JP3858685B2 - アルミニウム熱交換器の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム熱交換器の製造方法に関するもので、例えば、車両用空調装置の蒸発器のようにチューブ材料やフィン材料の薄肉化を図ったアルミニウム熱交換器の製造方法に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用空調装置においてはアルミニウム熱交換器の軽量化、小型化のためにチューブ材料やフィン材料の薄肉化が進んでおり、具体的には、チューブ材料の板厚は例えば、0.2mm程度、チューブ内に配置されるインナーフィン材料の板厚は0.05mm程度まで薄肉化されている。これに対し、チューブやフィンの組付状態を拘束するヘッダー部材(タンク部材)は強度部材としての役割を果たすので、その板厚は0.6mm程度であり、チューブやインナーフィンに比較してはるかに大きい。この板厚の差異から、部材の単位面積当たりのろう材保有量や熱容量が大きく異なるアルミニウム部材を組み合わせて熱交換器を構成せざるを得ない状況になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
アルミニウム熱交換器はチューブやフィン、更にはヘッダー部材等の複数のアルミニウム部材を所定の熱交換器構造に組み付け、その組付体を適宜の治具により保持してろう付け用の加熱炉内に搬送し、この加熱炉内にて組付体をアルミニウム部材のろう材の融点以上に加熱して、組付体全体を一体ろう付けしている。
【0004】
ところで、チューブの内面側にインナフィンを有する熱交換器では、チューブとインナフィンとによって微小な冷媒通路を形成して熱交換性能を高めている。チューブとインナフィンの接合部は、それらの少なくとも一方にクラッドされたろう材あるいは組付け前に塗布された粉末ろう材によって接合されることとなる。一方、ヘッダ部材(タンク部材)とチューブも同時にろう付けされ、それらの接合部は主としてヘッダ部材(タンク部材)が保有するろう材によって接合される。
【0005】
この接合がなされるとき、ヘッダ部材(タンク部材)の保有する余剰なろう材がチューブの内部へ侵入し、チューブとインナフィンの接合部へ補填されるとともに、さらには微小な冷媒通路を埋めるように進展する危険性が高いのである。冷媒通路がろうで塞がれると、熱交換性能に多大な悪影響を及ぼす。
【0006】
一方、前述のとおり、ヘッダ部材(タンク部材)の板厚とチューブ及びインナフィンの板厚差は顕著に異なるため、単位表面積当たりの両者の熱容量差が大きくなる。そのため、ろう付け加熱時においてはヘッダ部に比べてチューブ及びインナフィン部の昇温は速い。従って、チューブまたはインナフィン部のろう材が先に溶融し、ヘッダ部材のろう材が後から溶融する。
【0007】
このとき、ヘッダ部から余剰のろうがチューブ内部へ流れ込んでくるので、そのろうの流れによってチューブが溶解破断したり、冷媒通路に充填されたろうによってインナフィンが溶解破断する危険性が高いのである。ろう付け時のチューブの破断は直ちに洩れ不良品となり、インナフィンの破断は耐圧強度を著しく低下させるので、これらの問題点は熱交換器製造上、確実に回避しなくてはならない。
【0008】
これらの問題点を解決するため、従来では冷媒通路の形状や寸法を工夫したり、ヘッダ部(タンク部)のろう材量あるいはろう材中のSi含有量を低減したり、ろう付け加熱時の昇温を遅くして温度差を少なくするなどの方策が試みられてきた。しかしながら、冷媒通路の形状や寸法の制限は熱交換性能の劣化を伴い、ヘッダ部(タンク部)のろう材量あるいはろう材中のSi含有量の低減はヘッダ部材(タンク部材)とチューブとの接合性を不安定にし、加熱時の昇温を遅くするので、生産性を低下させることとなる。このため、性能の良い熱交換器を効率よくかつ安定して生産することが困難であった。
【0009】
以上の点に鑑み、本発明は性能の良いアルミニウム熱交換器を効率よくかつ安定して生産する製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
このために、本発明ではヘッダ部材(タンク部材)が有する余剰なろうがチューブ内部へ侵入したり、微小な冷媒通路を埋めるように進展することを防ぐために、チューブ、インナフィンあるいはろう材中にMgを添加して、ろうの濡れ性を抑制するとともに、チューブあるいはインナフィンが保有するろうもしくは組付け前に塗布された粉末状のろうによってチューブとインナフィンの接合部を確実に接合せしめる方法を提供するものである。
【0011】
フッ化物系フラックスを用いたろう付けでは、主としてフラックス作用の強弱によってろうの濡れ性が左右される。その点、フラックスの塗布量を減ずることでろうの濡れ性を低下させることは一見可能であるが、フラックスの塗布量を減ずると、塗布ムラによってフラックスの塗られていない部位が多数生ずることとなり、接合すべき場所にフラックスが供給されない不具合によって、接合不良の発生確率が高まるのが実状である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、フラックスの塗布量を減ずることなくフラックス作用を低下させる手段として、接合対象であるチューブあるいはインナフィンに、アルミニウムよりもイオン化傾向の大きいMgを添加し、そのMgをフラックスと反応させることによってフラックスの作用を低下、すなわち、ろうの濡れ性を低下させることを試みた。ここで、Mgとフッ化物系フラックス(KAlF4)との反応は下記の化学式1のようになされると推定される。
【0013】
【化1】
KAlF4+2/3Mg →KMgF3+1/2MgF2+Al
この反応で生じるフッ化Mg化合物の融点は1000℃を越えるため、ろう付け温度(600℃付近)においても分解されることなく残存すると考えられる。したがって、部材中へのMgの添加によって、フッ化物系フラックスの作用を確実にかつ定量的に安定して低下させることが可能となる。
【0014】
ここで、化学式1によってMgと反応したフラックスは、フラックスとしての作用を果たさなくなり、Mgと反応しない余剰のフラックスの作用によってろうの濡れ性が確保される。従って、適度なろうの濡れ性の調整は、部材中へのMg添加量とフラックスの塗布量(付着量)のバランスによって決定されることとなるが、部材中へのMg添加量が少なすぎるとろうの濡れ性の低下が困難となり、逆に、Mg添加量が多すぎるとフラックス塗布量を増しても所望の濡れ性を確保することが困難となる。
【0015】
従って、濡れ性調整の効果をもたらす部材中へのMg添加量には下限値と上限値が存在することを見出したのである。さらには、部材がろう材をクラッドしたブレージングシートである場合には、Mgを芯材に添加するかろう材に添加するかの違いによって適正なMg添加量の上下限値が異なってくることをも見出したのである。
【0016】
Mgを部材の芯材あるいは接合対象となる犠牲腐食材に添加する場合、さらに部材が単板の場合はその単板にMgを添加する場合、Mg添加量が0.06%未満であるとフラックス塗布量を減じても濡れ性の抑制効果が乏しくなり、Mg添加量が0.5%を越えるとフラックス塗布量を増しても安定した濡れ性の確保が困難であった。
【0017】
一方、Mgを部材のろう材に添加する場合、Mg添加量が0.06%未満であるとフラックス塗布量を減じても濡れ性の抑制効果が乏しくなり、Mg添加量が0.3%を越えるとフラックス塗布量を増しても安定した濡れ性の確保が困難であった。なお、本明細書において、Mg添加量の%はすべて重量(wt)%である。
【0018】
以上の知見に基づいて請求項1に記載の発明では、アルミニウム部材の表面にフッ化物系フラックスを塗布するとともに、前記アルミニウム部材を所定構造に組み付け、前記所定構造の組付体を不活性ガス雰囲気の加熱炉内においてろう付けするアルミニウム熱交換器の製造方法において、
前記アルミニウム部材として、少なくとも熱交換流体が流れるチューブと、前記チューブの内面側に配置されるインナフィンと、前記チューブの内部通路に連通する空間を形成するとともに前記チューブを支持するヘッダー部材とを有し、
前記ヘッダー部材の板厚は前記チューブおよび前記インナフィンの板厚より大きくなっており、
前記インナフィンを構成するアルミニウム部材はアルミニウム合金芯材の表面にAl−Si系ろう材をクラッドしたブレージングシートからなり、このブレージングシートの片面あるいは両面のろう材に、0.06%〜0.3%のMgを添加して前記ろう付けを行うことを特徴としている。
【0019】
これにより、ヘッダー部材からチューブ内へ過剰なろうが進入することをブレージングシートのろう材へのMg添加によって抑制して、チューブやインナフィンが過剰なろうにより溶解することを抑制できるとともに、チューブ内部の接合部におけるろうの濡れ性を適正な範囲に確保して、チューブとインナフィンの接合性を良好に維持できる。この結果、性能の良いアルミニウム熱交換器を効率よくかつ安定して製造できる。
【0035】
請求項に記載の発明では、アルミニウム部材の表面にフッ化物系フラックスを塗布するとともに、前記アルミニウム部材を所定構造に組み付け、前記所定構造の組付体を不活性ガス雰囲気の加熱炉内においてろう付けするアルミニウム熱交換器の製造方法において、
前記アルミニウム部材として、少なくとも熱交換流体が流れるチューブと、前記チューブの内面側に配置されるインナフィンと、前記チューブの内部通路に連通する空間を形成するとともに前記チューブを支持するヘッダー部材とを有し、
前記ヘッダー部材の板厚は前記チューブおよび前記インナフィンの板厚より大きくなっており、
前記チューブを構成するアルミニウム部材はアルミニウム合金芯材のチューブ内面側にAl−Si系ろう材をクラッドしたブレージングシートからなり、
このブレージングシートのろう材に0.06%〜0.3%のMgを添加して前記ろう付けを行うことを特徴としている。
【0036】
これにより、チューブを構成するブレージングシートのろう材へのMg添加によりチューブとインナーフィンの溶解を抑制できる。
【0039】
請求項に記載の発明のように、請求項2において、前記アルミニウム合金芯材のチューブ外面側に犠牲腐食材をクラッドしてよい
【0040】
これにより、チューブ外面側に犠牲腐食材をクラッドしたブレージングシートのチューブ内面側のろう材へのMg添加によりチューブとインナーフィンの溶解を抑制できる。
【0043】
請求項に記載の発明のように、請求項1ないしのいずれか1つにおいて、前記チューブの内面側及び前記インナフィン表面の少なくとも一方に塗布する前記フッ化物系フラックスの塗布量を1〜12g/m2に制限すれば、上記各請求項のMg添加によるフラックス作用の調整、すなわち、ろうの濡れ性の調整をより適正なものとすることができる。
【0044】
なお、本発明者の実験検討によると、フッ化物系フラックスの塗布量は、3〜8g/m2に制限すると、チューブとインナフィンの接合性向上のためにより一層好ましいことが判明している。
【0045】
請求項に記載の発明のように、請求項1ないしのいずれか1つにおいて、前記チューブは、前記アルミニウム部材の板材を重合して構成され、前記チューブの重合部に前記インナフィンの端部を挟み込み、前記インナフィンの端部及び前記チューブ重合部の少なくとも一方に粉末ろう材を塗布して前記ろう付けを行うようにしてよい。
【0046】
請求項に記載の発明のように、請求項1ないしのいずれか1つにおいて、前記チューブの内面側及び前記インナフィンの表面の少なくとも一方に粉末ろう材を塗布して前記ろう付けを行うようにしてよい。
【0047】
請求項5、6のように、粉末ろう材を塗布してチューブとインナフィンをろう付けする方法においても、本発明は同様にチューブとインナフィンの良好な接合性を確保できる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。本実施形態は車両用空調装置の蒸発器に本発明方法を適用した例であり、最初に、車両用空調装置の蒸発器の概要を図1〜図3により説明すると、蒸発器は冷媒が流れる多数本のチューブ10の長手方向の両端部をヘッダー部材11内部に連通させた状態にてチューブ10とヘッダー部材11をろう付けにより接合している。
【0049】
チューブ10は本例では図2、3に示すように1枚のアルミニウム板材を折り曲げることにより断面偏平状の形状を形成するようになっている。チューブ10の偏平断面の一端部に巻き締め結合部10aが設けてある。
【0050】
チューブ10の内部にはアルミニウム板材を波形状に折り曲げ成形したインナーフィン12がチューブ10の長手方向(図1の上下方向)の全長にわたって配置され、インナーフィン12の波形状の頂部はチューブ10の内側面に接触してろう付けされるようになっている。なお、本例では、インナーフィン12の波形状の一端部がチューブ10の巻き締め結合から構成される重合部10aにより挟み込まれて保持されるようになっている。
【0051】
ヘッダー部材11は図2に示すように第1ヘッダー部材11aと第2ヘッダー部材11bとをろう付けにより接合することにより、チューブ積層方向(図1の左右方向)に延びる細長いタンク形状を構成する。第1、第2ヘッダー部材11a、11bはアルミニウム板材を成形したものであり、第1ヘッダー部材11aにはチューブ10の長手方向の両端部を挿入する偏平状の貫通穴11cが開けてある。
【0052】
この貫通穴11cにチューブ10の長手方向の両端部を挿入して、貫通穴11cの部位にて第1ヘッダー部材11aとチューブ10とをろう付けするようになっている。以上により、ヘッダー部材11はチューブ10の内部通路と連通する空間を形成するとともにチューブ10の端部を支持する。
【0053】
多数本のチューブ10の相互間には、アルミニウム板材を波形状に折り曲げ成形したアウターフィン13がチューブ10の長手方向に延びるように配置され、このアウターフィン13の波形状の頂部は左右両隣りのチューブ10の外側面に接触してろう付けされるようになっている。
【0054】
蒸発器では、チューブ10とアウターフィン13により構成される熱交換コア部の空隙部を空気が矢印A方向に送風され、この送風空気とチューブ10内を通過する冷媒とが、チューブ10、インナーフィン12およびアウターフィン13を介して熱交換を行って、冷媒の蒸発潜熱が送風空気から吸熱されて、送風空気が冷却される。
【0055】
なお、チューブ10の板厚は例えば0.2mm、インナーフィン12の板厚は例えば0.05mm、アウターフィン13の板厚は例えば0.05mmである。これに対し、第1、第2ヘッダー部材11a、11bはチューブ10等を支持する強度部材であるため、その板厚は上記各部材10、12、13に比して十分大きくしてあり、例えば0.6mmである。
【0056】
図3は折り曲げ成形したチューブ10とインナーフィン12の位置関係を断面図で示したものである。図2及び図3ではインナフィン12の端部をチューブ10のかしめ部である重合部10aに挟んだ形態を示しているが、請求項15に記載の発明の実施形態を除けば、インナフィン12の端部をチューブ10の巻き締め結合部10aに挟むことに限定するものではない。
【0057】
図4および図5はチューブ10とインナーフィン12の具体的な材料構成を例示する図表である。
【0058】
第1〜第3実施形態は、アルミニウム合金芯材の内面側にろう材をクラッドしたブレージングシートからなるチューブ10とアルミニウム合金の単板からなるインナフィン12との組み合わせ構成に関するものであって、第1実施形態はMgをインナフィン12の単板に添加し、第2実施形態はMgをチューブ10の芯材に添加し、更に、第3実施形態はMgをチューブ10の内面ろう材に添加したものである。Mgの添加量については図8以降の表に基づいて後述する。なお、図4、図5において、3003はJIS A3003の略称であり、4045はJIS A4045(Al−Si系ろう材)の略称であり、犠材は犠牲腐食材(Zn等を含むアルミニウム材)の略称である。
【0059】
第4〜第6実施形態は、外面側に犠牲腐食材をクラッドし、内面側にAl−Si系ろう材をクラッドしたブレージングシートからなるチューブ10とアルミニウム合金の単板からなるインナフィン12との組み合わせ構成に関するものであって、第4実施形態はMgをインナフィン12の単板に添加し、第5実施形態はMgをチューブ10の芯材に添加し、更に、第6実施形態はMgをチューブ10の内面ろう材に添加したものである。
【0060】
第7〜第10実施形態は、アルミニウム合金の単板からなるチューブ10と両面にろう材をクラッドしたブレージングシートからなるインナフィン12との組み合わせ構成において、Mgをそれぞれインナフィン12の芯材、インナフィン12の両側のろう材、インナフィン12の片側のろう材、チューブ10の単板に添加したものである。
【0061】
第11〜第14実施形態は、アルミニウム合金芯材の内面側にAl−Si系ろう材をクラッドしたブレージングシートからなるチューブ10とアルミニウム合金芯材の両面にろう材をクラッドしたブレージングシートからなるインナフィン12との組み合わせ構成において、Mgをそれぞれインナフィン12の芯材、インナフィン12の両側のろう材、チューブ10の芯材、チューブ10の内面ろう材に添加したものである。
【0062】
第15実施形態は、アルミニウム合金芯材の外面側にAl−Si系ろう材、内面側に犠牲腐食材をクラッドしたブレージングシートからなるチューブ10とアルミニウム合金芯材の両面にろう材をクラッドしたブレージングシートからなるインナフィン12との組み合わせ構成に関するものであって、Mgをチューブ10の内面の犠牲腐食材に添加したものである。
【0063】
第16〜第18実施形態は、アルミニウム合金の単板からなるチューブ10とアルミニウム合金芯材の両面にAl−Si系ろう材をクラッドしたブレージングシートからなるインナフィン12との組み合わせ構成において、Mgをそれぞれインナフィン12の芯材あるいはチューブ10の単板に添加するとともに、樹脂バインダに混合した粉末状のAl−12%Siろう材をそれぞれチューブ10の重合部10a、重合部10aに挟み込むインナフィン12の端部、チューブ10重合部10aと重合部10aに挟み込むインナフィン12端部の双方に塗布したものである。
【0064】
第19実施形態と第20実施形態は、アルミニウム合金の単板からなるチューブ10とアルミニウム合金の単板からなるインナフィン12の組み合わせ構成において、Mgをそれぞれインナフィン12、チューブ10に添加するとともに、樹脂バインダに混合した粉末状のAl−12%Siろう材をそれぞれチューブ10内面側、重合部10aに挟み込むインナフィン12の表面全体に塗布したものである。
【0065】
第21実施形態は、アルミニウム合金芯材の内面側にろう材をクラッドしたブレージングシートからなるチューブ10とアルミニウム合金の単板からなるインナフィン12との組み合わせ構成において、Mgをチューブ10の芯材、チューブ10のろう材、インナフィン12の単板のすべてに添加したものである。
【0066】
第22実施形態は、アルミニウム合金の単板からなるチューブ10とアルミニウム合金芯材の両面にろう材をクラッドしたブレージングシートからなるインナフィン12との組み合わせ構成において、Mgをチューブ10の単板、インナフィン12の芯材、インナフィン12のろう材のすべてに添加したものである。
【0067】
比較例1は、内面側にろう材をクラッドしたチューブ10と単板のインナフィン12との組み合わせ構成において、Mgをいずれの部位にも添加しないものである。
【0068】
比較例2は、単板のチューブ10と両面にろう材をクラッドしたインナフィン12との組み合わせ構成において、Mgをいずれの部位にも添加しないものである。
【0069】
比較例3は、単板のチューブ10と単板のインナフィン12との組み合わせ構成において、Mgをいずれの部位にも添加しないで、チューブ10の内面側にバインダに混合した粉末状のAl-12%Siろう材を塗布したものである。
【0070】
以上の各実施形態において、単板、芯材、犠牲腐食材、ろう材に添加するMg量は、0.03%、0.06%、0.3%、0.5%、0.7%の5水準とした。また、フラックスの塗布量については、0.5g/m2、1g/m2、3g/m2、5g/m2、8g/m2、12g/m2、20g/m2の中から適宜選定して実施した。
【0071】
次に、本発明の実施形態及び比較例の構成によるアルミニウム熱交換器(具体例としての蒸発器)の製造方法を図6により具体的に説明する。
【0072】
本発明におけるアルミニウム熱交換器の製造方法は、図6に示すように、
(1)熱交換器構成部品へのフラックス塗布工程および各部品の成形工程と、
(2)熱交換器構成部品の組付工程と、(3)ろう付け工程とに大別される。
【0073】
最初に、各部品のフラックス塗布工程および各部品の成形工程について説明すると、図6では、部品成形工程を先に行い、その後にフラックス塗布工程を行う状態を図示している。すなわち、コイル状に巻回された素材(アルミニウム板材)を巻き戻して、この素材に対して所定の成形加工を行って、チューブ1010、インナーフィン1212、アウターフィン1213、第1ヘッダー部材11a、第2ヘッダー部材11bおよびその他の部材をそれぞれ成形する。
【0074】
上記の部品成形工程を行った後に、インナーフィン1212、アウターフィン1213、および第1、第2の両ヘッダー部材11a、11bの表面(各板材の表裏両面)にフラックス塗布を行う。
【0075】
なお、上記例とは逆に、フラックス塗布工程を素材段階で先に行い、その後に部品成形工程を実施してもよく、フラックス塗布工程と部品成形工程の前後はいずれが先でもよい。
【0076】
ここで、フラックスは弗化物系の非腐食性フラックス(KAlF4)であり、このフラックス成分を、樹脂系のバインダを含む溶剤中に溶かし込んでフラックス溶液を作り、このフラックス溶液をノズル式噴霧器により上記部品の表面に噴霧してフラックスを塗布する方法、あるいはフラックス溶液中に上記部品を浸漬してフラックスを塗布する方法等をフラックス塗布方法として使用できる。
【0077】
フラックス塗布工程を部品成形工程の前に行う場合であれば、板状のアルミニウム素材を複数のローラ間に通過させながら、バインダ樹脂を用いた塗料状のフラックス溶液をアルミニウム素材に塗布するロールコート法を用いてもよい。また、スクリーン転写法によりフラックス塗布を行ってもよい。
【0078】
更に、フラックス溶液を用いる湿式の塗布方法に限らず、粉体状のフラックス成分を上記部品の表面に静電塗布する乾式のフラックス塗布方法も使用できる。これらのフラックス塗布方法は、塗布対象物の形状に合わせて塗布効率のよい方法を選択すればよい。
【0079】
なお、チューブ10とインナーフィン12については、インナーフィン12をチューブ10内部に挿入し、図3に示すようにインナーフィン12をチューブ10に一体化しておく。
【0080】
次に、組付工程を説明すると、熱交換器の各構成部品を図1に示す所定構造に組み付け、その組付体(仮の組付状態)をワイヤ等の治具により締結して保持する。なお、図2はこの熱交換器組付工程で組付けた後のチューブ10とインナーフィン12と第1、第2ヘッダー部材11a、11bの状態を示す。
【0081】
次に、ろう付け工程を説明すると、上記組付体を治具にて保持してろう付け用加熱炉内に搬入して、熱交換器の各部品間を一体ろう付けする。ここで、ろう付け温度は各部品のアルミニウム材にクラッドされたろう材の融点を僅かに上回る600°C付近の温度であり、このろう付け温度では弗化物系フラックス(非腐食性フラックス)が溶融状態(液体状態)となって、各部品間の接合面に均一に行き渡る。
【0082】
この溶融フラックス成分により、各部品のアルミニウム材表面の酸化皮膜を還元して、溶融ろう材とアルミニウム母材表面との間の濡れ性を良好にする。また、ろう付け用加熱炉内はN2 ガス等の不活性ガスの雰囲気に維持されており、アルミニウム材表面の再酸化を防止する。以上により、各部品相互間の良好なろう付け性を確保する。
【0083】
上記組付体は所定のろう付け時間の間加熱炉内に置かれ、このろう付け時間が経過すると加熱炉から取り出され、上記組付体のろう付けが終了する。これにより、アルミニウム熱交換器の組付が完成する。
【0084】
以上が本発明の実施形態と比較例におけるアルミニウム熱交換器の製造方法の説明であるが、次に本発明の適用部位であるチューブ10とインナフィン12とのろう付け部位へのMg添加の技術的意義を図7により説明する。
【0085】
図7(a)はチューブ10とインナフィン12とのろう付け部位にMgを添加していない従来技術を示している。チューブ10とインナフィン12によって形成される冷媒通路は、熱交換性能を高めるために通常は狭い空間を形成している。ところが、ここでろうの濡れ性が良好であると、毛細管現象によってろうが冷媒通路を埋めるように進展しようとする。
【0086】
このとき、ろうがチューブ10及びインナフィン12のみから供給されるのであれば、ろうが冷媒通路を埋めるほどの量に満たないため問題を生じないのであるが、大量のろうを有するヘッダ部材11a、11bからろうが流れ込んでくるため、図7(a)のBで示したように、冷媒通路がろうで満たされる不具合が容易に発生する。ヘッダ部材11a、11bからろうが流れ込む現象は表面張力の作用による毛細管現象であり、冷媒通路が狭ければ必然的に発生する現象である。図7(a)のBの領域がろうで充填されると、その後の温度上昇によってチューブ10やインナフィン12が容易に溶解破断することとなる。また、ヘッダ部材11a、11bからのろうはチューブ10の重合部10aを伝って流れてくるため、チューブ10の重合部10aにおいて溝状に溶解が進展して、チューブ10を破断させる不具合も発生する。
【0087】
このような溶解破断による不具合の発生を、熱交換性能、接合品質及び生産性を低下させることなく防止するには、チューブ10内部でのろうの濡れ性を精度良く調整して、過度の毛細管現象の作用を確実に抑制するのが最も好ましい。本発明では、ろうの濡れ性の制御を、材料の各部位へのMgの添加によって実現させたのである。
【0088】
図7(b)は、本発明の実施形態のうち、第3、5、6、10、14、15、18及び20の各実施形態に共通したメカニズムを説明したものである。チューブ10の内面側に位置する部位にイオン化傾向の大きいMgが添加されていると、ろう付けの加熱工程においてMgがフッ化物系フラックスと反応し、まずはフラックスの機能を低下させる。さらに反応によって生じた高融点のフッ化Mg化合物Cが材料表面に残存するため、ろうの濡れ性が確実に低下する。したがって、図7(a)のBのような冷媒通路へのろうの充填が発生しないのである。
【0089】
さらにこのとき、添加したMg量に対応して、化学式1で反応しきれない十分なフラックスが塗布されていると、チューブ10の重合部10aやチューブ10とインナフィン12の接合部にろうのフィレットを形成させるだけの濡れ性を確保することができる。すなわち、厳密に言えば、ろうの濡れ性は添加するMg量とフラックスの塗布量によって決まるのであるが、各種の材料を試作して評価を行った結果、通常、実施されているフラックスの塗布量(1〜12g/m2)の範囲において、材料に添加して効果をもたらすMgの量が、Mgを母材に添加するかろう材に添加するによって違いはあるものの、それぞれほぼ一定の範囲を示すことを見出したのである。
【0090】
続いて、本発明の実施形態による評価の結果について説明する。
【0091】
図8、図9は第1実施形態と比較例1の評価結果を示したものである。第1実施形態は、3003合金を芯材とし、内面側にAl−10%Si合金ろう材を有したチューブ10と3003合金にMgを添加したインナフィン12とで構成される。図8以降の図表において「〃」は上の欄と同じ内容であることを示しており、また、評価欄において◎は溶解、未接合、フラックス塊残存のいずれもが全くない良好なものを示し、○は溶解、未接合(フレット形成)、フラックス塊残存のいずれかにおいて軽微な兆候が認められるものの、実用上問題のないレベルを示している。
【0092】
インナフィン12へのMg添加量が0.03%の場合の評価結果は次のようであった。
【0093】
・フラックス塗布量が0.5g/m2であると、フラックスの塗布ムラによって未接合部が発生した。
【0094】
・フラックス塗布量が1〜12g/m2であると、チューブ10やインナフィン12の各部に品質上好ましくない溶解が発生した。
【0095】
・フラックス塗布量が20g/m2であると、溶解が発生するとともに、フラックスの塊が冷媒通路に残存する不具合を生じた。
【0096】
インナフィン12へのMg添加量が0.06%の場合は、次のような結果であった。
【0097】
・フラックス塗布量が0.5g/m2であると、フラックスの塗布ムラ及びフラックスとMgとの反応によって未接合部が発生した。
【0098】
・フラックス塗布量が1〜12g/m2であると、良好な結果が得られた。特に、フラックス塗布量が3及び8g/m2では接合部のフィレットが十分に安定して形成され、冷媒通路に残存するフラックス塊もほとんど認められず、良好であった。
【0099】
・フラックス塗布量が20g/m2であると、溶解は認められないものの、フラックスの塊が冷媒通路に残存する不具合を生じた。
【0100】
インナフィン12へのMg添加量が0.3%の場合は、フラックス塗布量が1g/m2で未接合が認められたが、フラックス塗布量が3、8及び12g/m2では良好であり、特にフラックス塗布量が8及び12g/m2では接合部のフィレットが十分に安定して形成され、良好であった。
【0101】
インナフィン12へのMg添加量が0.5%の場合は、フラックス塗布量が1g/m2で未接合が認められたが、フラックス塗布量が3、8及び12g/m2ではほぼ良好であった。
【0102】
インナフィン12へのMg添加量が0.7%の場合は、いずれのフラックス塗布量においても未接合部が認められた。フラックス塗布量が20g/m2では冷媒通路にフラックス塊が残存した。
【0103】
一方、比較例1の場合は、フラックス塗布量0.5g/m2では塗布ムラによる未接合部が発生し、フラックス塗布量1、3、8及び12g/m2ではいずれも溶解が発生した。また、フラックス塗布量20g/m2では溶解が発生するとともに、冷媒通路にフラックス塊が残存した。
【0104】
以上の結果より、第1実施形態ではMg添加量が0.06〜0.5%の範囲で効果が認められ、比較例に対する優位性が明確である。
【0105】
図10、図11は第2実施形態の評価結果を示したものである。第2実施形態は、3003合金にMgを添加したものを芯材とし、内面側にAl−10%Si合金ろう材をクラッドしたチューブ10と、3003合金の単板によるインナフィン12とで構成される。
【0106】
チューブ10の芯材へのMg添加量が0.03%の場合の結果は、第1実施形態と同様に、フラックス塗布量が0.5g/m2でフラックスの塗布ムラによって未接合部が発生し、フラックス塗布量が1〜12g/m2であると、チューブ10やインナフィン12の各部に品質上好ましくない溶解が発生し、フラックス塗布量が20g/m2であると、溶解が発生するとともに、フラックスの塊が冷媒通路に残存する不具合を生じた。
【0107】
Mg添加量が0.06%の場合は、フラックス塗布量が1〜12g/m2であると良好な結果が得られた。特にフラックス塗布量が3及び8g/m2では接合部のフィレットが十分に安定して形成され、冷媒通路に残存するフラックス塊もほとんど認められず、良好であった。フラックス塗布量が20g/m2であると、溶解は認められないものの、フラックスの塊が冷媒通路に残存する不具合を生じた。
【0108】
Mg添加量が0.3%及び0.5%の場合は、フラックス塗布量が3、8及び12g/m2で良好であった。Mg添加量が0.7%の場合は、いずれのフラックス塗布量においても未接合部が認められた。
【0109】
以上の結果より、第2実施形態でもMg添加量が0.06〜0.5%の範囲で効果が認められ、比較例に対する優位性が明確である。
【0110】
図12、図13は第3実施形態の評価結果を示したものである。第3実施形態は、3003合金を芯材とし、内面側にAl-10%Si合金にMgを添加したろう材をクラッドしたチューブ10と、3003合金の単板によるインナフィン12とで構成される。
【0111】
チューブ10の内面側ろう材へのMg添加量が0.03%の場合の結果は、第2実施形態と同様に、フラックス塗布量によって未接合部、溶解、フラックスの塊の残存が発生した。Mg添加量が0.06%の場合は、フラックス塗布量が1〜12g/m2であると良好な結果が得られた。Mg添加量が0.3%の場合は、フラックス塗布量が3、8及び12g/m2で良好であった。Mg添加量が0.7%及び0.5%の場合は、フラックス塗布量によって未接合部やフラックス塊の残存が認められた。
【0112】
以上の結果より、ろう材にMgを添加した第3実施形態では、Mg添加量が0.06〜0.3%の範囲で効果が認められ、比較例に対する優位性が明確である。
【0113】
以下、同様にして第4〜第22実施形態までの評価結果を図14〜図24に示した。すなわち、図14は第4、第5実施形態の評価結果であり、図15は第6実施形態の評価結果である。図16は第7、第8実施形態の評価結果であり、図17は第9、第10実施形態と比較例2の評価結果である。図18は第11、第12実施形態の評価結果であり、図19は第13、第14実施形態の評価結果である。図20は第15実施形態の評価結果である。
【0114】
図21は第16、第17実施形態の評価結果であり、図22は第18実施形態の評価結果である。図23は第19、第20実施形態と比較例3の評価結果である。図24は第21、第22実施形態の評価結果である。
【0115】
図14〜図24ではろう材、芯材、犠牲腐食材の配置を変えたり、塗布ろう材を使って評価を行った結果、共通して次のような結果が得られた。
【0116】
・Mgを芯材に(単板の場合はその単板に)添加する場合、Mg添加量0.06〜0.5%の範囲で効果が認められ、比較例に対する優位性が明確である。
【0117】
・Mgをろう材に添加する場合、Mg添加量0.06〜0.3%の範囲で効果が認められ、比較例に対する優位性が明確である。
【0118】
・上記Mg添加材料に適応するフラックス塗布量は1〜12g/m2、より好ましくは3〜8g/m2である。
【0119】
・Mgは構成材料の複数の部位に添加しても有効性を発揮する。
【0120】
以上のように、本発明では、厚肉の強度部材であるヘッダ部材11a、11bに支持されるチューブ10と、インナフィン12とにより微小な冷媒通路を構成する熱交換器において、ヘッダ部材11a、11bからチューブ10内部へのろうの侵入を抑制し、薄肉部材であるチューブ10やインナフィン12が溶解破断するのを合理的かつ確実に防ぐ方策として、チューブ10及びインナフィン12の各部位にMgを添加する方法を提示しており、その効果を様々な実施形態を用いて説明してきた。
【0121】
従って、耐食性、強度、成形性などの観点から、各材料の成分、材料の製造方法あるいは部材の成形方法や寸法を変更した場合においても明確な効果を発揮するものである
なお、本発明は、冷房用蒸発器に限らず、高温、高圧の冷媒を冷却して凝縮させる凝縮器、温水の熱を放熱して空気を加熱する暖房用の温水式熱交換器、水冷式エンジンの冷却水を冷却するラジエータ等のアルミニウム熱交換器一般に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する車両空調用蒸発器の概略斜視図である。
【図2】図1の要部の拡大斜視図である。
【図3】図1のチューブ10の部分拡大斜視図である。
【図4】本発明の第1〜第15実施形態によるチューブおよびインナーフィンの材料構成を示す図表である。
【図5】本発明の第16〜第22実施形態および比較例1〜3によるチューブおよびインナーフィンの材料構成を示す図表である。
【図6】本発明の実施形態による製造方法の概要説明図である。
【図7】状来技術および本発明によるろう材流動挙動の相違を説明するチューブの部分拡大断面図である。
【図8】第1実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図9】第1実施形態および比較例1によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図10】第2実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図11】第2実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図12】第3実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図13】第3実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図14】第4、第5実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図15】第6実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図16】第7、第8実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図17】第9、第10実施形態および比較例2によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図18】第11、第12実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図19】第13、第14実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図20】第15実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図21】第16、第17実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図22】第18実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図23】第19、第20実施形態および比較例3によるろう付け状態評価結果の図表である。
【図24】第21、第22実施形態によるろう付け状態評価結果の図表である。
【符号の説明】
10…チューブ10、11、11a、11b…ヘッダー部材、
12…インナーフィン12。

Claims (6)

  1. アルミニウム部材の表面にフッ化物系フラックスを塗布するとともに、前記アルミニウム部材を所定構造に組み付け、前記所定構造の組付体を不活性ガス雰囲気の加熱炉内においてろう付けするアルミニウム熱交換器の製造方法において、
    前記アルミニウム部材として、少なくとも熱交換流体が流れるチューブと、前記チューブの内面側に配置されるインナフィンと、前記チューブの内部通路に連通する空間を形成するとともに前記チューブを支持するヘッダー部材とを有し、
    前記ヘッダー部材の板厚は前記チューブおよび前記インナフィンの板厚より大きくなっており、
    前記インナフィンを構成するアルミニウム部材はアルミニウム合金芯材の表面にAl−Si系ろう材をクラッドしたブレージングシートからなり、このブレージングシートの片面あるいは両面のろう材に、0.06%〜0.3%のMgを添加して前記ろう付けを行うことを特徴とするアルミニウム熱交換器の製造方法。
  2. アルミニウム部材の表面にフッ化物系フラックスを塗布するとともに、前記アルミニウム部材を所定構造に組み付け、前記所定構造の組付体を不活性ガス雰囲気の加熱炉内においてろう付けするアルミニウム熱交換器の製造方法において、
    前記アルミニウム部材として、少なくとも熱交換流体が流れるチューブと、前記チューブの内面側に配置されるインナフィンと、前記チューブの内部通路に連通する空間を形成するとともに前記チューブを支持するヘッダー部材とを有し、
    前記ヘッダー部材の板厚は前記チューブおよび前記インナフィンの板厚より大きくなっており、
    前記チューブを構成するアルミニウム部材はアルミニウム合金芯材のチューブ内面側にAl−Si系ろう材をクラッドしたブレージングシートからなり、このブレージングシートのろう材に0.06%〜0.3%のMgを添加して前記ろう付けを行うことを特徴とするアルミニウム熱交換器の製造方法。
  3. 前記アルミニウム合金芯材のチューブ外面側に犠牲腐食材をクラッドしたことを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム熱交換器の製造方法。
  4. 前記チューブの内面側及び前記インナフィン表面の少なくとも一方に塗布する前記フッ化物系フラックスの塗布量を1〜12g/m2に制限することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器の製造方法。
  5. 前記チューブは、前記アルミニウム部材の板材を重合して構成され、前記チューブの重合部に前記インナフィンの端部を挟み込み、
    前記インナフィンの端部及び前記チューブ重合部の少なくとも一方に粉末ろう材を塗布して前記ろう付けを行うことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器の製造方法。
  6. 前記チューブの内面側及び前記インナフィンの表面の少なくとも一方に粉末ろう材を塗布して前記ろう付けを行うことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器の製造方法。
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