、締め付け部1の厚みを徐変させることで、断面二次モーメントが前述した関係を満たすようにしたものである。
他の構成は、第1、第2実施形態と同様であり、もって同様の作用効果を発揮することができる。
【0020】
なお、本発明は種々の変更が可能であり、次のような変形例も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0021】
▲1▼第1〜第3実施形態は、締め付け部1の断面形状の一例を示したに過ぎず、要は断面二次モーメントが既述した所定の条件を満たすようなものであればよく、その形状は限定されるべき性質の物ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のホースクリップの斜視図
【図2】同じく正面図
【図3】同じく側面図
【図4】 (A)は中央部付近での断面図、(B)は端部側での断面図
【図5】第2実施形態のホースクリップの斜視図
【図6】 (A)は中央部付近での断面図、(B)は端部側での断面図
【図7】第3実施形態のホースクリップの斜視図
【図8】 (A)は中央部付近での断面図、(B)は端部側での断面図
【図9】従来のホースクリップの斜視図
【図10】(A)は締め付け力の均一化を説明するための概念図,(B)は断面二次係数と角度との関係を示す特性図
【符号の説明】
1…締め付け部
2…操作部
3…リブ
4…フランジ
HC…ホースクリップ
Claims (1)
- 長片状のばね板材を円環状に巻回してなる締め付け部によって縮径方向への弾発力を作用させてホース等を緊締するホースクリップであって、
前記ばね板材は徐々にねじられてその両端部が行き違い状に交差するようになっているととともに、このばね板材のうちホース等を緊締する範囲は、ホース等に対する接触面積が全周に亘って均一に形成され、かつ任意の点Cにおける断面二次モーメントIZCが、
IZC=IZMAX・(1+COSθ)/2
(IZMAX:ばね板材の支点部分における断面二次モーメントの最大値、
θ:前記締め付け部の長さ方向の中央位置を支点とし、この支点と締め付け部によって形成される円の中心とを結ぶ軸線と任意の点Cとのなす角度)なる式で与えられることを特徴とするホースクリップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04113196A JP3859255B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | ホースクリップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04113196A JP3859255B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | ホースクリップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09229269A JPH09229269A (ja) | 1997-09-05 |
JP3859255B2 true JP3859255B2 (ja) | 2006-12-20 |
Family
ID=12599894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04113196A Expired - Lifetime JP3859255B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | ホースクリップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3859255B2 (ja) |
-
1996
- 1996-02-28 JP JP04113196A patent/JP3859255B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09229269A (ja) | 1997-09-05 |
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