JP2014136223A - フラックス転写シート、フラックス付着方法およびろう付け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属、特に、アルミニウムにフラックスを付着させるためのフラックス転写シート、フラックス付着方法及びろう付け方法を提供する。
【解決手段】フラックス転写シートは、シート状の基材フィルム層4と、前記基材フィルム層4上に積層されるフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層2と、を備え、金属部材Wの表面に前記フラックス層2を転写する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属、特に、アルミニウムにフラックスを付着させるためのフラックス転写シート、フラックス付着方法及びろう付け方法に関する。
従来、アルミニウムなどの金属部材をろう付けする際に、金属部材の表面にフラックスを付着させてろう付けが行われている。
アルミニウムにろう付けするためのフラックスは、アルミニウムとの密着力が殆どなく、フラックスの脱落によりろう付け不良が生じるため、フラックスと樹脂バインダーなどを混合した塗料を生成し、アルミニウム部材表面に当該塗料を塗布してフラックス脱落を防止することが提案されている(例えば、特許文献1)。
特許第3734635号
しかしながら、ろう付けを確実なものとするためには、アルミニウム部材表面にフラックスを均一に付着させる必要があるが、特許文献1に示すような塗料を塗布する場合には、アルミニウム部材表面に付着した塗料が部分的に溜まるなどして、アルミニウム部材表面にフラックスを均一に付着させることは困難であった。
また、アルミニウム部材表面に付着させた塗料を乾燥させるためには、乾燥工程に時間を要する上、アルミニウム部材を短時間で乾燥させるには乾燥装置などが必要となり、その場合には、アルミニウム部材全体を収めることのできる大きさの装置が必要となるため、製造装置全体の規模が大きくなってしまうという問題があった。
更に、アルミニウム部材を乾燥させる際の温度が高過ぎると、アルミニウム部材に歪みなどの変形が生じるという虞があった。
本発明は、上述した技術背景に鑑み、金属、特に、アルミニウムにフラックスを容易に付着させることができるフラックス付着方法及びフラックス転写シートの提供を目的とする。
即ち、本発明は下記[1]〜[7]に記載の構成を有する。
[1] シート状の基材フィルム層と、
前記基材フィルム層上に積層されるフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層と、
を備え、
金属部材の表面に前記フラックス層を転写することを特徴とするフラックス転写シート。
[2] 前記基材フィルム層の前記フラックス層と反対側には、第1離型フィルム層が設けられることを特徴とする前項1に記載のフラックス転写シート。
[3] 前記基材フィルム層と前記フラックス層の間には、第2離型フィルム層が設けられることを特徴とする前項1に記載のフラックス転写シート。
[4] 前記基材フィルム層の前記フラックス層と反対側には、第1離型フィルム層が設けられ、
前記基材フィルム層と前記フラックス層の間には、前記第1離型フィルム層よりも離型性の低い第2離型フィルム層が設けられることを特徴とする前項1に記載のフラックス転写シート。
[5] 前記金属部材が、アルミニウム部材であることを特徴とする前項1〜4のいずれかに記載のフラックス転写シート。
[6] 基材フィルム層上にフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層が積層された転写シートを用いて、
金属部材の表面に前記転写シート上の前記フラックス層を転写することを特徴とするフラックス付着方法。
[7] 基材フィルム層上にフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層が積層された転写シートを用いて、
金属部材の表面に前記転写シート上の前記フラックス層の転写がなされ、
前記フラックス層が転写された前記金属部材を組み立ててろう付けがなされることを特徴とするろう付け方法。
上記[1]に記載の発明によれば、シート状の基材フィルム層と、基材フィルム層上に積層されるフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層と、を備え、金属部材の表面にフラックス層を転写するので、塗料などの溶液を金属部材に直接塗布する場合とは異なり、金属部材の表面に少量のフラックスを均一に付着させることが容易になり、乾燥工程の時間が不要となるため金属部材の製造時間を短縮させることができる。
高温で乾燥させる乾燥装置が不要となるので、金属部材を製造する装置全体の規模を縮小させることができ、高温乾燥により金属部材が変形するなどの虞がなくなる。
また、転写シート及び金属部材の表面の必要な箇所のみにフラックスを付着させることができ、フラックスの付着が不要な箇所のマスキング作業が不要となるため作業負担が軽減される上、転写フィルムを金属表面に密着させて転写させるだけで容易にフラックスを付着させることができるので、自動化に最適である。
上記[2]に記載の発明によれば、第1離型フィルム層が、基材フィルム層のフラックス層と反対側に設けられるので、フラックス転写シートがロール状に巻かれた状態で使用される場合に、最も外側に位置するフラックス層は、第1離型フィルム層と接触することになるため、フラックス転写シートが巻き解かれる際などであっても、フラックス層の表面が接触する第1離型フィルム層に張り付いたりすることなくフラックス転写シートを剥離させることができる。
上記[3]に記載の発明によれば、基材フィルム層とフラックス層の間には、第2離型フィルム層が設けられるので、金属部材にフラックス層を転写させるためフラックス転写シートを剥がす際に、フラックス層がうまく剥がれずにフラックス転写シートに残ることなく、フラックス層を金属部材の表面に転写させることができる。
上記[4]に記載の発明によれば、基材フィルム層のフラックス層と反対側に第1離型フィルム層が設けられ、基材フィルム層とフラックス層の間には、第1離型フィルム層よりも離型性の低い第2離型フィルム層が設けられるので、フラックス転写シートがロール状に巻かれた状態で使用される場合に、第1離型フィルム層と接触することになる最も外側に位置するフラックス層が、フラックス転写シートが巻き解かれる際などに、第2離型フィルム層からフラックス層が剥がれて、フラックス層の表面が接触する第1離型フィルム層に張り付くなどすることなくフラックス転写シートを剥離させることができる。
また、フラックス層を金属部材に転写させるためフラックス転写シートを剥がす際には、フラックス層がうまく剥がれずに基材フィルム層側に残ることなく、金属部材の表面に転写させることができる。
上記[5]に記載の発明によれば、金属部材がアルミニウム部材であるので、アルミニウムとの密着力が殆どないフラックスであるにも関わらず、アルミニウム部材の表面に少量のフラックスを均一に付着させることが容易になり、乾燥工程の時間が不要となるためアルミニウム部材の製造時間を短縮させることができる。
上記[6]に記載の発明によれば、基材フィルム層上にフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層が積層された転写シートを用いて、金属部材の表面に転写シート上のフラックス層を転写させるので、塗料などの溶液を金属部材に直接塗布する場合とは異なり、金属部材の表面にフラックスを均一に付着させることが容易になり、乾燥工程の時間が不要となるため金属部材の製造時間を短縮することができる。
高温で乾燥させる乾燥装置が不要となるので、金属部材を製造する装置全体の規模を縮小させることができ、高温乾燥により金属部材が変形するなどの虞がなくなる。
また、転写シート及び金属部材の表面の必要な箇所のみにフラックスを付着させることができ、フラックスの付着が不要な箇所のマスキング作業が不要となるため作業負担が軽減される上、転写フィルムを金属表面に密着させて転写させるだけで容易にフラックスを付着させることができるので、自動化に最適である。
上記[7]に記載の発明によれば、基材フィルム層上にフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層が積層された転写シートを用いて、金属部材の表面に転写シート上のフラックス層の転写がなされ、フラックス層が転写された金属部材を組み立ててろう付けがなされるので、金属部材の表面に少量のフラックスを均一に付着させてろう付けすることができ、乾燥工程の時間が不要となるため金属部材の製造時間を短縮することができる。
高温で乾燥させる乾燥装置が不要となるので、金属部材を製造する装置全体の規模を縮小することができ、高温乾燥により金属部材が変形するなどの虞がなくなる。
また、転写シート及び金属部材の表面の必要な箇所のみにフラックスを付着させることができるので材料の無駄がなく、フラックスの付着が不要な箇所のマスキング作業が不要となるため作業負担を軽減することができる。
本発明に係るフラックス転写シートの概略構成図である。 本発明に係るフラックス転写シートの使用方法説明図である。 本発明に係るフラックス転写シートの使用方法説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、フラックス転写シート1の概略構成図、図2,3は、フラックス転写シート1の使用方法説明図である。
本発明のフラックス転写シート1は、金属、特に、アルミニウム部材の表面にフラックスを容易に付着させるためのものである。
以下では、アルミニウム部材よりも融点が低いろう材が予め供給されたアルミニウム部材の表面に、フラックスを付着させてろう付けを行う場合を例に説明する。
尚、具体的なろう材の供給方法としては、アルミニウム部材の表面最上層にろう材がクラッドされる方法、アルミニウム部材の表面にろう材を溶射する方法など公知の技術が適用可能である。
アルミニウム部材は、例えば、窒素ガス雰囲気の条件下で非腐食性フッ化物系フラックスなどの非腐食性フラックスを用いたろう付け法によりろう付けされる。
非腐食性フラックスを用いたろう付け法では、フラックスが非常に少ない量(例えば、3g/m〜10g/m)で用いられるため、本来多量の樹脂バインダーと混合されるべきであるが、樹脂バインダーの量が多過ぎると、揮発しない樹脂バインダーの成分が炭化してろう付け不良の原因となる。
しかしながら、本発明のフラックス転写シート1を用いたろう付けによれば、少量の樹脂バインダーであっても均一な被膜を生成することができ、ろう付け不良を起こすことがない。
図1に示すように、フラックス転写シート1は、シート状の基材フィルム層4と、基材フィルム層4上に積層されるフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層2と、を備えている。
フラックス層2と基材フィルム層4の間には、離型処理された離型フィルムからなる第2離型フィルム層3が設けられており、アルミニウム部材表面にフラックス層2を転写させる際に、基材フィルム層4からフラックス層2が容易に剥離されるように構成されている。
このように構成されることにより、金属部材にフラックス層2を転写させるためフラックス転写シート1を剥がす際に、フラックス層2がうまく剥がれずにフラックス転写シート1に残ることなく、フラックス層2を金属部材の表面に転写させることができる。
更に、フラックス転写シート1は、基材フィルム層4を挟んでフラックス層2及び第2離型フィルム層3と反対側(図1に示された基材フィルム層4の下層)にも、離型処理された離型フィルムからなる第1離型フィルム層5が設けられている。
即ち、図1に示すように、基材フィルム層4は、その両面に離型フィルム層3,5が設けられており、基材フィルム層4とフラックス層2との間に設けられた第2離型フィルム層3は、第1離型フィルム層5よりも離型性の低いフィルムが用いられている。
このため以降では、フラックス層2と基材フィルム層4の間の第2離型フィルム層3を「弱離型フィルム層3」、第1離型フィルム層5を「強離型フィルム層5」とも呼ぶ。
フラックス転写シート1は、ロール状に巻かれた状態で使用される場合にフラックス転写シート1は積層されることになるが、最も外側に位置するフラックス層2が強離型フィルム層5に接触することになるため、フラックス転写シート1が巻き解かれる際などに、弱離型フィルム層3からフラックス層2が剥がれて、フラックス層2の表面が接触する強離型フィルム層5に張り付くなどすることなく、フラックス転写シート1を剥離させることができる。
(フラックス転写シートの生成方法)
フラックス転写シート1は、以下の方法で生成される。
フラックス:樹脂バインダーを99:1〜70:30(重量比)の割合で混合して、フラックスの溶解したフラックス溶液を得る。
例えば、フラックスには、KF・AlFの共晶組成或いはこれに近い組成範囲の錯体混合物、KAlF,KAlF,KAlF,ZnKFなどの錯体化合物、CsF,RbF,LiF,NaF,CaFなどの非腐食性フッ化物系フラックスなどが用いられる。
また、樹脂バインダーには、アクリル酸またはメタクリル酸及びそれらのエステル類の重合体、またはこれらの2種類以上からなる共重合体などのアクリル系樹脂、ポリアルキレンオキサイト、アルキッド樹脂、アルキッド樹脂とブチル樹脂(又は石油樹脂)の混合物などが用いられる。
例えば、樹脂バインダーにアクリル樹脂を用いた場合には、フラックス及び樹脂バインダーの合計を100重量%として、5重量%〜20重量%の樹脂バインダーを配合することが好適であり、より好適には、10重量%前後の樹脂バインダーが配合される。
尚、フラックス及び樹脂バインダーの好適な混合比は樹脂バインダーによって異なるため、混合する材料に適した混合比で適宜混合すればよい。
フラックス及び樹脂バインダーを混合する際、溶剤を使用してフラックス溶液の粘度を調整すると、良好にフラックス転写シート1を生産できるようになる。
使用される溶剤としては、例えば、アクリル樹脂を溶解する有機溶剤が使用可能であり、樹脂バインダーの組成によっては水も使用される。
有機溶剤は、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコールなどのエーテル類またはアセテート類などを適用可能である。
更に、塗工液の性能を調整する或いは性能を向上させるため添加剤を混合するのであってもよく、一般的な脱泡材、レベリング剤、表面調整剤などの各種添加剤を混合することができる。
基材フィルム層4の一方の面には、離型処理のなされたフィルムが積層されてなる弱離型フィルム層3が設けられ、弱離型フィルム層3上に当該フラックス溶液が均一に付着するよう塗布される。
塗工量は、フラックスが1g/m〜30g/mとなるように調整され、フラックスが3g/m〜10g/mとなるように塗工量が調整されることが好適である。
尚、フィルムに樹脂バインダーを塗布する方法としては、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーターなどの公知の塗工装置による塗工方法が挙げられる。
基材フィルム層4には、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)やポリプロピレン(PP)、塩化ビニル(PVC)などの市販のフィルムを適用可能であり、製造時に使用する溶剤に対する耐性及び乾燥時における耐熱性を有するものが使用される。
使用されるフィルムの厚さは、例えば、9μm〜30μmの厚さのものが好適に用いられる。
フラックス溶液を付着させた基材フィルム層4を乾燥させて、基材フィルム層4上にフラックス層2を形成する。
尚、フラックス溶液を付着させた基材フィルム層4を乾燥させる乾燥装置としては、基材フィルム層4を加熱炉などで加熱乾燥させるなど、適宜公知の乾燥装置を用いることができ、塗工装置と組み合わせて連続してフラックス転写シート1を乾燥させることができるものを採用することが好ましい。
フラックス溶液は、基材フィルム層4の全面に塗布されるのであってもよいし、材料に無駄が生じることがないため、アルミニウム部材のろう付けする部位の形状に合うように塗布されてフラックス層2が形成されるのであってもよい。
基材フィルム層4の弱離型フィルム層3が設けられていない側の面には、弱離型フィルム層3よりも離型性の高い離型処理のなされたフィルムが積層されてなる強離型フィルム層5が設けられる。
弱離型フィルム層3及び強離型フィルム層5で用いられる離型フィルムには、ポリエチレンテレフタレート系、ポリプロピレン系及びその他の剥離処理がされたフィルムなど公知のものを使用することができる。
上述したようなフラックス転写シート1であれば、ロールtoロール方式によって塗工を行うことができるので、フラックスの塗工を効率的に行うことができる。
(フラックス転写シートの使用方法)
生成されたフラックス転写シート1は、図2に示すようなアルミニウム部材の製造工程において使用される。
製造工程100は、アルミニウム部材W(以下、「ワークW」と記す。)を載置して下流側へ送るためのベルトコンベア6などが設けられている。
製造工程100の最も上流側には、ロール状に巻かれたフラックス転写シート1が配置され、ロール状のフラックス転写シート1が巻き解かれて下流側へ向かって送られ、巻き解かれたフラックス転写シート1は再度巻き取られるように構成されている。
フラックス転写シート1は、巻き解かれて下流側へ送られる際に、フラックス層2の面がベルトコンベア6の載置面と対面するように設定されている。
製造工程100は、例えば、3つの工程からなり、巻き解かれたフラックス転写シート1は、最初に圧着工程Aへと送られる。
圧着工程Aでは、例えば、ワークWの表面にフラックス転写シート1を当て、ワークW表面のろう付け予定部位にフラックス転写シート1のフラックス層2を密着させる。
ワークW表面にフラックス転写シート1を密着させる方法としては、ワークW表面にフラックス転写シート1を当てた状態で、プレス機などによって加圧して密着させる、或いは真空室などに入れたワークW表面にフラックス転写シート1を当てた状態で、真空ポンプなどによって減圧させて密着させるなどの方法が用いられる。
フラックス転写シート1は、可撓性を有する素材からなるため、ワークWの表面に凸凹がある場合であっても、多少の凹凸であればワークW表面の形状に合わせて容易に密着させることができる。
ベルトコンベア6に載せられたワークWの上面は、下流側へ送られるフラックス転写シート1を圧着させ易い高さに設定されている。
続いて、フラックス転写シート1を密着させた状態のワークWが、転写工程Bに送られる。
転写工程Bでは、ワークWに密着しているフラックス層2を加圧或いは加熱などすることによって、フラックス層2をワークW表面に転写させる。
具体的には、平板のワークWであれば、ロールラミネーターなどを用いてワークWの表面に密着しているフラックス層2を転写させる。
尚、ロールラミネーターの他には、真空ラミネーター装置を用いて、ワークW表面にフラックス層2を転写させるのであってもよい。
凹凸な表面を有しているなど、平板ではないワークWであれば、真空ラミネーター装置の他、金属、プラスチックなどの材料でワークWに対応する加圧用型を作成して押し付ける方法、ゴム等の熱可塑性樹脂からなる風船を押し付ける方法、風圧や水圧などの圧力を利用する方法などによってワークW表面にフラックス層2を転写させる。
加熱する方法としては、熱ロールや予め加熱させた加圧用型などをワークWに接触させて加熱する接触型加熱、赤外ヒーターや熱風ヒーターなどワークWに接触させずに加熱する非接触型加熱などが用いられる。
尚、加圧時に同時にワークWが加熱されるのであってもよいし、加圧後にワークWが加熱されるのであってもよい。
続いて剥離工程Cでは、ワークW及びフラックス転写シート1が下流側に送られて、ワークWに密着していたフラックス転写シート1がワークW表面から剥がされる。
ワークWの表面には、転写工程Bにおいて転写されたフラックス層2のみが付着し、フラックス転写シート1のフラックス層2以外のフィルム層(例えば、強離型フィルム層5、基材フィルム層4及び弱離型フィルム層3)が下流側に送られて再度ロール状に巻き取られる。
このようしてフラックスが付着されたアルミニウム部材Wは、ろう付け工程に供される。
ろう付け工程では、例えば、非腐食性フラックスを用いたろう付け法が用いられ、窒素ガス雰囲気の条件下において、少なくともろう材の付着箇所を約450℃〜600℃まで加熱することによってろう材を溶融させ、アルミニウム部材W同士の接合がなされる。
上述したような基材フィルム層4上にフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層2が積層された転写シート1を用いて、金属部材Wの表面にフラックス層2の転写がなされ、フラックス層2が転写された金属部材Wを組み立ててろう付けがなされるので、金属部材Wの表面に少量のフラックスを均一に付着させてろう付けすることができ、乾燥工程の時間が不要となるため金属部材Wの製造時間を短縮することができる。
高温で乾燥させる乾燥装置が不要となるので、金属部材を製造する装置全体の規模を縮小することができ、高温乾燥により金属部材Wが変形するなどの虞がなくなる。
また、金属部材Wのろう付け予定部位のみ、即ち、転写シート1及び金属部材Wの表面の必要な箇所のみにフラックスを付着させることができるので、材料であるフラックスに無駄が生じることがなく、フラックスの付着が不要な箇所のマスキング作業が不要となるため作業負担を軽減することができる。
上述した金属部材Wがアルミニウム部材であれば、アルミニウムとの密着力が殆どないフラックスであるにも関わらず、アルミニウム部材Wの表面に少量のフラックスを均一に付着させることが容易になり、乾燥工程の時間が不要となるためアルミニウム部材の製造時間を短縮させることができる。
上述したように、フラックス層2と基材フィルム層4の間に弱離型フィルム層3が設けられ、基材フィルム層4の前記離型フィルム層と反対側の面に強離型フィルム層5が設けられることが好適であるが、両離型フィルム層が設けられない構成であってもよく、また、何れか一方の離型フィルムのみが設けられる構成であってもよい。
上述では、非腐食性フッ化物系フラックスなどの非腐食性フラックスを用いたろう付け法を例として説明したが、基材フィルム上にフラックスを含んだフラックス層2が積層された本願発明のフラックス転写シート1を適用可能であれば、ろう付け法やフラックスの種類などは特に限定されるものではない。
また、フラックスに混合される樹脂バインダーについても、特にその種類を限定して使用されるものではなく、適用可能な種類の樹脂バインダーを採用すればよい。
加えて、フラックスが積層される基材フィルム層4についても、コンパクトに持ち運び可能である点から、ロール状に巻かれる及び巻き解かれることが可能な可撓性を有する素材が用いられることが好適ではあるが、特にこれに限定されるものではない。
フラックスが転写される金属部材はアルミニウム部材として説明したが、フラックスを付着させてろう付けがなされる金属であれば、本発明のフラックス転写シート1、フラックス付着方法及びろう付け方法を適用可能である。
以上説明したように、本発明のフラックス転写シート1は、シート状の基材フィルム層4と、基材フィルム層4上に積層されるフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層2と、を備え、金属部材Wの表面にフラックス層2を転写するので、基材フィルム層4上にフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層2が積層された転写シートを用いて、金属部材Wの表面にフラックス層2を転写させるので、塗料などの溶液を塗布する場合とは異なり、金属部材Wの表面に少量のフラックスを均一に付着させることが容易になり、乾燥工程の時間が不要となるため金属部材Wの製造時間を短縮させることができる。
高温で乾燥させる乾燥装置が不要となるので、金属部材を製造する装置全体の規模を縮小することができ、部材が変形するなどの虞がなくなる。
また、転写シート及び金属部材の表面の必要な箇所のみにフラックスを付着させることができ、フラックスの付着が不要な箇所のマスキング作業が不要となるため作業負担が軽減される上、転写フィルムを金属表面に密着させて転写させるだけで容易にフラックスを付着させることができるので、自動化に最適である。
更に、フラックス転写シート1の製造に樹脂バインダーが用いられる場合には大量の有機溶剤が使用されるため、乾燥の際に発生するVOC(揮発性有機化合物)による大気汚染防止の処理などを行う必要があるが、本発明によれば、アルミニウム部材Wの塗工処理及び乾燥処理がフラックス転写シート1の製造工程でまとまっているので、大量の溶剤の使用箇所を局所的なものとすることができる。
これにより、大気汚染防止の処理装置をラックス転写シート1の製造工程内で局所的に扱うことができるようになる上、ろう付けを行うアルミニウム部材Wの組み立てがなされる製造現場において大量の溶剤を使用する必要がなくなり、大気汚染防止の処理装置や有機溶剤の使用に伴う防爆対策などが不要となるので、アルミニウム部材Wの製造現場における作業効率を向上させてコストを低減することができる上、より安全性を高めることができる。
尚、本発明のフラックス付着方法及びろう付け方法によっても、上述した本発明のフラックス転写シート1を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
以上説明した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において具体的構成などを適宜変更設計できることは言うまでもない。
1…フラックス転写シート
2…フラックス層
3…弱離型フィルム層(第2離型フィルム層)
4…基材フィルム層
5…強離型フィルム層(第1離型フィルム層)
W…アルミニウム部材、ワーク(金属部材)

Claims (7)

  1. シート状の基材フィルム層と、
    前記基材フィルム層上に積層されるフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層と、
    を備え、
    金属部材の表面に前記フラックス層を転写することを特徴とするフラックス転写シート。
  2. 前記基材フィルム層の前記フラックス層と反対側には、第1離型フィルム層が設けられることを特徴とする請求項1に記載のフラックス転写シート。
  3. 前記基材フィルム層と前記フラックス層の間には、第2離型フィルム層が設けられることを特徴とする請求項1に記載のフラックス転写シート。
  4. 前記基材フィルム層の前記フラックス層と反対側には、第1離型フィルム層が設けられ、
    前記基材フィルム層と前記フラックス層の間には、前記第1離型フィルム層よりも離型性の低い第2離型フィルム層が設けられることを特徴とする請求項1に記載のフラックス転写シート。
  5. 前記金属部材が、アルミニウム部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフラックス転写シート。
  6. 基材フィルム層上にフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層が積層された転写シートを用いて、
    金属部材の表面に前記転写シート上の前記フラックス層を転写することを特徴とするフラックス付着方法。
  7. 基材フィルム層上にフラックス及び樹脂バインダーからなるフラックス層が積層された転写シートを用いて、
    金属部材の表面に前記転写シート上の前記フラックス層の転写がなされ、
    前記フラックス層が転写された前記金属部材を組み立ててろう付けがなされることを特徴とするろう付け方法。
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