JP3858756B2 - 車載機器制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載機器制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両のインストルメントパネルには、エアコンやオーディオ等の車載機器を操作するための複数のスイッチ類からなる操作部や、これら車載機器の動作状態を表示するための表示部が配置されている。近年では、ナビゲーション装置やACC(Adaptive Cruise Control)等に代表されるITS技術による車載機器の登場により車載機器の数が増加すると共に、車載機器の高機能化に伴って車載機器を操作するスイッチ類の数も増加する傾向にある。従って、インストルメントパネルの限られたスペースに、各車載機器の操作部や表示部をユーザが利用しやすく配置するための様々な工夫が検討されている。
【0003】
例えば、図6(a)に示すような車載機器制御装置が提案されている。車載機器制御装置であるパネルECU3は、操作パネル1、ディスプレイ2を有しており、さらに各車載機器のECU4、5、6と多重信号線7によって接続されている。操作パネル1は、ユーザが所望の車載機器の操作を行う操作部であり、ファンクションキー群11、ダイヤル12、及び8方向スイッチ13等から構成されている。ファンクションキー群11は、主にナビゲーション、エアコンやオーディオなどの各車載機器の操作メニュー画面を呼び出すために用いられる。例えば、ユーザがエアコンの吹き出しモードを変更したい場合には、エアコンの操作メニュー表示に相当するファンクションキー11を選択する。すると、図6(b)に示すような、複数の項目からなるエアコンの操作メニューがディスプレイ2に表示される。ユーザは、8方向スイッチ13を操作することで、表示された操作メニュー内の項目を切り替え、また、所望の項目を選択することで、吹き出しモードの変更を行うことができる。この他、ナビゲーションやオーディオについても、ユーザは操作メニュー表示に相当するファンクションキー11を押すことで、各々の車載機器の操作メニューが表示され、また8方向スイッチ13を操作することによって、所望の項目を選択し実行することができる。
【0004】
このように、従来の車載機器制御装置は、各車載機器の操作メニューをディスプレイ2に表示させ、また各車載機器の共通の操作部である8方向スイッチ13を採用することで、操作部や表示部等の数を減らしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の車載機器制御装置において、ディスプレイ2に表示される操作メニューには、図6(b)に示すように、1つの画面に多数の項目が表示されている。これに加えて、車載機器毎に同図のような多数の項目が表示されることになるため、ユーザは、所望の項目を素早く見つけることが難しいという問題があった。その結果、所望の車載機器を操作するまでに、ユーザは多くの操作時間を費やしていた。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点を鑑みてなされたもので、ユーザが所望の操作項目を容易に探すことができる車載機器制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車載機器制御装置は、車載機器の複数の操作項目を表示する表示部と、表示部に表示された複数の操作項目の中から、所望の操作項目を選択する操作項目選択手段と、操作項目選択手段によって選択された操作項目に対応した動作を車載機器に行わせる制御手段とを備え、表示部には、操作項目が変更される変更領域と、各車載機器を操作するための操作項目が固定される固定領域とが設けられ、操作項目の使用条件に応じて、表示部の変更領域に表示される操作項目を変更する変更手段を備えることを特徴とする。
【0008】
このように、本発明の車載機器制御装置の表示部には、表示される操作項目がその使用条件によって変更される変更領域と、各車載機器を操作するための操作項目が常に固定される固定領域とが設けられている。つまり、本発明では、例えば選択頻度等の操作項目の使用条件に応じて、表示される操作項目を変更する。従って、各ユーザの使用状況にマッチした操作項目を表示することができるため、ユーザは、目的とする操作項目を容易に探すことができる。
【0009】
但し、全ての操作項目の表示を変更してしまうと、常に操作項目の表示位置が変化してしまうため、ユーザの操作負荷が却って増加する場合がある。そのため、本発明では、表示部に固定領域を設け、例えば最も操作頻度の高いと想定される操作項目を固定領域に表示しておく。これにより、ユーザの操作性の一層の向上を図ることができる。
【0010】
請求項2に記載の車載機器制御装置によれば、変更手段は、操作項目の使用条件として、表示部の変更領域に表示される操作項目の選択頻度に応じて、操作項目を並び替えることを特徴とする。通常、車載機器の複数の操作項目のうち、ユーザの選択する操作項目の種類には偏りがあると考えられる。従って、例えば、選択頻度の高い操作項目のみを変更領域に表示させることで、表示される操作項目の数を減らすことができ、ユーザは頻繁に選択する操作項目を容易に選択することができる。
【0011】
請求項3に記載の車載機器制御装置においては、操作項目が、選択頻度の高い順に変更領域に表示されることを特徴とする。これにより、ユーザによって頻繁に選択される操作項目が、その選択頻度の高い順序に従って表示部に表示されるため、ユーザは所望の操作項目を容易に探すことが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の車載機器制御装置のように、選択頻度の高い操作項目は、メインページの変更領域に表示され、選択頻度の低い操作項目は、変更領域の表示がページ送りされたときに表示されると良い。これにより、多くの機能を有するために、表示部に表示させる操作項目が多くなる場合でも、ユーザによる選択頻度の高い操作項目のみをメインページに表示させることができる。そして、選択頻度の低い操作項目は、ユーザが選択を希望するときにのみ表示させることができる。このため、メインページに多くの操作項目を表示することが無くなり、1ページに表示する操作項目の数を低減することができる。その結果、1つの項目の文字大きさを大きくでき、また選択数をへらすことができ、ユーザは容易に所望の操作項目を探すことが可能となる。
【0013】
請求項5に記載の車載機器制御装置では、変更手段が、操作項目の使用条件として、曜日、季節、時間帯、車室内外の温度、車両の乗員の状態の少なくとも1つに基づいて、操作項目を並び替えることを特徴とする。例えば、エアコンの操作では、梅雨の時期において車室内のウィンドウが曇ることが多いため、ユーザは、内外気切換モードを外気導入モードに変更する操作項目や吹き出し口を「DEF」に切り換える操作項目を選択することが多くなる。このように、季節によって頻繁に選択される操作項目は変化するので、季節毎に変更領域に表示される操作項目を切り換えると、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0014】
また、例えば、通勤時間帯にタバコを吸いながら運転するユーザにおいては、その時間帯にエアピュリファイヤを使用することが多くなる。さらに、炎天下において車室内が高温になっている場合には、単に送風を行うだけではなく、ユーザはエアコンを作動させることが多い。すなわち、車室内外の温度によっても選択される操作項目の傾向は変化する。
【0015】
この他、乗員(ユーザ)は長時間の運転により疲労が蓄積すると眠くなることがあるが、このような状況では、乗員はエアコンの温度設定を低くする操作をすることが多くなる。従って、乗員の状態によってもユーザの操作項目の選択の傾向が変化する。その他、平日は通勤にナビゲーションを使うことはないが、休日にはナビゲーションをよく使うことがある。
【0016】
このように、曜日、季節、時間帯、車室内外の温度、車両の乗員の状態等の使用条件に応じて表示する操作項目を変更することで、状況に応じて的確な操作項目を表示させることが可能となり、ユーザは所望の操作項目を容易に選択することができる。なお、使用条件毎に、ユーザが予め優先して表示する操作項目を設定しておき、この設定に応じて操作項目を並び替えて表示しても良い。
【0017】
さらに、上述のように、曜日、季節、時間帯、車室内外の温度、車両の乗員の状態等の使用条件に基づき、表示する操作項目を変更する場合、その使用条件が変化する毎に操作項目の選択頻度の集計を行い、その選択頻度に応じて操作項目を並び替えてもよい。例えば、季節によってユーザの操作項目の選択頻度の傾向が変化すると想定できるため、季節毎(例えば1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月等)に各操作項目の選択回数をカウントし、各々の操作項目の選択頻度に基づいて操作項目を表示しても良い。
【0018】
また、時間帯や車室内外の温度等によってユーザの操作項目の選択頻度の傾向が変化すると想定できるため、時間帯毎(例えば0〜6時、6〜9時、9〜17時、17〜21時、21〜24時等)や車室内の温度毎(例えば0度未満、0〜10度、11〜20度、21〜30度、30度以上等)に各操作項目の選択回数をカウントし、各々の操作項目の選択頻度に基づいて操作項目を表示しても良い。
【0019】
この他、乗員の覚醒度の低下時(例えば、乗員の単位時間当りの瞬き回数や目の動きから乗員の覚醒度を把握する)に各操作項目の選択回数をカウントし、各々の操作項目の選択頻度に基づいて操作項目を表示しても良い。
【0020】
請求項6に記載の車載機器制御装置は、変更手段が操作項目の表示を変更した場合、再度の表示の変更を一定の条件の下に禁止する禁止手段を備えることを特徴とする。例えば、変更領域に表示される操作項目をユーザの選択頻度に基づいて変更する場合、この選択頻度の極僅かな差によって操作項目を変更させると、操作項目は頻繁に変更されるため、ユーザが所望の操作項目を選択する際に混乱する恐れがある。従って、その表示変更に係わる一定の条件を設け、この条件に基づいて再度の表示を制限することで、ユーザによる操作項目を探す際の混乱を少なくすることができる。
【0021】
なお、請求項7に記載の車載機器制御装置のように、禁止手段は、所定時間が経過することと、選択頻度の差が所定値以上となることの少なくとも一方が満足された場合に、一定の条件が成立したと判断して表示の変更の禁止を解除すると良い。これにより、変更領域に表示される操作項目が頻繁に変更することがなくなり、ユーザによる操作項目を探す際の混乱を少なくすることができる。
【0022】
請求項8に記載の車載機器制御装置は、固定領域に表示される操作項目を任意に設定するための設定選択手段を有することを特徴とする。これにより、ユーザは固定領域に表示する操作項目を任意に設定することが可能なり、その結果、所望の操作を容易に行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における車載機器制御装置に関して、図面に基づいて説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係わる車載機器制御装置と複数の車載機器との接続関係を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の車載機器制御装置は、パネルECU3(制御手段及び変更手段)、及びパネルECU3に接続された操作パネル1(操作項目選択手段)、ディスプレイ2(表示部)から構成されている。パネルECU3は、車載機器を制御する各ECU4、5、6と多重信号線7を介して接続されている。
【0025】
操作パネル1は、図1に示すように、本実施形態ではプッシュスイッチ(SW1、SW2、SW3)により構成されるファンクションキー群11、ダイヤル12、及び8方向スイッチ13によって構成されている。ファンクションキー群11の各々のプッシュスイッチは、ナビゲーション、エアコン、オーディオの各操作メニュー画面を呼び出すためのスイッチとしてそれぞれ割り当てられている。例えば、SW2を押すことで、エアコンの操作メニューがディスプレイ2に表示される。
【0026】
ダイヤル12は、オーディオの音量調節やナビゲーションの道路地図の縮尺変更等に用いられるものである。また、8方向スイッチ13は、ディスプレイ2に表示される操作メニュー内の操作項目の選択に用いられる。この8方向スイッチ13は、上下及び左右方向に設けられたスイッチを押すことで、表示される操作メニュー内の操作項目を切り換えることが可能であり、また、中央部を押すことで所望の操作項目を決定することができる。なお、操作パネル1の8方向スイッチ13については、これに限らず、ジョイスティックやトラックボール等、さらには、ディスプレイ2にタッチパネルが装備された操作部であっても良い。
【0027】
ディスプレイ2は、液晶ディスプレイによって構成されている。このディスプレイ2は、各車載機器の操作メニューを表示したり、各車載機器の作動状況を表示したりするが、これらの表示は、前述の通りパネルECU3からの表示指示信号によって全て決定される。なお、液晶ディスプレイに限らず、自発光型ディスプレイ(EL、VFD等)を採用しても良い。
【0028】
多重信号線7は、例えば、車内LAN(Local Area Network)に用いられる信号伝送のための配線である。この多重信号線7は、図1に示すように、各ECU4、5、6とパネルECU3との接続に用いられている。
【0029】
このように、本実施形態の車載機器制御装置は、ディスプレイ2に表示される操作メニュー内の操作項目を、操作パネル1により選択し実行するという、一般的な画面操作系の構成が採用されている。
【0030】
パネルECU3は、前述のように、各車載機器のECU4、5、6と多重信号線7によって接続されており、この多重信号線7を介して信号の送受信を行う。例えば、図1に示すように、ユーザが所望の操作項目を操作パネル1によって選択すると、この操作パネル1からパネルECU3へ操作項目の属性に対応する操作信号が伝達される。パネルECU3は、伝達された操作信号に対応する制御信号を各ECU4、5、6に送信し、各ECU4、5、6は、受信した制御信号に応じて各車載機器を動作させる。また、各ECU4、5、6は、各車載機器の動作状態信号をパネルECU3へ送信し、パネルECU3は、受信した動作状態信号に対応する各車載機器の作動状況表示をさせるため、この動作状態信号に対応する表示指示信号をディスプレイ2へ送信する。
【0031】
次に、本発明の特徴である、ユーザの使用条件に応じて操作項目が変更される変更領域と、操作項目が固定される固定領域とが設けられるディスプレイ2について、図2(a)、(b)の操作メニューの表示イメージ図、及び図3のフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0032】
図2(a)は、エアコンの操作メニューの表示イメージ図である。同図に示すように、本実施形態のディスプレイ2は、操作表示エリア20と状態表示エリア21とに分割されている。このうち、操作表示エリア20には、エアコンを操作するための操作項目が表示される。また、状態表示エリア21には、エアコンの作動状況が表示される。この状態表示エリア21に表示される作動状況については、上述のように、エアコンECU5から送信される動作状態信号をパネルECU3が受信し、この動作状態信号に対応する作動状況の表示指示信号をパネルECU3からディスプレイ2が受信して表示される。
【0033】
操作表示エリア20は、所定個数(同図では2つ)の操作項目が固定される固定領域20aと、ユーザの使用条件に応じて操作項目が変更される変更領域20bとによって構成されている。固定領域20aに表示される操作項目は、例えば、ユーザが最も選択することが多いと想定される所定個数の操作項目を表示する。図2(a)の例では、エアコンにおいて最もユーザが選択すると想定される温度設定(温度UP、温度DOWN)を表示しているが、この固定領域20aに表示される操作項目をユーザが任意に設定できるようにしても良い。その設定については、8方向スイッチ13をユーザが操作することで可能とすると良い。
【0034】
一方、変更領域20bには、固定領域20aに表示された操作項目を除く操作項目のうち、例えば、ユーザの操作項目を選択する頻度に応じて、選択頻度の高い操作項目が所定個数表示される(メインページ)。また、選択頻度の少ない操作項目は、変更領域20bの下部のページ送りのシンボル22をユーザが選択することで表示される(ページ送り)。ここで、このユーザの操作項目を選択する頻度に応じて表示させる操作項目を変更する処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、これから説明する処理は、パネルECU3において実行される。
【0035】
はじめに、図3のステップS1において、ディスプレイ2の変更領域20bに表示されている操作項目(シンボル22を選択することで表示される操作項目も含まれる)がユーザによって選択されたか否かの判断を行う。ここで、ユーザが操作項目を選択していない場合には、ユーザが操作項目を選択するまで待機状態となる。
【0036】
次に、ユーザが操作項目を選択した場合には、ステップS2において、選択した操作項目の選択回数をカウントし、操作項目毎にその選択回数を記憶する。また、このとき、その選択回数を参照して車載機器毎に選択回数の多い順(選択頻度の高い順)に操作項目の順位付けを行う。続いてステップS3では、ステップS2の操作項目の順位付けにより、その操作項目の順位が、以前の順位と変更があったか否かを判断する。もし、順位に変更が無い場合には、ステップS1に処理が移行し、再度ステップS1からの処理が繰り返される。また、順位に変更があった場合には、ステップS4において、ディスプレイ2の変更領域20bに表示可能な所定個数の操作項目を、その順位の上位から参照して、ディスプレイ2に表示させる。
【0037】
図2(b)は、図2(a)のエアコンの操作項目が、順位の変更に伴って変更された例である。図2(a)では、変更領域20bには「A/C」、「風量(UP)」、及び「風量(DOWN)」の3つの操作項目が表示されているのに対して、ユーザの操作項目の選択回数による順位変更により、「風量(UP)」、「風量(DOWN)」、及び「MODE」が表示されている。なお、図2(a)、(b)はともに、操作項目の順位の上位3つの操作項目が、変更領域20bの上部から下部へと配置されている。また、ページ送りのシンボル22をユーザが選択した場合には、上記3つの操作項目以外の操作項目が表示されるが、このとき、やはり操作項目の順位に応じて、選択頻度の高い上位の操作項目が変更領域20b内の上部から表示される。
【0038】
このように、本発明の車載機器制御装置は、ユーザの操作項目の選択頻度に応じて、ディスプレイ2に表示する操作項目を変更している。また、選択頻度に基づいて選択頻度の高い順に操作項目を順位付けし、この選択頻度の高い操作項目を優先して表示するようにしている。さらに、選択頻度に応じて表示される操作項目が変更しない固定領域20aをディスプレイ2に設け、この領域に表示される操作項目は、ユーザの最も選択する頻度が高い操作項目を表示させる。これにより、ユーザは、固定領域に表示されている操作項目を始めに参照することで、最も頻繁に選択する操作項目を容易に探すことができる。
【0039】
さらに、ユーザが頻繁に選択する操作項目のみがメインページに表示させ、選択頻度の低い操作項目は、ユーザがシンボル22を選択するときにのみ表示させている。これにより、メインページに多くの操作項目を表示することが無くなり、ユーザは容易に所望の操作項目を探すことが可能となる。
【0040】
また、本実施形態では、車載機器としてナビゲーション、エアコン、オーディオを例に説明したが、これに限定するものではなく、例えばTV、Video等のAV機器や、電話や電子メール等のIT機器等、どのような車載機器であっても適用できる。さらに、選択回数が外部から書き換え可能に構成すると、車両を乗り換えた場合に、選択回数を引き継ぐことが可能となり、車両を乗り換える度に表示される操作項目が変わることがなくなる。
【0041】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
【0042】
第2の実施形態において第1の実施形態と異なる点は、ユーザの使用条件として、曜日、季節、時間帯、車室内外の温度、車両の乗員の状態の少なくとも1つに基づいて、変更領域20bの操作項目を並び替える点にある。この使用条件に基づく処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、同図のステップS1〜S4処理については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0043】
まず、使用条件としては、曜日、季節、時間帯、車室内外の温度、車両の乗員の状態が挙げられる。例えば、エアコンの操作では、梅雨の時期において車室内のウィンドウが曇ることが多いため、ユーザは、内外気切換モードを外気導入モードに変更する操作項目や吹き出し口を「DEF」に切り換える操作項目を選択することが多くなる。すなわち、季節によって選択される操作項目の傾向は変化する。
【0044】
また、例えば、通勤時間帯にタバコを吸いながら運転するユーザにおいては、その時間帯にエアピュリファイヤを使用することが多くなる。さらに、炎天下において車室内が高温になっている場合には、単に送風を行うだけではなく、ユーザはエアコンを作動させることが多い。すなわち、時間帯や車室内外の温度によっても選択される操作項目の傾向は変化する。
【0045】
この他、乗員(ユーザ)は長時間の運転により疲労が蓄積すると眠くなることがあるが、このような状況では、乗員はエアコンの温度設定を低くする操作をすることが多くなる。従って、乗員の状態によってもユーザの操作項目の選択の傾向が変化する。その他、平日には通勤にナビゲーションを使うことはないが、休日にはナビゲーションをよく使うことがある。
【0046】
このように、ユーザの使用条件によって頻繁に選択される操作項目は変化するため、予め上記のような使用条件時に表示させる操作項目を予め設定しておき、この使用条件を満足する場合には使用条件に応じた操作操作項目を表示する。具体的には、図4のステップS10において、使用条件が変化したか否かを判断する。そして、使用条件が変化した場合には、ステップS20において、使用条件に応じた操作項目を変更領域20bに並び替えて表示する。なお、ステップS10において、使用条件が変化しないと判断した場合には、ステップS1に処理が移行する。
【0047】
これにより、ユーザは所望の操作項目を容易に選択することができるようになり、その結果、ユーザの利便性の向上を図ることが可能となる。なお、使用条件毎に、ユーザが予め優先して表示する操作項目を設定しておき、この設定に応じて操作項目を並び替えて表示しても良い。
【0048】
なお、図4のフローチャートによれば、ステップS20で表示された操作項目に対して、ステップS1〜S3によって各操作項目の選択頻度がカウントされる。従って、操作を重ねることによって、その表示順位はユーザの操作実績に応じて変更され、そのユーザの嗜好に合うようにカスタマイズされる。また、使用条件が変化したか否かを判断する場合、季節を例えば1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月等のように区分けして、その区分けした季節が変化したときに使用条件が変化したと判断すれば良い。
【0049】
また、同様に、時間帯を例えば0〜6時、6〜9時、9〜17時、17〜21時、21〜24時等のように区分けしたり、車室内の温度を例えば0度未満、0〜10度、11〜20度、21〜30度、30度以上等のように区分けしたりして、その区分が変化したか否かにより、使用条件が変化したと判断しても良い。
【0050】
さらに、乗員の覚醒度を例えば、乗員の単位時間当りの瞬き回数や目の動き、又は車両の運転時間から乗員の覚醒度を把握し、その覚醒度を例えば高、中、低の3つのレベルに区分けし、そのレベルの変化があった場合に使用条件が変化したとして判断しても良い。
【0051】
その他、曜日を例えば月曜日から金曜日、土曜日から日曜日等のように区分けし、曜日の変化があった場合に使用条件が変化したとして判断しても良い。
【0052】
このように、各使用条件における選択頻度に基づいて操作項目の表示を変更することで、ユーザの状況に対して的確な操作項目を表示させることが可能となる。なお、上述した複数の使用条件を組み合わせて、表示すべき操作項目をよりきめ細かく設定しても良い。
【0053】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
【0054】
第3の実施形態において第1及び第2の実施形態と異なる点は、表示変更に一定の条件を設け、表示変更を制限する点で異なる。すなわち、ユーザの操作項目を選択する頻度に応じて表示する操作項目を変更する際に、選択頻度の順位が変わる度に操作項目を変更させると、その表示の変更が頻繁に行われ、ユーザが所望の操作項目を選択しにくくなることがある。そこで、その表示変更に対して一定の条件を設け、この条件に基づいて再度の表示変更を制限することで、ユーザが操作項目を探す際の混乱を招かないようにする。この再表示の制限処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、同図のステップS1、S2、S3、S4、S10、S20の処理については、上述と同様であるため説明を省略する。
【0055】
図5のフローチャートに示すステップS30では、再表示条件をクリアしているか否かの判断を行う。この再表示条件とは、時間や選択頻度に係わる条件であり、例えば、以前に表示変更を実行してからの経過時間が所定時間経過したとの条件や、各々の操作項目における選択頻度の差が所定値よりも大きいとの条件等である。この所定時間や選択頻度の差としての所定値は、予め設定されるものであり、さらにユーザが任意に設定できるものであっても良い。
【0056】
このステップS30において、経過時間に関する条件や選択頻度の差に関する条件をクリアしている場合には、ステップS4に処理が移行して操作項目の変更が行われる。一方、上記条件をクリアしていない場合には、ステップS10に処理が移行する。これにより、変更領域に表示される操作項目が頻繁に変更されることがなくなり、ユーザによる操作項目を探す際の混乱を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車載機器制御装置に係わる接続図である。
【図2】(a)、(b)は、本発明の車載機器制御装置のディスプレイ2の表示イメージ図である。
【図3】第1の実施形態に係わる車載機器制御装置のフローチャートである。
【図4】第2の実施形態に係わる車載機器制御装置のフローチャートである。
【図5】第3の実施形態に係わる車載機器制御装置のフローチャートである。
【図6】(a)は、従来技術の車載機器制御装置に係わる接続図であり、(b)は、従来技術の車載機器制御装置のディスプレイ2の表示イメージ図である。
【符号の説明】
1 操作パネル
2 ディスプレイ
3 パネルECU
4 ナビゲーションECU
5 エアコンECU
6 オーディオECU
7 多重信号線
Claims (8)
- 車載機器の複数の操作項目を表示する表示部と、
前記表示部に表示された複数の操作項目の中から、所望の操作項目を選択する操作項目選択手段と、
前記操作項目選択手段によって選択された操作項目に対応した動作を前記車載機器に行わせる制御手段とを備える車載機器制御装置であって、
前記表示部には、操作項目が変更される変更領域と、各車載機器を操作するための操作項目が固定される固定領域とが設けられ、
前記操作項目の使用条件に応じて、前記表示部の変更領域に表示される操作項目を変更する変更手段を備えることを特徴とする車載機器制御装置。 - 前記変更手段は、前記操作項目の使用条件として、前記表示部の変更領域に表示される操作項目の選択頻度に応じて、前記操作項目を並び替えることを特徴とする請求項1記載の車載機器制御装置。
- 前記操作項目は、前記選択頻度の高い順に前記変更領域に表示されることを特徴とする請求項2記載の車載機器制御装置。
- 前記選択頻度の高い操作項目は、メインページの前記変更領域に表示され、前記選択頻度の低い操作項目は、前記変更領域の表示がページ送りされたときに表示されることを特徴とする請求項2又は3記載の車載機器制御装置。
- 前記変更手段は、前記操作項目の使用条件として、曜日、季節、時間帯、車室内外の温度、車両の乗員の状態の少なくとも1つに基づいて、前記操作項目を並び替えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車載機器制御装置。
- 前記変更手段が前記操作項目の表示を変更した場合、再度の表示の変更を一定の条件の下に禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車載機器制御装置。
- 前記禁止手段は、所定時間が経過することと、前記選択頻度の差が所定値以上となることの少なくとも一方が満足された場合に、前記一定の条件が成立したと判断して前記表示の変更の禁止を解除することを特徴とする請求項6記載の車載機器制御装置。
- 前記固定領域に表示される操作項目を任意に設定するための設定選択手段を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車載機器制御装置。
Priority Applications (3)
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