JP2010017721A - 熱交換器のろう付け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッダーからチューブへのろう材の流動を防止するろう付け方法を提供する。
【解決手段】ヘッダー、チューブ及びフィンをろう付けにより接合する熱交換器のろう付け方法において、前記ヘッダーはAl材からなる心材とAl材からなるろう材とを含み、前記チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方は、Al材からなる心材とAl材からなるろう材とを含み、前記チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方に塗布するフッ化物系フラックスよりも溶融開始温度が高温であるフッ化物系フラックスを前記ヘッダーに塗布して加熱するろう付け方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、Al材からなるヘッダー、チューブ及びフィンから構成され、ろう付け工程により接合される熱交換器において、良好なろう付け性を確保するろう付け方法に関する。特に、自動車用熱交換器の製造に好適なろう付け方法を提案するものである。
自動車用のAl材熱交換器の多くは冷媒通路となるチューブをヘッダーに差込んで組み付けられた構造を有する。本発明において、Al材とは、アルミニウム合金又は純アルミニウムをいうものとする。チューブ材は押し出しチューブや板材を冷媒通路を形成するように加工成型したものが使用され、ヘッダー材にはあらかじめろう材がクラッドされたブレージングシートが使用される。チューブとヘッダーを組みつけた後、ろう付け加熱によりヘッダー材のろう材を溶融させて、チューブとヘッダーを一体化する工法が採用されている。
ろう付け工法としてはノコロックブレージング法とよばれるろう付け工法が広く用いられている。ノコロックブレージング法は予めフッ化物系のフラックスを塗布して、不活性ガス雰囲気中で加熱することにより、Al−Si系合金からなるろう材を溶融させて接合箇所にフィレットを形成してろう付する方法である。
板状のAl材をチューブ材として使用する場合、プレート状に成型した板材を組み合わせて冷媒通路となるチューブを構成したり、或いは、折り曲げ加工によりチューブ形状に加工したものが使用される。さらに、チューブの間にコルゲート加工したフィンを挟みこみ、穴を予め設けたヘッダーにチューブを差し込んで熱交換器の構造となる。
チューブとヘッダーの接合部は、隙間を埋めるための十分なろう材が必要となるため、ろう材をクラッドしたヘッダーが使用されることが多い。しかしながら、この構成でろう付け加熱を行うと、ヘッダーの溶融ろう材がチューブの溝部に沿ってチューブとフィンの接合部へと流れてしまうことがある。そのため、チューブとヘッダーの接合部フィレットへのろう材の供給量が減少し、十分なサイズのフィレットを形成することができず、ろう付け不良の原因となる場合がある。
さらに、ヘッダーからチューブの溝部に沿って流れ出したろう材は、ろう材の流動路に沿ってチューブ材を侵食するために、チューブの溶解が進行する。ヘッダーの溶融ろうが静止した状態でチューブと接触する場合には、溶融ろうからチューブ材中にSiが拡散することにより、溶融ろうとチューブの接触部では融点が低下して接触部が溶解する。拡散するSi濃度が平衡状態に達すると、溶解は停止する。しかしながら、ヘッダーの溶融ろうが流動しつつチューブと接触する場合には、高いSi濃度の溶融ろうが次々に供給され続けるために、溶融ろうとチューブとの接触部では溶解が進行し続けて、最終的にはチューブに穴が空いてしまうことがある。
近年、自動車軽量化のために熱交換器に使用されるチューブ材の板厚は薄くなる傾向があるため、上記のようにヘッダーから流れる溶融ろうによりチューブの溶解が進行すると、チューブに貫通孔が生じ、冷媒通路としての機能が損なわれる。
これに対し、ヘッダーからチューブへのろう材流動を防止する方法が特許文献1や特許文献2に提案されている。特許文献1ではヘッダーから流出するろう材がチューブの溝を通って、チューブとコルゲートフィンの接触部に到達する現象に着目し、コルゲートフィンの形状に改良を加え、チューブの溝とコルゲートフィンを直接接触させないようにしたものである。しかしながら、ヘッダーからの溶融ろうとコルゲートフィンはチューブ表面のろう材を介して連続しているため、ヘッダーからの溶融ろうの流動を完全に抑制することはできない。
特許文献2では、ヘッダーとチューブの接合部にKZnF等の流動調整剤を付与する方法が提案されている。しかし、KZnF等の流動調整剤はフラックスに混合して使用されるため、フラックスの性能が損なわれろう付け性低下の原因となる。また、流動調整剤のZn成分がチューブとヘッダーの接合フィレットに濃縮するため、フィレットの電位が卑となり、フィレットの耐食性が低下する虞もある。
特開2005−331176号公報 特開2006−7320号公報
本発明は、上述の従来技術の問題に鑑み、ヘッダーからチューブへの溶融ろうの流動を防止するろう付け方法を提供することを目的とする。
本発明は請求項1において、ヘッダー、チューブ及びフィンをろう付けにより接合する熱交換器のろう付け方法において、前記ヘッダーはAl材からなる心材とAl材からなるろう材とを含み、前記チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方は、Al材からなる心材とAl材からなるろう材とを含み、前記チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方に塗布するフッ化物系フラックスよりも溶融開始温度が高温であるフッ化物系フラックスを前記ヘッダーに塗布して加熱することを特徴とするろう付け方法とした。
本発明は請求項2において、前記チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方に塗布するフラックスをKAlFを4〜22モル%と残部がKAlFとし、前記ヘッダーに塗布するフラックスをAlFを0〜15モル%と残部がKAlFとした。
本発明は請求項3において、前記チューブが、Al材からなる心材とAl材からなるろう材とを含むようにし、前記フィンが、Al材からなる心材を含むようにした。
本発明に係るろう付け方法では、ヘッダーからチューブへの溶融ろうの流動を効果的に防止できる。その結果、良好なろう付け性を得られることから優れた高品質のろう付け製品が製造できる。
本発明に係る熱交換器のろう付け方法は、Al材からなるフィン、チューブ、ヘッダーを組み付けてヘッダーと、チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方とにフッ化物系フラックス塗布し、或いは、これらを組み付ける前にヘッダーと、チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方とにフッ化物系フラックス塗布し、これらを組み付け、所定温度でろう付けするものである。そして、ヘッダーに塗布するフッ化物系フラックスとして、チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方に塗布するフッ化物系フラックスよりも溶融開始温度が高温のものを用いる。
本発明によりろう付けする熱交換器を図1及び2に示す。板状のAl材をプレート状に成型したものを組み合わせてチューブ形状とした例を図1に、板状のAl材を折り曲げ加工によりチューブ形状にした例を図2に示す。図1、2において、チューブ2の間にコルゲート加工したフィン3を挟みこみ、穴を予め設けたヘッダー1にチューブ2を差し込んで熱交換器が組み立てられる。
A.ヘッダー
本発明に係るヘッダーは、心材とその少なくとも一方の面上に設けられたろう材とからなる。心材及びろう材には、Al合金が用いられる。心材としては、3000系のAl合金や純アルミニウムが用いられ、ろう材としては、4045系や4343系等のAl−Si合金が用いられる。このようなヘッダーは、心材の一方の面又は両方の面にろう材がクラッドされた2層又は3層のブレージングシートが好適に用いられる。2層ブレージングシートのクラッド率は7.5〜15%、3層ブレージングシートのクラッド率は5〜10%とするのが好ましい。本発明では、心材のチューブ側の面にろう材がクラッドされた2層ブレージングシートが、ヘッダーとして好適に用いられる。
B.チューブ
本発明に係るチューブは、心材のみの構成、或いは、心材の少なくとも一方の面上に設けられたろう材とからなる構成とすることができる。心材及びろう材には、Al合金が用いられる。心材としては、3000系のAl合金や純アルミニウムが用いられ、ろう材としては、4045系や4343系等のAl−Si合金が用いられる。ろう材を用いる場合には、心材の一方の面又は両方の面にろう材がクラッドされた2層又は3層のブレージングシートが好適に用いられる。2層ブレージングシートのクラッド率は5〜15%、3層ブレージングシートのクラッド率は5〜10%とするのが好ましい。本発明では、心材のフィンに接する側にろう材がクラッドされた2層ブレージングシートが、チューブとして好適に用いられる。
C.フィン
本発明に係るフィンは、心材のみの構成、或いは、心材の少なくとも一方の面上に設けられたろう材とからなる構成とすることができる。心材及びろう材には、Al合金が用いられる。心材としては、3000系のAl合金や純アルミニウムが用いられ、ろう材としては、4045系や4343系等のAl−Si合金が用いられる。ろう材を用いる場合には、心材の両方の面にろう材がクラッドされた3層のブレージングシートが好適に用いられる。3層ブレージングシートのクラッド率は5〜15%とするのが好ましい。本発明では、ろう材がクラッドされていない心材のみのフィンが好適に用いられる。
D.溶融ろうの流動
図1〜3に示すように、ヘッダー1とチューブ2とフィン3との組み合わせからなる熱交換器では、ろう付け後に密閉性を確保するため、ヘッダー1とチューブ2のろう付け接合部5におけるフィレット7の形成が必要になるため、ヘッダー1には多量のろう材が予めクラッドされている。一方、チューブ2とフィン3の接合部は、チューブ2とフィン3の少なくともいずれか一方に予めクラッドされた少量のろう材で接合される。しかしながら、ヘッダー1からの溶融ろうの流動路4となる溝などの部位がチューブ2に存在すると、ろう材が多いヘッダー1からろう材が少ないフィン3へと溶融ろうが流動してしまう。この現象はチューブ2に溶融ろうの流動路4が存在する限り、防止することはできない。
本発明者らは、このような溶融ろうの流動を抑制する方法を鋭意検討した結果、チューブとフィンがろう付されるタイミングよりもヘッダーの溶融ろうが流動するタイミングを遅くすることにより、流動する溶融ろうの量を低減できることを見出した。ろう付け加熱の昇温中には予め塗布したフラックスがまず溶融し、溶融フラックスがAl材表面を覆い、Al材表面に存在する酸化膜を破壊する。酸化膜が破壊された後、ろう材が溶融してAl材表面に濡れ拡がることができるため、ろう付け接合部にフィレットが形成される。そこで、チューブとフィンの接合部に塗布するフラックスよりも溶融開始温度が高いフラックスをチューブとヘッダーの接合部に塗布することにより、ヘッダーのろう材が溶融して流動するタイミングを遅くすることが可能である。
チューブとフィンの接合部は低温でフラックスが溶融し、チューブとヘッダーとの接合部より先にフィレットが形成する。その後で、ヘッダー部の溶融開始温度が高いフラックスが溶融してAl材表面に拡がる。この時点においては、チューブとフィンの接合部には既にフィレットが形成され、ヘッダーからの溶融ろうの流動路となるチューブ部位にもチューブやフィンの溶融ろうが存在する。ヘッダーからの溶融ろうは、チューブ部位に既に存在する溶融ろうに阻まれてチューブ側へ流動し難くなる。その結果、ヘッダーからの溶融ろうはチューブとヘッダーの接合部においてフィレットを形成する。このようにしてろう付が完了すれば、チューブとヘッダーのろう付けにろう材量が不足することはなく、良好なろう付けフィレットが形成される。また、ヘッダーからの溶融ろうがろう材流動路となるチューブ部位を流動しつつチューブと接触することがないので、チューブのろう材流動路が溶解することもない。
E.フラックス
チューブ/フィンの少なくとも一方には約560℃で溶融を開始するフラックス成分を用いるのが好ましく、KAlFとKAlFとの混合物が好適に用いられる。混合比率としては、KAlFを4〜22モル%とし残部をKAlFとするのが好ましい。この混合比率の範囲であれば、フラックスは560℃で溶解を開始し、600℃に達する前に全量が溶解し、チューブとフィンのろう付が可能になる。KAlFが4モル%未満では、フラックスの溶融開始温度が上昇してしまう。その結果、チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方(チューブ/フィン側)からの溶融ろうが濡れ広がるタイミングが遅くなり、ヘッダーからの溶融ろうの流動を阻止することができない。KAlFが22モル%を超えると、フラックスが完全に溶解する温度が高くなり過ぎる。その結果、ろう付に寄与するフラックス量が減少してしまい、ろう付け性が低下する。より好ましい混合比率は、KAlFを10〜20モル%とし残部をKAlFとするものである。また、KAlFに代えてKAlF・HOを用いてもよい。
一方、ヘッダー側には約574℃で溶融を開始するフラックス成分を用いるのが好ましく、KAlF、或いは、KAlFとAlFとの混合物が好適に用いられる。KAlFは574℃で溶解を開始するのでヘッダーのろう材の濡れ拡がりを遅延することができる。AlFとの混合系では、フラックスは574℃で溶解を開始し、AlFと反応しながら溶融が進行するため、フラックスの拡がり性が低い。KAlF、或いは、KAlFとAlFとの混合系のいずれにおいても、チューブ/フィン側に塗布したフラックス溶融開始温度よりも約14℃高く、ヘッダーのろう材の濡れ拡がりが遅延するため、溶融ろうの流動阻止効果に寄与する。混合系の比率としては、AlFを0〜15モル%とし残部をKAlFとするのが好ましい。AlFが0モル%の場合には、KAlFのみとなる。AlFが15モル%を超えると、フラックスの溶融開始温度が高くなり過ぎろう付け性が低下する。好ましいフラックスは、AlFを0〜10モル%までとし残部をKAlFとするものである。
フラックスの塗布方法としては、ヘッダー、チューブ、フィンの各部材を熱交換器の構造に組み付けた後に、チューブ/フィン側にはフラックスの粉体や懸濁液状態のものを予めシャワーで塗布し、その後にヘッダー側にはフラックス懸濁液を刷毛塗りする方法が採用される。また、各フラックスとバインダーの混合物を、成型前のアルミニウム素板や、アルミニウム素板から成型した後のヘッダー、チューブ、フィンに塗布し後に、各部材を熱交換器の構造に組み付けることも可能である。
F.熱交換器
本発明に係る熱交換器は、上記ヘッダー、チューブ及びフィンを必須の構成要素とし、他の部材が適宜組み合わされこれらをろう付けして製造される。ろう付加熱方法、ろう付加熱条件は特に限定されるものではないが、ろう付け方法としては、フラックスを用いるノコロックブレージング法が好適に用いられる。ろう付け操作は、通常、室温からろう付け温度である600℃に達するまでの時間を10〜30分とし、その後、600℃(ろう付け温度)に0〜10分間保持した後、冷却する。
以上、板材を成型したヘッダー、チューブ及びフィンの組み合わせてなる熱交換器における、チューブ接合部に沿ってヘッダーからのろう材が流れる現象を防止するろう付け方法について説明したが、本発明のろう付け方法の適用はこの構成の熱交換器に限るものではない。たとえば、ヘッダー、押し出し多穴チューブ、フィンの組み合わせからなる熱交換器においても、チューブ表面に傷等の表面性状の欠陥が存在すると、ヘッダーのろう材はチューブ表面の傷に沿って流出し、チューブとヘッダーの接合部のろう付が不完全なものとなる。この場合も本発明のろうつけ方法を適用することによりろう材の流動阻止効果を得ることが可能でなる。
以下に、実施例と比較例に基づいて本発明を実施の形態を具体的に説明する。
実施例1〜7及び比較例1〜3
(1)ヘッダーの作製
ヘッダー用材料には、JISA3003合金の心材、JISA4045合金のろう材からなるブレージングシートを用いた。心材及びろう材の合金成分を表1に示す。ろう材は心材のチューブ側の片面にクラッドし、クラッド率は10%とした。ろう材の溶融開始温度は577℃であった。心材は、通常の金型鋳造を行い、鋳塊を厚さ45mmに面削した。ろう材は、金型鋳造を行い、鋳塊の両面を5mmずつ面削し、510℃で1時間の予備加熱後、熱間圧延により厚さ5mmとした。心材とろう材を重ね合わせて総厚さが50mmとなるようにした。次いで、480℃で1時間の予備加熱を行い、熱間圧延で5mmまで圧延し、1.5mmまで冷間圧延を行い、380℃で3時間の焼鈍を行い、厚さ1.5mmのシートを得た。このようにして作製したヘッダー用材料を50×100mmに切断した後、チューブを差し込むための穴を開けた。ヘッダーのろう材面には表2に示す混合比のフッ化物からなるフラックスを付着量5g/m塗布した。
Figure 2010017721
Figure 2010017721
(2)チューブの作製
チューブ用材料には、JISA3003合金の心材、JISA4045合金のろう材からなるブレージングシートを用いた。心材及びろう材の合金成分は、ヘッダーのものと同じである。ろう材は心材のフィン側の片面にクラッドし、クラッド率は10%とした。心材は、通常の金型鋳造を行い、鋳塊を厚さ45mmに面削した。ろう材は、金型鋳造を行い、鋳塊の両面を5mmずつ面削し、510℃で1時間の予備加熱後、熱間圧延により厚さ5mmとした。心材とろう材を重ね合わせて総厚さが50mmとなるようにした。次いで、480℃で1時間の予備加熱を行い、熱間圧延で5mmまで圧延し、0.3mmまで冷間圧延を行い、380℃で3時間の焼鈍を行い、厚さ0.3mmの板状チューブ材を得た。このようにして作製した板状チューブ材を40×200mmに切断した後に折り曲げ加工を施して、図2に示すチューブ形状とした。チューブの外面には表2に示す混合比のフッ化物からなるフラックスを付着量5g/m塗布した。
(3)フィンの作成
フィン用材料には、JISA3003合金のベア材を用いた。ベア材の合金成分は、ヘッダー及びチューブの心材と同じである。フィン材は通常の金型鋳造を行い、鋳塊の両面を面削し総厚さが50mmとなるようにした。次いで、560℃で1時間の予備加熱を行い、熱間圧延で5mmまで圧延し、0.2mmまで冷間圧延を行い、380℃で1時間の中間焼鈍を行い、最終冷間圧延により厚さ0.1mmのシートを得た。このようにして作製したフィンを幅20mmに切断した後コルゲート加工を施してフィンを作製した。
(4)ろう付け
以上のようにして作製したヘッダー、チューブ及びフィンを図2に示す熱交換器形状に組み付けた。なお、塗布した各フラックスについて状態図から読み取った溶融開始温度を表2に示す。組み付け後の熱交換器コアを窒素ガス雰囲気中で加熱した。チューブ温度を測定して加熱温度とした。15分かけて室温から600℃まで加熱し、600℃で5分間維持して、その後5分間冷却してろう付けを完了した。
ろう付け後の熱交換器について、チューブとヘッダーのろう付け部位におけるフィレットの断面観察を行い、図3に示すフィレット長さ8を測定した。また、チューブのろう付け部におけるチューブ材の溶融状態を観察した。これらの評価結果を表2に示す。
表2から明らかなように、実施例1〜7ではヘッダーとチューブのろう付け接合部に十分な長さのフィレットが形成され、チューブ材の溶融も観察されなかった。
一方、比較例1、3ではヘッダーに塗布したフラックスの溶融開始温度とチューブに塗布したフラックスの溶融開始温度が同じであり、比較例2ではヘッダーに塗布したフラックスの溶融開始温度がチューブに塗布したフラックスの溶融開始温度よりも低いため、いずれもヘッダーとチューブのろう付け接合部のフィレット長さは短く、チューブのろう付け部には溶融箇所が観察された。これは、ヘッダーで溶融したろう材がチューブのろう付け部に沿ってチューブ側に流れ込んだためである。
以上述べたように、熱交換器に製造において本発明のろうつけ方法を適用することにより、ヘッダーからチューブへのろう材の流動を防止できるため、良好なろう付け性を確保することができ、より高品質なろう付け製品が得られる。
Al材からなるヘッダー、Al板材をプレート状に成型して組み合わせたチューブ、Al材からなるフィンを組み付けた製熱交換器を示す斜視図。 Al材からなるヘッダー、Al板材を折り曲げ加工により成型したチューブ、Al材からなるフィンを組み付けた製熱交換器を示す斜視図。 ヘッダーとチューブのろう付け部のフィレットを示す断面図。
符号の説明
1・・ヘッダー
2・・チューブ
3・・フィン
4・・ヘッダーのろう材の流動路となる溝
5・・ヘッダーとチューブのろう付け接合部
6・・チューブとフィンのろう付け接合部
7・・ヘッダーとチューブのろう付け接合部のフィレット
8・・フィレット長さ

Claims (3)

  1. ヘッダー、チューブ及びフィンをろう付けにより接合する熱交換器のろう付け方法において、
    前記ヘッダーはAl材からなる心材とAl材からなるろう材とを含み、前記チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方は、Al材からなる心材とAl材からなるろう材とを含み、前記チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方に塗布するフッ化物系フラックスよりも溶融開始温度が高温であるフッ化物系フラックスを前記ヘッダーに塗布して加熱することを特徴とするろう付け方法。
  2. 前記チューブ及びフィンの少なくともいずれか一方に塗布するフラックスをKAlFを4〜22モル%と残部がKAlFとし、前記ヘッダーに塗布するフラックスをAlFを0〜15モル%と残部がKAlFとする、請求項1に記載のろう付け方法。
  3. 前記チューブが、Al材からなる心材とAl材からなるろう材とを含み、前記フィンがAl材からなる心材を含む、請求項1又は2に記載のろう付け方法。
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