JP3858664B2 - プロジェクションスクリーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面投射型(リア型)のプロジェクションテレビのうち、特にLCD(液晶表示装置)やDMD(Digital−Micromirror−Device;テキサスインスツルメンツ社の登録商標)などのようなセル構造を有するプロジェクタからの画像を投影する方式のプロジェクションテレビ用のスクリーン(以下、プロジェクションスクリーンと称する)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプロジェクションスクリーンの一つとして、図2に示すように、CRTプロジェクタを具備する背面投射型プロジェクションテレビ向けに汎用的に使用されているスクリーンが公知である。
前記スクリーンは、通常、観察者側から順に、少なくとも両面に凹凸部を有するレンチキュラーシート20,フレネルレンズシート10の2枚のレンズシート部材から構成され、観察者側の最外位置に表裏が平坦な保護板30が配置される場合もある。
【0003】
両面に凹凸部を有するレンチキュラーシート20は、垂直方向を長手方向とする縦長のシリンドリカルレンズを水平方向に連続して複数配列したレンズ部22,23を、両面に形成してなる構成であり、3管式プロジェクタから投射される映像光を、水平方向に屈折拡散させる作用を持つ投射側のレンズ部22と、この投射側のレンズ部22との相乗作用により、水平方向に屈折拡散させる作用と、カラーシフトを修正する作用を持つ観察側のレンズ部23の両面凹凸部からなる。
また、両面に凹凸部を有するレンチキュラーシート20は、観察面側に凹凸があるため、ほこり、ゴミが付着しやすいため、この付着防止と、後述する遮光層25を保護するため、保護板30を配置される場合もある。
この保護板30は、基板31の観察面側に耐擦傷性のハードコートや、帯電防止処理などの表面処理層38が施されている。
【0004】
両面に凹凸部を有するレンチキュラーシートは、押し出し法などにより成形されるが、カラーシフトを修正するには、両面のレンズの光軸が合っていなければならない。
一方、表示画像の高精細化に伴い、レンズのファインピッチ化が要求されている。具体的には、現状の0.7mm前後から0.3mm以下、さらに0.2mm以下のファインピッチ化が要求されている。これに伴い、プロジェクター用スクリーンとしては、視野が明るいことやコントラストを向上させるためファインピッチなレンチキュラーレンズの非集光部に対応したブラックストライプ(BS)からなる遮光層25を形成することが必要となってきている。
前述した熱プロセスを利用した成型したレンチキュラーレンズシートは、BSを印刷法で設けなければならず、ファインピッチなレンチキュラーレンズシートの製造は困難である。
【0005】
また、映像光は、水平方向だけでなく、垂直方向にも視域を広げて、観察者に視覚させる必要がある。垂直方向の視域は、レンズによる屈折拡散作用でなく、光拡散材による拡散作用により拡げることが行われている。具体的には、レンチキュラーシートに、光拡散材24を適用することが行われている。
【0006】
光拡散材の適用にあたっては、レンチキュラーシート自体に光拡散材を混入して、レンズシート光拡散材を分散させたり、レンズシートとは別の部材として、光拡散材を含むインキや粘着材等の塗布材をレンチキュラーシートに塗布形成したり、光拡散材を練り込んだ樹脂を押し出し成形したシートを、レンチキュラーシートに積層する、などの手法が適宜採用されている。
【0007】
両面に凹凸部を有するレンチキュラーシート20は、両面のレンズ部の形状を適切に設計することで、複数台のプロジェクタ(投射レンズ)をオフセットして配置しても、観察者側に出射する表示光のカラーシフト(色ずれ)を回避する上で有効であり、多管式のCRT投射型プロジェクションテレビに用いられている。
一方、液晶投射型プロジェクションテレビやDMD(DLP)方式のプロジェクタを用いたプロジェクションテレビでは、プロジェクタ(投射レンズ)が単独であり、上記カラーシフトの問題がないため、片面のみにレンズ部を有する片面レンチキュラーシートを使用することができる。
【0008】
液晶投射型プロジェクションテレビに使用される透過型プロジェクションスクリーンの例を、図3により説明する。
透過型プロジェクションスクリーンは、基本的にレンチキュラーシート70と、フレネルレンズシート60の2つの部材から構成されている。
レンチキュラーシート70は、レンズ部71を片面のみに形成し、また、レンズ部71を形成されていない平坦面には、遮光層(BS)75が形成されている。
そして、前述の両面に凹凸部を有するレンチキュラーシートと同様に、光拡散材による拡散作用が発揮できる手法が採用されている。
具体的には、光拡散材の適用にあたっては、レンチキュラーシート自体に光拡散材を混入して、レンズシート光拡散材を分散させたり、レンズシートとは別の部材として、光拡散材を含むインキや粘着材等の塗布材をレンチキュラーシートに塗布形成したり、光拡散材を練り込んだ樹脂を押し出し成形したシートを、レンチキュラーシートに積層する、などの手法が適宜採用されている。
図3においては、拡散基板80を、粘着層87を介して、レンチキュラーシート70の遮光層75面に積層して用いている。
この拡散基板80は、拡散材84を混入した拡散層81、この拡散層81の観察面側にハードコート層88からなる。ここで、前記ハードコート層88に、さらに光拡散作用を付加させてもよい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
液晶透過型プロジェクションテレビやDMD方式のプロジェクションテレビでは、投影レンズの投射瞳の径が小さいため、CRT透過型プロジェクションテレビに比較して、プロジェクターからの入射光の輝度が局所的に高くなる現象(ホットスポット)、シリンドリカルレンズの並設方向に縞状に明るく見える現象(ホットバー)、投影画像内に視覚される不要なちらつきの現象(シンチレーション)が発生しやすかった。
前記のホットバーを解消するためには、光拡散性を高くする必要があり、1つの方法として、光拡散層の厚みを厚くすることにより解決することができる。
一方、高精細化の映像画質を得るためには、解像度の低下を招かないように、光拡散層の厚みをできるだけ薄くすることが求められ、前述のホットバーの解決と相反する解決を求められている。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みて、投射型プロジェクションテレビ、特に高精細な液晶パネルを用いた投射型プロジェクションテレビに使用可能なプロジェクションスクリーンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
プロジェクタからの投射光を、略平行光として出射する作用を持つフレネルレンズシートと、観察者側に配置されたレンチキュラーシートを組み合わせたプロジェクションスクリーンにおいて、
フレネルレンズシートとレンチキュラーシートは、光拡散基板の表面にレンズ部が形成されており、
前記光拡散基板は、投射光の透過方向に、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層と、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層とから構成される種類の異なる2以上の光拡散層を設けた構成であり、
フレネルレンズシートは、光拡散基板の反プロジェクタ側にフレネルレンズ部が形成されており、前記光拡散基板は、プロジェクタ側の最外の光拡散層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であり、
レンチキュラーシートは、光拡散基板のフレネルレンズシート側にレンズ部が形成されており、前記光拡散基板は、観察者側に最も近い光拡散層は、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であると共に、前記光拡散基板としては、紫外光領域での平均透過率が350〜400nmで60%以上、300〜350nmで80%以下の範囲内にあるものを使用する
ことを特徴とするプロジェクションスクリーンである。
【0012】
上記プロジェクションスクリーンを構成する上で好適なフレネルレンズシートは、光拡散基板の反プロジェクタ側にレンズ部が形成されており、
前記光拡散基板は、プロジェクタ側の最外の光拡散層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であり、レンチキュラーシート側の最外の光拡散層は、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であることを特徴とする。
【0013】
また、上記プロジェクションスクリーンを構成する上で好適なレンチキュラーシートは、光拡散基板のフレネルレンズシート側にレンズ部が形成されており、前記光拡散基板は、フレネルレンズシート側の最外の光拡散層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であり、観察者側の最外の光拡散層は、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であることを特徴とする。
【0014】
また、上記レンチキュラーシートでは、
フレネルレンズシート側に面する基板の片面にレンズ部が形成され、基板の他面には、前記レンズ部による集光部(開口部)以外の位置にストライプ状の遮光層が形成されており、前記遮光層上に粘着層を介して光拡散基板が積層された構成であって、
前記粘着層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる構成であっても良い。
【0015】
【発明の実施形態】
本発明の実施形態について図1を用いて説明する。
図1に示すプロジェクションスクリーンは、入射側(プロジェクタ側)にフレネルレンズシート90、出射側(観察者側)にレンチキュラーシート100を配置した構成である。
【0016】
フレネルレンズシート90は、光拡散基板91の片面(観察者側)にフレネルレンズ部92を設けた構成である。
光拡散基板91の他面(プロジェクタ側)には、必要に応じてシリンドリカルレンズ群93が形成される。
前記シリンドリカルレンズ群93は、後述するレンチキュラーシート100のレンズ部102とは、レンズ群の並設方向が直交する関係(レンズ群の並設方向は、同図で紙面に垂直方向となる)であり、観察者にとって垂直方向に表示光を広げるように機能するために形成され、光拡散基板91に用いられる光拡散剤の添加量を低減させる上でも好適である。
シリンドリカルレンズ群93は、光拡散基板91と別の材料からなるレンズ部でも、光拡散基板91自体に凹凸加工を施して形成したものでも良い。
【0017】
フレネルレンズシート90の光拡散基板91を構成する樹脂基材としては、ポリエステル樹脂,スチレン樹脂,アクリル樹脂,アクリル−スチレン共重合樹脂,ポリカーボネート樹脂,塩化ビニル樹脂などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0018】
レンチキュラーシート100は、基板101の片面(プロジェクタ側)にシリンドリカルレンズを並設してなるレンズ部102を設けてなり、基板101の他面には、レンズ部102による非集光部に相当する位置に、ストライプ状の遮光層(BS)105が形成される。
【0019】
ストライプ状の遮光層105の形成にあたっては、基板101の非レンズ部側の平坦面に、粘着性を有しかつ紫外線の照射によってその粘着性が消失する特性を持つ紫外線硬化型樹脂層106を積層する。
【0020】
次に、レンズ部102側から紫外線を照射し、レンズ作用によって集光して硬化した部分以外の紫外線硬化硬化型樹脂層106の未硬化部分に前記樹脂層106の粘着性を利用して、黒色の粉末トナーまたは黒色の着色層を有する転写シートを着色層側で重ね合わせ、未硬化部分の前記樹脂層の粘着性を利用して、前記黒色粉末トナーまたは前記黒色着色層を未硬化部分のみに付着させ、ストライプ状の遮光層105を形成することでファインピッチでも光学的な位置ずれの少ないBS付きレンチキュラーレンズシートを得ることができる。
上記のように、レンズ自身の集光特性を利用して、レンズの非集光部に正確にBSを形成する手法は、「セルフアライメント方式」として公知である。
【0021】
上記のようにして得たBS付きレンチキュラーシートのBS形成面に、粘着剤207を介して、光拡散板201をラミネートする。
【0022】
粘着剤としては、アクリル系、エチレンビニルアセテート系などの粘着剤が使用されるが、その材質や構成等に特に限定されるものではなく汎用の粘着剤が使用可能である。また、粘着剤の代わりに紫外線硬化型接着剤を使用することも可能である。
【0023】
以上のようなレンチキュラーシートとフレネルレンズシートとを、同図に示すように、互いのレンズ部が面するように配置することにより、プロジェクションスクリーンとする。
【0024】
本発明における光拡散板(91,201)は、投射光の透過方向に、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層と、無機有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層とから構成される種類の異なる2以上の光拡散層を設けた構成であることを特徴とする。
【0025】
光拡散基板は、光拡散剤を練り込んだ樹脂シート(第1の光拡散層)の片面に、光拡散剤を含むインキが塗布形成(第2の光拡散層)されてなる構成でも良い。
【0026】
または、光拡散剤を練り込んだ樹脂シート(第1の光拡散層)の両面に、光拡散剤を含むインキが塗布形成(第2の光拡散層)されてなる構成でも良い。
【0027】
または、光拡散剤を練り込んだ樹脂シート(第1の光拡散層)の片面に、光拡散剤を練り込んだ別の樹脂シート(第2の光拡散層)を積層した構成でも良い。
【0028】
または、光拡散剤を練り込んだ樹脂シート(第1の光拡散層)の両面に、光拡散剤を練り込んだ別の樹脂シート(第2,第3の光拡散層)を積層した構成でも良い。
【0029】
または、光拡散剤を練り込まない透明樹脂シートの表面に、光拡散剤を含むインキが2層以上塗布形成されてなる(第1,第2の光拡散層)構成でも良い。
【0030】
または、光拡散剤を練り込まない樹脂シートの表面に、光拡散剤を練り込んだ樹脂シートを2層以上積層(第1,第2の光拡散層)した構成でも良い。
【0031】
または、光拡散剤を練り込まない透明樹脂シートの表面に、光拡散剤を含むインキの塗布形成および光拡散剤を練り込んだ樹脂シートの積層による、2層以上の光拡散層を形成した構成でも良い。
【0032】
本発明で好適なフレネルレンズシート側の光拡散基板は、
プロジェクタ側の最外の光拡散層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であり、レンチキュラーシート側の最外の光拡散層は、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層である。
【0033】
本発明で好適なレンチキュラーシート側の光拡散基板は、
フレネルレンズシート側に最も近い光拡散層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であり、観察者側に最も近い光拡散層は、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層である。
【0034】
図1に示す構成で、粘着層207は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる構成であっても良い。
【0035】
また、光拡散板201の観察者側の最外面に、ハードコート層,帯電防止層,反射防止層の何れかの表面処理層が施される場合、前記表面処理層が、光拡散層を兼ねる構成であっても良い。
【0036】
さらには、フレネルレンズシートとレンチキュラーシートとを粘着層を用いて貼り合わせる場合、そのための粘着層が何れかの光拡散層を兼ねる構成であっても良い。
【0037】
本発明による光拡散板は、上記に例示した各種構成を、目的や製造設備に応じて適宜組み合わせて構成される。
【0038】
光拡散板を構成する材料として、
光拡散基板に使用する透光性樹脂基板としては、例えばアクリル樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリエステル樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリオレフィン樹脂,塩化ビニル樹脂,ポリイミド樹脂,または上記の樹脂のブレンド物または共重合体からなるシート及びフィルムなどが使用可能である。
光拡散板として使用する場合には、分散する光拡散材として珪素,アルミニウム,カルシウムあるいはこれらの酸化物を含む無機質粉末やガラスビーズあるいは、樹脂を架橋させたポリマービーズ等を前記樹脂中に溶融混練、あるいは透光性樹脂基材上にコーティングし、拡散層として使用される。
【0039】
光拡散板は、生産性の点から0.1〜0.2mm厚の薄いポリエステルおよびポリカーボネートフィルムを透光性樹脂基材として使用するのが望ましい。このような薄いフィルムを使用した場合には、スクリーンとしての剛性に乏しいことから、厚さ0.7mm以上の透光性樹脂基板上に粘着剤を介して積層し、強度を維持することが必要となる。
さらに、透光性樹脂基板を光拡散基板として使用する場合には、拡散剤として珪素,アルミニウム,カルシウムあるいはこれらの酸化物を含む無機質粉末やガラスビーズあるいは、樹脂を架橋させたポリマービーズ等を前記樹脂中に溶融混練したり、透光性樹脂基材上にコーティングした光拡散層を設けて使用される。
【0040】
レンチキュラーレンズシートの透光性樹脂基材および光拡散基板としては、紫外光領域での平均透過率が350〜400nmで60%以上、300〜350nmで80%以下の範囲内にあるものを使用する。この範疇にあるものとしては、ポリエステル樹脂,ポリカーボネート樹脂,MS樹脂などのシートやフィルムが挙げられる。
【0041】
紫外光領域での平均透過率が350〜400nmで60%未満であると、片面に形成するレンズ部を紫外線硬化型樹脂の硬化物により形成する場合、紫外線硬化型樹脂の硬化が不充分となり、硬化物中に残存する光重合開始剤の割合が増加し、耐光性低下の原因となるため好ましくない。また、300〜350nmで80%以下好ましくは60%以下とすることにより、硬化後に紫外線照射された場合、照射エネルギーの大きい短波長の紫外線をある程度カットする役目を果たす。以上の点から、前述の範囲内が好適となる。
【0042】
フレネルレンズシート側の光拡散基板では、
プロジェクタ側の最外の光拡散層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であり、レンチキュラーシート側の最外の光拡散層は、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層である構成であることが好適な理由としては、
有機系材料による光拡散剤は、形状が均一な球形(ビーズ状)であることが多く、それが分散されてなる光拡散層の表面が荒れておらず(マット面)、プロジェクタから入射する映像光がレンズ部に至る前に、光拡散層の表面で拡散する成分が少なく、結果的に「迷光」となり、2重像として視覚されることが少ないことによる。
上記光拡散剤として、アクリルやMS樹脂などの架橋ビーズが例示される。
【0043】
レンチキュラーシート側の光拡散基板では、
フレネルレンズシート側に最も近い光拡散層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であり、観察者側に最も近い光拡散層は、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層である構成であることが好適な理由としては、
上記と逆に、無機系材料による光拡散剤は、形状が不均一な鱗片状であることが多く、それが分散されてなる光拡散層の表面(観察者に直接面する)が適度に荒れて(グロス面)おり、ギラツキがなく、光拡散層がハードコート層を兼ねるようにした場合、ハードコート面の外観が良好となる。
上記光拡散剤として、シリカなどが例示される。
【0044】
【実施例】
以下、フレネルレンズシート側の光拡散基板の片面(プロジェクタ側)には、シリンドリカルレンズ群が形成された図1にかかる構成のフレネルレンズシートを用い、レンチキュラーシート側の光拡散基板の構成を変更した各種の実施例について説明する。
【0045】
<実施例1>
光拡散剤を含まない透明樹脂基板の片面(観察者側となる最外面)に、ハードコート層を兼ねる光拡散層Aを形成し、他面(レンズ部側)に、粘着層を兼ねる光拡散層Bを形成した構成。
光拡散層A=無機系:シリカが30%の濃度で分散したアクリル系樹脂(紫外線硬化性を持つ)を20μm厚で塗布形成。
光拡散層B=有機系:MS架橋ビーズが10%の濃度で分散したアクリル系樹脂を20μm厚で塗布形成。
【0046】
<実施例2>
光拡散剤を練り込んだ樹脂基板の片面(観察者側となる最外面)に、ハードコート層を兼ねる光拡散層Aを形成し、他面(レンズ部側)に、粘着層を兼ねる光拡散層Bを形成した構成。
光拡散層A,Bは、実施例1に同じ。
【0047】
<実施例3>
光拡散剤を練り込んだ樹脂基板の片面(観察者側となる最外面)に、ハードコート層(光拡散剤を含まない)を形成し、他面(レンズ部側)に、粘着層を兼ねる光拡散層Bを形成した構成。
光拡散層Bは、実施例1に同じ。
【0048】
上記1〜3の実施例による光拡散基板を用いたレンチキュラーシートを上述のフレネルレンズシートと組み合わせてスクリーンとして視覚した場合も、輝度,視野角,コントラスト・解像度も良好であり、ホットバーの発生も確認されなかった。
【0049】
視野角については、水平・垂直の両方向における半値角度(正面での輝度が1/2になる角度)が、それぞれ35°,12°であった。
比較のため、2層の光拡散層を有さない光拡散基板(光拡散剤を練り込んだ樹脂基板のみ。または、光拡散剤を含まない透明樹脂基板に光拡散層を単層で形成した場合)を用いた場合と比較すると、
2層の光拡散層を有さない光拡散基板では、視覚される映像の輝度が低下しただけでなく、特に垂直方向における半値角度の低下(8〜10°)が顕著であり、ホットバーを回避するために、分散する拡散剤の濃度を高くする必要があった。
【0050】
【発明の効果】
光拡散基板として、光拡散剤を分散混合した光拡散層を2層以上設け、かつレンズシート(フレネルレンズシート,レンチキュラーシート)毎に光拡散剤の種類(有機系,無機系)を適宜に設定することにより、所望とする光拡散性を制御することができる。
従来は、光拡散剤の分散量を多くしたり光拡散層を厚くして、光拡散性の制御およびホットバーの回避を図ると、映像輝度の低下を招くことになるが、本発明では、光拡散剤の分散量を過剰にすることなく、映像輝度・解像度の低下およびホットバーがない状態で、所望とする光拡散性が得られる。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロジェクションスクリーンの一例を示す説明図。
【図2】従来のプロジェクションスクリーンの一例を示す説明図。
【図3】従来のプロジェクションスクリーンの一例を示す説明図。
【符号の説明】
10,60,90…フレネルレンズシート
20,70,100…レンチキュラーシート
12,22,23,62,72,92,102…レンズ部
24,61,81,91…光拡散剤
25,75,105…遮光層
30…保護板
80,91,201…拡散基板
88,106…粘着層

Claims (15)

  1. プロジェクタからの投射光を、略平行光として出射する作用を持つフレネルレンズシートと、観察者側に配置されたレンチキュラーシートを組み合わせたプロジェクションスクリーンにおいて、
    フレネルレンズシートとレンチキュラーシートは、光拡散基板の表面にレンズ部が形成されており、
    前記光拡散基板は、投射光の透過方向に、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層と、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層とから構成される種類の異なる2以上の光拡散層を設けた構成であり、
    フレネルレンズシートは、光拡散基板の反プロジェクタ側にフレネルレンズ部が形成されており、前記光拡散基板は、プロジェクタ側の最外の光拡散層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であり、
    レンチキュラーシートは、光拡散基板のフレネルレンズシート側にレンズ部が形成されており、前記光拡散基板は、観察者側に最も近い光拡散層は、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であると共に、前記光拡散基板としては、紫外光領域での平均透過率が350〜400nmで60%以上、300〜350nmで80%以下の範囲内にあるものを使用する
    ことを特徴とするプロジェクションスクリーン。
  2. 前記光拡散基板が、光拡散剤を練り込んだ樹脂シートの片面に、光拡散剤を含むインキが塗布形成されてなる構成であることを特徴とする請求項1記載のプロジェクションスクリーン。
  3. 前記光拡散基板が、光拡散剤を練り込んだ樹脂シートの両面に、光拡散剤を含むインキが塗布形成されてなる構成であることを特徴とする請求項1記載のプロジェクションスクリーン。
  4. 前記光拡散基板が、光拡散剤を練り込んだ樹脂シートの片面に、光拡散剤を練り込んだ別の樹脂シートを積層した構成であることを特徴とする請求項1記載のプロジェクションスクリーン。
  5. 前記光拡散基板が、光拡散剤を練り込んだ樹脂シートの両面に、光拡散剤を練り込んだ別の樹脂シートを積層した構成であることを特徴とする請求項1記載のプロジェクションスクリーン。
  6. 前記光拡散基板が、光拡散剤を練り込まない樹脂シートの表面に、光拡散剤を含むインキが2層以上塗布形成されてなる構成であることを特徴とする請求項1記載のプロジェクションスクリーン。
  7. 前記光拡散基板が、光拡散剤を練り込まない樹脂シートの表面に、光拡散剤を練り込んだ樹脂シートを2層以上積層した構成であることを特徴とする請求項1記載のプロジェクションスクリーン。
  8. 前記光拡散基板が、光拡散剤を練り込まない樹脂シートの表面に、光拡散剤を含むインキの塗布形成および光拡散剤を練り込んだ樹脂シートの積層による、2層以上の光拡散層を形成した構成であることを特徴とする請求項1記載のプロジェクションスクリーン。
  9. フレネルレンズシートは、光拡散基板の反プロジェクタ側にフレネルレンズ部が形成されており、前記光拡散基板は、
    プロジェクタ側の最外の光拡散層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であり、レンチキュラーシート側の最外の光拡散層は、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のプロジェクションスクリーン。
  10. レンチキュラーシートは、光拡散基板のフレネルレンズシート側にレンズ部が形成されており、前記光拡散基板は、
    フレネルレンズシート側に最も近い光拡散層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であり、観察者側に最も近い光拡散層は、無機系材料による光拡散剤が分散されてなる光拡散層であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のプロジェクションスクリーン。
  11. レンチキュラーシートは、基板のフレネルレンズシート側にレンズ部が形成され、基板の他面には、前記レンズ部による集光部(開口部)以外の位置にストライプ状の遮光層が形成されており、前記遮光層上に粘着層を介して光拡散基板が積層された構成であり、
    前記粘着層は、有機系材料による光拡散剤が分散されてなる構成であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のプロジェクションスクリーン。
  12. 観察者側の最外面に、ハードコート層,帯電防止層,反射防止層の何れかの表面処理層が施されていることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のプロジェクションスクリーン。
  13. 前記表面処理層が、光拡散層を兼ねることを特徴とする請求項12記載のプロジェクションスクリーン。
  14. フレネルレンズシートは、光拡散基板のプロジェクタ側に、垂直方向にシリンドリカルレンズ群が並列されたレンズ部が形成された構成であることを特徴とする、請求項1〜13の何れかに記載のプロジェクションスクリーン。
  15. フレネルレンズシートとレンチキュラーシートとを貼り合わせるための粘着層が何れかの光拡散層を兼ねることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載のプロジェクションスクリーン。
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