JP3858827B2 - 情報管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報管理システム、特に、基本プロトコルによって管理される管理対象から得られるデータを遠隔管理装置によって管理する情報管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、商業ビル、オフィスビル、病院、ホテル、倉庫、工場など、いろいろなビルに設備された空調設備などの設備機器を、遠隔に設置された遠隔管理センタに接続させて集中管理を行うシステムが現れてきている。例えば、図6に示すように、ビル110,110’,110”内には設備管理装置115が設置されている。この設備管理装置115は、複数の室内機122および室外機121から成る空調設備123などの複数の空調設備を統括して管理しており、例えば、ビル110等の管理者からの指令によって空調管理を行ったり、ビル110等の管理者に対して室外機121や室内機122の状態の管理データを提供したりする役割を果たす。そして、この設備管理装置115は、公衆回線90等を介して、直接的に、あるいは間接的に、外部の遠隔管理センタ180のサーバコンピュータ181に接続される。これにより、ビル110等の内部の設備管理装置115が単独では提供できないサービスを、遠隔管理センタ180がビル110等の管理者やオーナーなどに対して提供することができるようになっている。
【0003】
具体的には、遠隔管理センタ180において、各ビル110等の空調設備の故障管理、故障予知、設備利用の料金管理、データ解析による改善提案、各種報告書の作成などを行うサービスが展開されている。
【0004】
このようなシステムにおいては、ビル等のローカル空調システムにおいて、管理の対象となる設備機器が設備管理装置115に対して同一の通信プロトコルで接続されている必要がある。互いに同一の通信プロトコルで接続されている場合には、設備管理装置115と設備機器との通信が確立しているので、設備機器の情報はそのまま設備管理装置115に読み取られる。ところが、設備管理装置115の製造メーカーと、それに接続される設備機器の製造メーカーとが違う場合には、プロトコルの違いにより、設備管理装置115と設備機器との通信が確立できない事態が生じる。このようにプロトコルの異なるものを接続する場合にも、図6に示すように、プロトコルを変換する汎用アダプタ135,136,137,145を介在させることによって、両者の接続を確立させることができている。すなわち、設備管理装置115のプロトコルとは異なるプロトコルの機器を管理の対象に含める場合には、この汎用アダプタ135等を用いることが前提になる。このような汎用アダプタ135等を用いた検出は、汎用アダプタ135等に備わっているセンサ105や接点106を、設備機器の検出対象部分にまで延ばすことで検出を行っている。そして、設備管理装置115は、これらの汎用アダプタ135等から入手した情報を全て遠隔管理センタ180に送信し、遠隔管理センタ180は、これらの全情報をもとにして設備機器を遠隔から管理している(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
ところで、上述のような汎用アダプタ135等に備わっているセンサ105や接点106の数は、通常、一定の数に定められている。これは、専用アダプタ(接点やセンサの数が管理対象の管理項目数に固有であるアダプタ)を用意するのでは、他種類のアダプタを生産しなければならず、コスト的なデメリットが大きいためである。
【0006】
したがって、図6に示すように、例えば、室外機131と室内機132とから構成される空調設備133のように管理項目を多く有しているときは、1つの汎用アダプタだけではセンサ105や接点106の数が不足する場合がある。この場合であっても、専用アダプタを用意するのではなく、複数の汎用アダプタ135,136,137を用いることで検出している。なお、この場合は、センサ105’や接点106’が余ることがある。
【0007】
また、例えば、室外機141と室内機142とから構成される空調設備143のように管理項目を少ししか有していない場合がある。この場合であっても、専用アダプタを用意するのではなく、1つだけ汎用アダプタ145を用いることで検出している。なお、この場合も、センサ105”が余ることがある。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−247663号公報 (第3−7頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、汎用アダプタにおいてはセンサや接点の数が一定なので、使われていないセンサや接点が余ることがある。この未使用のセンサ105’や接点106’は、管理する予定のない不要な情報を検出してしまう。設備管理装置115は、汎用アダプタから入手する全情報を遠隔管理センタ180に送信しているので、この未使用のセンサや接点から検出される情報をも遠隔管理センタ180に送信してしまう。このような未使用のセンサや接点から検出される情報は、遠隔管理センタで管理する必要がない情報である。遠隔管理センタが各種情報を処理する際に、このような管理する必要の無い情報をも処理していると、管理する必要のある情報の処理が遅れやすくなり、情報処理された結果が管理に必要か否か判断しにくい。また、遠隔管理センタでは、膨大な数の管理対象を管理していることが多く、検出される情報量も膨大となりがちであり、よりいっそうこのような状況になりやすいと考えられる。
【0010】
本件の課題は、管理対象をアダプタを介して管理装置に接続させたときにも、遠隔において管理する必要がない情報による通信負荷を低減させることができる情報管理システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る情報管理システムは、基本プロトコルによって管理される管理対象から得られるデータを遠隔管理装置によって管理する情報管理システムであって、基本管理対象と、非基本管理対象と、アダプタと、データ対応条件記憶部と、判断部と、送信部と、を備えている。基本管理対象は、基本プロトコルが用いられている管理対象である。非基本管理対象は、基本プロトコルとは異なるプロトコルである非基本プロトコルが用いられている管理対象である。アダプタは、非基本管理対象に関するデータを取得するデータ取得手段を複数有し、データ取得手段が非基本管理対象から取得したデータを基本プロトコルのデータに変換する機能を有している。データ対応条件記憶部は、非基本管理対象に関して取得されるデータの項目に応じてデータ対応条件が格納されている。判断部は、非基本管理対象に関して取得されたデータであって基本プロトコルに変換されたデータを取得し、取得されたデータが対応するデータ対応条件を満たしているか否かによってデータを取得しているデータ取得手段が使用されているか否かを判断する。送信部は、判断部によって使用されていないと判断されたデータ取得手段が取得するデータは遠隔管理装置に送信しない。また、送信部は、判断部によって使用されていると判断されたデータ取得手段が取得するデータおよび基本管理対象に関して取得されるデータを遠隔管理装置に送信する。
【0012】
ここでは、アダプタがプロトコル変換機能を有しているため、管理対象として、非基本プロトコルが用いられている管理対象についても、基本管理対象と同様に管理することが可能になる。
【0013】
そして、基本管理対象でない非基本管理対象についても新たに管理する対象として含める場合には、アダプタに設けられている複数のデータ取得手段の全てが使用されるとは限らず、一部、使用されないデータ取得手段が生じる場合がある。これに対して、ここでは、判断部が、データ対応条件記憶部に格納されているデータ対応条件によって、各データ取得手段の使用状況の有無を判断することができる。これにより、送信部は、使用されていないと判断されたデータ取得手段から得られるデータについては、遠隔管理装置に対して送信しないようにして、基本管理対象に関して取得されるデータおよび使用されていると判断されたデータ取得手段から得られるデータについてのみ送信するようにしている。このため、非基本管理対象を基本管理対象と同様に管理する場合に、遠隔管理装置において管理する必要のないデータの送信を止めることで通信量が低減されるため、通信負荷を 低減させることが可能になる。
【0014】
第2発明に係る情報管理システムは、第1発明の情報管理システムであって、アダプタは、データ取得手段を所定数有しており、自己が取得する非基本管理対象に関するデータに対して対応付ける所定の識別データを設定するためのスイッチを有している。そして、送信部は、非基本管理対象に関するデータと、対応付けられた所定の識別データと、を関連付けて遠隔管理装置に送信する。
【0015】
ここでは、非基本管理対象について、アダプタに設けられた所定数のデータ取得手段では管理しきれない数の管理項目を対象とする必要が生じた場合に、アダプタを複数個用いる場合がある。この場合において、これらの複数のアダプタが互いに同じ非基本管理対象からのデータを取得していることを同一の識別データを付することでグルーピングして、アダプタ同士の関連性を付けることが可能になる。
【0016】
これにより、データ取得手段の数が所定数に固定された汎用的なアダプタを複数用いることで、管理項目の多い非基本管理対象であっても、得られるデータが同じ非基本管理対象から得られるデータとしてまとめて管理を行うことが可能になる。このため、管理項目数の異なる非基本管理対象それぞれに対応する個数のデータ取得手段が設けられているような専用のアダプタを製造する必要がなく、コストを抑えることが可能になる。
【0017】
第3発明に係る情報管理システムは、第1発明または第2発明の情報管理システムであって、所定のデータ取得手段について、判断部による判断対象から外れるように設定変更する設定変更部をさらに備えている。そして、送信部は、所定のデータ取得手段が取得するデータを遠隔管理装置に送信する。
【0018】
ここでは、設定変更部が所定のデータ取得手段について判断部による判断対象から外すことで、所定のデータ取得手段を他のデータの管理に流用することが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
<空調設備管理システムの全体構成>
本発明の一実施形態に係る汎用アダプタを含む空調設備管理システムを、図1に示す。ここに示す空調設備管理システムは、遠隔管理センタ80を運営する事業者が、所定の外部通信機能を有する空調集中管理装置15を配備しているビル10等,10’,10’’・・・のオーナーや空調設備使用者に対して様々なサービスを提供するためのシステムである。空調設備管理システムは、遠隔管理センタ80内のサーバコンピュータ81と、各ビル10等のローカル空調システムとから構成されている。ローカル空調システムの空調集中管理装置15は、遠隔管理センタ80内のサーバコンピュータ81に対して、定期的に所定のデータ送信を行う。
【0020】
<遠隔管理センタ80のサーバコンピュータ81の構成>
遠隔管理センタ80は、各ビル10等の空調設備の故障管理、故障予知、設備利用の料金管理、データ解析による改善提案、各種報告書の作成などを行うために設置されており、サーバコンピュータ81を有している。サーバコンピュータ81は、1又は複数のコンピュータから構成されており、各ビル10等の空調集中管理装置15から送られてくる種々のデータを管理・蓄積し、故障管理や各種報告書作成など多くのサービスを提供するための機能を備えている。
【0021】
また、サーバコンピュータ81は、ローカル空調システムにおける設定作業を補助するための機種別アダプタ標準接続データ記憶部81aを記憶している。これについては、ローカル空調システムの設定作業を説明するときに詳述する。
【0022】
<各ビル10等のローカル空調システムの構成>
各ビル10等に配備されているローカル空調システムは、それぞれ別の冷媒系統を有する複数の空調設備を、空調集中管理装置15により一括して管理したり制御したりするシステムである。空調集中管理装置15は、例えば、各ビル10等の管理者やオーナーからの指令により空調管理を行ったり、各ビル10等の管理者などに対して各空調設備に関する管理データを提供したりする。
【0023】
また、空調集中管理装置15は、空調設備の部品情報や温度情報などの特有の情報群を、定期的に(例えば1日に1回)遠隔管理センタ80内のサーバコンピュータ81に送信するとともに、異常等が発生した場合には即座に必要な情報群をサーバコンピュータ81へと送信する。
【0024】
この空調集中管理装置15は、空調集中管理装置15の製造メーカーが製造している空調設備であれば、通信においてデータを送受信するために定められた約束事であるプロトコルが共通であることが多く、共通の場合には所定の通信線によって直に接続させることができる。しかし、ビル等のオーナーや設計者の都合などで、空調集中管理装置15の製造メーカーと異なる他メーカーが納入している空調設備が混在している場合には、その空調設備を直に空調集中管理装置15に接続させることができないことが多い。このようなときにも、他メーカーの空調設備を空調集中管理装置15において管理することができるように、このローカル空調システムでは、汎用アダプタを用意している。図1および図2において番号35,36,37,45,55,56で示すものが、汎用アダプタである。これらの汎用アダプタは、同一の構成を有する同一仕様のものであり、6つのセンサ5と、3つの接点6とを有している(図3参照)。汎用アダプタの詳細については、後に詳述する。
【0025】
図1および図2に示すように、各ビル10等におけるローカル空調システムでは、伝送ライン19を介して、空調集中管理装置15に各空調設備23,33,43,53・・・の室外機21,31,41,51・・・が接続されている。室外機21,31,41,51・・・は、それぞれ独立した冷媒系統および伝送線で室内機22,32,42,52・・・と結ばれている。このような構成により、空調集中管理装置15は、各室外機21,31,41,51・・・から空調設備に関する情報を集める。
【0026】
室外機21は、空調集中管理装置15が伝送ライン19を介して通信する際のプロトコルに適合しているため、伝送ライン19に直に接続される。
【0027】
室外機31は、他メーカーが製造したものであり、空調集中管理装置15のプロトコルに適合しないため、汎用アダプタ35,36,37を介して伝送ライン19に接続される。この室外機31は、管理項目が多く存在し、1つの汎用アダプタだけでは全ての管理項目をカバーできないため、3つの汎用アダプタ35,36,37により空調集中管理装置15が管理データを取得するようにしている。ところが、汎用アダプタはセンサが6つ、接点が3つとなっており、これらの個数が一定である。このため、汎用アダプタ35,36では6つのセンサも3つの接点も全て使われているが、汎用アダプタ37においてはセンサが2つ,接点が1つ余っている。さらに、この余ったセンサ5a,余った接点6aであっても何らかの検出を行っているので、空調集中管理装置15は、この余ったセンサ5aや余った接点6aからの情報も入手している。
【0028】
室外機41は、他メーカーが製造したものであり、空調集中管理装置15のプロトコルに適合しないため、汎用アダプタ45を介して伝送ライン19に接続される。この室外機41は、1つの汎用アダプタだけで全ての管理項目をカバーできるため、汎用アダプタ45だけを使って空調集中管理装置15が管理データを取得する。室外機41の管理項目は、汎用アダプタ45の6つのセンサと3つの接点で全て検出されており、センサと接点をちょうど使い切っている。
【0029】
室外機51は、他メーカーが製造したものであり、空調集中管理装置15のプロトコルに適合しないため、汎用アダプタ55,56を介して伝送ライン19に接続される。この室外機51は、管理項目が多く、1つの汎用アダプタだけでは全ての管理項目をカバーできないため、2つの汎用アダプタ55,56により空調集中管理装置15が管理データを取得するようにしている。ところが、汎用アダプタはセンサが6つ、接点が3つとなっており、これらの個数が一定である。このため、汎用アダプタ55では6つのセンサも3つの接点も全て使われているが、汎用アダプタ56においてはセンサが2つ余っている。さらに、この余ったセンサ5bであっても何らかの検出を行っているので、空調集中管理装置15は、この余ったセンサ5bが検出する情報も入手している。
【0030】
次に、図3を参照して、汎用アダプタ55,56を例に取り、汎用アダプタの構成を説明する。
【0031】
本実施形態に係る汎用アダプタは、1枚のボードなどがケーシング内部に収容されているものであって、6つのセンサ5および3つの接点6と、プロトコル変換部4と、識別アドレス用ディップスイッチ7と、グルーピング用ディップスイッチ8と、出力部9とを備えている。センサ5は、例えば、室外機51における圧縮機の吐出管温度の測定や、圧縮機、室内ファンモータおよび室外ファンモータに加えられる電流の測定や、圧縮機が吸入あるいは吐出する冷媒の圧力の測定や、空調設備の設置される環境の温度あるいは湿度の測定などを行う。接点6は、例えば、室外機51の圧縮機の発停(圧縮機の寿命に関連するパラメータ)の検知を行う。センサ5や接点6は汎用的なものであり、いろいろな管理項目に対して適用することができる。プロトコル変換部4は、センサ5および接点6から検出されたデータを、空調集中管理装置15のプロトコルに変換し、出力部9から伝送ライン19へと送り出す。識別アドレス用ディップスイッチ7は、複数のディップスイッチから構成されており、他の汎用アダプタと異なるようにセットされる。グルーピング用ディップスイッチ8は、複数のディップスイッチ(ここでは4つのディップスイッチ)から構成されており、0〜15までのグループ番号をセットできる。
【0032】
<ローカル空調システムの設定作業>
[ローカルにおける設定作業]
ローカル空調システムにおいては、まず、空調集中管理装置15が、接続されている各空調設備の設置情報を把握する必要がある。
【0033】
室外機21を含む空調設備については、製造メーカーが空調集中管理装置15と同じでプロトコルが共通しているため、空調集中管理装置15に対して伝送ライン19を介して直に接続することによって、空調設備の機種名や管理項目のデータが自動的に空調集中管理装置15に送られるようになる。したがって、この空調設備に関しては、図2に示すように、実際の設置情報などのデータを試運転ツール(コンピュータ)71を用いることによって空調集中管理装置15に入力すれば、概ね基本的な設定は完了する。ここでの設置情報とは、例えば、このような空調設備を管理するために各設置情報に割り振られているアドレス・空調設備の属する冷媒系統名・機種名・機種コード・機番などである。
【0034】
これに対して、製造メーカーが空調集中管理装置15と異なりプロトコルが異なるために汎用アダプタを介して空調集中管理装置15と接続される室外機31,41,51を含む各空調設備については、それぞれ各設置情報に割り振られているアドレス・空調設備の属する冷媒系統名・機種名・機種コード・機番などを入力する必要があるとともに、どの汎用アダプタがどの空調設備に対応しているのかを空調集中管理装置15側で把握する必要がある。以下、空調集中管理装置15が、汎用アダプタを介して空調集中管理装置15に接続されている空調設備に関して、どのようにして各空調設備の設置情報を把握するのかについて説明する。
【0035】
室外機31には3つの汎用アダプタ35,36,37、室外機41には1つの汎用アダプタ45、室外機51には2つの汎用アダプタ55,56が装着されるが、各汎用アダプタは、それぞれ各室外機31,41,51の近傍に配置されることになる。これらの汎用アダプタは、各室外機31,41,51に対して装着する前に、予め識別アドレス用ディップスイッチ7によって独自の識別アドレスがセットされるとともに、グルーピング用ディップスイッチ8によってグループ番号が付与される。識別アドレス用ディップスイッチ7は、それぞれの汎用アダプタが独自の識別アドレスを有するようにセットされる。グループ番号については、0〜15のいずれかの番号がセットされることになるが、同じ空調設備に対して束として用いられる汎用アダプタ(例えば、汎用アダプタ35,36,37)については同一のグループ番号がセットされる。すなわち、同一グループ番号の汎用アダプタ群は、1つのグループとして、同じ1台の空調設備の管理に用いられることになる。なお、同じ空調設備に対して用いられる汎用アダプタは、グループ番号が同一であればよく、グループ番号自身は他のグループと識別できる任意の番号であれば何でもよい。特に、グループ番号と機種名などとを合わせるようなことは行わない。
【0036】
一方、室外機41に装着される汎用アダプタ45のように、1つの汎用アダプタで1つの空調設備だけを管理する使い方が為される場合には、その汎用アダプタのグループ番号は0にセットされる。これは、識別アドレスのみによって、対象の空調設備に用いられていることを判別できるからである。したがって、設備1つの管理に対して汎用アダプタを1つ用いるというような大半を占める使用形態に対して、それぞれ特有のグループ番号を振る必要がなくなり、グルーピング用ディップスイッチ8を構成するディップスイッチの数量を増やす必要がなくなる。このように、グループ番号が0の汎用アダプタ群の識別は、識別アドレス用ディップスイッチ7による識別アドレスで行うことになる。
【0037】
このように、識別アドレスおよびグループ番号が予め付与された汎用アダプタは、それぞれ、対応する空調設備の室外機31,41,51・・・の設置場所に設置され、センサ5や接点6が空調設備に取り付けられる。このときには、当然、グループ番号(グループ番号が0のものは識別アドレス)に基づき、対応する空調設備の室外機31,41,51・・・へと汎用アダプタが設置される。そして、空調設備に装着された汎用アダプタが伝送ライン19を介して空調集中管理装置15に接続されると、空調集中管理装置15は、汎用アダプタから各種情報を入手する情報入手手段により、汎用アダプタごとに識別アドレスおよびグループ番号を把握することができるようになる。この段階で、空調集中管理装置15は、汎用アダプタを介して接続される空調設備の設置情報を図4に示すように把握することになる。ここでは、グループ番号が0のものに対しては汎用アダプタごとに空調設備が存在すると認識するとともに、グループ番号が0以外のものに対してはグループ番号ごとに空調設備が存在すると認識する。そして、認識される空調設備それぞれに対して、室外機21を含む空調設備に対して行った操作と同様に、実際の設置情報などのデータを試運転ツール(コンピュータ)71を用いることによって空調集中管理装置15に入力する。試運転ツール71からアドレスや機種名の入力が為されると、空調集中管理装置15において、空調設備、そのアドレスや機種名、および接続に用いている汎用アダプタの対応づけが完了することになる。なお、ここでは、試運転ツール71から空調集中管理装置15へと、区別されている空調設備ごとに文字列の機種名の入力が行われる。
【0038】
このように、空調集中管理装置15は、汎用アダプタから入手した識別アドレスおよびグループ番号によって、自動的に空調設備の区別を行うことができるようになり、従来において試運転ツール71によって行われていた汎用アダプタの空調設備への帰属を決めるグルーピング作業(手作業)が不要になる。
【0039】
[試運転ツールによる空調集中管理装置への入力作業]
上述のようにして空調集中管理装置15における空調設備の設置情報および接続に用いている汎用アダプタの対応づけが完了すると、空調設備に関するデータがセンサ5や接点6から空調集中管理装置15に集まってくることになる。
【0040】
この場合、汎用アダプタにおけるセンサ5や接点6の数は一定なので、管理項目数が汎用アダプタのセンサ5や接点6の合計数に満たない場合は、センサ5や接点6が未使用のまま余っていることがある。そこで、このようなセンサ5や接点6の使用・未使用状況について、試運転ツール71を用いて調べたり、空調設備の機種毎に定められた設定についての情報である機種別アダプタ標準接続データを機種別アダプタ標準接続データ記憶部81aからダウンロードしたりして把握する。
【0041】
ここでの試運転ツール71を用いたセンサ5や接点6の使用・未使用状況についての把握作業は、試運転ツール71を用いて各センサ5や接点6についての大まかな使用・未使用・未設定状況を調べて空調集中管理装置15に入力し、空調集中管理装置15が遠隔管理センタ80に対して各センサ5や接点6から得られる情報を送信することにより行う。このようにして各センサ5や接点6から得られる情報を受信した遠隔管理センタ80は、機種別アダプタ標準接続データとの対比を行い、このような標準接続データと一致するか否かによって、各センサ5や接点6の使用・未使用状況の把握作業を行っている。
【0042】
例えば、試運転ツール71を用いて空調集中管理装置15に各センサ5や接点6の使用・未使用状態の情報を入力した場合や遠隔管理センタ80から各センサ5や接点6の使用・未使用状態のデータをダウンロードした場合に、空調集中管理装置15が、そのセンサ5や接点6から測定された値を遠隔管理センタ80へと送信する。そして、遠隔管理センタ80において、その値をもとに各センサ5や接点6ごとに実際に使用されているか否か判断して、最終的にその各センサ5や接点6の使用・未使用状態が決定されて空調集中管理装置15や遠隔管理センタ80に把握されることになる。なお、遠隔管理センタ80において各センサ5や接点6の使用・未使用状態の最初の入力情報と実際の状態とが同じであると判断された場合には、遠隔管理センタ80は、空調集中管理装置15に対して特に返信を行うことなく、このままの入力情報で正しいとして、各センサ5や接点6についての使用・未使用状態の把握作業を終了する。また、情報の入力は、具体的には、使用されているセンサ5や接点6については設置情報を入力し、未使用のセンサ5や接点6については設置情報を入力しないという方法等で行う。
【0043】
[遠隔管理センタ内のサーバコンピュータによる設定動作]
上述の遠隔管理センタ80から各センサ5や接点6の使用・未使用状態のデータをダウンロードした場合とは、具体的には以下のような動作が行われている。
【0044】
まず空調集中管理装置15と遠隔管理センタ80とが通信を行うが、この通信時に、遠隔管理センタ80は、空調集中管理装置15に接続されている空調設備の機種名や各センサ5や接点の設置情報を認識する。そして、遠隔管理センタ80は、空調集中管理装置15に向けてこの設置情報に対応した所定の情報を送信する。具体的には、遠隔管理センタ80は、空調集中管理装置15に接続されている空調設備の機種名等の情報を受信した際に、空調集中管理装置15に接続されている各センサ5や接点6の使用・未使用の情報を推定する。
【0045】
ここでの遠隔管理センタ80の推定作業は、サーバコンピュータ81内の機種別アダプタ標準接続データ記憶部81aに用意されている機種別アダプタ標準接続データに基づいて行われる。この機種別アダプタ標準接続データは、例えば、空調集中管理装置15に汎用アダプタを介して接続される可能性のある空調設備について、その機種別に定められた各測定項目のデフォルト値等である。また、ここに用意されている機種別アダプタ標準接続データは、管理対象の機種に対して用いる汎用アダプタの数量情報と、単数又は複数の汎用アダプタの各センサ5や接点6についての接続先情報とを含んでいる。
【0046】
そして、サーバコンピュータ81が、機種別アダプタ標準接続データ記憶部81aにあるデータであって、上記のようにして認識した機種名に応じた必要な機種別アダプタ標準接続データを選定する。そして、遠隔管理センタ80は、この選定された必要な機種別アダプタ標準接続データを空調集中管理装置15へと送信する。
【0047】
ここで、空調集中管理装置15では、汎用アダプタの識別アドレスおよびグループ番号を把握することで空調設備、その機種名、および接続に用いている汎用アダプタの対応づけについての情報をすでに有しており、上記のような対応づけの情報と、試運転ツール71から入力された検出部5,6の使用・未使用の情報とが総合される。その結果、空調集中管理装置15は、どの汎用アダプタがどの空調設備と対応しているのか、そして、その汎用アダプタの検出部5,6は使用されているのか未使用なのかという状態も認識することができるようになる。そして、これらの設置情報を認識した段階で空調集中管理装置15は、公衆回線90を介して遠隔管理センタ80内のサーバコンピュータ81と通信を行う。
【0048】
そして、これにより、図4に示す「接点1」等や「センサ1」等の空欄のうち使用しているセンサや接点の欄にそれぞれの機種の管理項目に応じたデータが入ることになる。
【0049】
また、この通信確立時には、遠隔管理センタ80は、選定された必要なデータを送信するほかに、未使用の検出部5,6から検出される情報を送信してこないように空調集中管理装置15に対して指令を行う。この指令には、未使用の検出部5,6の情報については空調集中管理装置15が遠隔管理センタ80に送信しなくなるように設定できるデータが含まれている。これにより、空調集中管理装置15は、使用している検出部5,6の情報についてのみ遠隔管理センタ80に送信し、未使用の検出部5,6の情報については遠隔管理センタ80に送信しなくなる。
【0050】
[遠隔管理センタ80内の情報処理作業]
遠隔管理センタ80内の情報処理作業は、次のような方法で行っている。
【0051】
例えば、遠隔管理センタ80は、設備機器の運転中に、設備機器に取り付けられた検出部5,6から検出される情報を取得する。そして、取得した情報がある閾値から乖離している場合には、その乖離度合いにより設備機器は異常が予知される状態にあるとまたは異常状態にあると診断し、遠隔管理センタ80で管理を行っている人に警報ブザーの音などで知らせている。また、より詳細に設備機器の異常診断を行うため、さらに次のような方法が取られている。
【0052】
例えば、遠隔管理センタ80が得た全情報のうち、はじめに診断する一部の情報を定めておく。さらに、この一部の情報をはじめに診断する項目と、その項目を診断する際の所定の条件とについて定めておく。そして、この一部の情報がはじめに診断する項目の所定の条件を満たす場合に、他に診断する項目ついての正常・異常を判断するようにしている。より具体的には、検出部5,6から検出された全情報のうちの一部の情報が設備機器の設置環境の気温条件と設備機器各部の温度条件とを同時に満たした場合に、設備機器の部品の動作状態について正常・異常を判断するなどといった方法が取られる。
【0053】
この方法によって、特定の検出部5,6から検出された情報を判断する際に、その情報が周囲の環境から受ける影響を一定にして判断を行うことができている。なお、検出部5,6から検出された全情報のうちのはじめに診断する一部の情報と、はじめに診断する項目や所定の条件は、遠隔管理センタ80において予め定めておくことができる。
【0054】
[機種別アダプタ標準接続データよりも管理項目を少なく設定する場合]
機種別アダプタ標準接続データ記憶部81aから読み出された機種別アダプタ標準接続データは、対象の機種の標準接続状態での汎用アダプタの数量情報と、単数又は複数の汎用アダプタのセンサ5や接点6についての接続先の情報とを含んでいる。そして、センサ5や接点6が標準仕様で接続される場合には、この機種別アダプタ標準接続データに基づいた情報処理を行うための各管理項目(以下、マニュアル管理項目という。)にしたがって、遠隔管理センタ80がセンサ5や接点6から得られる情報を管理する。
【0055】
しかし、同じ種類の空調設備の機種を管理する場合であっても、設置場所における用途等によってはその機種のマニュアル管理項目よりも管理項目を少なく設定したい場合がある。ここで、この管理項目をマニュアル管理項目よりも少なくしたところに相当するセンサ5や接点6については、未使用状態のセンサ5や接点6であることになる。このような場合にも、試運転ツール71を用いて、その機種名およびセンサ5や接点6の使用・未使用状態の情報を空調集中管理装置15に入力し、上述と同じような動作を行うことになる。
【0056】
そして、空調集中管理装置15とサーバコンピュータ81との通信確立時に、遠隔管理センタ80は、未使用状態のセンサ5や接点6から検出される情報を送信してこないように空調集中管理装置15に対して指令を行う。これにより、この未使用状態のセンサ5や接点6から検出される情報は遠隔管理センタ80に送信されないので、このような未使用状態のセンサ5や接点6から検出される不要な情報は遠隔管理センタ80内の情報処理作業には全く関わらないことになる。したがって、上述の遠隔管理センタ80内の情報処理作業において、未使用状態のセンサ5や接点6が検出した情報に反応してしまうことにより異常状態にある等と誤って診断されてしまう等の不都合が生じることがない。
【0057】
一方、マニュアル管理項目とセンサ5や接点6の設置状態が一致する部分は、マニュアル管理項目における標準接続状態で検出することになっている部分である。したがって、空調集中管理装置15は、マニュアル管理項目とセンサ5や接点6の設置状態や管理項目が一致する部分について、マニュアル管理項目に対応した情報を遠隔管理センタ80に送信することができる。
【0058】
このようにマニュアルにしたがった設定を行っている部分についても、試運転ツール71を用いて、その機種名およびセンサ5や接点6の使用・未使用状態の情報を入力する。そして、空調集中管理装置15とサーバコンピュータ81との通信確立時に、機種別アダプタ標準接続データが空調集中管理装置15に取り込まれる。これにより、図4に示す「接点1」等や「センサ1」等の空欄のうち、マニュアル管理項目における標準接続状態と同じように使用しているセンサ5や接点6の欄にそれぞれデータが入れられることになる。
【0059】
以上のように、マニュアル管理項目よりも管理項目を少なくしている場合でも、試運転ツール71を用いて、その機種名およびセンサ5や接点6の使用・未使用状態の情報を入力することで、遠隔管理センタ80は、機種別アダプタ標準接続データに基づく管理を行うことができる。
【0060】
<本システムおよび空調集中管理装置15の特徴>
(1)
本システムにおいては、空調集中管理装置15で採用されているプロトコルを採用していない空調設備を管理する場合であっても、汎用アダプタを介挿することによってその空調設備を空調集中管理装置15で管理することができる。また、センサ5や接点6で検出された情報の中に遠隔管理センタ80で管理する必要がない情報が含まれてしまう場合には、試運転ツール71で未使用状態のセンサ5や接点6の情報を入力することにより、空調集中管理装置15は、その後は自動的に遠隔管理センタ80で管理する必要がある情報だけを遠隔管理センタ80に送信することができるようになる。このため、未使用状態のセンサ5や接点6から検出されてしまう不必要な情報は、遠隔管理センタ80に送信されなくなり、これにより遠隔管理センタ80側においては未使用状態のセンサ5や接点6で検出された情報を受信しなくてすむので、遠隔管理センタ80で行う情報処理の量を低減させることができる。また、このような不必要な情報による管理作業の混乱を生じにくくすることができ、管理精度を向上させることができるようになる。
【0061】
(2)
本システムにおいては、管理対象の空調設備の機種名およびセンサ5や接点6の使用・未使用状態についての情報の空調集中管理装置15への入力は試運転ツール71を用いて行うことができるため、管理対象の機種名に対応したマニュアル管理項目に基づいた管理やマニュアル管理項目を少なくした場合であっても、各設置状況に応じた空調設備の情報管理を容易に行うことができるようになっている。
【0062】
(3)
従来の設備管理装置115は、図6に示すように、汎用アダプタ135等から入手した情報を全て遠隔管理センタ180に送信し、この汎用アダプタ135等から入手した情報には、未使用状態のセンサ5や接点6から検出された情報が含まれている。この未使用状態のセンサ5や接点6から検出された情報は遠隔管理センタ180での管理に不必要な情報であり、この不必要な情報をも通信してしまうので、設備管理装置115と遠隔管理センタ180との間に情報通信の無駄が生じている。このように無駄な情報通信を行っていると、管理に必要な情報の通信に悪影響を及ぼす恐れがある。この悪影響としては、例えば、公衆回線90等が混み合っているときに、設備管理装置115から送られた情報が遠隔管理センタ180に到着するのに要する時間に遅延を生じ、リアルタイムな管理を行うことが困難になる恐れがある等の悪影響が考えられる。
【0063】
これに対し、本実施形態のシステムにおける空調集中管理装置15は、未使用状態のセンサ5や接点6から検出された情報は遠隔管理センタ80に送信しない。このため、情報通信の無駄を低減することができるようになる。また、今後、さらに細かな空調設備の情報を得ようとして管理項目を増加していく場合には、この無駄な情報通信量の削減はさらに有効な処理となることが考えられ、無駄な情報通信量の削減を行わない場合と比べてよりスムーズに遠隔管理センタ80に到着させることができる。
【0064】
<変形例>
(A)
上記実施形態では、汎用アダプタの使用は空調設備の管理を目的としているが、空調設備の各種データの分析を行うなどの監視を目的に使用することも考えられる。
【0065】
(B)
上記実施形態では、対象となる空調設備としてビル用のマルチタイプの空調設備を想定して説明を行っているが、空調集中管理装置15に接続可能な空調設備としては、セントラル空調設備などの他の空調設備も挙げられる。また、例えば、セントラル空調設備にも、チラー、ターボ冷凍機、吸収式冷凍機などの熱源機器の違いや二次側空調機器の違いによって、様々な種類の設備が存在する。このように、対象となる空調設備としては、様々な種類が存在しており、これにメーカーの違いを加味するため、サーバコンピュータ81内の機種別アダプタ標準接続データ記憶部81aはローカル空調システムの空調集中管理装置15では保持できないくらいの大きなデータを保有している。
【0066】
(C)
上記実施形態では、空調集中管理装置15は、未使用様態のセンサ5や接点6から検出される情報を送信しないように遠隔管理センタ80から指令を受けている。この指令には、未使用状態のセンサ5や接点6の情報については空調集中管理装置15が遠隔管理センタ80に送信しなくなるように設定できるデータが含まれている。そして、空調集中管理装置15は、この指令に基づいて、汎用アダプタから入手する情報を遠隔管理センタ80に送信するか否か判断している。
【0067】
しかし、空調集中管理装置は、遠隔管理センタ80に送信するか否かの判断についての情報を遠隔管理センタ80から受信するのではなく、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)光磁気ディスク(MO)などの記録媒体に読み書きするドライブを使ってバージョンアップを行ったり、空調集中管理装置15(あるいは空調集中管理装置15に仮接続される試運転ツール71)で手入力することにより備えるようにしたりすることもできる。
【0068】
<他の実施の形態>
[機種別アダプタ標準接続データにおいて未使用であった箇所を特殊管理に用いる場合および機種別アダプタ標準接続データにおいて使用されている箇所を特殊管理に用いる場合]
上記実施形態では、未使用状態のセンサ5や接点6についての情報が遠隔管理センタ80に送信されないようにして通信情報量の低減を行っている。
【0069】
しかし、これに代えて、図5に示すように、未使用状態のセンサ5や接点6のように余ったセンサ5や接点6を新たな管理対象に対して用いることによって、汎用アダプタの未使用状態のセンサ5や接点6をオプションとして利用して空調設備以外の管理対象34,34’,44を特別に管理(特殊管理)するようにすることもできる。これにより、各ビル10等のローカル空調システムにおける個別の事情などに応じた特殊管理をオプションとして行うことが可能となる。
【0070】
ここで、特殊管理により検出されたデータをマニュアル管理項目の一つに含めたまま取り上げてしまうと、マニュアル管理項目の管理基準の対象とは異なるために、管理上不具合が生じてしまうことになる。例えば、特殊管理の対象として冷凍庫の温度の管理(例えば、5℃以上8℃未満に保つ)を行う場合には、マニュアル管理項目の1つとしての空調設備における室内の気温の判断基準(例えば、24℃以上26℃未満に保つ)とかみ合わないという事態が生ずることとなる。
【0071】
そのため、このような特殊管理を行う場合には、各ビル10等のローカル空調システムにおいて特殊に施工する等した管理対象の設置情報等を調べて、特殊管理に用いられているセンサ5や接点6の設置情報を確認して、試運転ツール71を用いて空調集中管理装置15に入力する。そして、空調集中管理装置15が遠隔管理センタ80と通信を行うことによって、上記実施形態と同様にして、特殊管理項目の対象をマニュアル管理項目の対象からはずすことができるようになる。また、これにより、空調集中管理装置15の持つ図4に示すようなデータのうち、特殊に施工等した管理対象の項目の部分だけを修正することができる。このようにして、特殊管理34,34’,44として管理する対象に加えることができる。
(図5参照。)
なお、この特殊管理の項目についてデータを取るというだけでなく機種別アダプタ標準接続データのようなデータとして管理を行うための基準値を設ける等することによって、遠隔管理センタ80が、特殊管理対象のより具体的な管理を行うことができるようにしてもよい。この場合、特殊管理の管理を行うための基準値などは、特殊管理について管理する項目の性質に基づいて定めることになる。
【0072】
以上のように、未使用状態のセンサ5や接点6を特殊管理の対象に用いることにより、余ったセンサ5や接点6を有効に使用することができるようになる。
【0073】
なお、未使用状態のセンサ5を特殊管理に用いる場合としては、例えば、コンピュータ室の温度の調整・管理などが挙げられる。コンピュータ室の温度調整はコンピュータ室に常に人を居させて設定温度を変更させる等しなければ行えないが、余ったセンサ5をこのような特殊管理に用いることで、コンピュータ室の温度調整を行うことが可能となる。また、一定条件で植物の成長を監視する等のような日照量の計算を行う場合については、余ったセンサ5をこのような場所の明るさの検出などに用いることもできる。
【0074】
また、未使用状態の接点6を特殊管理に用いる場合としては、例えば、冷蔵庫の運転/停止の状態を接点6から読み取ることで、運転時間を算出し、消費電力を概算する等の用途として用いることができる。
【0075】
【発明の効果】
請求項1に係る情報管理システムでは、非基本管理対象を基本管理対象と同様に管理する場合に、遠隔管理装置において管理する必要のないデータの送信を止めることで通信量が低減されるため、通信負荷を低減させることが可能になる。
【0076】
請求項2に係る情報管理システムでは、データ取得手段の数が所定数に固定された汎用的なアダプタを複数用いることで、管理項目の多い非基本管理対象であっても、得られるデータが同じ非基本管理対象から得られるデータとしてまとめて管理を行うことが可能になる。このため、管理項目数の異なる非基本管理対象それぞれに対応する個数のデータ取得手段が設けられているような専用のアダプタを製造する必要がなく、コストを抑えることが可能になる。
【0077】
請求項3に係る情報管理システムでは、設定変更部が所定のデータ取得手段について判断部による判断対象から外すことで、所定のデータ取得手段を他のデータの管理に流用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る空調設備管理システムのブロック構成図。
【図2】 ローカル空調システムに試運転ツールを接続した状態を示す図。
【図3】 空調室外機を空調集中管理装置に接続する2つの汎用アダプタの構成図。
【図4】 機種名の入力前における空調集中管理装置内の設備管理データの内容を示す図。
【図5】 他の実施の形態における情報管理システムのブロック構成図。
【図6】 従来の空調設備管理システムのブロック構成図。
【符号の説明】
5,5a,5b,5c,5d センサ(データ取得手段)
6,6a,6b 接点(データ取得手段)
5a,5b,6a 使用されていないデータ取得手段
5c,5d,6b 使用されているデータ取得手段
8 グルーピング用ディップスイッチ(スイッチ)
15 空調集中管理装置(送信部)
23 空調設備(基本管理対象)
33,43,53 空気設備(非基本管理対象、所定の設備機器)
34,34’,44 管理対象
35,36,37,45,55,56 汎用アダプタ(アダプタ)
63 識別処理
64 識別手段
71 試運転ツール(設定変更部)
80 遠隔管理センタ
81 サーバコンピュータ(遠隔管理装置、判断部)
81a (データ対応条件記憶部)
90 通信回線(公衆回線)
Claims (3)
- 基本プロトコルによって管理される管理対象(23、33、43、53)から得られるデータを遠隔管理装置(81)によって管理する情報管理システムであって、
前記基本プロトコルが用いられている前記管理対象である基本管理対象(23)と、
前記基本プロトコルとは異なるプロトコルである非基本プロトコルが用いられている前記管理対象である非基本管理対象(33、43、53)と、
前記非基本管理対象(33、43、53)に関するデータを取得するデータ取得手段(5、5a、5b、5c、5d、6、6a、6b)を複数有し、前記データ取得手段が非基本管理対象から取得したデータを前記基本プロトコルのデータに変換する機能を有しているアダプタ(35、36、37、45、55、56)と、
前記非基本管理対象(33、43、53)に関して取得されるデータの項目に応じてデータ対応条件が格納されているデータ対応条件記憶部(81a)と、
前記非基本管理対象(33、43、53)に関して取得されたデータであって前記基本プロトコルに変換されたデータを取得し、前記取得されたデータが対応する前記データ対応条件を満たしているか否かによって前記データを取得している前記データ取得手段(5、5a、5b、5c、5d、6、6a、6b)が使用されているか否かを判断する判断部(81)と、
前記判断部(81)によって使用されていないと判断された前記データ取得手段(5a、5b、6a)が取得するデータは前記遠隔管理装置(81)に送信せず、前記判断部(81)によって使用されていると判断された前記データ取得手段(5、6)が取得するデータおよび前記基本管理対象(23)に関して取得されるデータを前記遠隔管理装置(81)に送信する送信部(15)と、
を備えた情報管理システム。 - 前記アダプタ(35、36、37、45、55、56)は、前記データ取得手段(5、5a、5b、5c、5d、6、6a、6b)を所定数有しており、自己が取得する前記非基本管理対象(33、43、53)に関するデータに対して対応付ける所定の識別データを設定するためのスイッチ(8)を有しており、
前記送信部(15)は、前記非基本管理対象(33、43、53)に関するデータと、前記対応付けられた所定の識別データと、を関連付けて前記遠隔管理装置(80)に送信する、
請求項1に記載の情報管理システム。 - 所定のデータ取得手段(5a、5b、6a)について、前記判断部(81)による判断対象から外れるように設定変更する設定変更部(71)をさらに備え、
前記送信部(15)は、前記所定のデータ取得手段(5a、5b、6a)が取得するデータを前記遠隔管理装置(81)に送信する、
請求項1または2に記載の情報管理システム。
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